システム技術開発調査研究 21-R-11
我が国機械システムの研究開発オープン化に 関する調査研究
報 告 書
-要 旨-
平成22年3月
財団法人 機械システム振興協会 委託先 社団法人 研究産業協会
この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。
http://ringring-keirin.jp
序
わ が 国 経 済 の 安 定 成 長 へ の 推 進 に あ た り 、 機 械 情 報 産 業 を め ぐ る 経 済 的 、 社 会 的 諸 条 件 は 急 速 な 変 化 を 見 せ て お り 、 社 会 生 活 に お け る 環 境 、 防 災 、 都 市 、 住 宅 、 福 祉 、 教 育 等 、 直 面 す る 問 題 の 解 決 を 図 る た め に は 、 技 術 開 発 力 の 強 化 に 加 え て 、 ま す ま す 多 様 化 、 高 度 化 す る 社 会 的 ニ ー ズ に 適 応 す る 機 械 情 報 シ ス テ ム の 研 究 開 発 が 必 要 で あ り ま す 。
こ の よ う な 社 会 情 勢 に 対 応 し 、 各 方 面 の 要 請 に 応 え る た め 、 財 団 法 人 機 械 シ ス テ ム 振 興 協 会 で は 、 財 団 法 人 J K A か ら 機 械 工 業 振 興 資 金 の 交 付 を 受 け て 、 機 械 シ ス テ ム に 関 す る 調 査 研 究 等 補 助 事 業 、 新 機 械 シ ス テ ム 普 及 促 進 補 助 事 業 を 実 施 し て お り ま す 。
特 に 、 シ ス テ ム 開 発 に 関 す る 事 業 を 効 果 的 に 推 進 す る た め に は 、 国 内 外 に お け る 先 端 技 術 、 あ る い は シ ス テ ム 統 合 化 技 術 に 関 す る 調 査 研 究 を 先 行 し て 実 施 す る 必 要 が あ り ま す の で 、当 協 会 に 総 合 シ ス テ ム 調 査 開 発 委 員 会( 委 員 長 東 京 大 学 名 誉 教 授 藤 正 巖 氏 ) を 設 置 し 、 同 委 員 会 の ご 指 導 の も と に シ ス テ ム 技 術 開 発 に 関 す る 調 査 研 究 事 業 を 実 施 し て お り ま す 。
こ の 「 我 が 国 機 械 シ ス テ ム の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 に 関 す る 調 査 研 究 報 告 書 」 は 、 上 記 事 業 の 一 環 と し て 、 当 協 会 が 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 に 委 託 し て 実 施 し た 調 査 研 究 の 成 果 で あ り ま す 。 今 後 、 機 械 情 報 産 業 に 関 す る 諸 施 策 が 展 開 さ れ て い く う え で 、本 調 査 研 究 の 成 果 が 一 つ の 礎 石 と し て 役 立 て ば 幸 い で あ り ま す 。
平 成 2 2 年 3 月
財 団 法 人 機 械 シ ス テ ム 振 興 協 会
は じ め に
急 速 に グ ロ ー バ ル 化 す る 世 界 経 済 に お い て 、 先 進 国 間 の 研 究 開 発 競 争 は も と よ り 、比 重 の 高 ま る BRICs 諸 国 等 と の 研 究 開 発 競 争 も 今 後 更 に 厳 し さ を 増 し て い く こ と が 確 実 な 状 況 に あ り ま す 。
こ の よ う な 時 代 の 先 を 睨 ん で 研 究 開 発 を 総 合 的 、 横 断 的 及 び 効 率 的 に 実 施 し て い く に は 、 ク ロ ー ズ な 研 究 開 発 で は な く 、 研 究 開 発 リ ソ ー ス を 社 外 に も 求 め る グ ロ ー バ ル 時 代 の オ ー プ ン な 研 究 開 発 が 益 々 必 要 と な っ て き て い ま す 。
一 方 、環 境 、エ ネ ル ギ ー 、水 、高 齢 化 社 会 対 応 な ど の 世 界 的 課 題 へ の 挑 戦 や 、 世 界 的 に 進 展 が 著 し い 電 子 技 術 、 バ イ オ 技 術 、 ロ ボ ッ ト 技 術 、 ナ ノ 技 術 な ど の 取 り 込 み の た め に は 、 オ ー プ ン な 研 究 開 発 志 向 に 加 え て 海 外 の 研 究 開 発 リ ソ ー ス の 有 効 な 活 用 が 求 め ら れ て い ま す 。
と り わ け 急 速 に 力 を つ け つ つ あ る 韓 国 、 台 湾 、 中 国 、 イ ン ド 、 タ イ 等 に お け る 研 究 開 発 能 力 の 高 ま り を 考 え る と 、 先 進 技 術 を 求 め て 欧 米 へ の 展 開 を 目 指 し て い た 従 来 の 戦 略 と は 異 な り 、 こ れ ら の 国 を 意 識 し た 研 究 開 発 活 動 の 海 外 展 開 が 必 要 で あ り ま す 。
グ ロ ー バ ル 競 争 の 中 で 、 日 本 企 業 の オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン を 早 急 に 充 実 さ せ る こ と が 望 ま れ ま す が 、 そ れ に は さ ま ざ ま な 課 題 が あ り 、 終 身 雇 用 、 チ ー ム ワ ー ク 、 日 本 の 企 業 文 化 等 を 前 提 に し た 日 本 の 研 究 開 発 シ ス テ ム で は 、 単 純 な 欧 米 の 仕 組 み の 導 入 で は な く 、 我 が 国 の 良 い 点 を 取 り 入 れ た 工 夫 を こ ら し た 仕 組 み が 必 要 と 考 え ら れ ま す 。
そ こ で 、 我 が 国 の 機 械 工 業 を 中 心 と し た 製 造 業 に お い て 、 研 究 開 発 の オ ー プ ン 化 、 と り わ け 海 外 研 究 開 発 リ ソ ー ス の 活 用 に つ い て 、 実 態 調 査 に よ り オ ー プ ン 化 で 先 行 し て い る 欧 米 企 業 と の 比 較 を 行 い 、 日 本 企 業 と し て の 課 題 や 解 決 策 の 検 討 を 行 い ま し た 。
そ し て 、 今 企 業 が 早 急 に 取 り 組 む べ き 行 動 や 国 を 挙 げ て の 対 策 に つ い て の 提 言 を ま と め ま し た 。 期 間 、 人 員 の 制 約 か ら 必 ず し も 十 分 な 内 容 に な っ て い な い か も し れ ま せ ん が 、 関 係 各 位 が 、 本 調 査 結 果 を 基 に し 、 グ ロ ー バ ル 競 争 下 に お け る 機 械 工 業 の オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン の 推 進 に 向 け て 、 更 に 努 力 さ れ る こ と を 希 望 す る も の で あ り ま す 。
本 調 査 研 究 の 実 施 に あ た り 、 ご 指 導 、 ご 協 力 を い た だ い た 委 員 の 方 々 、 関 係 各 位 、 更 に は ア ン ケ ー ト 調 査 、 ヒ ア リ ン グ 調 査 に ご 協 力 い た だ い た 企 業 、 研 究 開 発 関 係 者 の 方 々 に 深 く 感 謝 の 意 を 表 し ま す 。
平 成 2 2 年 3 月
社 団 法 人 研 究 産 業 協 会
目 次
序
は じ め に
1 . 調 査 研 究 の 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1
2 . 調 査 研 究 の 実 施 体 制 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3
3 . 調 査 研 究 成 果 の 要 約 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・6 3 - 1 調 査 研 究 の 分 析 枠 組 み ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 3 - 2 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 の 実 態 調 査 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 12
