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情 報 の特 質 と情 報活用要件 に関す る研究

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(1)

情 報 の特 質 と情 報活用要件 に関す る研究

(そ の3:情 報 活 用 要 件 の検 証 と情 報 有 効 活 用 の研 究 手 順 な どに つ い て)

出 川

︑ぞ

は じめ に

本 稿 は,以 下 の5編 か らな る 「 情 報 の特 質 と情 報 活 用 要 件 に 関す る研 究 」 の そ の3と して,第4編(情 報 活 用 要 件 の既 存 学 術 分 野 か らの 検 証 ・考 察)と 第 5編(個 別 現 象 に お け る情 報 有 効 活 用 の研 究 手 順 とポ ス ト情 報 化 社 会 につ い て) を 示 す もの で あ る。

第1編(情 報 学 の 必 要性)1) 1.情 報 学 の 考 え方

2.こ れ ま で の 情 報 に 関 す る主 な研 究 3.こ れ ま で の 情 報 に 関 す る研 究 の 課 題

第2編(純 粋 情 報 現 象 の 抽 出)2) 4.情 報 に 関 わ る現 象 の 同 時 複 合 性 5.一 般 的 な複 合 的 情 報 現 象 の分 析 6.純 粋 情 報 現 象 の抽 出

第3編(情 報 属 性 と情 報 活 用 要 件 の 明 確 化)2) 7.純 粋 情 報 現 象 の 分 析

8.情 報 属 性 に つ い て 9.情 報 活 用 要 件 につ い て

第4編(情 報 活 用 要 件 の 既 存 学 術 分 野 か らの検 証 ・考 察):本 稿 10.制 御 理 論 か らの 検 証

〔203〕

(2)

11.生 理 学 か らの 検 証

第5編(個 別 現 象 に お け る情 報 有 効 活 用 の研 究 手 順 とポ ス ト情 報 化 社 会 につ い て):本 稿

12.個 別 現 象 に お け る情 報 有 効 活 用 の研 究 手 順 に つ い て 13.ポ ス ト情 報 化 社 会 に つ い て

本 稿 の 内 容 は,「 情 報 の 特 質 と情 報 活 用 要 件 に関 す る研 究 」(そ の1:情 報 学 の必 要性)1)お よ び(そ の2:純 粋 情 報 現 象 の 抽 出 と情 報 活 用 要 件 の 明 確 化)2) に 引 き続 く もの で あ り,し たが っ て 本 稿 で付 与 す る章 番 号 も,第10章 か ら とな っ て い る 。

本 稿 に掲 載 す る 第4編 お よ び 第5編 の概 要 は次 の通 りで あ る。 第4編 で は,第 3編2)で 抽 出 した 情 報 属 性 や 情 報 活 用 要 件 の妥 当性 等 を,既 存 の他 の 学 術 分 野 の こ れ まで の研 究 成 果 を情 報 分 野 に投 影 す る方 法 で検 証 して い る 。 具 体 的 に は, 制 御 工 学 と生 理 学 か ら の検 証 で あ る。

第5編 で は,情 報 属 性 や 情 報 活 用 要 件 を ふ ま え た上 で,現 実 に発 生 して い る 種 々 の 情 報 問 題 を解 決 す る た め の 実 践 的 な研 究 手 順 につ い て検 討 す る と と も に,結 言 と して 情 報 化 社 会 の次 の 社 会(ポ ス ト情 報 化 社 会)に つ い て 考 察 を行 っ て い る。

第4編 情 報活 用 要 件 の 既 存 学術 分 野 か らの 検 証 ・考察

10.制 御 理 論 か らの 検 証 (1)制 御 理 論 の 概 要3)'4)

制 御 理 論 と は,各 種 装 置 や シス テ ム を 最 適 な 状 態 に維 持 した り,目 標 か らの ず れ を 感 知 して,修 正 す る た め の 理 論 とい う こ とが で き る。

制 御 の 理 論 お よび応 用 は,20世 紀 に入 っ て か ら,米 国 で 目覚 しい発 展 を遂 げ

た が,急 速 な発 展 を促 した要 因 は,第 二 次 世 界 大 戦 に お け る兵 器 や,そ の後 の

宇 宙 工 学,石 油 化 学 な ど の プ ロ セ ス 工 学 系 へ の 応 用 で あ った 。 ま た,社 会 や経

(3)

情報 の特 質 と情報 活用 要件 に関す る研 究

205

済 現 象 に対 して も既 に応 用 され て い る 。

理 論 の 体 系 は,1入 カ ー1出 力(singleinput‑singleoutput)系 の 理 論 か ら, 多 入 カ ー多 出 力(multi‑variable)系 へ の 拡 張,非 線 形 理 論 へ の 展 開,最 適 制 御 理 論 な ど様 々 な 広 が りを み せ て い る 。

制 御 理 論 の基 礎 を なす 理 論 は,差 分 方 程 式,微 分 方 程 式,線 形 代 数,線 形 状 態 方 程 式 な ど の 数 学 で あ る が,応 用 面 は 様 々 で,機 械 工 学,熱 力 学,電 気 工 学 な どの 自然 科 学 系 の 種 々 の工 学 分 野 の み な らず,前 述 し た よ うに 経 済 学 や 人 口 な どの社 会 科 学,遺 伝 学 な どの 生 理 学 に も応 用 され て い る。 要 す る に,時 間 と と もに状 態 が 変 化 す る全 て の 動 的 シ ス テ ム が 対 象 と な りう る 。 した が っ て,本 稿 で研 究 対 象 と して い る 『 情 報 学 』 も 自ず とそ の応 用 分 野 と して 捉 え る こ とが で きる 。 なお,参 考 ま で に 制 御 理 論(古 典 制 御 理 論)に お け る代 表 的 な制 御 系

の ブ ロ ッ ク線 図 を 図 表10.1と 図 表10.2に 示 す 。

入力̲十

コ ン トロー ラ(制 御器)

フ ィー ドバ ック 検 出器

出力

図 表10.1フ ィ ー ドバ ッ ク 系(閉 ル ー プ 系)ブ ロ ッ ク線 図

入力

コ1鰯 誘 ラ 鵬 対象

図 表10.2開 ル ー プ 系 ブ ロ ッ ク線 図

出力

(2)制 御 理 論 の 情 報 現 象 へ の 応 用 に つ い て

情 報 現 象 は 既 に示 した 様 に種 々雑 多 で あ る1)が,こ れ は 表 面 的 に 観 察 され る

現 象 が 多 様 で あ る こ とを 意 味 す る。 情 報 活 用 の 究極 の 目 的 は,入 力 さ れ た 情 報

か ら品 質 の高 い何 らか の結 論(意 思 決 定 結 果)を 得 る こ とが 殆 どで あ る 。 これ

を 図 示 す る と,図 表10.3の 様 に な る 。

(4)

〜/一

情報 処理 系

出 力

品 質の高 い (意思 決定結 果)

図10.3情 報 活 用 の 目 的

図 表10.3と 図 表10.1,2を 見 比 べ れ ば 一 目瞭 然 で あ るが,情 報 処 理系 の 構 造 は, 制 御 理 論 の構 造 と 同 じで あ る。 つ ま り,一 般 的 に 人 問が 直 接 関 与 す る情 報 処 理 系 は,図 表10.1に 示 した フ ィー ドバ ッ ク系 の構 造 に当 て は ま る 。 ま た,金 額 等 の 数 値 デ ー タ(受 注 デ ー タや 何 らか の 測 定 デ ー タ)を 取 扱 う業 務 処 理 系 コ ン ピ ュ ー タ シス テ ム は,図 表10.2の 開 ル ー プ系 の 構 造 に合 致 す る と言 え る。

(3)制 御 理 論 に お け る安 定 性 につ い て4)

制 御 理 論 で は入 力 を受 け て何 らか の 出 力 を 出す 系 を 『 伝 達 関 数』 と して 定 義 す る(図 表10.4参 照)。 実 際 に 系 が フ ィ ー ドバ ック 系 で あ っ て も,図 表10.5の 様 に,フ ィー ドバ ッ ク検 出器 も含 め て1つ の 伝 達 関数 で 表 現 さ れ る 。

入 力 伝達関数 出 力

図 表10.4伝 達 関 数 の 考 え方

入 力

伝達関 数

コ ン ト ロー ラ (制 御 器)

フィー ドバッ ク 検出器

出 力

図10.5フ ィー ドバ ッ ク系 に お け る伝 達 関 数 の 考 え 方

(5)

情 報 の特 質 と情報 活用 要件 に 関す る研 究

207

さて 制 御 理 論 で は,任 意 の 初 期 条 件 に対 し て い か な る入 力 が あ ろ う と も,系 の 出力 が 時 間 の 経 過 と と もに あ る均 衡 点 に近 づ く場 合,そ の系 の こ と を 『 漸 近 安 定 』 で あ る とい う。 逆 に,均 衡 点 に近 づ か ず に発 散 して い く場 合 『 不 安 定』

とい う。

㈲ 制 御 理 論 に お け る安 定 性 か ら言 え る こ と

図 表10.3で 表 現 され る情 報 活 用 の 系 に お い て 『 漸 近 安 定 性 』 が 充 た され る と い う こ と は,「 そ の 情 報 処 理 系 は,ど の よ うな 入 力 情 報 が与 え られ て も,同 じ 結 論 に収 敏 し て い く」とい う こ とに な る。こ れ を情 報 処 理 系 に あ て は め る と 「 何 を言 っ て も(ど の よ う な情 報 を入 力 して も)結 果 は 同 じ」 とい う こ とで,情 報 処 理 系 と して は全 く意 味 を な さ な い 系 と言 え る。

