特 別 支援 学校 小学 部 にお け る国語授 業 実践
「こ とば で か くれ ん ぼ」
*1
原 口さつ き
*2 ヨ*4
・前 田 忠 彦 ・西 岡奈 緒 子 ・仁 野平 智 明
The Practice of Japanese Education for Elementary School Section of Special Education School
Hide‑and‑seek using Language
Satsuki HARAGUCHI, Tadahiko MAEDA, Naoko NISHIOKA and Tomoaki NINOHIRA
1.は じ め に
平 成29年4月 に 公 示 され た 新 学 習 指 導 要 領 で は,
「社 会 に 開 か れ た 教 育 課 程 」 を実 現 し,子 ど も た ち 一一人一 人 の豊 か な学 び に よ る未 来 を拓 く 「生 き る力 」 の 育 成 が 謳 わ れ て い る.
一 人 一 人 の豊 か な 学 び とは
,「何 を知 って い るか 」 に留 ま らず,求 め られ る資 質 ・能 力 を育 成 し 「何 が で き る よ う に な るか 」 と い う学 び で あ り,そ の 実 現 の た め に学 び の 過 程 「主 体 的 ・対 話 的 で 深 い 学 び 」 を 組 み 立 て て い く こ とが 求 め られ て い る.ま た,知 的 障 害 児 を教 育 す る特 別 支 援 学 校(以 下,知 的 障 害 特 別 支 援 学 校)に お い て は,各 教 科 の指 導 の充 実 が 求 め られ,学 習 指 導 要 領 が 改訂 され た.
知 的 障 害 特 別 支 援 学 校 小 学 部 の 国語 科 も,資 質 ・ 能 力 の 観 点 か ら教 育 内容 を示 され る な ど,以 下 を ポ イ ン トと して 改 訂 が 行 わ れ た.
国語科 改訂のポ イ ン ト
そ こで,新 学 習 指 導 要 領 へ の移 行 を 見 据 え,国 語 科 にお いて 主 体 的 ・対 話 的 で 深 い学 び を 実 現 し,資 質 ・能 力 を 育 ん で い く授 業 の 在 り方 を探 究 して い く こ と と した.
2.方 法
1)概 要
単 元 「こ とば で か くれ ん ぼ 」 の 事 例 研 究 を とお し て,単 元 構 成 や 授 業 展 開,ま た 教 材 教 具 や 教 師 の 発 問 な ど,主 体 的 ・対 話 的 で 深 い 学 び の実 現 に必 要 な 具 体 的 な工 夫 点 や 要 点 にっ い て 明 らか に して い く.
2)対 象 児
小 学 部3年 生 か ら5年 生 の4人 で,国 語 に 関 す る 習 熟 度 な どは 下 表 の とお りで あ る.
児 聞く・話す 読む 書く
A
百
2〜3語 文で 会 話で
きる 読み 間違 いや 読
み 飛 ば しを する が 、平 仮 名 は 読 め,片 仮 名 も ほ とんど読め る
誤 字 脱 字が あ る が 、平 仮 名 で文 を書け,片仮 名も一部 書 ける
C
尋ねられた ことや 自分の経験を単語 で話せる
誤字脱字があるが1貫れた文 であれば平仮名で書け,手本 があれば片仮名を書ける
D
決まった フレーズで あ れ ば 言 葉 で 依頼 など がで きる
小学校1年 生程 度の漢字交じり の文が読める
小学校1年 生程度の 漢字や 平 仮名・片仮名を書 ける 文 を書くことは難 しい 対 象 児 の 実 態1
3)単 元 「こ と ば で か くれ ん ぼ 」 の 設 定 理 由
「前 」 や 「横 」 な ど位 置 を 示 す 言 葉 を使 って,児 童 に馴 染 み の あ る 「か くれ ん ぼ 」 を楽 しみ なが ら 物 の 場 所 を 伝 え 合 う学 習 を 行 う単 元 で あ る.
