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團 教育研究員研究報告書

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Academic year: 2021

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(1)

高等学校

平 成6年 度

教 育 研 究 員 研 究 報 告 書

東 京 都 教 育 委 員 会

(2)

平 成6年 度

教 育研 究 員(高 校 ・地 理 歴 史)名 簿

西

立 上 野 岡 高

立 武 蔵 村 山 高

蔵 前 工 業 高

教育庁指導部高等学校教育 指導課

主 任 指 導 主 事 主 任 指 導 主 事

(3)

研 究 主 題 国 際 化 す る 社 会 と異 文 化 へ の 理 解 を 深 あ る授 業 展 開 の 工 夫 一 生 徒 の 実 態 に 合 わ せ た 教 育 メ デ ィ ア の 工 夫 一

1

OQ4

主 題 設 定 の 理 由 と 研 究 の 経 過

明 治 期 の 欧 州 に お け る 日 本 観 一 ビ ゴ ー ・ワ ー グ マ ン な ど を 題 材 と して 一 19世 紀 後 半 の 欧 州 に お け る 日本 観

博 覧 会 の 時 代 一 そ の 社 会 的 、 歴 史 的 意 義 一 日 本 の 近 代 化 の 過 程 に み る 上 野 公 園

明 治 の 日本 と 日 本 人 を 描 い た フ ラ ン ス 人 画 家 ・ ビ ゴ ー 近 代 ジ ャ ー ナ リズ ム の 成 立 と そ の 影 響

H民 族 共 存 へ の 取 り組 み

OJ

パ レ ス チ ナ に お け る 共 存 の 試 み

人 種 共 存 社 会 一 南 ア フ リカ 共 和 国 を 事 例 と して 一 ベ ル ギ ー に お け る民 族 共 存

地域 の文化的特性 の考察

00040

フ ィ リ ピ ン の 食 文 化 一異 な る 食 文 化 の 受 容 一

「世 宗 」 の 事 績 一 ハ ン グ ル(創 民 正 音 ・大 い な る 文 字)創 製 を 中 心 と し て 一 近 代 の 北 海 道 と ア イ ヌ民 族 一 明 治 政 府 に よ る 同 化 政 策 一

東 京 に お け る 大 正 〜 昭 和 初 期 の 生 活 文 化 一 あ る 俸 給 生 活 者 の 一 日 一

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… …18

ア メ リ カ ニ ズ ム の 解 読

013

(4)

研 究 主 題 国 際 化 す る 社 会 と 異 文 化 へ の 理 解 を 深 め る 授 業 展 開 の 工 夫 一 生 徒 の 実 態 に 合 わ せ た 教 育 メ デ ィ ア の 工 夫 一

主 題 設 定 の 理 由 と研 究 の経 過

人 の 国 際 化 が 急 速 に 進 展 す る 現 代 の 日本 社 会 で は 、 異 文 化 と の 接 触 機 会 が 増 大 し、 多 様 な 文 化 を 受 容 し理 解 を 深 め る こ と が 求 め ら れ て い る 。 そ こで 、 本 部 会 で は 、 真 の 国 際 理 解 に基 づ き 、 望 ま し い 交 流 の で き る 生 徒 の 育 成 を 目指 し 、 明 治 期 の 欧 州 に お け る 日 本 観 、 民 族 共 存 へ の 取 り 組 み 、 地 域 の 文 化 的 特 性 の 考 察 、 三 っ の 視 点 か ら研 究 主 題 に 迫 る こ と に し た 。 ま た 、 生 徒 の 能 力 や 価 値 観 な ど の 多 様 化 の 進 展 の 中 で 、 学 習 指 導 で の 個 性 化 ・特 色 化 が 一 層 求 め られ て い る 。 そ こ で 、 学 習 内 容 の 工 夫 と 合 わ せ て 、 生 徒 の 実 態 に 合 わ せ た 教 育 メ デ ィ ア の よ り一 層 の 活 用 も 試 み た 。 な お 、 本 部 会 は 教 育 メ デ ィ ア を 、 地 図 ・年 表 ・各 種 統 計 ・年 鑑 ・白書 ・新 聞 ・読 み 物 ・ そ の 他 の 資 料 及 び 各 種 教 育 機 器 な ど 、 広 く と ら え た 。

1明 治 期 の 欧 州 に お け る 日本 観 一 ビ ゴ ー ・ ワ ー グ マ ン な ど を 題 材 と し て 一

欧 米 な ど世 界 の 国 々 に お け る 日本 社 会 へ の 認 識 は 、 近 代 化 の 始 ま っ た 明 治 時 代 か ら、 欧 米 列 強 と対 立 した 第 二 次 世 界 大 戦 ま で の 時 期 に 比 べ る と大 き く変 化 し た 。 日 本 は 、 か っ て 欧 米 よ り

「ジ ャ ポ ニ ス ム 」 や 「黄 禍 」 な ど の イ メ ー ジを 付 与 さ れ 、 真 の 理 解 を 得 ら れ て い な か っ た 面 も あ っ た 。 しか し、 逆 に 、 現 代 の 日本 は 、 世 界 の 国 々 に 対 し て 、 同 様 に 一 面 的 理 解 を し て い る と こ ろ も あ る 。 そ こ で 、 こ の グ ル ー プ で は 、 明 治 期 の 日本 と欧 州 との 交 流 の 中 で 描 か れ た ビ ゴ ー ・ ワ ー グ マ ンの 素 描 を 素 材 と し て 、 明 治 期 の 欧 州 に お け る 日本 観 を 、 「19世 紀 後 半 の 欧 州 に お け る 日本 観 」 「博 覧 会 の 時 代 」 「近 代 化 の 過 程 に み る上 野 公 園 」 「明 治 の 日 本 と 日 本 人 を 描 い た フ ラ ン ス 人 画 家 ・ ビ ゴ ー 」 「近 代 ジ ャ ー ナ リズ ム の 成 立 と そ の 影 響 」 の 五 っ の テ ー マ を 通 し て 、 歴 史 学 習 の 中 で 考 察 さ せ 、 異 文 化 に 対 す る理 解 を 深 め さ せ る授 業 展 開 の 工 夫 を 試 み た 。 民 族 共 存 へ の 取 リ組 み

冷 戦 終 結 以 後 の 世 界 各 地 で 多 発 す る民 族 問 題 を 理 解 す る に は 、 政 治 ・経 済 制 度 な ど の 視 点 か ら の 考 察 ば か り で は な く、 宗 教 、 言 語 、 歴 史 的 経 験 な ど を 背 景 と して 形 成 さ れ る民 族 文 化 や 民 族 意 識 へ の 認 識 を 深 め る こ と が 重 要 で あ る 。 そ こ で 、 こ の グ ル ー プ で は 多 発 す る民 族 問 題 の 中 で 、 特 に 、 民 族 の 共 存 を 指 向 し っ つ あ る地 域 に 注 目 し、 「パ レ ス チ ナ に お け る 共 存 の 試 み 」 「人 種 共 存 社 会 」 「ベ ル ギ ー に お け る 民 族 共 存 」 の 三 つ の テ ー マ を 取 り 上 げ 、 民 族 の も っ 多 様 な 文 化 的 な 価 値 観 や 意 識 を 理 解 さ せ る と と も に 、 そ の 解 決 の 方 策 を 考 察 さ せ 、 国 際 化 す る 日 本 社 会 に お い て 異 文 化 理 解 を 深 め さ せ る授 業 展 開 の 工 夫 を 試 み た 。

地 域 の 文 化 的 特 性 の 考 察

国 際 化 す る 現 代 の 世 界 に お い て 、 各 地 域 の 文 化 は 表 層 面 で 同 質 化 す る 一 方 、 基 層 面 で は 地 域 の 独 自 性 が 存 在 し、 文 化 の 重 層 性 が 一 層 進 展 し て い る 。 国 際 社 会 に 生 き る 生 徒 は 地 域 文 化 の 独 自 性 と同 質 性 を 認 識 し、 地 域 文 化 を 様 々 な 面 か ら再 発 見 、 再 評 価 す る こ とが 大 切 で あ る 。 そ こ で 、 こ の グ ル ー プ で は 、 地 域 文 化 の 持 っ 多 面 性 に 注 目 して 、 「フ ィ リ ピ ン の 食 文 化 」 「世 宗 の 事 績 」「近 代 の 北 海 道 と ア イ ヌ 民 族 」「東 京 に お け る 大 正 〜 昭 和 初 期 の 生 活 文 化 」「ア メ リカ ニ ズ ム の 解 読 」 の 五 っ の テ ー マ を 取 り上 げ 、 異 文 化 を 実 感 的 に 理 解 さ せ る 授 業 展 開 の 工 夫 を 試 み た 。

