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放 射 線 診 断学 の これ か ら

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Academic year: 2021

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放 射 線 診 断学 の これ か ら

原 田 卓 哉

投 稿 の 御 依 頼 を頂 き ま した の で,こ の機 会 に 「放 射 線 診 断 学 」 の将 来 につ い て歯 科 放 射 線 学 と診 断 学 に分 けて 考 えて み た い と思 い ます 。 まず 歯 科 放 射 線 学 に 関 して最 近 の 研 究 動 向 につ いて 述 べ て い き ます 。 日本 歯科 放 射 線 学 会 は春 に学 術 大 会 を,ま た秋 に臨 床 画 像 大 会 と い う2つ の 大 会 を毎 年 開 催 して い ます 。 各大 会 で の 主 な発表 演題 の傾 向 と し て は,基 礎 研 究 に おい て も症 例 発 表 にお い て もモ ダ リテ ィ(画 像 検 査 法)と して超 音 波

とMRIの 占 め る割 合 が 年 々 多 くな って お り ます。 超 音波 に つ い て は近 年 エ ラ ス トグ ラ フ ィに代 表 され る被 写 体 に若 干 の 侵 襲 を与 え る手 法 が注 目 され,舌 悪性 腫 瘍 へ の 臨床 研 究 も始 ま って い ます 。 またMRIで は拡 散 強 調 像 や 水 抑 制 画 像 の よ うに,単 にT1強 調 像 やT2強 調 像 を撮 像 す るば か りで な く被 写 体 の病 理 的 特 徴 が反 映 され る撮 像 法 の 探 求 が 目立 って い ます 。エ ック ス線CT関 連 で は還 流 画 像 が注 目 され て はい ます が,や は りエ ッ ク ス線 被 曝 が 懸 念 され る現状 が 反 映 され て い る た め か,研 究 対 象 の 割合 で は被 曝 の避 け られ な い エ ッ クス 線 よ り も被 曝 の な い超 音波 お よびMRIに 研 究 対 象 が シ フ トされ て い ます 。 こ の傾 向 は 欧 米 で も同 様 で す。 超 音波 お よびMRIを 重 視 す る こ と はす なわ ち歯 や 骨 な どの 硬 組 織 か ら軟 組織 を重 要 な検 査 対 象 にす る こ とで す 。 診 断 対 象 と して の硬 組 織 の 位 置 づ け は次 の 段 階 に 移 っ た と言 え ま す 。 英 文 誌Dentomaxillofacia1Radiology で 投 稿 論 文 の タ イ トル を斜 め 読 み した 限 りで も,エ ック ス線 検 査 の研 究 は線 量 測 定 と被 曝 軽 減 に重 き をお か れ て い ます 。 この傾 向 は特 に ヨー ロ ッパ で 顕 著 で す 。一 方 で大 学 の 一 臨 床 講 座 の 役 割 と して 最 新 の研 究 動 向 をキ ャ ッチ ア ップす る こ とが重 要 で あ る こ とは 言 うま で もな い こ とで す 。 しか しな が ら私 ど もの 講 座 で は超 音 波 もMRIも 自由 に使 え る環 境 で は な く,自 分 の 手元 で検 証 で きな い,ま た検 証 で き ない の で 発表 を聞 い て も十 分 に イ メ ー ジで きな い 。 これ は キ ャ ッチ ア ップ以 前 の 厳 しい,か つ 何 と も も どか しい状 況 で す 。 次 に歯科 放 射 線 学 教育 につ い て述 べ ます 。 特 に臨 床 実 習 にお い て 間近 で検 査 を して 得 られ た 画像 を即 座 に読 影 して レポ ー トを書 く とい う一 連 の 作 業 を 目の 当 た りに さ せ る こ とで,院 内 生 に対 し強 烈 な 印 象 と強 い動 機 付 け が可 能 に な り ます 。顎 骨 に生 じた 嚢 胞 や 腫 瘍 で あ っ て も,嚢 胞 や 腫 瘍 の 特 徴 が 反 映 され る の は や は り軟 組 織 で す か ら MRIの 画 像 所 見 が 何 と して も必 要 で す。 外 部 の 施 設 に依 頼 す れ ば い い とい う ご意 見 を 頂 き ます 。 ご も っ と もで す。 残 念 な が ら歯 科 口腔 外 科 領 域 の 検 査 に 明 るい とは言 え な い 外 部 施 設 で の 画像 は,臨 床 の場 で 必要 と され る情 報 が 十 分 で は あ り ませ ん。 ま た細 か い 追 加検 査 を要 請 す る事 が で きませ ん。 それ に もま して 私 が 強 く懸 念 して い るの は学 生 の 受 け止 め 方 で す。 エ ック ス線 だ け で充 分 だ ろ う,余 り重 要 で は な い の だ ろ う と誤 って 受 け止 め て しま い,決 して 少 な くな い侵 襲 を加 え る画 像 検 査 の本 質 に 目 を向 け な くな る。

