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の者の認定住宅借入金等の年末残高 ( 借入限度額を超える場合には 借入限度額 ) と居住年に応じた控除率との組み合わせにより計算した金額を住宅借入金等特別税額控除額とする認定住宅の住宅ローン税額控除の特例を適用することができることとされています ( 平成 26 年以降の居住年については ( 表 2)

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(1)

の改正

一 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除等の適用期

限の延長

1  改正前の制度の概要

⑴ 住宅ローン税額控除 ① 一般の住宅ローン税額控除  居住者が、一定の要件を満たす居住用家屋 の新築、新築住宅若しくは既存住宅の取得又 はその者の居住の用に供する家屋の増改築等 (以下これらを合わせて「住宅の取得等」と いいます。)をして、これらの家屋を平成11 年 1 月 1 日から平成29年12月31日までの間に 自己の居住の用に供し(住宅の取得等の日か ら 6 月以内に自己の居住の用に供した場合に 限ります。)、引き続き居住の用に供している 場合において、その者がその住宅の取得等の ための借入金等(以下「住宅借入金等」とい います。)の金額を有するときは、その居住 の用に供した日の属する年(以下「居住年」 といいます。)以後一定の控除期間にわたっ て、その者の住宅借入金等の年末残高(住宅 借入金等の年末残高の限度額(借入限度額) を超える場合には、借入限度額)と居住年に 応じた控除率との組み合わせにより計算した 金額を、その者の各年の所得税額から控除す ることができることとされています(平成26 年以降の居住年については、(表 1 )をご参 照ください。)(旧措法41)。 ② 認定住宅のローン税額控除  居住者が、認定住宅の新築又は認定住宅で 建築後使用されたことのないものの取得(以 下「認定住宅の新築等」といいます。)をし て、その認定住宅を平成21年 6 月 4 日から平 成29年12月31日までの間に自己の居住の用に 供し(認定住宅の新築等の日から 6 月以内に 自己の居住の用に供した場合に限ります。)、 引き続き居住の用に供している場合において、 その者がその認定住宅の新築等のための住宅 借入金等の金額を有するときは、上記①の一 般の住宅ローン税額控除との選択により、そ 目    次 一 住宅借入金等を有する場合の所得税額 の特別控除等の適用期限の延長���� 223 二 優良住宅地の造成等のために土地等を 譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特 例の改正�������������� 230 三 収用等に伴い代替資産を取得した場合 の課税の特例等の改正�������� 233 四 特定住宅地造成事業等のために土地等 を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除の 改正���������������� 237 五 特定駐留軍用地内の土地を譲渡した場 合の譲渡所得の課税の特例(改正後:特 定駐留軍用地等を譲渡した場合の譲渡所 得の課税の特例)の改正������� 239 六 特定の事業用資産の買換え等の場合の 譲渡所得の課税の特例の改正����� 243 七 土地の譲渡等に係る事業所得等の課税 の特例の改正������������ 246 八 確定申告等における住民票の写し等の 添付省略�������������� 248

(2)

の者の認定住宅借入金等の年末残高(借入限 度額を超える場合には、借入限度額)と居住 年に応じた控除率との組み合わせにより計算 した金額を住宅借入金等特別税額控除額とす る認定住宅の住宅ローン税額控除の特例を適 用することができることとされています(平 成26年以降の居住年については、(表 2 )をご 参照ください。)(旧措法41⑩)。 (注) 認定住宅とは、認定長期優良住宅(長期 優良住宅の普及の促進に関する法律に規定 する認定長期優良住宅に該当する家屋で一 定のものをいいます。)及び認定低炭素住宅 (都市の低炭素化の促進に関する法律に規定 する低炭素建築物に該当する家屋で一定の もの又は低炭素建築物とみなされる特定建 築物に該当する家屋で一定のものをいいま す。)をいいます。 (表 2 )認定住宅のローン税額控除の場合 居住年 控除期間 借入限度額 控除率 控除限度額各年の 最大控除可能額 平成26年 1 月~平成26年 3 月 10年間 3,000万円 1 % 30万円 300万円 平成26年 4 月~平成29年12月 (特定取得の場合) 5,000万円 50万円 500万円 特定取得以外の場合 3,000万円 30万円 300万円 (注) 上記の「特定取得」及び「特定取得以外の場合」は上記①(表 1 )と同じです。 ③ 適用を受けるための手続  この住宅ローン税額控除は、原則として、 確定申告書に控除を受ける金額についてのそ の控除に関する記載があり、かつ、その金額 の計算に関する明細書、登記事項証明書、住 民票の写しその他の一定の書類の添付がある 場合に適用を受けることができます(措法41 ⑲、旧措規18の21⑨~⑪⑳)。 ⑵ 特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する 場合の所得税額の特別控除の特例(特定増改築 等に係る住宅ローン税額控除の特例) ① 特定居住者が行うバリアフリー改修工事を 含む特定の増改築等に係る住宅ローン税額控 (表 1 )一般の住宅のローン税額控除の場合 居住年 控除期間 借入限度額 控除率 控除限度額各年の 最大控除可能額 平成26年 1 月~平成26年 3 月 10年間 2,000万円 1 % 20万円 200万円 平成26年 4 月~平成29年12月 (特定取得の場合) 4,000万円 40万円 400万円 特定取得以外の場合 2,000万円 20万円 200万円 (注 1 ) 上記の「特定取得」とは、その住宅の取得等をした家屋の対価の額又は費用の額に含まれる消費税額 等合計額の全額が、新消費税率により課されるべき消費税額等合計額である場合の住宅の取得等をいい (措法41⑤)、「特定取得以外の場合」は、その住宅の取得等に係る消費税額等合計額のうちに、新消費税 率以外の消費税率により課された消費税額等合計額が含まれている場合が該当します。 (注 2 ) 上記の「消費税額等合計額」とは消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額をいい、「新消費税 率」とは社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正す る等の法律(平成24年法律第68号)による改正後の消費税率及び地方消費税率( 8 %又は10%)をいい ます。

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除の特例(特定バリアフリー改修に係る特 例)  特定居住者が、その者の居住の用に供する 家屋について、一定のバリアフリー改修工事 を含む増改築等をして、その家屋を平成19年 4 月 1 日から平成29年12月31日までの間に自 己の居住の用に供し(増改築等の日から 6 月 以内に自己の居住の用に供した場合に限りま す。)、引き続き居住の用に供している場合に おいて、居住年以後 5 年間の各年(以下「増 改築等特例適用年」といいます。)において その住宅の増改築等に係る増改築等住宅借入 金等の金額を有するときは、増改築等特例適 用年における住宅借入金等特別税額控除額を その種類に応じて区分した増改築等住宅借入 金等の年末残高(増改築等住宅借入金等の年 末残高限度額を超える場合には、当該限度 額)と対応する控除率との組み合わせにより 計算した金額の合計額としてその年分の所得 税額から控除することができることとされて います(平成26年以降の居住年については、 (表 3 )をご参照ください。)(旧措法41の 3 の 2 ①)。 (注) 上記の「特定居住者」は、居住者で次に 掲げる者をいいます(旧措法41の 3 の 2 ①)。 1  年齢が50歳以上である者 2  介護保険法の要介護認定又は要支援認 定を受けている者 3  所得税法の障害者に該当する者 4  高齢者等(年齢が65歳以上である者、 要介護認定若しくは要支援認定を受けて いる者又は所得税法の障害者に該当する 者をいいます。)である親族と同居を常況 としている者 (表 3 )特定増改築等(バリアフリー改修工事)のローン税額控除の特例の場合 居住年 住宅借入金等増改築等 の種類 控除期間 増改築等 住宅借入金等の 年末残高限度額 控除率 各年の 控除限度額 最大控除可能額 平成26年 1 月 ~ 平成26年 3 月 ① 特定増改築等住 宅借入金等 5 年 200万円 2.0% 4 万円 60万円 ② ①以外の増改築 等住宅借入金等 800万円 1.0% 8 万円 平成26年 4 月 ~ 平成29年12月 (特定取得の場合) ① 特定増改築等住 宅借入金等 250万円 2.0% 5 万円 62.5万円 ② ①以外の増改築 等住宅借入金等 750万円 1.0% 7.5万円 特定取得以外の場合 ① 特定増改築等住 宅借入金等 200万円 2.0% 4 万円 60万円 ② ①以外の増改築 等住宅借入金等 800万円 1.0% 8 万円 (注) 上記の「特定取得」は、その住宅の増改築等に係る費用の額に含まれる消費税額等合計額の全額が、新 消費税率により課されるべき消費税額等合計額である場合の住宅の増改築等をいいます(措法41の 3 の 2 ⑮)。したがって、上記の「特定取得以外の場合」は、その住宅の増改築等に係る消費税額等合計額のうち に、新消費税率以外の消費税率により課されたものが含まれている場合が該当します。「消費税額等合計 額」及び「新消費税率」は、上記⑴①(表 1 )(注 2 )をご参照ください。 ② 居住者が行う省エネ改修工事を含む特定の 増改築等に係る住宅ローン税額控除の特例 (特定省エネ改修に係る特例)  居住者が、その者の居住の用に供する家屋