(5)

1明 治 期 の 欧 州 に お け る 日 本 観 一 ビ ゴ ー ・ ワ ー グ マ ン な ど を 題 材 と し て 一

1.19世 紀 後 半 の 欧 州 に お け る 日 本 観

(1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由19世 紀 後 半 の 欧 州 に お け る 日 本 観 は 、 明 治 維 新 以 降 の 近 代 化 の 推 進 に お け る 「後 進 国 の 優 等 生 」 時 代 、 そ れ と は 逆 に 、 日 清 戦 争 後 の 欧 米 列 強 に 強 い 警 戒 感 を 与 え た 「黄 禍 」 時 代 に 大 別 さ れ る 。 近 代 化 の 推 進 に よ る 日本 の 強 国 化 が 、 欧 米 列 強 の ア ジ ア 諸 国 へ の 進 出 と利 害 対 立 し、 ま た 、 日 本 な ど ア ジ ア 諸 国 へ の 人 種 的 偏 見 を 助 長 し た と す る な ら ば 、 「黄 禍 論 」 は 、19世 紀 後 半 の 日本 な ど ア ジ ア 諸 国 に 対 す る 偏 見 を 伴 っ た 理 解 で あ る と 言 え る 。 こ う し た 、19世 紀 後 半 の 欧 州 に お け る 一 面 的 な 日本 理 解 は 、 現 代 の 日 本 社 会 に お け る ア ジ ア ・ア フ リカ な ど 発 展 途 上 国 に 対 す る理 解 と 同 じ様 な 構 図 を 描 い て い る 面 も あ る 。 そ こ で 、 ビ ゴ ー ・ワ ー グ マ ン の 素 描 を 素 材 に 、 欧 州 か ら 見 た 日 本 の 近 代 化 の 姿 を 理 解 さ せ る と と も に 、 「黄 禍 論 」 の 背 景 や 当 時 の 国 際 社 会 へ の 影 響 を 考 察 さ せ る こ と を 通 し て 、 国 際 化 す る 日本 社 会 に お け る 、 真 の 相 互 理 解 に 基 づ く国 際 交 流 へ の 認 識 を 深 め る こ と を ね ら い と して 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。

本 時 の ね ら い 本 時 で は ドイ ッ皇 帝 ヴ ィ ル ヘ ル ム2世 か ら ロ シ ア 皇 帝 ニ コ ラ イ2世 に 贈 られ た 「黄 禍 の 図 」 と 手 紙 を 紹 介 し、19世 紀 後 半 の 欧 州 に お け る黄 禍 論 の 発 生 が 、 明 治 期 の 日 本 へ の 理 解 に ど の よ う に 影 響 し た か を 考 え さ せ る 。 ま た 、 黄 禍 論 が 生 ま れ た 背 景 や 、 基 本 的 な 考 え 方 に っ い て の 認 識 を 深 あ さ せ る こ と を 通 して 、 現 代 の 人 種 問 題 な ど を 考 察 さ せ る 。 な お 、 本 時 は 「日 本 の 近 代 化 と 国 際 交 流 」 の 中 で 取 り上 げ 、 「ビ ゴ ー ・ワ ー グ マ ン の 素 描 集 か ら見 た 欧 州 に お け る 日 本 観 」、 「ア ジ ア ・ア フ リカ に お け る帝 国 主 義 の 進 展 」、 「上 野 の 地 域 調 査 」 の4時 間 構 成 の 第2時 限 に あ た る 。 新 学 習 指 導 要 領 で は 、 「世 界 史A」 の 「(3)19世 紀 の 世 界 の 形 成 と 展 開 」 の 「㈲ ア ジ ア 諸 国 の 変 貌 と 日本 」、 「世 界 史B」 の 「⑤ 近 代 と 世 界 の 変 容 」 の 「㈲ ア ジ ア 諸 国 と ヨ ー ロ ッパ の 進 出 」 で 扱 う 。

(3)展

学 習 項 目

・前 時 の 復 習

○ ビ ゴ ー ・ ワ ー グ マ ン の 素 描 プ リ ン ト に っ い て の コ ・素 描 プ リ ン ト

・明 治 期 日 本

メ ン トを 発 表 し 、 共 通 理 解 を 図 る 。

・ ワ ー ク シ ー ト 配

へ の 欧 州 の イ

○ ワ ー ク シ ー トの 作 業 を 通 し て 、 授 業 に お け る 基 本

メ ー ジ 的 事 項 を 理 解 す る 。

・ 「黄 禍 論 」 ○ 「黄 禍 の 図 」 と 「ウ ィ リ ー か ら ニ キ へ の 手 紙 」 を

・ ワ ー ク シ ー

の発生 紹 介 し、 黄 禍 論 に っ い て の 歴 史 的 背 景 を 理 解 す る 。 ・資 料 「黄 禍 の 手

紙 ・図 」

・ 日 本 に お け

○ 明 治 期 の 日本 に お け る知 識 人 ・政 治 家 ・官 僚 が ど

・ 資 料 「行 人 」

る欧州理 解 の よ う な 欧 州 理 解 を し て い た か に 着 目 す る 。 「そ れ か ら」 「親 独

家 」

(6)

・ 日 本 に お け

○ 明 治 期 の 日本 に お け る 、 外 国 風 俗 の 流 行 に っ い て ・ ワ ー ク シ ー

る 外 国 風 俗 の

理 解 す る 。

・資 料 「日本 人 像

流行 ① 色 眼 鏡 の 流 行 の 背 後 に あ る 国 際 的 な 問 題 に っ い の ル ー ツ 」 「 ド イ

ッ 皇 太 子 の 来 日 」

②色眼鏡 の流行を通 して見 た明治期 の 日本 人 の意 「色 眼 鏡 」

・ 「黄 禍 論 」

○ 英 国 に よ り保 護 国 化 さ れ て い た エ ジ プ ト人 の 心 情

・資 料 「日 本 の 乙

の国際的 な影 を 通 して 、 ア ラ ブ 諸 国 の 人 々 の 意 識 を 理 解 し 、 「黄 女 」

響 と 目 的 禍 論 」 が 与 え た 民 族 独 立 運 動 へ の 影 響 を 考 察 す る 。 ・ ワ ー ク シ ー

・ 「黄 禍 論 」

○ 「黄禍論 」によ る最初 の外交上 の影響 が三 国干 渉 ・資 料 「日清 戦 争 」

の変化

で あ っ た こ と を 理 解 す る 。

「列 強 」 「西 洋 へ の

○ 日露 戦 争 前 後 、 各 種 マ ス メ デ ィ ア に よ り流 入 し た 道 」

日本 に っ い て の 大 量 の 情 報 が 、 欧 米 に お け る 「黄 禍 ・ ワ ー ク シ ー ト 作

論 」 を 変 質 さ せ た こ と を 理 解 す る 。

(4)評 価 の 観 点 ①19世 紀 後 半 の 欧 州 に お け る 日 本 観 の 形 成 を 、 ビ ゴ ー ・ ワ ー グ マ ンの 素 描 を 通 し て 考 察 す る こ と が で き た か 。 ②19世 紀 後 半 に お け る マ ス メ デ ィ ア の 報 道 の 様 子 を 通 し て 、 明 治 期 の 日本 が ど の 様 に 理 解 さ れ 、 ま た 、 外 国 を ど の 様 に 理 解 し た か を 認 識 す る こ と が で き た か 。 ③ 「黄 禍 論 」 が 、 列 強 の 植 民 地 主 義 に 対 す る ア ラ ブ 諸 国 の 民 族 意 識 の 昂 揚 と 独 立 運 動 に も結 び っ い て い る こ と を 理 解 す る こ と が で き た か 。 ④ 各 種 の マ ス メ デ ィ ア を 通 し て 伝 え られ た 「黄 禍 論 」 が 、 日本 人 に ど の よ う に 理 解 さ れ 、 ま た 、 日 本 の 対 外 発 展 に ど の よ う に 影 響 し た か 理 解 で き た か 。

