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1

音響すかし技術を活用した情報配信システムの開発・調査

報 告 書

平成22年3月19日

財団法人 ニューメディア開発協会

こ の 事 業 は 、 競 輪 の 補 助 金 を 受 け て 実 施 し た も の で す 。

http://ringring-keirin.jp

(2)

2

わが国経済の安定成長への推進にあたり、情報・機械産業をめぐる経済的、

社会的諸条件は急速な変化を見せており、社会生活における環境、都市、防災、

住宅、福祉、教育等、直面する問題の解決を図るためには技術開発力の強化に 加えて、多様化、高度化する社会的ニーズに適応する情報・機械システムの研 究開発が必要であります。

このような社会情勢の変化に対応するため、財団法人ニューメディア開発協 会では、財団法人JKAから自転車等機械工業振興事業に関する補助金の交付 を受けて、ニューメディアを開発・普及する補助事業を実施しております。

本「音響すかし技術を活用した情報配信システムの開発・調査」は、ニュー メディア情報システムの開発事業の一環として、当協会が株式会社アライヴに 委託し、実施した成果をまとめたもので、関係諸分野の皆様方にお役に立てれ ば幸いであります。

平成22年3月19日

財団法人 ニューメディア開発協会

(3)

3

目次

1. はじめに ... 10

1.1. 背景及び目的 ... 10

1.2. 実施概要 ... 11

1.3. 音響透かし館内放送システムの概要 ... 12

1.4. 音響透かし館内放送システムの利用イメージと特徴 ... 13

1.5. 音響透かし館内放送の効果 ... 14

1.6. 利便性とサービスの受容性についての検証事項 ... 15

1.6.1 技術面における検証 ... 15

1.6.2 運用面における検証 ... 15

1.7. 音響透かし基礎技術の特徴 ... 16

2. 開発調査に向けた状況整理 ... 17

2.1. 情報伝送媒体の比較 ... 18

2.2. 音波通信における透かし技術スキーム ... 19

2.3. 音響透かし館内放送システムの機能構成 ... 20

2.4. 音響透かし合成装置の要件 ... 21

2.4.1 音の入力 ... 22

2.4.2 透かしの入力 ... 22

2.4.3 エンコーダ ... 23

2.4.4 エンコード結果の保存 ... 23

2.4.5 オーディオデータのファイル化 ... 23

2.4.6 エンコード結果の検索と放送設備への出力 ... 25

2.4.7 音響透かし合成装置の実装 ... 25

2.4.8 リアルタイム・エンコーダ ... 25

2.5. 携帯端末の要件 ... 27

2.5.1 音響信号の受音 ... 28

2.5.2 デコーダ ... 29

2.5.3 デコード結果の通知に関わる付帯機能 ... 29

2.5.4 携帯端末(スマートフォン) ... 30

2.6. 館内放送サービスの整理 ... 32

2.7. 電波の利用制限がある場所への適応 ... 34

2.8. 音響透かし技術を活用したサービス動向 ... 35

2.9. 携帯端末を活用した音響透かし館内放送サービス ... 37

2.9.1 想定利用シーンの選定 ... 37

(4)

4

2.9.2 サービスモデルの検討 ... 38

2.9.3 サービスの利用イメージ ... 41

2.9.4 サービスの運用要件 ... 47

3. 開発調査の内容 ... 48

3.1. 実施概要 ... 48

3.1.1 実証システムの開発概要 ... 48

3.1.2 利用者向けの調査 ... 52

3.1.3 運営者向けの調査 ... 54

3.2. サービスの流れ ... 56

3.2.1 基本シーケンス ... 56

3.2.2 サービス更新シーケンス ... 57

3.3. エンコーダ・アプリケーション ... 58

3.3.1 基本仕様 ... 58

3.3.2 動作環境 ... 58

3.3.3 インストール ... 58

3.3.4 アプリケーションの使い方 ... 59

3.3.5 エンコーダにて起こり得る問題の解決方法 ... 72

3.4. デコーダ・アプリケーション ... 73

3.4.1 基本仕様 ... 73

3.4.2 動作環境 ... 73

3.4.3 インストール ... 73

3.4.4 アプリケーションの使い方 ... 74

3.4.5 デコーダにて起こり得る問題の解決方法 ... 85

3.5. 検証項目 ... 86

3.5.1 技術検証項目 ... 86

3.5.2 運用検証項目 ... 87

3.6. 技術検証の結果 ... 89

3.6.1 基本動作に関する検証 ... 89

3.6.2 システム安定性に関する検証 ... 91

3.6.3 システム処理性能に関する検証 ... 103

3.7. 運用検証の結果 ... 109

3.7.1 利用者向けの検証結果 ... 109

3.7.2 運営者向けの検証結果 ... 113

3.8. まとめ ... 121

3.8.1 実証システムにおける基礎技術に関する課題 ... 122

(5)

5

3.8.2 相互運用性に関する課題 ... 122 3.8.3 携帯端末に関する課題 ... 123 4. 付録 アンケート設問項目 ... 124

(6)