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について、一定の省エネ改修工事を含む増改 築等をして、その家屋を平成20年 4 月 1 日か ら平成29年12月31日までの間に自己の居住の 用に供し(増改築等の日から 6 月以内に自己 の居住の用に供した場合に限ります。)、引き 続き居住の用に供している場合において、増 改築等特例適用年においてその住宅の増改築 等に係る増改築等住宅借入金等の金額を有す るときは、増改築等特例適用年における住宅 借入金等特別税額控除額をその種類に応じて 区分した増改築等住宅借入金等の年末残高 (増改築等住宅借入金等の年末残高限度額を 超える場合には、当該限度額)と対応する控 除率との組み合わせにより計算した金額の合 計額としてその年分の所得税額から控除する ことができることとされています(平成26年 以降の居住年については、(表 4 )をご参照く ださい。)(旧措法41の 3 の 2 ⑤)。 (表 4 )特定増改築等(省エネ改修工事)のローン税額控除の特例の場合 居住年 住宅借入金等断熱改修 の種類 控除期間 断熱改修 住宅借入金等の 年末残高限度額 控除率 各年の 控除限度額 最大控除可能額 平成26年 1 月 ~ 平成26年 3 月 ① 特定断熱改修住 宅借入金等 5 年 200万円 2.0% 4 万円 60万円 ② ①以外の断熱改 修住宅借入金等 800万円 1.0% 8 万円 平成26年 4 月 ~ 平成29年12月 (特定取得の場合) ① 特定断熱改修住 宅借入金等 250万円 2.0% 5 万円 62.5万円 ② ①以外の断熱改 修住宅借入金等 750万円 1.0% 7.5万円 特定取得以外の場合 ① 特定断熱改修住 宅借入金等 200万円 2.0% 4 万円 60万円 ② ①以外の断熱改 修住宅借入金等 800万円 1.0% 8 万円 (注) 上記の「特定取得」及び「特定取得以外の場合」は、上記①(表 3 )と同じです。 ③ 適用を受けるための手続  この特例は、上記⑴の住宅ローン税額控除 と同様に、原則として、確定申告書に控除を 受ける金額についてのその控除に関する記載 があり、かつ、その金額の計算に関する明細 書、登記事項証明書、住民票の写しその他の 一定の書類の添付がある場合に適用を受ける ことができます(旧措規18の23の 2 ⑪)。 ⑶ 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の 特別控除 ① 制度の概要  居住者が、平成26年 4 月 1 日から平成29年 12月31日までの間に、その者の居住の用に供 する一定の家屋(昭和56年 5 月31日以前に建 築されたものに限ります。)の耐震改修(地 震に対する安全性の向上を目的とした増築、 改築、修繕又は模様替をいいます。)として 一定の証明がされたもの(以下「住宅耐震改 修」といいます。)を行った場合には、住宅 耐震改修に係る耐震工事の標準的費用額(補 助金等の交付を受ける場合には、その補助金 等の額を控除した後の金額とし、その金額が 耐震改修工事限度額を超える場合には耐震改 修工事限度額)の10%に相当する金額をその 年分の所得税の額から控除することとされて

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います((表 5 )をご参照ください。)(旧措法 41の19の 2 ①②)。 (注) 上記の「標準的費用額」の基礎となる工 事内容に応じた標準額については、告示に より定められています(措令26の28の 4 ② ④、平成21年国土交通省告示383号)。 (表 5 )耐震改修工事の場合 工事完了年 耐震改修工事限度額 控除率 税額控除限度額 平成26年 4 月~平成29年12月 (特定改修の場合) 250万円 10% 25万円 特定改修以外の場合 200万円 10% 20万円 (注) 上記の「特定改修以外の場合」とは、その住宅耐震改修に要した費用の額に含まれる消費税額等合計額 のうちに新消費税率により課されるべき消費税額等合計額が含まれている場合の住宅耐震改修(特定改 修)以外の住宅耐震改修をいいます。したがって、その住宅耐震改修に係る消費税額等合計額の全額が新 消費税率以外の消費税率により課されたものである場合の住宅耐震改修が該当します。「消費税額等合計 額」及び「新消費税率」は、上記⑴①(表 1 )(注 2 )をご参照ください。 ② 適用を受けるための手続  この特例は、原則として、確定申告書に控 除を受ける金額についてのその控除に関する 記載があり、かつ、その金額の計算に関する 明細書、住宅耐震改修証明書、住民票の写し その他の書類の添付がある場合に適用を受け ることができます(措法41の19の 2 ③④、旧 措規19の11の 2 ②~④)。 ⑷ 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の 所得税額の特別控除 ① 特定居住者が行う高齢者等居住改修工事等 に係る税額控除制度  特定居住者が、その所有する居住用の家屋 について高齢者等居住改修工事等(バリアフ リー改修工事)をして、その居住用の家屋を 平成26年 4 月 1 日から平成29年12月31日まで の間にその者の居住の用に供した場合(その 高齢者等居住改修工事等の日から 6 月以内に 自己の居住の用に供した場合に限ります。) には、その特定居住者のその居住の用に供し た日の属する年分の所得税の額から、高齢者 等居住改修工事等に係る標準的費用額(補助 金等の交付を受ける場合には、その補助金等 の額を控除した後の金額とし、その金額が改 修工事限度額を超える場合には、改修工事限 度額)の10%に相当する金額を控除すること とされています(旧措法41の19の 3 ①②)。 (注 1 ) 上記の「特定居住者」とは、上記⑵① の特定居住者と同じですので上記⑵① (注)をご参照ください。 (注 2 ) 上記の「標準的費用額」の基礎となる 工事内容に応じた標準額については、告 示により定められています(措令26の28 の 5 ①②、平成21年国土交通省告示384号)。 ② 居住者が行う一般断熱改修工事等に係る税 額控除制度  居住者が、その所有する居住用の家屋につ いて一般断熱改修工事等(省エネ改修工事) をして、その居住用の家屋を平成26年 4 月 1 日から平成29年12月31日までの間にその者の 居住の用に供した場合(その一般断熱改修工 事等の日から 6 月以内にその者の居住の用に 供した場合に限ります。)には、その居住者 のその居住の用に供した日の属する年分の所 得税の額から、一般断熱改修工事等に係る標 準的費用額(補助金等の交付を受ける場合に は、その補助金等の額を控除した後の金額と し、その金額が断熱改修工事限度額を超える 場合には、断熱改修工事限度額)の10%に相 当する金額を控除することとされています (旧措法41の19の 3 ③④)。