した が っ て,制 御 理 論 に お け る安 定 性 の理 論 を情 報 処 理 系 に適 用 す る と,「情 報 処 理 系 は,不 安 定 系 で な け れ ば な らな い 」 とい う こ と で あ る。 こ れ は,第3 編 第9章(10)2)に 示 した 情 報 活 用 要 件,晴 報 や ア イ デ ア を創 造 す る た め に は, 何 らか の メ カニ ズ ム の 組 み 込 み が組 織 に は必 要 と な る」 に 相 当 す る。 具体 的 に

は 適 度 な 「ゆ ら ぎ」 や 「 歪 み 」 の 必 要 性 で あ るが,こ れ は シス テ ム が確 保 しな け れ ば な らな い 不 安 定性 に相 当 す る もの 考 え る こ とが で き る。

(5)制 御 理 論 に お け る 可 制 御 性 に つ い て4)

制 御 理 論 で は 入 力 を 調 整 す る こ とに よ っ て,制 御 対 象 シ ス テ ム を最 適 な状 態 に 制 御 す る こ とが 重 要 で あ る。シス テ ム に対 す る入 力 を調 整 す る こ と に よ っ て, 出力 を完 全 に 制 御 で きる 場 合,そ の シス テ ム の事 を 『 完 全 可 制 御 な シス テ ム』

とい う。 逆 に 入 力 を調 整 して も,出 力 を制 御 で き ない 場 合,そ の シ ス テ ム の こ とを 『 完 全 可 制 御 で な い シス テ ム』 とい う。

制 御 理 論 に お い て は,制 御 対 象 シ ス テ ム の伝 達 関 数 を 表現 す る行 列 とそ の シ ス テ ム に対 す る入 力 内 容 を表 現 す る 行 列 か ら 『 可 制 御 性 行 列』 組 み 立 て,そ れ が 一 次 独 立 の 場 合 に完 全 可 制 御 性 が確 保 さ れ る こ とが 明 らか に され て い る。

イ メー ジ 的 に は,対 象 シス テ ム に 対 す る入 力 の 場 所 が,図 表10.6の 様 な シス

(6)

テ ム の 場 合 に は 『 完 全 可 制 御 性 』 が な りた つ場 合 が 多 い。 た だ し厳 密 に は,伝 達 関 数 の性 質 を表 す 行 列 を吟 味 し な け れ ば判 定 で きず,図 表10.6は あ くまで も イ メ ー ジ で あ る。同 様 に,『 完 全 可 制 御 で ない シ ス テ ム 』の イ メ ー ジ は 図 表10.7 の 様 に な る。

コ ン トロー ラ

(制 御 器)

入 力 → 制御対象 シス テム

,

図 表10.6『 完 全 可 制 御 な シ ス テ ム 』 の イ メ ー一ジ

コ ン トロー フ (制御 器) 入力

出 力

出力

図表10.7『 兜全 可制 御 でな い システ ム』 の イ メー ジ

制 御 理 論 に お け る厳 密 な 判 定 は先 に 述 べ た よ う に,制 御 対 象 シス テ ム や コ ン トロ ー ラの 厳 密 な性 質 を行 列 表 現 して 『 可 制 御 性 行 列 』 を組 み 立 て て チ ェ ック す る こ とが 必 要 と な る が,図 表10.6と 図 表10.7の 直 感 的 な 違 い は 明 らか で あ る 。

つ ま り,図 表10.6の 場 合 は,コ ン トロー ラ か らの 入 力 が,制 御 対 象 シ ス テ ム の全 体 に働 く に もか か わ らず,図 表10.7の 場 合 は,一 部(図 表10.7で 制 御 対 象

2と した 部 分)に しか働 か ない の で あ る。

(6)制 御 理 論 に お け る 可 制 御 性 か ら言 え る こ と

図 表10.6と 図 表10.7に 示 した,『 完 全 可 制 御 な シ ス テ ム』 の イ メ ー ジ と 『 完

全 可 制 御 で な い シス テ ム』の イ メー ジ を情 報 活 用 に 置 き換 え る とそ れ ぞ れ,『完

全 可 制 御 な情 報 処 理 系 』(図 表10.8)お よ び 『 完 全 可 制 御 で な い情 報 処 理 系 』(図

表10.9)の 様 に な る。

(7)

情 報 の特 質 と情 報活 用要件 に関す る研 究

?

一 入 イ 亟 ヨ ー 一

209

図 表10.8『 完 全 可 制 御 な情 報 処 理 系 』 の イ メ ー ジ

『1…

出 力

図表10.9『 完全 可制 御 でな い情報 処理 系』 の イメ ージ

さ て,実 際 の情 報 処 理 系 に お け る 意 思 決 定 な どで は,図 表10.8い わ ゆ る 『 完 全 可 制 御 な情 報 処 理 系 』 に 当 て は ま る が 多 い と思 わ れ るが,図 表10.9の 『 完 全 可 制 御 で な い情 報 処 理 系 』 に 該 当す る場 合 も少 な くない 。 具 体 的 に は,

① 絶 対 遵 守 しな けれ ば な ら な い法 律 が あ る場 合

② 組 織 上 層 部 あ るい は他 の 組 織 に よっ て 出 され た 結 論 や前 回 の 打 ち合 せ の 結 論 を受 け て,さ らに進 ん だ あ る い は 具 体 的 な 意 思 決 定 な ど を しな け れ ば

な らな い 場 合 等 で あ る 。

① の場 合 の イ メ ー ジ を よ り具体 的 に示 す と図 表10.10の 様 に な る。

?…

出力 法律などの絶対遵守

の情報

図表10.10法 律 な どの絶対 遵守 の情 報 を前 提 とす る場合

法 律 な どの 絶 対 遵 守 の 情 報 を前 提 と しな け れ ば な らな い 場 合 に は,図 表10.10

(8)

に示 した よ う に,遵 守 しな け れ ば な らな い と い う前 提 が あ る の で,必 ず し も満 足 の い く結 論 を 出 せ な い 場 合 も あ り う る。 つ ま り,『 完 全 可 制 御 性 』 が 失 わ れ

た結 論 を出 さ ざ る を え な い場 合 も あ る。

一 方 ,② に述 べ た 場 合 は必 ず し もそ うで は な い。 つ ま り必 要 が あ れ ば,前 回 の結 論 や 他 の 組 織 が 出 した 結 論 自体 を修 正 し な け れ ば 情 報 処 理 系 の 『 可 制 御 性 』 は保 証 され な くな る 。 と こ ろ が,一 般 的 に は 一 度 出 さ れ た 結 論 を修 正 す る こ と が 行 わ れ て い な い場 合 も少 な くな い 。 要 す る に,修 正 可 能 な暫 定 的 な 結 論 に対

し て,通 常 は 図 表10.11の 様 な 対 応 を して い る の で あ る。 これ は,本 来 は 図 表 10.12の 様 に対 応 し な け れ ば な らな い 。

トか

修 正可能 な暫定 的結論

出力

図表10.11修 正 可能 な暫 定的 結論 に対 す る一般 的 な対 応

出力 修正可能な

暫定的結論

図表10.12修 正 可能 な暫 定 的結論 に対 す る本来 の あるべ き情報 処理 系 の姿

図 表10.12に お い て,情 報 の 入 力 先 が 「 修 正 可 能 な暫 定 的 結 論 」 と 「 情 報 処

理 系 」に分 岐 して い る が,こ の 分 岐 は人 間 に 求 め られ る技 能 で あ る。要 す る に,

第3編 第9章(5)2)に 示 した 要 件,「'wa報 活 用 者 は,活 用 し よ う と し て い る情 報

(9)

情 報 の特 質 と情 報 活用要 件 に関す る研 究211

が ル ー ル 情 報 な の か 否 か,あ る い は,そ の 情 報 の現 在 の 確 定 度/決 定 度 は どの 程 度 な の か を認 識 し な け れ ば な ら な い 。 』 で あ る 。 こ の 要 件 は,制 御 理 論 に お け る 「 可 制 御 性 」 の 情 報 問 題 へ の 投 影 に よ って も 明 らか で あ る。

(7)制 御 理 論 に お け る可 観 測 性 に つ い て4)

制 御 理 論 にお け る 「 可 観 測 性 」 と は,シ ス テ ム の 出力 か ら,そ の シス テ ム 内 部 の 状 態 が 完 全 に把 握 で き る事 で あ る。 制 御 理 論 に お い て 「 可 観 測 性 」 は先 に 紹 介 した 「 可 制 御 性 」 と双 対 を な す 理 論 で,『 一 般 的 に,良 い 制 御 を実 現 す る た め に は,シ ス テ ムが どの よ う に動 い て い る か を推 測 す る 能 力(可 観 測 性)と, シス テ ム の挙 動 を変 え る能 力(可 制 御 性)が 必 要 とな る』 と考 え られ て い る。

制 御 理 論 にお い て対 象 と な る シス テ ムが 『 完 全 可 観 測 性 』 を有 す るか 否 か は

「 完 全 可 制 御 性 」 と同 様 に ,シ ス テムの挙動 を表現 す る行列 か ら 「可観測 行列」

を 組 み 立 て て チ ェ ック す る こ とが 必 要 とな る が,イ メ ー ジ的 に 図表10.3の 様 な シス テ ム で あ れ ば 『 完 全 可 観 測 性 』 を 有 す る と言 え る。 逆 に,図 表10.14の 様 な シス テ ム の 場 合 に は 『 完 全 可 観 測 性 』 を有 さ な い。

