法経研究 35巻3.4号 1987
静岡県経済の計量 モデル分析
1.序一一 課題 と方法
一昨年秋以降の急激な「円高」は,日本経済をいわゆる円高不況に陥れたが
,
当然のことながら静向県経済もその例外ではあ りえなかった。それどころか,
静岡県経済の場合,在来の構造不況業種 (造船,繊維,製紙,等)にくわえ,
1970年代後半から1980年代前半の県経済を主導した輸送用機械 (主に自動二輸
車,自動車),楽器 (特にピアノ),食品などの輸出関連業種が円高にともなう 輸出不振と内需の停滞に直面 して生産 と雇用を減少させ,県経済に深亥Iな影響 をあたえている。 このような中で静岡県経済は,他方で,官民一体 となって浜 松地域テクノポリス構想や県東部のテクノ・ パーク構想を推進することにより 県経済の先端技術化 と産業構造の高度化をはか り,それを当面の最重要課題 と
して今後の県経済の展開を行なお うとしている。
本稿は,こ のような1970年代後半から1980年代の静岡県経済を対象にして
,
静岡県経済の特徴を反映する地域計量経済モデルを作成し,数年というような 比較的短いタイム・スバンで静岡県経済の動向を分析・考察することを課題と している。 ここでは,本論にはい る前に,この ような課題設定に関連 して本稿 における計量経済分析の基本的な考え方をあらか じめ述べておこう。計量経済分析の手法は,1960年代に「 経済計画」の立案のためのマタロ計量
郎 二 一 英 利 居 浅 土
モデ″ として導入され,日本経済の高度成長 と歩調をあわせて大型化・ 複雑化 の道を歩むことになった。それとともに,地域経済の計量分析ヽ昭和40年代に
' ´ (3) 入ると各地域 または経済圏を対象にして流行のように行われるようになった。
静岡県経済を対象にした計量分析も1971年に静岡県企画調整部企画課により作 成 。公表されてし`電。 この時期の地域経済の計量分析の多 くは,現実の経済の 高度成長を背景 として,10年またはそれ以上にわたる将来の経済予測 (条件付 き政策̀予測シ ミュレーシ ョン)を目的 としていたが,1973年のオイル・シ ョック とそれに続 くマイナス成長をともなった戦後最大の不況は,地域の経済構造の 安定性を前提にして作成された地域計量モデルとその予測シ ミュレーシ ョンを 完全に無効にしただけでなく,大型のマクロ計量子デルに代表さ̲れる計量経済 学自体に大きな疑間をなげかがだ。ォィル0シ ョックを契機 として先進資本主 義諸国を襲ったスタグフレーシ ョン現象は,計量経済学だけでな く,その理論 的バック・ ボーンと考えられてきたケインズ経済学とケインズ的経済政策にた いする信頼を失わせ,それらに反対する諸潮流を台頭させた。それらの中でも ケインズ経済学批判の最先鋒をい くマネタリズムやマクロ合理的期待形成学派 は,政府の経済政策の変更は経済構造それ自体を変化させるから,政策変更に よって構造方程式が影響を受けない とい う仮定のもとで作成されている計量モ デル とその政策シ ミ.レーシ ョンは,はじめから無効である,とい う強力な批判 を展開し絶な ケインズ経済学をめ ぐるこれらの論争は現在も続けられ て い る が:計量経済‐学の分野でも,「計量モデル」の手法 と経済構造の安定性を仮定せ ずに経済の時系列データを解析する「時系列モデル」の方法のあいだで論争が
(8)
くりひろげられている
6
われわれは,計量経済分析の有効性に関するこれらの論争に重大な関心を持 ってしヽるが,本稿では計量経済分析の基本的前提条件の一つである,分析対象 たる「経済構造の安定性の問題」に留意しつつ,以下の方法的限定をつけて
,
静岡県経済の計量モデル分析を試みる。すなわち,第すに,本稿では,地域経済のす般的計量モデルを基礎にして,
法経研究35巻304号 1987
それを構成す る各 々の行動方程式や構造方程式 のパ ラメーターを静 岡県経済 の 統計資料に対 して推計す るとい う方法ではな く,まさに静岡県経済の構造的特 徴を反映す る計量モデルを作成す ることに方法論上 の重点をお く。
第二に,ほんらい地域経済はオープンな経済システムであ り,財貨・ サ ーブ ィスの域 内循環だけでな く,それ らの域外 との取引や所得の流出入関係を複雑 にもつ国民経済の部分経済である。通常の地域計量モデルは,域内の内部循環 を中心にそれを連立方程式体系 としあわす同時モデル (SimuttmeOuS MOdel) を中核にもち,また,こ こに計量モデル分析の特徴 と面 白さがあるといえる。