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(注) 上記の「標準的費用額」の基礎となる工 事内容に応じた標準額については、告示に より定められています(措令26の28の 5 ④ ⑤、平成21年経済産業省・国土交通省告示 4 号)。 ③ ①及び②の改修工事限度額、控除率及び税 額控除限度額  次の表のとおりとされています(旧措法41 の19の 3 ①~④)。 (表 6 )バリアフリー改修工事の場合 居住年 改修工事限度額 控除率 税額控除限度額 平成26年 4 月~平成29年12月 (特定改修の場合) 200万円 10% 20万円 特定改修以外の場合 150万円 10% 15万円 (表 7 )省エネ改修工事の場合(下記(表 8 )以外の場合) 居住年 断熱改修工事限度額 控除率 税額控除限度額 平成26年 4 月~平成29年12月 (特定改修の場合) 250万円 10% 25万円 特定改修以外の場合 200万円 10% 20万円 (表 8 )省エネ改修工事の場合(太陽光発電設備設置工事を行う場合) 居住年 断熱改修工事限度額 控除率 税額控除限度額 平成26年 4 月~平成29年12月 (特定改修の場合) 350万円 10% 35万円 特定改修以外の場合 300万円 10% 30万円 (注) 上記(表 6 )から(表 8 )までの「特定改修以外の場合」とは、バリアフリー改修工事又は省エネ改修 工事に要した費用の額に含まれる消費税額等合計額のうちに新消費税率により課されるべき消費税額合計 額が含まれている場合のこれらの改修工事(特定改修)以外のバリアフリー改修工事又は省エネ改修工事 をいいます。したがって、これらの改修工事に係る消費税額等合計額の全額が新消費税率以外の消費税率 により課されたものである場合の改修工事が該当します。「消費税額等合計額」及び「新消費税率」は、上 記⑴①(表 1 )(注 2 )をご参照ください。 ④ ①及び②の特例の適用を受けるための手続  この特例は、原則として、確定申告書に控 除を受ける金額についてのその控除に関する 記載があり、かつ、その金額の計算に関する 明細書、増改築等工事証明書、住民票の写し その他の書類の添付がある場合に適用を受け ることができます(措法41の19の 3 ⑨⑩、旧 措規19の11の 3 ⑥~⑧)。 ⑸ 認定住宅の新築等をした場合の所得税額の特 別控除 ① 制度の概要  居住者が、認定住宅の新築等をして、その 認定住宅を平成21年 6 月 4 日から平成29年12 月31日までの間にその者の居住の用に供した 場合(認定住宅の新築等の日から 6 月以内に その者の居住の用に供した場合に限ります。) には、その者のその居住の用に供した日の属 する年分の所得税の額から、これらの認定住 宅について講じられた構造及び設備に係る標 準的費用額(その金額が認定住宅限度額を超 える場合には、認定住宅限度額)の10%に相 当する金額を控除することとされています (平成26年以降の居住年については、(表 9 )

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をご参照ください。)(旧措法41の19の 4 ①②)。  また、居住年において、上記の税額控除を してもなお控除しきれない金額については、 その翌年分の所得税額から控除することがで きることとされています(措法41の19の 4 ③)。 (注 1 ) 上記の「認定住宅」は上記⑴②の認定 住宅と同じですので、上記⑴②(注)を ご参照ください。 (注 2 ) 上記の「標準的費用額」の基礎となる 標準額については、告示により定められ ています(措令26の28の 6 ①③、平成21 年国土交通省告示385号)。 (表 9 )認定住宅の場合 居住年 認定住宅の範囲 認定住宅限度額 控除率 最大控除限度額 平成26年 1 月~平成26年 3 月 認定長期優良住宅 500万円 10% 50万円 平成26年 4 月~平成29年12月 (特定新築の場合) 認定長期優良住宅 認定低炭素住宅 650万円 10% 65万円 特定新築以外の場合 500万円 10% 50万円 (注) 上記の「特定新築以外の場合」とは、認定住宅の新築等に係る対価の額に含まれる消費税額等合計額の うちに新消費税率により課されるべき消費税額等合計額が含まれている場合の認定住宅の新築等以外の認 定住宅の新築等をいいます。したがって、認定住宅の新築等に係る消費税額等合計額の全額が新消費税率 以外の消費税率により課されたものである場合の認定住宅の新築等が該当します。「消費税額等合計額」及 び「新消費税率」は、上記⑴①(表 1 )(注 2 )をご参照ください。 ② 適用を受けるための手続  この特例は、原則として、確定申告書に控 除を受ける金額についてのその控除に関する 記載があり、かつ、その金額の計算に関する 明細書、認定住宅に該当する旨を証する書類、 住民票の写しその他の書類の添付がある場合 に適用を受けることができます(措法41の19 の 4 ⑥~⑧、旧措規19の11の 4 ①~④)。 ⑹ 東日本大震災の被災者等に係る住宅借入金等 を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に 係る特例  東日本大震災によって自己の所有する家屋 (従前住宅)が被害を受けたことにより自己の 居住の用に供することができなくなった居住者 が、一定の要件を満たす住宅の新築取得等(住 宅の取得等又は認定住宅の新築等をいいます。 以下同じです。)をし、かつ、その住宅の新築 取得等をした居住用家屋若しくは既存住宅若し くは増改築等をした家屋又は認定住宅を、従前 住宅を自己の居住の用に供することができなく なった日から平成29年12月31日までの間に、自 己の居住の用に供し(住宅の新築取得等の日か ら 6 月以内に自己の居住の用に供した場合に限 ります。)、引き続き居住の用に供している場合 において、その者が再建住宅借入金等を有する ときは、その居住年以後10年間の各年(以下 「再建特例適用年」といいます。)において、そ の年の12月31日における再建住宅借入金等の金 額の合計額(その合計額が借入限度額を超える 場合には、借入限度額)の1.2%に相当する金 額を、住宅借入金等特別税額控除額としてその 者の再建特例適用年の所得税の額から控除する ことができることとされています(平成26年以 降の居住年については、(表10)をご参照くださ い。)(旧震災税特法13の 2 ①②)。 (表10)被災者のローン控除の特例の場合 居住年 控除期間 借入限度額 控除率 各年の控除限度額 最大控除可能額 平成26年 1 月~平成26年 3 月 10年間 3,000万円 1.2% 36万円 360万円 平成26年 4 月~平成29年12月 5,000万円 60万円 600万円

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2  改正の内容等

⑴ 改正の趣旨等  上記 1 ⑴から⑹までの住宅の取得等に係る所 得税の特例措置については、平成25年度税制改 正において、大幅な拡充及び適用期限の延長が 行われたところです。  これは、住宅の取得等については平成26年 4 月 1 日からの消費税率の引上げ前の駆け込み需 要の発生や、引上げ後の反動による影響が大き いと考えられたことから、一時の税負担の増加 による影響を平準化及び緩和するとともに、良 質な住宅ストックの形成を促し国民の豊かな住 生活を確保するという住宅政策の方向性が損な われないようにするために行われたものです。 その際には、平成26年 4 月 1 日からの消費税率 8 %への引上げ及び平成27年10月 1 日からの消 費税率10%への引上げの双方に対する引上げ前 の駆け込みによる住宅需要の発生及び引上げ後 の反動による住宅需要の減少を平準化及び緩和 するために、上記 1 ⑴から⑹までの措置は平成 29年末までの間の措置として大幅に拡充された ところです。  平成27年度税制改正においては、平成27年10 月 1 日から予定されていた消費税率10%への引 上げ時期が 1 年 6 月後の平成29年 4 月 1 日から に変更されたことを踏まえ、上記 1 ⑴から⑹ま での措置の適用期限も現行制度のまま平成31年 6 月30日まで 1 年 6 月延長することとされまし た。 ⑵ 改正の内容  上記 1 ⑴から⑹までの措置について、現行制 度のまま適用期限を 1 年 6 月延長し、平成31年 6 月30日までとすることとされました(措法41 ①⑩、41の 3 の 2 ①⑤、41の19の 2 ①、41の19 の 3 ①③、41の19の 4 ①、震災税特法13の 2 ①)。