入 力 対 象 システ ム 出 力

図 表10.13『 完 全 可 観 測 性 』 を 有 す る シ ス テ ム の イ メ ー ジ

入力

図 表10.14『 完 全 可 観 測 性 』 を 有 さ な い シ ス テ ム の イ メ ー ジ

(10)

(8)制 御 理 論 にお け る 可 観 測 性 か ら言 え る こ と

図 表10,13に 示 した 『 完 全 可 観 測 性 』 を 有 す る シ ス テ ム と,図 表10.14に 示 し た 『 完 全 可 観 測 性 』 を 有 さ な い シ ス テ ム を情 報 処 理 系 に置 き換 え る と,そ れ ぞ れ 図 表10.15,図 表10.16の 様 に な る 。

薗 …

)

情報 処理 系

出 力 (上席者 等) 報告 先

図 表10.15『 完 全 可 観 測 』 な 情 報 処 理 系

〔 司 一…

図 表10.16『 完 全 可 観 測 で は な い』 情 報 処 理 系

実 際 の 組 織 な どに お け る 情 報 処 理 系 で は,図10.16の 様 な 状 態 に な っ て い る

事 が 多 い 。 要 す る に,検 討 経 緯 や 採 用 さ れ な か か っ た検 討 結 果 な どが,必 ず し

も適 宜 上 席 者 に報 告 され て い な い 場 合 で あ る 。 も ち ろ ん,上 席 者 が全 て の 情 報

に 関 して 報 告 を受 け る こ と は物 理 的 に不 可 能 で は あ る。 しか し,図 表10.16に

示 した よ う に,全 体 か らみ て 明 らか に独 立 した 情 報 処 理 系 が2つ あ る場 合(図

表10.16に お け る情 報 処 理 系1と 情 報 処 理 系2)に は,双 方 か らの 出 力 を把 握

し な け れ ば な ら な い 。 イ メ ー ジ を図 示 す る と,図 表10.17と な る 。

(11)

情 報 の特 質 と情報 活用 要件 に関す る研 究

213

薗 …

(灘 等)

図 表10.17報 告 の あ る べ き 姿

現 実 の組 織 にお い て は,職 位 な ど に応 じて 決 め られ て い る役 割 分 担 か ら,上 席 者 に 報 告 す る役 割 を担 っ て い る の は,図 表10.17の 「 情 報 処 理 系1」 に属 す る 入 間 で,「 情 報 処 理 系2」 に 属 す る 入 問 で は な い とい う様 な場 合 も多 い と考 え られ る 。 しか し,対 象 とす る シス テ ム(こ の 場 合 は 組 織)の 『 可 観 測 性 』 を 確 保 す る た め に は,明 らか に 図 表10.17に お け る 「 情 報 処 理 系2」 か らの 出力 も報 告 され て しか る べ き で あ る。 ま た,本 来 伝 え るべ き情 報 が 正 確 に伝 わ らな い 場 合 も多 い 。 理 解 を助 け る た め に,こ の場 合 の イ メ ー ジ を示 す と図 表10.18 の 様 に な る 。

出 力 … … 報告 先

(上席者等)

面 …

対象 システム

図 表10.18伝 え られ る べ き 情 報 が 伝 わ ら な い 時 の イ メ ー ジ

図 表10.18か ら も一 目 瞭 然 で あ る が,伝 わ るべ き情 報 が 正 し く全 て 伝 わ ら な

い と,当 然 の こ と なが ら 『 可 観 測 性 』 が 失 わ れ,正 しい 判 断 を 下 す こ とが で き

(12)

な くな る。

上 記 し た事 柄 は,第3編 第9章2)(8)及 び(9)に該 当 す る と言 え る。つ ま り,『(8) 情 報 活 用 者 は,組 織 の 一 員 と し て イ ン フ ォー マ ル情 報 を伝 え る相 手 を適 切 に 選 択 す る技 能 を 身 に つ け な け れ ば な ら な い。』 お よ び 『(9)情 報 活 用 組 織 で は,数 値 情 報 な ど の 定型 的 な情 報 の伝 達 の た め に,組 織 内 の 情 報 流 通 ル ー トを ル ー ル と して 定 め 、 情 報 活 用 者 は,こ の ル ー ル を遵 守 し な け れ ば な ら な い。』 の2要 件 で あ る 。

(9)制 御 理 論 に よ る検 証 の ま と め

以 上 述 べ た様 に,制 御 理 論 の 安 定 性,可 制 御 性,可 観 測 性 の 考 え方 を,情 報 問 題 に投 影 す る こ と に よ っ て,第3編 第9章 に示 した㈲,(5),(8>,(9)の 要 件 が 検 証 さ れ た と考 え られ る。

図 表10.19に そ の 結 果 を要 約 す る 。

図表10.19制 御理 論 か らの投影 によ って検証 された情 報活 用要件

適 用 した情 報理 論 検 証 さ れ た 情 報 活 用 要 件

安 定 性 情 報 活 用 組織 で は,情 報 や ア イ デ アを創 造 す る メ カ ニ ズム を組織 内 に組み 込 ま なけれ ばな らな い。

(5)情 報 活 用 者 は,活 用 し よ う と し て い る 情 報 が ル ー ル

可 制 御 性 情 報 な の か否 か,あ る い は,そ の 情 報 の 現在 の確 定 度 /決 定 度 は どの程 度 なの か を認 識 しな けれ ばな らな い。

(8)情 報 活 用 者 は,組 織 の 一 員 と し て イ ン フ ォ ー マ ル 情

報 を伝 え る相 手 を適切 に選 択 す る技 能 を身 に つ け な け

れ ば な ら な い 。

可 観 測 性 (9)情 報 活 用 組 織 で は,数 値 情 報 な どの 定 型 的 な情 報 の 伝 達 の た め に,組 織 内の 情 報流 通 経 路 をル ー ル と して

定 め,情 報 活 用 者 は,こ の ル ー ル を 遵 守 し な け れ ば な ら な い 。

11.生 理 学 か らの 検 証

生 体 機 能 の制 御 の た め の,い わ ゆ る情 報 処 理 系 は,大 き く神 経 系 に よ る もの

と,ホ ル モ ン な どの 内 分 泌 系 に よ る もの に 分 類 で きる 。 本 節 で は,生 理 学 に お

(13)

情 報 の特 質 と情 報活 用要 件 に関す る研 究

215

け る こ れ らの 情 報 処 理 に関 す る研 究 成 果 を 鳥 鰍 し,生 体 に お け る情 報 活 用 の 原 理 か ら,第3編 第9章2)の 妥 当 性 を検 証 す る。

(1)神 経 系 に お け る情 報 処 理 機 能5) 1)神 経 系 の構 成

神 経 系 は,感 覚 神 経 系(知 覚 受 容 器),運 動 神 経 系(効 果 器),情 報 処 理,情 報 の 貯 蔵(記 憶 〉 に よっ て 構 成 され る。 以 下 の 各 々 の機 能 な ど を要 約 す る。

① 感 覚 神 経 系(知 覚 受 容 器)

感 覚 神 経 系(知 覚 受 容 器)は,具 体 的 に は,視 覚 受 容 器,聴 覚 受 容 器,体 表 の 蝕 受 容 器 な ど で,神 経 系 の殆 どす べ て の働 き は,こ れ らに よ っ て発 生 す る知 覚 受 容 経 験 に よ っ て 起 動 させ られ る。 知 覚 受 容 器 は そ れ ぞ れ が,そ れ ぞ れ の機 能 を使 っ て,外 界 の 情 報 等 を正 し く認 知 して,感 覚 情 報 と して 生 体 の神 経 系 に 伝 え て い る 。

知 覚 受 容 器 が 取 り込 ん だ感 覚 情 報 は,脊 髄 神 経 を介 して 神 経 系 内 に 入 っ た の ち,脊 髄 の 各 分 節,延 髄,橋 網 様 態,小 脳,視 床,大 脳 皮 質 な どの体 知 覚 野 に 達 す る。 また,こ れ らの"主"知 覚 野 以 外 に も,感 覚 情 報 は,神 経 系 の あ らゆ る部 分 に 中 継 さ れ る 。

② 運 動 神 経 系(効 果 器)

神 経 系 は 生 体 の活 動 や 機 能 を制 御 す る た め に,骨 格 筋 の 収縮,内 蔵 器 官 内 の 平 滑 筋 の 収縮,身 体 各 所 に散 在 す る 内分 泌 腺 の 分 泌 機 能 な どに対 して,必 要 な 指 令 を発 す る。 こ の よ う な働 き を総 称 して 神 経 系 の 「 運 動 性 支 配 」 とい い,神 経 系 の信 号 に従 っ て 働 く筋 や分 泌 腺 な どの こ と を効 果 器 とい う。 筋 や 分 泌 腺 に 直 接 信 号 を伝 え る 働 き を行 う神 経 系 を 「 運 動 神 経 系 」 とい う。

③ 情 報 処 理

神 経 系 の 効 果 器 に 見 られ る よ う な働 きが,ご くわ ず か な知 覚 情 報 で,す ぐ, お お げ さ な運 動 性 応 答 を引 き起 こす よ う に な っ て い た と し た ら,効 率 の よ い 身 体 機 能 の 制 御 は行 え な い。した が っ て,神 経 系 の大 きな 働 き は い か に し て 『 適 当』

な運 動 性 応 答 が起 こ る よ うに 入 力 情 報 を 処 理 す る か に あ る。 実 際,全 知 覚 情 報

(14)

