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平 成 三 十 年 度 国 際 教 養 学 部 一 般 入 試 ( 後 期 日 程 )

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(1)

平 成 三 十 年 度 国 際 教 養 学 部 一 般 入 試 ( 後 期 日 程 )

問一 「遠足にゼッコウの天気だ」の「ゼッコウ」に当てる最も適当な漢字はどれか。

① 絶交

② 絶好

③ 絶高

④ 絶光

問二 「冬になっ て空気のカン ソウが気にな る」 の 「カンソウ」 に当 てる最も適 当な漢

字はどれか。

① 乾燥

② 乾草

③ 燗燥

④ 還送

問三 「この言葉 は本来の遣い 方から乖離し てい る」の「乖離」の 読み方はどれ か。

① てんり

② ほくり

③ かいり

④ せんり

(2)

問四 「多事/閑 暇」と同じ関 係になる最も 適当 な組み合わせはど れか。

① 消滅/入滅

② 唐突/突然

③ 彼岸/此岸

④ 見解/沈黙

問五 次の四字熟 語の組み合わ せのうちで、 すべ て漢字が正しいも のはどれか。

① 異口同音/曖昧模 糊/玉石混淆

② 周衝狼狽/呵呵大 笑/因果応報

③ 奇奇怪怪/不平不 満/勇猛過敢

④ 竜頭蛇尾/捲度重 来/三日天下

問六 「いよいよ試合 当日だ。 僕たち は練習を重 ね、 (

) の態勢で本 番を迎えた」 というとき、 (

)に入る 最も適当な言 葉は どれか。

① 漫然

② 瓦全

③ 完全

④ 万全

問七 「先月初めに 起きたあの 事件は、 あのア ス リートの選手生命 にとってチ命 傷とな った」のカタカナ を漢字に直し たとき、同じ 漢字 を含むものはどれ か。

① 難問解決にチ 恵を絞る

② 宝石の価チを 知らない

③ 待ち合わせに チ刻した

④ この作品は美 の極チだ

(3)

問八 「目の前の橋が危険だと聞いて、二の足を(

) 」の(

)に入る最も 適当な言葉はどれ か。

① 舞う

② 脱ぐ

③ 踏む

④ 引く

問九 「他人へ の迷惑も考 えず、 勝 手気ままに行 動すること」 と いう意味の 四字熟語は どれか。

① 因果応報

② 傍若無人

③ 徹頭徹尾

④ 悪口雑言

問一〇 「青息吐 息」の意味と して最も適当 なも のはどれか。

① 眠っていたり 安心していた りするときに 出る 息のこと

② 困っていたり 精神的に苦し いときに出る ため 息のこと

③ たくさんの人 たちが同じこ とをするとき に息 が合うこと

④ 若い人たちが 初めて共同作 業をするとき に息 が合うこと

問一一 「矢面に 立つ」の意味 として最も適 当な ものはどれか。

① 批判などを正 面から受ける こと

② 早くせよと何 度も催促する こと

③ 悔しくて大声 でむせび泣く こと

④ 他人にも分か るようにする こと

(4)

問一二 次の文の うち正しい表 現はどれか。

① 季節も冬にな り、朝、外に 出ると霜がも っぱ らおりている

② 彼の複雑な生 い立ちについ ては、ついぞ 知る ことになった

③ 自分の杞憂を 信じて、大き なミスに気付 くこ とができた

④ 信頼を勝ち得 て、彼はグル ープの牛耳を 執る までになった

問一三 「潔(

)態度」 というとき、 送り 仮名の正しいもの はどれか。

① 潔さぎよい

② 潔ぎよい

③ 潔よい

④ 潔い

問 一 四 「 砂場 に つく られ た 砂の 城は 非 常に 完成 度 が高 く 、 (

) 」と いう と き、 (

)に入る 最も適当なも のはどれか。

① あたかも本物 の城のようだ った

② ようやく本物 の城のようだ った

③ なるべく本物 の城のようだ った

④ あいにく本物 の城のようだ った

問一五 「漢検一級に出るような漢字は、とてもではないが(

) 」というとき、 (

)に入る 最も適当なも のはどれか。

① 書けない

② 書けれない

③ 書けられない

④ 書けれれない

(5)