二 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の

長期譲渡所得の課税の特例の改正

1  改正前の制度の概要

⑴ 個人が、昭和62年10月 1 日から平成28年12月 31日までの間に、その年の 1 月 1 日において所 有期間が 5 年を超える土地等の譲渡をした場合 において、その譲渡が「優良住宅地等のための 譲渡」に該当するときは、その譲渡所得に対し ては、一般の土地等の長期譲渡所得に対する課 税(課税長期譲渡所得金額に対し一律15%(住 民税を含めて20%))に代えて、課税長期譲渡 所得金額2,000万円以下の部分は10%、課税長 期譲渡所得金額2,000万円超の部分は15%の 2 段階の税率(軽減税率の特例)の適用により所 得税が課されています(措法31の 2 ①)。 ⑵ この具体的な所得税額の計算方法は、次の算 式のとおりです。 ① 課税長期譲渡所得金額が2,000万円以下の 場合  《算式》  課税長期譲渡所得金額×10% ② 課税長期譲渡所得金額が2,000万円を超え る場合  《算式》  200万円+(課税長期譲渡所得金額-2,000万円) ×15% (注) 住民税を含めた税率は、課税長期譲渡所 得金額が2,000万円以下の部分は14%(うち 住民税 4 %)、2,000万円超の部分は20%(う ち住民税 5 %)となります。 ⑶ この軽減税率の特例の適用対象となる「優良 住宅地等のための譲渡」とは、次に掲げる土地 等の譲渡で一定の証明がされたものです(旧措 法31の 2 ②)。 ① 国又は地方公共団体に対する土地等の譲渡

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② 国・地方公共団体に準ずる法人(地方道路 公社等)が行う土地収用法等に基づく収用の 対償に充てられる土地等の譲渡 ③ 独立行政法人都市再生機構、土地開発公社 その他これらに準ずる法人で宅地若しくは住 宅の供給又は土地の先行取得の業務を行うこ とを目的とするものに対する土地等の譲渡で、 その譲渡に係る土地等がその業務を行うため に直接必要であると認められるもの ④ 収用交換等(土地収用法、都市計画法、都 市再開発法その他の法律の規定による収用、 買取り、換地処分、権利変換、買収、消滅、 使用又は交換をいいます。)による土地等の 譲渡 ⑤ 第一種市街地再開発事業の施行者に対する 土地等の譲渡 ⑥ 防災街区整備事業の施行者に対する土地等 の譲渡 ⑦ 防災再開発促進地区の区域内における認定 建替計画に従って建築物の建替えの事業を行 う認定事業者に対する土地等の譲渡 ⑧ 都市再生特別措置法による民間都市再生事 業計画の認定を受けた一定の要件を満たす都 市再生事業の認定事業者に対する土地等の譲 渡 ⑨ 都市再生特別措置法による民間都市再生整 備事業計画の認定を受けた一定の要件を満た す都市再生整備事業の認定整備事業者に対す る土地等の譲渡 ⑩ マンションの建替え等の円滑化に関する法 律のマンション建替事業に係る売渡し請求、 買取請求若しくは権利変換を希望しない旨の 申出に基づくそのマンション建替事業の施行 者に対する土地等の譲渡又は一定の要件を満 たすマンション建替事業の施行者に対する隣 接施行敷地に係る土地等の譲渡 ⑪ マンションの建替え等の円滑化に関する法 律のマンション敷地売却事業に係る売渡し請 求に基づく一定のマンション敷地売却事業を 実施する者に対する土地等の譲渡又はそのマ ンション敷地売却事業に係る認可を受けた分 配金取得計画に基づくそのマンション敷地売 却事業を実施する者に対する土地等の譲渡 ⑫ 優良な建築物の建築をする事業を行う者に 対する土地等の譲渡 ⑬ 特定の民間再開発事業の施行者に対する土 地等の譲渡 ⑭ 一団の宅地の造成を行う者に対する土地等 の譲渡 ⑮ 開発許可を受けて行う一団の住宅地造成の 用に供するための土地等の譲渡 ⑯ 都市計画区域内の宅地の造成で開発許可を 要しない場合において、面積1,000㎡以上の 一団の住宅地造成の用に供するための土地等 の譲渡 ⑰ 都市計画区域内において一定の25戸以上の 一団の住宅又は15戸以上若しくは床面積 1,000㎡以上の中高層耐火共同住宅の建設の 用に供するための土地等の譲渡 ⑱ 土地区画整理事業の施行地区内の土地等の 譲渡で仮換地指定日から 3 年を経過する日の 属する年中までに一定の住宅又は中高層耐火 共同住宅の建設の用に供するための土地等の 譲渡

2  改正の内容

⑴ 国家戦略特別区域制度における再開発事業の 概要等  国家戦略特別区域法の国家戦略特別区域制度 は、大胆な規制・制度改革を通して経済社会の 構造改革を重点的に推進することにより、産業 の国際競争力の強化とともに、国際的な経済活 動の拠点の形成を図り、もって国民経済の発展 及び国民生活の向上に寄与することを目的とさ れています。その中で居住環境を含め、世界と 戦える国際都市の形成を図るために必要な施設 (都心居住のための住宅、オフィスビル、コン ベンション施設等)の立地を促進するためには、 国の成長戦略に基づき、内閣総理大臣主導で、 民間の力を活用しながら、集中的な取組を行う

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ことが必要とされています。そのため、国家戦 略特別区域法において、国家戦略特別区域計画 に一定の事項を記載して内閣総理大臣の認定を 受けた場合には、都市計画の決定等や事業に係 る許認可等がなされたものとみなすこととする などの都市計画法、土地区画整理法、都市再開 発法及び都市再生特別措置法の特例が設けられ、 民間事業者による国際的ビジネス拠点の形成に 資する施設を整備する事業(再開発事業)を推 進することとされています。 ⑵ 改正の内容  平成27年度税制改正においては、上記⑴のよ うな国家戦略特別区域制度における居住環境を 含めた国際都市の形成を図るために必要な施設 の整備を行うための再開発事業を推進する必要 性も踏まえ、国家戦略特別区域法の特定事業に 係る再開発事業のうち、産業の国際競争力の強 化及び国際的な経済活動の拠点の形成に特に資 する事業である公益的な施設の整備を行う一定 規模以上の事業のための土地等の譲渡は、優良 な住宅地等の供給や職住近接等の良好な居住生 活環境の整備に資するものであることから、そ の土地等の譲渡を本特例の対象に追加すること とされました。  具体的には、国家戦略特別区域法第11条第 1 項に規定する認定区域計画に定められている同 法第 2 条第 2 項に規定する特定事業又はその特 定事業の実施に伴い必要となる施設を整備する 事業で、施行区域の面積が500㎡以上であるこ となどの産業の国際競争力の強化及び国際的な 経済活動の拠点の形成に特に資するものとして 一定の要件を満たす事業を行う者に対する土地 等の譲渡で、その譲渡に係る土地等が当該事業 の用に供されるものが本特例の適用対象に追加 されました(措法31の 2 ②八の二)。 (注) 本特例の対象となる上記の「国家戦略特別 区域法第 2 条第 2 項に規定する特定事業」及 び「その特定事業の実施に伴い必要となる施 設を整備する事業」は、産業の国際競争力の 強化又は国際的な経済活動の拠点の形成に特 に資するものとして一定の要件を満たす事業 に限られていますが、その一定の要件は国家 戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一 部を改正する法律の施行に合わせて、財務省 令で定められる予定です。なお、国家戦略特 別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改 正する法律案については、平成27年 6 月26日 現在、国会において審議中です。 (参考) 国家戦略特別区域法(平成25年法律第107 号) (定義等) 第 2 条 この法律において「国家戦略特別区 域」とは、当該区域において、高度な技術 に関する研究開発若しくはその成果を活用 した製品の開発若しくは生産若しくは役務 の開発若しくは提供に関する事業その他の 産業の国際競争力の強化に資する事業又は 国際的な経済活動に関連する居住者、来訪 者若しくは滞在者を増加させるための市街 地の整備に関する事業その他の国際的な経 済活動の拠点の形成に資する事業を実施す ることにより、我が国の経済社会の活力の 向上及び持続的発展に相当程度寄与するこ とが見込まれる区域として政令で定める区 域をいう。 2  この法律において「特定事業」とは、第 10条を除き、次に掲げる事業をいう。 一 別表に掲げる事業で、第12条の 2 から 第27条までの規定による規制の特例措置 の適用を受けるもの 二 産業の国際競争力の強化又は国際的な 経済活動の拠点の形成に資するものとし て我が国の経済社会の活力の向上及び持 続的発展に寄与することが見込まれる内 閣府令で定める事業であって第28条第 1 項に規定する指定金融機関から当該事業 を行うのに必要な資金の貸付けを受けて 行われるもの 3 ~ 5  省 略