しか し,本稿では内部循環をあらわす同時的関係を構成部分 としてふ くむにし ても,むしろ後述す る静岡県経済の構造的特徴を反映 して,県外 の諸条件 (外 生変数であらわされ る)に大 きく依存す る県内の《生産》一《所得分配》一《支出》
の関係を逐次モデル (Recursive Model)的 なモデル構成で捉えることに重点を お く。
第三に,分析対象の「経済構造の安定性」 とい う点では;政策変更が経済構 造に与える影響 とい う問題は別 としても,国際的な諸条件の変化や急速 な技術 革新 の進展な ど近年 の日本経済をめ ぐる経済環境 の変化を考慮すれば,本稿の 計量分析では,1970年代後半か ら1980年代前半を資料期間 とし,4〜5年とい
う比較的短いタイム・ スパンで静岡県経済の動向を分析・考察す ることに本稿 の課題を限定する。
注
(1)浜松テクノポ リス構想 と その静岡県経済への影響については とりあえず次の文
献を参照。『 現代先端技術の展開 と地域経済』1986年 (昭和60年度科学研究成果報
告書 〔静岡大学〕,研究代表者 上原信博)
(2)わが国で最初のマクロ計量モデルは1958年に 公表された内田忠夫,渡部経彦,
嘉治元郎によるTCERモデルである。
内由忠夫, 渡部経彦「 日本経済の変動, 1951‑1956」 『 季刊理論経済学』第9 集,1959年 。
(3)昭和40年代にお こなわれた地域経済の計量分析については, 次 の文献に当時作
成 された地域計量モデルの 一覧表が掲載 されている。福地崇生編『 地域経済学』
有斐 閣,1974年。 経済企画庁経済研究所『 全国地域計量モデルの研究』同研究シ リーズ第18号,1967年
(4)静岡県企画調整部企画課編『 地域開発計画作成のための 計量経済モデル』静岡
県企画課,1971年。
(5)この点では,次の文献等参照。 佐和隆光「 マクロ計量モデルの有効性をめ ぐっ
て」,竹内啓編『 計量経済学の新展開』東京大学出版会,1983年所収。
(6)Lutts,R。, Eθθ
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′りのrИ C″″りg%ι ''」
Ournal of Monetary Econornics, Supplenlent, 1976.(7)ケ イ ンズ経済学 をめ ぐる最近 の論争 については,浅利一郎「 近代経済学一―『 ケ
イ ンズ経済学 の破産』以後 の軌跡」『 経済』1986年6月号参照 。
(8)「時 系列 モデル」とそれ をめ ぐる論争 につ い ては,次の文献参照。
近 照夫「 時系列モデル"派に よる計量経済 モデル派批判につ いて」『 法 経 研
究』,33巻3・4号,1985年。
浪花 貞夫「 時系列モデルに よる経 済分析」,竹内啓編,前掲 書,所収。
2。
静 岡県 経 済 の特 徴 と静 岡県 経 済 計 量 モ デ ル(1)静岡県経済の特徴
まず最初に,1970年代後半か ら1980年代前半 の静岡県の産業構造の特徴を
,
静岡県を対象 とした これまでの地域経済研究の成果に依拠 して要約すれば,次の ようにまとめることができる。(2)
第一に,静岡県 の産業構成を純生産の構成比率でみれば,第一次産業 と農業 の比率はこの期間に一貫 して低下 し,1983年度にはそれぞれ4%と2.9%にま でさが っている。それに対 し,第二次産業および製造業は,緩やかな低下傾向 をしめしているが,同年度で竹れぞれ %および33,7%である。第三次産業は 増加傾向にあ り同年度には
50。
7%であるが,それでも全国水準にはいた ってい ない。以上か ら,静岡県は第二次産業 とりわけ製造業を中心 とした工業県であ る といえる。第二に,総需要 の構成を1980年度の産業連関表でみると,中間需要41.9%,
法経研究35巻3・4号 1987 最終需要58.1%であ り, 4対6と い うこの構成はこの期間おおむね変わ ってい ない。 しか し,最終需要の うち県内最終需要 (県内の民間消費支出,政府消費 支出,固定資本形成等)は低下傾向にあ るのに対 し,最終需要にしめる移輸出 のウェイ トは増加傾向にあ り,53.6%に までなっている。 ここか ら,「本 県 経 済は移輸出依存型経済で牙ぎ」 とぃ ぅ把握がでて くることになる。
