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高粘度油の加熱による自然対流と温度分布について

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(1)

高粘度油の加熱による自然対流と温度分布について

福地 信義*

Natural Convection and Thermal State of High Viscous        Oil by Heating

by

Nobuyoshi FUKUCHI

  Recently, a large quantity of high−viscous crude oil is imported into Japan and oil consumed cotlntry. Oil tankers carrying high−viscous oil have to equip with the oll heating system taking account of characteristics of viscosity on temperature. In genera1, the viscosity of high−viscous crude oil changes rapidly according to a thermal change near anOrrnall temperature・

  Irl order to investigate the natural convection and the thermal state in oil tank, the numerical analysls orl veloclty and temperature durlng heatjng up is carrled out by the finite element method. By the resu・1ts of analysis, the relations between・the distribution.

of oil temperature in tank and the arrangement of heatingρoil or the supPlled heat quantity are clarified.

1.はじめに

 近年の石油資源の枯渇傾向から,従来からの良質な 低粘度原油の輸入に対し,高粘度原油または高流動点 原油の輸入の割合が上昇し,これを輸送する原油タン カーもポンピング装置やタンク内加熱システムに高粘 度油のための対策を行う必要が生じてきた。高粘度油 はポンピング時の流動を容易にするために,加熱を行 い粘度の低下をはかる必要がある。一般に高粘度の原 油は高粘度の重油とは異なり常温付近の粘度は急激な 温度依存性を示し,r 禛^ンク内の対流状態および温度 分布が問題となる。

 本論文では,その粘度特性の温度による変化が大き い高粘度油について,加熱時のタンク内における自然 対流の状態および温度分布を知り,高粘度油加熱の基 礎的なデータを得るために,タンクモデル内の流速お よび温度に関する数値解析を行った。ζれにより,加 熱管の配置および供給熱冷と温度分布との関係を明ら

かにする。,

2.高粘度原油の自然対流 2.1 高粘度原油の物性  (1)温度と動粘度の関係

 油の物性の中で最も温度依存性が高いのは粘摩であ り,これが対流の能動性に大きく影響する。 Fig.1 に船舶技術研究所において計測された3種の原油の動 粘度と温度との関係1)および次のWalther−ASTMの 式に基づく値2)を示す。

   Zoglg ♂oglo(ン十α)==6−zPz♂oglo(θ十273)    (1)

ここに,レは動粘性係数(cSt),θは油温(℃)であ る。係数α,6,解はそれぞれRedwood#1.3500秒 でα=0.6,∂二9.94,彿=3.8,500秒でα=Q.6,∂

=9.79,クπ=3.8である。

 3種類の原油をVoge1の式に従って表わすと次の ようになる。

昭和59年4月28日受理

*構造工学科(Department of StructUra/Engineering)

(2)

1000 500

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  10   20   30   40   50   60   70   80        temperロture of oil(℃)

Fig. l Relation between viscosity and     tenユperature

HeαV oi〔

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   ン=ノ1・θz:1》(B/(θ一θ初))      (2)

ここに       ノ1  B  θ獅  大慶原油(中国)      :6.0245.5       19.4  ミナス原油(インドネシア) :11.411.6       26.9  ウム・シャイフ原油(アブダビ):0.77129−38.0 θ常は凝固点(℃)に相当する。大慶およびミナス原 油は高粘度原油の典型的な例であり,高粘度の重油と は異なり40℃以下で急激な粘度変化を示す。

 ②,その他の物性

 油を加熱する際の自然対流および温度分布を決める 物性としては動粘度の他に,比重量,比熱,熱伝導 率体積膨脹率などがある。これらの値は温度依存性 があるが,一般に一定の仮定をとる。

i)比重量:ρ(kg/m3)

 15℃での比重量は大慶原油0.86×103kg/m3,ミナ 夙原油0.85×103kg/m3であり,一般に0.85〜0.93×

103kg/m3である。比重量は1℃の温度上昇に対し

0.07%程度減少する3)。

ii) 比熱:o (kca1/kg℃)

 比熱は温度上昇とともに増加し,次のASTMの式

が用いられる4)。

    ==0.415/1/ρ/1000一ト0.0009 (θ一15)     (3)

大慶原油で約Q.45(kca1/kg℃)である。

iii)熱伝導率:λ,(kca1/m・sec℃)

 石油製品の熱伝導率はGragoe(U. S. Bureau

of Standard Pub. No.97)が次の式を提案してい

る。

   λ コ0.028 (1−0.00054θ)/ρ      (4>

iv)体積膨脹率:β(1/℃)