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3  適用関係

 上記 2 の改正は、個人が国家戦略特別区域法及 び構造改革特別区域法の一部を改正する法律附則 第 1 条第 1 号に掲げる規定の施行の日以後に行う 優良住宅地等のための譲渡に該当する譲渡につい て適用されます(改正法附則67①)。

三 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例等の改正

1  改正前の制度の概要

⑴ 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税 の特例  個人の有する資産(棚卸資産を除きます。以 下同じです。)が、土地収用法その他の法律の 規定によって収用権が認められている事業等の ために収用等をされ、その補償金、対価又は清 算金(以下「補償金等」といいます。)の額の 全部又は一部に相当する金額をもって、その収 用等により譲渡した資産と同種の資産その他こ れに代わるべき資産(以下「代替資産」といい ます。)の取得(製作及び建設を含みます。)を したときは、一定の要件の下で、下記⑷の収用 交換等の場合の5,000万円特別控除(措法33の 4 )との選択により、 ① その収用等により取得した補償金等の額が その代替資産の取得価額以下であるときは、 その譲渡した資産の譲渡がなかったものとし、 ② その補償金等の額がその代替資産の取得価 額を超えるときは、その譲渡した資産のうち その超える金額に相当する部分についてのみ 譲渡があったものとして、 それぞれ譲渡所得の金額を計算することができ ることとされています(措法33①)。  なお、個人が補償金等の全部又は一部に相当 する金額をもって、原則として収用等のあった 年の翌年 1 月 1 日から収用等のあった日以後 2 年以内に代替資産を取得する見込みであるとき にも、一定の要件の下で、この特例の適用を受 けることができることとされています(措法33 ②)。 ⑵ 上記⑴の特例が適用される場合  上記⑴の特例が適用される場合は、個人の有 する資産が、次に掲げる場合に該当し、それぞ れの場合について定められた補償金等を取得し たときとされています(措法33①③)。 ① 資産が土地収用法、都市計画法、都市再開 発法その他の法律(以下「土地収用法等」と いいます。)の規定に基づいて収用され補償 金を取得する場合 ② 資産について買取りの申出を拒むときは土 地収用法等の規定に基づいて収用されること となる場合に、その資産が買取りの申出に応 じて買い取られ、対価を取得するとき ③ 土地等について土地区画整理法による土地 区画整理事業その他一定の事業が施行され、 その土地等に係る換地処分によって一定の清 算金を取得する場合 ④ 資産につき都市再開発法による第一種市街 地再開発事業が施行された場合において、そ の資産に係る権利変換により補償金(過小床 のため施設建築物の一部等が与えられないよ うに定められたことにより支払われるもの及 びやむを得ない事情により権利変換を希望し ない旨の申出をしたと認められる一定の場合 に支払われるものに限ります。)を取得する とき ⑤ 資産につき密集市街地における防災街区の 整備の促進に関する法律による防災街区整備 事業が施行された場合において、その資産に 係る権利変換により補償金(過小床のため防 災施設建築物の一部等が与えられないように 定められたこと又は過小床のため防災建築施 設の部分が与えられないように定められたこ

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とにより支払われるもの及びやむを得ない事 情により権利変換を希望しない旨の申出をし たと認められる一定の場合等に支払われるも のに限ります。)を取得するとき ⑥ 土地等が都市計画法第52条の 4 第 1 項(同 法第57条の 5 等において準用する場合を含み ます。)又は同法第56条第 1 項の規定に基づ いて買い取られ、対価を取得する場合 ⑦ 土地区画整理法による土地区画整理事業で 減価補償金を交付すべきこととなるものが施 行される場合において、公共施設用地に充て るべきものとしてその事業の施行区域内の土 地等が買い取られ、対価を取得するとき ⑧ 国、地方公共団体等が、自ら居住するため の住宅を必要とする者に対し賃貸し、又は譲 渡する目的で行う50戸以上の一団地の住宅経 営に係る事業の用に供するため土地等が買い 取られ、対価を取得する場合 ⑨ 資産が土地収用法等の規定により収用され た場合(上記②の買取りがあった場合を含み ます。)において、その資産に関して有する 所有権以外の権利(借地権等)が消滅し、補 償金又は対価を取得するとき ⑩ 資産に関して有する権利で都市再開発法に 規定する権利変換により新たな権利に変換を することのないもの(地役権、工作物所有の ための地上権等)が消滅したことにより補償 金を取得する場合 ⑪ 資産に関して有する権利で密集市街地にお ける防災街区の整備の促進に関する法律に規 定する権利変換により新たな権利に変換する ことのないものが消滅したことにより補償金 を取得する場合 ⑫ 国又は地方公共団体が行う公有水面の埋立 て等に伴い、漁業権や入漁権等の権利の消滅 又は価値の減少により、補償金又は対価を取 得する場合 ⑬ 国又は地方公共団体が、建築基準法、漁業 法等の規定に基づき行う処分に伴う資産の買 取りや消滅等によって、補償金又は対価を取 得する場合 ⑭ 土地等が土地収用法等の規定に基づき使用 され補償金を取得する場合、又は土地等につ いて使用の申出を拒むときは土地収用法等の 規定に基づいて使用されることが確実である と認められる場合に契約によって土地等を使 用させ対価を取得するとき(いずれもその土 地等を使用させることが譲渡所得の基因とな る不動産等の貸付けに該当する場合に限りま す。) ⑮ 土地等が上記①から⑤まで又は⑭に該当す ることとなったため、その土地の上にある資 産(建物等)が収用された場合や、取壊しや 除去をしなければならなくなった場合等に、 その資産の対価又はその資産の損失に対する 補償金を取得するとき(一定の場合を除きま す。) ⑶ 交換処分等に伴い資産を取得した場合の課税 の特例  個人の有する資産が次の①又は②に掲げる場 合に該当することとなった場合には、次の①又 は②の取得する資産(以下「交換取得資産」と いいます。)のみを取得したとき又は交換取得 資産とともに補償金等を取得したときには、一 定の要件の下で、下記⑷の収用交換等の場合の 5,000万円特別控除(措法33の 4 )との選択に より、収用、買取り又は交換により譲渡した資 産の譲渡がなかったもの又は譲渡をした資産の うちその補償金等の額に対応する部分の資産に ついてのみ譲渡があったものとして、譲渡所得 の金額を計算することができることとされてい ます(措法33の 2 )。 ① 資産につき、土地収用法等の規定による収 用があった場合(買取りの申出を拒むときは、 土地収用法等の規定に基づいて収用されるこ ととなるため買取りの申出に応じて買い取ら れる場合又は独立行政法人都市再生機構等が 行う50戸以上の一団地の住宅経営のために買 い取られる場合を含みます。)において、そ