2 . 1 検 討 委 員 会 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 12 2 . 2 ア ン ケ ー ト 調 査 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 13 2 . 3 国 内 ヒ ア リ ン グ 調 査 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 24 2 . 4 海 外 調 査 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 25 2 . 5 講 演 会 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 43 3 - 3 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 と リ ソ ー ス 獲 得 戦 略 の 分 析 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 44 3 . 1 欧 米 企 業 の グ ロ ー バ ル イ ノ ベ ー シ ョ ン マ ネ ジ メ ン ト ・ ・ ・ ・ ・ 44 3 . 2 日 本 企 業 と 欧 米 企 業 の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 の 比 較 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 46 3 - 4 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 の 課 題 と 解 決 策 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 50 4 . 1 日 本 企 業 の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 の 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 50 4 . 2 日 本 と し て の 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 54 3 - 5 我 が 国 機 械 シ ス テ ム の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 の 方 向 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 56 5 . 1 日 本 企 業 の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 の 方 向 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 56 5 . 2 企 業 へ の 提 言 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 57 5 . 3 国 へ の 提 言 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 59
4 . 調 査 研 究 の 今 後 の 課 題 及 び 展 開 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 61
1 . 調 査 研 究 の 目 的
消 費 者 の ニ ー ズ が 多 様 化 、 高 度 化 す る 中 で 製 品 ・ サ ー ビ ス の 研 究 開 発 に 必 要 と さ れ る 知 識 ・ 技 術 が 多 分 野 化 さ れ て い る 。 こ れ に 加 え 、 そ の よ う な 多 機 能 、 多 数 技 術 を 集 積 化 し た 製 品 ・ サ ー ビ ス を 従 来 と 同 様 の ペ ー ス で 生 み 出 し て い く た め に は 、 実 質 的 に 研 究 開 発 に 要 す る 時 間 を 圧 縮 す る 必 要 が 高 ま っ て い る 。 こ の た め 自 前 技 術 の み に 頼 る 研 究 開 発 で は 、 新 し い 製 品 ・ サ ー ビ ス の 機 を 見 た 投 入 に 追 い つ か な く な っ て き て い る 。 さ ら に 企 業 は 激 化 す る 企 業 間 競 争 か ら コ ア 技 術 へ の 「 選 択 と 集 中 」 を 進 め る 結 果 、 独 創 的 な 研 究 開 発 成 果 を 育 成 す る た め に は 、 技 術 の 種 ( シ ー ズ ) も 自 社 研 究 開 発 に こ だ わ ら ず 広 く 外 部 に 求 め ざ る を 得 な く な っ て い る 。
こ の よ う に 、 研 究 開 発 を 進 め る 上 で は 、 外 部 の 研 究 開 発 リ ソ ー ス を 活 用 し て 効 率 的 に 成 果 を あ げ る た め の 、 研 究 開 発 の オ ー プ ン 化 が 必 須 と な っ て い る 。 一 方 、 持 続 的 成 長 が 求 め ら れ る 企 業 は 高 い 伸 び が 予 測 さ れ る 発 展 途 上 国 市 場 へ の 参 入 を 志 向 し 、 発 展 途 上 国 の 文 化 、 風 土 、 気 候 や 発 展 の 程 度 に 合 わ せ た 適 用 技 術 ・ 適 用 製 品 の 生 産 の た め に 、 製 造 拠 点 の 現 地 化 が 進 ん で い る 。 そ れ に 合 わ せ て 、 研 究 開 発 の グ ロ ー バ ル 化 の 傾 向 の 中 で 、 発 展 途 上 国 へ の 研 究 開 発 の 展 開 が 注 目 さ れ つ つ あ る 。
さ ら に 、 研 究 開 発 人 材 の 獲 得 の 面 か ら も 、 理 工 系 離 れ と 団 塊 世 代 退 職 の 進 む 国 内 に こ だ わ ら ず 、 中 国 ・ イ ン ド あ る い は 発 展 途 上 国 な ど 広 く 世 界 か ら 優 れ た 研 究 開 発 人 材 を 獲 得 す る こ と が 有 効 と 期 待 さ れ る 。
こ う し た 環 境 の 中 、 我 が 国 機 械 シ ス テ ム 産 業 も 製 品 製 造 ・ 部 品 調 達 を 中 心 に オ ー プ ン 化 を 進 め つ つ あ る が 、 更 な る 成 長 を 目 指 す に は 、 成 長 の 源 泉 と な る 研 究 開 発 ・ イ ノ ベ ー シ ョ ン の 効 率 化 ・ ス ピ ー ド ア ッ プ に 向 け て 、 研 究 開 発 リ ソ ー ス を 広 く 、 自 国 内 、 先 進 国 及 び 発 展 途 上 国 か ら 調 達 ・ 確 保 す る よ う 、 オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン 体 制 を 構 築 す る 必 要 が あ る 。 ま た 、 オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン に 関 わ る 研 究 開 発 リ ソ ー ス の 捉 え 方 に つ い て も 、 先 端 研 究 開 発 成 果 ・ 技 術 成 果 に 限 る べ き で な く 、 自 社 技 術 を 補 完 す る パ ー ト ナ ー 企 業 ・ 大 学 、 独 創 技 術 の 種 に な る 技 術 シ ー ズ 情 報 ・ 技 術 資 源 、 発 展 途 上 国 市 場 の キ ー と な る 適 用 技 術 ・ 適 用 製 品 に 関 す る ニ ー ズ 情 報 、 更 に は 理 工 系 人 材 層 の 豊 富 な 国 々 か ら 調 達 す る 研 究 開 発 人 材 資 源 な ど 、 研 究 開 発 に イ ン パ ク ト を も た ら す 資 源 群 と し て 広 く 捉 え な お し 、 そ の 上 で 戦 略 ・ 施 策 を 立 て る べ き で あ る 。
し か し な が ら イ ノ ベ ー シ ョ ン の 起 点 と な る 研 究 開 発 に お い て は 、 欧 米 各 国 の オ ー プ ン 化 先 行 企 業 に 比 べ て 日 本 企 業 は 自 前 技 術 、 自 国 主 義 に こ だ わ る 傾 向 が あ り 、 ま た 、 文 化 的 背 景 の 相 異 な ど に よ っ て 、 上 記 の よ う な 多 岐 に わ た る 研 究 開 発 リ ソ ー ス に ア ク セ ス す る と い う 観 点 か ら 見 て 、 オ ー プ ン 化 が 遅 れ て い る と 言 わ ざ る を 得 な い 。
例 え ば 、 日 本 企 業 の 研 究 開 発 で は 自 前 主 義 が 指 摘 さ れ て お り 、 自 社 内 も し く は 自 社 グ ル ー プ 内 で の 研 究 開 発 が 主 流 で 、 研 究 開 発 拠 点 の 海 外 展 開 に お い て も 国 内 に ハ ブ 機 能 を お い て 統 制 す る 体 制 が 主 流 で あ る と 言 わ れ て い る 。 ま た 、 大
学 や 公 的 研 究 機 関 の 活 用 に お い て も 、 日 本 企 業 と 日 本 の 大 学 ・ 公 的 研 究 機 関 の 双 方 に お い て 、 研 究 開 発 の グ ロ ー バ ル 化 の 波 の 中 で 有 効 な つ な が り を 構 築 で き て い る か ど う か 、 疑 問 が あ る 。
一 方 、 欧 米 系 オ ー プ ン 化 先 行 企 業 は シ ー ズ 発 掘 、 連 携 相 手 の 発 掘 及 び 活 用 に つ い て 広 く 多 国 に わ た る 研 究 開 発 体 制 を 採 り 、 技 術 調 達 ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築 、 各 国 の 先 端 大 学 と の 連 携 、 イ ン タ ー ン シ ッ プ 、 人 材 調 達 に 主 眼 を お い た 拠 点 展 開 な ど 、 さ ま ざ ま な 施 策 を 実 施 し て き て い る ( 研 究 産 業 協 会 H20 国 際 展 開 報 告 書 )。 ま た そ の 中 で 、 分 散 配 置 さ れ た 海 外 の 研 究 開 発 拠 点 間 で 最 も ふ さ わ し い 連 携 が 取 れ る よ う に 、 ネ ッ ト ワ ー ク 型 の 体 制 を 主 と し て 、 そ の た め の ガ バ ナ ン ス の 仕 組 み を 構 築 し て い る 。 更 に は 、 必 要 と す る 技 術 を も つ パ ー ト ナ ー 企 業 を 探 す た め の さ ま ざ ま な 技 術 仲 介 サ ー ビ ス の 展 開 や 、 ベ ン チ ャ ー ビ ジ ネ ス 企 業 と 大 手 企 業 間 の オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン の 取 組 み な ど も 進 ん で い る 。