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これ こそ私 が恐 れ て い る 由 々 しき事 態 で す 。

閑話 休 題 。 診 断 につ い て 考 えて み た く思 い ます。 診 断 と言 って しま えば 臨床 系 分野 の 専 門 で あ るか の よ うに 聞 こ え ます が,「 情 報 を取 捨 選 択 し,判 断す る」 ことと置 き換 え て しま うと,も う これ は 学 問 で あれ ば 分野 に限 定 した話 で は な くな り ます。基礎系で あ れ,臨 床 系 で あれ,ま た さ らに範 囲 を広 げ れ ば 自然 科 学 お よび 社 会科 学 に お い て も同 様 の 手 法 で 方 々 は研 究 に取 り組 まれ て い る わ けで す 。 さ らに臨床 系 各分 野 の教 科 書 に は画 像 診 断 と して放 射 線 画 像 の解 釈 に 関す る項 目が 必 ず 記 載 され て お ります 。

こ こで,口 腔 診 断学 や これ を守 備 範 囲 に含 め る分 野 が あ るで は な い か と言 うご指摘 を 頂 くお それ が あ る か と思 い ます 。 その ご懸 念 に 関 して は,そ れ らの分野 は診療の一プ ロ セ ス と して 口腔 内検 査 を行 い,ま た主 に口腔 粘膜病変 の分類 を扱 ってい るので,重 複 し た立 場 で は ない と私 は考 え ます 。 一 方 ,私 どもの立場 は画像検査機 器の安全 な取 り扱 い を前 提 と した診 断 技 術 の 探 求 で す 。 そ の 点 に お い て は 「放 射 線 」 と 「診 断」 が重 複 して い る と言 え ます 。 私 は本 学 に お世 話 に な っ て7年 が経 過 して い ます が,本 学 に来 る前 は 現 場 で 画像 診 断 に 勤 しん で お り ま した。 これ か らも臨 床 画 像 診 断 につ い て引 き続 き取 り 組 む こ とに い さ さか の異 存 もご ざい ませ ん。

MRIはNMR(核 磁 気 共 鳴)の2次 元 お よ び3次 元 の デ ー タ表 現 とみ な す こ とが で き ます 。 ま たNMRは 核 子(陽 子,電 子,中 性 子)や 原 子 分子 レベ ル の 相 互 作 用 を反 映 した微 視 的 表 現 とみ なせ ます 。 した が っ てMRIはNMRと い う微 視 的 表 現 を人 体 軟 組 織 に展 開 した 巨 視 的 表 現 と言 え るの で は な い か と思 い ます 。 洋 の 東 西 を 問 わ ず ,MRI に は大 学 な らび に 企 業 で もお び た だ しい量 の研 究 資 源 が投 入 され て お り ます。講座 の現 状 は厳 しい もの が あ ります が,何 とか してMRIを 手 が け られ る方 法 を模 索 して い き た い と思 い ます。

(奥羽 大 学 歯 学 部 放 射 線 診 断学)

参照

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