第三に,以上の2つ の特徴から,県外への移輸出に大きく依存する工業県 と い う静岡県経済の姿が浮き上がってくるが,その内容をもう少し詳 し くみ る と,工業製品全体のうち中間需要の比率は1980年度で41.5%あるのに対し最終 需要は58.5%である。そのなかでも,この期間の静岡県経済を主導した機械 4 部門(輸送用,電気,精密,一般),楽器,化学 (と くに医薬品)等の重化学工 業部門と食料品は,製造工業全体の最終需要依存率 (約60%)をはるかにこえ る高い最終需要依存率である。以上のことか ら,静岡県の製造工業は,総体的 にみて「最終需要指向型」に傾斜してお り,なかでも,それを主導する機械工 業において典型的にみられるように,県外から原材料を移輸入して,それを加 工・組立して県外に移輸出するとい う性格が強い,といえる。
静岡県経済の特徴をこのように捉えることが出来るとすれば,これらの特徴 を どのように地域計量モデルに反映させるかが,F「5題になる。それを次に考察 しよう。
(2)地域の経済循環の構造 と「静岡県経済計量モデル」の概要 一般に,地域 の経済循環の構造を県民
経済計算体系の産業連関表で あ ら わ す と,図1である。 これ より,Zを総供給
(=総需要)として
総需要は
Z=X+C+I+G十(E一y)
総供給 は
図1 産業連関表の構造(最終需要) 中間投入
(X) 消費 支 出
lCl
投資 支出
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(E―
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E:移輸 出
M:移
輸 入
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した が って,これ よ り地域 の経済循環 の構造 は次式 で要約的 に表現す る こと
が で きる。
す なわ ち, ・
y―T=C+J+G+(E― y) .
または
,
y=ε+J+(G― T)+(E―]r)
この式は,統計的・事後的には産業連蘭表の列和,行和から導出される恒等 関係を表す ものと考えることができるが,理論的には,最終需要 (有効需要) 各項の規模が地域の生産を規定し,したがってまた地域の生産所得を規定する
ことを表現している。もっとも,この関係は地域の経済循環の構造を表す とい っても,最も抽象的なレベルにおける地域経済の循環構造の一部分の表現であ り,地域経済モデルとしては,この関係は完結 しない:すなわち,この関係を基 礎に最 も抽象的な レベルの地域経済 モデルを構成す るならば,最終需要 の主要な項 目(地域 内の消費支出や 投資支出等)を内生的に規定す る諸 関係が明示的に導入されなければな らない。 これを,第一図の産業連関
表の構造図に模 して描 きだしたのが 図・2である。 この図で,地域経済の 内部循環は矢‐印a.bOcにより表現
されている。 また,このモデルでは
「移輸 出」は体系の運動を規定す る 外生変数である。図2にしめ した地 域内の経済循環の構造は,本稿の静 岡県計量モデルの理論的基礎を与え
図2 地域経済モデルの構造
るが,重要なのはそれを基礎に,前
項でまとめた静岡県経済の特徴を反 映す る地域計量モデルを設計す るこ
とである。
静岡県経済は,県外か らの需要に 大 き く依存す る「最終需要指向型」
の組立・加工製造工業(機械4部門
,
楽器,化学,等)をその 中 核 に 持つ。本稿では,このような特徴を反 映させるために,「静岡県経済計量 モデル」は次の条件を満たす必要が あると考えている。すなわち
,
第一に,工業県 としての特徴を反 映させるために,産業の中分類だけ でな く,製造業を更に分類す ること。
法経研究 35巻3・4号 1987
図3静岡県経済計量モデルの構造
第二に,製造業の中でも,静岡県経済を主導 している製造工業 (機械4部門
,
楽器,化学,等)は,基本的にば県外 の需要 (移輸出)に依存 していること。この2つの条件を満たす計量モデルが作成されねばならない。図3はこの条 件を満たす「 静岡県計量モデルの構造Jである。生産ブロックには産業分類が 導入される。その中でも,移輸 出関連の製造業はその生産活動を,モデルの外 生変数た る移輸 出に基本的には依存 させる。矢甲a.b・ Cは経済の域 内循環 あ らわ し,同時モデルを構成す る。それに対 レ 矢印DIBな経て他のブロッ
クヘ広がる関係は,「移輸 出Jに依存・ 規定す る逐次ギデル的な関係であ
│る
。 以上は,「静岡県経済計量モデル」の基本的な構成・ 考え方を しめ したもの である。モデルの概要は次のとお りである。̲ ̲
① 内生変数78(う ち先決内生変数2),外生変数11
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静岡県経済の計量モデル分析