これ らの位 置 を示 す 言葉 は,日 常 生 活 や 学 習 にお いて も多 用 され る言 葉 で あ る こ とか ら,こ の 言 葉 を 理 解 し使 え る よ う に な る こ とで
日しーノ 位置の言葉 A 日 常 生 活 の 中 で Bも 使って いる
時折 間違うこと もあ るが 尋ね らC れると正しく答え られる
ほとんど理解 でD きていない 対象児 の実態2
*1熊 本 大学教 育 学部 附属 特別 支援 学校
*2熊 本 県立 菊池 支援 学校
*3熊 本 県立 黒石 原支 援学 校
*4熊 本 大学 大学 院教 育学 研究 科
円滑 な意 思 疎 通 が で き る よ う に な り生 活 が 便 利 に な り,学 ん だ こ と を 実 際 生 活 場 面 で 活 用 で き る こ とか ら本 単 元 を 設 定 した.
また,位 置 の 言 葉 は,物 と物 の 関係 性 の上 に 成 り
立 っ 言 葉 で あ り,自 分 だ けで な く相 手 の立 場 や 見 え 方 な どか ら,語 句 を選 び 考 え 結 び っ け て構 成 す る必 要 が あ る.こ の こ と か ら,位 置 の 言葉 の 学 習 を通 し て,物 事 にあ る複 数 の情 報 を 総 合 的 ・客 観 的 に 捉 え, 必 要 な情 報 を選 び伝 え る力 の育 成 に っ なが り,学 習 の 基 盤 の一 っ で あ る言 語 能 力 や,国 語 を理 解 し国 語 で 表 現 す る資 質 能 力 の 育 成 にっ なが る と考 え た こ と か ら本 単 元 を 設 定 した.
これ らの 単 元 の ね らい を 受 け,単 元 の 目標 を a)位 置 を示 す 言葉 を 知 り,そ の 言 葉 が示 す 位 置 が
分 か る.【 知 識 ・技 能 】
b)言 葉 を 聞 い た り読 ん だ り して,言 葉 が示 す 位 置 を考 えた り伝 え た りす るこ とがで きる.【 思考 ・ 判 断 ・表 現 】
c)位 置 の 言 葉 を 聞 い て 意 欲 的 に考 え た り話 した り し,生 活 に 生 か そ う とす る.【 主体 的 に学 習 に 取 り組 む 態 度 】
と設 定 し,以 下 の よ う に単 元 計 画 を構 成 した.
次 題材 学習活動 時
1 位置の言葉を知ろう 「(箱の)前1後1横1上1下1中」の言葉を 聞 いた り話したり、書い たりす る。 2 2 位置 の 言葉 を 使って み
よう
「(いろいろな 物の)前1後1横1上!下1中」 の言葉を 聞いたり話した り、書いた りし て友だ ちに伝える。
コ 杢 時 3
位置 の言 葉 を聞 い て探 そう 「探偵団」
(教室)
「○○の(前1後!横!上1下!中)」 の 文 を 読
み 、物 を 探 す 。 1
4 位置の言葉で説明しよう (屋内)
「○○の(前 後 横1上!下1q⊃)」の 文 を書 き 、 友 だ ち に 伝 え る 。(友 だ ち は 、そ れ を ヒントに探 す)
1
5 位置の言葉で表現しよう (屋外)
運動 場 で、ベ ンチや プ ー ルな ど の物 や 、空や雲、山などの 自然物 を、位置を 示す 言葉 で表現 し、言葉 で表 す楽 しさ を味わう。
1
や 思 考 ・判 断 ・表 現 にっ いて は,学 習 中 の 行 動 を 観 察 し評 価 す る.行 動 観 察 に はVTRに よ る記 録 を 用 い,授 業 の工 夫 点 や要 点 の検 討 材 料 とす る.