問一六 生徒が先生にAとBのどちらを選ぶか聞く場面で「先生はどちらに(

) ますか」というと き、 (

)に入る最も 適当 なものはどれか。

① し

② いたし

③ なさい

④ しておき

問一七 部下が上 司に 「A部長、 今日 の昼食は何を (

) ますか」 というと き、 (

) に入る最も適当な ものはどれか 。

① 食べ

② 召し上がり

③ 頂戴し

④ 申し上げ

問一八 電話にて、 「私は明日 の十時に、そ ちら に(

)ます のでよろしく お願い いたします」とい うとき、 (

)に入る 最も 適当なものはどれ か。

① 拝見し

② お待ちし

③ うかがい

④ お会いになり

問一九 「泰然自 若」とほぼ同 じ意味を持つ 四字 熟語はどれか。

① 用意周到

② 曖昧模糊

③ 冷静沈着

④ 行雲流水

(6)

問二〇 「食指が 動く」の意味 として最も適 当な ものはどれか。

① 興味をそそら れること

② 好物ばかり食 べること

③ 大して役に立 たないこと

④ 手先が疎かに なること

問二一 「破竹の 勢い」の使い 方として最も 適当 なものはどれか。

① 来年のことを 今から言うだ なんて「破竹 の勢 い」みたいだ

② 今年の風邪は 感染力が強い 。それこそ「 破竹 の勢い」だ

③ いつも「破竹 の勢い」を心 がけて生活を 送り たいと思う

④ このチームの 連勝記録は凄 い。まさしく 「破 竹の勢い」だ

問二二 「金字塔 」の使い方と して最も適当 なも のはどれか。

① 京都にある金 字塔は室町時 代に建造され たと 言われる

② 彼の記録は今 でも金字塔と して語り継が れて いる

③ この活躍で僕 は金字塔に登 り詰めること にな った

④ 仮に嫌なこと が続いても人 生に一度は金 字塔 がある

問二三 「イノベ ーション」の 意味として最 も適 当なものはどれか 。

① 日程調整

② 技術革新

③ 重要事項

④ 費用削減

(7)

問二四 「イニシ アチブ」の意 味として最も 適当 なものはどれか。

① 肯定論

② 妄信的

③ 意欲作

④ 主導権

問二五 「相乗効 果」の意味と して最も適当 なも のはどれか。

① トートロジー

② エレジー

③ シナジー

④ アナロジー

二 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。解答は問いの選択肢①~④から選び、

記号を解答用紙に 記入しなさい 。

仕事にも、 あらゆ る技術と同じ く、 そのこつ があ り、 それをのみこ めば、 仕事は ずっ

と楽になる。 仕 事をする気 になることだ けでなく 、 仕事が出来る ということ も、 決し て

簡単なことではな いが、多くの 人はそれを知 らな い。

障害にうちかつた めの第一歩は 、 その障害を 知る ことである。 仕事が できるのを 妨げ

るのは、 A主と して怠惰で ある。 ひ とは誰でも生 まれつき怠惰なも のだ。 感 覚的に受動

的な通常の状態か らぬけ出すた めには、 常に 努力 を必要とする。 善事 にたいして 怠惰で

あるということが 、 われわ れの本来の根 本的な欠 点である。 それ だから、 生まれつき 働

き好きな人間など ありはしない 。 その性質や 気質 の上から、 いくぶん 活潑な者が あるだ

けである。 最も 活潑な人で も、 その 天性に従うな らば、 仕事より もほかのこ とで楽しむ

方を喜ぶ。 勤勉は、 B感覚的な怠 惰よりも一層 強 い動機がなければ 生まれるもの ではな

い。 そしてこの 動機には、 常に二種類あ る。 低い 方の動機は、 欲 情、 とくに 名誉心や貪

欲、 わけても生活 維持の必要、 などである。 高い 方の動機は、 仕事 そのものに対 する ・

あるいはその人々 のために仕事 をしなければ なら ぬその人々に対す る ・ 愛や責任感 情で

(8)

