著者 松下 允彦
雑誌名 静岡大学教育学部研究報告. 教科教育学篇
巻 22
ページ 101‑110
発行年 1991‑03‑26
出版者 静岡大学教育学部
URL http://doi.org/10.14945/00008307
101
口唱歌を用いた音色指導法に関する一考察
A Study of Tone Color Education by "Kuchisyouga "
松 下 允 彦
Yoshihiko MATSUSHITA
(平成2年
10月 11日
受 理)I
は じめ に音色の指導法 として 口ずさみのシラブル"を用い、 その音色 にふ さわ しいと感 じるシラ ブルを自由に選択 させることによって、パ ッセージをどのような音色の感覚で捉えているかを 評価す る研究をすすめて きた。その後、 シラブルを選択 させるのでな く固定 したシラブルを与 えることによって、音色を指導者側か ら指示す る研究に発展 させた。 しか し、それよりも、 日 本の伝統音楽で一般 に使われている日唱歌を取 り入れた方法が、より機能的であることがわかっ た。そこで、日唱歌を西洋音楽 に応用することを考え、 口ずさみのシラブル"を改良 して き
た。 また、日ずさみのシラブルを扱 っているのが リコーダー曲であることか ら、 タンギ ング のシラブル"を無視することがで きな くなった。
口ずさみのシラブル"にその タ ンギ ン
グのシラブル"を ドッキ ングさせることで 口唱歌"が持 って いる「 音色唱法 による旋律唱 法」
1)・
「擬声唱法」2).「楽器旋律唱法」3)等の機能 に近付 けることがで きる。 その結果 として、西洋音楽 における日唱歌の機能を確立 したいと考えた。
この回唱歌の機能をとりいれた 口ずさみのシラブル"を リコー ダーの口唱歌 とす ること により、音色指導がさらに発展 し、実験を通 して、かな りの実績を上げられたので報告す る。
I
音色について音色 とは音の質のことであり、音質を色彩 になぞ らえた呼び名である。音色 には音の強弱や 高低 と違 って、 はっきりと定義 された知覚的性質 はない。 また、音色その ものを表現する言葉 も解説する言葉 も存在 しない。音色感 は心理的な現象であって
4)、
味 とか色などと同 じ感覚 で あると言われる5)。
従 って、漠然 としか捉え られず、客観的に扱えるものではないところが特 徴 といえる。 しか し、それが音色の指導を難 しくしている要因である。厨川6)は、1音だけの音質をできるだけ適確に表そうと思 うときは、感覚的な素朴な言葉 が 良 いと言 い、
38種
の音質表現用語を挙げている。「 大 きい一小 さい、響 いた一響 かない、迫力 ある一ものた りない、低音のノビた一低音のツマった、高音のノビた一高音のツマった、やせ た一豊かな、 しまった―ボンついた、高い一低い、鈍い一深みのある、明るい一暗い、かたい一 柔 らかい、 メ リハ リのある一ボケた、分離のよい一分離の悪 い、ハギ レの良い一ハギレの悪い、澄んだ一濁 った、なめ らかな一荒い、快い一不快な、 自然な一不 自然な、つやのある一カサカ サ した」等である。
しか し、音色の感覚 は他の音楽要素 よりはるかに敏感に感 じられるものである。例えば発達 心理学 において、幼児 は音の高低 よりもむ しろ音色の区別を先に行 うと言われている。即 ち、
幼児の興味の対象 は、最初に全ての音の音色的特性 に集中 し、その後、今まで漠然 と音色 とし てとらえていた音を、高低で弁別 してい くと言 うのである
7)。
このように、音色 は音刺激の広い特性変化 に関係 してお り、音色 こそ音意識の最 も根本的な 特性であるとも考え られている
3)。
1.音色の要因