2分
学習活動及び 内容 時
1前 時の復習5
位置 を示す 言葉を考える。
分 ◆ボ ードの上に置かれた机 の 模型を起点 にして,「位置の 言葉カード」を置く。
2本 時のめ あてを知る。
3教 師の 問に答える 「かくれ 了
んぽ① 」
分 ・問 「(動物)はどこにいるで しょう。」
4児 童の問に答える 「かくれ 了
んぽ② 」
分 ◆問 「(動物)はどこにいるで しょう。」
5教 師の 問に答える 「かくれ 了
んぽ③ 」
分 ◆問 「いす の前は何が いる。」
・問 「テレビの横は何が い る。」
6問 題文に答える 「かくれん 了
ぽ ④」
分
◆問 「(動物)はどこにいま すか。」
◆問 「(物)の横(位置 の言 葉)は何がい る。」
了 振り返 り4
◆問 「いす の横は?」
分
◆問 「(動物)はどこにいる。」
(←ワークシートの記入 か ら)
8次 時の 学習を知る6
◆問 「下駄 箱の上に何 がある 分
でしょう?」
全 員で 下駄箱 の上を確認 しに行く。
指導上の留意点
・「前 上 下 横 」の言葉カードを一枚ず ⊃ 提示 し,みんな で考えを出し合いな が ら前時の学習の振り返りがで きるよう にす る。
・前時の振り返りのqコで確認した位置の 言葉を用い て新たな 課題を提示する。
・めあ て 「どこにあるか言葉で伝えよう」
・1で置かれたカ ードをヒントに答えられ るようにする。
かくれ んぼ の様に 数 を数えて 「もうい いかい」というフレーズをみんな で唱 え,課題へ の意識と意欲 を高め られる ようにする。(以下同様)
・基準となるものを変えたり位置を変え たりして,考えを繰り返し深 められるよ うにする。
・基準となるものを増やして,いろいろな 視点から位置を考えられるようにする。
・ワークシートに,位置の言葉や動 物の名 前,物の名前を文字で 記し,位置を表す 文を構成できるようにする。
・児童が記入したワークシートを読み直し て 問いとして,児童の考えをもとに狼0 返りがで きるようにする。
・ワークシートの問いを広げた発問をし, みんな で考え,次時の学習の内容を知 り,期待感をもてるようにする。
単 元 計 画
第2次(3/6時)の 目標 は,下 記 に 示 す と お り で あ る.
a)物 の 場 所 を,位 置 の 言 葉 を 用 い て 伝 え る こ と が で き る.
b)友 達 か ら伝 え ら れ た 物 の 場 所 を,考 え 探 し 出 す こ と が で き る.
c)友 達 に 位 置 を 伝 え よ う と し た り,よ く 聞 い て 考 え た り で き る.
3)事 例 研 究 の 方 法 (1)学 習 評 価 に よ る検 討
本 単 元 や 本 時 の 学 習 の 習 得 にっ い て は,授 業 で 使 用 す る ワ ー ク シ ー トへ の記 入 内 容 や,教 師 の 発 問 に対 す る 回答 を も って 評 価 し,工 夫 点 や要 点 の 検 討 材 料 とす る.
(2)行 動 評 価 に よ る検 討
主 体 的 な取 り組 み や 対 話 的 に学 習 を 進 め る態 度
本時の展 開 (3)授 業 研 究 会 に よ る検 討
① グ ル ー プ授 業 研 究 会(S授 業 研)
【指 導 計 画】 対 象 授 業 を実 施 前 に,授 業 の 展 開 や 教 材 ・教 具 の 使 い 方,ま た 教 師 の 発 問 につ い て 確 認 し,工 夫 点 や 要 点 の検 討 材 料 とす る.
【指 導 評 価 】 授 業 後 に は,学 習 評 価 や 行 動 評 価 を 基 に指 導 目標 の 妥 当 性 や 授 業 の 展 開,ま た 教 材 ・教 具 の 適 性 や 教 師 の 発 問 な ど指 導 にっ い て の 評 価 し,工 夫 点 や 要 点 の検 討 材 料 とす る.
② 学 部 授 業 研 究 会
国 語 科 の単 元 計 画 や 本 時 の展 開,ま た 教 材 ・ 教 具 にっ い て検 討 し,授 業 づ く りの要 点 や 工 夫 点 を確 認 す る.ま た,学 習 評 価 等 を 受 け,そ の 工 夫 点 の 効 果 を検 討 す る.
さ ら に,他 教 科 で も事 例 研 究 成 果 を相 互 に活 用 し,授 業 づ く りの要 点 や 工 夫 点 を整 理 して い
く.