(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 日本 に お け る 外 国 風 俗 の 流 行 の 指 導 は 、 単 に 色 眼 鏡 の 流 行 に と ど ま らず 、 色 眼 鏡 を 着 用 し た 明 治 の 知 識 人 ・政 治 家 ・官 僚 に 対 す る 外 国 人 の 評 価 に も触 れ 、 多 角 的 に 把 握 さ せ る よ う に 配 慮 す る 。 ② ワ ー ク シ ー ト作 業 で は 、 で き る だ け ビ ゴ ー ・ ワ ー グ マ ン の 素 描 を 活 用 して 実 感 的 イ メ ー ジ を わ か せ る よ う配 慮 す る 。

2.博 覧 会 の 時 代 一 そ の 社 会 的 、 歴 史 的 意 義 一

(1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由19世 紀 後 半 か ら20世 紀 前 半 は 、 欧 米 の 産 業 ・技 術 ・文 化 が 広 く世 界 に 行 き渡 っ た 時 代 で あ る と と も に 、 博 覧 会 の 時 代 と い う こ と もで き る 。1851年 の ロ

ン ド ン万 博 を 契 機 と し て 、19世 紀 後 半 、 欧 米 各 地 で は平 均 して 約4年 毎 に 万 国 博 覧 会 が 開 催 さ れ た 。 欧 米 各 国 は 、 万 博 開 催 に よ り 各 国 へ 産 業 製 品 や 先 進 の 科 学 技 術 を 広 め た り 、 ま た 、 万 博 を 国 内 の 産 業 界 、 経 済 界 の 発 展 の 契 機 な ど に し た 。 さ ら に 、 新 た に 獲 得 し た 植 民 地 の 物 産 等 を 紹 介 した り 、 植 民 地 の 人 々 を 連 れ て 来 て そ の 集 落 を 再 現 した 展 示 等 も行 っ た 。 明 治 維 新 後 、 近 代 国 家 の 歩 み を 始 め た 日 本 は 、 積 極 的 に 欧 米 の 万 博 に 参 加 す る と と も に 、 国 内 で も 多 くの 内 国 勧 業 博 覧 会 を 開 き 、 欧 米 の 科 学 技 術 、 産 業 、 生 活 様 式 を 紹 介 す る な ど し て 殖 産 興 業 政 策 の 一 環 と した 。 日本 の 万 博 へ の 参 加 は 、 ジ ャ ポ ニ ス ム に 見 られ る よ う に 、 欧 米 に お い

(7)

て 日 本 の 伝 統 文 化 に 対 す る ブ ー ム を 引 き 起 こ し た 。 ま た 、 国 内 で 行 わ れ た 、博 覧 会 は見 世 物 、 レ ク リエ ー シ ョ ン と して の 要 素 も多 く、 庶 民 の 好 奇 心 を 引 き っ け 、 娯 楽 の 場 と し て 大 い に 盛 況 を 博 した 。 そ こ で 、 博 覧 会 に 登 場 し た 様 々 な 展 示 品 や 事 柄 を 事 例 と し て 、 博 覧 会 を 通 して 行 わ れ た 国 際 文 化 交 流 の 社 会 的 意 義 、 歴 史 的 意 義 を 理 解 さ せ る と と も に 、 明 治 期 の 欧 米 に お

け る 日本 観 、 日 本 に お け る欧 米 観 へ の 考 察 を 深 め る ね ら い と して 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。 (2)本 時 の ね ら い 本 時 は3時 間 構 成 の 第2時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 、 近 代 に お け る 日

本 の 異 文 化 理 解 、 国 際 交 流 の 概 要 を ワ ー ク シ ー ト等 で 理 解 させ る。 ま た 、 博 覧 会 を 描 い た ワ ー ク シ ー トで そ の 様 子 を 概 観 し て お く 。 本 時 で は 、 殖 産 興 業 的 性 格 と と も に 、 帝 国 主 義 的 側 面 が 見 え 始 め た り、 娯 楽 と し て の 要 素 が 多 く な っ た1970年 の 東 京 勧 業 博 覧 会 を 取 り 上 げ る 。 そ し て 、 当 時 の マ ス メ デ ィ ア を 通 じ て 、 博 覧 会 の 意 義 を 、 そ の 歴 史 的 経 緯 、 日 本 の 国 内 状 況 、 国 際 関 係 等 と 関 連 さ せ 理 解 さ せ る と と も に 、 博 覧 会 の 国 際 交 流 に 果 た し た 役 割 に っ い て 理 解 さ せ る 。 さ ら に 、 博 覧 会 の 帝 国 主 義 的 側 面 を 通 して 、 列 強 及 び 日 本 の 対 外 政 策 に お け る 博 覧 会 の 位 置 づ け に 着 目 さ せ る と と も に 、 日 本 の 近 代 化 の 意 義 を 考 察 さ せ る 。 第3時 限 で は 、 博 覧 会 の 会 場 と な っ た 上 野 公 園 の 地 域 調 査 を 行 い 、 上 野 地 域 に 対 す る理 解 を 深 め る と と も に 国 際 交 流 の 様 子 を 実 感 さ せ る 。 新 学 習 指 導 要 領 で は 、 「日 本 史A」 の 「(4)近 代 日 本 の 形 成 と 展 開 」 の 「ウ 近 代 産 業 の 発 展 と国 民 の 生 活 」、 「日本 史B」 の 「⑤ 近 代 日本 の 形 成 と ア ジ

ア 」 の 「ウ 国 際 関 係 の 推 移 と近 代 産 業 の 発 展 」 で 扱 う。

(3)展

学 習 項 目

・万 国 博 覧 会

01851年 の 第1回 ロ ン ド ン 万 博 か ら 、1904年 の セ ン ・資 料 「パ ン チ 誌 」

の 歴 史 トル イ ス 万 博 ま で の 歴 史 を 概 観 し、 万 博 や そ の 会 場 な ど

で あ る 都 市 そ の も の が 巨 大 な メ デ ィ ア 装 置 で あ る こ ・ ワ ー ク シ ー

と を 理 解 す る 。

・内 国 博 覧 会 01877年 の 第1回 内 国 勧 業 博 覧 会 か ら1907年 の 東 京 ・ ワ ー ク シ ー 勧 業 博 覧 会 ま で の 歴 史 を 概 観 し、 欧 米 の 科 学 技 術 の ・郷 土 博 物 館 の パ 摂 取 の 様 子 を 理 解 す る 。 ま た 、 第1回 内 国 博 に 出 品 ン フ レ ッ ト し た レ ン ガ 工 場 か ら明 治 期 の 殖 産 興 業 の 一 端 を 知 る。

・東 京 勧 業 博 ○ 新 聞 や 錦 絵 等 か ら東 京 勧 業 博 覧 会 の 様 子 を 知 り、 ・資 料 「虞 美 人 草 」 そ の 多 様 な 性 格 や 後 世 に 与 え た 影 響 を 理 解 す る 。

・ 日 本 の 万 博

○ ヨ ー ロ ッ パ に 与 え た ジ ャ ポ ニ ス ム や 、 ウ ィ ー ン 万

・博 覧 会 の パ ン フ

へ の 参 加 博 の 報 告 等 か ら 日 本 の 万 博 の 受 け と あ 方 を 知 り、 当 レ ッ ト

時 の 国 際 文 化 交 流 の 様 子 を 知 る 。 ・パ リ博 の 絵 葉 書 ・万 博 の 帝 国

○ 万 博 に お け る 各 国 の 植 民 地 展 示 や 日 本 の 内 国 博 で ・ ワ ー ク シ ー 主義的側面 の 台 湾 館 、 ア イ ヌ 館 な ど の 展 示 か ら、 博 覧 会 の 帝 国

主 義 的 側 面 を 理 解 す る 。

(8)

・日 本 の 近 代 化 に 対 す る 外 国 人 の 評 価

○ 近 代 化 以 前 の ゴ ロ ウ ニ ン 、 オ ー ル コ ッ ク の 日 本 に 関 す る著 作 と 、 明 治 末 の 孫 文 、 ネ ー ル の 日 本 に っ い て の 著 作 を 通 し て 日本 の 近 代 化 に 博 覧 会 が 果 た し た 役 割 や 日本 の 近 代 化 の 意 義 を 考 察 す る 。

