ついて(2) : 静岡県内の研究指定校への調査から
著者 石上 靖芳
雑誌名 静岡大学教育実践総合センター紀要
巻 13
ページ 339‑354
発行年 2007‑03‑30
出版者 静岡大学教育学部附属教育実践総合センター
URL http://doi.org/10.14945/00006843
学力向上 フロンティアスクールの成果 とその影響について (2) 一静岡県内の研究指定校への調査か ら一
About the result of the scholastic achievement at frontier schools and the influence they have
一 From the investigation on the designated research schools in Shizuoka Prefecture一
石上靖芳 * Yasuyoshi ISHIGAMI
はじめに―本調査の概要―
本稿 は、「学力向上 フロンティアスクールの成果 とその影響 について (1)一 静岡県内の研 究指定校への調査か ら一」 (静 岡大学教育学部研究報告 人文 0社 会科学篇、 57号 、2007.3) の続編である。本研究の概要は、静岡県内において平成 15年 度か ら 17年 度 までに学力向上 フロ ンティアスクール校 として研究指定を受け、研究に取 り組んだその後の具体的な成果や影響を 調査するために、県内の指定を受けた公立小中学校へ質問紙調査を行ったものである。概要は 以下の通 りである。
・調査対象 :静 岡県内における学力向上フロンティアスクール指定を受けた 36校
・調査時期 :平成 18年 9月
質問紙の回答者 は、各校、指定研究に取 り組んだ経験がある 3名 以上の教師に依頼 した。そ の結果、 21校 か ら 50名 の教師か らの回答があ り回収率は 58.3%で あった。 また、その内訳 は小 学校 は 13校 であ り、 30人 の回答があ り、回答者の教職経験 は 13年 か ら 38年 であった。中学校 は 8校 か ら 20人 の回答があ り、回答者の教職経験 は、 5年 か ら 25年 であったが、大半が 10年 以上 の教職経験 をもつ教師で占められていた。
質問紙の調査の内容に関 しては、第 1点 目に、 この事業の研究の柱である「 (1)発 展的な学 習や補充的な学習な ど個 に応 じた指導のための教材の開発、 (2)少 人数指導をはじめ とす る個 に応 じた指導のための指導方法・指導体制の工夫改善、 (3)児 童生徒の学力の評価 を生か した 指導の改善」の 3点 を中心に、研究指定で取 り組んだ ことが、現在の学校の教育活動にどのよ うな影響や成果をもた らしているのかの内容で構成 した。第 2点 目に、回答者 自身が この研究 指定か ら受けた授業実践 に関す る影響や変容について、第 3点 目に、教育課程編成や校内研修 の内容面をはじめ とする学校の制度面や文化への影響について、第 4点 目に、子 どもたちの学 力向上 と外部 との連携の 4点 を柱 として設間を設定 した。
分析の方法 としては、自由記述された文章 という定性的なデータを取 り扱 うため、 K」 法を 用いる。数量化 されたデータには統計 という手法が利用できる。 しか し、文章などの質的な
*附 属教育実践総合センター
データに対 しては定式化 された方法は少な く、 K」 法 とい うボ トムアップでカテゴリー化する 手法が定番 としてある くらいである
(1)。そこで回答のあつた各項 目の自由記述 を関連す る共 通性の高い内容に分類を行い、その内容を示す概念のラベルを設定 し検討を行 う。前編では、
第 1点 目を中心 に検討・分析 した結果、「 (1)発 展的な学習や補充的な学習な ど個 に応 じた指 導のための教材の開発」に関 しては、①蓄積された資料の活用 と発展、②個の実態把握 と教 材・教具の工夫、③授業実践の深まりと授業観の変容の 3点 が概念ラベルとして設定された。
「(2)少 人数指導をはじめとする個に応じた指導のための指導方法・指導体制の工夫改善」に 関しては、①編成 コースの開発及び工夫改善、②システムの効果的運用、③学年協業及び教科 担任による協働体制、④システムヘの懐疑及び不備の 4点 が概念 ラベル として設定された。
「 (3)児 童生徒の学力の評価を生かした指導の改善」に関しては、①単元評価の推進 と自己評 価の活用、②評価の客観性確保の 2点 が概念ラベルとして設定された。
いずれにおいても、先導的で実証的でであつた成果は、指定終了後の授業改善をはじめとす る教師の意識や授業観をはじめとする価値観に大きな変容をもたらしていること、学校文化を はじめとする制度的な側面や教師文化にも大きな影響を与えていることを確認することができ た。本稿では、第 2点 目から第 4点 目の設間内容について検討・分析の結果を報告する。
2.研 究指定から受けた教師と子どもたちの変容と影響について
(1)学 力の捉え方についての変容
従来、教育現場においては、相対評価の影響から、学力に関しては、ペーパーテス ト等で測 定できる知識・理解の獲得状況が学力であるという認識が支配的であった。平成元年の学習指 導要領の改定以来、内発的な学習意欲の重視 と自ら学び主体的に判断 し表現できる資質や能力 の育成をねらいとする、いわゆる「新学力観」が唱えられ今 日に至っている。文部科学省では、