そ こ で 、 本 調 査 研 究 で は 、 企 業 の 外 の 研 究 開 発 リ ソ ー ス を ど の よ う に し て 組 み 込 む こ と が 、 我 が 国 企 業 の 研 究 開 発 能 力 を 最 も 効 率 的 に 向 上 さ せ る た め に 有 効 か に つ い て 検 討 す る 。 具 体 的 に は 、 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 に お い て 研 究 開 発 リ ソ ー ス 獲 得 の 観 点 か ら 欧 米 系 企 業 と 日 本 企 業 の 実 態 調 査 を 行 い 、 機 械 シ ス テ ム と い う 特 性 を 勘 案 し て 課 題 を 抽 出 整 理 、 施 策 の 課 題 解 決 可 能 性 を 検 討 し 、 よ り 国 際 競 争 力 の あ る 機 械 シ ス テ ム 産 業 の 進 展 の た め の オ ー プ ン 化 展 開 の 方 向 性 と 国 の 施 策 に 関 わ る 方 策 の 方 向 性 を 探 る こ と を 目 的 と す る 。
< 参 考 文 献 >
岩 田 智 、 グ ロ ー バ ル ・ イ ノ ベ ー シ ョ ン の マ ネ ジ メ ン ト - 日 本 企 業 の 海 外 研 究 開 発 活 動 を 中 心 と し て ( 中 央 経 済 社 、2007)
原 山 優 子 、 氏 家 豊 、 出 川 通 、 産 業 革 新 の 源 泉 ベ ン チ ャ ー 企 業 が 躍 動 す る イ ノ ベ ー シ ョ ン ・ エ コ シ ス テ ム ( 白 桃 書 房 、2009)
Data Bank SERIES、 海 外 進 出 企 業 総 覧 【 国 別 編 】2009 年 版 ( 東 洋 経 済 新 報 社 、2009)
Data Bank SERIES、 海 外 進 出 企 業 総 覧 【 会 社 別 編 】2009 年 版 ( 東 洋 経 済 新 報 社 、2009)
研 究 産 業 協 会 、 平 成 20 年 度 研 究 開 発 国 際 展 開 検 討 委 員 会 報 告 書
2 . 調 査 研 究 の 実 施 体 制
本 調 査 研 究 は 、 財 団 法 人 機 械 シ ス テ ム 振 興 協 会 の 委 託 を 受 け 、 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 が 実 施 し た 。 本 調 査 研 究 の 実 施 体 制 と し て 財 団 法 人 機 械 シ ス テ ム 振 興 協 会 内 に 「 総 合 シ ス テ ム 調 査 開 発 委 員 会 」 を 、 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 内 に 「 我 が 国 機 械 シ ス テ ム の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 に 関 す る 調 査 研 究 」 検 討 委 員 会 を 設 置 し 、 本 調 査 研 究 の 計 画 、 実 施 状 況 、 実 施 経 緯 、 結 論 に つ い て 検 討 す る と と も に 、 意 見 、 ア ド バ イ ス を い た だ い た 。 ま た 、 米 国 訪 問 調 査 に お け る 現 地 情 報 収 集 と 分 析 に つ い て は S BF, Inc .に 再 委 託 し 、 ア ン ケ ー ト の 送 付 及 び 集 計 に つ い て は 株 式 会 社 日 本 総 合 研 究 所 に 外 注 し た 。
本 調 査 研 究 の 実 施 体 制 を 図 1 に 示 す 。
図 1 実 施 体 制 図
財 団 法 人 機 械 シ ス テ ム 振 興 協 会 総 合 シ ス テ ム 調 査 開 発 委 員 会
「 我 が 国 機 械 シ ス テ ム の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 に 関 す る 調 査 研 究 」 検 討 委 員 会
社 団 法 人 研 究 産 業 協 会
株 式 会 社 日 本 総 合 研 究 所
( ア ン ケ ー ト の 送 付 及 び 集 計 ) 再 委 託
委 託
SBF, Inc.
( 米 国 訪 問 調 査 に お け る 現 地 情 報 収 集 と 分 析 )
外 注
総 合 シ ス テ ム 調 査 開 発 委 員 会 委 員 名 簿
( 順 不 同 ・ 敬 称 略 )
委 員 長 東 京 大 学 藤 正 巖 名 誉 教 授
委 員 埼 玉 大 学 太 田 公 廣 総 合 研 究 機 構
教 授
委 員 独 立 行 政 法 人 産 業 技 術 総 合 研 究 所 金 丸 正 剛 エ レ ク ト ロ ニ ク ス 研 究 部 門
研 究 部 門 長
委 員 独 立 行 政 法 人 産 業 技 術 総 合 研 究 所 志 村 洋 文 デ ジ タ ル も の づ く り 研 究 セ ン タ ー
招 聘 研 究 員
委 員 早 稲 田 大 学 中 島 一 郎 研 究 戦 略 セ ン タ ー
教 授
委 員 東 京 工 業 大 学 大 学 院 廣 田 薫 総 合 理 工 学 研 究 科
教 授
委 員 東 京 大 学 大 学 院 藤 岡 健 彦 工 学 系 研 究 科
准 教 授
「 我 が 国 機 械 シ ス テ ム の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 に 関 す る 調 査 研 究 」 検 討 委 員 会
委 員 名 簿
( 以 下 「 検 討 委 員 会 」 と い う )( 順 不 同 ・ 敬 称 略 )
委 員 長 東 京 工 業 大 学 大 学 院 田 辺 孝 二
イ ノ ベ ー シ ョ ン マ ネ ジ メ ン ト 研 究 科 教 授
副 委 員 長 横 浜 国 立 大 学 近 藤 正 幸
ベ ン チ ャ ー ・ ビ ジ ネ ス ・ ラ ボ ラ ト リ ー 所 長 教 授
委 員 立 命 館 大 学 M O T 大 学 院 香 月 祥 太 郎
テ ク ノ ロ ジ ー ・ マ ネ ジ メ ン ト 研 究 科 教 授
委 員 新 エ ネ ル ギ ー ・ 産 業 技 術 総 合 開 発 機 構 中 村 吉 明 研 究 開 発 推 進 部 部 長
委 員 日 本 電 気 株 式 会 社 菅 生 繁 男
中 央 研 究 所 エ グ ゼ ク テ ィ ブ エ キ ス パ ー ト
委 員 株 式 会 社 ケ ミ ト ロ ニ ク ス 本 間 孝 治
代 表 取 締 役 社 長
委 員 株 式 会 社 ナ イ ン シ グ マ ・ ジ ャ パ ン 諏 訪 暁 彦 代 表 取 締 役 社 長
委 員 株 式 会 社 日 本 総 合 研 究 所 古 宅 文 衛
総 合 研 究 部 門 副 主 任 研 究 員
委 員 株 式 会 社 三 菱 総 合 研 究 所 岡 田 光 浩
コ ン サ ル テ ィ ン グ 部 門 主 任 研 究 員
オ ブ ザ ー バ SBF, Inc. 氏 家 豊
Preside nt & CEO
事 務 局 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 大 嶋 清 治
事 務 局 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 松 井 功
事 務 局 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 高 橋 研
事 務 局 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 小 林 一 雄
事 務 局 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 宮 坂 洋 一
事 務 局 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 柴 原 澄 夫
事 務 局 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 渡 邉 祐 一
事 務 局 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 松 田 香 織
事 務 局 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 石 塚 美 香
事 務 局 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 酒 井 綾 子
3 . 調 査 研 究 成 果 の 要 約
電 子 ・ 電 気 機 器 、 原 子 力 等 の プ ラ ン ト 設 備 、 自 動 車 な ど 、 研 究 開 発 が 重 要 な 役 割 を 果 た す 機 械 シ ス テ ム 産 業 に お い て 、 世 界 規 模 で 展 開 を 図 っ て い る 国 内 外 企 業 に つ い て 、 以 下 の 調 査 を 行 っ た 。
( 1 ) 国 内 外 企 業 の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 の 実 態 調 査