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ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ
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108 (389)
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法経研究35巻3・
4号1987十0
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② 各推定式 は最小二乗法による単純回帰式 または重回帰式
③ 推定式数78(う ち定義式14)
④ 推定期間は1975年〜1984年の10年間
推定期間が10年間であることは,回帰式パラメータ決定に際 してデータ数が 10個とな り,自由度が少なす ぎるとい う批判が出てこよう。私達は1965年〜19 84年 の20年間についても回帰式を作成 してみたが,経済構造の「 異常値」にた い して,通常行なわれている。 ダ ミー変数をなるべ く使わないで (私達が予測 しようとす る1986年〜1990年が,まさに円高不況で,構造変化がおきつつある 期間だか ら)回帰式を作 って も,逆に,あてはま り具合が悪い。 したが って
,
あえて,私達は最近10年間に期間を限定 した。次に「 静岡県経済計量モデル」をフロー・チ ャー トにあ らわ したのが図4で ある。また,ここにおける内生変数・外生変数の リス トは表1のと お りで あ る。
注
(1)静岡県経済を対象に した地域経済研究 としては, 前掲の『 現代先端技術の展開
と地域経済』(1986年)に先立つ静岡大学における共同研究の成果である 次 の 文
献 も参照。上原信博編『 地域開発 と産業構造』お茶の水書房;1977年 。
(2)1970年代後半か ら1980年代前半の静岡県経済の特徴については次 の 文 献 を 参 照。上原信博「 先端技術の展開 と地域開発」に),121,『法経研究』34‑3,1986年
,
『 法経研究』35‑1,1986年。
(3)静岡県産業構造懇談会『 静岡県の産業構造 ビジ ョン』1979年,P.37。
(4)この関係を基礎にそれを発展・具体化 させて, 地域の経済構造の考察に適用 し
たのに,次の文献がある。 前者は,この関係の地域分析への応用・具体化に関す
る理論問題の考察であ り,後者は, 地域経済の具体的な地域開発の問題への適用
可能性を考察 している。 浅利一郎「地域所得の形成 と循環」1986年,土居 英 二
「 地域所得循環構造 と地域開発の諸類型」1986年,(と もに,前掲『 現代先端技術
の展開 と地域経済』1986年,所収
)。
112 (385)
(図4):静岡県経済計量モデルのフローチャー ト
51輸送用機械 52化学 53電気機械 54楽器・玩具 55食品 56‑般機械 57その他
(注
)●結合子、 ◆分岐子、 鰤二変→[≡ラ要ヨ県内総支出
1.
2.
3.
4.
5。
6.
7.
第一次産業
建 設
電気 。運輸
商 業
製 造 業
金融・保険・不動産
サー ビス。公務
法経研究
3.静 岡県経済 計 量 モデルの構造
(1)生産プロ,′クの構造と推定式
① 生産ブロックの全体的特徴
生産ブロックの各式は,所得の生産過程すなわち,産業別の発生所得 (純生 産=付加価値)がどのように生み出されるか,を説明することに主眼を置いて いる。分配ブロック (賃金・利潤など受取主体別の貨幣所得を記録する所得分 配過程)の前段 として位置付けられる。
産業別の県内発生所得 (純生産)はまた,固定資本減耗を加えると県内総生 産 とな り,国における国内総生産 (GDP)に対応する県経済の動向を総括的 に示す指標 ともなる。
前章で説明したように以下め産業別の県内発生所得 (純生産)を説明する私 達のモデルの各式は大きく二つの部分に分かれている。
第一の部分は,第二次産業の中心をなす製造業が全国市場 。世界市場に依存 している現実に即して,その所得 (付加価値)の生産過程を,製造業内部を7
つの部門に分けながら基本的には,①外生変数である国内需要 (国内消費0国 内投資)ら②出荷額→③純生産 (付加価値)と いう段階的な逐次モデルで説明 していること。
第二 の部分は,主として第二次産業が県 内に市場を持 っている現 実 に 即 し て,県内消費・ 県内投資な どの県内需要要因(所得支出過程)で説明してお り
,