ある。 この高尚 な動機は 、 より多く の持続性があ って、 必ずしも 結果にCコ ウデイしな

いという特質をも つ。 だか ら、 失敗 しても飽きて いやになったり 、 成功して も満足して

熱意を失ったりす ることがない 。 そうい うわけで 、 野心家や貪欲 な者は、 なるほど時 に

は非常に勤勉であ るが、 しかし終 始かわらず規 則 的に仕事を進めて いくことは稀 である。

彼等はほとんど常 に、 他人はか まわずただ自 分自 身にさえ、 D本当の 仕事と同様 の都合

のよい結果が得ら れるならば、 仕事の外見だ けで 十分満足するので ある。 商工業 の仕事

の一部分、 またE遺 憾ながら学 問や芸術の仕 事の 一部分が、 今日明ら かにFこう した性

格をおびている 。 だから 、 たとえば 今、 社会に 出 て行く青年に最初 の忠告を与え ようと

すれば、 まず次ぎ のようなもの になろう。 諸 君は 、 ある事柄、 またあ る特定の人 々に対

する愛と義務感情 から働きなさ い。 何らかの 人類 社会の大問題に参 加するがよい 。 たと

えば、 諸民族の政 治的解放、 キ リスト教の伝 道、 放置されている下 層階級の向上 、 飲酒

の習慣の廃止、 またGわ が田に水を 引くようだが、 国際間の永久平和 の確立、 社会改革 、

選挙法の改良、 刑罰 および刑務 所の改善など、 今 日このような目的 は実にありあ まるほ

どあるのであるが 、 諸君もその いずれかに参 加す るがいい。 そうす れば、 諸君は、 最も

手軽に、 絶えず外か ら働きかけ る刺激が得ら れ、 また最初の間はと くに大切な仕 事仲間

が得られるであろ う。 今日 は、 文明 諸国民の間に おいて、 このよ うな進歩の いずれかの

陣営に積極的に参 加しない青年 が、 男 女を問わず 、 一人でもあっては ならないので ある。

早くから自分自身 をこえて、 自 分だけのため に生 活しないというこ とが、 青年を 向上さ

せ、 強健にして 、 事に屈 せぬ力を与 える唯一の道 である。 利己主 義は常に一 つの弱点で

あり、ただHかず かずの弱点を 生みだすのみ であ る。

つぎに怠惰をおさ えて仕事に向 わせるもっと も効 果的な手段として 役立つのは、 習 慣

の大きな力である。 普通にはただ われわれの肉 体 的性質にのみ役立 っているこの 強大な

力を、また同様に精神的方面にも役立てていけないわけがあろうか。われわれは実際、

怠惰、 逸楽、 浪費 、 無節度、 I 吝嗇などに慣 れる と同様に、 また勤 勉、 節制、 倹 約、 正

直、 寛大の習慣を も養うことが できる。 そし て、 ここで言い添えて おきたいのは 、 どん

な人間的美徳も、 そ れがまだす っかり習慣と なっ てしまわない限り、 たしかにわ が物と

はいえないという ことである 。 だから 、 徐々に勤 勉の習慣を養うな らば、 怠 惰の抵抗は

しだいに弱まり、ついには勤労の生活が欠くことのできないものになる。そうなれば、

もうわれわれは人 生における普 通の困難の大 部分 を免れたも同然で ある。

さてここに、 われわ れが習慣的 な勤勉を身に つけ るのを容易にする 二三の、 ちょ っと

したこつがある。 それは次ぎの ようなもので ある 。

まず何よりも肝心なのは、思いきってやり始めることである。仕事の机にすわって、

心を仕事に向ける という決心が 、 結局一番む ずか しいことなのだ。 一 度ペンをと って最

初の一線を引くか 、あるいは 鍬

を握って一打ちす るかすれば、それ でもう事柄は ずっ

と容易になってい るのである 。 ところが 、 ある人 たちは、 始める のにいつも 何かが足り

(9)