欧 米 系 オ ー プ ン 化 先 進 企 業 と 日 本 企 業 に お け る 研 究 開 発 の オ ー プ ン 化 の 状 況 に つ い て 、 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 体 制 ・ 手 段 等 の 具 体 的 切 り 口 か ら 実 態 調 査 を 行 っ た 。
具 体 的 な 調 査 手 段 は 、 以 下 の 通 り で あ る 。 ① 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 検 討 委 員 会
前 記 の 検 討 委 員 会 で 、 調 査 内 容 の 検 討 、 調 査 状 況 の フ ォ ロ ー を 行 っ た 。 ② ア ン ケ ー ト 調 査
海 外 研 究 開 発 リ ソ ー ス の 活 用 状 況 や 海 外 研 究 開 発 拠 点 の 設 置 運 営 状 況 等 に つ い て 、 国 内 652 社 に 質 問 用 紙 を 発 送 、 回 収 、 集 計 し た 。
③ 国 内 ヒ ア リ ン グ
国 内 の 日 本 企 業 2 社 及 び 海 外 企 業 3 社 を 訪 問 し 、 ヒ ア リ ン グ 調 査 し た 。 ④ 海 外 調 査
海 外 6 地 域 の 35 箇 所 を 訪 問 し 、 海 外 企 業 の 本 国 で 、 ま た 日 本 及 び 海 外 企 業 の 国 外 の 研 究 開 発 拠 点 で の ヒ ア リ ン グ 調 査 を 実 施 し た 。 各 国 の 大 学 等 の 研 究 機 関 や 研 究 開 発 に 関 係 す る 公 的 機 関 ・ 団 体 も 訪 問 し た 。
⑤ 講 演 会
2 回 に わ た り 、 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 に 関 し て 造 詣 が 深 い 、 あ る い は 実 践 の 経 験 が あ る 講 師 3 名 を 招 い て 、 講 演 会 を 実 施 し た 。
( 2 ) 研 究 開 発 の オ ー プ ン 化 の 考 え 方 ・ 環 境 ・ 背 景 と リ ソ ー ス 獲 得 戦 略 分 析 ( 1 ) で の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 体 制 ・ 手 段 が 、 ど の よ う な 基 本 的 な 考 え 方 ・ 環 境 ・ 背 景 に 基 づ い て 構 築 さ れ て い る か に つ い て 、 調 査 結 果 と 各 委 員 の 知 見 か ら 検 討 を 行 い 、 研 究 開 発 に お け る リ ソ ー ス 獲 得 戦 略 の 比 較 ・ 分 析 を 行 っ た 。
( 3 ) 具 体 的 施 策 事 例 と そ の 効 果 の 分 析
オ ー プ ン 化 展 開 に 向 け た 先 行 企 業 の さ ま ざ ま な 工 夫 ・ 施 策 の メ リ ッ ト 、 デ メ リ ッ ト を 検 討 し た 上 で 、 国 内 企 業 の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 に お け る 課 題 に つ い て 、 ど の よ う な 課 題 解 決 策 候 補 が あ る か の 検 討 を 行 っ た 。
( 4 ) 企 業 施 策 と 国 政 策 に 関 わ る 方 策 の 方 向 性 検 討
上 記 の 検 討 を も と に 、 よ り 国 際 競 争 力 の あ る 機 械 シ ス テ ム 産 業 の 進 展 の た め に 、 我 が 国 機 械 シ ス テ ム 産 業 に お い て ど の よ う な オ ー プ ン 化 展 開 の 方 向 性 が 重 要 で あ る か 、 更 に は 国 の 諸 政 策 の 方 向 性 と し て 何 が 求 め ら れ る か 、 検 討 を 行 っ た 。
3 - 1 調 査 研 究 の 分 析 枠 組 み
近 年 で は 、 企 業 が 外 部 の 研 究 開 発 資 源 も 活 用 し て 研 究 開 発 を 推 進 し そ れ に よ り イ ノ ベ ー シ ョ ン を 推 進 し て い く オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン 1や 分 散 型 研 究 開 発
2が 提 唱 さ れ る よ う に な り 、 実 態 的 に も そ れ が 進 展 し て い る 。 グ ロ ー バ ル 競 争 が 激 し く な る 中 で 、 研 究 開 発 の 迅 速 化 ・ 効 率 化 、 自 社 に は な い 研 究 開 発 能 力 を 活 か し た 新 分 野 や 融 合 分 野 の 研 究 開 発 の 推 進 、 自 社 が 行 わ な い 研 究 開 発 ア プ ロ ー チ へ の 布 石 、 デ フ ァ ク ト ・ ス タ ン ダ ー ド の 形 成 や 事 業 化 や マ ー ケ テ ィ ン グ を 睨 ん だ 連 携 の 一 環 と し て の 研 究 開 発 の 連 携 な ど 、 そ の 目 的 は さ ま ざ ま で あ る 。
国 内 に お け る オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン や 分 散 型 研 究 開 発 に つ い て は 、 実 際 に は 企 業 間 同 士 の 産 産 連 携 が 多 い が 3、 ト リ プ ル ・ へ リ ッ ク ス 4と い う 概 念 に 代 表 さ れ る よ う に 、 産 学 官 連 携 に つ い て 多 く の 調 査 研 究 が 海 外 で も 日 本 で も 進 展 し て い る 。
本 調 査 研 究 に お い て は 、 こ う し た オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン の 時 代 の 中 で 、 企 業 が 自 国 に お い て 海 外 の 研 究 開 発 資 源 を ど の よ う に 活 用 し て い る の か 、 ま た 、 海 外 に 研 究 開 発 拠 点 を 設 け て ど の よ う に 海 外 の 研 究 開 発 資 源 を 活 用 し て い る の か 、 更 に 、 そ れ ら を ど の よ う に 全 体 と し て 活 用 し て い る の か を 明 ら か に す る と と も に 、 今 後 ど の よ う に し て い け ば よ い の か に つ い て 提 言 を ま と め る こ と を 目 的 と す る 。
こ の た め 、 オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン の 模 式 図(図 1 − 1)で い え ば 、 細 い 実 線 で 示 し た 本 国 か ら の 海 外 の 機 関 と の オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン 及 び 海 外 R&D 拠 点 と そ の 国 ・ 地 域 に お け る 海 外 の 機 関 と の オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン 、 並 び に 太 い 実 線 で 示 し た 本 国 本 社 と 海 外 R&D 拠 点 と の 関 係 及 び 海 外 R&D 拠 点 間 の 関 係 に つ い て 調 査 研 究 を 行 う 。 本 国 本 社 の 本 国 に お け る オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン に つ い て は 、 日 本 で も 産 学 官 連 携 に つ い て 多 く の 調 査 研 究 が 進 展 し て い る こ と か ら 割 愛 し て い る 。
海 外 の 研 究 開 発 資 源 を リ ソ ー ス 先 と す る オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン を 展 開 す る 多 国 籍 企 業 を 調 査 研 究 す る 場 合 、
• 国 ・ 地 域
多 国 籍 企 業 の 母 国 リ ソ ー ス 先
• 産 業 / 技 術
• 企 業 規 模
な ど と い っ た 切 り 口 が 考 え ら れ る 。
1 チ ェ ス ブ ロ ウ(2004)を 参 照 。
2 ア ウ ー(2006)を 参 照 。
3 近 藤 氏(2007a、2007b)に よ る と 、 産 産 間 の 研 究 資 金 の 流 れ は 産 学 間 の 研 究 資 金 の 流 れ の 約 10 倍 の 金 額 で あ る 。 産 産 間 の 研 究 連 携 に は 資 金 の 流 れ を 伴 わ な い も の も 多 い こ と か ら 産 産 の 研 究 連 携 は か な り 大 き い と 推 測 さ れ る 。
4 Etzko witz an d Le ydesdor ff (2000) を 参 照 。
国 内 海 外
本 国 本 社 等 海 外 R & D
拠 点
: 連 携 相 手 海 外 R & D
拠 点
図 1 − 1 オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン の 模 式 図
本 調 査 研 究 に お い て は 、 国 ・ 地 域 を 主 な 視 点 と し て 分 析 を 進 め て い く 。 産 業
/ 技 術 に よ る 海 外 の 研 究 開 発 資 源 を リ ソ ー ス 先 と す る オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン の 相 違 に つ い て は 、 分 析 の 中 で 必 要 に 応 じ て 言 及 す る 。