6

図表目次

図 1.2-1 システムの利用イメージ(病院内放送) ... 11

図 1.3-1 PCイメージ ... 12

図 1.3-2 携帯端末イメージ ... 12

図 1.4-1 システムの利用イメージ(構内・車内放送) ... 13

図 2.3-1 音響透かし放送システムの機能構成と処理フロー ... 20

図 2.5-1 代表的なスマートフォン ... 30

図 2.7-1 電波の利用制限がある場所... 34

図 2.9-1 携帯端末を活用した音響透かし館内放送サービスモデル ... 38

図 2.9-2 音響透かしサービスセンタ機能連携図 ... 39

図 2.9-3 駅構内・車内放送におけるサービスイメージ ... 41

図 2.9-4 院内放送におけるサービスイメージ ... 42

図 2.9-5 機内放送におけるサービスイメージ ... 43

図 2.9-6 娯楽施設におけるサービスイメージ ... 44

図 2.9-7 家庭内におけるサービスイメージ ... 45

図 2.9-8 商業施設におけるサービスイメージ ... 46

図 3.1-1 音響透かしの埋込処理概要図 ... 49

図 3.1-2 実証システム ... 50

図 3.2-1 音響透かし情報の送受信シーケンス ... 56

図 3.2-2 サービス更新シーケンス ... 57

図 3.3-1 かんたん作成ソフト開始画面 ... 59

図 3.3-2 マイクによる録音アイコン... 60

図 3.3-3 音響信号ファイルの選択アイコン ... 60

図 3.3-4 音響信号の作成画面 ... 61

図 3.3-5 録音中 ... 62

図 3.3-6 録音終了 ... 62

図 3.3-7 音響信号の指定画面 ... 63

図 3.3-8 ファイル選択画面 ... 64

図 3.3-9 ファイル名指定 ... 64

図 3.3-10 文字情報埋め込み設定画面... 66

図 3.3-11 文字情報編集画面 ... 67

図 3.3-12 文字情報変更 ... 67

図 3.3-13 文字情報編集後の確認 ... 68

(7)

7

図 3.3-14 文字情報指定 ... 69

図 3.3-15 確認画面 ... 69

図 3.3-16 エンコード完了画面 ... 70

図 3.3-17 再生 ... 71

図 3.4-1 待ち受け画面 ... 74

図 3.4-2 メイン画面... 75

図 3.4-3 音響受信環境あり ... 76

図 3.4-4 設定画面 ... 77

図 3.4-5 文字情報設定 ... 78

図 3.4-6 音響透かし入り音響信号の受信 ... 79

図 3.4-7 受信感度低... 79

図 3.4-8 受信感度中... 80

図 3.4-9 受信感度高... 80

図 3.4-10 詳細情報 ... 80

図 3.4-11 メイン画面 ... 81

図 3.4-12 セッション一覧画面 ... 82

図 3.4-13 セッション詳細画面 ... 83

図 3.4-14 E-mail作成画面 ... 84

図 3.6-1 基本シーケンス ... 89

図 3.6-2 サービス更新シーケンス ... 90

図 3.6-3 測定位置 ... 91

図 3.6-4 50dbでの測定結果 ... 93

図 3.6-5 70dbでの測定結果 ... 93

図 3.6-6 測定位置 ... 95

図 3.6-7 雑音無し状態での測定結果... 97

図 3.6-8 雑音有り状態での測定結果... 97

図 3.6-9 測定位置 ... 99

図 3.6-10 標準マイクを使用した測定結果 ... 101

図 3.6-11 無指向性マイクを使用した測定結果 ... 101

図 3.6-12 音響透かし埋め込み処理時間のグラフ ... 104

図 3.6-13 標準マイクを使用した測定結果 ... 106

図 3.6-14 無指向性マイクを使用した測定結果 ... 106

図 3.7-1 性別 ... 109

図 3.7-2 年代別 ... 109

図 3.7-3 利用携帯端末種別 ... 110

図 3.7-4 携帯端末の機能別利用状況... 110

(8)

8

図 3.7-5 利便性の比較結果 ... 111

図 3.7-6 携帯端末を活用した音響透かし館内放送サービスの利用意向 ... 112

図 3.7-7 エンコーディング作業に関する操作性 ... 113

図 3.7-8 エンコーディング所要時間に関する評価 ... 114

図 3.7-9 デコーディング作業に関する操作性評価 ... 114

図 3.7-10 デコーディング作業に関する操作性評価 ... 115

図 3.7-11 デコーディング所要時間に関する評価 ... 115

図 3.7-12 サービスとしての有効性の評価 ... 116

図 3.7-13 サービスとして有効であると思う理由 ... 117

図 3.7-14 水平展開へのニーズ(他のサービスでも利用したいか否か) ... 118

図 3.7-15 使用制限へのニーズ(端末は限定されるべきか否か) ... 119

図 3.7-16 今後に向けた改善点 ... 120

表 2.1-1 館内における情報伝送媒体の比較 ... 18

表 2.2-1 音響透かし変調スキームの比較 ... 19

表 2.6-1 音声放送と各種提供サービス ... 32

表 2.9-1 主な登場プレイヤー ... 40

表 3.1-1 利用者向け実証実験シナリオ ... 52

表 3.1-2 運営者向け実証実験シナリオ ... 55

表 3.5-1 技術検証方法 ... 86

表 3.5-2 運用検証方法 ... 87

表 3.5-3 運用者向け運用検証方法 ... 87

表 3.6-1 館内スピーカと携帯端末のマイクとの距離、角度による認識率 ... 92

表 3.6-2 放送機器を通したことによる音質劣化後の認識率 ... 96

表 3.6-3 無指向性マイクによる認識率 ... 100

表 3.6-4 音響透かし埋め込みの処理時間 ... 103

表 3.6-5 音響透かしデータ抽出時間の測定結果 ... 105

表 3.6-6 携帯端末の消費電力量 ... 107

(9)

9 用語集

用語 意味・説明 音響透かし通信

技術 音響信号にデジタル情報を重畳し空中伝送する技術

音響透かし館内 放送システム

本開発調査において構築した「音響透かし通信技術を活用した情報配 信基盤」を指す。

エンコーダで作成した透かし入り音響信号をスピーカから流し、デコ ーダで受信した音響信号から音響透かしデータを取得し、文字情報と して表示する機能を有する。

エンコーダ 音源ファイルに透かしデータを埋め込むソフトウェア デコーダ 受信した音響信号から透かしデータを抽出するソフトウェア

携帯端末 デコーダとして使用できる携帯型のデジタル機器。サービス利用者が 携帯することを想定する。

本開発調査ではiPhone 3GSまたはiPod Touchを使用した。

(10)