・ ワ ー ク シ ー

(4)評 価 の 観 点 ①19世 紀 後 半 の 国 際 交 流 や 社 会 状 況 な ど を 通 して 、 博 覧 会 の 意 義 及 び 影 響 を 理 解 で き た か 。 ② 台 湾 館 や 遊 戯 施 設 等 が 登 場 し た 東 京 勧 業 博 の 様 子 か ら博 覧 会 の 多 様 な 性 格 を 理 解 で き た か 。 ③ 博 覧 会 の 役 割 が 、 帝 国 主 義 と 表 裏 一 体 と な っ て い る こ とが 理 解 で き た か 。 ④ 日 本 の 近 代 化 に 対 す る 外 国 人 の 評 価 を 対 比 して 見 る こ と で 、 日本 の 近 代 化 の 意 義 や 在

り方 を 多 面 的 に 理 解 で き た か 。

(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 素 描 、 錦 絵 、 写 真 な ど の 資 料 を 効 果 的 に 活 用 して 、 生 徒 が 主 体 的 に 考 え ら れ る よ う に 配 慮 す る 。 ② 博 覧 会 の 娯 楽 的 側 面 だ け に 着 目 し な い よ う留 意 す る 。 ③ 日 本 の 近 代 化 を 一 面 的 、 肯 定 的 イ メ ー ジ の み で 捉 え な い よ う に 留 意 す る 。

3.日 本 の 近 代 化 の 過 程 に み る 上 野 公 園

(1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由 江 戸 時 代 、 上 野 東 照 宮 、 東 叡 山 寛 永 寺 な ど の 堂 宇 の 林 立 し た 上 野 の 山 は 、 江 戸 町 人 の 遊 山 の 場 と し て 賑 わ い を 見 せ た 。 明 治 期 の 近 代 化 の 進 展 の 中 、 オ ラ ン ダ人 医 師 の ボ ー ド ワ ンの 提 言 に よ り 、 日本 初 の 西 洋 風 公 園 と し て 上 野 公 園 が 造 られ 、 園 内 に は 、 帝 室 博 物 館(現 在 の 東 京 国 立 博 物 館)や 帝 国 図 書 館(現 在 の 国 立 国 会 図 書 館 上 野 支 所)な ど 欧 風 建 物 が 建 て られ た 。 ま た 、 園 内 で は 、 し ば し ば 内 国 勧 業 博 覧 会 が 開 か れ 、 科 学 技 術 、 産 業 、 生 活 様 式 な ど の 西 欧 文 化 が 紹 介 さ れ 、 多 数 の 国 民 の 人 気 を 集 あ 、 賑 わ っ た 。 そ こで 、 明 治 期 日本 へ の 西 欧 文 化 流 入 の 窓 口 と な っ た 上 野 公 園 を 事 例 と して 取 り 上 げ 、 明 治 期 の 日 本 の 近 代 化 に 果 た し た 役 割 を 理 解 さ せ る と と も に 、 明 治 期 日本 の 近 代 化 の 様 子 に っ い て の 認 識 を 深 め さ せ る こ と を ね ら い と して 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。

(2)本 時 の ね ら い 本 時 で は 、 明 治 期 の 近 代 化 の 過 程 に お け る上 野 公 園 を 、 江 戸 時 代 及 び 現 代 と比 較 し、 西 洋 文 化 流 入 の 様 子 を 認 識 さ せ 、 同 時 に 、 歴 史 的 視 点 や 国 際 交 流 の 観 点 か ら 、 上 野 の 地 域 社 会 に っ い て 考 察 を 深 め る 。 本 時4時 間 構 成 の 第4時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 、

ビ ゴ ー の 素 描 を 通 して 明 治 期 の 日 本 の 姿 を 理 解 さ せ る 。 第2時 限 で は 、 上 野 地 域 の 歴 史 を 理 解 さ せ 、 ま た 、 上 野 公 園 の 建 造 物 の 見 学 の ポ イ ン トな ど上 野 公 園 の 地 域 調 査 の 文 献 調 査 を 行 う 。 第3時 限 で は 、 ビ デ オ の 活 用 や プ リ ン ト資 料 へ の 調 査 事 項 の 記 入 な ど に よ り、 上 野 公 園 の 地 域 調 査 を 行 う。 新 学 習 指 導 要 領 は 、 「日本 史B」 の 「⑧ 地 域 社 会 の 歴 史 と 文 化 」 で 扱 う 。

(9)

(3)展 開 例

学 習 項 目

・上 野 高 校 周 辺 に つ い て

○ 地 図 に よ り、 上 野 高 校 が 江 戸 時 代 、 寛 永 寺 の 子 院 護 国 院 の 敷 地(墓 地)で あ っ た こ と を 知 り 、 現 在 の 上 野 高 校 周 辺 と の 環 境 の 違 い を 比 較 す る 。

○ ボ ー ド ワ ン博 士 が 、 上 野 山 内 を 公 園 に す べ き と 政 府 に 建 議 した こ と を 知 る 。

・資 料 、 ワー ク シー トの 配 布

・ ビ デ オ 「上 野 公 園 に あ る ボ ー ド ワ

ン博 士 像 」

・明 治 時 代 の 上 野 公 園

・上 野 公 園 と 異 文 化 理 解

○ 江 戸 時 代 の 上 野 の 山 周 辺 と 明 治 時 代 の 上 野 公 園 と の 建 造 物 な ど の 違 い を 絵 や 素 描 、 ビ デ オ か ら理 解 し 西 欧 文 化 の 影 響 を 知 る 。

○ ペ リ ー の 「日 本 遠 征 記 」 に あ る 下 田 混 浴 の 絵 と 、 黒 田 清 輝 の 「朝 赦 」 を 対 比 し、 女 性 の 裸 体 に 対 す る 価 値 観 の 違 い に つ い て 考 察 す る こ と を 通 し て 、 西 欧 文 化 に っ い て 認 識 を 深 め る 。 ま た 、 現 代 に お け る 黒 田 清 輝 の 評 価 を 考 え る 。

○ 森 鴎 外 の 旧 居 の ビ デ オ 画 面 や 小 説 「舞 姫 」 の も と に な っ た 彼 の 体 験 な ど か ら 、 明 治 期 に お け る知 識 人 の 西 欧 理 解 に っ い て 考 え る 。

○ 上 野 公 園 で 博 覧 会 が しば しば開 か れ 、観 覧車 、 ウ ォ ー タ ー ス ラ イ ダ ー な ど西 欧 文 化 が 紹 介 さ れ 、 上 野 公 園 が 西 欧 文 化 流 入 の 窓 口 に な っ て い た こ と を 知 る 。

○ 西 欧 文 化 の 導 入 と は対 照 的 に 、 日 本 の 伝 統 文 化 が 喪 失 さ れ た こ と に っ い て も理 解 す る 。

・資 料 及 び ビ デ オ の 提 示

・写 真 「黒 田 記 念 室 内 部 」

・資 料 「下 田 混 浴 の 絵 」 「朝 赦 」

・ ビ デ オ 「森 鴎 外 旧 居 」

・小 説 「舞 姫 」

・資 料 「上 野 公 園 と博 覧 会 」

・近 代 化 の 過 程 に お け る 上 野 公 園

○ 近 代 化 の 過 程 に お け る 上 野 公 園 に っ い て ま と め る こ と を 通 し て 、 異 文 化 理 解 と は 何 か 、 国 際 交 流 と は 何 か に っ い て 考 察 す る 。

・ ワ ー ク シ ー ト の

提 出

(4)評 価 の 観 点 ① 自 分 た ち の 学 校 や 上 野 の 地 域 に っ い て 愛 着 が もて た か 。 ② 明 治 期 の 近 代 化 の 過 程 に お い て 上 野 公 園 の 果 た し た 役 割 に っ い て 理 解 が 深 あ られ た か 。 ③ 上 野 公 園 に 関 す

る 資 料 や 公 園 の 建 造 物 を 通 し て 、 明 治 期 の 近 代 化 の 様 子 に っ い て 理 解 で き た か 。

(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 明 治 期 の 上 野 公 園 へ の 西 欧 文 化 流 入 に っ い て 、 写 真 ・ ビ デ オ な ど を 活 用 し、 具 体 的 イ メ ー ジ を 持 た せ る よ う配 慮 す る 。 ② 日本 文 化 と の 比 較 を 通 し て 、 西 欧 文 化

に っ い て の 理 解 を 深 あ る よ う配 慮 す る 。

(10)