量 の99%以 上 の量 が,脳 の 中 で は 常 に無 視 され て い る とい わ れ る 。 例 え ば,身 につ け て い る衣 服 と体 表 との接 触 や,椅 子 か ら受 け る圧 力 な どは殆 ど気 づ い て い な い。 同 様 に,視 野 の 中 で も注 意 を受 け るの は,見 え て い る もの の な か の ほ ん の 一 部 で あ る。

④ 情 報 の 貯 蔵(記 憶)

重 要 な 知 覚 情 報 で あ っ て も,運 動 性 の応 答 を直 ち に 引 き起 こす もの は ご く一 部 で あ る 。 残 りは,将 来 の運 動 制 御 や 思 考 過 程 の 材 料 と して 貯 え られ る。 こ の よ う な情 報 の 貯 蔵 の 大 部 分 は,大 脳 皮 質 に し ま わ れ る が,他 に大 脳 基 底 核 や脊 髄 に も貯 え られ る 。

ひ とた び 知 覚 情 報 が い わ ゆ る 記 憶 と して神 経 系 の 中 に 貯 え られ る と,記 憶 は 情 報 処 理 機 構 の 一 部 と して 働 く よ う に な る。 脳 の 思 考 過 程 とい うの は 新 しい 感 覚 経 験 を,こ れ ま で貯 え た多 くの 記 憶 と比 較 す る こ とで あ るの で,記 憶 は,重 要 な 新 しい 経 験 を適 当 な貯 蔵 部 位 に貯 え て将 来 の 用 に役 立 て た り,脳 の 運 動 野 に 送 っ て体 動 反 応 を起 こ させ る な どの 判 断 に役 立 つ の で あ る。

2)神 経 系 に お け る 三 大 機 能 水 準

人 体 の神 経 系 は,進 化 の 各 段 階 に 起 因 して伝 え られ た 明 瞭 な特 徴 を も っ て い る 。 つ ま り,脊 髄,下 位 脳,上 位 脳 あ る い は皮 質 で あ る 。

① 脊 髄 レベ ル

人 間 の発 達 し た脊 髄 で も ま だ多 節 動 物 時 代 の 様 相 が 多 く残 され て い る。 知 覚 信 号 は脊 髄 神 経 を介 して 脊 髄 の 各 分 節 に達 し,そ こ で知 覚 情 報 を受 け た 同 じ分 節 か 隣i接す る分 節 に 限 局 さ れ た 運 動 応 答 を引 き起 こす 。 本 質 的 に,こ の よ う な 脊 髄 性 の運 動 応 答 は す べ て知 覚 信 号 にす ば や く応 ず る 自動 的 現 象,つ ま り反 射 的 運 動 で あ る。

具 体 的 な 反 射 の種 類 と して は,以 下 の 通 りで あ る。

・伸 張 反 射 ・腱 反 射 ・屈 筋 反 射 ・交 叉伸 展 反 射

・姿 勢 反 射 と歩 行 運 動 ・筋 痙 縮 を起 こ す 脊 髄 反 射 ・全 体 反 射

(15)

情 報 の特 質 と情 報活 用 要件 に関す る研 究

217

② 下 位 脳 レベ ル

人 体 機 能 の う ち い わ ゆ る無 意 識 的 現 象 とい わ れ る もの は,ほ とん どが 脳 の 下 位 の 領 域,つ ま り,延 髄,橋,中 脳,視 床 下 部,視 床 お よ び基 底 核 な ど に よ っ て 制 御 さ れ て い る。 例 え ば,呼 吸 と血 圧 の調 節 は主 と して 延 髄 と橋 に あ る網 様 態 に よ っ て行 わ れ て い る。 ま た,体 位 の平 衡 は,旧 小 脳 と,延 髄,橋,中 脳 な ど にあ る網 様 態 の 協 力 に よ っ て行 わ れ て い る 。さ らに,回 転 運 動 の際 に は 頭 部, 全 身,眼 球 の 三 者 が 協 同 運 動 を行 うが,こ れ も中 脳,旧 小 脳,下 位 の核 基 底 な

どの協 力 に よ って い る 。 食 物 の 味 に よ っ て起 こ る唾 液 分 泌,舌 な め ず りな ど の 摂 取 反 射 は延 髄,橋,中 脳,扁 桃 核,視 床 下 部 な どの 働 き に よ る。

換 言 す る と,意 識 が 必 要 で な くて も協 調 的 に起 こ る種 々 の 身 体 機 能 や 多 くの 生 命 過 程 そ の もの(例 え ば,血 液,呼 吸 な ど)は,脳 の 下 位 領 域 に よ っ て 殆 ど制 御 され て い る 。

③ 上 位脳 レベ ル

上 位 脳 す な わ ち 大 脳 皮 質 の 役 割 は,大 き な情 報 の 貯 蔵 庫 で あ る とい う点 と, 思 考 や 情 報 判 断 な どの能 力 で あ る 。 中 枢 神 経 系 の ニ ュ ー ロ ンの 神 経 細 胞 体 の 約 3/4は 大 脳 皮 質 に あ る と い わ れ て お り,皮 質 に は過 去 の 全 て の 経 験 ば か りで な くそ れ ら は体 を 動 か そ う とす る意 志 に 従 っ て どの よ う な情 報 を引 き 出 し う るか とい う多 くの運 動 応 答 パ ター ンす ら備 えて い る 。

実 を 言 う と皮 質 は,下 位 の脳,特 に 視 床 の部 分 が 特 に発 達 した 結 果 で きた も の で あ り,皮 質 の 各 部 位 は そ れ に対 応 す る視 床 部 分 が あ り,視 床 の 微 小 部 分 の 興 奮 は拡 大 さ れ た 皮 質 局 部 を興 奮 させ る こ とが で き る。 した が って,視 床 は 大 脳 皮 質 の 活 動 を 思 う ま ま に 制 御 で きる と考 え られ る 。 一 方,中 脳 の 興 奮 は,直 接 ま た は 視 床 を 介 して 大 脳 に 達 し,大 脳 皮 質 全 体 の 活 動 を た か め る。 こ れ が い わ ゆ る 覚 醒 の状 態 で あ る。 中脳 の 活 動 が 低 下 す る と,視 床,皮 質 の 働 き も低 下

しい わ ゆ る睡 眠状 態 とな る 。

大 脳 皮 質 の か な りを破 壊 して も,体 活 動 の う ち無 意 識 的 な もの 及 び意 識 的 不

随 意 性 の も の の い くつ か は損 傷 を う け な い 。 言 い換 え る と,皮 質 の 一 部 が 失 わ

れ る と膨 大 な量 の 情 報 が 失 わ れ,思 考 能 力 や 判 断 能 力 も喪 失 し,極 端 な場 合 に

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は,そ の 生 体 は 植 物 的 な存 在 と な っ て し ま う。

大 脳 皮 質 の特 定 の 個 所 に は 特 定 の機 能 が,限 局 して い る こ とが わ か っ て い る。

機 能 に よ っ て部 位 を分 類 す る と,一 次 感 覚 野,二 次 感 覚 野,一 次 運 動 野,補 足 運 動 野,前 頭 葉 前 部,側 頭 葉 後 部,角 回 な ど に わ け られ る。

3)神 経 系 に お け る情 報 の伝 達 と処 理

神 経 系 にお け る情 報 の 伝 達 と処 理 の 仕 組 み は,神 経 イ ンパ ル ス と して 入 手 さ れ る情 報(知 覚 刺 激)を 正 し く知 り,目 的 とす る効 果 器 に 正 し く指 令 を 出 さ な け れ ば な ら な い。 そ の た め,神 経 路 にお け る信 号 の空 間 的 配 列 機 構 や ニ ュ ー ロ ンプ ー ル にお け る信 号 の伝 達 と処 理 の た め の色 々な メ カニ ズ ムが 用 意 され てい る。

① 神 経 路 に お け る 空 間 的 配 列 機 構

脊 髄 の後 索 にお い て,足 か らの 知 覚 径 路 は 内 側 よ りに,そ れ よ り高 い 場 所 か らの 経 路 は順 番 に外 側 に 並 ん で い る 。 こ の よ う な,整 然 と した 空 間 的 配 置 は, 上 方 の 大 脳 知 覚 野 ま で の 経 路 の全 て の 部 位 で保 た れ て い る 。 同 じよ うな 配 列 は 皮 質 か ら抹 消 に至 る運 動 経 路 に つ い て も 同様 に 正 し く保 た れ て い る の で あ る。

例 え ば 皮 膚 の あ る一 部 に 別 々 に3本 の ピ ンが 刺 さ っ た とす る と,そ の場 合 の 神 経 の 興 奮 の仕 方 は次 の よ う に な る 。 つ ま り,各 ピ ン は あ る特 定 の 神 経 繊 維 を 最 も強 く,ま た,隣i接 す る 繊 維 を や や 弱 く刺 激 す る。 こ の よ う な信 号 が3つ の ピ ンに 対 応 した神 経 束 に起 こ り,そ れ が そ の ま ま空 間的 な位 置 関 係 を保 ち なが ら皮 質 まで 運 ば れ る た め,脳 は3つ の 刺 激 の発 生 部 位 を正 確 に 認 識 す る こ とが で きる の で あ る 。