10

1. はじめに 1.1. 背景及び目的

政府は、障害のある人もない人も、互いに支えあい、地域で安心して生き生きと明るく 豊かに暮らしていける社会を目指す「ノーマライゼーション」の理念に基づき、様々な施 策により行政サービス提供体制の充実に取り組んでいる。又、「情報の利用におけるバリ アフリー化」に関して障害者基本法では、国及び地方公共団体は、障害者が円滑に情報を 利用し、及びその意思を表示できるようにするため、障害者が利用しやすい電子計算機及 びその関連装置その他情報通信機器の普及、電気通信及び放送の役務の利用に関する障害 者の利便の増進、障害者に対して情報を提供する施設の整備等が図られるよう必要な施策 を講じなければならないと明記されている。このように情報機器等における障害者の利便 の確保を国と地方自治体の責務としており,参議館内閣委員会の同法の付帯決議には,情 報機器等のみならず,コンテンツや通信サービスについてのバリアフリー化の実現に向け て万全を期すことが明記されている。近年こうした動きは行政だけでなく民間レベルでも 求められるようになっている。

このような取り組みの中、ハードウェアとしては公共施設などの建物はユニバーサル デザインを意識したものが多くなってきているが、ソフトウェアつまり実際の施設の運 営面では課題が多く残されている。そのひとつに館内放送がある。館内放送は、施設の利 用者に対して情報の伝達手段としては最も一般的な手段であるが、聴覚障害者への情報伝 達を的確に行うことはできていない。又、高齢者や健常者でも、周りの音で聞き取れない、

聞き逃がしたという経験は少なくない。館内の情報伝達手段として誰もが、どこでも正確 に情報を取得し利用できる技術が求められている。

近年技術開発された音響透かし技術を利用した音波情報伝送方式は、音にデジタル情報 を重畳し空中伝送する技術であるため、光波・電波・電磁波を使用せずに音だけでデジタ ル通信が可能であり、医療機器や精密機器に誤動作等の影響を与えることなく、安心・安 全に利用できる特徴がある。既存の館内放送用機器や市販されている携帯端末を流用して 低コストで導入でき、聴覚への影響も無く、且つ複数人へリアルタイムに伝える手段とし て非常に有効であると考える。

本開発・調査においては、音響透かし技術を活用した情報配信の基盤を構築し、高度情 報化社会における新しい情報伝達手段としての音響透かし技術の利便性とそれを利用し たサービスの受容性について検証する。

(11)

11

1.2. 実施概要

本開発調査では、電子透かし技術の一種で通信に際し電波を使用しない『音響透かし通 信技術を活用した情報配信基盤』を構築し、構内・館内放送を想定した実証実験環境に基 づき、音響透かし通信技術の利便性と、それを利用したサービスの受容性について検証し た。

実証実験のフィールドについては、技術的な検証に重点を置き、施設の音響特性に近い 実験室にて実施したが、実際の施設運営者、施設利用者に本研究調査の趣旨を説明し、ア ンケート調査を行い、結果をまとめた。本節では実施概要について記載する。

以降、構築した『音響透かし通信技術を活用した情報配信基盤』を便宜上『音響透かし 館内放送システム』と記載する。

図 1.2-1 システムの利用イメージ(病院内放送)

音声アナウンス 文字情報の

割り当て 院内放送

BGM

♪水野様、

お部屋までお戻り ください。

水野さま、お部屋まで お戻りください。

(12)

12

1.3. 音響透かし館内放送システムの概要

音響透かし館内放送システムは、音響信号に情報を埋め込む『エンコーダ』と、音響信 号から情報を抽出する『デコーダ』、及び放送設備から構成される。

1. 音響信号に文字情報を埋め込むためのソフトウェア。(エンコーダ)

1.1. Windows PCで動作する。

1.2. 予め録音されたBGMなどの音楽に、データを重ね合わせることが可能。

1.3. マイクから入力された生の音声にも、データを重ね合わせることが可能。

1.4. 出力ファイル(音響透かし入り音響信号)は、WAV形式ファイルとしてディスク

媒体に記録できる。

1.5. PCにて出力ファイルを再生し、館内放送設備から放送する。

図 1.3-1 PCイメージ

2. 音響透かし入り音響信号から情報を抽出するソフトウェア。(デコーダ) 2.1 利用者が所持する携帯端末に搭載できる。

2.2 Apple社のスマートフォンである『iPhone 3GS』または、携帯用ミュージックプ

レイヤーの『iPod Touch』にて動作する。

2.3 受信した音響信号からデータを抽出し、文字情報として画面に表示する。

2.4 音響透かし入り音響信号を検出すると、バイブレーションが動作する。

2.5 受信した情報(受信時間・情報内容)を記録できる。

図 1.3-2 携帯端末イメージ

♪水野様、

お部屋までお戻り ください。

(13)

13

1.4. 音響透かし館内放送システムの利用イメージと特徴

音響透かし館内放送システムの利用方法と特徴を、操作の流れと合わせて以下に記述する。

1. 音響透かし館内放送システム用PCのコンテンツ作成機能を使用して、放送設備から出 力したいアナウンスやBGM等のオリジナル音響信号に、利用者に伝えたいデータを音 響透かし技術を用いて重ね合わせる。この作業で生成された「電子透かし入り音響信 号」はオリジナルとものと聞き較べても判別がつきにくくなっているので、利用者以 外には不快感を与えない。

2. 利用者には、予め電子透かし入り音響信号を受信し埋め込まれたデータを抽出するた めの携帯端末を所持して頂く。携帯端末は、Apple社のiPhone / iPod touchが使用可 能である。携帯電話の無線機能(電波)は使用しないので、無線機能がオフ状態でも使用 可能である。