4.明 治 の 日本 と 日本 人 を 描 い た フ ラ ン ス 人 画 家 ・ビ ゴ ー

(1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由 フ ラ ン ス 人 画 家 ・ビ ゴ ー は 、 浮 世 絵 に 象 徴 さ れ る 日 本 の 民 衆 文 化 に 憧 れ 、 浮 世 絵 や 日本 画 の 画 法 を 学 ぶ た め 、1882年 に 来 日 し た 。 ビ ゴ ー は 、18年 間 に わ た る 日本 で の 滞 在 中 、 鹿 鳴 館 な ど に 象 徴 さ れ る欧 化 政 策 を 猿 真 似 と批 判 し 、 浮 世 絵 が 描 い た 市 井 の 人 々 の 生 活 を 哀 惜 を 込 め て 描 い た 。 ビ ゴ ー の 素 描 は 、 写 真 や 映 画 な ど が 未 発 達 な 時 代 に お い て 、 急 速 に 西 欧 化 す る明 治 期 の 日本 と 日本 人 を 描 い た 貴 重 な 記 録 で あ り 、 ま た 、 日 本 の 民 衆 生 活 や 文 化 の 価 値 に対 す る 、 西 欧 に お け る評 価 と して 大 き な 意 義 を も っ 。 そ こ で 、

ビ ゴ ー の 「日本 素 描 集 」、 「続 日本 素 描 集 」 を 事 例 と し て 、 欧 化 政 策 が 進 展 す る 明 治 期 の 日 本 の 生 活 文 化 の 様 々 な 様 相 を 理 解 さ せ る と と も に 、 西 欧 に お け る 日本 観 の 一 例 と して 考 察 さ せ る こ と を 通 し て 、 日本 の 伝 統 的 民 衆 文 化 へ の 認 識 を 深 め る こ と を ね らい と して 、 本 教 材 を 取

り上 げ た 。

(2)本 時 の ね ら い 本 時 は 全4時 間 構 成 の 第2時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 、 ワ ー ク シ ー ト 等 に よ り 、 明 治 期 に お け る 異 文 化 理 解 や 国 際 交 流 の 概 要 に っ い て 認 識 さ せ る 。 第3時 限 で は 、

ビ ゴ ー の 来 日 の 契 機 と な っ た 、 浮 世 絵 を め ぐ る明 治 期 に お け る 日本 と西 欧 と の 交 流 に っ い て 理 解 さ せ る 。 第4時 限 で は 、 上 野 公 園 の 地 域 調 査 を 実 施 し、 実 際 に 浮 世 絵 を 鑑 賞 す る等 の 活 動 を 通 して 、 日 本 の 近 代 化 の 過 程 に お け る西 欧 と の 交 流 に っ い て 、 理 解 を 深 め さ せ る 。 本 時 で は 、 ビ ゴ ー が 日 本 で ど の よ う な生 き 方 を した か 、 ビ ゴ ー が 明 治 の 日本 と 日 本 人 を ど の よ う に 描 い た か 、 ビ ゴ ー の 「日 本 素 描 集 」 と 「続 日本 素 描 集 」 を 題 材 と して 、 文 明 開 化 期 の 日本 社 会 に っ い て 考 察 さ せ る 。 ま た 、 「西 欧 へ の 崇 拝 」 「賛 嘆 」 「尊 敬 」 へ の 象 徴 と し て 、 鹿 鳴 館 で 繰 り広 げ られ た 舞 踏 会 と 、 伝 統 的 な 日本 の 民 衆 文 化 の 象 徴 と して の 芸 者 と の 関 わ り に 着 目 さ せ る こ と を 通 して 、 一 外 国 人 画 家 の 目 に 映 っ た 文 明 開 化 の 日 本 社 会 の 一 断 面 に っ い て 理 解 さ せ る 。 新 学 習 指 導 要 領 で は 、 「日 本 史A」 の 「(4)近代 日 本 の 形 成 と 展 開 」 の 「ア 欧 米 文 化 の 導 入 と 明 治 維 新 」、 「日 本 史B」 の 「(5)近代 日本 の 形 成 と ア ジ ア 」 の 「ア 欧 米 文 化 の 導 入 と明 治 維 新 」 で 扱 う 。

(3)展

学 習 項 目

・ ビ ゴ ー の 人 018年 間 日本 に 滞 在 し 、 日本 人 女 性 と結 婚 し て 、 一 ・ ワ ー ク シ ー ト の 物 像 と 来 日 子 を も う け た ビ ゴ ー の 人 物 像 や 浮 世 絵 の 世 界 に憧 れ 、 配布

(1882年)の

日本 美 術 の 神 髄 に じか に 触 れ て 学 び た い と決 意 し て

・資 料 「ビ ゴ ー の

目的

や っ て き た 、 来 日 の 目 的 に っ い て 理 解 す る 。

来 日 」

・鹿 鳴 館 と 欧 ○ ビ ゴ ー の 滞 日期 間 が 、 鹿 鳴 館 に 象 徴 さ れ る 、 急 速 ・資 料 「鹿 鳴 館 と 化政策 な近 代 化 や 文 明 開 化 が 進 展 す る 時 代 で あ っ た こ と を 欧化政策」

理 解 す る 。

・ ワ ー ク シ ー ト の

・ ビ ゴ ー の 批 ○ ビ ゴ ー が 、 宴 会 に う っ っ を 抜 か し 、 賄 賂 を 受 け 取 作成

り、 鹿 鳴 館 で ワ ル ツ を 踊 っ て 西 洋 人 の 猿 真 似 を し て

・資 料 「ビ ゴ ー の

い る 高 級 官 僚 を 批 判 して い る こ と を 理 解 す る 。 批 判 」

(11)

・ ビ ゴ ー の 日 ○ ビ ゴ ー が 日本 に 溶 け 込 ん で 暮 ら そ う と し、 外 国 人 ・資 料 「日 本 の 生 本 に お け る 生 居 留 地 を 出 て 麹 町 や 市 ケ 谷 に 住 み 、 ま た 、 日本 語 を 活 」

き 方 習 い 、 着 物 を 着 て 下 駄 を は い て 生 活 して い た こ と を

理 解 す る 。

・ ビ ゴ ー と 日 ○ ビ ゴ ー が 、 近 代 化 や 文 明 開 化 と は あ ま り縁 の な い

・資 料 「ビ ゴ ー の

本 の 民 衆 と の 民 衆 と の 交 流 の な か で 、 民 衆 の 姿 を 描 い た お び た だ 交 流 」

交 流 し い 数 の 素 描 を 残 した こ と を 理 解 す る 。

・ ビ ゴ ー の 離 ○ ビゴーが自由民権運動 や外国居留民 の要求 を無視

・資 料 「ビ ゴ ー の

日(1899年)

し て 、 近 代 化 へ と ひ た 走 る 指 導 者 層 を 批 判 し続 け た 離 日 」 と そ の 背 景 た め に 、 官 憲 の 弾 圧 に 直 面 し 、 日本 を 離 れ た こ と を

理 解 す る 。

・異 文 化 理 解 ○ ビ ゴ ー の 日本 に お け る生 き方 や 民 衆 と の 交 流 の な ワ ー ク シ ー ト の 作

や国際交流 の か で 描 い た 素 描 な ど か ら 、 異 文 化 理 解 や 国 際 交 流 の

在 り方 在 り方 に つ い て 理 解 を 深 め る 。

(4)評 価 の 観 点 ① 浮 世 絵 、 日 本 画 な ど 日本 の 伝 統 文 化 を 愛 し た ビ ゴ ー が 、 鹿 鳴 館 に 象 徴 さ れ る 欧 化 政 策 に 対 して 、 批 判 的 で あ っ た こ と を 理 解 で き た か 。 ② ビ ゴ ー の 作 品 が 、 日本 の 民 衆 と の 交 流 の 中 か ら描 か れ た こ と を 理 解 で き た か 。 ③ ビ ゴ ー が 、 日本 語 を 学 習 す る等 、 日 本 の 民 衆 に 溶 け込 み 、 日 本 の 民 衆 文 化 を 肌 で 感 じ と ろ う と した こ と を 理 解 で き た か 。

(5)指 導 上 の 留 意 点 ビ ゴ ー の 作 品 の 理 解 に あ た っ て は 、 視 聴 覚 機 器 な ど を 有 効 に 活 用 す る と と も に 、 取 り上 げ る 作 品 を 精 選 す る こ と を 通 して 、 指 導 内 容 の 精 選 構 造 化 を は か る よ う配 慮 す る 。