本 調 査 研 究 に お い て 分 析 を 進 め て い く 枠 組 み は 次 の と お り と な る 。 日 本 企 業 が 他 の 先 進 国 、 つ ま り 、 米 国 と 欧 州 を リ ソ ー ス 先 と し て 、 ま た 、 途 上 国(ア ジ ア) を リ ソ ー ス 先 と し て 、 ど の よ う に 海 外 の 研 究 開 発 資 源 を 本 国 に お い て 活 用 し て い る の か 、 ま た 、 海 外 に 研 究 開 発 拠 点 を 設 け て ど の よ う に 海 外 の 研 究 開 発 資 源 を 活 用 し て い る の か を 明 ら か に す る こ と が 第 1 の 調 査 研 究 内 容 で あ る 。 こ れ に つ い て は 、 海 外 に 研 究 開 発 拠 点 を 有 す る と 考 え ら れ る 日 本 企 業 を 対 象 と し た ア ン ケ ー ト 調 査 を 日 本 の 本 社 部 門 を 対 象 に 実 施 し て い る 。 ま た 、 日 本 の 本 社 部 門 と と も に 米 国 、 欧 州 及 び ア ジ ア の 海 外 拠 点 に お い て イ ン タ ビ ュ ー 調 査 を 実 施 し て い る 。 こ れ は 日 本 企 業 の 海 外 の 研 究 開 発 資 源 を リ ソ ー ス 先 と す る オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン の 戦 略 、 実 態 、 問 題 点 等 を 明 ら か に す る と と も に 、 海 外 の リ ソ ー ス 先 に よ っ て そ れ ら が ど の よ う に 異 な る か を 明 ら か に す る た め で あ る 。 ア ジ ア の 中 で シ ン ガ ポ ー ル も 対 象 に し て い る が 、 シ ン ガ ポ ー ル は 途 上 国 と は 言 い が た い た め 別 な 扱 い を し て い る 。
次 に 、 米 国 と 欧 州 の 多 国 籍 企 業 を 対 象 に 、 そ れ ら の 母 国 に あ る 本 社 部 門 、 日 本 や ア ジ ア に あ る 海 外 拠 点 に お い て イ ン タ ビ ュ ー 調 査 を 実 施 し て い る 。 こ れ は 、 米 国 と 欧 州 の 多 国 籍 企 業 が 日 本 企 業 と ど の よ う に 異 な っ て い る か 、 そ う し た 相 違 が ど の よ う に パ フ ォ ー マ ン ス の 相 違 を も た ら し て い る か を 明 ら か に す る と と も に 、 日 本 企 業 へ の 今 後 の 示 唆 を 得 る た め で あ る 。
分析の枠組み
多国籍企業の母国 リソース先
日本
先進国ー米 ー欧 途上国(アジア)
途上国 先進国ー米
ー欧
先進国
先進国
途上国 ( アジア )
途上国(アジア)
先進 国
図 1 − 2 分 析 の 枠 組 み
日 本 企 業 の 海 外 の 研 究 開 発 拠 点 に つ い て は 、1980 年 代 後 半(1986-1990 年) に は 、 北 米 に お け る 割 合 が 最 も 高 か っ た が 、1990 年 代 以 降(1991-2005 年)に は ア ジ ア 地 域 が 過 半 を 占 め る よ う に な っ て い る 。 こ う し た こ と か ら 、 本 調 査 研 究 で は 、 地 理 的 に 近 い こ と も あ り 産 業 的 に も 連 携 度 が 高 い こ と も あ り 、 リ ソ ー ス 先 の 途 上 国 と し て ア ジ ア の 地 域 を 取 り 上 げ て い る 。
日本企業の海外研究開発拠点の変遷
時期 1986 - 1990 年 1991 - 2005 年 北米 38.1 % 25.9 % 欧州 23.9 % 14.4 % アジア 30.6 % 54.1 %
出所:上野 泉、近藤 正幸、永田 晃也(2008)、『日本企業に おける研究開発の国際化の現状と変遷』、調査資料No.
151, 科学技術政策研究所。
図 1 − 3 日 本 企 業 の 海 外 研 究 開 発 拠 点 の 変 遷
図 1 − 4 日 本 企 業 の 研 究 開 発(新 製 品 開 発)機 能 を 拡 大 す る 国 ・ 地 域
日 本 企 業 の研 究 開 発 (現 地 市 場 向 け仕 様 変 更 ) 機 能 を拡 大 する国 ・地 域
日 本 企 業 の研 究 開 発 (新 製 品 開 発 )機 能 を 拡 大 する国 ・地 域
今 後( 3年 程 度)海 外 で 研 究 開 発 ( 新 製 品 開 発 ) 機 能 を 拡 大 す る 国 ・ 地 域 ( 製 造 業 、 商 社 ・ 卸 売 ・ 小 売)
・ 1 位 中 国
・ 2 位 米 国
・ 3 位 西 欧
・ 4 位 タイ
・ 5 位 韓 国
・ 6 位 マ レ ー シ ア 、 イ ン ド
・ 8 位 香 港 、 ブ ラ ジ ル 、 ベト ナ ム
出 所: J E T R O 平 成2 0年 度 日 本 企 業 の 海 外 展 開 に 関 す る ア ン ケ ー ト 調 査 2 0 0 9年3月2 3日 。
今 後( 3年 程 度)海 外 で 研 究 開 発 ( 現 地 市 場 向 け 仕 様 変 更 ) 機 能 を 拡 大 す る 国 ・ 地 域 ( 製 造 業 、 商 社 ・ 卸 売 ・ 小 売)
・ 1 位 中 国
・ 2 位 タイ
・ 3 位 米 国
・ 4 位 西 欧
・ 5 位 イ ン ド
・ 6 位 ベ ト ナ ム
・ 7 位 台 湾 、 韓 国
・ 9 位 マ レ ー シ ア 、 ブ ラ ジ ル
出 所: J E T R O 平 成2 0年 度 日 本 企 業 の 海 外 展 開 に 関 す る ア ン ケ ー ト 調 査 2 0 0 9年3月2 3日 。
図 1 − 5 日 本 企 業 の 研 究 開 発(現 地 市 場 向 け 仕 様 変 更)機 能 を 拡 大 す る 国 ・ 地 域
今 後 の 展 開 に つ い て 、JET RO 調 査(日 本 貿 易 振 興 機 構(2009))の 結 果 を 見 て み る と 、 「 今 後(3 年 程 度)海 外 で 研 究 開 発 ( 新 製 品 開 発 ) 機 能 を 拡 大 す る 国 ・ 地 域 ( 製 造 業 、 商 社 ・ 卸 売 ・ 小 売)」 と し て は ト ッ プ が 中 国 で 、 次 い で 米 国 、 西 欧 、 タ イ と な っ て い る 。 ま た 、 「 今 後(3 年 程 度)海 外 で 研 究 開 発 ( 現 地 市 場 向 け 仕 様 変 更 ) 機 能 を 拡 大 す る 国 ・ 地 域 ( 製 造 業 、 商 社 ・ 卸 売 ・ 小 売)」 と し て も ト ッ プ
が 中 国 で 、 第 2 位 が タ イ 、 第 3 位 が 米 国 と な っ て い て 、 こ れ に 西 欧 、 イ ン ド が 続 い て い る 。 こ う し た こ と か ら 、 本 調 査 研 究 で は 、 リ ソ ー ス 先 と し て 米 国 、 欧 州(西 欧)と ア ジ ア の 中 で も 、 中 国 、 タ イ 及 び イ ン ド を 調 査 研 究 の 対 象 と し て 取 り 上 げ て い る 。 ま た 、 シ ン ガ ポ ー ル は 国 と し て 科 学 技 術 の 振 興 に 注 力 し て お り 、 海 外 か ら の 多 国 籍 企 業 や 大 学 の 研 究 機 能 の 招 致 に 熱 心 で あ り 、 ま た 、 そ の 実 績 も 上 が っ て い る こ と か ら 取 り 上 げ て い る 。
< 参 考 文 献 >
ア ウ ー 、 ジ ョ ル ジ ュ (2006)、『 イ ノ ベ ー シ ョ ン ・ パ ラ ド ッ ク ス - 技 術 立 国 復 活 へ の 解 』、 フ ァ ー ス ト プ レ ス 。
上 野 泉 、 近 藤 正 幸 、 永 田 晃 也 (2008)、『 日 本 企 業 に お け る 研 究 開 発 の 国 際 化 の 現 状 と 変 遷 』、 調 査 資 料 No. 151, 科 学 技 術 政 策 研 究 所 。 近 藤 正 幸 (2007a)、 研 究 の 企 業 間 連 携 資 金 は 産 学 の 10 倍 、Techn o online、
日 経 産 業 新 聞 、2007 年 3 月 6 日 。
近 藤 正 幸 (2007b)、 研 究 の 企 業 間 連 携 と 産 学 連 携 の 比 較 、 日 本 知 財 学 会 第 5 回 学 術 研 究 発 表 会 講 演 要 旨 集 、 東 京 、2007 年 6 月 30 日-7 月 1 日 、 pp.468-471。
チ ェ ス ブ ロ ウ 、 ヘ ン リ ー (2004)、『OPEN INNOVATION―ハ ー バ ー ド 流 イ ノ ベ ー シ ョ ン 戦 略 の す べ て 』、 産 能 大 出 版 部 。
日 本 貿 易 振 興 機 構(JET RO)(2009) 『 平 成20年 度 日 本 企 業 の 海 外 展 開 に 関 す る ア ン ケ ー ト 調 査 』、2009年3月23日 。
Etzko wi t z , H. a n d L eyde s dor f f, L. ( 2000), “The dynamic s o f inno vation:
from n a tiona l s ys te ms a n d ‘ Mo de 2 ’ t o a tri ple hel ix o f u nive rs it y- indu stry-governme nt re latio ns”, Re se arch Polic y, Vol. 29, pp. 109- 23.