なくて、 ただ準 備ばかりし て、 なか なか仕事にか からない。 そし ていよいよ 必要に迫ら

れると、 今度は 時間の不足 から焦燥感に おちいり 、 精神的だけで なく、 と きには肉体 的

にさえ発熱して、 それがまた仕 事の妨げにな るの である。

また他の人たちは 、 特別な感興 のわくのを待 つが 、 しかし感興は、 仕 事に伴って、 ま

たその最中に、 最 もわきやすい ものなのだ。 仕事 は、 それをやって いるうちに、 まえも

って考えたのとは違ったものになってくるのが普通であり、また休息している時には、

働いている最中の ように充実し た、 ときにはま っ たく種類の違った 着想を得ると いうこ

とはない。 これ は (少なく とも著者にと っては) 一つの経験的事実 である。 だ から、 大

切なのは、 事をの ばさないこと 、 また、 から だの 調子や、 気の向か ないことなど をすぐ

に口実にしたりせ ずに、J毎日 一定の適当な 時間 を仕事にささげる ことである。

(中

略)

精神的な創造的な 仕事をするの に、 仕 事の区分や 、 あるいはそれ以上 に序論のため に、

時間と仕事の興味 とを失ってい る人がきわめ て多 い。 あまりに凝 った、 意 味深げな 、 ま

た一体にあまりに 深く立ちいっ た序論という もの は、 普通、 すこしも目的 にそわず 、 か

え っ て 後段 に述 べ るは ず のも の を前 もっ て 語って し ま うと いう 不 都合 を 生ず る もの で

あるが、 それは ともかくと して、 序 論や表題は最 後に作れというの が、 誰に でもあては

まる適当な忠告で ある。 そ うすれば通常 、 それら はひとりでに出来 てくるものだ 。 序論

的なものはすべて後廻しにして、自分の実際に最もよく知っている本論から始めれば、

ずっと楽に仕事を 始めることが できる。 それと同 じ理由からして 、 まずK序 文や、 ま た

多くの場合第一章 をもぬかして 読む方が 、 書物は ずっと読みやすい 。 少なく とも著者は、

序文は決して最初 に読まないこ とにしている が、 そして、 本文を読み 終わったの ちにそ

れにざっと目を通 してみても、 そ のために損を し たと思ったことは まだ一度もな いとい

っていい。 もっとも、 中には 序文が一番い いという 書物もないわけで はないが、 しかし 、

そんな書物は総じ てあまり読む 価値のあるも ので はない。

なおわれわれはさ らに一歩を進 めて、 こう言って さしつかえないで あろう。 すなわち、

すべて (序論と 本論との別 なく) 諸 君にとっても っとも容易なもの から始めたま え、 と

もかくも始めるこ とだ、 と。 こう すれば完全に 体 系的にやらないた めにあるいは 仕事の

順序の上で廻り道 になるかも知 れないが、 その 欠 点は時間が得られ るということ で償っ

て余りあるくらい である。

以上のことと関連して、次ぎの二つの点が明らかになる。第一に、 「あすのことを思

い煩うな。 一日 の苦労は 、 その日一 日だけで十分 である。 」(マタ イによる福 音書六の三

四) 人間はL想像力 という危険 な賜物を神か らさ ずかっているが、 こ れはわれわ れの実

力をこえた、 はるか に広い活動 範囲をもって いる 。 想像力はわれわれ の計画する 仕事の

全部を、 なしと げ得るはず のものとして 、 一時に 目の前に置いてみ せるが、 人間の力は

それらをつぎつぎ に一つ一つや りとげて行く こと しかできない。 そこ で、 この目的 のた

めに、 常に元気を 新たにしてい かなければな らぬ 。 だから、 いつもた だ、 今日のた めに

(10)

