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1996年1月

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1996年1月 第136回東京医科大学医学会総会

一 73 一

   現行消防計画を整備する中で,特にマンパワ   一確保等について掘り下げて,現実に即した計   画を確立したい.

第4上記項目を達成するため,下記事項の検討と   財政措置について考えてみたい.

   1病院構内建物の耐震調査    2 教職員等の確保策    3非常食について    4水道対策    5 ガス対策    6電気対策

   7 エレベーターの地震管制について    8 通信関係について

   9機器什器等の転倒防止策    10 院内外の広報について    11水損防止対策

   12初期対応と対策本部の設置について    13初期の災害医療対策について    14効率的な防災訓練について    15 防災の為の新規購入資器材について

8.同時多発患者の診療 一サリン中毒の経験  より一

   (東京医科大学救急医療センター講師)

      牧野義文  平成7年3月20日に発生した,所謂地下鉄サリン 事件では当院に82症例が来院するも幸い死亡例は 無く,4症例入院するが3例は軽快退院し1症例は 転院後現在も入院中である.

 午前9時10分頃に東京消防庁指令室より, 同時 多発事故が発生,爆発事故の可能性あり との連絡

を受け,3症例以上の重篤症例を含む8症例以上の 症例が同時診察可能なように準備を行った.

 午前9時30分頃より搬送・到着,当初の重症3症 例より原因不明のガス中毒が強く疑われたので,診 察室の窓を解放し中等症以上症例の衣類を密封し,

スタッフに手袋を着用させ2次災害の防止をはかっ た.約2時間のうちに約70症例が来院し,最初にト リアージ(重症度判定)と心肺蘇生法等の対応を行

った.

 経過観察が必要な症例は観察室に収容したが観察 ベッドが不足し,夜間診察用の診察台も使用した.

軽症症例には検査採血後,注意事項を説明した後に 帰宅させた.中等症以上の症例は,観察室で検査結 果を参考にして経過観察,注意事項を説明した後に 帰宅させた.重症症例はアトロピンの点滴静注後入 院させ,PAMの点滴静注を行なうとともに呼吸管 理を施行した.

 まとめ:

 ①今回は平日午前中であったため,同時に多数 の症例が来院しても当科の医師だけで対応可能で,

中央検査部も多数の緊急検査に対応可能であった.

 ②原因物質の情報を得るまで約2時間を要して おり,この間誤報と思われる報道もあり,原因物質 の検索が可能な設備の必要性を痛感した.

 ③患者の被災状況の情報収拾はテレビ・マスコ ミのみで,医療現場には正確な情報が伝達されず,

集団災害時の情報伝達に大きな問題点を感じた.

 ④診察室の窓を全開放し,スタッフ全員が手袋 着用し,かつ中等症以上の症例の着用していた衣服 は直ちにビニール袋に収容・密閉したため,医療ス タッフの二次災害を防止し得た.

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