学力 を知識・技能のみな らず思考力 までを含 めて定義 し、 リーフレッ トの作成 を通 して、知 識・技能 をはじめ とす る 6つ の機能的に働 くモデル図を示 している
(2)。このような一連の教 育施策 と学力向上フロンティアスクールの指定研究 とい う負荷が掛 けられた状況下 においてヽ 教師は、授業実践の源 となる学力観 をどのように捉えてきているのだろうか。学力の捉えに関 する記述 は小学校が 30、 中学校が 16の 合計 46の 記述数であつた。記述の内容 を検討 した結果、
「バ ランス及び総合的な把握の重視」「見えない (数 値化で きない )学 力の重視」の 2点 が共 通性の高い内容 として見いだす ことができたので これを概念 ラベル として設定 した。複数にま たが る内容の記述 に関 しては重複 してカウン トした結果、「バ ランス及び総合的な把握の重視」
は小 中学校合わせ て 19、 「見 えない (数 値化 で きない )学 力の重視」は 12の 記述数が あつた (具 体的な記述 に関 しては表 1参 照
)。第 1点 目の 「バ ランス重視及び総合的な把握」では、知識や技能 と思考力や判断力な どの学 力を二項対立 として見 るのではな く、包括的にバ ランスよ く捉えることが大切であることや意 欲や学び方までを含めて広 く総合的に捉えるようになつた ことを指摘 してある記述が多 く見 ら れた。例 えば、「知識・技能 と思考力等の学力のバ ランスが大事」「学力をこれ まで より広 く捉 えるようになった」「学力は既習が現在の学習に生 き、総合的に育ってい くもの」な どの記述 か らも、従前にもっていた学力の捉えか ら幅広 く捉えようとする質的な転換 を窺い見 ることが できる。
第 2点 目の 「見えない (数 値化で きない )学 力の把握」では、見える学力に加えて見えない
学力を重視することに言及 している記述が多 く見 られた。見える学力 とは、知識や技能を中心 とするペーパーテス ト等で測 ることが可能な学力であ り、見えない学力 とは、意欲、思考力、
表現力、課題追究力、 コミュニケーシ ョン能力な どの機能 として総合的に働 く学力を概ね指 し ている
(3)。例 えば、「見えない学力の把握」「数値化できない学力の大切 さ」「話す、聞 く、物 事を捉 える、感 じるなど見えない学力の方が、本当に生きる学力だ と感 じた」などの記述であ
る。
いずれにおいて も 「バ ランス及び総合的な把握の重視」「見えない (数 値化で きない )学 力 の重視」の 2つ の内容は、見えない学力に目を向けていることに関 しては共通 してお り、学力 の意味そのものが問い直 され、教師の内面に新たな価値観 として再構成 されていることを窺 う ことがで きる。 また、その他の記述 として、「友達 と関われ る力 (相 互作用 )が 学力を向上 さ せ る」「学び合 うことによって学力は定着する」「基本的な生活習慣や学習環境 を設定すること が大切である」「プロセスや学び方を重視する」 といった内容の記述 も見 られた。
表 1 学力の捉えに関する記述
※ 関係する主な意見を抜粋 したものである。 (小 )は 小学校 を示 し、 (中 )は 中学校の回答者 を示 している。
(2)授 業実践 に関する影響 と変容
研究指定 を通 して、一人一人の教師が授業改善を意識 し、力量の向上を図つてい くことが学 力の向上 につながってい くものである。授業実践 に関 しての変容についての記述 は、小学校が
38、 中学校が 14の 合計で 52の 記述数であった。 さらに内容を検討 した結果、「課題解決型授業 の展開」「他領域 と関連を図った単元開発の推進」「子 どもの視点に立った授業構想」の 3点 が 共通性の高い内容 として見いだす ことができたので これを概念 ラベル として設定 した。複数の
くバランス及び総合的な把握の重視 >
・ 知識・技能、思考力・判断力、 コミュニケーシ ョン能力双方が共 に高 まリバ ランスよ く身に付いて いることが望 ましい。
(/Jヽ)0学 力をこれまでより広 く捉えるようになった。単なる知識の積み重ねだけではな く、課題を見つけ、
他 とかかわ り合い自分で考 えなが ら解決 してい く力 との両輪 として とらえるようになった。 (小
)・学力は、既習が現在の学習に生 き、総合的に育つてい くものであるという捉 え方をするようになっ た。 (小
)0基礎基本の知識だけではな く、 これ らを使って自分の力で問いを解決 してい く力である。 (小
)・ テス トの結果で判断する学力だけではな く、生徒の学びのプロセスを見なが ら、その生徒の学び方 についての学力にも目を向けるようになった。 (中
)<見 えない (数 値化できない )学 力の重視 >
0数値化できるものばか りに目を向けてきたが、数値化できない学力の大切さが理解できた。 (小
)・見 える学力は子 どもも意識できるが、見えない学力の把握、授業で伸ばすこと、子 どもに評価 して かえす ことをより意識するようになった。 (小