音色 は音楽表現の根幹をなす ものである。従 って、音楽的要素の全てが音色感覚の要因 とな ることは言 うまで もない。
一般 には、①音の運動
②音の強弱
③音の高低
④音の長短で構成 され ると言われ る。
①音の運動
これはテンポとか リズム、あるいは時間的進行時に生 じるエネルギー等が音色に変化を与え、
アクセ ン トのように強弱 とも連動 して音色を形成する。
②音の強弱
音の強弱は、強 さによって音の立ち上が り・ 定常部・ 減衰部
(音
の立 ち下が り)で、それぞ れ違 って くる。特 に定常部 は構成倍音が変わって くるので音色に影響する。従 って、強弱は音 の量でな く、<音色>の変化 として とらえるべ きである9)。
③音の高低
高低の音の性質には、音色的には感覚一般上に見 られるような明暗がある。 低 い"の代 わ
りに 暗い"を、 高 い"の代わ りに 明るい"を置 き換えれば良 いと言われる。。
④音の長短
音の長短 とは、音の繋げ方 (アーティキュレーション)のことである。 スタッカー ト・ ノン レガー ト・ ポルター ト・ レガー トは、それぞれ音の立ち上が り・ 定常部・ 減衰部が異なる。音 色 は当然それによって変化する。
それについて相沢 は、「音の鳴 り始め、・
鳴 り終わ りなどの状態が音色感 の重要 な刺激条件 で あることを考えると、 メロディその ものに本来的に音色感が ともなうことが考え られる。む し ろ音楽的造形の主要なる担 い手ではないか。」 と述べている"。
また、ペーター・ シュ ミッツによれば、「音の長短の問題が、音楽的全体 の中 におかれた場 合、音色の差 として受 けとめ られる」 とも言われる②。
リコーダーの回唱歌では、①音の運動、②音の強弱、③音の高低、④音の長短、を実際にシ ラブルを歌 うことでかな り表現できることが解 ってきたが、本論では、④音の長短、アーティ キュレーションにおける立ち上が り・ 定常部
0減
衰部の音色の微妙なニュアンスを リコーダー で表現 させようとするものである。2.音色指導
音楽教育における音色の指導 は、 ほとんどなされていないと言わざるを得ない。音楽教育 に おいては、音色指導 はバイオ リンの音色 (ねいろ
)・
トランペ ッ トの音色 と言 うように、楽器 固有の音色 としての捉え方 しか していない。 しか し、 ここでは音色を、楽器それぞれが持 って いる既 に作 られたものではな く、演奏の際、最 も重要な 作 る音色"と して捉えている。音楽の間 き手 は、聞 こえて くる音色の変化か ら音楽の表情を汲み取 っていかなければな らな い。即 ち、音楽の表情 は、音色 によつて聞 き手 に伝達 されるのだと考える。
従 って、音楽教育 においては、 ソルフェージとともに音色感が重要な条件である。音色の悪 い音ばか りに接 していると音色の音痴 になる。音色感をなおざりに しては音盲 に陥没す る。そ
口唱歌を用 いた音色指導法に関する一考察
れは砂漠の音楽で味気ないと言われる。。
この点で、音色 は音楽表現の最 も重要な要素であり、音色指導時での重要性がクローズア ッ プされな くてはな らない。
3.口唱歌
日本人 は擬声語や疑態語をよ く使 うと言われる。 これは音色の模倣 と言える。 この音色の模 倣を応用 した ものに、 日本音楽の楽曲の教習の為 に用い られ、記憶のために使われ発展 して き
た 口唱歌"がある。それは、楽器の旋律を疑音的にとなえるのものである。
一方、本論ではそれを 口ずさみのシラブル"と呼んで いる。 音楽 の流 れを感 じ取 らせ よ うとす る時、実際に口にするのは音名ではな く、その音楽 らしいと感 じる音節、 いわば即興す る唱歌のようなものである。。