③ 全 体 授 業 研 究 会
他 学 部 や 他 教 科 の 事 例 研 究 成 果 と,国 語科 の 事 例 研 究 成 果 を 照 ら し合 わ せ,授 業 づ く りの 要 点 や 工 夫 点 を整 理 して い く.※ 国語 科 は 全 体 授 業 研 究 会 の 対 象 と な って い ない
④ 専 門 家 との 共 同 研 究
熊 本 大 学 教 育 学 部 国 語 教 育 科 や 他 教 科 との 共 同研 究 に よ り,国 語 科 な ど各教 科 の特 質 や 見方 ・ 考 え 方 な ど専 門 的 な視 点 か ら検 討 を 行 い,授 業 づ く りの 要 点 や 工 夫 点 を 整 理 して い く.
3.結 果
1)本 時 の 目標 と学 習 評 価
本 時 で 設 定 した 目標 や 学 習 評 価 を 以 下 に記 載 す る.
2)本 単 元 に お け る 行 動 評 価 (1)第1次
学 習 に 興 味 を も っ て 楽 しみ な が ら取 り 組 み,位 置 の 言 葉 に 親 し ん だ り 確 認 した り で き る よ う に, キ ー ワ ー ド と な る 位 置 の 言 葉 を 使 っ た 「か くれ ん ぼ 」 の 遊 び を 取 り 入 れ た.玄 関 な ど の 場 所(名 詞) に つ い て は 聞 き 取 っ て,そ の 場 所 に 向 か っ て い た.
しか し,後 ろ や 前 な ど位 置 に っ い て は,無 作 為 に 探 し回 っ て い た 様 子 だ っ た.
模 型 を 使 っ た 机 上 の 学 習 で は,位 置 の 言 葉 に 注 意 を 向 け,カ ー ドな ど の ヒ ン トを 手 が か り に よ く 考 え て い た.し か し,理 解 度 の 差 が 集 団 内 で 大 き か っ た.特 にD児 は,「 上 」 や 「下 」 に っ い て も 理 解 が 曖 昧 な 様 子 だ っ た.
(2)第2次
教 室 に あ る 家 具 な ど の 模 型 を 使 用 し,教 師 が 言 葉 で 示 し た 位 置 の 言 葉 を,児 童 が 模 型 を 操 作 し な が ら 学 習 で き る よ う に した.模 型 や ワ ー ク シ ー ト,
そ して 教 師 の 言 葉 を 聞 い て よ く考 え て い た.基 準 と な る 物 が 変 わ っ て も 間 違 え ず に 答 え ら れ た り (A児),迷 い が あ っ た り(BC児).ま た,選 択 肢 を 減 らす な どす る と 正 し く答 え ら れ て い た(D児).
(3)第3次
児 童 が 使 用 す る 教 室 に あ る 物 や 場 所 で の 「か く れ ん ぼ 」 を 取 り 入 れ,児 童 が 相 互 に 出 題 と 探 索 を 行 い,位 置 の 言 葉 を 生 活 の 中 で 活 用 で き る よ う に
した.
自 分 で 物 を 隠 して,そ の 位 置 を 文 に し て 問 題 を 作 る 学 習 活 動 は,非 常 に 意 欲 的 だ っ た(ABC児).
ま た,教 師 と 一 緒 に,場 所 や 位 置 を 一 っ ず っ 確 認 し な が ら 問 題 文 を 作 成 した(D児)
位 置 の 言 葉 に っ い て は 間 違 わ ず 使 って 伝 え ら れ た り(ABC児),選 択 肢 を 減 ら し て 一 緒 に 考 え た り した(D児).
(4)第4次
第3次 で の 学 習 の 場 を 教 室 外 に 広 げ,学 校 生 活 全 体 を 学 習 の 場 と し,位 置 の 言 葉 を 生 活 の 中 で 活 用 で き る よ う に した.保 健 室 や 食 堂 な ど 日 頃 使 用 して い る 部 屋 な ど を 使 って 学 習 し た こ と で,と て も 意 欲 的 だ っ た.
