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くさびによる非平衡MHD発電
プラズマの予備電離
宮 田 昌 彦*
Pre−ionization of the Non・equilibrium MHD. Generation
Plasma by the Diagonal Wedges
YATA
(Abstract)
Pre・ionization of the non−equilibrium MHD generation plasma by inlet shock waves was made by the diagonally arranged wedges and experimental measurements for the ef[ects of wedges to the performance of the MHD generator were made. The wedges are arranged diagonally in the MHD generator. The angle of each wedge is 15 degree.
Hall and Faraday voltage in the generator were measured changing the pressure of the plasma and the applied magnetic丘eld. Comparison of these data with those of the power generator with 15 degree wedge Nx・as made.
Distributions of Faraday voltage in the duct with the diagonally arranged wedges become smooth l〕ut Hall voltage is smaller as comparad to the duct with the 15 degree wedge.
The values of Faraday voltage are larger than those of the 15 degree wedge duct.
These results indicate that reduction of the plasma velocity is small in the duct with the diagonal wedge.
1. 序 言
本研究は,シードなしのアルゴンプラズマを用いた非平衡ホール型MHD発電の研究の
一環として行なわれている。このホール型MHD発電機は,電極に円環状の銅電極を用い ることにより,壁面の冷たい境界層中での電流の流れを促進することによって,高いホー
ル電圧発生を期待するものである。(1)一方,シードなしのアルゴンプラズマを用いているために,よどみ点温度は,このアル ゴンの電離を行なうに充分な温度とならねぽならないが,よどみ点と発電流路入口の磁場
作用域の間にかなりの距離があるため,プラズマの温度は膨張によって低下してしまい,*理工学部機械工学科教授 流体工学
内の電子温度の増大をはかればよいが(1),いずれもこれらは,電気的方法によってい
る。
この方法によると,ホール電圧が乱され,あたらしい不安定性が発生するおそれがある。
また一様に放電するにはかなりの技術を要するものと思われる。我々は,このような電 気的な方法によらず気体力学的に入口衝撃波を発生させ,その後流での温度上昇を利用す
ることを試みている。(1)でのべたように,この結果,あまり流速をおとすことなく,
ホール電圧や電流を増大せしめることができた。
本報告では,いままで実験に供してきた15度くさびをともなうダクトのかわりに対角線 状に配したくさびをもつダクトを用意し,くさびの前方に発生する衝撃波の位置や形によ って,予備電離の効果がどのように発電機の性能に影響をおよぼすかについて,実験的に 研究した。またこの実験結果を15度くさびのダクトのそれと比較したのでそれについても
のべる。
2. 実験装置およびMHD発電流路
実験装置については,(1)と同じで,角断面(70×100mm2)をもつ圧力駆動型衝撃風 洞と0.86Tの最大磁界強度をもつ電磁石によって構成されている。
衝撃風洞の性能は,表に示してある。これは,(2)と同じである。
Table, Gas dynamic performance of the shock tunnel.
Dr三ver Pressure(He) 1.089 MPa
Initia1 Pressure A 0.13−0.39 kPa
Shock Speed Stag. Pressure Stag. Temperature
Stag. Deg. of Ion.
Stag. Electron Den.
Magnetic Field
5.4−4.8 M 34−22 kPa 6000−3600 K
7.0×10−5
5.6×1019 1/m3 0.86−0.49 T
図1に,MHD発電流路の構造を示す。
電極は35対の円環状銅電極で,これを保持する部分の先端は15度のくさびを持ってお
りこの部分に入口衝撃波を発生させている。本ダクトでは,この保持板4枚を,ダクFの
四隅部分に,断面図2にしめすように配置している。いままで実験に供してきたダクトで
は,この保持板がダクトの上下の全壁面をおおっていたので,流路面積が減少する割合が
多くなっていた。対角線のくさびでは,流路面積があまり減少せず,しかも予備電離の効
果は,ほとんど変わらないはずである。一方,電極は,一部が磁場に対して平行な部分を
持つので,効率が低下すると思われるが,いまの発電機は,ホール発電機であるので,あ
田︑
一
LS
Fig.1 Schematic diagram of MHD generator duct with the diagonal wedges.
Wedge
§ ・
≡ 三
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Ringel㏄trode
uo め
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三
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410 き!ll85 85
20
Probe
2 1 59
Fig.2 Cross section of the diagonally arranged wedges.