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の資産と同種の資産を取得するとき ② 土地等につき、土地改良法による土地改良 事業又は農業振興地域の整備に関する法律第 13条の 2 第 1 項の事業が施行された場合にお いて、その土地等に係る交換により土地等を 取得するとき ⑷ 収用交換等の場合の5,000万円特別控除  個人が、上記⑵①から⑮までに掲げる場合又 は上記⑶①若しくは②に掲げる場合(以下これ らの場合を「収用交換等に該当する場合」とい います。)において譲渡した資産の全部につい て、上記⑴の収用等に伴い代替資産を取得した 場合の課税の特例(措法33)又は上記⑶の交換 処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例 (措法33の 2 )の適用を受けないときは、一定 の要件の下で、譲渡所得又は山林所得の金額の 計算上5,000万円の特別控除の適用が認められ ています(措法33の 4 ①)。 ⑸ 収用等証明書  収用交換等に該当する場合において土地等が 譲渡されたときは、上記のとおり、上記⑴又は ⑶の代替資産又は交換取得資産を取得して取得 価額の引継ぎによる課税の繰延べの適用を受け るか、又は上記⑷の5,000万円の特別控除の適 用を受けるか、いずれかの選択適用とされてい ますが、上記⑴、⑶又は⑷の特例制度(以下こ れらを「本特例」といいます。)の適用を受け るためには、確定申告書に収用等の事由に該当 して資産を譲渡したことを証する書類(以下 「収用等証明書」といいます。)を添付しなけれ ばならないこととされています(措法33⑤、33 の 2 ③、33の 4 ④、旧措規14⑤、15②三)。  この収用等証明書は、原則として、土地収用 法等の規定に基づく収用事業としての認定(以 下「事業認定」といいます。)を受けているこ とを証する書類とされていますが、道路法によ る道路や地方公共団体の設置する小学校等の施 設に関する事業などの一定の事業については、 事業認定の確実性、地域の特定性あるいは事業 の緊急性といった観点から、事業認定がなくて も、その用地の買取り(使用を含みます。)を する施行者の証明書があれば足りることとされ ています。これを一般に簡易証明制度と呼んで います(旧措規14⑤)。

2  改正の内容

⑴ 福島復興再生特別措置法の改正  東日本大震災に伴う福島第一原発の事故発生 後、平成25年 8 月には避難指示区域の見直しが 完了し、緊急時避難準備区域の避難指示が解除 され、平成26年 4 月には田村市、同年10月には 川内村の避難指示が相次いで解除されたところ であり、その後も避難指示の解除に向けた調整 が進められています。  また、住宅や公益的な施設を整備するととも に、廃炉や除染のための研究施設やその研究 員・作業員の住宅等を一体的な拠点として整備 する復興計画を策定する動きも見られました。  このような状況を受け、住民の帰還を促進し、 福島の復興再生を加速化させるため、帰還後の 住民の生活再開等の場として復興拠点となる市 街地を円滑・迅速に整備するための全面買収型 の事業手法を創設する(「一団地の復興再生拠 点市街地形成施設」を都市計画法の都市施設の 一つとして位置付ける)こと等を内容とする 「福島復興再生特別措置法の一部を改正する法 律案」が第189回国会に提出され、平成27年 4 月24日に可決・成立し、同年 5 月 7 日に公布さ れ、同日から施行されています。 ⑵ 本特例の改正の内容  福島復興再生特別措置法第32条第 1 項に規定 する一団地の復興再生拠点市街地形成施設(以 下「一団地の復興再生拠点市街地形成施設」と いいます。)は、都市計画法上の都市施設とし て位置付けられていることから(都市計画法11 ①十二)、この一団地の復興再生拠点市街地形 成施設の整備に関する事業に対しては同法に基

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づく収用権が付されており、都市計画事業の認 可後において同法の規定に基づき収用され補償 金を取得する場合(上記 1 ⑵①)又はその資産 について買取りの申出を拒むときは同法の規定 に基づき収用されることとなる場合においてそ の資産が買い取られ、対価を取得するとき(上 記 1 ⑵②)などの場合には本特例の対象となり ます(措法33①一)。 (注 1 ) 上記の「福島復興再生特別措置法第32条 第 1 項に規定する一団地の復興再生拠点市 街地形成施設」とは、復興再生拠点市街地 (避難解除区域等内の帰還する住民の生活及 び地域経済の再建のための拠点となる市街 地をいいます。)を形成する一団地の住宅施 設、特定業務施設(事務所、事業所その他 の業務施設で、避難解除区域等の基幹的な 産業の復興及び再生、その避難解除区域等 内の地域における雇用機会の創出並びに良 好な市街地の形成に寄与するもののうち、 特定公益的施設以外のものをいいます。以 下同じです。)又は特定公益的施設(教育施 設、医療施設、官公庁施設、購買施設その 他の施設で地域住民の共同の福祉又は利便 のために必要なものをいいます。以下同じ です。)及び特定公共施設(道路、公園、下 水道その他一定の公共の用に供する施設を いいます。以下同じです。)をいいます(福 島復興再生特別措置法32①)。以下同じです。 (注 2 ) 上記の「避難解除区域等」とは、避難解 除区域及び現に避難指示であって福島復興 再生特別措置法第 4 条第 4 号ハに掲げる指 示であるものの対象となっている区域をい います(福島復興再生特別措置法18②二)。 具体的には、避難解除区域、避難指示解除 準備区域及び居住制限区域とされています。 以下同じです。  また、この一団地の復興再生拠点市街地形成 施設の整備に関する事業は、次のとおりである ことを踏まえ、その事業の用に供する土地等が 簡易証明制度の対象に追加されました。 ① 避難解除区域等に帰還する住民等の生活及 び地域経済の再建のための拠点となる市街地 を形成する一団地の住宅施設、特定業務施設 又は特定公益的施設及び特定公共施設を一団 の施設としてとらえて一体として整備するこ とを目的としており一般的にその事業規模は 大きくなること ② 一団地の復興再生拠点市街地形成施設を都 市計画決定できる区域は、避難解除区域等内 の区域のうち、次の要件を充足する必要があ り、その事業を実施する場所も相当限定され ていること イ 円滑かつ迅速な復興及び再生を図るため にその避難解除区域等内に帰還する住民の 生活及び地域経済の再建のための拠点とし て一体的に整備される自然的経済的社会的 条件を備えていること ロ その区域内の土地の大部分が建築物(東 日本大震災により損傷した建築物及び長期 にわたる住民の避難に伴い利用が困難とな った建築物を除きます。)の敷地として利 用されていないこと ③ 避難指示の対象となった区域への住民の帰 還促進など福島の復興及び再生に資する事業 であり緊急性があること  具体的には、一団地の復興再生拠点市街地形 成施設の整備に関する事業に必要な土地でその 事業の用に供されるもの及びその土地の上に存 する資産に係る収用等証明書として、国土交通 大臣(その事業を施行する者が市町村である場 合には、福島県知事)のその土地及び資産がそ の事業の用に供される土地及びその土地の上に 存する資産である旨並びにその土地及び資産が その事業に係る一団地の復興再生拠点市街地形 成施設について都市計画法第11条第 2 項の規定 により都市計画に定められた区域内にある土地 及びその土地の上に存する資産である旨を証す る書類(その事業の施行者に代わり、地方公共 団体又は地方公共団体が財産を提供して設立し た団体がその資産の買取りをする場合には、そ

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の証する書類でその買取りをする者の名称及び 所在地の記載があるものとされています。)が 定められました(措規14⑤四の九)。

3  適用関係

 上記 2 ⑵の改正は、個人が福島復興再生特別措 置法の一部を改正する法律(平成27年法律第20 号)の施行の日(平成27年 5 月 7 日)以後に行う 資産の譲渡について適用されます(改正措規附則 9 ①)。