② ニ ュ ー ロ ン プー ル に お け る信 号 の伝 達 と処 理

中枢 神 経 は ニ ュ ー ロ ンプ ー ル(神 経 細 胞 集 合)が 文 字 通 り何 百 と集 ま っ て 出

来 た もの で あ り,中 に は 巨 大 な も の,微 小 な もの もあ る。 例 え ば 大 脳 皮 質全 体

な ど も,ひ とつ の 巨 大 な ニ ュ ー ロ ンプ ー ル と言 え な い こ と もな い 。 全 大 脳 皮 質

の深 く折 れ 込 ん だ"し わ"を 平 面 状 に 引 き伸 ばす と,そ の面 積 は 数 平 方 メ ー ト

ル に もな る。 皮 質 に は,そ こ に入 っ て くる多 くの独 立 し た流 入(求 心 性)繊 維

と皮 質 か ら出 て行 く流 出(遠 心 性)繊 維 の 束(経 路)が あ る。

(17)

情報 の特 質 と情報 活用 要件 に 関す る研 究

2ヱ9

ニ ュ ー ロ ンプ ー ル にお い て も,繊 維 束 で み られ る の と 同 じ質 の 空 間 的 配 置 が 正 し く保 た れ て お り,皮 質 の 各 部 は特 有 の 各 繊 維 に よ っ て神 経 系 内 ま た は 身 体 抹 消 の特 定 部 位 と結 ば れ て い る。 ま た,一 方 で は,ニ ュー ロ ンプ ー ル相 互 間 に もそ れ ぞ れ を互 い に結 び付 け る短 い繊 維 束 群 が あ っ て,信 号 が プ ー ル 自体 の 内 部 で ニ ュ ー ロ ンか らニ ュ ー ロ ンへ と水 平 的 に ひ ろ が る よ う に な っ て い る。 大脳 皮 質 以 外 の ニ ュ ー ロ ンプ ー ル の 例 と して は,大 脳 基 底 核,小 脳,中 脳,橋,延 髄 な どに あ る特 殊 核 が 挙 げ られ る。

ニ ュ ー ロ ン プ ー ル は,"入 力"繊 維 と"出 力"繊 維 で構 成 され て お り,各 入 力 繊 維 は,そ の先 端 が 数 百 本 に枝 分 か れ しそ の終 末 部 の 原 繊 維 は,ニ ュ ー ロ ン プ ー ル 内 の 神 経 細 胞 の 体 部 や樹 状 突 起 の 部 分 に シ ナ プ ス を作 っ て接 して い る 。 シ ナ プ ス が 接 して い る神 経 細 胞 は 出力 繊 維 につ な が っ て い る。 入 力 繊 維 が枝 分 か れ して 出 力 繊 維 に シ ナ プ ス で 接 して い る領 域 は 「 興 奮 野 」 と呼 ば れ る 。

こ の よ う な構 造 の ニ ュ ー ロ ン プ ー ル 内 で は,色 々 な 情 報 処 理 が 行 わ れ て い る が,以 下 に主 な メ カニ ズ ム を示 す 。

・閾興 奮 と 閾 下興 奮

ニ ュ ー ロ ンプ ー ル の興 奮 野 で発 生 す る興 奮 は 「 閾 興 奮 」 と 「 閾 下 興 奮 」 に分 類 さ れ る 。 前 者 は,シ ナ プ ス が接 して い る細 胞 繊 維 が つ なが っ て い る 出力 繊 維 に興 奮 を起 こす もの で,こ の た め に は,多 数 の シ ナ プ ス が 同 じ組 織 に 対 して 同期 的 ま た は 連 続 的 に刺 激 を与 え な け れ ば な らな い 。 後 者 の 閾 下 興 奮 の 場 合 は,出 力 繊 維 に興 奮 は 起 こ して い な い が,他 の 原 因 の 作 用 に よ っ て,興 奮 が 起 こ りや す い 状 態 に な っ て い る こ と を言 う。

・閾 下 興 奮 の"収 束"で お こ る興 奮

閾 下 興 奮 に あ る神 経 細 胞 に対 して,他 の 入 力 繊 維 の シ ナ プ ス か らの刺 激 が 加 え ら れ る こ と に よ っ て,そ の神 経 細 胞 が 興 奮 状 態 に な る こ と を 「 収 束 」

とい う。

・ニ ュ ー ロ ンプ ー ル にお け る 抑 制(抑 制 回 路)

ニ ュー ロ ンの 中 に は興 奮 性 の伝 達 物 質 で は な くて 抑 制 性 の伝 達 物 質 を 分

泌 す る も の が あ る。 い わ ゆ る 「 抑 制 回 路 」 と よば れ る もの で,興 奮 信 号 を

(18)

抑 制 信 号 に変 え る働 きを す る。

・収 束

先 に説 明 した 「 収 束 」 と は,1つ の 出 力 繊 維 に つ なが る神 経 細 胞 が,複 数 の シナ プ ス か ら同 期 的 に刺 激 を うけ て い る場 合 で あ るが,刺 激 を与 え て

い る シナ プ ス が 同 じ入 力 繊 維 の 枝 分 か れ の 結 果 の場 合 と,異 な る 入 力 繊 維 の シ ナ プス が 同 じ神 経 細 胞 に 働 い て い る場 合 との分 類 され る。

・発 散

発 散 と は,1つ の 入 力 繊 維 の 興 奮 が そ の ニ ュ ー ロ ンプ ー ル の多 数 の 出力 繊 維 を 興 奮 させ る場 合 を い う。 要 す る に,入 力 繊 維 の枝 分 か れ先 の 多 くの

シ ナ プ ス が,異 な る 出 力 繊 維 を 刺 激 す る場 合 で あ る 。

・後 発 射

上 記 した 収 束 や 発 散 な ど の メ カニ ズ ム は,ほ と ん ど瞬 間 的 に行 わ れ る も の で あ る が,実 際 に は,1つ の信 号 の 出力 が ニ ュ ー ロ ンプ ー ル か ら出 る場 合,し ば しば,時 間 的 に延 長 さ れ た 多 数 の発 射 の 形 で 出 され,入 力 信 号 終 了 後 も続 く場 合 が 多 い 。 これ を後 発 射 とい う。後 発 射 発 生 の 機 構 に は,「 シ ナ プス 性 後 発 射 」,「並 列 回 路 型 後 発 射 」,「反 響(発 信)回 路 型 後 発 射 」 な

どが あ る。

(2)ホ ル モ ン に よ る制 御 機 能6)

生 体 に お け る制 御 は,先 に概 要 を説 明 した 神 経 系 の もの と,液 性 ・内分 泌 液 性 の もの に分 け られ る。 一 般 的 に,神 経 性 の 制 御 は,速 や か に 発 現 し,持 続 時 間 が 短 く,限 局 性 で あ るが,内 分 泌 性 の 制 御 は これ と対 照 的 に 比 較 的 に ゆ っ く り発 現 し,作 用 時 間 が 長 く,作 用 部 位 が 広 い こ とが 多 い 。 しか し,こ れ ら両 者 は別 個 に 働 い て い る わ け で な く,先 に述 べ た 下 位 脳 レベ ル(具 体 的 に は視 床 下 部 な ど)に お い て密 接 な 関 連 を保 ち,全 体 と して合 目的 的 な制 御 を行 っ て い る。

内 分 泌 液 の 中 で 最 も代 表 的 な もの が ホ ル モ ンで あ る 。

ホ ル モ ン は腺 細 胞 や 神 経 分 泌 細 胞 に よ って 生 成 され,細 胞 を 取 り巻 く外 液 の

化 学 的刺 激 や 神 経 性 イ ンパ ル ス に応 じて 細 胞 か ら放 出 さ れ,血 液 を介 して標 的

(19)

情 報 の特 質 と情 報活 用 要件 に関す る研 究

221

器 官 に到 達 す る。 そ こで 発 現 す る作 用 は,分 泌 を促 進 した 刺 激 な り原 因 を取 り 除 い た り,打 ち消 した りす る 方 向 に働 く。

ホ ル モ ンの 作 用 に 最 も特 異 的 な こ と は,動 物 の 種 に よ る差 が ほ とん ど な く, 臓 器 に特 有 な 作 用 を 示 す こ とで あ る。 そ の 作 用 は,標 的器 官 の活 動 を 定 量 的 に 調 節 す る こ と に あ り,具 体 的 な 作 用 の上 か らお お ま か に 分 類 す る と,以 下 の よ

う に な る 。

・酸 化 や 電 解 質 代 謝 な ど に 関係 す る代 謝 性 の作 用 ・成 長 の よ うな 形 態 発 生

・内分 泌 腺 相 互 の調 整 ・性 や 生 殖 ・性 格 な ど高 次 神 経 活 動 へ の 影 響

(3)生 体 に お け る情 報 処 理 機 能 か ら言 え る こ と

先 述 した(1)お よび(2)で,生 理 学 の 分 野 で 既 に解 明 され て い る生 体 内 の 情 報 処 理 に 関 連 す る 事 柄 の 概 要 に つ い て 説 明 した が,特 に取 り上 げ た い事 柄 は8点 で あ る。 以 降 に,社 会 に お け る 情 報 処 理 に 対 応 させ た場 合 の 考 察 と と も に そ の8 点 を示 す 。

1)神 経 性 の 制 御 は 速 や か に発 現 し,持 続 時 間が 短 く限 局 的 で あ る が,内 分 泌 性(ホ ル モ ン)の 制 御 は,比 較 的 に ゆ っ く り発 現 し,作 用 時 間 が 長 く,作 用 部 位 が 広 い こ とが 多 い 。 しか し,こ れ ら両 者 は別 個 に働 い て い る わ け で な く,下 位 脳 レベ ル(具 体 的 に は視 床 下 部 な ど)に お い て密 接 な 関連 を保 ち,全 体 と し て 合 目的 的 な制 御 を行 っ て い る。