)・ 学力は、知識の量だけでな く、課題 を見つけた り、課題 を解決 した り、学習 したことを活用 した り す る力であることを再認識 した。 (小
)・ 量的な成果が求められ るが、目に見えない成果に大 きな意味があ り、児童個々の具体的な変容を学
力向上の成果 と捉えるようになった。 (中
)内容 に関するものは重複 してカウン トした結果、「課題解決型授業の展開」が小中学校合わせ て 22、 「他領域 と関連を図つた単元開発の推進」が 18、 「子 どもの視点に立った授業構想」が 15 の記述数であつた (具 体的な記述 に関 しては表 2参 照
)。第 1点 目の 「課題解決型授業の展開」に関 しては、学習課題の設定か ら子 どもたちの内面 に 学習問題 を成立 させ、それを追究 させてい くことを授業展開の核 に据 えることを重視 した記述 が多 く見 られた点である。具体的には、「学習問題」「疑間」「課題」を子 どもに持たせ、それ を 「追究」「解決」 してい くといった言葉で示 されていた。例 えば、「子 どものなかか ら問いが
※ 主 な意見 を抜粋 した もので あ る。 (小 )は 小学校 を示 し、 (中 )は 中学校 の回答者 を示 して い る。
表 2 授業実践に関する影響 と変容 く課題解決型の授業の展開 >
0教師の出した学習課題を解決 してい く過程の中で子 どもみずか ら出た追究課題を私が しつか り受け 止め、子 どもに返 してい くことの大切 さ。子 ども達同士が自分たちで問題解決 してい くことのすば
らしさ と大切 さを痛感 している。 (小
)0生徒の思いを大切にするようにな り、生徒の課題を解決 しなければならない授業形態に変わつてき た。 (小
)・子供の疑間か ら学習問題 をつ くりみんなで考 えを深めてい く1時間の流れの中で も、学習問題 にた どりつ く過程を大事にしてきた。 (小
)0ま ず、子どもの学ぶ意欲を高める工夫に力を入れている。そのために、導入の工夫をしたり、中心課題 を十分練つて生徒が自ら進んで課題解決に取り組むような授業展開を意識するようになった。 (中
)く他領域 と関連を図つた単元開発の推進 >
・教科で身に付けたい力 と総合的な学習で身に付けたい力を相互にリンクさせ るような単元 を構成す ること。ダイナ ミックな体験、地域 を活用 した体験などが増えた。 (小
)・教材研究でたての系列だけでな く横 (領 域間 )の 系列・他教科 とのかかわ りを意識す るようになっ た。 (小
)・単元開発では他の教科書会社の内容を参考にし、子供 に とって学力の定着が図 られそうなものは、
授業 に取 り入れ るようになった。 (小
)・ 単元を見通 しやす くするにはどのような展開が良いかを深 く考えるようになった。時には教科書を 逆か ら進める工夫 もしている。 (中
)・単元開発について単に教科書の単元通 りに授業を組み立てるだけでな く、他学年での既習内容や関 連領域 ともかかわ らせ なが ら単元開発をす るようになった。 (中
)<子 どもの視点に立った授業構想 と展開 >
・ 日々の授業を実際にするにあたっては、本時に何を学習するのかを子供たちにわか りやす く投げか けるよう努力 した。 また、具体的な子供の姿 を描 くように し、そのために どんな活動 を展開 してい
くことが必要かをできる限 り考 えている。 (小
)・ レデイネスを大切 にして、子 どもの実態を把握 して授業を行 うようになった。教えることと考 えさ せ るところをはっきりさせて、単元を組むようになった。 (小
)・子 どもの表れをもとに授業を進めようと気を付けている。難 しいことではあるが、心のどこかにも つようにしている。 (小
)・学習のねらいをしぼつて指導 し、子供の実態に合わせた指導方法について深 く考え実践するように
なった。また、常に授業や子供を評価 し次の指導につなげようとする気持ちが強まった。 (小
)生 まれ、その問いに対 して子 ども同士が解決 しようとする授業」な どの記述である。通 リー遍 の知識を伝えるだけの授業展開ではな く、一人一人の子 どもに問いや課題 を持たせ、思考 を働 かせ なが ら課題解決を図る授業を構想することの重視 を窺 うことができる。
第 2点 目の 「他領域 と関連 を図つた単元開発の推進」に関 しては、単元開発や教材 を開発 し てい く上で、既習内容や関連領域間 との関わ りを意識 した り、総合的な学習や他教科 との関連 を図った りするな ど、教科の系統性や他教科 との有機的な関連 を図ったダイナ ミックなカ リ キュラム開発を意識 している記述が見 られ る点である。例 えば、「教科で身に付 けたい力 と総 合的な学習で身に付 けたい力を相互 に リンクさせ るような単元 を構成すること」「単元開発 に ついて単に教科書の単元通 りに授業を組み立てるだけでな く、他学年での既習内容や関連領域 ともかかわ らせなが ら単元開発 をするようになった」な どの記述である。 これは、効果的な単 元 を構成 してい く上で欠かせないカ リキュラムマネジメン ト (4)と しての資質や能力の一端 を 示 しているものであ り、学力を向上 させ、効果的で相乗効果をもた らすために、 どのように単 元 を構成 していけばよいのかの意識が高 まっているもの として捉 えることがで きる。 また、