3. 放送設備から、1の作業にて作成した音響透かし入り音響信号を再生する。

4. 利用者が所持する端末は、音響透かし入り音響信号を検出・データ抽出が完了すると バイブレーションもしくは着信音を鳴動させ、受信したデータを画面に表示する。

5. 利用者は、この文字情報を閲覧することで情報を入手することができる。

図 1.4-1 システムの利用イメージ(構内・車内放送)

音声アナウンス 文字情報の

割り当て 構内・車内放送

BGM

まもなく、桜木町に 到着します まもなく、桜木町に

到着します

(14)

14

1.5. 音響透かし館内放送の効果

他の放送型通信方式と比較した音響透かし館内放送の効果について以下に記述する。

1. 聴覚の不自由な方に放送を通じて文字で情報を伝えることが出来ます。

2. 電波にデリケートな場所においても安心してご利用頂けます。

3. 館内放送から受信した文字は、携帯端末に記録されます。

(15)

15

1.6. 利便性とサービスの受容性についての検証事項

音響透かし館内放送システムを仮想的なフィールドにて試験運用し、利便性とサービ スの受容性について、技術面と運用面に関する以下事項の検証作業を実施した。尚、評 価を実施した環境の運用条件に基づき、検証内容を調整した。

1.6.1 技術面における検証

(1) 音響透かし入り音響信号の安定性検証

① 館内スピーカと携帯端末のマイクとの距離、角度による認識率の測定

② 放送機器を通したことによる音声劣化後の認識率の測定

③ 音源の方向を特定できない利用者を想定した無指向性マイクによる認識 率の測定

(2) 音響透かし入り音響信号の処理性能検証

① 音響透かし埋込の処理時間: 音源の長さに対する埋込時間を測定

② 音響透かし抽出の処理時間: マイクが集音してから情報を抽出するまで の時間を計測

③ 携帯端末の消費電力量: 一回の充電で何時間連続受音待機ができるか計 測

1.6.2 運用面における検証

(1) 音響透かし入りコンテンツの操作性検証

① 音響透かし入りコンテンツの作成に関わる作業が、運営者にどの程度負担と なるかのアンケート調査

(2) 利用者の立場での利便性検証

① 音源の違いによる利便性のアンケート調査 1. 音声アナウンス

2. BGM

3. 音声アナウンス+BGM

② 音響透かし音に対する健常者の不快感のアンケート調査

(16)

16

1.7. 音響透かし基礎技術の特徴

本実証実験にて採用した音響透かし技術は、音響透かし技術の先駆者であり欧州にて 実績が豊富な英国Intrasonics社が開発した最新の『音響データ通信方式』を採用した。

特徴を以下に記述する。

① 聴音域を利用しており、既存の放送音響機器をそのまま利用できる。

② 雑音や反射によるフェージングの影響を受けにくく、屋内外問わず利用できる。

③ 音響信号にデータを埋め込むソフトウェアはPCに搭載可能である。

④ データの埋め込まれた音響信号からデータを抽出するソフトウェアは、市販されて いる携帯端末に搭載可能である。

(17)

17

2. 開発調査に向けた状況整理

本開発調査では、館内放送における音響のバリアフリー化に向けて、『放送設備と携帯端 末との間での音響信号によるデジタル情報の伝達」機能を具備する情報配信基盤を構築し、

実証実験を実施した。

本章ではこの実証実験に向けて、情報伝送媒体の機能比較と、音響による透かし技術ス キーム、音響透かし館内放送システムの要件、携帯端末の現状を整理するとともに、音響 透かし技術を活用した携帯端末への情報配信のありかた、サービスモデルについて検討す る。

(18)

18

2.1. 情報伝送媒体の比較

館内における情報伝達手段の運営で活用されうるソフトウェア技術の伝送媒体として、

音波、光波、電波が考えられる。以下に、館内の情報伝送を実用化する上で評価すべき項 目を比較した結果を示す。

表 2.1-1 館内における情報伝送媒体の比較

伝送

媒体 技術名称 伝送速度 伝播距離 耐性 指向性 既存設備 流用

同時受信 可能人数

音波 音響透かし 通信

△ 数bps

数m 音の聞こえる

範囲

○ 雑音

◎ なし

○ 館内放送設

備を利用

無制限

光波

赤外線通信 IrSS,IrDA

数kbps 数m △

障害物

× 敏感

× 専用機器が

必要

1

LED照明

可視光通信

○ 数kbps

数m 光の届く範囲

△ 障害物

× 障害物

× 専用機器が

必要

無制限

電波

電波タグ 近距離無線

数kbps 10m~ ○

雑電波

◎ なし

× 専用機器が

必要

無制限

非接触IC

(NFC等)

数kbps 数cm ×

障害物

× 敏感

× 専用機器が

必要

1

上記の結果から、音波通信は既存の機器を流用して低コストで実現でき、遠距離に在る 複数の集団にリアルタイムに伝える手段として非常に有効であると言える。伝送速度の観 点からは、現状の音波は、他の媒体と比較して数ビット/秒と遅いが、館内放送で行うサ ービスの実運用においては、定型的な伝えたいメッセージを数ビットのコードに割り当て、

音声サービスのコード体系化をしておくことで、少ない伝送量でも十分な運用は可能であ ると推測する。

(19)

19

2.2. 音波通信における透かし技術スキーム

画像や映像、音声における電子透かし技術は、デジタルコンテンツの違法コピーや違法 配信など著作権保護を目的に進歩してきた。音響透かし技術は、電子透かし技術の一種で あり、人間の聴覚の特性を利用し、音響信号に対してコンテンツ自体とは別の情報を人間 が知覚できないように埋め込む技術である。音響透かし技術に求められる要件を以下に記 述する。