5.近 代 ジ ャ ー ナ リ ズ ム の 成 立 と そ の 影 響

(1)教 材 と して 取 り上 げ た 理 由 情 報 化 が 進 む 現 代 の 社 会 に お い て ジ ャ ー ナ リ ズ ム の 果 た す 役 割 は 極 め て 大 き い 。 我 々 は 新 聞 ・雑 誌 ・テ レ ビ ・ ラ ジ オ な ど 様 々 な マ ス メ デ ィ ア か ら も た ら さ れ る情 報 の 中 で 生 活 し、 各 種 マ ス メ デ ィ ア か らの 情 報 が 政 治 ・経 済 ・文 化 な ど 多 く の 分 野 に 大 き な 影 響 を も た ら して い る 。 現 代 の ジ ャ ー ナ リズ ム の 基 本 構 造 は 、 幕 末 の 開 国 か ら明 治 時 代 に か け て 日 本 に 滞 在 し た 、 欧 米 の 外 国 人 ジ ャ ー ナ リ ス トの 大 き な 影 響 を 受 け 形 成 さ れ た 。 彼 ら は 、 急 速 に 近 代 化 して い く 日 本 の 様 子 を 、 政 治 事 件 の み な らず 、 風 俗 ・習 慣 な ど様 々 な 面 か ら論 評 した 。 そ こ で 、 明 治 期 、 日 本 で 活 躍 し た 外 国 人 ジ ャ ー ナ リス トの 活 動 を 通 して 、 日 本 に お け る近 代 ジ ャ ー ナ リズ ム の 成 立 を 理 解 さ せ る と と も に 、 欧 米 の 人 々 の 眼 に 映 っ た 日 本 の 近 代 化 の 在 り方 に っ い て の 考 察 を 深 め る こ と を ね ら い と し て 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。

本 時 の ね ら い 本 時 は4時 闇 構 成 の 第3時 限 に あ た る 。 本 時 で は 、 在 日 外 国 人 ジ ャ ー ナ リ ス トで あ っ た ワ ー グ マ ン と ビ ゴ ー の 素 描 を 題 材 と して 、 外 国 人 ジ ャ ー ナ リ ス トの わ が 国 で の 活 動 や 彼 ら の 活 動 が わ が 国 の ジ ャ ー ナ リズ ム の 発 展 に 与 え た 影 響 に っ い て 理 解 さ せ る と と も に 、 彼 ら が わ が 国 の 近 代 化 を ど の よ う に と ら え て い た か を 理 解 さ せ る 。 第1時 限 で は 、 班

(12)

ご と に 近 代 史 に お け る 日 本 の 異 文 化 理 解 、 国 際 交 流 の 概 要 を ワ ー ク シ ー ト等 で 理 解 さ せ る 。 第2時 限 で は 、 近 代 ジ ャ ー ナ リズ ム の 発 展 の 概 要 に つ い て 理 解 さ せ る 。 第4時 限 で は 、 わ が 国 の 近 代 化 の 舞 台 の 一 っ と な っ た 上 野 公 園 の 地 域 調 査 を 通 し て 、 日本 の 近 代 化 の 過 程 に お け る 国 際 交 流 に つ い て 考 察 さ せ る 。 新 学 習 指 導 要 領 で は 、 「日 本 史A」 の 「(4)近代 日 本 の 形 成 と展 開 」 の 「ア 欧 米 文 化 の 導 入 と明 治 維 新 」、 「日 本 史B」 の 「(5)近代 日本 の 形 成 と ア ジァ 」 の 「ア 欧 米 文 化 の 導 入 と明 治 維 新 」 で 扱 う 。

(3)展

学 習 項 目

・外 国 人 ジ ャ ー

○ 開 国 に よ り 多 くの 外 国 人 が 来 日 し 、 居 留 地 で 初 め ・ 絵 「 ワ ー グ マ ン

ナ リ ス ト の 活

て 新 聞 が 発 行 さ れ た こ と に 着 目 す る 。 素描集」

○ 来 日 し た 外 国 人 ジ ャ ー ナ リ ス トは 、 政 治 事 件 の み な らず 、 風 俗 ・習 慣 ・風 景 な ど 色 々 な も の に 興 味 を

持 っ た こ と を 、 ワ ー グ マ ン の 素 描 を 通 し て 理 解 す る 。

・日本 の 近 代

○ 外 国 人 ジ ャ ー ナ リ ス トの 影 響 を 受 け て 、 日 本 で も ・年 表 「 近 代 ジ ャ ー

ジ ャ ー ナ リ ズ 新 聞 が 発 行 さ れ る よ う に な っ た こ と を 理 解 す る 。

ナ リ ズ ム の 発 達 」

ム の 成 立 へ の ○ 政 府 の 新 聞 弾 圧 の な か で 、 治 外 法 権 の 特 権 に 守 ら な ど

外 国 人 ジ ャ ー

れ た 外 国 人 ジ ャ ー ナ リス トが 調 刺 画 、 誠 刺 文 で 権 力

ナ リ ス ト の か を 批 判 し て い た こ と に つ い て 考 え る 。

か わ り ○ 政 府 の 御 用 新 聞 的 要 素 が 強 か っ た 日本 の ジ ャ ー ナ

リ ズ ム が 、 次 第 に 権 力 批 判 を 外 国 人 ジ ャ ー ナ リ ス ト

か ら学 び継 承 し た こ と を 理 解 す る 。

○ ワ ー グ マ ン の 影 響 を 受 け て 、 「ポ ン チ 絵 」 と 呼 ば

・絵 「ワ ー グ マ ン ・

れ る 謁 刺 漫 画 や 調 刺 似 顔 絵 が 流 行 し た こ と 、 ま た 、

ビ ゴ ー の 素 描 集 」、

ワ ー グ マ ンや ビ ゴ ー な ど の 影 響 を 受 け て 日本 人 の 調 「団 団 珍 聞 」 な ど 刺 画 家 が 活 躍 し た こ と を 知 る 。

○ ワ ー グ マ ン ・ ビ ゴ ー ら の 外 国 人 ジ ャ ー ナ リ ス ト が

・絵 「ワ ー グ マ ン ・

日 本 の 風 俗 ・習 慣 な ど を 題 材 と した 素 描 集 や 調 刺 雑 ビ ゴ ー 素 描 集 」 誌 を 出 版 し た り、 日 本 の 新 聞 ・雑 誌 に 発 表 し た り し

て い た こ と を 知 る 。

・外 国 人 ジ ャー

○ 急 速 に 近 代 化 して い く 日 本 の 様 子 や 政 府 の 対 外 政 ・絵 「ワ ー グ マ ン ・

ナ リ ス ト が 見 策 が 、 外 国 人 ジ ャ ー ナ リ ス ト の 眼 に ど の よ う に 映 っ

ビ ゴ ー 素 描 集 」 た 日 本 の 近 代 た か を 当 時 の 国 際 情 勢 を 通 して 考 察 す る 。

○ 在 日 外 国 人 ジ ャ ー ナ リ ス ト の 素 描 の 変 化 を 通 し て 、

彼 等 の 日本 に 対 す る見 方 の 変 化 に っ い て 考 察 す る 。

(13)

・外 国 人 ジ ャー ○ 日 本 の 近 代 ジ ャ ー ナ リ ズ ム の 発 展 に 、 外 国 人 ジ ャ ー と ナ リ ス ト が 果 ナ リ ス ト が 果 た し た 役 割 に っ い て ま と め る 。

た し た 役 割

(4)評 価 の 観 点 ① 外 国 人 ジ ャ ー ナ リス トの 活 動 が 、 わ が 国 の ジ ャ ー ナ リズ ム の 発 展 に 与 え た 影 響 を 理 解 で き た か 。 ② ワ ー グ マ ン ・ビ ゴ ー の 素 描 を通 して わ が 国 の近 代 化 が 外 国 人 ジ ャ ー ナ リス トに ど の よ う に 映 っ た か 、 ま た 、 わ が 国 の 対 外 政 策 に っ い て ど の よ う な 危 惧 を 抱 い た か を 理 解 で き た か 。 ③ 明 治 期 の マ ス メ デ ィ ア に対 す る 理 解 が 深 ま っ た か 。