位 置 の 言 葉 に っ い て は 間 違 わ ず に 使 って 伝 え ら れ た り(ABC児),選 択 肢 を 減 ら し て 一 緒 に 考 え た り し た が(D児),文 字 に よ る 選 択 肢 の 提 示 に よ り徐 々 に 「上 」 「下 」 に っ い て は 正 し く使 え る 様 子 も 増 え て き た(D児).
(5)第5次
空 や 木 な ど 自 然 物 を 取 り入 れ,生 活 の 中 で 生 か せ,且 っ 位 置 の 言 葉 を 使 っ た 表 現 を 楽 し め る よ う に した.
自 分 や 友 だ ち の 写 真 を 教 材 と し た た め,非 常 に 意 欲 的 だ っ た.基 準 と な る 物 が 分 か り に く い 様 子 で,迷 っ て い る 児 童 も い た(BC児)が,教 師 が
「木 の …?」 な ど と,基 準 と な る 物 を 示 す こ と で, 正 し く位 置 の 言 葉 を っ か っ て 表 現 で き て い た(D 児).
3)本 時 の 指 導 評 価
さ ら に,S授 業 研 究 会 に お け る本 時 の 指 導 の評 価 は 以 下 の とお りで あ る.
領域 評価内容 .f
ク
特記
授業 の 内 容
・
構成
児童生 徒の実態を踏まえた本時 のね らい・目標設 定 OO
学習丙 容
興 味関心(意 欲 動 機付 け
等) 0
課題意識(葛藤,危機,必然
責任感等) 0
振り返 り(成就感,期待感
等) O 時間が短かった
思考,比較,判断等 D 友 だちの 考えとのL頃交が □頭 になることが 多かった。
表現,意。思伝 達等 O
他学習・場面等との関連 O 次時とのつな が りは あるが, 生活へのつ な ぎが 弱い
難易度 O
一い 又
†
学習量 活動 量,時間配分 O 振 り返りの時間が 短くな った 発展1生まとまり O 次時とのつな が りは あるが,
生活へのつ な ぎが 弱い
環 境設 定・
教材教 具
蚕空間 配置,雰囲気等 OO
教材 提示・
教材内容
興味関心 難 易度 自日ヨ度 O 対 象,° 乍
性 量 O
提示方法 板書ICT活
用等 D
子どもたちの答えや問いを共 有するための工夫が必要
学習集団の規模や編成 O
教師 の 姿勢
子どもへ の配慮
健康面,安全面 雰 囲 気 言葉遣い,気付き 等
O 指示 ・説明
等 の内容・
方法
口頭 教材,モデ ル等 0 指導 のバ
ランス,タ イミング,
内容
全体理解 個別対応等 0 D児 が,理解で きて いな いこ とが ある。個別対応 気付 きや 思考 イメージ化を促す
働 きかけ 0
教師間の連携 O
子ど もの 理解 努力,態度,成果等
の評価(賞賛等) 0 D児 が,理解で きて いな いこ とが ある。個別対応
よこ7
璽 巴
一 一一 一一 し げ ほ
さ硯
ど か し う ん っ
の
げ つ
た い く ば す え こ
の
・ ・ こ ・ う え こ た
※基準【◎:よかった ○:概ね よかった △:改善 が必要 一:なし】
4.考 察
1)授 業 づ く りの 工 夫 点 「授 業 の ア イ テ ム 」 授 業 計 画 と 実 施,ま た そ の 後 の 学 習 評 価 と 指 導 評 価 を す る 中 で,以 下 の よ う に 工 夫 点 が 整 理 さ れ た.
a)分 か りや す い 教 材 ・教 具
位 置 の 基 準 と な る 具 体 物 や 範 囲 を 示 す ボ ー ド を 準 備 す る.学 習 の キ ー ワ ー ドや キ ー セ ン テ ン ス は 文 字 で 示 し、 比 べ た り 選 ん だ り して 自 ら の 考 え を 持 っ た り 発 表 した り で き る よ う に す る.
b)課 題 の 提 示
児 童 の 理 解 度 に応 じて 段 階 的 に課 題 を提 示 す る.そ の 際 、 全 員 が 分 か る発 問 や 前 時 の 振 り返 りか ら課 題 を 提 示 す る.