まり大きな影響はないと考えられる。ダクトは前の流路と同様ホール電圧およびファラデ
ー
電圧を測定するプローブを5対そなえている。発電流路内の静圧を測定するために,キ
スラー社(603A)のピエゾ圧力計をダクト内に設置してある。3. 実験結果とその検討
図3は,プP一ブで測定したホール電圧の磁場に対する変化である。比較のために,実
線で15度くさびのダクトのデータを示してある。圧力に対するホール電圧の変化はないが,15度くさびの場合より,圧力が低いときに
>400遷:
E
200
0.6
,dge
2KPa 4KPa
0.7 0.8 0.9
Magnetic Field T
Fig.3 Hall voltage measured by probes against th・ ・pPli・d m・g・・ti・field.
uo.
> AepeJeH
Magnetic FieTd丁
Fig.4 Faraday voltage against the applied magnetic field for the stagnation pressure of 22 kPa.
F2 indicates the probe in the upstream part of the duct and F4 is that of in the down−
stream part of the duct.
は,ホール電圧は低くなっている。ホール電圧が15度くさびのデータより小さくなる傾向 が,全般的に現われているが,これが対角線くさびの場合の一般的傾向かどうかは,現在
の段階では,明らかではない。図4は,ファラデー電圧の磁場に対する変化を示す。やはり比較のために,実線および
点線で,15度くさびのデータを示してある。図中のF2は,上流側のプローブによる測定結果, F4は,下流側のそれによる測定結 果である。15度くさびの場合にくらべて,とくに,下流側のプローブによる測定結果に関 して,磁場に対して減少する効果はみられない。これは,J×B力による影響があまり大
きくないことをしめしている。図5は,同様に,圧力の高い場合のデータで,傾向的には,図4と同じ結果になってい
る。図4,図5とも,明らかに,フィラデー電圧は,15度くさびでの値より磁場の大きい
ところで,2倍位大きいことを示している。2000
−E > 1500
oo 10
nloA fiepeJe﹂
500
一△F2
−一
〇F4△
15 Wedge
△
△
△
Ps=22KPa
0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
Magnetic Field T
Fig.5 Faraday voltage against the applied magnetic field for 34 kPa.
2
ユ 1
II
A O
KupemH
F輌g.6 Distributions of the Faraday voltage in the generator.
400
E \
>300
0 0 2
llOA
=e
H
100
1
Fig.
5 10 15 20 2425
60mm Etectrode position 240mm
7 Distributions of the Hall voltagc.以上のことから,対角線状のくさびを配したことにより,流路内のプラズマ流速の減少
が緩和されていることが結論される。ダクト後方でのファラデー電圧の減少は,流速の減少に結びついており,図4,5での 説明において,J×B力の効果が効いていないとすると,くさびにより作られた衝撃波と 壁との干渉により,後流の流速が減少していくのであろうと考えられる。この減少の程度
が15度くさびより少ないのは,興味のある結果である。図7は,ホール電圧のダクト内の分布を示す。
ホール電圧の方は,15度くさびの場合に比べてファラデー電圧とは反対に減少の程度が
おおきいようである。いまのところ,原因は,不明である。400
ξ
300
ゴねむ
三壬100
△ Ps= 34KPa
0 22KPa
5.Wedge
10・4 10・3 10−2 101 1 10 100
HaTl current A
F三g.8 Hall voltage.current characteristics.
図8は,ホール電圧電流特性である。この測定においては,ホール電極5と14が結線さ
れている。これは,ダクト上流側のホール電極を結んでいることになる。15度くさびの場合と比較して顕著な差は,ホール電圧が低いことであり,また電圧が顕 著に減少する(放電構造が変わる)ところが,あまり明確でなく,かつ,その部分の電流
値が,一桁近く小さくなっていることである。以上のことは,この発電機が,ホール発電機としては,15度くさびの発電機と比較して
効率が悪いことを示しているようだが,ホール電圧のデータがいまのところ少ないので,結論づけは出来ない。
謝
辞
本研究は,大学院理工学研究科修士課程 玉 城 勝 との協同研究である。また,
和和59,60年度卒業研究学生諸君の協力に対して謝意を表わす。本研究の過程において,
明星大学特別研究助成費の援助を受けたことを付記して,謝意を表わす。
参考文献
(1)宮田,坪井,入口衝撃波予備電離をともなうホール型MHD発電(続報ファラデー電流の測 定),日本機械学会講演論文集No.830−12(1983).
(2) 坪井,宮田,同上,日本機械学会講演論文集No.830−4(1983).