音響透かし技術に求められる要件

(1) 秘匿性 音響透かしの抽出は、許可された者に限ること。

(2) 空中伝播耐性 音響透かしが他の音(雑音)に影響されにくいこと。

(3) 知覚不可性 音響透かしがあることに気づかないこと。

音響信号に対する電子透かし技術に関しては、国内外で数々の優れた方式が研究開発さ れているが、本開発調査の目的である『音のバリアフリー化』を実用化するためには、実 際の館内放送サービスの内容と環境の音響特性に最も適合する音波通信技術を採用するこ とが適当と考える。以下に、主な音響透かし変調スキームを比較した結果(推定を含む)

を示す。

表 2.2-1 音響透かし変調スキームの比較

技術名称 伝送速度 空中伝播耐性 無指向性 伝播距離

エコー変調 △ ◎ ○ ◎

OFDM変調 ◎ ○ - -

スペクトラム拡 散

△ ◎ ○ ○

周波数パッチワーク ○ ○ - -

(20)

20

2.3. 音響透かし館内放送システムの機能構成

前節で示した音響透かし技術を用いて情報を空中伝送するためには、音響信号に情報を 埋め込む『エンコーダ』機能を有する装置(音響透かし合成装置)と、音響信号から情報 を抽出(復号化)する『デコーダ』機能を有する装置(携帯端末)、及び放送設備が必要と なる。以下に、実運用時に期待されうる機能要件や課題、条件等を示す。

図 2.3-1 音響透かし放送システムの機能構成と処理フロー

音の 入 力

エ ン コ ー ダ

( 音 響 透 か し 埋 込

透か し の 入 力

エ ン コ ー ド 結 果 の 保 存

ファイル エ ン コ ー ド 結 果 の 検 索

放送設備か ら 再生 デコ ーダ( 音 響 透 か し の 抽 出 ) デコ ード 結 果 表 示

端末に て 受 音

音響透かし合成装置 利用者端末

音の 入 力

エ ン コ ー ダ

( 音 響 透 か し 埋 込

) エ ン コ ー ダ

( 音 響 透 か し 埋 込

透か し の 入 力

エ ン コ ー ド 結 果 の 保 存 エ ン コ ー ド 結 果 の 保 存

ファイル エ ン コ ー ド 結 果 の 検 索 エ ン コ ー ド 結 果 の 検 索

放送設備か ら 再生 放送設備か ら 再生 デコ ーダ( 音 響 透 か し の 抽 出 ) デコ ーダ( 音 響 透 か し の 抽 出 ) デコ ード 結 果 表 示 デコ ード 結 果 表 示

端末に て 受 音 端末に て 受 音

音響透かし合成装置 利用者端末

(21)

21

2.4. 音響透かし合成装置の要件

音響透かし合成装置に必要な機能要件、性能要件、受容性要件について以下に示す。

1. 機能要件

1.1. マイク及び CD 等の外部装置から、音響透かし変調スキームが必要とする音質を

得ることが可能な音源を入力または録音する機能を有すること。

1.2. 音響透かしとして音響信号に埋め込む「透かし情報(デジタルデータ)」の入力機

能を有すること。

1.3. 音源に音響透かしを埋め込むための音響透かし技術スキームが実装されたデジタ

ル信号処理(DSP)が実行できること。

1.4. 技術スキームが環境に合わせて自由に変更できることが望ましい。

1.5. ソース音源として、『声』と『音楽』の両方に対応できること。

1.6. 出力(音響透かし入り音響信号)は、放送に必要なオーディオファイル形式に対

応し記憶媒体に保存できること。

1.7. 出力ファイルを再生し、館内放送設備に入力できること。

2. 受容性要件

2.1. 一連の操作に専門知識が不要であり、簡単に音響透かし館内放送データが生成で

きること。

2.2. 音響透かしの入った放送音は、耳障りでないこと。またはそれに気づかないこと。

3. 性能要件

3.1. 一連の処理がリアルタイムに処理できること。

(22)

22 2.4.1 音の入力

透かし情報を埋め込む音源となる音響信号(ソース音源)の『録音機能』と『入力機能』

について説明する。

放送サービスの目的から、ソース音源の種類は、音声(Speech)と音楽(Music)の 2 種類と考えられる。音声などのソース音源は、音響信号をリアルタイムに電気信号に変換 するマイクロホンを用いて録音する機能で作成可能となる。また、音楽などの録音された ソース音源は、CDもしくは外部入力端子(AUX 端子)から再生された音響信号を取り込 む(入力する)機能で取得可能となる。

アナログ音声信号をデジタルに変換する場合の変換形式の代表として PCM方式がある。

PCMは、現在非圧縮デジタル音声データ記録方式の標準ともいえるほどに普及し、各方面 で広く用いられている。一般の音楽CD(Red Book準拠 Compact Disc)は「16bit 44.1KHz 2chステレオ リニア PCMデータ」がCD-DA 規格に従う記述作法により記録されている ものである。PCMは、アナログ波形の変化電圧値をそのまま線形非圧縮で量子化する。数 値変換時の「きめの細かさ」を表す単位が、音量軸における「量子化ビット数」と時間軸 における「サンプリングレート」である。時間等分でサンプルしてある前後依存関係なし の連続データ列を順番通り 1 サンプル毎に再生していく方式である。この値は音質を大き く左右する。

音響透かし技術スキームが必要とする値に応じて『高音質(ステレオ 24bit 48khz) 』/

『中音質(ステレオ16bit 44.1khz) 』/『低音質(モノラル16bit 44.1khz) 』等を選択でき ることが好ましい。

2.4.2 透かしの入力

音響信号(ソース音源)に埋め込むデータ(透かし情報)を入力する機能について説明 する。透かし情報は、デジタルデータとして 1 ビット以上の情報量とする。入力手段とし てキーボード、ファイル、ネットワーク等の外部記憶から入力することが可能であれば音 響透かしとして利用可能である。

実際の放送サービスに使われる透かし情報の属性値を分類すると、任意文字、URL、ID 等が想定できる。これらはサービスに依存する。

(23)