癖
c)体 験 的 学 習 活 動言 葉 や 文 字 のや り と りだ けで は な く、 教 材 を 操 作 す る な ど して 実 際 に見 た り感 じた り、 位 置 を 比 べ た り選 ん だ りで き る学 習 活 動 を 設 定 す る.
d)操 作 性 と 見 え る 化
カ ー ド な ど の 具 体 物 を 用 い て 、 視 覚 的 に 考 え や す く した り、 自分 の 考 え や 互 い の 意 見 が 見 て 分 か る よ う に した り す る.
e)評 価
教 師 が 児 童 の発 言 や 行 動 を 整 理(構 造 化)し っ っ 共 感 ・称 賛 ・評 価 す る こ とで 価 値 付 け、 児 童 自らが 自己 の考 え を 明 確 にで き る よ う にす る.
f)対 話 の コ ー デ ィ ネ ー ト
藩雛 雀 擁 宿
なるほどねr ということなんだね
問 い 直 した りす る.
g)共 通 の 教 材
1つ の教 材 を 皆 で 使 う こ と で,自 分 や他 児 の 考 え を 見 た り操 作 した り比 べ た り しなが ら学 習 で き る よ う にす る.
h)ス モ ー ル ス テ ッ プ
学 習 で 理 解 した こ とを 基 に課 題 を 追 加 す る.
そ の 際,子 ど も の得 意 な 認 知 ・表 現 方 法(聞 く
→ 話 す → 読 む → 書 く)の 順 にす る.
児 童 が 知 って い る こ とや 経 験 して い る こ とを 用 い て 授 業 計 画 を 立 て 、 前 時 の 授 業 で の 内容 を 振 り返 り,次 時 の 内 容 も簡 単 に取 り扱 うよ う に す る.
◎ 前 時 の振 り返 り
① 本 時の めあて 一課 題 提 示 一
② 考 える時 間 一一 人 で ・み んなで 一
③ 考 えの 検 証
④ 課 題 の 追 加
⑤ 本 時の振り返り i)リ ア リテ ィー
題 材 は 児 童 の 興 味 関 心 の あ る物 だ けで は な く, 日常 生 活 に関 連 す る題 材 や 教 材 を 取 り扱 う よ う にす る.
実 際 生 活 に学 ん だ こ とが 生 かせ るよ う に,学 習場 面 を 教 室 に限 らず 屋 外 を 含 め て 児 童 の 生 活 場面 を活 用 した 学 習 活 動 を 設 定 す る.
2)授 業 づ く りの 工 夫 点 と主 体 的 ・対 話 的 で 深 い学 び の 関 連
授 業 づ く りの工 夫 点 を 整 理 す る 中 で,主 体 的 ・対 話 的 で 深 い学 び と の 関 連 もお お よ そ 傾 向 が あ った.
(下図)
3)対 話 的 な 学 び 〜 非 言 語 の 学 び 合 い〜
昨 年 度(H28)中 学 部 で の 研 究 成 果 と して 提 案 さ れ て いた 「学 び 合 い の メ ソ ッ ド」 に っ い て,小 学 部 で も 同様 の対 話 的 な学 び の様 子 が 見 られ た.小 学 部 で は,共 同 研 究 者 と の 検 討 会 の 中 で,「 非 言 語 」 と い うキ ー ワー ドが 浮 か び 上 が った.
「見 る ・まね る ・気 付 く ・選 ぶ 」 とい う行 動 に よ る非 言 語 の 対 話 を 促 進 させ る こ とで 学 び 合 いが 生 ま れ る場 面 が 見 られ た.
児 童 そ れ ぞ れ の 受 容 と表 出の 発 達 段 階 に合 わ せ て, 相 互 に気 付 き学 び 合 え る関 係 性 が あ る.模 倣 して 考 え る児 童 や,行 動 で 考 え を 示 す 児 童,そ して 行 動 の 理 由や 根 拠 を 言 語 で 示 す 児 童 が お り,そ れ ぞ れ で 思 考 を表 出 した り整 理 した り,さ ら に高 次 化 して い く.