(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 生 徒 が 興 味 を 持 ち 易 い 素 描 を 利 用 し、 生 徒 が 主 体 的 に 考 え ら れ る よ う に配 慮 す る 。 ② 年 表 や 地 図 を 活 用 して 、 当 時 の 時 代 背 景 を 理 解 で き る よ う配 慮 す る 。

ll民 族 共 存 へ の 取 り組 み

1.パ レ ス チ ナ に お け る共 存 の 試 み

(1)教 材 と して と り あ げ た 理 由 米 ソ の 冷 戦 終 結 以 後 、 民 族 問 題 に 起 因 す る 紛 争 が 多 発 し て い る 。 しか し、 解 決 に 向 け た 動 き を 示 す も の は あ ま り に も少 な い 。 パ レ ス チ ナ 問 題 は 、 歴 史 的 に も40数 年 を 経 過 し、 石 油 危 機 を は じ あ 日本 と も深 く 関 係 して い る 。 ま た 、1993年 の イ ス ラ エ ルPLOと の パ レ ス チ ナ 暫 定 自 治 協 定 調 印 以 後 、 パ レス チ ナ で は共 存 に 向 け た 動 きが 始 ま っ て い る 。 そ の 共 存 の 在 り か た に っ い て は 賛 否 両 論 あ る が 、 共 存 を 指 向 す る 行 動 と し て は 意 味 あ る も の で あ る 。 そ こで パ レ ス チ ナ 問 題 を 事 例 と して 、 民 族 問 題 に お け る 政 治 ・経 済 的 な 背 景 や 、 そ の 歴 史 が 醸 成 し て き た 民 族 感 情 の 複 雑 さ を 認 識 し、 民 族 間 の 相 互 理 解 と協 力 援 助 な

ど の 共 存 を 考 察 さ せ る こ と を ね ら い と して 、 本 教 材 を と り あ げ た 。

(2)本 時 の ね ら い 本 時 は2時 間 構 成 の 第2時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 建 国 か ら現 在 ま で の イ ス ラ エ ル と 周 辺 の ア ラ ブ諸 国 、 パ レス チ ナ難 民 と の 対 立 ・抗 争 な ど 、 パ レス チ ナ 問 題 の 理 解 を 深 あ さ せ る 。 本 時 で は 、 パ レス チ ナ 民 族 意 識 を パ レ ス チ ナ 人 青 少 年 の 意 識 調 査 か ら理 解 さ せ る と と も に 、 イ ス ラ エ ル の 教 科 書 、 日本 人 の イ ス ラ エ ル 滞 在 記 、 イ ス ラ エ ル 占 領 地 域 の 入 植 者 の 言 葉 な ど か ら 、 イ ス ラ エ ル 人 の 民 族 意 識 と パ レ ス チ ナ 問 題 に っ い て の 意 識 を 考 察 さ せ る こ と を 通 して 、 解 決 の 困 難 さ と複 雑 さ を 認 識 さ せ る と と も に 、 民 族 問 題 の 解 決 に む け た 方 向 性 を 考 え さ せ る 。 新 学 習 指 導 要 領 で は 、 「世 界 史B」 の 「(7)現代 の 課 題 」 の 「ア 際 対 立 と 国 際 協 調 」 で 扱 う 。

(14)

(3)展 開 例

学 習 項 目

・ パ レ ス チ ナ 01993年 の パ レ ス チ ナ 暫 定 自 治 協 定 調 印 後 の パ レ ス ・資 料 「新 聞 の 写

人 と イ ス ラ エ チ ナ ・ イ ス ラ エ ル 両 首 脳 の 写 真 の 表 情 か ら 、 パ レ ス

真 」

ル人の感情 チ ナ 問 題 の 複 雑 さ と、 解 決 の 困 難 さ に 着 目 す る 。

・前 時 の 復 習 ○ パ レス チ ナ 問 題 の 基 本 的 な 対 立 の 構 図 を 考 え る 。

・発 問

・ パ レ ス チ ナ ○ パ レス チ ナ 人 青 少 年 の 民 族 意 識 に は イ ス ラ ム 教 な

・ 資 料 「パ レ ス チ

人の民族意識

ど の 宗 教 的 な ア イ デ ン テ ィ テ ィ ー で は な く 、 故 郷 を

ナ 人 青 少 年 へ の 意

追 わ れ た 者 と し て の 意 識 が そ の 中 心 に 存 在 す る こ と 、 識調査 」 ま た 、 か れ ら の 目 的 が 主 権 の 回 復 で あ る こ と を 理 解

す る 。

・ イ ス ラ エ ル

○ シ オ ニ ズ ム を 理 解 し 、 ま た 、 イ ス ラ エ ル 建 国 に っ ・資 料 「イ ス ラ エ

人 の民族意識 い て の 、 イ ス ラ エ ル の 主 張 の 正 当 性 と独 善 性 に っ い ル の 教 科 書 」

て 考 え る 。

○ 宗 教 国 家 と して の イ ス ラ エ ル の 現 実 を 考 え 、 そ の

・資 料 「イ ス ラ エ

宗 教 性 の 強 さ を 考 え る 。 ル 滞 在 記 」

○ イ ス ラ エ ル 人 の 民 族 意 識 に は 、 ユ ダ ヤ 教 よ り 、 シ ・ 資 料 「イ ス ラ エ

オ ニ ズ ム か ら続 く民 族 の 独 立 と 祖 国 保 持 の 思 想 が 強 ル 人 の 国 家 観 」

い こ と を 理 解 す る 。

・現 状 へ の 認 ○ パ レ ス チ ナ ・ イ ス ラ エ ル 両 民 族 の 意 識 か ら 、 両 者

・資 料 「自 治 協 定 識 と民族 問題 に 存 在 す る越 え 難 い 心 理 的 な 壁 を 認 識 す る と と も に 、 合意 以後の入植 者 解 決 へ の 試 み こ の 心 理 的 な 壁 を 乗 り越 え る た め に は 、 感 情 で は な の 考 え 方 」

く、 冷 静 な 判 断 力 が 必 要 な こ と を 考 察 す る 。

○ 民 族 の 共 存 を 図 る に は 、 お 互 い の 譲 歩 、 現 状 容 認

・絵 「パ レ ス チ ナ

へ の 妥 協 、 お 互 い の 存 在 を 認 め あ う こ と が 大 切 で あ 難 民 の 子 供 」

る こ と を 認 識 す る 。

・発 問 と意 見 交 流

・暫 定 自 治 協 01993年 の 自 治 協 定 合 意 に い た る困 難 さ と 、 そ の 歴 ・資 料 「暫 定 自 治

史 的 意 義 に っ い て 考 え る 。 協 定 」

・民 族 問 題 の ○ パ レ ス チ ナ 問 題 に 存 在 す る 感 情 的 な 対 立 の 深 さ を ・用 紙 の 配 布

複 雑 さ と 、 共 認 識 す る こ と を 通 し て 、 民 族 問 題 解 決 に お け る 心 理

存への可能性 的 な 側 面 の 重 要 さ を 考 え る 。

(4)評 価 の 観 点 ① 民 族 問 題 に は 政 治 ・経 済 的 な 諸 要 因 が か らみ 、 ま た 歴 史 的 に 醸 成 さ れ た 感 情 の 対 立 が そ の 根 本 に 存 在 し て い る こ と を 理 解 で き た か 。 ② 協 定 合 意 に 至 る ま で の 過 程 を 通 し、 共 存 に 向 か って 困 難 を 乗 り越 え た 人 々 の 行 動 を 理 解 で き た か 。 ③ 国 際 化 が 進 む 今 日 の

日 本 に お い て 、 民 族 問 題 を 自分 自 身 の 問 題 と し て 認 識 す る意 義 に っ い て 理 解 で き た か 。

(15)

(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 歴 史 的 背 景 と 関 連 さ せ 、 〉・eレス チ ナ 問 題 を 理 解 さ せ る よ う に 配 慮 す る 。 ② 資 料 や 発 問 に よ り 、 民 族 問 題 に 内 在 す る 感 情 の 対 立 に 関 心 を も た せ る と と も に 、 自 分 自 身 の 問 題 と して と らえ さ せ る よ う に 配 慮 す る 。

2.人 種 共 存 社 会 一 南 ア フ リ カ 共 和 国 を 事 例 と して 一

(1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由 今 日 の 世 界 は 、 人 種 ・民 族 ・宗 教 な ど に 起 因 す る地 域 紛 争 が 激 化 し て い る一 方 で 、EU(ヨ ー ロ ッパ 連 合)の 結 成 な ど 国 民 国 家 の 枠 組 み が ゆ ら ぎ 、 新 た な 試 み が 模 索 さ れ て い る 。 南 ア フ リ カ 共 和 国 で は 、1991年 の ア パ ル トヘ イ ト関 連 法 の 廃 止 、

