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泥炭の固化破砕土による盛土材としての利用に関する基礎的研究

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Academic year: 2021

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(1)

泥炭の固化破砕土による盛土材としての利用に関する基礎的研究

研究予算:運営費交付金 研究期間:平

30

~令

1

担当チーム:寒地地盤チーム

研究担当者:畠山 乃、林 宏親、

佐藤 厚子、守田 穫人

【要旨】

北海道では遊水地事業にともない多量の泥炭が発生する。多量の固化材で泥炭の改良をする方法があるが、コ ストが高く発現強度も大きくなりすぎる。そこで、使用固化材量を低減した固化土を一度破砕し「固化破砕土」

にして盛土材としたときの適用性を検討した。その結果、放置時間が長いほど固化材混合量を低減でき、コスト を低減できることがわかった。また、締固めた固化破砕土は、固化土と比べて発現強度は低く、時間が経過して も強度増加の程度は小さいが、目標コーン指数を満足することもわかった。

キーワード:泥炭、固化破砕土、盛土材、有効利用

1

.はじめに

本研究では、北海道の平野部に広く分布する泥炭 を有効利用するために、固化材を混合した材料を固 化途中で破砕して固化破砕土にする方法を試みた。

その結果、泥炭を材料とした固化破砕土の作成が可 能であること、作成した固化破砕土の性質として、

固化材を混合してから破砕までの時間を調整するこ とにより、破砕後の強度増加の小さい材料となるこ となど、泥炭を盛土材として有効利用できる可能性 を見いだした。

2

.研究方法

2.1 固化破砕土

固化破砕土とは、対象土に固化材を混合し、ある 程度時間が経過した後に破砕し、締固め可能な材料 としたものである。締固めた固化破砕土は、破砕す るまでの時間の長さにより強度特性が異なる。破砕 するまでの時間が短いときは、まだ固化が終了して いない状態で破砕することから、締固め時の強度は 低く施工性は劣るが、固化能力が残っており締固め た後ある程度養生すると固化反応が進み強度が大き くなる。破砕するまでの時間が長くなると、ある程 度強度を有する状態で破砕するため、施工性は良好 になるものの、破砕までの時間が短いときよりも固 化能力が残っていないため締固めた後の強度増加は 小さい。

なお、 本研究で用いる用語を図

-1

の通り定義する。

・固化土:固化材と泥炭を混合したもの。

・放置時間:固化材を混合してから破砕するまでの

時間。

・固化破砕土:固化土を破砕したもの。

・養生時間:固化土および固化破砕土について供試 体作製または盛土施工してから強度試験を実施する までの時間。

図-1 用語の定義

2.2 締固めた固化破砕土の目標値

本検討では、固化破砕土を締固めて使用した後に 強度発現しない、または強度発現が少ない材料とな ることを目的とした。

2

3

試験方法

固化破砕土の作製を現場試験ヤードで行い、現場 で作製した固化破砕土を室内で締固めて作製した供 試体について、コーン指数と一軸圧縮強さを測定し た。使用した泥炭の基本物性値を表

-1

に示す。コー

固化材と泥炭 との混合

固化土 強度試験

強度試験

(養生時間)

・供試体作製

・盛土施工

・供試体作製

・盛土施工

・破砕

(放置時間)

固化破砕土 (養生時間)

表-1 泥炭の基本物性値 土粒子密度

ρs(g/cm3) 1.821~1.955

自然含水比

wn(%) 315

672

強熱減量

Li(%) 41.6~60.3

地盤材料の分類記号

Pt

コーン指数

qc(kN/m2) 25

(2)

ン指数が非常に低くそのままの状態では盛土材とし て使用できない材料である。使用した固化材は、高 炉

B

種セメント(以降、高炉

B

種と称する)および 早期に強度発現しその後の強度増加が小さいとされ るセメント系固化材(以降、

ETR3

と称する)である。

3.研究結果

3

1

固化土および締固めた固化破砕土のコーン指数 試験ヤードにおける放置時間と固化土および固化 破砕土のコーン指数の例として、ETR3 を混合した 場 合 を 図

-2

に 示 す 。 固 化 土 の コ ー ン 指 数 は 、

200kN/m2

程度であり、湿地ブルドーザの走行可能な

コーン指数

300kN/m2

よりも小さく固化土を転圧す ることはできない。しかし、放置時間が長くなると コーン指数は大きくなることから、固化破砕土にす ることにより、転圧可能な材料となる。

国土交通省北海道開発局の河川工事においては、

コーン指数

qc=400kN/m2

以上で施工可能な転圧機械 を多く使用している。このコーン指数となるときの 放置時間と固化材混合量の関係を図

-3

に示す。目標 コーン指数を得ることのできる放置時間が長くなる と固化材混合量は低くなっており、放置時間を長く することにより固化材量を低減できるといえる。

3

2

固化土および締固めた固化破砕土の一軸圧縮 強さ

ETR3

150kg/m3

混合した場合の固化土と締固め

た固化破砕土について養生時間と一軸圧縮強さの関 係例を図

-4

に示す。

固化土、締固めた固化破砕土の一軸圧縮強さは養 生時間が長くなると大きくなった。固化破砕土の一 軸圧縮強さは、固化土の一軸圧縮強さと比較して、

どの放置時間においても小さくなっていた。固化破 砕土とすることにより、一軸圧縮強さが小さくなる ことを確認できた。また、今回の試験では、固化土、

締固めた固化破砕土は、放置時間

28

日の養生時間

505

日を除いて養生時間が長くなると一軸圧縮強さ は大きくなる傾向が見られた。放置時間が

7

日と比 較して

28

56

日では、一軸圧縮強さは小さく、放置 時間が長くなると強度の増加の程度は小さくなる傾 向が見られた。

図-4 養生時間と一軸圧縮強さ

4.まとめ

今回の研究により固化破砕土の強度は、放置時間 の影響を受け、放置時間が長いと強度の増加の程度 は小さいことがわかった。固化破砕土は、盛土材と しての利用の可能性が高いことから、今後、実用化 するための研究が必要である。

参考文献

1)佐藤厚子、畠山乃、甲岡宏次、稲澤豊、永多朋紀、高

橋秀彰、畠山潔芽: 「固化破砕土の作製条件と地盤工学 的特性」地盤工学会北海道支部技術報告集、第

60

号、

pp.93-1002020.1.

2)佐藤厚子、守田穫人、畠山乃、林宏親、稲澤豊、渡邊

信明、永多朋紀: 「泥炭を材料とする固化破砕土の放置 時間と土質工学的性質」第

13

回環境地盤工学シンポ ジウム、pp.437-440、2019.9.

0 100 200 300 400

0 200 400 600

一軸圧縮強さqu(kN/m2)

養生時間(日)

固化土 放置時間7日 放置時間28日 放置時間56日 ETR3 150kg/m

3

放置時間(日)

図-2 放置時間とコーン指数

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600

0 10 20 30 40 50 60

締固め直後のコーン指数 qc(kN/m2)

放置時間(日)

固化材混合量 150kg/m3 175kg/m3 225kg/m3 固化土

図-3 目標

qc

となる放置時間と固化材混合量

0 100 200 300 400

0 5 10 15

固化材混合量(kg/m3)

目標コーン指数となる放置時間(日) 高炉B種セメント ETR3

参照

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