口ずさみのシラブル"自体 には、言葉 としての意味は全 くない。 しか し、 シラブルを歌 う ことで、音色の構成要素である立 ち上が り部、定常部、それに減衰部をかな り表現で きると考 える。 このように、 口ずさみのシラブルによる音楽表情の表現"を研究 し、 その方法 を示 し て きた。
また、 日唱歌が持つ機能に、音色 とは他に奏法の指示があ る。 これ はいままで 口ず さみ の シラブル"では不可能 と考えて きたが、 リコーダーの口唱歌"と考えた場合、 タンギ ング シラブルを応用することによって音色の他にタンギ ング奏法を表せる可能性が出てきた。
Ⅲ
資 料 につ いて
1.曲目について
モーツァル ト作曲 3つの ドイツ舞曲 K.605‑3よリ
ハ長調 <そ りすべ り>を用 いた。
この曲は、「 ドイツ舞曲」 として小学校6年生の教科書で扱われている。教科書 で は器楽合奏 として扱われているが、 ここではその主旋律のみを抜 きだ し、 シラブルを書 き込んである。
2.3種類のシラブルについて
Aは従来 のシラブルである。Bはアーティキュレーションの間違いやすい部分を改善 し、更 に レガー トにな らないような工夫を加えたものである。 また、Cは、 リコーダーのタンギ ング の シラブルと口ずさみのシラブルを ドッキ ングさせ、日唱歌 としての機能をテス トした もので ある。
Aのシラブルの設定 は、 口ずさみのシラブル"を前提に音色を真似することに重点 をおい た。音の長 さを促音・ 撥音・ 長音・ 母音・ 全角文字・ 半角文字等を用いて表記 し、アーティキュ
レーションを表現 した。
また、子音の発音時の立ち上が りの強さ・ 速 さを基準に前半 は夕行、後半 はラ行の中か ら母 音の持つ音程感00色彩感を考慮 して音色を表現 しようとした。
Bのシラブルの設定 は、Aを基本 とし、 アーティキュレーションの区別をはっきり意識 させ る為に、 スラーの付いていない音には全て子音を充てた。 ス ラーの付 いてい る音 は、半母音
ヤ"を用 いたり、母音を充てた。
Cのシラブルの設定 は、 リコーダーのタンギ ングのシラブルを基本 に前半 に
t、
後半にdの 子音を充て、母音の持つ音程感・ 色彩感を考慮 した。音の長 さは子音のアルファベ ッ トを表記 す ることで促音や撥音の代用 とした。後半のスラーの付 いている音 は、そのまま母音を充てた のではな く、 メロディックに流れる様、母音を替えて息の強 さをコン トロール してみた。103
ここでは、曲の前半では底音域
(tO)
中音域 (tu)後半では底音域
(dO)
中音域(du)
高音域 (di)音 として、曲の表情に応 じて区別 して用 いてみた。
ド イ ツ 舞 曲
高音域 (ti)を用い。、曲 の をそれぞれ強い破裂音 と弱い破裂
モーツ ァル ト作山
一 一
シ 贅 t i
タ タ t︒
夕 ね
夕 t︒
シ シ ti
・
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タ タ tu
ヤン 価 砕汗 缶
タ タ ti タ タ 饉 ヤ カ 範 シ シ t u タ ンわ
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シ t i シ シ t i シ
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ヤッ ヤッ
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du u c
ル ラ ラ ル ウ ウ
du u o
3.資料の収集方法
本校及 び県内私立大学の教員養成学部3年生
lAlは
355名 、lBlは
97名 、lClは