 ミナス原油の体積膨脹率は次式で与えられる5)。他 の原油もほぼ同じ値と考えられる。

   β一〇.57/ρ       (5)

 この他に流動点が問題となるが,これにはろう分の 含有量が大きく影響し5),大慶原油で30℃,ミナス原 油で35。Cである。

タ1Mesh for finite element method

hgα哲 gc◎ll   9

フ巽。

QI Q2   02  Q2  02  01

10q)

Cdlcu耐ing c◎ndition of dl tαnk mode1 1)Assumed length:1=10 m

2) Using heati ng coi1 : 1−heater   3       2−heaters  2 9 4

      5−heaters 1,2,3,495

3) Heating oi1 3 τaching crude oi1 (China)         一 4) Temperature of heating coi 1 : 800C

5) Oi l temperature at beginning 3 30 0C! 40 0C 6) Surrounding temperature 3 5 0C

7)Heat t「ansm ss on c。efl翻、綿11、5.、、1。2K

 Fig.2 Tank model for calculation

2.2 基礎式

 Fig.2 に示すようにタンク下部に加熱管を有する タンクモデルについて,油を近似的にニュートン流体 とし,流れは層流として自然対流の解析を行う。基礎 となる式は以下の通りである。

(1)流れの連続式

   舞一・ (ガー・,2,3) (6)

ここに,砺は流速である。端は座標を表わし,苅,

記,を水平方向,鞠を鉛直方向(上向きを正)とする。

(2)運動方程式

 重力場におけるNavier−Stokesの運動方程式は次

(3)

式で表わされる。

  讐+識伽ゴ)一一去轟+識{・(舞        +霧)}一β9・θ (7)

ここに,ρは圧力,孟は時間,θは油単である。また g1=g2=0, g3コーg(重力の加速度)であり,りは動 粘性係数@2/5θのである。

㈲ 熱拡散方程式

 熱の拡散係数をκとすると,温度の輸送方程式は次 のようになる。

①αt掴80     こ∴ 

  :;1、f.=1二::.

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嘉+距ブθ)「舞(  ∂θκ ∂zゴ)

ここに,κ=λ/01)(刀z2/∫θc)

2.3 解析

(1)数値解析

(8)

 解析法としては有限要素法を用いる。基礎式(6),(7),

(8)に対しGalerkin法を用いて有限要素法のための定 式化を行い,2次元問題として計算を行う。有限要素 としては8節点2次要素を用い,定式化後の殉,ρに 関する非線形連立方程式は:Newton−Raphson法に より解いた。ただし,時間微分項は差分で近似した。

(2)問題点

 実船における原油タンクの加熱と本解析との相違点 としては次の点がある。

i)高粘度の油は厳密には非ニュートン流体である。

特に高分子の油では曇点以下になると凝似粘性を示 す4)。しかし一般には非ニュートン性は小さく,対象 とする問題ではニュートン流の扱いで充分と思われ

る。

ii)一般に実船における加熱時の対流は完全に発達し た乱流域にあるものと思われる4)。 しかしここで問題 としている流動点付近の粘度変化の大きい高粘度の場 合には代表値のとり方にもよるが,レイリー数がGr・

Pr−1×108〜5×108となり,乱流への遷移点109以下 となることも有り得るため,不均一加熱となり勝な層 流として計算を行う。なお完全乱流状熊のタンク内油 温は周壁付近を除いて均一と考えてよい。

iii)寄船では船体動揺のため積載油がかく乱を受ける ため熱伝達の様態が変る6)が,ここでは考慮しない。

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②漁・360

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3.加熱時の流速と温度分布 3.1 自然対流の能動性

 自然対流の様態は加熱管の配置と加熱管を通して油 に供給される熱量により決まる。そこで,これらを変 化させFig.2に示す計算条件により計算を行い,加

(σ) Q!(θh一θ=)・KA=2      (b) Q!(θ一θ二)・KA=5D  ・・te;笹29βθH一θ1}£

   噺=τ㎝pe「atu「e of heating c・i1・名=Oil temperature at beg禰ng    K   3 Heat transmission coefficient, A: Heat t「ansmission a「ea

Fig.3 Velocity dlstributions in the tank     with one heating coil for two kinds     of supPlied heat quantity

熱時の対流の様態について調べた。

Fig.3に2種の供給熱量に対する加熱管1本の場合 について,タンク内の流速パターンを示す。またFig.