所得の生産→分配→支出→生産…… とい う内部循環を表現す る同時決定モデル である。まず,第一 の部分から各式の説明を しよう。② 製造業の生産所得
製造業の生産所得はのちに式を掲げるように出荷額 の動 きで説明 し て い る が,そ の出荷額 自体をつかむために,内訳部門 として7つの部門を分け(SDMづ:
̀=1〜 7),それぞれ次のような説明変数を用いた。
静岡県経済の計量モデル分析
(1)輸送 用機械工 業 出荷額 CSDMl)
SDMl=+262917+2.41270 AUTO+0.12936 BIKE
(3。
95) (21150)(5。
92)決定係数=0.98991 標準誤差=56123.60 ダービン・ フ トソン比=1.232 静岡では,県西部の浜松市・磐田市周辺にヤマハ,ホング,鈴木自動車など 広く国内全域と世界に市場を持つ自動車・二輸車などの輸送用機械工業が立地
している。出荷額も県内工業の中で大きい割合を占めている。この出荷額は
,
県内市場要因(内生変数)では説明できず,自動車と二輪車の出荷台数(AUTO, BIKE,外生変数)で説明した。回帰式の結果は, 年によって大きく変動する出荷額にたいしてよく適合している。
(2)化学工業出荷額 (SD平2)
SDM2=‑68005.5+11.2302 JC‑8.09576 JI (‑0.89) (6,65) (‑1.99)
決定係数=0.98252 標準誤差=33069。80 ダービン・ フ トソン比=1.956 静岡県は,化学工業の出荷額 も多い。その中身 は,化粧品・ 医療品が多い。
医薬品は3分の2が県外=全国市場へ出荷 されている。説明変数 として,国内 個人消費支出 CJC)と ,一般イヒ学製品も含まれるので,国内総固定 資 本 形 成 (JI)を 用いた。
131 電気機械工業出荷額 (SDM3)
SDM3=.660310+4.55497 CJC+JI)+0.42798 FIPM (‑6.12) (1.59) (1.11)
決定係数=0。96394 標準誤差=65147.10 ダービン・ フ トツ ン比=1.056 電気機械工業の市場構成は,昭和55年産業連関表でみると,重電・ 弱電 とも 約5割が県外市場に出荷され,残り5割が県内市場である6出荷額を説明す る 変数 として,約5害Jを占める県外市場については国 内 個 人 消費支出 Gの と
国内総固定資本形成 (JI)を,県内市場については県内民間総固定 資 本 形 成
(FPM)を用いた。t値でみるかぎ り後者の説 明力は小さい。
に)楽器・ 玩具等工業出荷額 (SDM4)
法経研究 SDW14=‑73433.4+5.13017 JC
(‑2.71)(25.81)
決定係数=0.98665 標準誤差=18578.40 ダービン・ フ トソン比=1.917 静岡県西部の浜松市は,日本楽器(ヤマハ),河合楽器,ローラン ドなどのメ
=カーを中心に,ピアノな ど楽器工業の全国的な産地を形成 してお り,県内工 業における出荷額の比重 も大 きい。 また,静岡市 のプラモデル産業な ど玩具工 業の出荷 も全国市場 の過半を占め るな ど多い。 これ らの出荷額の動向は,最近 の出生率の低下・為替 ンー トによる輸出動向などさまざまな要因に左右される と考えられるが,さしあた り国内個人消費支出 (JC)で説明した。
幅)食品工業出荷額 CSDM5) SDM5=一
(27:l:す
7活B鷲;,JC
決定係数=0。98738 標準誤差=27581.40 ダービン・ フ トソン比事1.588 食品工業は一般に市場を県内の個人消費に依存す る比重 の高い工 業 で あ る が,静岡の食品工業では,清水市に立地す る缶詰工業,沼津市の水産食品工業 な どの比重が高 く,県外市場要因に もかな り左右 され る。説明変数 として県内 個人消費支 内(C1/1)と 国内個人消費
(」
C)を用いるべ きであるが,回帰式 の推 定段階で前者のt値が きわめて小さ く,かつ決定係数 も低 くなるので,ここで は国内個人消費支 出(」
の だけで説 明した。輸)一般機械工業出荷額 CSDM6) SDM6=+21145,8+0。 42087 FIPM
(0。
46) (12.91)決定係数=0.94849 標準誤差=31869。30 ダービン・ フ トソン比=1.183 静岡県の一般機械工業の出荷額は,昭和55年産業連関表でみ ると,県内市場 と県外市場にそれぞれ約半分が出荷されている。その動向の説明変数 として県 内民間企業設備投資 (FPM)を用いた。 回帰式は,大きく変動す る出荷額の 動 きに対 して,まず まずの追跡力を持 っている。
(7)その他の工業 出荷額 (SDM7)