働くという習慣を つくるがよい 。 明日は ひとりで にやって来る、 そして、 それと共に 明

日の力もまた来る のである。

第二の点はこうで ある。 も ちろん仕事は 、 特に精 神的な仕事はなお さら、 丁 寧にすべ

きである。 が 、 しかし、 何一つ言いお とさず、 読 み残さぬというよ うに、 全部 を尽そう

と思ってはならな い。 その ようなことは 今日、 も はや誰の力にも及 ばぬことであ る。 一

番よいやり方は、 比 較的せまい 範囲を完全に 仕上 げて、 そのほかの広 い範囲につ いては

本質的な要点だけ に力を注ぐこ とである 。 あまり に多くを望む者は 、 今日で は、 あま り

成績のあがらない のが普通であ る。

よく働くには、 元気 と感興とが なくなったら、 そ れ以上Mしいて働 き続けないこ とが

大切である。 もっと も、 最初はあ まり感興がわ か なくても始めねば ならぬ――そ うしな

ければ、 巓

から始めようがな い――、 しかし、 仕事 の結果、 ある 程度の疲れが 出てきた

ら、 さっそく中止 すべきである 。 が、 その場 合に 、 決して仕事その ものをやめて しまう

必要はない。 通 常その特定 の仕事だけを 中止すれ ばよい。 という のは、 仕 事を換える こ

とによって、 必要な 休息と同じ くらいに元気 が回 復するものだから である。 われ われの

天性にこのような 適応性がなか ったら、おそ らく 仕事は大して出来 ないであろう 。

その反対に、 多 く働くため には、 力 を節約しなけ ればならない。 そしてこれ を実行す

るには、 とくに無益 な活動に時 間を費さない 心掛 けが必要である。 わ れわれが無 益な活

動のために、 どれだ け多くの仕 事の興味と精 力と をそがれているか は、 ちょっと 口に言

えないほどだ。 ま ず第一に挙げ ねばならない のは 、 新聞を読みすぎ ること、 第二 に、 不

必要な会合や政治 活動、 とりわけ 「カフェ ー政談」 という名で広く知 られているよ うな、

くだらぬ政治活動 である。 実に 多くの人が、 た と えば朝の一番いい 仕事の時間を 新聞を

読むことで始め 、 また同じ く晩は晩で 、 必ず何か の会や社交クラブ や、 時と しては賭博

のテーブルで、 その日を終 えるというよ うなこと をやっている。 彼等が毎朝 、 一つの 新

聞を隅から隅まで 読むとか、 い くつかの新聞 に目 を通すとかして、 そ のために翌 日まで

一体どれほどの精 神的利益を持 ちつづけるか は、 誰も正確に言うこ とができない 。 しか

し、 彼等は大抵こう して新聞を 読んだあと何 とな く仕事にたいする 興味を失い、 手もと

にほかの新聞があ ればそれを手 にとることだ けは 確かである。

多く仕事をしよう とする人は、 N精神的雑用 を、 なお言い添えてよ いなら肉体的 雑用

をも、 注意して 避けねばな らない。 そして真にや るべき仕事のため に、 精力 を充分たく

わえておくべきで ある。

最後に、 精神的 な仕事を容 易にする最も 有効な、 とっておきの方法 が一つある 。 それ

は繰りかえすこと 、 言い換 えれば、 いくどもやり 直すことである 。 精神的な 仕事はほと

んどすべてが、 最初 はただその 輪郭がつかめ るだ けであり、 二度目に 手がけて初 めてそ

の細部が見えてきて、これに対する理解も一層明白になり、精密になるのが常である。

だから、 O本当 の勤勉は 、 現代のあ る有名な著述 家が言ったように 「ただ休 む暇なく働

(11)

