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ASE が大学硬式野球部員の目標志向性に与える影響 野呂

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Academic year: 2021

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ASEが大学硬式野球部員の目標志向性に与える影響 野呂 修平 (生涯スポーツ学科 野外スポーツコース)

指導教員 黒澤 キーワード:ASE,大学硬式野球部員,目標志向性

1.序論

ASE はグループで一人一人の諸能力を出し合い,

協力しながら課題を解決し,社会性を養うと共に 決断力や挑戦意欲などの強化等に効果がある 1). 筆者は部活動の本来の教育目的である自主的や自 発的な活動意識が大学硬式野球部員の中で低下し ているのではないかと考え,野外教育プログラム であるASEに着目し,ASEが大学硬式野球部員の目 標志向性に影響を与えるのではないかと考えた.

そこで,本研究は ASE が硬式野球部員の目標志 向性に与える影響について明らかにすることを目 的とする.

2.研究方法

【被験者】平成271018日に行われたASE に参加したB大学硬式野球部に所属している部員 のうち1~3年生の計28名を対象とした.

尚,アンケートの処理には記入不備があったも のを除き,計22名を分析対象とした.

【ASEプログラム】

プログラムは3時間で構成し,ビーム,日本列島, ラインナップ,ヘリウムフープ,目隠し図形,ウォ ール,斜めウォール,バックフライング,エレクト リックフェンスの課題を行った.尚,4 班構成で各 班に指導者として野外教育を専攻する大学生がつ き,班の状況を見ながら課題を選択して行ったた め,17~8つの課題を行った.

【調査方法】目標志向性:スポーツ志向性質問用紙

3)を筆者が独自に修正したものを用いて活動前(p re),活動後(post)に調査した.

ふりかえりシート:目標志向性の変化の要因を調 査するため,活動中の心情や行動を問う質問 6 目と,野球場面に必要な資質向上を問う質問を含 めたふりかえりシートを筆者が独自に作成し,自 由記述で回答を求めた.

3.結果及び考察

ASE 前後で大学硬式野球部員の目標志向性に向 上は見られず,ASE が大学硬式野球部員の目標志 向性に与える影響はなかった.

その要因として,活動中のふりかえり方法が考 えられる.Kolb4)の内省・観察,一般化,仮説化の過 程であるふりかえりのサイクルが十分に認識され なかったことが考えられる.本研究では,全プログ ラムが終了後,シートの記入を一斉に室内で行い 記入した「今後の野球場面で活かせると思うこと」

についてのみ各班 1 名ずつ発表した.全体でのふ りかえり場面でも活動を何のために行っているの か,それが野球場面にどうつながるかといった具 体的なふりかえりを行い,硬式野球部員の目標志 向性につながるようにすることが必要であると考 える.

また,被験者には ASE を経験している者が多く いたことも要因の一つとして挙げられる.伊原ら

2)は,今までにない環境や課題に対する不安な状 態を直接体験によって克服し,成功するプロセス が重要であると述べているが,本研究では課題へ の経験があることから,不安が少なく課題達成に 向け試行錯誤を行なうプロセスでの学びが減少す ることも考えられる.

学年別にみると,活動前は 1 年生の個人目標の 得点と集団目標の得点が高く,活動後は 1 年生の 個人目標と3年生の集団目標の得点が高かった.

その要因として,調査時期はチームが新体制で 始動したばかりであり,1 年生にとってアピール しようと意気込んでいるのではないかと考えられ

る.また,ふりかえりシートから1年生は「自分に

できることはすべてできた」などの記述が見られ た.一方,2 年生からは「先輩に任せっきりになっ ていた」など控えめで3年生を頼るような記述が 見られ,最高学年の 3 年生はリーダーシップを発 揮していたことが,得点が高かった理由と考える.

さらに,「今後の野球場面で活かせると思うこ と」の自由記述からは,「状況を見ての判断は、試 合の時と同じ状況判断能力に活かせると思う」,

「守備のときでもしっかり会話ができるようにな ると思う」などといった記述が見られ,その背景に は「状況を見て判断の声を出せていた」や「みん なが話し合っていたので班の成長を感じた」など の活動中に意見交換をしていた様子がとれる記述 があった.

4.まとめ

1)ASE が大学硬式野球部員の目標志向性に与える

影響はなかった.

2)活動前は1年生の個人目標の得点と集団目標の 得点が高く,活動後は 1 年生の個人目標の得点,3 年生の集団目標の得点が高かった.

今後の課題として,目標志向性と ASE の関係性 をさらに検討し,ふりかえりを中心としたプログ ラムの検討をする必要がある.

引用・参考文献

1)福富優,平野吉直(2011):ASEを取り入れたキャンプ活動がサッ

カーチームの雰囲気に及ぼす影響,日本野外教育学会,第14回大会 プログラム,研究発表抄録集,pp.18-19

2)伊原久美子,飯田稔,井村仁,佐藤知行(2004):冒険教育プルグラ ムが小中学生の一般性セルフエフィカシーに及ぼす影響,野外教育 研究,第7巻,第2号,pp.13-22

3)石田靖彦,小川久之(2011):スポーツ系部活動における目標志向 性が部活動での取り組みに及ぼす影響-個人目標,集団目標の観点 から-愛知教育大学研究報告,教育科学編,第60巻,pp.111-117 4)Kolb,D.A.,Rubin,I.M.,Mclntyre,J.M.(1971):Organizational P sychology abook of readings.Prentice-Hall,Inc.,New Jersey

参照

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