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Time-Delay CNN を用いた自動車の運転行動学習 Learning Driving Control using Time-Delay CNN

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Academic year: 2021

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Time-Delay CNN

を用いた自動車の運転行動学習

Learning Driving Control using Time-Delay CNN

1W120540-1 本吉 俊之 指導教員 尾形 哲也 教授

MOTOYOSHI Toshiyuki Prof. OGATA Tetsuya

概要: 昨今活発に研究されている車の自動運転であるが,現在使用されている主な手法では,高価なセンサー を用いなければならない・モデルのデザインに手間がかかる,などの問題点がある.これらの問題点を解決する 方法として,カメラの画像から運転行動を直接出力するモデルが考えられる.また,Neural Networkを用いること で,求めるモデルを自己組織化できる.このような手法を用いた研究として,DAVE(DARPA Autonomous Vehicle) が挙げられる.しかし,DAVE には,ステアリングしか出力することができない・時系列情報を考慮していない といった問題点がある.本研究では,DAVEの問題点を解決できるアプローチを行った.具体的には,Neural Network を用いて人間の運転行動を学習することで,車載カメラの映像と,自身の速度・後続車との距離・ヨー角速度と いう3種類の運転情報から,次の時刻の運転行動(ステアリング・アクセル踏込量・ブレーキ踏込量)を生成するシ ステムを,自律的に獲得させるというものである.この際,入力データに一定の幅の時系列情報をもたせた.

キーワード:自動運転,ニューラルネットワーク,DAVE,時系列 Keywords: automatic driving, Neural Network, DAVE, time series

1.はじめに

昨今,自動運転の研究が盛んに行われている.

従来の自動運転技術では,多くのセンサーのデ ータとカメラの画像を,精緻な地図と照らし合わ せることで,自身の走行位置の把握および走行ル ートの決定を行っている.しかし,この手法には,

高価なセンサーを使用する必要がある・モデルの デザインに手間がかかるといった問題点がある.

これらの解決方法として,カメラの画像から運 転情報を直接出力するモデルが考えられる.また,

Neural Networkを用いることで,人手でモデル構 築をするのではなく,モデルを自己組織化する.

上 記 の ア プ ロ ー チ を 採 用 し た 研 究 に , DAVE(DARPA Autonomous Vehicle)がある.この 研究では,Neural Networkによって,ラジコンカ ーの左右に付けられた2つのカメラ映像からス テアリングを出力するように設計されている.

しかし,DAVEはステアリングのみを出力する 研究である.また,実際の運転において不可欠と なる時系列情報を考慮していない.以上の問題点 から,DAVEのモデルでは,複雑な操作が求めら れる実際の自動車運転はできないと考えられる.

2.アプローチ

DAVEの問題点を解決するために,本研究では(1) ステアリングだけでなく,アクセル・ブレーキ踏

込量も出力する.(2)時系列情報を考慮する.と いう2つのアプローチを行った.(2)については,

Time-Delay Neural Network[1]の手法を用いた.

4.Time-Delay Neural Network

Time-Delay Neural Network(TDNN)は,入力デー タに時間方向の幅を持たせることで,時系列情報 を考慮する手法である.

具体的には,時間方向に一定の幅をもった窓を

入力の1step分とし,それを時間軸上で1フレー

ムずつシフトさせることで,1フレームの時間遅 れを持たせた,毎時刻分の入力を作成する,とい う方法である.

5.Time-Delay Convolutional Neural Network デル

本研究では,画像認識分野において高い成果を 上げている,Convolutional Neural Network(CNN)[2]

を用いて,画像の入力からステアリング・アクセ ル・ブレーキの3つの運転行動を直接出力するモ デルを構築した.CNNの一種であるTDNNの手 法を使用することで,時系列情報を考慮する.

また本研究では,画像の他に 3 種類の運転情報 (速度・ヨー角速度・後続車との距離)を入力した.

本研究では,入力の窓の時系列幅を5とした.( 力に5フレーム分の時間情報を含む)

(2)

2

3 入力窓の時間幅による正解率の変化

6.Time-Delay CNNモデルを用いた学習実験 本研究では,人間生活工学研究センター(HQL) の運転行動データベースを用いている.このデー タベースから,6人の被験者が右左折のない直線 路の6区間を走行したデータを使用した.

本研究では,Time-Delay CNN(TDCNN)による 運転行動生成の性能確認のための実験(実験Ⅰ) と,入力に時系列を持たせることの有用性の確認 のための実験(実験Ⅱ)を行った.実験Ⅰの学習デ

ータは13739フレーム分,実験Ⅱの学習データは

512フレーム分である.

また,学習済みのネットワークを用いて,未学 習ルートおよび学習済ルートの運転行動の生成,

および生成値の評価も行った.評価方法としては,

アクセル・ブレーキとステアリングを平面上で 各々3領域に分割し,生成値と教師データが同じ 領域にある場合を正解とした正解率を算出した.

7.実験Ⅰの生成結果

未学習ルートを生成した結果,ステアリング,

アクセル,ブレーキの平均生成誤差は,それぞれ 7.96[deg]6.15[mm]7.13[mm]となった.学習し た ル ー ト の 生 成 で は , 平 均 誤 差 が そ れ ぞ れ 7.35[deg]1.35[mm]1.65[mm]となった.

8.実験Ⅰの評価結果

正解率は図2のような結果となった.

左から,ステアリング,アクセル・ブレーキ,両 方の正解率となっている.

9.実験Ⅱの結果

入力窓の時間幅の変化による,両方の正解率の 変化は,図3のようになった.

10.考察

未学習ルートのステアリングの生成誤差は,遊 (左右共に 9.16[deg]ずつ)の範囲内であるとい える.一方,アクセル・ブレーキの誤差は,運転 に大きな影響を及ぼす誤差であると考えられる

(アクセル・ブレーキの遊びは 3.0[mm]).評価の

正解率も,概ね生成結果と整合しているといえる.

実験Ⅱの結果より,入力にある程度の時間幅を 持たせることは有用であるが,大きすぎると正解 率が下がってしまうと考えられる.

本研究は,カメラの映像と 3 種類の運転情報か ら,次の時刻の運転行動を直接出力するモデルを 用いている.本研究には,従来の研究と比べて,

低コストでの実現が可能で,人手によるモデル構 築の手間が必要ないといった優位性が見られる.

11.今後の展望

今後は,シミュレーターを用いた実験を行って いく必要がある.現在の研究では,運転行動の出 力値に関わらず,同じ画像や運転情報が入力され てしまう.これは実際の運転状況とは程遠い.よ って,今後の実験の発展には,シミュレーターの ように,運転行動出力によって画像や運転情報が 変化する,適切な環境を用いることが必要である.

[1]K.J.LANG ,A.H.WAIBEL ,G.E.HINTON,ATIME-DELAY NEURAL NETWORK ARCHITECTURE FOR ISOLATED WORD RECOGNITION , NEURAL NETWORKS ,VOL.3,1990, PP.23-43

[2] A.KRIZHEVSKY , I.SUTSKEVER, G.E.HINTON, IMAGENET CLASSIFICATION WITH DEEP CONVOLUTIONAL NEURAL NETWORKS , ADVANCES IN NEURAL INFORMATION PROCESSING SYSTEMS ,2012

2 評価の正解率 1 Network構成

図 2    評価の正解率 図 1    Network 構成

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