「単元を見通 しやす くするために、教科書の配列通 り進めないで単元の配列を意図的に変え る」「他社の教科書 を参考にす る」な どの記述 も見受 けられ、効果的な単元 を構想す るために 情報 を収集 し比較するな どの柔軟 な発想や工夫を窺い見 ることができる。
第 3点 目の 「子 どもの視点に立った授業構想 と展開」に関 しては、子 どもの実態に即 した授 業構想を立てることや、子 どもの視点に立ち、一人一人の子 どもの学習状況や到達状況を丁寧 に見取 り、支援 してい くことを重視 した記述が見 られ る点である。例 えば、「具体的な子 ども の姿を描いている」「レディネスを大切 にする」「子 どもの表れをもとに授業を進めようと気を 付けている。 」な どの記述である。 また、「いろいろなレベルの混 じづた自分の学級の子を十把 一絡げでみて授業をしていた ことが正直いつてあつた。研究後 は、個に応 じた指導を心掛ける ようにな り、 1時 間の中で よ り多 くの子供 に支援 を行 うようになった」「生徒側 に立った時に
「何 について考える」「何がわか らない」 とい う事があまりにもわか らないまま授業が進んで いる事に驚 き、 まずその点を強 く意識 して実践 を行 うようになった」の記述か らは、自身の授 業 における見取 りの甘 さを内省 し、子 ども一人一人の差異を踏 まえた上で対応 していかなけれ
ばいけない とする価値観の変容 を窺 うことができる。
以上の 「課題解決型の授業の展開」「他領域 と関連を図った単元開発の推進」「子 どもの視点 に立った授業構想 と展開」の 3点 は、学力向上を図 るために授業構成や展開を図 る上での教師 の授業観そのものに影響を与えている内容の主なものである。
(3)評 価の捉えに関する変容
現行の学習指導要領の下での評価方法については、教育課程審議会の答申 (5)に も示 されて
いるように、相対評価か ら目標準拠評価 (絶 対評価 )へ と転換 し、指導 と評価の一体化が唱え
られている。 目標準拠評価 とは、最初 にその時間の授業や単元等の目標 を設定 し、授業実践を
通 して子 どもたち一人一人の達成状況 を見取 り指導に生か してい く評価である。そのため、各
学校では、国立政策研究所 によって参考資料 として作成 された評価規準や市町教育委員会等で
作成 した評価規準を活用 しているのが現状である。評価 に関 しての捉えや評価方法に関する変
容についての記述 は、小学校が 34、 中学校が 17の 合計で 51の 記述数であった。 さらに内容を検
討 した結果、「自己評価 と相互評価 の位置付け」「評価規準への意識 とその活用」の 2点 が共通
性の高い内容 として見いだす ことができたので これを概念 ラベル として設定 した。 (具 体的な 内容に関 しては表 3参 照
)。複数の内容 に関するものは重複 してカウン トした結果、「自己評価 と相互評価の位置付 け」は、小中学校合わせて 25、 「評価規準への意識 とその活用」は小中合 わせて 13の 記述数であった。
第 1点 目の 「自己評価 と相互評価 の位置付け」に関 しては、 自己評価や相互評価を授業の最 後 に位置付 けている記述が多 く見 られた。それを位置付ける意味 として 「子 どもをよりしっか り捉 える」「自分の取組、自分が何 によって変わったのかを振 り返 ることにより、学びを深め てい くこと」「教師 自身が子 どもの捉え方、理解の仕方を把握するためのもの」な どの記述で 示 されていた。子 どもの学習状況を丁寧に把握するためのものや子 ども自身が学んだ ことを振 り返 り、そのよさを実感するための手立て として積極的に活用 されているものであることを窺 うことがで きる。
※ 関係す る主な意見を抜粋 した ものである。 (小 )は 小学校 を示 し、 (中 )は 中学校の回答者 を示 している。
表 3 評価の捉えや実践に関する変容 く自己評価 と相互評価の位置付け >
・子 ども自身が自分の こと友達のことを振 り返 り評価 させ ることを行 うことで、教師自身 も子 どもの 捉 え方理解 の仕方を知 ることの大切 さを感 じている。 (小
)・「振 り返 り」を授業の終わ りに入れている。子供たちは、自分の学びが深 まったきっかけは、何で あったか、自分 自身に問いかけなが らノー トに書いてい く。「友達のよさに触れ る」「教材のよさに 触れ る」など感性が広がっている。 (小
)0教師側の評価だけではな く、子供の自己評価や相互評価 を大切 にしたいという思いが生まれた。た だわかった とかで きた とい う評価ではな く、「自分が何 によって どう変わったか」 とか 「友達の考 えを聞いて どうだつたか」 とい うような自己評価 をさせ ることで、子供たちがそうい うことを意識 して取 り組めるようになった と思 う。 (小