また,そ れ に併 せ て技 能 も高 次 化 させ て い く よ う な 学 び 合 い が生 ま れ る と考 え る.そ の 関係 を 以 下 に図 示 す る.
非言語 の学び合 い 4)授 業 展 開 の ス トー リー
学 習 指 導 要 領 等 改 訂 の 基 本 的 な 方 向 性 で 述 べ ら れ て い る 「習 得 ・活 用 ・探 究 」 と い う 学 び の 過 程 に っ い て 検 討 した.
従 前 の 指 導 は,「 活 用 し な が ら 」 や 「繰 り 返 し」 に よ る 指 導 が 多 か っ た.こ の 「活 用 」 は 知 識 や 技 能 を 直 接 的 に 指 導 す る 手 段 と して の 「活 用 」 で あ り,
「課 題 に 対 し て 思 考 を 働 か せ て 知 識 や 技 能 を
活 用 す る 」 こ と,っ ま 思 考・探 求 ・習 得 ・活 用 ・探 究 り 既 習 の 知 識 や 技 能 の
「活 用 」 と は 質 的 に 異 な る と 考 え る.そ こ で,従 前 の よ う に,単 に 知 識 や 技 能 の 習 得 を 目指 す の で は な く,習 得 に 至 る 段 階 で,如 何 に 思 考 を 働 か せ て 習 得 す る か を 重 視 した 「思 考 ・探 求 ・習 得 」 の 学 び の 過
無
開1
51[II謹 1麺
[非言語的思考(行 動)
肚 三 距・
調
赫擁 膓
\ 1業
思 考 ・判 断 ・表 現'て 付
\ 璽てこ : 團 ㎜一̲̲翻 1護
一器 。頚 一一
程 が 必 要 で あ る と 考 え た.(H28.中 学 部)
こ の 学 び の 過 程 を 重 視 した 授 業 展 開 の モ デ ル を 事 例 研 究 を と お して 検 討 して い っ た.
こ こ で は 「0番 」 と して,前 時 の 振 り返 り を 重 視 した.で き る こ と な ど 習 得 した こ と を 確 認 し,そ れ を 基 に 授 業 を 進 め て い く よ う に し,知 識 技 能 の 活 用 を 促 進 す る よ う に した.
ま た,課 題 の 提 示 や 一 人 で 考 え る 時 間 の 確 保(思 考 ・探 求),そ し て 全 体 で 考 え 検 証 し て い く.さ ら に,そ の 授 業 展 開 を 何 度 か 繰 り返 し,思 考 と 探 求 の 過 程 に よ る 習 得 を 目指 した.
5)思 考 と 探 求
昨 年 度(H28)中 学 部 で 検 討 さ れ た 「思 考 」 「探 求 」 に っ い て,小 学 部 で も 検 討 し て い っ た.共 同 研 究 者 と の 検 討 会 の 中 で,子 ど も た ち の 非 言 語(行 動) に よ る 思 考 を 重 視 した 学 習 活 動 を 展 開 して い く こ と で,思 考 しや す く な る の で は な い か と い う提 案 が な さ れ た.国 語 科 で も,こ れ を 重 視 し た 学 習 活 動 を 展 開 す る こ と で,課 題 に 向 き 合 う 主 体 的 な 態 度 が 育 ま れ,思 考 へ 向 か っ て い た 様 子 が 見 られ た.
ま た,こ の よ う な 展 開 を 「思 考 ・探 求 の 『波 』」
と し,こ の 波 が 何 度 か 繰 り 返 さ れ る 授 業 に よ っ て 思 考 と 探 求 を 促 す こ と が で き る と 考 え る.
こ の 項 で 述 べ て い る 「探 求 」 は,「 探 究 」 と 使 い 分 け て お り,「 探 求 」 は,知 識 技 能 を 探 し て 得 よ う して い る こ と で,「 探 究 」 は,知 識 ・技 能 を 使 っ て 物 事 を 解 決 さ せ た り 究 め た り す る こ と と 整 理 して い る.