23

埋め込む情報量については、サービス内容、個々のメッセージの特性と、利用する透か し変調スキームの伝送速度、伝達範囲を考慮して決定することが重要である。

2.4.3 エンコーダ

データを一定の規則に基づいて符号化するソフトウェアをエンコーダという。本書では、

音響透かし合成装置の核となるソース音源に透かし情報を埋め込む機能を『エンコーダ』

と定める。一般的に音響のエンコーダは、ファイルサイズの圧縮用途に用いられるが、音 響透かしでは、圧縮処理は行わない。

エンコーダの実装については、DSP(デジタル信号処理装置)を搭載したハードウェア(FP GA等LSI)による音響透かし技術スキームの実行方法と、ソフトウェアによる同様の 方法が選択可能である。音響透かし技術スキームは、前節に記述した周波数拡散変調、

OFDM変調、エコー変調や、周波数変換あるいは直角位相振幅変調等の変調スキームを指 す。しかしながら、これらの技術は現時点にて国際標準化活動は行われていない。そのた め、どの変調スキームを用いるかについては、サービスの目的、利用する環境、機材、コ ストなどを考慮し総合的にサービスレベルが保証できる技術を選択することが望ましい。

また、サービスの側面からエンコーダは、ひとつの連続した音響信号に対して、複数の 透かし情報を時系列に分割して埋め込む機能が求められる。

2.4.4 エンコード結果の保存

エンコーダにて音響透かしが埋め込まれ、新たに生成された音響信号は、標準化された 規格に準拠したオーディオファイル形式にて永続的に保存でき、ファイルシステムにて管 理できることが望ましい。但し、ファイルサイズの圧縮を目的とする音響信号部のフォー マット変換では音質が劣化してしまう。そのため、透かし情報のデコード処理への影響を 回避するため非圧縮フォーマットにて保存することを推奨する。

2.4.5 オーディオデータのファイル化

オーディオ信号のファイル形式には、様々な国際規格、標準規格が策定されている。

以下に代表的であり且つ流通している数種類を整理し示す。

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■ Wave (ウェーブ)

Wave : RIFF Waveform Audio Format(RIFF : Resource Interchange File Format)

非圧縮PCMオーディオ、共通汎用目的 量子化ビット数 : 16, 24, 32, 64bit

サンプリングレート : 44.1K, 48K, 88.2K, 96K, 192KHz 1chモノ : 通常のモノラル

2chインターリーブステレオ : ステレオ

ファイルのサイズ:16bit44.1KHzStereoで約10MB/分が目安。

Windows標準として使われるリニアPCMのファイル形式。マイクロソフトとIBMがAIFF

を模倣し開発した。音響合成装置内(ミキサー)の録音データとして扱われるオーディオ ファイルは基本的にすべてこの形式に統一し共通管理されている。これ以外の形式のファ イルをインポートした場合は一旦Waveにコンバートすることで一元化を図れる。

■ AIFF (エーアイエフエフ、アイフ)

AIFF : Audio Interchange File Format 非圧縮PCMオーディオ、共通汎用目的

Mac環境標準のリニアPCMがAIFFファイル。Apple開発。Waveと大差はない。

■ MP3 (エムピースリー)

MP3:MPEG-1 Audio Layer-3 MPEG-2 Audio Layer-3、MPEG-2.5 Audio Layer-3)

圧縮オーディオ(非可逆)、汎用目的

約1/10の圧縮能力、16KHz付近強制ローパス仕様、非可逆圧縮、Mono/Stereo。

128Kbpsや192Kbpsで、16bit44.1KHzに対応している。主にWeb公開用途や民生携帯音

楽機器、現在広く普及、聴感ではCD以下。1曲3MBのサイズが目安となる。

現在広く普及している圧縮フォーマットであるが、16KHz 以上の高音が削られる。CD と の聴感差は歴然としている。128Kbps あたりを境にそれ以上ビットレートを上げても聴感 の改善は感じられない。

■ WMA

WMA:Windows Media Audio

圧縮オーディオ(非可逆、一部可逆)、Windows専用

マイクロソフトが開発し、Windows標準の圧縮コーデックとなる、WMP7(2000年)以 降標準搭載している。約1/20の圧縮能力、基本は非可逆圧縮だが可逆の「WMA Lossless」

がある。主にWeb 公開用途として広く普及した。マイクロソフトがmp3 ライセンス問題 回避で対抗開発し提唱した音声圧縮ファイルフォーマット。

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■ AAC

AAC : Advanced Audio Coding 圧縮オーディオ(非可逆)、汎用形式

ISO 13818-7 標準化。96KHzまで。48chまでサポート。

主にMPEG-2 AAC(放送)とMPEG-4 AAC(QT, iTunes, 着うた)の2種。

2.4.6 エンコード結果の検索と放送設備への出力

音響透かしが埋め込まれたオーディオファイルも、他のファイルと同様に、そのファイ ル名や属性値等から検索できる機能が必要である。しかしながら、現時点では前述したオ ーディオファイル形式には、音響透かし情報を記述するフィールドが定義されておらず、

当該ファイルに関する他の情報(ファイル名等)と、透かし情報を紐付けて管理するなど の方法をとる必要がある。

さらに、検索した結果のオーディオファイルをオーディオ出力フォーマットに変換し、

放送設備に入力する機能が必要となる。一般的にはスピーカと同様にアナログ信号のオー ディオ出力に対応する外部出力端子があれば十分だが、デジタル信号(オプティカル IF)

での入力が可能な放送設備もある。

2.4.7 音響透かし合成装置の実装

上記までの整理結果から、音響透かし合成装置のシステム基盤の実装は、現時点におい て市販の汎用パーソナル・コンピュータ類が適していると考えられる。理由として、エン コーダに搭載する音響透かし変調スキームが現時点では標準化がされてないこと、またシ ステムLSI等のハードウェアコンポーネントとして存在していないことが挙げられる。PC であれば、音響透かし変調スキームやそれに対応するソフトウェアの導入によって比較的 容易にシステムが構築できると考えられる。