こ の こ と は,知 覚 受 容 器 に よ っ て収 集 され た知 覚 情 報 も,目 的 に応 じて色 々 な反 応 をす る こ と を示 して い る。 要 す る に 目的 を正 し く認 識 しな け れ ば,有 効 な情 報 も適 正 な反 応 に結 び付 け ら れ ず,そ の 価 値 を 失 っ て しま う こ と に対 応 す る。 した が っ て,第3編 第9章2)の 情 報 活 用 要 件 『(2)目 的 を正 し く認 識 しな け れ ば情 報 を有 効 活 用 す る こ とが で き な い こ と』 に対 応 す る事 実 と考 え る こ とが で き る。

2)皮 質 の 各 部 位 は場 所 に よ っ て特 定 の 機 能 に 限 局 し て い る 。

大 脳 皮 質 の各 部 位 は場 所 に よ っ て特 定 の 機 能 の 限 局 して い る とい う事 実 は,

情 報 の伝 達 先 が情 報 に応 じて 適 切 化 され て い る とい う こ とに相 当 す る。 具 体 的

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に は,第3編 第9章2)に 示 した 情 報 活 用 要 件 との 対 応 をみ る と,イ ン フ ォー マ ル情 報 に関 す る(8)の要 件,定 型 的 な情 報 に 関す る(9)の条 件,情 報 を伝 え る 相 手 の技 能 に応 じた⑬ の 要 件 に 該 当 す る。

3)大 脳 皮 質 な どの ニ ュ ー ロ ン プ ー ル で 行 わ れ て い る 情 報 処 理 に お い て は,入 力 繊 維,出 力 繊 維 お よ び そ の 接 合 部 分 の 興 奮 野 に お け る シ ナ プ ス の 分 岐 な ど

に よ っ て,閾 興 奮,閾 下 興 奮,収 束,発 散,後 発 射 な ど高 度 な メ カニ ズ ム が機 能 して い る。

こ の事 実 は,情 報 活 用 者 や 情 報 活 用 組 織 の 行 う情 報 処 理 の様 に,多 様 な情 報 を扱 う場 合 に は,高 度 な処 理 メ カニ ズ ム が 必 然 的 に 必 要 と な る こ と を示 唆 して い る。 した が っ て,第3編 第9章2)の 情 報 活 用 要 件 と の対 応 をみ る と,個 人 の 技 能 と い う面 で(3),ま た 組 織 の備 え る メ カ ニ ズ ム とい う面 で は⑳ に 対 応 す る 。 4)知 覚 受 容 器 に は,視 覚 受 容 器,聴 覚 受 容 器,体 表 の 蝕 受 容 器 な ど色 々 な種 類 が あ り,そ れ ぞ れ が,そ れ ぞ れ の 機 能 を用 い て正 し く外 部 の情 報 と知 覚 し, 神 経 系 に伝 えて い る 。

組 織 に お い て,情 報 を正 し く取 り込 み,そ れ を正 し く伝 え る こ とは,情 報 活 用 者 の 情 報 収 集 技 能 と情 報 表 現 技 能 に対 応 す る。 第3編 第9章2)の 情 報 活 用 要 件 で は(3)と(7)に該 当す る。

5)知 覚 受 容 器 に よ っ て 収 集 さ れ た 情 報 は,そ れ ぞ れ 適切 な部 位(具 体 的 に は 脊 髄 レベ ル,下 位 脳 レベ ル,上 位 脳 レベ ル)に 伝 達 ・情 報 処 理 さ れ,必 要 が あ れ ば何 らか の 適 切 な 反 応 が 発 生 す る。

こ こ か らは2つ の こ とが 推 察 で き る。 まず,収 集 さ れ た 情 報 は,適 切 な部 位 に 送 られ る必 要 が あ る とい う事 で あ る。 した が っ て,情 報 活 用 者 個 人 の 技 能 と

して は 第3編 第9章2)(8),情 報 活 用 組 織 の要 件 と い う意 味 で は 第3編 第9章2) (9)に相 当す る 。 ま た,情 報 活 用 者 お よび 情 報 活 用 組 織 両 方 の 技 能 とい う意 味 で 第3編 第9章2)㈲ に も当 て は まる 。

6)神 経 路 に お け る空 間 的 配 列 機 構 に よ っ て,情 報 の発 生 部 位 を正 し く認 識 し て い る。

神 経 路 の空 間 的 配 列 機 構 に よ っ て,情 報 の発 生 部 位 を正 し く認 識 す る こ とが

(21)

情 報の特 質 と情 報活用 要件 に関す る研 究

223

で き る と い う こ と は,情 報 処 理 に お い て 活 用 す る情 報 の 信 頼 性 が 高 い こ とを 保 証 す るた め の 仕 組 み で あ る と言 え る 。した が っ て,第3編 第9章2)(6)に 該 当 す る。

7)効 率 の 良 い 生 体 制 御 を 実 施 す る た め に,入 手 した 知 覚 情 報 の99%は 無 視 さ れ て い る。

6)と 同様 に,信 頼 性 の 高 い 情 報 を用 い て,情 報 処 理 機 構 が作 動 す る とい う こ とで あ る。 同 時 に,不 要 で 価 値 の な くな っ た情 報 は破 棄 して い る こ とで もあ る。 した が っ て,第3編 第9章2)の 要 件 と して は,及 び⑫ に 相 当 す る。

8)入 手 した 知 覚 情 報 の うち 重 要 な もの の 多 くは,大 脳 皮 質 に貯 蔵 さ れ 記 憶 と な る が,情 報 に よ っ て は大 脳 基 底 核 や 延 髄 に も貯 え られ る。

2)で 述 べ た よ う に,大 脳 皮 質 は 人 問 の 進 化 の 過 程 で 視 床 下 部 が 発 達 した も の で あ る。 した が っ て,人 間 の 生 体 は発 達 と と もに,情 報 を貯 え る場 所 を用 意

した の で あ る 。

人 間社 会 に お い て,情 報 活 用 技 能 を向 上 させ る た め に は,社 会 あ る い は 組 織 の 中 に,情 報 を 貯 え る た め の シス テ ム を実 現 して い か な け れ ば な らな い 。 第3 編 第9章2)の ⑳ で言 う と こ ろ の,人 間 の 記 憶 や 知 識 を代 替 あ る い は 支 援 す る た め の機 能 を コ ン ピ ュー タ な ど を用 い て 整 備 しな け れ ば な らな い とい う こ とで あ る。

以 上 の 考 察 結 果 よ り,生 理 学 に よっ て 明 らか に され て い る生 体 の 情 報 処 理 機 能 か らの 類 推 か ら も,人 間社 会 に お け る情 報 処 理 要 件 が,図 表11,1に 示 す よ う に検 証 され た と考 え られ る 。

図表11.1生 理学 に よ って検 証 された情報 活用 要件

1)神 経 系 に よ る 迅 速 だ が 限 局 的 な生 体 対 応 と,ホ ル モ ン に よ る ゆっ く りし た発 現 だ が作 用 時 間 の 長 い 生 体 反 応 で あ る。

目 的 を 正 し く認 識 し な け れ ば, 有 効 活 用 で き な い こ と 。

(第3編 第9章2)の(2)に 対 応)

(22)

2)大 脳 皮 質 は部 位 に よ って 特 定 の 機 情 報 の 伝 達 先 が 情 報 に応 じて 適 正 化 さ

能 に 限 局 し て い る 。 れ て い る と い う事 。

(第3編 第9章2)の(8),(9),⑯ に 対 応)

5)知 覚 受 容 器 が 収 集 した 情 報 は適 切 な部 位 に伝 達 ・情 報 処 理 さ れ,必 要 に 応 じて適 切 な反応 が発 生 す る。

3)大 脳 皮 質 で は,高 度 な情 報 処 理 メ カ 情 報 活 用 者 や 情 報 活 用 組 織 で も,高 度

ニ ズ ム が 機 能 し て い る 。

な情 報 処 理 技 能 や メ カニ ズ ムが 必 要 と

な る こ と に合 致 。

(第3編 第9章2)の(3),⑩ に 対 応) 4)知 覚 受 容 器 に は,色 々 な種 類 が あ り,

情 報 活 用 者 の 情 報 収 集 機 能 と情 報 表 現 そ れ ぞ れ が そ れ ぞ れ の機 能 を用 い て正 機 能 が 高 くな けれ ば な らな い こ とに対

し く外 部 の 情 報 を取 り込 み,神 経 系 に

応 。

伝 え て い る。 (第3編 第9章2)の(3),(7)に 対 応)

6)神 経 系 の 空 間 的 配 列 機構 に よ っ て,

信 頼 性 の 高 い 情 報 を活 用 して い る こ と 情報 の発 生部 位 を正 し く認識 して い る。

に相 当。

(第3編 第9章2)の(6)に 対 応)

7)効 率 の 良 い 生 体 制 御 を実 施 す る た 信 頼 性 の 高 い情 報 を用 い る 点 と,不 要 め に,入 手 した 知 覚 情 報 の99%は 無 視 で 価 値 の な くなっ た 情 報 は破 棄 して い

し て い る 。 る こ と に 該 当 。

(第3編 第9章2)の(6),㈲ に 対 応) 8)入 手 し た 知 覚 情 報 の う ち,重 要 な

人 間社 会 にお い て,情 報 活 用 技 能 を向 もの の 多 くは,大 脳 皮 質 に貯 蔵 され 記

上 さ せ る た め に は,社 会 あ る い は 組 織

憶 と な る 。

の 中 に情 報 を貯 え る ため の シ ス テ ムが

必 要 と な る こ と に 相 当 。 (第3編 第9章2)の α1)に対 応)