)0活動を振 り返 る時間 (自 己評価 )を 「で きた」「わかった」につながつた学習内容や考え方手立て を振 り返 り、発展的な学習や復習の手がか りを見つける機会 とした。単元の流れに沿つて 「評価す る項 目」「ステ ップアップのための ヒン ト」を表 にして 自己評価 をしなが ら補っていけるように し た。 (中
)・ 自己評価を利用 して毎時間自己評価 させ、次時への目標が明確 になるようにしている。自分 自身の 生徒理解のため。 よさを認め合 う場をつ くるため相互評価 を活用 している。 (中
)<評 価規準への意識 とその活用 >
・ 評価規準をもとに教 えることをはっきりさせて授業 に取 り組み、 どの子 も「おおむね満足」に到達 す ることを目指すようになった。 (小
)・学年として到達させたい子どもの力を単元ごとにきちんと定め、ねらいをもって指導に当たることを特に 注意するようになった。校長会や市から出されている評価規準をより活用するようになった。 (小
)・ 各 クラスでな く、学年を通 して多 くの目で見ての評価 にな り評価規準につての話 し合いも活発にさ れている。その話 し合いを通 して自分 自身の見 る目も広がっている。 (小
)・ テス ト等の知識・理解の資料を中心において評価するのではな く、授業中も各観点 ごとに生徒のあ
らわれをメモ した り、提出物や作品を評価す る時 も、 .各 観点の評価規準 を意識 した りしなが ら評価
している。 (中
)第 2点 目の 「評価規準への意識 とその活用」に関 しては、評価規準を意識 した授業の展開が 図 られてきていることである。例 えば、「評価規準をもとに教 えることをはっき りさせて授業 に取 り組む J「 評価規準の Bを 常に意識 して指導を行 うようになった」「 Cの 評価 に対 して どの ような手立てが必要かを考えるようになった」などの記述か らは、評価規準をもとに目標 を明 確 に し授業に取 り組むことや、 どのような支援が必要なのかを考えていけばよいのかの意識を 窺える。中には、少人数指導への対応か ら、学年の教師で評価規準の話 し合いが活発になされ ているとの記述 もあ り、評価規準の客観性を高め、評価 の質を高める取組がなされていること を推察することができる。
また、 この他の記述 として 「個の変容を捉え価値付ける」「思考過程を重視する」「次の学習 へ生かすための評価」「プロセス評価重視」な どのように、評価方法や評価そのものに対する 価値観の変容を窺 うことのできる記述 も見 られた。
(4)子 どもたちへの影響について
研究指定後の各学校 において、「子 どもたちの学力は向上 したのか」「生活面の影響はあった のか」の 2つ の設間に対 してまとめて検討を行 う。「子 どもたちの学力は向上 したのか」の設 間については、小学校が 44、 中学校が 24の 合計 68の 記述数であった 8さ らに内容 を検討 した結 果、共通性の高い内容 として 「意欲 と積極性の向上」に関する記述が 22で あったので概念 ラベ ル とした。その他の記述に関 しては、内容が拡散 して しまってお り、概念 ラベルの生成 はでき なかった。 また、記述の大半は、子 どもたちの学力向上に関 しては肯定的な意見で占められて いた。
「意欲 と積極性の向上」に関 しては、具体的な子 どもの表れや事実を挙げ、学力向上が成 さ れていることを実感 した記述がなされていた。例 えば、「積極的に発言するようになった」「前 向 きな姿勢 になって きている」「自分の考 えをはっき り表現できるようになった」「意欲的に なった」「説明の方法が上手になった」「集中するようになった」などの記述であ り、感覚的、
実感 として捉えた ものの記述の内容が大半であつた。特に、学習意欲が向上 しているという記 述は 10例 と多 く見 られ、学力向上 と学習意欲 との相関を窺わせ るもの となっている。また、学 力が向上 している要因 として、「個 に応 じた指導」「少人数指導の効果」「授業改善 (課 題や学 習問題の明確化
)」「組織的な教師の支援」を挙げている記述が見 られた。
その他の記述 として、具体的な教科 として学力の向上を示 したもの として、算数科における
「知識・理解」「表現処理」の学力を挙げている記述が 3例 見 られた。また、ある中学校 にお いては、設定通過率を用いた学力測定の取組の記述があ り、学力を測定するための工夫が見 ら れた。
一方、学力向上に関 して、「向上 していない」「何 とも言えない」 とする否定的な意見が中学 校の記述 において 4例 見 られた。その理由 として、「興味や関心を持つための基礎的な知識が ない」「小学校か ら上がって くる生徒の学力が二極化 していてその対応に追われている」「少人 数指導の非効率性」「学年部の指導体制で差がで る」な どの記述である。中には、高校入試の 問題 に触れ、「学力 =5教 科の合計点であ り、競争原理 を背景 に生徒 は良い点を とることを目 標 に勉強す る。 したがって、学力の定義や何が大切かを問 うても現実の問題 と乖離 している」
のように測定できる学力を重視 した現状から高等学校への接続の在 り方に疑間を投げかけてい
る記述 も見 られた。