き続けることでは なく、 頭の中の 原型を目に見 え る形に完全に表現 しようという 熱望を

もって仕事に没頭 することであ る。 普通 に言われ る勤勉、 すなわ ち、 相当 大きな材料 を

征服して、 一定の期 間内に目に 見えてこれを はか どらせようとする 骨折りは、 む しろた

だ当たり前の仕事 の前提にすぎ ず、 あの常に 精励 してやむことを知 らぬ、 より高 い精神

的な勤勉にくらべ ればはるかに 及ばぬもので ある 。 」

われわれはこれ以 上によくこの 思想を表現す るす べを知らない。 働き をこのように 解

釈すれば、われわれがこの章の初 めに述べた

最 後の危惧は事実上消えうせて、仕 事の

連続性は成立する ことになる 。 そして 、 実にこの 連続性こそ、 本 当の働きの まぎれもな

い理想なのである 。

一度、 この、 仕事に 没頭すると いう本当の勤 勉を 知れば、 ひとの精 神は、 働き続 けて

やまないものであ る。 そし てしばしば 、 このよ うな (あまり長す ぎない ) 休息ののち に、

知らぬ間に仕事が はかどってい るのを見るの は、 まったく不思議で ある。 すべて のもの

が、 まるでひとりで のように明 瞭になってき て、 多くの難点は突然 解決されたよ うに見

えてくる。 最初頭に たくわえて おいた思想は おの ずから増大して、 立 体的なすが たをと

り、 表現力を得 てきている 。 そして、 新たに始め る仕事は、 今度 はまるで、 その休息の

間にわれわれの力 を借りず自然 に成熟したも のを 、 骨折りなしに刈り 入れるかのよ うに

思われることさえ 珍しくない。

Pこれが、 すなわ ち、 仕事の報 酬なのである 。 こ のほかになお、 ひ とが正当にも しば

しば挙げる働きの 徳は、 働く人だ けが真に楽し み と休養の味わいを 知りうること である。

先に働いていない休息は、食欲のない食事と同じく楽しみのないものだ。最も愉快な、

最も報いられるこ との多い 、 その上最も 安価な、 最もよい時間消費 法は、 常 に仕事であ

る。 (カール・ヒル ティ 草間 平作訳「仕事 の上 手な仕方」より)

(注) こ の問 題文 の前 に 「働 きと 休息 と が対 立物 だと すれ ば、 事 実上、 この 社会 の (勤 労を いと う) 病

気は とう てい なお る見 込み はな いで あろ う」 と言 う一 文が あ る。

問一 傍線部A 「主として 怠惰である 」 とある が 、 人は何故 「怠惰 」 になる (あるいは

怠惰である)と筆 者は考えるの か。筆者の考 えに ないものを選べ。

① 人は生来怠惰なも のだから

② 愛や責任感情に欠 けるから

③ 生活上の必要を感 じないから

④ 活動的な気質を持 たないから

(12)

問二 傍線部B「感覚的な怠惰よりも一層強い動機」の性質はどのようなものか。 。最 も適当なものを選 べ。

① 自覚的なもの ② 教育的なもの ③ 習慣的なもの ④ 気質的なもの

問三 傍線部C「 コウデイ」を 漢字二字で書 け。

問四 傍線部D 「本当の仕 事」 とは ここではどん な仕事をさしてい るのか。 最も適当な

ものを選べ。

① 自覚的で精神的な 要求に基づく 仕事

② 飲酒の習慣の根絶 のために働く 仕事

③ 純粋な感興に後押 しされて行う 仕事

④ 習慣の力を借りて 持続的に行う 仕事

問五 傍線部E「 遺憾ながら」 と断りを入れ るの 何故か。最も適当 なものを選べ 。

① 名誉心や貪欲から 着手する仕事 では途中で熱 意を 失うことが多いか ら

② 仕事のため・人の ためにする仕 事は高尚な動 機と は考えられないか ら

③ 学問・芸術は本来 真理追究・理 想美実現を内 的動 機としているもの だから

④ 学問を生活手段と 考えるのは名 誉を求めて芸 術に 向うのと同断だか ら

問六 傍線部F「 こうした性格 」とは何か。 最も 適当なものを選べ 。

① 高い方の動機に見 られる持続性 ② 低い方の動機に見 られる直接的 な刺激 ③ 都合のよい結果が 得られるなら ば仕事の外見 だけ で十分満足する傾 向 ④ 高い動機から生れ る事業継続の 熱意が事の成 否に 関わらず持続する 傾向

(13)