Kuemmerle, W. (1997), "Building Effective R&D Capabilities Abroad", Harvard Business Review, March-April 1997, pp.61-70.
Ronstadt, R. C. (1977), “Research and Developm ent Abroad by U.S.
Mu ltin ationals. ” N ew Yor k: Prae ger.
3 − 2 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 の 実 態 調 査
2 . 1 検 討 委 員 会
「 我 が 国 機 械 シ ス テ ム の 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 に 関 す る 調 査 研 究 」 検 討 委 員 会 を 設 置 し 、 調 査 研 究 の 方 向 付 け と 、 ア ン ケ ー ト 調 査 、 国 内 ヒ ア リ ン グ 、 海 外 調 査 、 講 演 会 の 具 体 的 な 進 め 方 に つ い て 検 討 し た 。 ま た そ れ ぞ れ の 進 捗 状 況 を フ ォ ロ ー し 、 得 ら れ た 調 査 結 果 を も と に 逐 次 、 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 と 海 外 リ ソ ー ス 活 用 に 関 す る 分 析 、 課 題 抽 出 、 解 決 策 検 討 の 議 論 を 行 っ た 。 検 討 委 員 会 の 構 成 は 、「 2 . 調 査 研 究 の 実 施 体 制 」 に 示 し た 通 り で あ る 。
検 討 委 員 会 を 5 回 、 調 査 状 況 検 討 WG を 1 回 開 催 し た 。 開 催 場 所 は い ず れ も 社 団 法 人 研 究 産 業 協 会 の 会 議 室 で あ る 。
( 1 ) 第 1 回 検 討 委 員 会 ( 平 成 21 年 7 月 29 日(水) 10: 00~12:00、 出 席 者 : 委 員 8 名 、 事 務 局 6 名 )
委 員 長 に 田 辺 委 員 を 、 副 委 員 長 に 近 藤 委 員 を 選 任 し た 。 基 礎 調 査 結 果 と 各 委 員 の 知 見 を も と に 、 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 に 関 し て 、 国 内 企 業 と 欧 米 系 オ ー プ ン 化 先 進 企 業 と の 差 異 の 着 目 点 に つ い て 議 論 し た 。 海 外 の 研 究 開 発 リ ソ ー ス の 活 用 、 特 に ア ジ ア 地 域 で の 展 開 に 焦 点 を 当 て る こ と と し た 。
( 2 ) 第 2 回 検 討 委 員 会 ( 平 成 21 年 8 月 21 日(金) 10: 00~12:00、 出 席 者 : 委 員 9 名 、 事 務 局 7 名 )
ア ン ケ ー ト 調 査 の 質 問 内 容 に つ い て 議 論 し た 。 国 内 企 業 、 欧 米 系 オ ー プ ン 化 先 進 企 業 と も 、 本 国 で の 考 え 方 と 現 地 で の 活 動 内 容 の 両 方 を 調 査 す る こ と に よ り 、 研 究 開 発 オ ー プ ン 化 の 体 制 ・ 手 段 、 具 体 的 な リ ソ ー ス 活 用 状 況 を 比 較 す る こ と に し た 。
( 3 ) 第 3 回 検 討 委 員 会 ( 平 成 21 年 10 月 6 日(火) 10: 00~12:00、 出 席 者 : 委 員 9 名 、 事 務 局 6 名 )
ア ン ケ ー ト 調 査 用 紙 を 完 成 さ せ た 。 国 内 ヒ ア リ ン グ 調 査 及 び 海 外 調 査 の 訪 問 先 の 検 討 、 訪 問 候 補 者 の 調 整 を 行 っ た 。
( 4 ) 調 査 状 況 検 討 WG( 平 成 21 年 12 月 24 日(木) 14: 00~17:00、 出 席 者 : 委 員 2 名 、 事 務 局 6 名 )
調 査 結 果 を ま と め る 際 の 、 本 調 査 研 究 の 分 析 の 枠 組 み を 明 確 化 し た 。 ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 、 国 内 ヒ ア リ ン グ 調 査 結 果 及 び 海 外 調 査 結 果 を 、 前 記 の 枠 組 み に 沿 っ て 概 観 し た 。 報 告 書 の 具 体 的 な ま と め 方 に つ い て 、 方 針 を 議 論 し た 。
( 5 ) 第 4 回 検 討 委 員 会 ( 平 成 22 年 1 月 5 日(火) 13: 00~17:00、 出 席 者 : 委 員 8 名 、 オ ブ ザ ー バ 1 名 、 事 務 局 6 名 )
第 1 回 講 演 会 に 参 加 し た 。 ア ン ケ ー ト 調 査 、 国 内 ヒ ア リ ン グ 調 査 及 び 海 外 調 査 の 進 捗 状 況 の 確 認 を 行 っ た 。 報 告 書 の ま と め 方 の 方 針 を 確 認 し た 。
( 6 ) 第 5 回 検 討 委 員 会 ( 平 成 22 年 1 月 29 日(金) 10: 00~12:00、 出 席 者 : 委 員 7 名 、 オ ブ ザ ー バ 1 名 、 事 務 局 5 名 )
第 2 回 講 演 会 に 参 加 し た 。 海 外 調 査 の 進 捗 状 況 の 最 終 確 認 を 行 い 、 報 告 書 の ま と め の 状 況 を フ ォ ロ ー し た 。
2 . 2 ア ン ケ ー ト 調 査 2 . 2 . 1 調 査 の 概 要
機 械 工 業 の 経 営 戦 略 に お い て 外 部 と の 連 携 、 オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン の 必 要 性 が 高 ま っ て い る 。 我 が 国 機 械 工 業 に お い て も 、 研 究 開 発 活 動 が 海 外 に 展 開 さ れ て お り 、2000 年 以 降 は 中 国 を 中 心 と し た ア ジ ア に お け る 研 究 開 発 拠 点 の 設 置 が 多 く な っ て い る 5。 日 本 企 業 の 海 外 で の 研 究 開 発 の 活 動 状 況 に つ い て は 岩 田 氏(1993 年 、1998 年)6に よ っ て 調 査 が 実 施 さ れ て い る 。 日 本 企 業 の 全 体 的 な 傾 向 と し て 、 い わ ゆ る 発 展 段 階 論 的 な 輸 出 ・ マ ー ケ テ ィ ン グ の グ ロ ー バ ル 化
⇒ 生 産 の グ ロ ー バ ル 化 ⇒ 研 究 開 発 の グ ロ ー バ ル 化 が あ り 、 製 造 拠 点 の 設 置 に 続 い て 研 究 開 発 拠 点 が 現 地 に 設 立 さ れ て い る こ と 、 欧 州 に お い て は 基 礎 研 究 を 重 視 し た 研 究 が 多 く 米 国 で はITな ど の 開 発 に 近 い 研 究 が 多 い こ と 、 ア ジ ア 地 区 で は 現 地 人 材 の 活 用 が 少 な い こ と な ど が 報 告 さ れ て い る 。 日 本 企 業 の 研 究 開 発 の グ ロ ー バ ル 化 は 、 欧 米 企 業 か ら 10 年 以 上 遅 れ て 80 年 代 後 半 か ら 増 加 し て い る 。
今 回 の ア ン ケ ー ト 調 査 で は 欧 米 並 び に ア ジ ア 諸 国 に お け る 我 が 国 企 業 の 研 究 開 発 の 展 開 状 況 を 把 握 す る こ と を 目 的 に 、 海 外 拠 点 の 位 置 付 け 、 パ フ ォ ー マ ン ス 、 マ ネ ジ メ ン ト 、 課 題 を 中 心 に 調 査 し た 。 調 査 に 当 た っ て は 国 、 地 域 別 で の 取 組 み 状 況 の 違 い に つ い て も 比 較 を 試 み た 。
2 . 2 . 2 調 査 対 象