60名 で調査 して いる。一人ずつ シラブル唱させた後、 リコーダーで演奏 させ、のちにテープレコーダーで録音 を聞 きなが ら、 シラブル唱 とリコーダー奏のアーティキュレーションの相違点を集計 してみた。シラブル唱の指導を しないで口唱歌の実験を行 ったのは、 シラブルに含まれている発音時の 子音の立 ち上が りによる音色の変化や、促音
0撥
音 また母音の長 さのシラブル表記 によ って、どのように音色の違 いが現れるかを調査 したか ったか らである。
リ リ 山 ヤ
イ o リ リ
=
ラ ラ 層コ
□唱歌を用いた音色指導法に関する一考察 105
従 って、楽譜 にシラブルを書 き込んだ ものを与え、 シラブル唱の指導 は して いない。 また、
アーティキュレーションの指導 は、音階を使 って レガー トとスタッカー トのみを説明 しただけ である。
なお、従来のシラブルは部分的に改良 してあ り、それ らが リコーダー奏のアーティキュレー ションに生かされ、より機能的な口唱歌 と成 り得たかが視点 となる。 また、 タンギ ングシラブ ルの応用により口唱歌の機能を持たせたシラブル唱 も実験 している。
以上のように、書かれたシラブルか ら音楽表情 (アーティキュレーション)を読み取 り、 そ れを一旦 シラブル唱で表現 し、その後、 リコーダーで表現 させてみたのである。
Ⅳ
結 果
シラブル唱・ リコーダー奏のアーティキュレーションにおいて、 どち らも全 く問題のなか っ た者 は、昨年の実験
lAlで
は全体の僅か27%であった。 ところが、Aのシラブルを改良 したBのシラブルでの本年の実験では、
97名
の うち 52名 もの確答があり、なん と昨年 の倍 に当た る 54%であ った。他に原因は無いので、 ほんの数箇所の改良が この結果を もた らした と言 え る。Bのシラブル唱で指示 されているように歌えた者 は78名 で81%にあたる。その うち35%(27
名)は リコーダー奏で失敗を しているが、65%(51名)は正 しく演奏できている。
1。
1〜2小
節ス タ ッカー トの付 いて い る4分音 符 に テイン
タン"と撥音 を付 けてみた。 今回 は 全員が撥音部分を正 しく演奏で きた。
2.3〜4小節
①3小節 目の4分音符 テ ィー"の長母
音表記の箇所 は、4分音符一杯 に歌 い リコー ダーで演奏 した者が、96%である。残 りの者 はシラブル唱では正 しく歌えたが、 リコーダー
奏ではスタッカー トを付けて しまった。
1名
のみが シラブル唱で テ ィー ッ"と促音 を付 けて歌 っていたが、 タンギ ングシラブルか ら見 ると、 このほうが良いと思われる。
lClの
アルファベ ット表記では、tito to to to"と
したために4分音符 と8分音符 の区別 を表記できなか った。そのため4分音符をtin"と
か tit"と 歌 う者が18%もおり、4分音 符一杯 に歌い、 リコーダーで演奏 した者 は75%であった。従 って、 ti―to to to to"と
すべきだ った。
②4小節 目の ティータン"は、従来 ティーヤン"のシラブルを使 っていた。
しか し、 半母 音 ヤ"を使 うことによって、 リコーダー奏でスラーを付 けて しまう者が目立 った。 そ こで、
半母音を立ち上が りの強い子音 夕"に替えてみたところ、 ス ラーを付 けた者 は1人もいな くな った。
lClの
アルファベ ット表記で もスラーを付けた者 は1人
もいなか った。③4小節 目のシラブルは ティータン"と した。長母音 と撥音を組み合わせることで
と演 奏 させ、 フレーズ感を付 けさせようとの考えか らである。 シラブル唱では正 しく歌えたのに リ
コーダー奏で
と演奏 した者が
3%。
狙 い通 リシラブル唱、 リコーダー奏共 に正確 にで きた 者 は30%であった。V.4, ?:,, t, タン