続いて、「生活面の影響 はあつたのか」の記述 に関 しては、小学校で 28、 中学校で 18の 合計 46の 記述数であつた。 さらに内容を検討 した結果、共通性の高い内容 として 「生活の安定」に 関する 14の 記述数があつたので これを概念 ラベル として設定 した。その他の記述の内容 に関 し ては、拡散 して しまつてお り、概念の生成 はできなかった。
「生活の安定」に関 しては、多 くの学校が生活全般に関 して落ち着いているとの記述が見 ら れた。例 えば 「授業・諸活動・行事な ど教育活動全般において全体 としては とても落ち着いて いる」「子 ども同士のかかわ りもた くさん見 られ、生活全般 に落ち着 きが見 られ るようになっ た」な どの記述である。その背景の要因 として、「学力の向上には、生活習慣の改善が欠かせ ない」「基礎的な学習習慣」「基礎的な学習習慣」「忘れ物をな くす」 「授業のルールを守 る」な
※ 関係 す る主 な意見 を抜粋 した もので あ る。 (小 )は 小学校 を示 し、 (中 )は 中学校 の回答者 を示 してい る。
表 4 子 どもたちの変容 と実態について く意欲 と積極性の向上 >
・ 習熟度別学習の中では、 どの子 も分か り自信 をもって授業に参加す る様子が見 られ (自 己評価 も含 めて )学 級内で発表 しない子 も積極的に発表す ることが多 くなった。 (小
)・授業に 「集中」 して取 り組む雰囲気が出てきていると思 う。考える時間 「静かに」なる瞬間が見 ら れ、一生懸命考 えている子 どもの様子がはつき りと表れている。 (小
)・個 に応 じた指導を取 り入れ ることにより、子供たちが疑間を解決 したい という前向きな姿勢になっ てきている。 また、同時に自分の考 えに自信 を持つ子が増 えて きた。 (小
)0意欲が向上 していると考えられる。それは、少人数指導で児童が個に応 じた学習形態を選ぶ ことで 児童個々が、 自己発現がで きるために、学習に取 り組む姿勢が前向きにな り、意欲が高 まっている。
また、アンケー トを見て も少人数 による学習の成果 を児童個々が確認 している。 (小
)・ 1時 間の授業 における目標 を基礎・基本 を明確 に した結果、生徒 自身が 「何 を学習すればいいの か」「どんな力が付けばいいのか」が分か り、学習意欲が向上 した。 (中
)0少 人数指簿を実施 している数学、英語では、学年が上がるにつれて、学習への 「関心・意欲」の高 ま りや学習の 「理解」への高 まりが見 られた。 (中
)く日常生活の安定 >
0学習集団づ くり、つまり生徒指導を機能させた授業を目指 しているので子 ども同士のかかわ りもた くさん見 られ、生活全般 に落ち着 きが見 られ るようになった。 (小
)・授業だけではないが、行事やいろいろな面で子 どもたちの伸びをめざして全職員で取 り組んでいる ので落ち着いている。 (小
)・基本的な学習習慣 を身に付けさせ ることも取組の柱 に据 えてきたが、 この態度の定着は基礎学力の 定着 につながつていると感 じる。 (小
)・授業の充実は、生活面での充実に支えられているとも言える。落ち着いた授業態度で学習に臨む児 童がほ とん どである。 (小
)・授業のルールを守 る、清掃活動、交通マナーの重視 により、ねば り強 く主体的に取 り組 ませ るよう 指導 している。生活・学習が安定 し、教育活動がスムースに行 えるようになった。 (中
)・ 問題 を抱えている生徒 も多 くいて 日々その指導にあたっているが、授業 0諸 活動・行事など教育活 動全般 において全体 としては とて も落ち着いている。それは、指定以前か ら生徒一人一人に寄 り添
う指導をずつ と続 けてきた成果であると考 えられ る。 (中
)0授 業に前向きで 「わかる」「楽しい」授業が多いため、学校生活に落ち着きがでてきたと思う。 (中
)どの重要性 を指摘 した記述 も多 く見 られ、授業中のルールを含め基本的生活習慣の安定や定着 と学力の向上は相関関係があると捉 えていることが窺われることである。 また、ある中学校で は、アンケー ト調査か ら「各学年 とも約 80%の 生徒が 「勉強す ることは自分のためになる」
70%以 上の生徒が 「自分のクラスは仲のいいクラスである」 60%の 生徒が 「学校生活に満足 し ている」 と答えている」のように具体的な調査か ら生徒の生活面の実態を把握 している記述 も 見 られた。数値的な把握が全てを表象 しているもの として捉えることはできないが、ほ とん ど の学力向上に関する回答が直感や感覚 に頼 つた回答であった とことを考えるならば、具体的な 表れ と数字などの量的なデータとの関係か ら総合的に自校の実態を捉え、改善策に結びつけて い くことは重要であることを指摘 しておきたい。
また、表 5は 、今 まで検討を行 ってきた教師への影響 と子供たちへの影響の内容を図式化 し、
まとめた ものである。
3.研 究指定から受けた学校の制度面や文化面への影響について
(1)教 育課程編成等における工夫 と影響について
教育課程編成 に関 しては、各学校 において創意工夫 を生か した特色ある教育課程の編成が求 め られてお り、授業の 1単 位時間については、例 えば、小学校では、 45分 を常例 とするとの従 前の規定を改め、各教科等に定め られた年間授業時数を確保 しつつ、各学校が適切 に定めると