四 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の

譲渡所得の特別控除の改正

1  改正前の制度の概要

⑴ 個人の有する土地又は土地の上に存する権利 (以下「土地等」といいます。)が「特定住宅地 造成事業等のために買い取られる場合」に該当 することとなった場合には、一定の要件の下で、 譲渡所得の金額の計算上1,500万円の特別控除 の適用が認められています(旧措法34の 2 ①)。 ⑵ この特別控除の適用対象となる「特定住宅地 造成事業等のために買い取られる場合」とは、 次の場合をいいます(旧措法34の 2 ②)。 ① 地方公共団体等が行う住宅建設又は宅地造 成事業のために土地等が買い取られる場合 ② 収用の対償地に充てるために土地等が買い 取られる場合 ③ 住宅地区改良法の改良住宅建設のため改良 地区外の土地等が買い取られる場合 ④ 公営住宅法の公営住宅の買取りにより土地 等が地方公共団体に買い取られる場合 ⑤ 平成 6 年 1 月 1 日から平成26年12月31日ま での間に、特定の民間住宅地造成事業のため に土地等が買い取られる場合 ⑥ 公有地の拡大の推進に関する法律の買取り 協議に基づき地方公共団体等に土地等が買い 取られる場合 ⑦ 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法に 規定する航空機騒音障害防止特別地区内にあ る土地が特定空港の設置者に買い取られる場 合 ⑧ 地方公共団体又は沿道整備推進機構が沿道 整備道路の沿道の整備のために行う一定の事 業の用に供するために沿道地区計画の区域内 にある土地等がこれらの者に買い取られる場 合 ⑨ 地方公共団体又は防災街区整備推進機構が 防災街区としての整備のために行う一定の事 業の用に供するために特定防災街区整備地区 又は防災街区整備地区計画の区域内にある土 地等がこれらの者に買い取られる場合 ⑩ 地方公共団体又は中心市街地整備推進機構 が認定中心市街地の整備のために行う一定の 事業の用に供するために認定中心市街地の区 域内にある土地等がこれらの者に買い取られ る場合 ⑪ 地方公共団体又は景観整備機構が景観重要 公共施設の整備に関する事業の用に供するた めに景観計画の区域内にある土地等がこれら の者に買い取られる場合 ⑫ 地方公共団体又は都市再生推進法人が行う 都市再生整備計画又は立地適正化計画に記載 された公共施設の整備に関する事業の用に供 するために都市再生整備計画又は立地適正化 計画の区域内にある土地等がこれらの者に買 い取られる場合 ⑬ 地方公共団体又は歴史的風致維持向上支援 法人が行う認定重点区域における認定歴史的 風致維持向上計画に記載された公共施設又は 公用施設の整備に関する事業の用に供するた めに当該認定重点区域内にある土地等がこれ らの者に買い取られる場合

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⑭ 地方公共団体又は国若しくは地方公共団体 の出資に係る一定の法人が国又は都道府県が 作成した総合的な地域開発に関する計画に基 づいて行う工業用地等の造成事業のために土 地等が買い取られる場合 ⑮ 商店街の活性化のための地域住民の需要に 応じた事業活動の促進に関する法律の認定商 店街活性化事業計画に基づく商店街活性化事 業又は認定商店街活性化支援事業計画に基づ く商店街活性化支援事業の用に供するために 地方公共団体の出資に係る法人等に土地等が 買い取られる場合 ⑯ 中心市街地の活性化に関する法律の認定特 定民間中心市街地活性化事業計画に基づく一 定の中小小売商業高度化事業の用に供するた めに地方公共団体の出資に係る法人等に土地 等が買い取られる場合 ⑰ 食品流通構造改善促進法による認定を受け た計画に基づく食品商業集積施設整備事業の 用に供するために地方公共団体の出資に係る 法人等に土地等が買い取られる場合 ⑱ 農業協同組合が行う宅地等供給事業で一定 の要件を満たすもののために農地等が買い取 られる場合 ⑲ 独立行政法人中小企業基盤整備機構の中小 企業活性化資金の融資を受けて造成する商業 団地で一定の要件を満たすもののために土地 等が買い取られる場合 ⑳ 総合特別区域法に規定する共同して又は一 の団地若しくは主として一の建物に集合して 行う事業の用に供する土地の造成に関する事 業で一定の要件を満たすもののために土地等 が買い取られる場合  産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の 促進に関する法律による整備計画の認定を受 けて行われる特定施設の整備事業のために地 方公共団体の出資に係る法人等に土地等が買 い取られる場合  広域臨海環境整備センター法による基本計 画の認可を受けて行う廃棄物の搬入施設の整 備事業の用に供するために広域臨海環境整備 センターに土地等が買い取られる場合  生産緑地地区内の土地が買取申出等に基づ き地方公共団体等に買い取られる場合  国土利用計画法による規制区域内の土地等 が地方公共団体等に買い取られる場合  国土利用計画法の土地利用基本計画に定め られた学園都市計画等の地域の開発保全整備 計画に係る事業のために地方公共団体等に土 地等が買い取られる場合  土地区画整理促進区域等内の土地等が買取 申出に基づき地方公共団体等に買い取られる 場合  土地区画整理事業の施行に伴い、一定の既 存不適格建築物の敷地について換地を定める ことが困難なため清算金を取得する場合  マンション建替事業が施行された場合にお いて、やむを得ない事情により、その土地等 に係る権利変換により補償金を取得する場合 又は売渡し請求等により買い取られた場合  通行障害既存耐震不適格建築物に該当する 決議要除却認定マンションの敷地の用に供さ れている土地等につきマンション敷地売却事 業が実施された場合において、その土地等に 係る分配金取得計画に基づき分配金を取得す る場合又は売渡し請求により買い取られた場 合  絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存 に関する法律による管理地区内の土地が国若 しくは地方公共団体に買い取られる場合又は 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関 する法律による特別保護地区内の土地のうち 天然記念物である鳥獣の生息地等が国若しく は地方公共団体に買い取られる場合  自然公園法の都道府県立自然公園の区域内 のうち条例により特別地域として指定された 地域で、その地域内における行為が同法の行 為規制と同等の規制が行われている地域とし て環境大臣が認定した地域内の土地又は自然 環境保全法の都道府県立自然環境保全地域の

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うち条例により特別地区として指定された地 区で、その地区内における行為が同法の行為 規制と同等の規制が行われている地区として 環境大臣が認定した地区内の土地が地方公共 団体に買い取られる場合  農業経営基盤強化促進法の買取り協議に基 づき農用地区域内にある農用地が同法の農地 利用集積円滑化団体等に買い取られる場合 ⑶ 本特例の適用を受ける場合には、確定申告書 に本特例の適用を受けようとする旨の記載をし、 上記⑵の買取りをする者から交付を受けた上記 ⑵の土地等の買取りがあったことを証する書類 等を添付しなければならないこととされていま す(措法34の 2 ④、旧措規17の 2 ①)。

2  改正の内容

⑴ 適用期限の延長  本特例の適用対象となる上記 1 ⑵⑤の特定の 民間住宅地造成事業等のための土地等の譲渡に ついて、その適用期限が平成29年12月31日まで 3 年延長されました(措法34の 2 ②三)。 ⑵ 確定申告書の添付書類の見直し  地域の自主性及び自立性を高めるための改革 の推進を図るための関係法律の整備に関する法 律(平成26年法律第51号)及び地域の自主性及 び自立性を高めるための改革の推進を図るため の関係法律の整備に関する法律の施行に伴う国 土交通省関係政令の整備等に関する政令(平成 26年政令第291号)による国土利用計画法及び 国土利用計画法施行令の改正により、平成27年 4 月 1 日からは国土利用計画法の規制区域に所 在する土地等の譲渡に係る許可及びその許可を しなかった場合の当該土地等の買取りについて、 政令指定都市においては当該政令指定都市の長 が行うこととされました(国土利用計画法44)。  この改正に伴い、上記 1 ⑵の場合における 確定申告書に添付すべき買取りに係る書類の発 行者として政令指定都市の長が追加されました (措規17の 2 ①二十二)。