シラブルを見間違えて ティンタン"と 歌った者が7%(7名)いたが、そのうちの3名 は リコーダー奏では正しく」
Jと
演奏していたが、4名
は同じくJJと演奏していた。1人
だけ テイ タアン"と 母音を伸ばして歌い、」」 と演奏 している者がいた。 これらのことから、撥音や母音の長さの表記で、アーティキュレーションを指示することができると言える。
lClの
アルファベット表記では」Jと歌い、同じように演奏した者は55%。
JJと歌ったOnton,tit ton)32%の
中で、そのうち」Jと演奏 した者が58%で 、あとはJJと演奏 している。ここは ti―
tOt"と
表記すべきであった。3。
5〜
8小節この部分 は、 レガー トとスタッカー トが混在 している、最 も難 しい箇所である。 レガー トと スタッカー トの区別をつけることはもちろんであるが、 シラブルに促音を付けた箇所にスタッ カー トを付けてほしいところである。 この点をシラブルか ら読み取 って欲 しいために、 シラブ ルを書 き込んだ楽譜のみを渡 し、敢えてシラブル唱の指導を しなかったのである。
① いままでのシラブル唱では タヤッティヤッ タッ タッ"と していた。
しか し、
リコー ダー 奏でスラーがで きない者が多 く、 シラブル唱・ リコーダー奏ともに正確にできた者は46%であっ た。従 って、 シラブルに長母音を加え ターヤッ ティーヤッ タッ タッ"と替えてみたところ、正 確 に歌えた者 は90%に増えた。
②その内、 リコーダー奏 も正確に演奏できた者 は全体の78%であった。 これはシラブル唱が 正確に歌えた者の87%にあたる。残 りの13%は、促音部分にスタッカー トが付かなか った り、
スラーの位置をず らして付 けて しまった者たちである。
③ また、 シラブル唱が正確にできなか った10%の者 は、全て、 リコーダー奏が正確 にで きて いない。 この2点は、 シラブル唱の口唱歌 としての機能の確認 と共 に、 シラブル唱と演奏の関 係の深 さを示す ものである。 この部分での正確なシラブル唱 とは、促音を正 しく歌 うというこ
とである。
④ この部分で
1箇
所 もスラ‐が付 けられなか った者が9名 (9%)。 lClの
アル フ ァベ ッ ト表 記では3名
(5%)であった。⑤ スラーの後にスタッカー トを付 けられなか った者が
21名
(22%)いた。 その内11名
は シ ラブル唱は正確 にできていたが、10名 はそれす らもできていなか った。 促音を正確 に歌 えな か った者 は、 リコーダー奏において もスタッカー トを正確に演奏することはできないと言える。⑥7小節 目の最後のスラーのシラブルには、促音 は付 されていない。従 ってスタッカー トを 付 けるべ きではないのだが、 リコーダー奏では
5名
の者がスタッカー トを付けていた。調べて みると、 この5名
は全員 ターヤッ"と歌 っている。誤 ったシラブルで歌 って しまった為 に、
リコーダー奏で も誤 ったアーティキュレーションが無意識の うちに出て しまった例である。
⑦ この部分には楽譜にアクセ ン トが書 き込 まれている。 このアクセ ントを どのよ うに歌 い、
どのように演奏するかは、日唱歌の機能を考える上で重要である。 シラブル唱・ リコーダー奏 共 に適切なアクセ ン トが認め られた者 は
61名
(63%)であった。 シラブル唱にはアクセ ン トが 付いていたが、 リコーダー奏に付いていなか った者が6名 (6%)、
シラブル唱 には付 いていヤ
輸ャ e
タ ツ タ 協 蹄 tutt ti シシ
ヤ フヤ ッ et 夕
丼 仙 タ ッカ
慨
九 タ ッ
鮎
瀾 れ 雌 怖 ヤ ッ
働
タ タ.
t u タ ッ 競 カ し 一 陶
シ シ
t i ヤ ッ ヤ ッ e t
タ タ.