ま た 、1994年 の マ ン デ ラ大 統 領 の 就 任 に よ り 、 白 人 支 配 体 制 が 終 焉 し、 多 人 種 共 存 と い う ア フ リ カ 史 上 初 の 試 み が 始 ま っ た 。 そ こ で 、 南 ア フ リ カ共 和 国 に お け る 人 種 問 題 を 事 例 と し、

ア パ ル トヘ イ ト(人 種 隔 離 政 策)の 政 治 ・経 済 的 背 景 及 び 崩 壊 に っ い て 理 解 を 深 め さ せ る と と も に 、 同 時 代 史 と して 進 行 しっ っ あ る 多 人 種 の 地 域 内 共 存 に っ い て 認 識 さ せ る こ と を 通 し て 、 世 界 の 人 種 や 民 族 問 題 の 解 決 に っ い て 考 察 を 深 め る こ と を ね ら い と して 、 本 教 材 を 取 り 上 げ た 。

(2)本 時 の ね ら い 本 時 は3時 間 構 成 の 第3時 限 目 に あ た る 。 第1時 限 で は 、 ア パ ル トヘ イ ト成 立 の 経 緯 と そ の 特 徴 に っ い て 理 解 さ せ る 。 第2時 限 で は 、 ア パ ル トヘ イ ト崩 壊 へ の 過 程 と そ の 理 由 に っ い て 考 察 さ せ る 。 本 時 で は 、 新 聞 記 事 を 利 用 し 、1994年5月 の マ ン デ ラ 大 統 領 就 任 と い う劇 的 な 変 化 を も た ら した 背 景 と選 挙 に 臨 ん だ 各 階 層 の 人 々 の そ れ ぞ れ の 考 え を 理 解 さ せ る 。 ま た 、 多 人 種 共 存 を め ざ す 新 体 制 とRDP(復 興 開 発 計 画)な ど の 今 後 の 課 題 に っ い て 、 考 察 さ せ る 。 新 学 習 指 導 要 領 で は 、 「世 界 史A」 の 「(4)現代 世 界 と 日 本 」 の 「工 地 域 紛 争 と国 際 社 会 」、 「世 界 史B」 の 「(7)現代 の 課 題 」 の 「ア 国 際 対 立 と 国 際 強 調 」 の 中 で 、 主 題 学 習 と し て 扱 う 。

(3)展

学 習 事 項

・選 挙 か ら新 ○ 新 聞 記 事 を 参 照 し、1994年4月 〜5月 の 制 憲 議 会 ・資 料 「年 表(新 体制 の発 足 ま 選 挙 か ら マ ン デ ラ内 閣 の 成 立 ま で の 年 表 を 作 成 す る。

聞 ノ ー ト)」

で の 足 ど り ・ ワ ー ク シ ー

・暫 定 憲 法 の 01993年12月 に 成 立 し た暫 定 憲 法 の 内 容 を 新 聞 記 事 ・資 料 「新 聞 記 事 」

内容

に よ り 理 解 す る 。

・選 挙 結 果 ○ 選 挙 結 果 を 示 す 記 事 を 参 照 し 、 選 挙 に 参 加 し た 政 ・新 聞 「選 挙 結 果 」 党 名 や 獲 得 議 席 な ど を プ リ ン トに 記 入 し確 認 す る 。

・階 層 に よ る

○ 南 ア フ リカ 共 和 国 の 様 々 な 階 層 の 人 々 の 考 え を 発

・各 自 の 「新 聞 ノ ー

様 々 な 考 え

表 し 、 理 解 す る 。 ト」 の ま と め の 内

① 選 挙 直 前 、 選 挙 の 実 施 を 妨 害 す る 動 き に ど ん な 容 を 発 表 さ せ る 。

も の が あ っ た か 。

(16)

② イ ン カ タ 自 由 党(IFP)と は ど う い う 政 党 か 、

ま た 、 選 挙 ボ イ コ ッ ト の 方 針 が 一 転 し て 参 加 へ と 変 わ っ た の は な ぜ か 。

③ 自 由 戦 線(FF)な ど 白 人 保 守 派 を 構 成 す る の は ど う い う人 種 で 、 自 由 戦 線 の 主 張 は 何 か 。

④ 民 主 党 、 パ ン ア フ リ カ ニ ス ト会 議 は ど の よ う な

階 層 の 考 え 方 を 代 表 し て い る 政 党 か 。

⑤ 今 回 の 選 挙 で の 国 民 党 の 主 張 と は 何 か 。

・ マ ン デ ラ 政 ○ ア フ リカ 民 族 会 議(ANC)の 選 挙 候 補 者 、 マ ン デ ・「新 聞 ノ ー ト 」 権 の め ざ す 方 ラ氏 の 講 演 や 閣 僚 の 構 成 か ら、 新 体 制 の 全 人 種 共 存

へ の 試 み を 理 解 す る 。

・新 体 制 の 今 OANCの 選 挙 公 約 で あ るRDP(復 興 開 発 計 画)の ・ 「新 聞 ノ ー ト 」 後の課題 内 容 と そ の 実 施 の た あ の 問 題 点 を 、 記 事 か ら読 み と 「ワ ー ク シ ー ト 」

り 、 そ の 実 施 の 可 否 が 新 政 府 の 政 治 的 課 題 で あ る こ

と を 理 解 す る 。

○ 長 い 間 の 対 立 ・構 想 に よ る諸 階 層 の 強 い 対 立 感 情 が 共 存 を 困 難 に さ せ て い る こ と を 理 解 し、 対 立 感 情

の 克 服 に つ い て 考 察 す る 。

(4)評 価 の 観 点 ① 暫 定 憲 法 成 立 後 の 選 挙 実 施 に 伴 う様 々 な 事 件 を 通 し て 、 各 階 層 の 人 々 の 意 識 を 理 解 で き た か 。 ② 南 ア フ リカ 共 和 国 に お け る 多 人 種 共 存 の 試 み 、 ま た 、ANCの 選 挙 公 約 で あ るRDP(復 興 開 発 計 画)な ど を 通 し て 、 今 後 の 課 題 に つ い て 考 え る こ と が で き た か 。

③ 選 挙 結 果 や マ ンデ ラ政 権 の 政 策 内 容 に つ い て 、 新 聞 記 事 の 中 か ら必 要 な 情 報 を 取 捨 選 択 す る こ と が で き た か 。 ④ 新 聞 記 事 に 親 しみ 、 同 時 代 史 と し て の 現 代 の 国 際 問 題 に 興 味 ・関 心 を もっ こ とが で き た か 。

(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 事 前 に1994年4月 〜5月 の 南 ア フ リカ 共 和 国 に か か わ る 全 て の 新 聞 記 事 を 切 り抜 き 、 「新 聞 ノ ー ト」 を 作 成 さ せ て お くよ う 指 導 す る 。 ② 事 前 に 授 業 内 容 に っ い て 問 題 を 提 示 し 、 新 聞 記 事 を 政 治 ・経 済 な ど の 分 野 ご と に 分 類 さ せ て お くよ う 指 導 す る 。

3.ベ ル ギ ー に お け る 民 族 共 存

(1)教 材 と して 取 り上 げ た 理 由 今 日 の 世 界 は 、 民 族 対 立 な ど に 起 因 す る地 域 紛 争 が 頻 発 す る 一 方 で 、EU(ヨ ー ロ ッパ 連 合)に 見 られ る よ う に 民 族 を 越 え た 国 家 間 の 統 合 も進 展 し っ っ あ る 。 近 年 、 日 本 に お い て 多 数 の 外 国 人 が 暮 らす よ う に な り 、 様 々 な 課 題 が 生 じ て き て い る 。EUの 構 成 国 で あ る ベ ル ギ ー で は 、 フ ラ マ ン ・ワ ロ ン両 民 族 の 対 立 を 克 服 し 、 互 い の 民 族 の 共 存 へ の 取 り組 み が 見 られ 、EUの 国 家 間 統 合 の 手 本 に も な っ て い る 。 ま た 、 民 族 対 立 が 激 化 して い る近 年 の 国 際 社 会 で 、 民 族 問 題 解 決 に 向 け て の 意 義 あ る取 り組 み で あ る。 そ こ で 、 ベ ル ギ ー に お け る 民 族 共 存 の 実 情 を 事 例 と して 、 民 族 共 存 の た め の 政 策 等 を 考 察 し 、 複

参照

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