している
(6)。これは、ある意味で教育課程編成 に関する規制緩和であ り、学力向上を意図 し た効果的な教育課程を編成するために、各学校 は自由に設定できることを意味 している。教育 課程編成への影響 に関す る記述では、小学校が 41、 中学校が 16の 合計で 57の 記述数であった。
表 5 教師と子 どもへの影響についてのまとめ
教師への影響
学力の捉 えの変容 (学 力観
)。バランス及び総合的な把握の重視
・ 目に見えない (数 値化できない )学 力 の重視
授業の捉 えの変容 (授 業観
)。課題解決型の授業の展開
。他領域 と関連を図つた単元開発の 推進
。子 どもの視点に立った授業構想
評価の提 えの変容 (評 価観
)。自己評価 と相互評価の位置付け
。評価規準への意識 とその活用
子 どもたちへの影響
意欲 と積極性の向上 日常生活の安定
さらに内容 を検討 した結果、「柔軟 な教育課程の編成 と工夫」 と「人的資源の有効活用 と指導 体制の充実」の 2点 が共通性の高い内容 として見いだす ことができたので概念 ラベル として設 定 した (具 体的な内容に関 しては表 6参 照
)。「柔軟な教育課程の編成 と工夫」に関 しては、小
中合計で 20、 「指導体制の充実」に関 しては、小中合計で 15の 記述数があつた。
第 1点 目の 「柔軟 な教育課程の編成 と工夫」に関 しては、「第 5校 時を 60分 授業 に して少 し 長めに授業時間を設定す ることで十分な時間を確保す る」「少人数指導の算数 と総合的な時間 を同じ時間帯 に設定するな どの工夫」「 10分 〜 20分 を単位 としたモジュール とい う概念 を上手 に運用す ることで計算や基礎学力向上のための ドリルを設定する」な ど教育課程上の工夫に関 す る記述が多 く見 られた。 また、少人数指導の打ち合わせのための時間を時間割の中に位置付 けることや、授業時数を確保す るために時間割 を年 3回 更新 しているとの記述 もあつた。 さら に、中学校 においては、全学年縦割 り選択授業 といつた、あまり例 をみない実践の記述があ り、
研究指定ならではのユニークな取組が見 られた。
第 2点 目の 「人的資源の有効活用 と指導体制の充実」に関 しては、少人数指導を実施す るた めに、級外の教員を各学年に配置することにより組織体制で取 り組むなどの校内の人事上の工
表 6 教育課程編成上における工夫 く柔軟な教育課程の編成と工夫 >
・ 15分 を 1モ ジュールとする時間割で高学年で 60分 授業 を組み入れ じつくりと考 えたり交流 したりする時 間を生み出せるようにしている。 (小
)0少 人数指導を効果的に行うために、学年の算数、総合の時間を同じ時間帯に組み、様々な指導法に 対応できる時間割 とした。 4、 5、 6年 生の月火水木金の 5校 時を 60分 授業にし、習熟などの時間が 十分取れるようにした。 (小
)・ 時間割の中で毎週水・金に 10分 間の計算練習の時間を設定している。 (小
)・授業を大切にする意識が生まれ、授業時数をきちんと確保する意味から時間割を年に 3回 更新すること で 時数のアンバランスを是正するようにしている。 (中
)・モジュール設定により基礎学力を定着させるようにしている。 (中
)。少人数指噂のための、打ち合わせ時間を、時間割の中に組み込み、時間を保障するようにした。 (中
)・委託 を受けて 1年 半の間に研修部と全職員で必至になって考 え、創 り上げてきた様々な方法・手立 て・ システムなど、昨年前校長の方針で全てなくなりました。例えば全学年縦割り選択授業など。フロ ンティアスクールの事業を中心になつて運営してきたメンバーの失望は、計り知れない程大 きなもの でした。 (中
)<人 的資源の有効活用と指導体制の充実 >
・低・ 中 。高に少人数担当を置 き、それぞれの学年団の算数学習で中心的役割を果たす ようになつた。
(/Jヽ )
・算数では、 2C3T(4T)の 少人数指導体制がで きあがつている。国語では、全 クラス週 1(低
学年では 2)回 の TTの 授業 を時間割 に位置付 けている。 (小
)・高学年では、一部教科担任制を考 え、同じ教師が複数のクラスを担当するようにしている。 (小
)・ 少人数学習の充実のために、学級担任 と学級担任外の教師の担当時間を合わせ る等の工夫をしてい る。 (小
)・ どの学年 も少人数指導や TTの 授業が可能なように時間割 を編成 している。 (小
)※ 関係する主な意見 を抜粋 した ものである。 (小 )は 小学校 を示 し、 (中 )は 中学校 の回答者
を示 している。
夫に関する記述が多 く見 られた。例 えば 「低・ 中・高に少人数担当を置 き、それぞれの学年団 の算数学習で中心的役割を果たすようになった」などの記述である。また、小学校の高学年に おいては、教科担任制の実践や導入の推進をあげている記述が数例あ り、教科の専門性を重視 した指導体制を取 り入れ るな ど、意図的な人的配置や専門性 を生か した指導体制の工夫が成 さ れていることが窺 えることである。
(2)校 内研修体制についての成果 とその影響について