t u
口唱歌を用いた音色指導法に関する一考察
なか った者
28名
(29%)中、実際の演奏 に付 いていた者が8名
(8%)で、付 けていなか った 者が20名
(21%)であった。 この結果か ら、 シラブル唱でアクセ ントの指導を しておけば、 リコーダー奏では殆 どの者がアクセ ントを付 けて演奏することができると言える。
③8小節 目の4分音符 には タァン
"の
シラブルを充ててある。 この音 を4分音符一杯 の長 さで演奏 した者が65名
(67%)であ った。残 りの32名
(33%)の うち、 シラブル唱で タン"
と歌 い、 リコーダー奏ではスタッカー トを付 けて演奏 した者が
26名
(27%)で、4分音符一杯 に演奏 した者が5名
(5%)であ った。 このことか らも、一旦 シラブルを読み間違えて しまう と、演奏 にまで影響することがよくわかる。早急 に口唱歌の機能を確立することが要求される。lCl表
記の調査では、 この部分を指示 したアル ファベ ッ トで正 しく歌えた者 は80%で、その う ちの94%はリコーダー奏 も正確 にで きていた。 しか し、6%はスラーが正 しく演奏で きていな いか、 スラーは良 くて もスタッカー トが付いていなか った。 また、全体の20%にあたる者 は指 示 されたアルファベ ットを正 しく歌えていなか った。 アルファベ ットを正 しく歌えない者の67
%は、 リコーダー奏でスラーが正 しく演奏で きないか、 スラーは良 くて もスタッカー トが付 い ていない者である。
なお、7小節 目の3拍目の
2つ
の8分音符 はtu e"の
アルファベ ッ トを充てたが、13%の 者がそれまでと同 じ様に2つ
目の音 にスタッカー トを付 けて演奏 し、 シラブル唱を見てみると、この全員が
tu et"と
歌 っていた。これ らのことか ら、
lClの
アルファバ ット表記 も、lBlの
改良 した 口ず さみの シラブル"同様、 日唱歌の機能を持 っていることが解 る。
♪
,i:iliF7FT晉島 曇
[だ「こ
9名。
:棄辱
│≡≡ 電 夢 ≡ 電 子 ≡ ≡ 尋 テ ≡ 妻 弄 ≡ ≡ ≡
♪γ♪ッ♪ッ│」 ♪ッと演奏した者は
14名 :7 7 7 打 乳
であった。 この両者を選んだ者 は、 1名 を除
̀
き ティッ ティッ ティッ"か ティンテイン テイン"の促音か撥音を用いたどちらかのシラブルで 歌っている。また、あまり明確な区別ではないが、」
JJIJ♪
ッと演奏していると思われる 者が20名
みられる。これらの者は1名
を除いて ティーッティーッティーッ"ま たは ティーンテイーン テイーン"の ように長母音と促音か撥音を組合わせて歌っている。」」」│」 」と演奏した者は54名
にのぼ り、やはり1名
を除けば ティ ティティ"と書いてあるシラブルを ティーティー
ティー"と歌 っている。
ここはポルター トで
J」
」│」 Jの ように演奏 させたか ったので、 ティーティー
ティー│
タア
タン"のシラブルを与えたほうが良か った。
②
10小
節 目の102拍目の4分音符 には、従来 タァヤン"のシラブルを充てていた。 しか し、 この 2つ の4分音符 にスラーをつ けて演奏 して しまう者がいたので タァ タン"に替 えてみた。
また、 10小節 目の
2拍目で フ レーズが終 わ る ことが理解 で きて い るか調査 してみた。今回は、
タア タン
"のシラブルを読 み違 えた者 は 1人 もお らず、 リコー ダー奏 に於 いて、 ス ラーを付 け た者 も
1人もいなか った。 なお、 タン
"の撥音 を長 め に歌 った り演 奏 して フ レー ズが紛 らわ
しい者 が 3名 程 いた。
lCl表
記 で は、 シラブル唱 と リコー ダー奏 に於 け る音 の長 さの食 い違 いはなか った。即 ち、短
107
く歌 った者は短 く演奏 し、長めに歌 った者は長めに演奏 しているという結果がはっきり出た。