と な っ て い る.っ ま り,そ の 他 の 児 童 に と っ て は 適 切 な 授 業 づ く り が で き て い た が,D児 に と っ て は さ ら に 工 夫 が 必 要 で あ った こ と が 分 か る.
こ の こ と は,D児 が 自 閉 症 で 視 覚 優 位 な 特 性 が あ り,教 師 の 口 頭 で の 発 問 が 理 解 で き な い 部 分 が あ っ た か ら だ と 考 え る.ま た,指 導 評 価 の 「板 書,ICT 活 用 等 」 が 「△:不 十 分 」 と い う こ と か ら も 授 業 改 善 の 必 要 性 が あ る こ と が 分 か る.
さ ら に,指 導 評 価 「思 考,比 較,判 断 等 」 の 備 考 で 記 録 さ れ て い た 内 容 が 「友 だ ち と の 考 え と の 比 較 が 口 頭 に な る こ と が 多 か っ た.」 と さ れ て い た.こ の こ と か ら 「板 書,ICT活 用 等 」 に っ い て は 対 話 を 促 す 授 業 の 工 夫 点 と して も 取 り 組 ん で 行 くべ き 課 題 で あ る と 考 え る.
興味関心(意欲 動機付け等) OO
課題意識(葛藤,危機,必然 責任感等) OO 興味関心 難易度 自由度(教材孝娯) OO
思考 比較,判断等 n
板書ICT活 用等 D
本 時 の 指 導 評 価(抜 粋)
D
・物の場所を,位置の言葉を選択して伝えることができる。
・友達から伝えられた物の場所を,ヒントから選択して考え探し出 すことができる。
・教師と文を考えて友達に位置を伝えようとしたり,よく聞いて 考えたりできる。
0 0 0
圓圃曾勤
饗 ‑國一
融聡訟思燃硬:團圖圃闘賜 讐 闇獺籠勲勲・t竃 ....... つわ晦6薗懸06口隈め融G露櫓
非君巫的9禽O)勾(行動)
D児 の 学 習 評 価
非言語的思考 と思考 6)課 題
本 時 に お け るD児 の学 習 評 価 と指 導 評 価 の 関 連 か ら課 題 も見 え て きた.
D児 の学 習 評 価 で は 「主体 的 に学 習 に取 り組 む 態 度 」 の評 価 が 「○:お お む ね 達 成 」 で あ るが,指 導 評 価 で は 「興 味 関 心 」 が 「◎:良 くで き た 」 で,
「課 題 意 識 」 にっ い て も 同様 に 「◎:良 くで き た」
7)ま とめ
小 学 部 国語 科 の 事 例 研 究 を と お して,新 学 習 指 導 要 領 を 見 据 え て 授 業 開 発 と改 善 に取 り組 み 、 い くっ か の授 業 づ く りの 工 夫 点 や,思 考 や 対 話 を促 す 授 業 づ くりの 要 点 や 課 題 が 明 らか に な って きた.
今 後 は,こ れ ま で述 べ て きた 授 業 づ く りの 要 点 や 工 夫 点,そ して 課 題 解 決 に 向 け て,学 習 評 価 と指 導 評 価 を 重 ね 検 証 して い く.
授 業の アイ テ ム 〜3つ の 学 び の た め に〜
対 話 的な 学 び 〜 非 言 語の 学び あ い 〜
授 業の ストーリー 〜 「わくわ く・わ か って ・うれ しさ 」の あ る授 業 〜 思 考・探 求 〜 そ れ ぞ れ の 思 い考 え の 表 出〜
授 業 づ く りの 要 点
参考文献
○ 〈 こ と ば ・文 字 ・数 〉基 礎 学 習 の 教 材 づ く り と学 習 法 明 治 図 書2005
0〈 こ と ば ・文 字 ・数 〉 国 語 ・算 数 の基 礎 学 習 と指 導 の 実 際 明 治 図 書2007
0特 別 支 援 教 育 の と って お き 授 業 レ シ ピ 学 研 プ ラ ス2015 0r特 別 支 援 教 育 の 実 践 情 報 』PLUS平 成29年 版 学 習 指 導
要 領 改 訂 の ポ イ ン ト 特 別 支 援 学 校 明 治 図 書2017