2.4.8 リアルタイム・エンコーダ

音響透かし合成装置に関わる一連の処理工程を、リアルタイムに並列処理(パイプライ ン化)することで、例えば生放送に同時にキャプション文字をリアルタイムに埋め込みな がら、順次放送することが可能となる。これを『リアルタイム・エンコーダ』と定める。

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エンコードとオーディオ入出力を同時にリアルタイム処理するためには、高いCPU・IO 処理能力が必要である。また、生放送であれば埋め込む透かし情報を、音声認識から導き 出すことが考えられるが、その際は透かし情報量が大きくなるため伝送能力に優れた音響 透かし変調スキームを選択することが望ましい。

(27)

27

2.5. 携帯端末の要件

携帯端末に必要な機能要件、性能要件、受容性要件について、以下に示す。

1. 機能要件

1.1. 音響信号が受音(録音)できること。

1.2. 受音信号から透かし情報を抽出(復号化)できること。

1.3. 受信した透かし情報(受信時間・透かし内容・受信状態等)が記録できること。

1.4. 抽出した透かし情報を加工して利用者が選択した方法にて伝えることができるこ

と。

例1:文字情報として画面に表示できる。

例2:URL情報としてインターネットにアクセスができる。

例3:ID情報として携帯端末を識別できる。

例4:音響透かし入り音響信号を検出すると、バイブレーションが動作する。

2. 受容性要件

2.1. 端末は、常時携帯できる程度の小型・軽量であること。

2.2. 一般に市販されているハードウェアが利用できること。

3. 性能要件

3.1. 小さな音(音圧)でも受音できること。

3.2. 雑音がある環境下の受信音から音響透かしを識別できること。

3.3. スピーカと端末との距離があっても受音できること。

3.4. スピーカに対する指向性がないこと。無指向性マイクが搭載できること。

3.5. 音響透かし入り信号から、すばやく音響透かし情報を検出できること。

3.6. 消費電力量が低いこと。(長時間の利用が可能となる)

(28)

28 2.5.1 音響信号の受音

館内放送音を受音し電気信号に変換するためには、マイクが必要である。マイクの種類 には、動作原理に合わせてダイナミックマイク、コンデンサーマイク等があり、利用する 場所と目的とする解像度によって使い分けられている。マイクの特性は以下のような値で 表すことができる。

① 入力感度

ある音圧の入力に対し、どれだけの出力が得られるかを表したもの。

単位はdBV/Pa等。

② ダイナミックレンジ

マイクがどれ位小さい音から大きい音まで歪みなく拾うことが出来るかを表したもの。

単位はdBで最小値と最大値の比率を表現する。

③ 周波数帯域(周波数特性)

マイクがどれ位低い音から高い音まで拾うことが出来るかを表したもの。

20Hz - 20kHz ± 3dB等

④ 指向特性

マイクがどの方向の音をよく拾うかを表したもの。正面からの角度と対応する感度を円 形のチャートで表現する。

⑤ SN比

信号(Signal)とノイズ(Noise)の比率。

単位はdB。この値が大きいほど、ノイズの割合が低く優秀である。

⑥ 最大入力許容音圧

マイクは過大な入力があると歪むため、どの程度の入力まで歪まずに耐えるかを表した もの。例えば140 dB S.P.L. at 1kHz, 1%THDとあれば、音圧レベル140dBで高調波

歪率が1%である。

⑦ 出力インピーダンス

歴史的経緯から600Ωが標準とされるが、出力を分岐したりするときの利便さから現在

は150Ωや200Ω等様々である。インピーダンス切り替え機能を持った機種もある。

(29)

29

⑧ 自己ノイズ換算レベル

マイク自身が発生する雑音のレベルを表したもの。

⑨ 消費電力

マイクが動作するのに使用する消費電力を表したもの。

2.5.2 デコーダ

デコーダとは、一定の規則に基づいて符号化されたデータを復号し、元のデータを取り 出すソフトウェアを指す。LSIチップに実装されてハードウェアとして提供される場合もあ るが、圧縮されたデータの復元や、暗号の解読などを行うものがデコーダにあたる。本書 では、受音した音響信号に埋め込まれた透かし情報を抽出する処理を『デコーダ』と定め る。

当然、デコード処理に必要な音響透かし変調スキームと最適化技術は、エンコーダと同 じものでなくてはならない。また、デスクトップPCクラスのCPU・IO処理能力が望 ましい。しかし、受容性と実運用性に関しては、エンコーダとは異なり、デコーダとなる 携帯端末には手軽に持ち運び出来る小型・軽量化が必須要件である。近年開発された携帯 端末の内、スマートフォンに分類されるものは、上記要件を充たすハードウェア処理能力 を実装しているものがあり、それを活用することでデコーダをして機能させることが可能 である。

2.5.3 デコード結果の通知に関わる付帯機能

抽出した透かし情報(デコード結果)を利用者に通知する手段は、サービスの目的に合 わせて様々な形態になることが想定できる。そこで、利用者が抽出した透かし情報を有効 に活用するために、利用者が選択した手段・方法に切り替えられることが必要となる。

以下に、透かし情報を利用者に通知するにあたり効果的と思われる機能を示す。

① 文字情報として画面に表示する機能

② URL情報としてインターネットにアクセスする機能(クロスメディア連携)

③ 電話番号として携帯電話網に発信できる機能

④ ID情報として携帯端末を識別する機能

⑤ 信号(音響透かし)を検出するとバイブレーションが動作する機能

⑥ 受信した情報(受信時間・透かし内容・受信状態等)の記録機能

(30)