第5編 個 別 現 象 にお け る情 報 有 効 活 用 の研 究 手順 に つ い て

12.個 別 現 象 に お け る情 報 有 効 活 用 の研 究 手 順 に つ い て

世 の 中 に は 色 々 な 分 野 で 情 報 問 題 が研 究 され て い る。 「 経 営 情 報 論 」,「会 計

情 報 論 」,「環 境 情 報 論 」,「福 祉 情 報 論 」,「行 政 情 報 論 」,「社 会 情 報 論 」 な どそ

の 例 は枚 挙 に い と まが な い 。 む しろ 「 情 報 論 」 とい う便 利 な接 尾 語 をつ け れ ば

何 で もあ りの世 界 に近 い。

(23)

情 報 の特質 と情 報活 用要件 に関す る研 究

225

しか しな が ら,わ れ わ れ 人 間 が 組 織 や 社 会 を形 成 し経 済 活 動 を行 い な が ら生 きて い くた め に は情 報 が 欠 かせ な い こ とは もは や 自明 で あ る。 情 報 とい う言 葉 は,日 本 で は100年 ほ ど前 に誕 生 した 比 較 的新 しい 言 葉 で あ るが,そ の 言 葉 が で き る以 前 か ら情 報 は 人 間 の あ らゆ る活 動 の あ らゆ る場 面 に お い て存 在 して い た 。 例 え ば,太 古 の昔 か ら 日本 で 行 わ れ て い る稲 作 な どの 農 業 にお い て も,天 候 や 気 温,植 え 付 け の 時期,刈 り取 りの 時 期,種 もみ の保 管 な ど色 々 な情 報 が 活 用 され て い た こ とに 間 違 い は な い 。 北 海 道 な どの 寒 冷 地 を中 心 に進 め られ た 品種 改 良 に い た っ て は,最 も優 れ た 情 報 活 用 の 一 例 と も言 え るで あ ろ う。

した が っ て,あ らゆ る社 会 の分 野 に情 報 が 存 在 す る以 上,そ れ ぞ れ の 分 野 で 情 報 を ど の よ う に有 効 活 用 す れ ば よい か と い う研 究 は極 め て重 要 と な る 。

これ まで の編 お よ び章 で は,情 報 の 中 身 を特 定 す る こ とな く,情 報 と呼 ば れ る もの の 普 遍 的 な 特 質 を示 す 属 性 や これ を有 効 活 用 す る た め の 要 件 な どを 分析 し て きた が,本 編 で は実 際 に そ れ ぞ れ の 問 題 分 野 に お い て,ど の よ う に して研 究 を進 め るべ きか とい う点 につ い て 考 察 す る。

な お,本 編 で手 順 を 示 す 研 究 内 容 は,第1編 第1章 の 図 表1.3に お け る 「 個

別 現 象 に 関 わ る原 理 」1)の 研 究 に相 当 す る。 研 究 全 体 の 手 順 と第1編 第1章1)

で紹 介 し た 「 情 報 学 の 研 究 軸 」 との 論 理 的 な 関 わ りを 図 表12.1に 示 す 。以 降 で,

図 表12.1の 手 順 に つ い て説 明 す る。

(24)

〈 図 表1.3と の 論理 的 な対 応 〉

(1)

情 報項 目と属性 、 お よび発 生 してい る現 実の 問 題 点な どを 明 らかにす る

(2)

情 報運 用者(情 報 活用 者、情 報創 造 者、 情報 発信 者)と 情報 活 用の 可能 性や情 報 活用 の あるべ き 姿を検討 す る

(3)

情報 運用 者 に求 め られ る モラ ルや 倫理 を明 らか にす る

(4)

情報 運 用者 の情報 活 用技 能、 棺報 倫理 な どに 関 す る レベ ル を評価 し

情報 提供 範囲(開 示範 囲)な ど を定め る

「 (5)

籍雛嬰享 宝鋸覆 鑛垂鱈鵬疑鷺

F (6)

情 報活 用支 援の た めの コ ン ピュー タシス テ参 お よび通 信 シス テムの ア ーキ テク チ ャー を明bか

にす る

k r、(1)

想定 され る分 野や 現象 の(S×M)の 解明

1

、 (2)

(L)の あ る べ き 姿 の 検 討 一 ノ

〔̲藩 き 姿 爾

k

r「 \(

4)

(L)の 実 態 分 析 ノ

r

(5)

実際 の システ ムの運 用 を通 じて(G )を いか に して発 生 させ(L)を

いか に して(2)、(3)の 状 態に 近づけるかという運用要件の検討ノ

「(6)、

現 実の シス テム の

検討

図 表12.1個 別 情報 問題 を検 討 す る際 の手順 と情 報 学の研 究軸 との対応

(1)情 報 項 目 と属 性,お よ び 発 生 して い る現 実 の 問 題 点 を明 ら か に す る

そ もそ も情報 問題 に関する研 究 の始 ま りは,当 該分野 に存在 す る情報 の種 類

お よ び 発 生 して い る課 題 ・問 題 の 明確 化 の 整 理 か ら始 ま る。 もち ろ ん,ど の よ

う な分 野 で も情 報 は 日 々新 た な もの が 発 生 す る の で,完 壁 な整 理 が 行 え る こ と

は な い 。 しか しな が ら,対 象 と して い る分 野 に 関 わ る あ らゆ る組 識 や 団体,現

実 の課 題 ・問 題 点 な ど を調 査 ・分 析 す れ ば,情 報 項 目 と して殆 どの も の を 把 握

(25)

情報 の特 質 と情報 活用 要件 に関す る研 究

227

す る こ と は可 能 で あ る と考 え ら れ る 。 なお,情 報 項 目 を把 握 す る だ け で な く, そ れ ぞ れ の情 報 の 属 性 情 報(第3編 第8章2)参 照)も,検 討 して お か な け れ ば な らな い 。

こ の 検 討 は,第1編 第1章1)の 表1.3に お け る 情 報 空 間(S)と 情 報 形 態(M) に よ っ て 決 定 づ け られ る(S×M)の 実 態 把 握 に相 当 す る。

(2)情 報 運 用 者(情 報 活 用 者,情 報 創 造 者,情 報 発 信 者)と 情 報 活 用 の可 能 性 や 情 報 活 用 の あ るべ き 姿 を検 討 す る

明 らか に した情 報 項 目に つ い て 分 析 し,そ の 使 い 方 お よ び想 定 され る情 報 活 用 者,情 報 創 造 者,活 用 者 へ の情 報 発 信 ・伝 達 の 仕 組 み な ど を分 析 す る 。また, 想 定 さ れ る 情 報 活 用 者,創 造 者,発 信 者 の 間 で 行 わ れ るべ き情 報 活 用 の 理 想 的

な運 用 シ ス テ ムや 制 度 も検 討 し な け れ ば な ら な い。 これ に 関 して も,あ く まで 可 能 性 を予 測 す る こ と に な る の で,100%の 厳 密 性 を確 保 す る こ と は不 可 能 と 考 え られ る が,当 該 分 野 に 関 連 す る組 織 の 機 能 や 実 態,利 害 関係 な ど を緻 密 に 調 査 す れ ば,相 当程 度 の こ とは 明 らか に で き る はず で あ る。

な お 本 フ ェー ズ は,第1編 第1章1)図 表1.3と の 対 応 で 言 え ば,(1)で 明 らか に し た(S×M)か ら人 間 に求 め られ る知 能 階 位(L)を 明確 にす る もの で あ る。

(3)情 報 運 用 者 に 求 め ら れ る モ ラル や倫 理 を明 らか に す る

情 報 運 用 者(情 報 活 用 者,情 報 創 造 者,情 報 発 信 者)に 求 め られ るモ ラ ル や 情 報 倫 理 を 明 らか に す る。 こ こで は,一 般 的 な情 報 倫 理 の 基 準 等 に 照 ら し合 わ せ て,当 該 分 野 お よ び シス テ ム で 遵 守 しな け れ ば な らな い 事 柄 を 明 らか に し, 運 用 ル ー ル を 具 体 化 す る。

この フ ェ ー ズ の 分 析 も(2)と同様 に,(1)の(S×M)か ら決 定 さ れ る 知 能 階 位

(L)を 明 らか にす る もの で あ る 。

(26)

(4)情 報 活 用 者 の情 報 活 用 技 能,情 報 倫 理 な ど に関 す る レベ ル を 評 価 し,情 報 提 供 範 囲(開 示 範 囲)な ど を定 め る

情 報 活 用 者 の 現 在 の 情 報 活 用 技 能,情 報 倫 理 な どに 関 す る レベ ル を調 査 お よ び 評 価 し,こ れ に基 づ い て 当面 の 情 報 提 供 範 囲 を定 め る 。 本 分 析 は,第1編 第

1章1)図 表1.3で 言 え ば,知 能 階位(L)の 現 状 を把 握 す る もの で あ る 。

(5)情 報 運 用 者 に よ って 形 成 され る組 織 に お け る情 報 シ ス テ ム の 各 種 運 用 要 件 を明 ら か に す る

想 定 さ れ た 情 報 運 用 者 に よ っ て 形 成 さ れ る1つ の 情 報 活 用 組 織 に お い て,情 報 を有 効 活 用 す る た め に必 要 とな る各 種 運 用 要 件 を検 討 す る。 具 体 的 に検 討 し な け れ ば な らな い 運 用 要 件 と して は 以 下 の様 な 項 目が 挙 げ られ る。