学校 において、研究を推進 してい く取組の場は、校内研修であ り、実践の成果や課題を共有 してい く場で もある。直面 している研究内容 を深めるために研究課題の解決の糸口や方向性を 確認 し、共通理解 を図つてい くためにも全職員が協働で取 り組む体制は意義のあることである。
校 内研修 に関する記述に関 しては、小学校が 70、 中学校が 28の 合計で 98の 記述数であった。 さ らに内容を検討 した結果、「校内研修 の質的な充実」「コミュニケーシ ョンの深 まりと協働体制 の充実」「授業公開の促進」の 3点 が共通性の高い内容 として見いだす ことがで きたので これ を概念 ラベル として設定 した (具 体的な内容に関 しては表 7参 照
)。「校内研修の質的な充実」
に関 しては、小中合計で 28、 「コミュニケーシ ョンの深 まりと協働体制の充実」に関 しては、
小中合計で 25、 「授業公開の促進」に関 しては、小中合計で 12の 記述数であった。
第 1点 目の 「校内研修の質的な充実」では、校内研修の充実を指摘する内容の記述が多 く見 られた ことである。具体的には、研究授業の分析の視点 として、解明 したいことを具体的な手 立てをもって質的に深 く掘 り下げようとしていることである。例 えば、「テーマにそって子供 が どのように変わったかを検討する。そのためには、子供に力が付いたか どうかを視点 とし、
教師の手立て と児童の変容の相関を見 る」「授業研究の際には、個の生徒 に焦点をあて 1時 間 の授業の中で彼 (彼 女 )が どのような学習や思考のプロセスを とっているのかを分析すること にも目を向ける」な どの記述である。 また、研究授業実施の際には、学年内で先行 して同じ授 業を行い、指導案や準備物を確認するなど多 くの教師が関わるなどの自分たちの研修を深める ために協働 し、推進 している記述 も見 られた。 さらに研究協議会実施の際には、「論点をぶ ら さない協議」「グループ男 Uに して意見を出 しやす くする」「 VTRを 用 いて他教科の授業を検討 する」などの工夫をしている記述が見 られ、それぞれの学校 において研究の推進のための視点 や手立て確立され、そのための具体的な取組を窺えることである。
第 2点 目の 「コミュニケーシ ョンの深 まりと協働体制の充実」では、 日常生活の中で、授業 のこと、子 どもの こと、教材のことの話をする機会が増え、教師間のコミュニケーションが促 進 されていることや協働体制で研修 に取 り組み、組織 としての結束力が高まつていることを記 述 した内容が多 く見 られた。例 えば、「日常の生活の中で授業 についての疑間や子 どもの表れ について話 しをす るようになった」「少 しの時間で も、子 どもの話 しができるようにな り、学 校が よい雰囲気 となった」などの記述である。 これは、教師が同一方向を向き、共に学び合 う
といつた風土や互いに支え合 うといった同僚性が育まれていることを窺えることである。また、
「クラスの子 どもというより学校の子 どもという捉え方になった」の小学校教師の記述か らは、
教室の壁の解体が進み、全職員で学校の子 どもを育ててい くことの意識が図 られていることを 推察できる。
第 3点 目の 「授業公開の促進」では、教師一人一人が授業公開をすることが促進 されてきて
いる点である。例 えば、「年 1回 以上の公開授業」「授業公開の日常化」「抵抗感がな くな り、
表 7 校内研修体制についての成果 とその影響について く校内研修の質的充実 >
・授業を見 る視点、授業分析の観点を明確にした研修 となるよう心がけている。 (小
)0授 業研究に外部講師を積極的に招聘するようになった。授業分析をする際、子供の表れを見取 るこ とを中心に指導方法の効果を考えるようになった。 (小
)・個 をみてね らいが達成 できたか分析す る方法を取 り入れた。授業の視点や話 し合いのテーマについ て絞つて話 し合 うようになつたので、協議会 も論点がずれな くなってきた。 (小
)0研究授業の前には、学年内で先行 して同じ内容の授業を行い、もう一度指導案や準備物等の確認す ることで、 よ り充実 した授業研究 となっている。 また、事後研修 では、 コース別や全体研修 を設 け 成果 と課題 をはき りさせて次の授業研究 に生か している。「対話」 とい うことを軸 に研究 を続 けて
いることも成果が上がっている 1つ だ と思 う。 (小
)・ グループ協議や事前研でのシュミレーシ ョン、事後研でのざつ くばらんな話 し合いな ど本校な らで はの うち とけた研修の雰囲気は大事だ と思 う。
・研修主任を研修推進部が支え、話 し合いで研修 を導いていつたフロンテイアの経験がそのまま続い ている。 (小
)・授業研究の際には、個の生徒 に焦点をあて 1時 間の授業の中で彼 (彼 女 )が どの ような学習や思考 のプロセスを とつているのかを分析す ることにも目を向け、それを指導に生かす ようにしている。
(中
)くコミュニケーションの深まりと協働体制の充実 >
0日 常の生活の中で授業 についての疑間や子供の表れ、教具の工夫等について話 をす るようになった。
(/Jヽ)