3  適用関係

 上記 2 ⑵の改正は、個人が平成27年 4 月 1 日以 後に行う土地等の譲渡について適用されます(改 正措規附則 9 ②)。

五 特定駐留軍用地内の土地を譲渡した場合の譲渡所得の課

税の特例(改正後:特定駐留軍用地等を譲渡した場合の譲

渡所得の課税の特例)の改正

1  改正前の制度の概要

 沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切 な利用の推進に関する特別措置法(平成 7 年法律 第102号。以下「跡地利用推進法」といいます。) 第14条第 1 項に規定する特定駐留軍用地内の土地 を有する個人が、跡地利用推進法第16条第 1 項の 土地の買取りの協議に基づき、その土地の買取り の協議を行う同条第 2 項に規定する地方公共団体 等にその土地の譲渡をしたときは、その譲渡は、 租税特別措置法第33条の 4 第 1 項に規定する収用 交換等による譲渡に該当するものとみなして、収 用交換等の場合の5,000万円特別控除が適用され ます(沖特令34の 3 ①)。 (参考 1 ) 特定駐留軍用地内の土地の買取制度の 概要  平成24年に駐留軍用地及び駐留軍用地 跡地が広範かつ大規模に存在する沖縄県 の特殊事情に鑑み、駐留軍用地跡地の有 効かつ適切な利用の推進に関する特別の 措置を講じることにより、沖縄県の自立 的な発展及び潤いのある豊かな生活環境 の創設を図ることを目的として、駐留軍 用地の跡地利用に関する制度を一元化す

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るとともに、駐留軍用地内の土地の買取 制度(以下「旧買取制度」といいます。) が創設されました。その概要は以下のと おりです。 1  駐留軍用地  沖縄県の区域内において、駐留軍(日 米安保条約に基づき日本国にあるアメ リカ合衆国の軍隊をいいます。)が同条 約に基づき使用することを許されてい る施設及び区域に係る土地をいいます (跡地利用推進法 2 一)。 2  特定駐留軍用地の指定  内閣総理大臣は、返還が合意された 駐留軍用地であって、返還後の計画的 な開発整備を行うことが必要と認めら れ、かつ、その区域内における公有地 等の割合が著しく低いことからその跡 地の利用の推進に必要な公共用地を確 保するためその区域内における公有地 の計画的な拡大が必要と認められるも のを特定駐留軍用地として指定します (跡地利用推進法12①)。なお、内閣総 理大臣は、特定駐留軍用地の全部又は 一部の区域がアメリカ合衆国から返還 された場合には、直ちに、その指定を 解除し又はその区域を変更するものと されており(跡地利用推進法12⑥)、旧 買取制度は特定駐留軍用地の返還後は 適用しないこととされています。 3  特定事業の見通し  沖縄県知事又は関係市町村の長は、 特定駐留軍用地について、特定事業(都 市計画事業又は収用対象事業であって、 特定駐留軍用地の返還後の跡地におい てその実施を予定し、その実施に必要 な特定駐留軍用地内の土地の先行取得 を早期に行うことがその跡地の有効か つ適切な利用の推進に資するものをい います。)の見通しを定めることができ ます(跡地利用推進法13①)。 4  土地を譲渡しようとする場合の届出 義務  特定駐留軍用地内の土地を所有する 者は、その土地を有償で譲渡するときは、 土地の所在及び面積、譲渡予定価額等を、 関係市町村の長に届け出なければなり ません(跡地利用推進法14①)。 5  地方公共団体等に対する土地の買取 り希望の申出  特定駐留軍用地内の土地を所有する 者は、地方公共団体等による土地の買 取りを希望するときは、その土地の所 在する関係市町村の長にその旨を申し 出ることができます(跡地利用推進法 15①)。 6  土地の買取りの協議  関係市町村の長は、上記 4 の届出又 は上記 5 の申出(以下「届出等」とい います。)があった場合においては、沖 縄県知事に協議して、特定事業の見通 しに定められた特定事業の用に供する ため、届出等に係る土地を買い取るこ とを希望する地方公共団体等のうちか ら、その土地の買取りの協議を行う地 方公共団体等を定めます(跡地利用推 進法16①)。 7  土地の譲渡の制限  土地に係る届出等をした者は、その 日から起算して最大 3 週間、その地方 公共団体等以外の者に譲渡してはなら ないこととされます(跡地利用推進法 17①)。 8  土地の管理  土地の買取りの協議により買い取ら れた土地は、買取りの目的として示さ れた特定事業の用に供されなければな らないこととされています(跡地利用 推進法18①) (参考 2 ) 本特例が措置された理由  旧買取制度においては、特定駐留軍用

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地内の土地が現に米軍基地として供用さ れており、測量などの一連の手続ができ ないという特殊な制約があることから、 最終的には収用権を背景とした強制的に 土地を買い取る手法は設けられませんで した。しかし、次の事実等を考慮し、旧 買取制度に基づく土地の譲渡について平 成24年度税制改正により本特例が措置さ れたところです。 1  旧買取制度においては、国が地域及 び目的を限定し特定駐留軍用地を指定 するとともに、沖縄県等は特定駐留軍 用地について特定事業の見通しを策定 することとされており、買い取られた 土地は、都市計画事業や土地収用事業 などに供さなければならないことなど 厳格な手続きを特別に採用することに より、公益性が担保されていること 2  駐留軍用地は、沖縄の復帰後、土地 の位置境界の明確化を図るために、政 府により地図が作成され、これに基づ き位置境界不明地域の権利調整が行わ れた土地であるといった沖縄固有の事 情を有するものであること 3  沖縄の復帰後においても長期にわた って、駐留軍用地として提供されてき たという特殊性を有していること

2  改正の内容

⑴ 跡地利用推進法の改正 ① 今回の跡地利用推進法の改正の背景  平成25年 4 月に各返還予定地の具体的な返 還時期等を示す統合計画が公表され、西普天 間住宅地区では本年 3 月末の返還が予定され ていましたが、その返還までに土地の買取り を十分に進めることが時間的に厳しい状況と なっていました。旧買取制度では返還後の公 有地の先行取得についてはその適用がないた め、返還後は一般的な公有地の拡大の推進に 関する法律により土地を取得する必要があり ますが、同法による先行取得においては都市 計画案の縦覧等を経て、個別具体的な都市計 画施設の配置や規模を決めてはじめて土地の 取得が可能となるため、その実現までは長期 間にわたる時間的空白が生じてしまい、計画 的な土地利用の実現に大きな支障が生じてし まうおそれが生じていました。  また、旧買取制度に基づいて将来の土地利 用に関する合意が形成され土地の先行取得が 進んでいる過程にあり、跡地利用推進法に基 づき間断なく土地の先行取得を可能とするこ とが効果的かつ効率的な状況となっていまし た。  このような状況から、特定駐留軍用地の返 還後も、これまで進めてきた取組を活かして 間断なく土地の先行取得を推進できるように するための制度の創設が必要とされていまし た。 ② 今回の跡地利用推進法の改正の概要  上記①の状況を踏まえ、沖縄県における駐 留軍用地跡地の有効かつ適切な利用を推進す るため、内閣総理大臣による特定駐留軍用地 跡地の指定及び特定駐留軍用地跡地内の土地 の買取りの協議等に関する制度(以下「跡地 買取制度」といいます。)を創設することを 内容とする「沖縄県における駐留軍用地跡地 の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措 置法の一部を改正する法律案」が第189回国 会に提出され、平成27年 3 月30日に可決・成 立し、同月31日に公布され、同日から施行さ れています。 ③ 跡地買取制度の概要 イ 特定駐留軍用地跡地の指定  上記②の改正後の跡地利用推進法におい ては、内閣総理大臣は、沖縄県知事の申出 に基づき、アメリカ合衆国から返還される ことにより特定駐留軍用地でなくなると見 込まれる土地であって、その跡地の利用の 推進に必要な公共用地を確保するためその 区域内における公有地の計画的な拡大が引

参照

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