4に加熱管が2本および5本の場合を示す。流速パタ   ①0{1同80   ①筒胡・180

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   θ鰭3τ㎝pera加陶f hea鞠。・i1・θ!20il t瓠peratu陀at beglnn1・9    民   8Heat transm15slo coefflcientg A3鯛e轟t tr昇nsmis510n arεa

Fig.4Veloclty distrlbutions for two ar−

   rangements of heatjng coil

(4)

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Fig.5Relatlon between average velocity    and supplied heat quantity

一ンは時間とともに変化し,加熱初期には上昇流の勢 いが小さいためタンク下部で対流が起り,しだいにタ ンク全体に対流が広がり,ある経過時以降はあまり大 きく変化しない。タンク周壁付近では外部からの冷却

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1 A 3Heat transmission area

165

0 α Q2 Q3 04

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07

舞・f1 果蜘Q9

Fig.6Variations of veloclty ln− 狽・・@tank vサlth

   one heatlng coil as tlme proceeds

により温度が低く,従って粘度が高いために志んど 流れが起らないのが分かる。また加熱管の数が多い ほど循環流の数が多くなり,流速パターンが定常化 するのが遅くなる。

 3種類の加熱管配置について,供給熱量とタンク 内平均流速との関係をFlg.5に示す。数値解析上 の粗さなどから両者の関係は滑らかな変化を呈して いないが,供給熱量が増すに従い当然対流が活発化 するのが分かる。これは,タンク内の自然対流が加 熱管周りの適温(最高)とタンク周壁付近の四温

(最低)との温度差により決まり,加熱管に与えら れる熱量に比例することによる。従って,加熱管の 数が増し,1本当りの供給熱量が少なくなると対流 速も小さくなる。

3.2 熱拡散の状態

(1)経時変化

 初期油温が30。Cおよび40。Cの均一温度の静止状態か ら油の加熱を開始した場合について,タンク内対流速 の時間的変化をFig.6に示す。時間の経過とともに 対流は活発化するが寵/Z−540〜630付近から飽和化

(。C)

  65

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  0  α1 Q2 Q3 04 Q5 Q6 07 08 Q9       (x900)

         time £「t八

Fig.7Varia,tions of oil temperatllre in the    tank with one heatlng co{1 as timg    proceeds

(5)

し,経時変化が鈍くなる。なお祝は自然対流の代表速

   π={29β(θ丑一θ1)}1/2      (9)

である。ここにθ∬,θ∫は加熱管の温度および初期油 温である。

 この後は油温の上昇とともに動粘度が低下し,少し つつ対流速が増すものと思われる。

 Fig.6に対応する四温の時間的変化をFig.7に示 す。加熱初期は伝導によるゆっくりした伝熱が主体で あり,時貸の経過とともに対流速が大きくなり移流の 影響が出てくる。このため平均油皿は経過時間に比例 して増加しているのに対し,最低温度の発生点は周壁 付近にあり,周壁からの冷却のため一度降下するが,

加熱管の熱が周壁付近まで対流により伝わると上昇し 始める。また,30℃からの加熱に比べ,40℃からの加 熱の方が外周へ逃げる熱量が大きいので早く最高温度 の上昇率が鈍る,

 二二分布の時間的変化をFig.8に示す。これによ ると加熱初;期に加熱管から上昇流に載って上方へ熱が 伝わり,タンク天井まで到達するとタンク幅方向に熱

①Ut 同80亀叩劔9、 ③道是八・540職。、1細、

32 32  32

4 2

4

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55 32 2

②謡躍。o殊鯛兜 ④罐1.号2智 鮨31・93。C

32 2

32 32

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2 3

32

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3 58 2

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405@    ⑤ 職.・32.40。C

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34 3

  笹29P(θrθ1)£

ニH:T飢perature・f heatlng CO至1 ニ1=0言1t㎝perature at begiming j2Heat transmission coefficient

̀ 言Heat transm1ssion area 4

36

36  6

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,, Q

5

Fig.8Varjations of ternperature dlstribu−

   tion in the tank wjth one heatlng    cojl as tirne proceeds

が拡散するのが分かる。また加熱管周囲の急な温度勾 配は熱伝導によるもので,対流が活発になると消滅に 向かう。

(2)加熱丁数と供給熱量

 加熱管の数を1,2,5本と変化させた場合のタン ク内温度分布をFig.9に示す。当然のことながら,

(Q)1一㎞ing(廟1①q姻司80

32

3 3

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32

o 6 3 5850 32

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64

②U4 【・360・qノ(θH一θ1}・1・

0

50

Fig. g Distribu.tions of oil temperature for    three arrangements of heating coil