・組 織 内 で創 造 さ れ た 新 た な情 報 の 収 集 ・保 存 ル ー ル

・収 集 さ れ た 情 報 の組 織 内外 へ の 発 信 ・伝 達 ル ー ル

・発 信 さ れ た 情 報 の 有 効 活 用 の促 進 方 策

・情 報 運 用 者 の 情 報 活 用 技 能 や 情 報 倫 理 の 評価,そ れ に基 づ く開示 す る情 報 項 目 の改 訂 手 順 お よび 改 訂 検 討 まで の期 間

・コ ンピ ュ ー タ シ ス テ ム や 通 信 シス テ ム の構 築 や 運 用 ,運 営,機 能 改 修 主 体 と 関連 組 織 の 関 与 の 手 順 ・内 容

・実 際 に情 報 を流 通 させ る た め の コ ン ピ ュ ー タ シス テ ム や 通 信 シ ス テ ム の 構 築 や 運 営 に か か る 費用 の 負 担 方 式

本 フ ェ ー ズ の 検 討 は,第1編 第1章1)図 表1.3で 言 う と,知 能 階 位 の 発 生 と 転 移(G)の 仕 組 み を,現 実 の(S×M)(情 報 シ ス テ ム)の 運 用 を通 し て,

どの よ う に して 実 現 して い くか とい う検 討 に相 当 す る。

(6)情 報 活 用 支 援 の た め の コ ン ピ ュ ー タ シ ス テ ム お よび 通信 シ ス テ ム の ア ー キ テ ク チ ャ ー を明 ら か に す る

情 報 の流 通 な ど を実 際 に支 援 す る た め の コ ン ピ ュ ー タ シス テ ム や 通信 シス テ

ム を ど の よ うに 実 現 す るの か を検 討 す る。 こ の 際,関 連 組 織 が 既 に コ ン ピ ュ ー

(27)

情 報 の特 質 と情 報活 用要 件 に関す る研 究

229

タ シス テ ム を保 有 して お り,利 用 可 能 とい う場 合 も多 い の で,既 存 の シス テ ム との 機 能 的 整 合 性 な ど を確 保 しな が ら,新 規 開発 機 能 と実 現 方 法 を見 極 め,全 体 シス テ ム の構 成 や ア ー キ テ ク チ ャー な どを 明 らか に しな け れ ば な らな い 。

なお,全 体 シス テ ム と して 最 低 限 備 え な け れ ば な らな い シス テ ム機 能 は,以 下 の 通 りで あ る。

・情 報 収 集 機 能 ・情 報 保 存 機 能 ・情 報 発 信 機 能 ・情 報 源 情 報 発 信 機 能 本 フ ェ ー ズ の 検 討 は,(5)で 明 らか に さ れ た 運 用 要 件 な どに 応 じて,情 報 シス テ ム を,現 実 の シス テ ム と して どの よ う に実 現 す るか とい う検 討 に相 当 す る。

13.ポ ス ト情 報 化 社 会 に つ い て

社 会 に お け る人 間 の営 み にお い て発 生 す る様 々 な現 象 に お い て,近 年 情 報 の もつ役 割 が 大 き くな っ て きて い る こ と は事 実 で あ る。 こ の背 景 と して,既 に こ れ まで の 章 で 述 べ た様 に,情 報 通 信 技 術 の発 達 に よ っ て,膨 大 な情 報 を人 間が 取 得 ・流 通 させ る こ とが 可 能 に な っ た こ とが 大 き く寄 与 して い る。 しか し,そ の一 方 で,増 加 を続 け る情 報 洪 水 に と もす れ ば,人 間お よび社 会 が の み 込 ま れ て し ま う こ と も事 実 で あ る 。

本 稿 の 第1編 第1章1)に お い て 「'PH報 化 社 会 」 の行 き先 が は っ き り しな い と 述 べ た が,遠 い 将 来,20世 紀 末 の 時 代(要 す る に 現 代)の こ と を,"や っ と世 界 中 の 情 報 が 人 間 に よ っ て 取 得 可 能 と な り流 通 が 始 ま っ た 時 代"と して 「 情 報 化 社 会 」 あ る い は 「 情 報 化 時代 」 と称 す る よ うに な る か も しれ な い。 『 で は 現 代 の こ と を,上 に 述 べ た 意 味 で 情 報 化 社 会 と形 容 す る次 の 時 代 は,い っ た い ど の よ うな 社 会 な の で あ ろ うか?』 これ が,筆 者 の 頭 を悩 ませ て い る 最 大 の 疑 問 で あ る。 筆 者 も含 め て,多 くの 学 者 が 次 の 時代 の こ と も 「 情 報 化 社 会 」 あ る い は 「 高 度 情 報 化 社 会 」 とい う言 葉 で 表 現 して い るの か も しれ な い。

立 石 一 真 氏 は,独 自のSINIC理 論 に 基 づ い て,情 報 化 社 会 の 次 の 社 会 は,

「 最 適 化 社 会 」 で あ る と予 測 して い る。 氏 のSINIC理 論 は ,SeedIn‑

novationtoNeed‑lnnovationCyclicEvolutionの 略 で,「技 術 」の 進 歩 は 「 科 学 」

か らSeed(種)を 受 け,「 社 会 」 に イ ノベ ー シ ョ ン を お こ し,か つ 「 社 会 」

(28)

か らNeedを 受 け て 「 科 学 」 にImpetus(刺 激)を 与 え つ つ 進 歩 し て い くこ と を軸 に 展 開 され る と い う理 論 で あ る。 こ れ に よ る と,「 情 報 化 社 会 」 は 「 電 子 制 御 技 術 」 に よ っ て 影 響 を う け て 成 立 し た社 会 と位 置 づ け ら る。 ま た,「 電 子 制 御 技 術 」は科 学 的 に は 「バ イ オ ネ テ ィ ッ ク ス」に影 響 を及 ぼ し,こ れ に よ っ て,次 世 代 の 技 術 と して 「 生 体 制 御 技 術 」が 成 立 し,そ の結 果 が 「 最 適 化 社 会 」 が 到 来 す る と され て い る 。さ らに,そ の 次 の 社 会 は 「 精 神 生 体 技 術 」に よ っ て 「自 律 社 会 」 が 到 来 す る と して い る(図 表13.1参 照)。23)

筆 者 は,必 ず し も立 石 一真 氏 の予 測 に全 面 的 に 賛 同 す る もの で は な い が,確 か に 「 情 報 を有 効 に活 用 す る」 とい う こ と は 「 無 駄 」 の な い 「 最 適 な社 会 」 に 通 じる 。 しか し,同 時 に多 様 化 した個 々 の 人 間(情 報 活 用 者)の 個 性 は,こ れ ま で 以 上 に尊 重 さ れ な けれ ば な ら

社会 技術 科学

な い の も事 実 で あ る 。 した が っ て 自勤化社会 サく∫ 膀㌘ イ 「 最 適 化 」 と言 っ て も,制 御 理 論 や コ ン ピ ュー タ等 に 支 配 さ れ た 機

バ イオネ子 イ ツクス

u

サイ コネ ティ ツクス

u

メ タ ・サ イ コ ネ テ ィ クス

図 表13。1SlNlC理 論 に よ る将 来 予 測

械 的 な 最 適 化 で な い こ とだ け は 明 らか で あ る 。

本 稿 第3編 第9章?)で 示 した情 報 活 用 要件 にお い て も,情 報 活 用 の 各 種 技 能 ば か りで な く,倫 理 や モ ラ ル の 向 上 が 必 要 とい う こ とが 示 され た が,こ れ らの 点 を勘 案 す る と,次 の社 会 は,立 石 氏 の い う

「 最 適 化 社 会 」 と そ の次 の 「自律

社 会 」が 同 時 に実 現 した よ うな 「 最

適 化 自律 社 会 」 の 様 な もの で な け

れ ば な らな い と考 え られ る 。 つ ま

り,社 会 全 体 と して 最 適 化 され て

い る も の の,そ れ ぞ れ の構 成 要 素

(29)

情 報 の特 質 と情 報活 用要件 に関す る研 究

231

(各種 組 織 や 個 人 な ど)が 自律 して い な け れ ば な らな い(自 分 で 自分 の 行 動 を 制 御 しな け れ ば な らな い)と い う意 味 で あ る 。 この 様 な社 会 を実 現 す る た め に は,各 構 成 要 素 た る組 織 や 個 人 が,か な り高 い レベ ル の モ ラル や 倫 理 を 身 につ け,自 律 と同 時 に共 生 に 配 慮 しな け れ ば な らな い こ とは言 う まで も な い 。

そ の た め に は,情 報 に 限 らず,社 会 を構 成 して い る個 別 分 野 毎 に,守 る べ き 倫 理 や モ ラ ル を明 確 化 す る こ とが 必 要 と な る 。

情 報 な どの社 会 資 源 が,無 駄 な く有 効 に活 用 され,人 間 が 個 人 お よ び所 属 す

る組 織 の 一 員 と して高 い倫 理 や モ ラル を 身 に つ け て こそ 実 現 され る 「 最 適 化 自

律 社 会 」 を21世 紀 に本 当 に 実 現 す る た め に は,情 報 の 中 身 や 内 容 を 中心 と した

社 会 現 象 に 関 す る分 析 や研 究 が 大 き く寄 与 す る こ と は 間違 い と考 え られ る 。 そ

の た め の 一 助 と して,本 稿 で 示 した 情 報 学 の体 系1),情 報 属 性 の 構 造2),情 報

活 用 要 件2),情 報 有 効 活 用 の研 究 手 順 等 の分 析 結 果 が微 力 なが ら も役 立 て ば 望

外 の 喜 び で あ る こ とを記 して 結 言 とす る。

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