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Academic year: 2021

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論文内容要旨

Evaluation of CYP2D6 Protein Expression and Activity in the Small Intestine to Determine its Metabolic Capability in the Japanese Population

日本人における小腸 CYP2D6 の発現と活性の評価

Biological and Pharmaceutical Bulletin,Vol.40 No.9.2017 掲載予定 病理系薬理学(臨床薬理学分野)専攻 川上桃子

チトクローム P450(CYP)2D6 はオピオイドや抗不安薬などの重要な薬物 の代謝に関与する。また、日本人においては、CYP2D6 の(変異型)遺伝 子多型が多く存在し、経口投与された薬物の初回通過効果に影響する可能 性が考えられる。これまで白人においては、いくつかの CYP が小腸で発現 していることが報告されているが、日本人では、CYP3A4、CYP2C19 以外に 報告がない。そこで本研究では、日本人小腸における CYP2D6 のmRNA 量、

蛋白量および酵素活性を測定し、小腸 CYP2D6 の薬物代謝機能を評価した。

空腸組織の正常部位は、膵頭十二指腸切除術を受けた 31 人の患者から文 書で同意を得て使用した。比較対象として肝疾患患者からの非病変部位の 肝臓組織を用いた。遺伝子多型は、ダイレクトシークエンス法で、mRNA 量は real time RT PCR 法、蛋白量は Western Blot 法で評価した。酵素活 性はブフラロールを基質とし HPLC で測定した。蛋白の局在は免疫組織染 色を行った。小腸組織の CYP2D6 蛋白は、粘膜上皮細胞や杯細胞での発現 を確認した。CYP2D6 の遺伝子型は、*1/*1、*1/*10、*10/10 がそれぞれ、

29%(n=9)、35.5%(n=11)、35.5%(n=11)であった。CYP2D6 の蛋白量および 酵素活性値には有意な正の相関がみられた。遺伝子型別に評価すると、

*10/*10 では mRNA 発現量が多かったが、蛋白量および活性値に有意な差 は認められなかった。また、小腸の CYP2D6 蛋白量と活性値は、肝臓に比 較して有意に低値を示した。以上のことから、日本人小腸において CYP2D6 の発現は確認できたが、肝臓と比較しその代謝能は低く、CYP2D6 で代謝 される薬物の初回通過効果に与える影響は相対的に低いことが示唆され た。

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