加熱丁数が多いほどタンク幅方向の温度が均一化する のが見られる。

 Fig.loに加熱管が1本設置されたタンクについて,

供給する熱量を変化させた場合あ経過時肱班一360に おける温度分布を示す。供給熱量が多いほど早く対流 が活発化するためタンク内の熱拡散も早く,従って油 の動粘度も急速に低下し,さらに対流速が大きくな る。このため移流効果によりタンク内温度分布が均一 化する。

 加熱管数を変えた場合の供給熱量と油温の平均値ま たは最高値との関係をFig.llに示す。この計算例で は周壁からの熱貫流が小さいので熱的に閉じた系に近 く,加熱管数に関係なく供給熱量が同じであると平均 値はほぼ同じである。しかし,加熱管数が少ないと加

(6)

(α} Q1てθ旨一θ置)・KA=2 (b)Q!(α一θ=)・KA=5

30

50 54 3

32 32

o U32 04

32 440       32 4 40

(c) Q!(ε』一・θ=)・KA=10

2

3 3

4 2 34

36

36 32

(d)Q1(亀一θτ)・KA≒5{⊃

・・t・・序・μ・3・q・h・・e旗・・♪θH一θ1}乏 4050 (mit,℃)

  卑τ飢peratu爬・f heating c・i1・θ130i1伽erature at beginning   κ  3 Heat transmission coefficien七, A 3 Heat trans旧ission area

31。

Fig.10 Distributions of oll temperature in the     tank with one heatlng coil for four     kinds of suppljed heat quantjty

熱管のまわりに熱が集中し,最高温度は加熱管が多い 場合に比べて高くなる。

 Fig.11に応じた,タンク内A, B点の供給熱量と 動粘度との関係をFig・12に示す。加熱管の数が多い ほどタンク内油温が均一化するためA,B点間の粘度

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Fig.11

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Relatlonわetween oll temperature and supplied heat quantjty

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、、 、

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2−heα価ng coi【S

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1 510  50100    heαt qu◎ntity    Q!(θh一伍}KA500

Fig.i2 Relation between oll viscosity and     supplied heat quantjty

差が小さくなり,またB点の粘度も小さくなってい る。このことにより,ポンピングのために高粘度油を 加熱する場合,タンク内の最高粘度が揚油の可能な限 界粘度以下になる必要があ、り,同じ熱量でも多くの加       し

熱管に分散して供給する方が有利であることが分か

る。

4.結 言

 温度依存性が大きい粘度特性をもつ高粘度油につい て,粘度低下のための加熱を対象に,供給熱量と加熱 管数を変えて数値解析を行い,自然対流とそれによる 熱拡散の状態を調べた。

 実船での油タンク加熱は一般に80〜120時間程度行 われるが,ここでは粘度変化が大きい加熱初期の短い 時間(約1時間に相当)について解析を行った。この 加熱初期は対流の様態が不安定であり,また計算にお ける時間ステップが粗いなどの理由から,計算による 対流の状態は時間的に滑らかに変化していない。しか

し熱対流の成長の過程や自然対流による熱拡散の状態 は定性的に把握することができた。

 今後,解析の精密化を計り,さらに実験や実船計測 の結果とのつき合せにより,加熱初期だけでなく対流 の様態が定常化した後も含め,定量的に供給熱量や加 熱管配置とタンク内油温分布の関係を明らかにする必 要がある。

       参 考 文 献

1)渡辺,沼野,山之内,上田,加藤:白油タンクの 高粘度原油洗浄,昭和58年度春季船舶技術研究所発 表会講演集, (1983)

(7)

2)機関研究委員会:ディーゼル船用燃料油粘度の 3500秒対策について,日本舶用機関学会誌,Vo1.2,

N:o。5, (1967)

3)佐藤一雄= 物理定数推算法 ,(1975)丸善出版 4)日本造船研究協会:タンカーのタンクヒーティン  グに関する研究,日本造船研究協会資料,:No.79,

 (1968)および,栗原至道:船舶臓装における熱伝

達に関する研究,九州大学学位請求論文,(1975)

5)中西,古寺,吉田,奈良井,石野:ミナス原油の 海底管による送油時の熱的諸問題 日立造船技報,

第32巻,第1号(1971)

6)加藤洋治:タンカー荷油の放熱に対する動揺の影 響,日本造船学会論文集,第126号(1969)

(8)

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