海 外 に 製 造 拠 点 、 研 究 開 発 拠 点 を 有 す る 企 業 と し て 国 内 企 業 が 50%以 上 支 出 し て い る 会 社 652 社 を 民 間 デ ー タ ベ ー ス ( 東 洋 経 済 「 海 外 進 出 企 業 総 覧 2009 年 版 」) よ り 抽 出 し 、 こ れ ら の 企 業 に ア ン ケ ー ト に よ る 調 査 を 実 施 し た 。 対 象 会 社 数 は 652 社 、 ア ン ケ ー ト 質 問 事 項 は 以 下 の と お り で あ る 。
Ⅰ . 貴 社 の プ ロ フ ィ ー ル
Ⅱ . 海 外 研 究 開 発 リ ソ ー ス の 活 用 に つ い て
Ⅲ . 海 外 研 究 開 発 拠 点
そ の 結 果 、125 社 よ り 回 答 を 得 た 。 こ れ ら の 回 答 に つ い て ア ン ケ ー ト 集 計 を 行 っ た 。
2 . 2 . 3 調 査 結 果
( 1 ) 海 外 で の 研 究 開 発 リ ソ ー ス 活 用 の 内 容 と 狙 い
回 答 の あ っ た 企 業 125 社 の う ち 、97 社 ( 回 答 数 125 社 の 約 78% ) か ら 、 海 外 に お い て 研 究 開 発 リ ソ ー ス の 活 用 を 行 っ て い る と の 回 答 を 得 た 。
リ ソ ー ス の 活 用 内 容 で 上 位 に く る の は 、 図 2 . 2 - 1 に 示 す と お り 、 技 術 ・ ノ ウ ハ ウ の 導 入 、 海 外 出 身 研 究 者 の 雇 用 、 海 外 と の 共 同 研 究 、 拠 点 設 置 な ど で あ る 。
5 上 野 ら(2008)を 参 照
6 岩 田(2007)を 参 照
53.3%
52.5%
47.1%
42.3%
35.2%
33.6%
19.0%
16.7%
12.3%
9.8%
9.1%
8.1%
11.5%
6.6%
10.7%
0.0%
10.7%
9.9%
4.1%
8.2%
15.6%
9.1%
0.0%
23.8%
29.5%
33.9%
45.5%
45.1%
44.3%
61.2%
83.3%
8.2%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
海外の技術・ノウハウの導入
海外出身の研究者雇用
海外の研究開発機関との共同研究開発
海外研究開発拠点の設置
海外の研究開発機関への委託研究開発
海外の研究開発機関への社員派遣
海外の研究開発コンソーシアム、プロジェクト等に参画
その他
現在実施している 計画中・検討中 過去実施していたが現在は実施していない 実施しておらず予定もない
図 2 . 2 - 1 我 が 国 企 業 の 海 外 リ ソ ー ス 活 用 の 内 容
100.0 1.4
68.0 43.8
63.3 37.0
54.0 23.3
50.0 23.3
26.5 13.7
84.3 30.6
50.0 10.0
0.0 13.9
2.0 19.2
10.2 8.2
10.0 12.3
8.0 5.5
12.2 11.0
5.9 12.5
0.0 0.0
0.0 6.9
10.0 11.0
6.1 12.3
8.0 8.2
8.0 20.5
14.3 5.5
3.9 11.1
0.0 0.0
0.0 77.8
20.0 26.0
20.4 42.5
28.0 56.2
34.0 50.7
46.9 69.9
5.9 45.8
50.0 90.0
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0
(有)
(無)
(有)
(無)
(有)
(無)
(有)
(無)
(有)
(無)
(有)
(無)
(有)
(無)
(有)
(無)
a.海外研究開発拠点b.海外の技術・ノウハウの導入c.海外の研究開発機関との共同研究開発d.海外の研究開発機関への委託研究開発e.海外の研究開発機関への社員派遣f.海外の研究開発コンソーシアム、プロジェクト等に参画g.海外出身の研究者雇用h.その他
現在実施している 計画中・検討中 過去実施していたが現在は実施していない 実施しておらず予定もない 海外研究開発拠点の設置
海外の技術・ノウハウの導入
海外の研究開発機関との共同研究開発
海外の研究開発機関への委託研究開発
海外の研究開発機関への社員派遣
海外の研究開発コンソーシアム、プロジェクト等に参画
海外出身の研究者雇用
その他
N=52 N=72 N=50 N=73 N=49 N=73 N=50 N=73 N=50 N=73 N=49 N=73 N=51 N=72 N=2 N=10
図 2 . 2 - 2 我 が 国 企 業 の 海 外 リ ソ ー ス 活 用 内 容(海 外 拠 点 の 有 無 に よ る 違 い)
こ れ ら の 回 答 を 海 外 に 研 究 開 発 拠 点 を 設 置 し て い る 企 業 群 と 設 置 し て い な い 企 業 群 と に 分 類 し 、 海 外 リ ソ ー ス 活 用 内 容 の 違 い を 集 計 し た 結 果 を 図 2 . 2 − 2 に 示 す 。 海 外 に 研 究 開 発 拠 点 を 設 置 し て い る 企 業 群 は そ う で な い 企 業 群 に 比 べ て 、 海 外 リ ソ ー ス 活 用 の い ず れ の 項 目 に つ い て も 高 い 比 率 で 実 際 に 実 施 し て お り 、 研 究 開 発 拠 点 を 設 置 し て い る 企 業 は 海 外 リ ソ ー ス の 活 用 に 積 極 的 で あ る 。
海 外 リ ソ ー ス の 活 用 状 況 は 相 手 国 に よ っ て 大 き く 異 な る 。 国 別 の 集 計 結 果 は 図 2 . 2 - 3 の と お り で あ る 。 欧 米 で は 技 術 ・ ノ ウ ハ ウ の 導 入 、 共 同 研 究 開 発 、 委 託 研 究 開 発 が 大 き な 比 率 を 占 め る 。 新 興 国 に つ い て は 主 に 研 究 者 雇 用 の 比 率 が 高 い が 、 相 手 国 と し て は 主 に 中 国 で あ る 。 中 国 で は 現 地 の 研 究 開 発 機 関 へ の 委 託 研 究 開 発 、 共 同 研 究 開 発 に つ い て も 高 い 比 率 と な っ て い る 。
37 12 10 5 2 6
25 6
8 3
3 14
20 7
4 2
2 13
26 9
3 3
2 3
3 2
1 0
0 1
5 1
0 4 5
16
0% 20% 40% 60% 80% 100%
米国 英国 ドイツ フランス 韓国 中国
海外の技術・ノウハウの導入 海外の研究開発機関との協同 研究開発
海外の研究開発機関への委託 研究開発
海外の研究開発機関への社員 派遣
海外の研究開発コンソーシア ム、プロジェクト等に参画 海外出身の研究者雇用
図 2 . 2 - 3 対 象 国 別 の 我 が 国 企 業 の 海 外 リ ソ ー ス 活 用 の 内 容
29.6%
38.3%
38.8%
47.6%
18.5%
21.0%
26.9%
17.5%
51.9%
40.7%
34.3%
34.9%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
海外の技術・ノウハウの導入
海外の研究開発機関との共同研究開発
海外の研究開発機関への委託研究開発
海外の研究開発機関への社員派遣
大学 公私立研究機関 企業
N=67
N=63
図 2 . 2 - 4a 欧 米 で の 連 携 先 の 比 率
39.5%
45.8%
58.8%
50.0%
21.1%
18.8%
8.8%
16.7%
39.5%
35.4%
32.4%
33.3%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
海外の技術・ノウハウの導入
海外の研究開発機関との共同研究開発
海外の研究開発機関への委託研究開発
海外の研究開発機関への社員派遣
大学 公私立研究機関 企業
N=38
N=48
図 2 . 2 - 4b 新 興 国 で の 連 携 先 の 比 率
図 2 . 2 - 4a、b に 示 す よ う に 、 対 象 と な っ て い る 連 携 先 は 大 学 や 公 的 研 究 機 関 が 半 数 以 上 と な っ て い る 。 欧 米 で は 企 業 と の 連 携 、 中 国 等 ア ジ ア で は 大 学 、 公 的 機 関 と の 連 携 が 主 と な っ て い る 。 国 内 企 業 が 国 内 で 連 携 を 進 め る 場 合 、 大 学 、 公 的 機 関 と の 連 携 よ り も 企 業 間 連 携 を 進 め て い る 。 そ の 理 由 は 自 社 に な い 技 術 と 並 ん で ス ピ ー ド ア ッ プ の 要 請 が 強 い こ と に よ る 。
