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口腔内の健康意識と保健行動

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Academic year: 2021

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はじめに

 歯周病は全身に様々な影響を及ぼし重症化するこ とが知られている。歯周病の予防には定期的に口腔 内の状態をチェックし,メンテナンスする習慣付け が必要であり,歯科診療のかかりつけ医を持つこと が重要であると考えた。健診部としてどのような働 きかけが有効かを検討するため,口腔内の健康に対 する認識と,実際の保健行動についてのアンケート 調査を行ったので報告する。

Ⅰ.方  法

調査期間:平成29年4月~7月 調査方法:紙面によるアンケート調査

対  象:当院ドック受診者(日帰り・一泊二日)

     100名(男性74名,女性26名)

     年齢30~70歳,平均52歳

Ⅱ.倫理的配慮

 研究の趣旨とプライバシーの保護,研究への同意 は自由意思により決定できること,また,調査協力 しなくても不利益は生じないことを伝え同意を得 た。

Ⅲ.結  果

① 一年以内に歯科検診を受けたと答えたのは男性 53%,女性73%で全体では59%だった。

技 術・実 践

口腔内の健康意識と保健行動

盛岡赤十字病院 健診部1)・中村・北條クリニック2)

佐々木志津子

1)

・鎌田 弘之

1)

・中村ますみ

2)

盛岡赤十字病院紀要 Vol. 27, No. 1, 73-75, 2018

② 歯科のかかりつけ医を持っているのは男性64%,

女性85%で全体では69%だった。

③ 人間ドック同様に歯科検診を受ける機会があれば 利用したいと答えたのは男性66%,女性62%で全 体では65%であった。

(2)

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 利用しないと答えた24%(24名)のうち20名(複 数回答)はすでにかかりつけ医を持っていた。わか らないと答えた11%の中で,不都合があったら行く が10名,どこが良いのかわからないが2名,きっか けがないが1名だった。その他意見・要望は以下の とおり。

・歯科検診がドックの項目にあれば良い。

・今まで歯科検診を受けるきっかけがなかった。

・ 歯の病気から全身に及ぶ病気があることを知ら なかった。

・ドックとは別の日でも良いので行ってみたい。

・ 歯科は困ったことがあったら行くが,痛くない のに行きたくない。歯肉チェックが痛い。

・ 歯科検診が同じ施設内で受けられたら良い。別 な日なら行かないと思う。

・ 歯の病気から全身に及ぶことはテレビで見て 知っていたが,きっかけがない。 

・ 症状がなければ受診しないが,同じ日に出来る なら良いと思う。

・ 1回行けば苦痛なく行けようになる。きっかけ があれば良いと思う。

・ 娘に勧められて通うようになった。定期検診は 必要だと思う。

Ⅳ.考  察

 歯科領域の疾患,特に加齢に伴って罹患率の上昇 を認める歯周病はその菌の刺激で脳や心臓の血管が 動脈硬化になりやすく,脳梗塞や心筋梗塞などの危 険性が高まる。また,このような重篤な疾患をひき おこすだけでなく糖尿病などの生活習慣病が悪化す ることも知られている。厚生労働省が3年ごとに実 施している「患者調査」の平成26年調査によると,

「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数は,331万5千 人で,前回の調査よりも65万人以上増加している

1)。増加傾向にある歯周病予防の対策として健診 による早期発見は有効と考えられる。しかし,歯科 検診の現状を見ると自治体の自主事業として行われ てはいるが,職域健診や人間ドックでは一般的とは 言えない。今回アンケートを行った結果,過去1年

間に歯科検診を受けた人の割合は59.0%であり2), 厚生労働省の平成28年「国民健康・栄養調査」結果 の52.9%とほぼ同様であった。またかかりつけ歯科 医を持っている人の割合についての全国的データは ないが,今回の調査結果から全体で69%,特に女性 は85%の人が歯科のかかりつけ医を持っており健康 に対する意識の高いことがわかった。それでもな お,歯科受診の機会があれば受けたいという人が 65%と多いことから,歯科検診の重要性を認識しつ つも,可能ならワンストップで受けたいというニー ズがあると考えられた。この結果を,盛岡市歯科医 師会に所属し,現在当院の栄養サポートチームとし て歯科回診を担当いただいている中村ますみ医師と ディスカッションした。中村医師からは「かかりつ け医を持っているといっても,数年に一度しか来院 しない人が65%で,ほとんどの人は不具合がなけれ ば訪れない。歯科検診を予防医療に繋げていくに は,歯科に来院した人だけに対応していても限界が ある。健診の場などでポンッ!と背中を押していた だければ大きな効果も期待できる」と示唆をいただ いた。歯科の診療科を持たない当院の現状では当日 の検診項目に歯科検診を入れることは困難である。

しかし,歯周病を予防することが生活習慣病や重篤 な疾患を予防することに繋がることを注意喚起し,

定期的な歯科受診を勧めていくことは可能である。

健診部が予防医療に繋がるきっかけ作りの場として の一助となれるよう,今後更なる方策を検討してい きたい。

Ⅴ.おわりに

・ 歯周病リスクに関する情報提供によって,注意喚 起を促す。

・ パンフレット等を用いて歯科受診のきっかけ作り を積極的に行っていく。

*健診と検診の意味  健診:総合的な健康診断

 検診:特定の病気かどうかの診察 盛岡赤十字病院紀要 Vol. 27, No. 1, 2018

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( 本 論 文 の 要 旨 は 平 成 3 0 年 2 月 1 4 日   第 5 回 HIPOCで発表した)

文  献

1) 厚生労働省.平成26年(2014)患者調査の概 況.http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/

hw/kanja/14/index.html

2) 厚 生 労 働 省 . 平 成 2 8 年 「 国 民 健 康 ・ 栄 養 調査」の結果http://www.mhlw.go.jp/stf/

houdou/0000177189.html

3) 日本歯科医師会 歯科健診を定期的に受けよう   http://www.jda.or.jp/enlightenment/poster 4)日本臨床歯周病学会 歯周病が全身に及ぼす影響   http://www.jacp.net/perio/effect/

技  術 ・ 実  践

参照

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