問七 傍線部G 「わ が田に水を 引くようだが」 と 筆者が断りを入れ る理由は何と 推測で きるか。最も適当 なものを選べ 。

① 飲酒の廃止に著者 はこれまで積 極的に関わっ てき たという自負があ るから

② キリスト教の伝道 は人類社会の 大問題ではな いと 考える人が存在す るから

③ 筆者自身が国際間 の平和確立に 関心を持ちそ のた めに活動をしてき たから

④ 青年に語る著者の 言葉遣いが荒 く仰々しく聞 こえ ると著者自身が感 じたから

問八 利己主義が 生み出す傍線 部H「かずか ずの 弱点」と考えられ るもののうち 、 直接本文と関係し ないものはど れか。最も適 当な ものを選べ。

① 向上心の衰弱

② 不屈の熱意の喪失

③ 時間不足が生む焦 燥感

④ 外的刺激からの隔 絶

問九 傍線部I「 吝嗇」の読み 方をカタカナ で記 せ。

問一〇 傍線部J 「毎日一 定の適当な 時間を仕事 にささげること 」 が大切な のは何故か。 最も適当なものを 選べ。

① 思いきってやり始 めるきっかけ を作る最もよ い方 法であるから

② 準備を始める口実 が心に侵入す るのを防ぐよ い方 法であるから

③ 毎日一定の時間休 みなく働くこ とで驚くほど 仕事 がはかどるから

④ 大抵の場合感興は 仕事の最中に 徐々に生まれ てく るものだから

問一一 傍線部K 「序文や 、 また多 くの場合第一 章をもぬかして読 む方が、 書物はずっ と読みやすい」と 著者が考える のは何故か。 最も 適当なものを選べ 。

① 著者の最も得意で 熟知する中心 部分から読む こと になるから

② 序論と第一章に核 心的なことが 書かれている こと が多いから

③ 一般的に著者の思 想は章が進む に従って高調 する ものだから

④ 最良の序文を持つ 書物の第一章 が最良である 書物 はないから

(14)

問一二 傍線部L 「想 像力という危 険な賜物」 と あるが、 どうして 「危険」 なの か。 最 も適当なものを選 べ。

① 将来起こるかもし れない異常な 事態を現実的 に予 測させるから

② 一時にすべきこと として事業全 体の計画を提 示す る力があるから

③ 今日と同じ元気を もって明日も また仕事をす る必 要があるから

④ 一日の労苦はその 日一日だけ終 わらずこの先 も長 く続くものだから

問一三 傍線部M 「しいて 働き続けない ことが大 切である」 とあ るが、 こ の言葉の真 意 は何か。最も適当 なものを選べ 。

① 人との政談で精神 の活動は保た れるから元気 が失 せたら当面の仕事 を中止せよ

② 感興のわかない状 態で仕事を続 けるのは休息 する のと同様精神の休 息になる

③ 感興が消え失せた 現在の仕事を 中止し他の新 しい 仕事に取り掛かる べきだ

④ 特定の仕事を止め ても精神的活 動が続いてい れば 仕事は続いている ことになる

問一四 傍線部N 「 精神的雑用」 にあたらない と 著者が考えている と推測できる ものは どれか。最も適当 なものを選べ 。

① カフェー政談

② 社会改革運動

③ 社交クラブ

④ 新聞を読むこと

問一五 傍線部O 「本当の 勤勉」 は どのように言 い換えることがで きるか。 最も適当な ものはどれか。最 も適当なもの を選べ。

① ある仕事の完成へ の熱意をもっ て精神的活動 に打 ち込むこと

② 仕事の輪郭が見え るまで繰り返 し同じ仕事に 取り 組むこと

③ 感興の持続に必要 な休息を適度 にとりながら 仕事 を続けること

④ 読み残し言い残し がないように 丹念に仕事に 取り 組むこと

(15)

問一六 傍線部P 「これ」とは 何をさすのか 。最 も適当なものを選 べ。

① 著者の思想的成長

② 独創的な着想と展 開

③ 労働の喜悦と休息 の享受

④ 仕事の自発的な進 捗

問一七 仕事の仕 方についての 著者の助言に 含ま れないものはどれ か。 最も適当な もの を選べ。

① 今日の仕事に集中 せよ

② 感興が失せたら休 息をとれ

③ 習慣の強力な力を 利用せよ

④ 手を着けやすいも のから始めよ

三 二の題文 「仕事 の上手な仕 方」 には仕事の 能 率を上げる働き方 の助言がいく つか書

かれています。 そ の助言の中か ら二点 (今そ れを 助言A及び助言B と呼ぶ) 選ん で、 助

言Aと助言Bとの 関連を考えて 、「第一の 関連は、 ……という点であ る」 「次ぎ に第二の

関連は、 ……と いう点であ る」 とい うように、 そ の関連を少なくと も二点の視点 から論

じなさい。字数は 全部で一〇〇 〇字程度です 。 ( 解答は原稿用紙に 記入のこと)

参照

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