"てんかんの経過 と予後 〟
Cowe r s ,W.R∴
てんかん と他 の慢性痩撃性疾患 :
そ の原 因、症状 、治療 第 9 章 て んかんの経過 第 1 2 章 予後
Wi l l i am R .Co we r s :Chapt e rI X.Cour s eofe pi l e ps y.
Chapt e rXI I .Pr o gnos i s .
I n:Epi l e ps yandot he rc hr oni cc o nvul s i vedi s e a s e s:t he i rc aus e s ,s ympt oms & t r e at ‑ me n t .Wi l l i am Woo da ndCompa ny,1 8 8 5 .
訳 :山鼻 康 弘 ( 十和 田済成会病 院 副院長)
イギ リスの神経学者 Wi l l i am R. Cowe r s( 1 8 4 5‑1 91 5 ) の著書 い Epi l e ps ya ndot he rc hmoni c c onvul s i vedi s e as e s:t he i rc aus e s ,s ympt oms & t r e at me nt ′ ′( 1 8 8 5 ) の復刻版 に よって、て んかんの経過 ( 第 9 章) と予後 ( 第 1 2 章) の 2 章 を特 に選 んだ。
佐藤教授 と福 島は、現代精神 医学体系 ( 1 9 7 7 ) に 「てんかんの経過 と予後」 につ いて執筆 し てい るが、その執 筆 にあた って 目を通 しえた著書 、文献 の うら、この著書 が と くに 目を引 いた。
それ は、単 に 、1 00 年 も以前 の文献 で あ る ととい うことだ けで はな く、その内容 において、今 日 なお新 しい ものがあ る とい う点 であ る。実際 、上述 の 「てんかんの経過 と予後」 の執筆 にあた ってほ、その記述項 目の一部 は この著書 か ら ヒン トを得 て い る。 この よ うな訳で、佐藤教授退 官記念 として、誠 にふ さわ しい著述 であ る と考 え、 この 2 章の訳 出を山鼻博士 にお願 い した訳
であ る。 ( 福 島)
第 9 章 てんかんの経過
て んかんの始 り方 には、 3 通 りがあ るよ うであ る。第一 一の型 は小型発作 ( mi no rs e i z ur e ) に よるもので、大発作 が起 る前の数 カ月か数年 間、それだ けがみ られ る。 小発作 ( pe t i tma l )は、
しば しば始 め は軽 く殆 ど気付 かぬ うちに起 るが、突然激 しいけいれ ん発作 が 出現す るまで、 さ らに発作頻度 が増加す る。患者や知人達 は、この異 な った二つ の けいれんを関係づ けないので、
患者 が始 めてのて んかん発作 が起 きた と考 える もの以前 に、小型発作 が生 じていないか、必ず 充分 、注 意 して調べ る必要 が あ る。例 えば、 あ る患者 に小型発作 が何年 間 も生 じて いて も、数
ヵ月間発作 があ った な どと述べた りす る こ とも、 よ くあ る こ とであ る0
第二 の型 は、小発作 の先 行 が全 く認 め られず 、短 い間隔で大発作 が繰 り返 し生ず る ものであ
る。 二 回 目の発作は最初 の発作後、数 日あ るいは数週間以内に生 じ、 短 い間隔で発作 を繰 り返す。
第三 の発作起始の型 は、単発の大発作 によるもので、数 カ月あるいは数年問 も他の発作やて んかんの徴候がみ られず、一旦次の発作が起 きると、通常その後、発作頻度 を増す。第二 と第 三 の型 の間には、初 回 と二 回 目の発作 の問 に様 々な発作間隔の場合が認め られ るO
初 回 と二E E ) ]目との発作間隔 ‑ もし、初めて、突然に、てんかん性 けいれんが起 り、しか も 中枢神経や末梢神経 に何 も原田が見出せ なか った とした ら、恐 らくそれは、てんかんの始 ま り であ る。それがてんかんであ るか否かほ、二回 目の発作が起 って始めて最終的 に決定 され る。
患者 と医師の双方 に とって、気掛 りな問題 は次の ことであ る。「もし、これがてんかんであるな らば、次の発作は何時生ず るのであろ うか ?」 「 発作抑制期間が どれ程続 くと、も う発作は生 じ ない もの と期待 して よいか ?」 こ うした疑問に対 して、的確 な回答を与 え得 ない現状であ る。
とい うの も、初 回 と二 回 目との発作間隔には、あ ま りに も変動があ りす ぎるとい うこと、 また 二回 目の発作を先 に延 ば した り予防 した りす る治療効果 の違 い、 さらには後発発作をみない単 発 てんかんの頻度 について、は っき りした ところが確かめ られている訳ではないためである。
表 1. 大発作を も つ1 6 0 例のてんかんにおける初 回 と二回 目との発作間隔
1 週以下 1 8
1 週 乃至 1 ヵ月 ・ ‑・ ‑‑‑‑ 3 7 1ヵ月 〟 3ヵ月 ‑‑‑‑‑‑ 1
33 ヵ 月 〟 6ヵ月 ‑
‑ ‑‑‑‑ ・21 6 ヵ 月 〟 1 年 ・ ‑
・‑
‑・
・‑‑ 1 8 1 年 〟 2 年
2 年 〟 3年 3 年 〟 5 年 5 年以上
す なわ ち、
年 年 年 年 年 年 年 年 年 6 7 8 1 0 日
14 1 6 1 8 2 0 上 以 〃 〃 〃 〃
〃〃〃〃コ