( 2 ) 海 外 研 究 開 発 拠 点
海 外 研 究 開 発 拠 点 の 有 無 に つ い て は 、 上 記 の 海 外 リ ソ ー ス の 活 用 を 行 っ て い る 企 業 の 4 割 以 上 が 研 究 開 発 拠 点 を 設 置 し て い る 。 回 答 企 業 の 中 で は 設 置 箇 所 は 1 位 米 国 34 件 、2 位 欧 州 18 件 、3 位 中 国 17 件 、4 位 そ の 他 ア ジ ア 12 件 で 、 イ ン ド は 少 な い(図 2 . 2 - 5)。
① 海 外 研 究 開 発 拠 点 の 位 置 付 け
図 2 . 2 - 6 に 海 外 研 究 開 発 拠 点 の 位 置 付 け に 対 す る 回 答 結 果 を 示 す 。 海 外 研 究 開 発 拠 点 の 位 置 付 け は 各 地 域 に よ り 異 な り 、 そ れ ぞ れ に 対 応 し て 目 的 が 設 定 さ れ て い る 。 米 国 拠 点 で は 現 地 市 場 向 け に 加 え て グ ロ ー バ ル 市 場 に 向 け た 製 品 の 研 究 開 発 、 基 礎 研 究 を 目 的 と し て い る 。 欧 州 の 特 徴 は 他 の 地 域 に 比 べ て 基 礎 研 究 の 比 率 が 高 い こ と で あ る 。 一 方 、 中 国 は 現 地 市 場 に 向 け た 製 品 の 研 究 開 発 が 主 で あ る 。 地 産 地 消 的 な 、 現 地 人 材 を 活 用 し た 現 地 向 け 製 品 の 開 発 が 主 と な っ て き て お り 、 成 果 を グ ロ ー バ ル に 展 開 す る こ と は 比 較 的 少 な い 。 シ ン ガ ポ ー ル で は 特 に 市 場 規 模 が 小 さ く 、 現 地 政 府 の 政 策 的 な 後 押 し を 受 け て 現 地 人 材 活 用 を は か り 、 日 本 市 場 向 け と グ ロ ー バ ル 市 場 向 け の 研 究 開 発 を 実 施 し て い る 。
図 2 . 2 - 5 海 外 研 究 開 発 拠 点 の 設 置 状 況
10
9
3
0
1
2
0
4
2
3
1
3
3
1
18
10
13
2
0
5
1 13
6
3
1
3
3
0 3
1
1
0
0
0
0
0% 20% 40% 60% 80% 100%
米国
欧州
中国
インド
シンガポール
その他アジア
その他の国
基礎研究のための研究開発拠点 日本国内市場向けの製品開発、生産 技術開発を行う研究開発拠点 現地国市場向けの製品開発、生産技 術開発を行う研究開発拠点 グローバルな製品開発、生産技術開 発を行うグローバル開発拠点 その他
N=33
N=20
N=16
N=5
N=4
N=10
N=3
図 2 . 2 - 6 海 外 研 究 開 発 拠 点 の 位 置 付 け
欧 米 企 業 の 中 国 で の 展 開 事 例 か ら も 、 中 国 に お い て も グ ロ ー バ ル 市 場 向 け の 開 発 が 進 む こ と は 間 違 い な い と 推 測 さ れ る 。 例 え ば マ イ ク ロ ソ フ ト 社 は 、 中 国 市 場 か ら グ ロ ー バ ル 市 場 へ 向 け た 製 品 の 研 究 開 発 に 移 行 し つ つ あ る 7。 ま た 、 イ ン ド で の 展 開 は 、 市 場 の 魅 力 と い う よ り 現 状 で は ソ フ ト ウ ェ ア 技 術 な ど の 現 地 人 材 を い か に 確 保 し て 有 効 に 活 用 で き る か が 課 題 で あ る と 同 時 に 、 将 来 の 市 場 成 長 を に ら ん だ 対 応 が 必 要 と 思 わ れ る 。
し た が っ て 、 研 究 開 発 拠 点 の 設 置 理 由 も 国 ご と に 異 な る 。 米 欧 で は 技 術 情 報 の 収 集 、 現 地 ニ ー ズ へ の 対 応 、 人 材 、 大 学 ・ 公 的 機 関 と の 連 携 が あ が る 。 中 国 に つ い て は 主 に 現 地 ニ ー ズ へ の 対 応 、 次 い で 人 材 、 コ ス ト 、 大 学 ・ 公 的 機 関 と の 連 携 と な る 。 ま た 中 国 へ の 設 置 の 提 案 は 米 欧 に 比 較 し 事 業 部 か ら が 多 い 。 こ の こ と に よ り 研 究 テ ー マ が 事 業 内 容 に 近 い こ と が 示 唆 さ れ る 。 シ ン ガ ポ ー ル は 主 と し て 大 学 ・ 公 的 機 関 と の 連 携 で あ る 。
② 海 外 研 究 開 発 拠 点 の パ フ ォ ー マ ン ス
海 外 拠 点 の 研 究 開 発 能 力 に つ い て は 、 図 2 . 2 - 7 に 示 す よ う に 、 必 ず し も 海 外 拠 点 を 高 く 評 価 し て い る わ け で は な い 。 米 欧 拠 点 に つ い て は 、 国 内 拠 点 よ り 優 れ て い る と の 回 答 は 1 割 、 国 内 と 同 程 度 は 4 割 を 占 め た 。 中 国 拠 点 に つ い て は 国 内 拠 点 よ り 優 れ て い る と の 回 答 は 1 割 あ る も の の 、 残 り は 日 本 国 内 拠 点 の 方 が 優 位 、 イ ン ド 拠 点 に つ い て は 国 内 が 優 位 と の 回 答 が 多 か っ た 。 一 方 シ ン ガ ポ ー ル は 7 割 以 上 が 国 内 と 同 等 以 上 と の 回 答 が あ っ た 。 シ ン ガ ポ ー ル で の 人 材 確 保 に 対 す る 評 価 が 高 い 。
4
2
2
0
1
1
0
6
5
0
0
2
0
1 20
8
13
1
1
6
0 1
0
1
0
0
1
0
0% 20% 40% 60% 80% 100%
米国
欧州
中国
インド
シンガポール
その他アジア
その他の国
海外の研究開発拠点のほうが 優位
ほぼ同等
日本国内の研究開発拠点の方 が優位
わからない N=31
N=15
N=16
N=1
N=4
N=8
N=1
図 2 . 2 - 7 海 外 研 究 開 発 拠 点 の パ フ ォ ー マ ン ス
7 研 究 産 業 協 会 、 平 成 20 年 度 研 究 開 発 国 際 展 開 検 討 委 員 会 報 告 書
3 2 0 0
1 0
0
11 5 3
0
2 3
0
8 6 3
0
0 0
1
4
2 5
0
0 4
0 4
1 3
0
0 0
0 2
0 1 1
0 2
0
0% 20% 40% 60% 80% 100%
米国 欧州 中国 インド シンガポール その他アジア その他の国
多くある 少しある 同程度 あまりない ない
把握していない N=30
N=16 N=15 N=1 N=3 N=9 N=1
図 2 . 2 - 8 海 外 研 究 開 発 拠 点 の 成 果
一 方 、 海 外 拠 点 の 成 果 ( 新 製 品 へ の 寄 与 、 論 文 、 特 許 な ど ) に 対 す る 評 価 に つ い て は 、 米 欧 で は 4 割 が 国 内 よ り 優 れ た 成 果 、6 割 以 上 が 国 内 と 同 程 度 以 上 の 成 果 が あ る と 回 答 し て い る(図 2 . 2 - 8)。 シ ン ガ ポ ー ル は 進 出 し て い る す べ て が 国 内 よ り 優 れ た 成 果 が あ る と 回 答 し て い る 。 こ れ ら に 比 べ 、 中 国 の 拠 点 で は 国 内 と 同 程 度 の 成 果 が 出 て い る と の 回 答 は 4 割 に と ど ま り 、 回 答 企 業 の 6 割 は あ ま り な い と 回 答 し て い る 。
12
9
9
1
1
6
1 3
5
3
0
2
1
0 16
8
6
0
1
0
1 4
5
1
0
0
0
0 2
2
0
0
0
0
0 3
3
1
0
1
0
0 9
1
4
0
1
2
0
0% 20% 40% 60% 80% 100%
米国
欧州
中国
インド
シンガポール
その他アジア
その他の国
現地国内の大学 現地国内の公的機関 現地国内の企業
現地国以外の海外の大学 現地国以外の海外の公的機関 現地国以外の海外の企業 他機関との連携はしていない
図 2 . 2 - 9 海 外 研 究 開 発 拠 点 で の 現 地 機 関 と の 連 携