」」」とした者 48%、 ♪ッ♪ッ♪ッとした者 20%、
JJ」とした者は
32%であった。 この結果、
シラブル唱で長 く歌わせれば、 リコーダー奏も自然に長 く演奏するようになることが解ったの で、 ここでは
ti― ti― ti― tu― tot"と表記 した方が良いと思われる。
5.11〜
12小 節
β∫蠅 翻 F"稔 轟 難 葬 馨
果、 前 回 は シ ラブル唱 にお いて全体 の
24%の者 が ス ラーを付 けて歌 い、 その うち
71%の者が リコーダー奏で もスラーを付 けていた。
そこで、今回はシラブルを ティカ"に変更 し、調査 してみた。
シラブル唱で ティカ"と正 しく歌 った者 は
85名
(88%)で、残 りの12名
はそ ろって ティ ヤ"と歌 っていた。(中には、̀力 'を ̀ヤ
'と 読み違えている者がいたか もしれない)リ コー ダー奏では、 ティカ"と歌 った93%はスラーを付 けずに正 しく演奏 しているが、 ティ ヤ"と歌 った者の42%はスラーを付 けて しまっている。
また、8分音符 にスラーを付 けて しまった者の82%は、9小節 目の4分音符を長 く一杯 に感 じた者であり、残 りの者 は4分音符を短 くスタッカー ト気味に演奏 していた。 このことは、直 前 の4分音符を長めに感 じた者 は3拍目の8分音符を レガー トに感 じる傾向があることを示 し ている。
lCl表記 による調査で も、
tu te"と
正 しく歌 った者 は73%で、残 りの者 は tu e"と 歌 って いる。 これは他の同 じような音形で4小節 目と12小
節 目の3拍目にtu et"と
歌 わせ る箇所 があるので紛 らわ しか ったのではと思われる。tu te"と
歌 った者 の95%は リコーダー奏で も正 しく演奏 しているが、 tu e"と 歌 った77%は リコーダー奏に於 いて8分音符 にス ラーを 付 け、正 しく演奏で きていない。 けれども、 これは口唱歌 としてのシラブル唱の指導によって 解決で きる問題である。②
12小
説 目の2つ
の4分音符 は、4小節 目と同様、従来 ティーヤン"と していた。 しか し、リコーダー奏でスラーを付けて しまうので ティータン"に変更 した ものである。それによって、
スラーを付 けた者 は
1人
もいなか った。面白い現れとして、901o小節 目の4分音符 を短 く スタッカー ト気味にシラブル唱 し、同 じように リコーダー奏 した者 は12小
節 目の 2も の4分音 符 も同 じように短 くする傾向にある。6。
17〜 32小
節この部分のシラブル唱には、特別に難 しい箇所 は無い。 しか し、音程や リズムが取れない者 がかなりいた。 また、 フレーズも解 りにくいと思われ、スラー (レガー ト)を正 しく理解でき ていない者がいた。
従来の シラブル
lAlは
、主に子音を用い、たまに半母音を使用する程度であった。 しか し、 リ コーダー奏をする際、 シラブルの子音の位置でタンギ ングして しまい、 レガー トをうまく表現 で きなかった。そこで今回0は、 タンギ ングシラブルを応用 し、 レガー トの場合にはすべて母 音を充ててみた。① スラーの付いてぃ る箇所を正 しく演奏 しているか。
リコーダーでの レガー トの正確な演奏率は、前回の49%に対 して今回は74%と飛躍的によく
ン ン n
ヤ タ b
一 一
贅 贅 匈
タ タ 饉 タ タ 伍 タ タ 饉 タ タ 饉 タ タ 饉 タ タ ti
ヤカね
■7 tu
島 B C
口唱歌を用いた音色指導法に関する一考察 109
なった。
1箇
所 もスラーを付 けられなか った者 も、17%から10%へと減少 している。残 る16%の者 はスラーは付いてはいるが、楽譜通 りになっていない不正確な演奏であった。
lCl表記 においては、 リコーダーでの正確な レガー トの演奏率は67%であったが、
1箇
所 もス ラーをつけることができなか った者が7%と減 っている。残 る25%はスラーが不正確だった者 である。② シラブルが正確 に歌えていたか。
a、
シラブル唱において、 フレーズが不正確だった者が10%おり、 この全員が リコーダー奏 で も全 く同 じようにフレーズを取 り違えていた。 シラブル1昌
がいかに リコーダァの演奏に影響 す るかがよ く解 る。Juo リ イ
lCl表記では、同 じくフレーズが不正確な者が12%おり、 リコーダー奏で もこの全員が フレー ズを違えて演奏 している。
しか し、 ここも、 日唱歌 としてのシラブル唱の指導によって解決できる問題である。
b、 シラブル唱で、極端に音程が悪か った者が16%程いる。 シラブル唱の音程歌唱能力 とス ラーの演奏能力には相関関係があることが従来の調査で明 らかになっている。今回 も、音程が 悪か った者の56%はレガー ト奏法がで きていない。それ以外 は、 シラブル唱で音程が悪 くて も リコーダー奏では正確 に演奏で きた者である。おそ らく、歌 はあまり得意でないが器楽演奏 は 得意な者であろう。
lCl表
記では、音程の悪か った者の33%がスラーを全 く演奏で きず、67%がフレーズを違えて 演奏 している。 この結果か ら、音程能力 とアーティキュレーションとも相関関係 にあるよ うで ある。反対 に、 シラブル唱が良か ったのにスラーが不正確だ った者が12%程いた。 これ らの者 は、
楽器演奏 は不得意だが歌唱表現 は得意であると考え られる。
C、
シラブル唱で、 スラーの付いている音 にアクセ ントを付 けて歌 う者が13%程いた。当朱 レガー トの意味を理解できていないことが伺える。 アクセ ントを付けて歌 った85%の者が、 ス ラーを正 しく演奏 していなか った。lCl表記で も、 シラブル唱で、 スラーの付 いている音にアクセ ントを付 けて歌 う者 が 目立 ち、
15%程になった。そのうち、 リコーダーでスラーを正 しく演奏で きた者 は22%で、 スラーを
1
つ も演奏することができなか った者 は33%であった。従 って、 スラーが不正確であった者を合 わせ ると78%にのぼる。以上の結果か ら、 シラブル唱においてスラーの付いている音を レガー トに歌えず、 アクセ ン トを付 けて しまうような場合 は、 スラーの意味を正 しく把握 していないと思われる。
V
おわ りに今回のBのシラブルは、Aに比べてかな り改良 されていると言える。特に、子音の扱い方 は Aの比較ではない。 シラブル表記 は、 これでほぼ完成 と言 って良いのか もしれない。 このシラ
ラ Jロ ウ e ウ u ル du ラ.
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﹄︺ 面
一一 ラ. di
ブルで シラブル唱す ることによって、 リコーダーの演奏が飛躍的に変化することは容易に想像 で きる。
従 って、 このシラブルを実際に歌わせ、音の微妙な表情やフレーズ感、音の運動感やエネル ギー等 といったものをその歌 い方の指導の中で伝達 し、それ らが生徒の リコーダー演奏に生 き て くる研究をしてい く必要がある。
一方、
lClの
タンギ ングシラブルを基 に した日唱歌 は、実験データが少な過 ぎてはっきりした 結果が得 られていない。 しか し、 この方法は リコーダー奏法において最 も実践的なものである。つまり、日唱歌本来の機能である、音色の表現 と共に奏法の表現を内胞する手法であるだけに、
その研究が今後の課題 として残 されるところである。
引用・ 参考文献
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静一
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平凡社 p.1392 ・15)M.マクガ レル