30

上記の機能を携帯端末はソフトウェア制御によって実現しており、透かし情報を通知す るためのハードウェアとしては最適である。

2.5.4 携帯端末(スマートフォン)

音響透かしを用いた情報配信システムの利用者(受益者)にとって、サービスのフロン トエンドとなり利用者の耳となる端末の機能性、受容性は、極めて重要である。透かし情 報を様々な方法を用いて利用者にとって有益なサービスとして成立させるかは端末の基本 機能に大きく依存する。

また、前節に述べた様に音声入力と音響透かしのデコード処理を同時に実行するために は、PCと同等レベルの処理性能、入出力機能が必要となり、一般的な通話とメール機能 に重きを置く携帯電話の基本機能、処理性能では実運用性に乏しい。

図 2.5-1 はスマートフォンに分類される携帯端末の代表例である。これらのスマートフ ォンのハードウェアは、高機能PCと比較しても遜色ない機能性と性能を合わせ持ち、イン ターネット接続環境を前提としてネットワーク・アプリケーションを実行することが可能 である。またハードウェアを制御するFW(ファームウェア)自体の自己更新機能を持つ。

以下に最新動向と及びソフトウェア開発環境を整理する。

1. Google社が開発した無償のAndroidOSを採用したスマートフォン

2. RIM社が開発したBlackBerryで知られるビジネス用スマートフォン

3. Apple社が開発したタッチパネルの優れた操作性を持つiPhone。

4. Microsoft社が開発したWindowsMobileOSを採用したスマートフォン

5. Symbian社が開発したS60アプリケーションプラットホームのスマートフォン

図 2.5-1 代表的なスマートフォン

1 2 3 4 5

(31)

31

現時点ではSymbianS60に替わり、iPhoneが世界的に最も販売台数が伸びている。その 要因は、卓越したタッチパネル操作性と豊富なアプリケーション、その受容性にあると言 われている

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32

2.6. 館内放送サービスの整理

現状、音声を利用して提供されているサービスを場所・目的別に下表に整理する。

表 2.6-1 音声放送と各種提供サービス

公共の場所 準公共の場所 プライベートの場所

目的

駅構内

電車内(JR、地下鉄)

空港 飛行機内

公道(歩道、地下道)

病院内 市役所 公民館

学校・教育施設 博物館

美術館 イベント会場 遊園地 映画館 スタジアム 商業施設 デパート スーパー

集合住宅・マンション 自宅(居住空間)

テレビ放送 ラジオ放送

インターネット放送

安全 安心 便利 重宝 娯楽 観光 仕事

緊急警報・サイレン 避難経路・誘導 構内放送からの呼出 構内案内・誘導 歩行者ITS 遅延情報 業務連絡 迷子のお知らせ 観光案内

緊急警報・非難誘導 館内案内・誘導 館内放送からの呼出 業務連絡

迷子のお知らせ サービス情報の配信 タイムサービスの案内

緊急警報・非難誘導 電話呼出

インターホン呼出 テレビ・ラジオ広告 マンション管理人からの お知らせ

推進 組織

自治体・行政と推進 公共企業、民間企業と推進 民間企業、メディア事業者 との連携

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33

音響透かし館内放送サービスは、これら公共、準公共、そしてプライベートな場所にて 安全、安心、便利、重宝等のサービス目的で活用され、高度情報化社会における新しい情 報伝達手段として普及することが期待できる。

更に、次のような展開が期待できる。

1. リアルタイムに音声を正確に認識し、文字データに完全に変換するシステム(音声自 動認識システム)と組み合わせることにより、より高度なサービスを展開できる。

2. 音響透かし館内放送サービスの受容性を認識し、ノーマライゼーション化への最良な 試作を行う上での標準化に役立つ。

3. 多種多様な情報伝達手段がある中で、その中の 1 つとして音響透かしを使った情報伝 達手段の活用方法と新しいサービスが創出できる。

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2.7. 電波の利用制限がある場所への適応

公共の場所における情報伝達サービスでは、特に精密機器、医療機器(インプラント植 込みペースメーカ等)への誤動作を招く恐れがあるとして、電波の利用が制限されている 場所がある。特に図 2.7-1 に示した電車内、病院内、飛行機内における電波にデリケート な場所においては、電波を使用しない音響透かしを利用した情報伝達手段は有効である。

図 2.7-1 電波の利用制限がある場所

放送サービスのある 公共の場所

電車の車内 病院内 飛行機内 役所

教育施設 駅・空港 デパート・スーパー

スタジアム 遊園地

電波にデリケート 放送サービスのある

公共の場所

電車の車内 病院内 飛行機内 役所

教育施設 駅・空港 デパート・スーパー

スタジアム 遊園地

電波にデリケート

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35

2.8. 音響透かし技術を活用したサービス動向

音響透かし技術による情報伝達手段を応用した情報配信基盤システムは、本実証実験の 対象とした情報のバリアフリー化を目指す館内放送サービスに限らず、既に幾つかの有益 なサービス及び、ソリューションが考案されている。以下に主な事例を示す。

■ 商品情報配信サービス

商品情報やクーポン情報が埋め込まれたテレビCMやラジオCM等の放送音を、携帯端 末にて集音、復号化、表示する。さらに携帯端末のインターネット通信機能を活用し、復 号化した音響透かし情報を基にURLを導き、Webブラウザーによるインターネットサイト の閲覧と連動するテレビ、ラジオ、インターネットとのクロスメディア連携が実現した。

NTTドコモが開発した音響透かし技術『音響OFDM』 を活用しており、OFDM変調によ り高スループットを達成している。音響OFDMは、OFDM(直交波周波数分割多重)変調 技術を音響領域に適用することにより、1kbps以上の伝送速度でURLや約100文字のテキ ストを約 1~2 秒間で伝送することを可能にする技術である。また、OFDM 変調されたデ ータを、オリジナルのオーディオ信号の周波数分布に合わせて調整することで、OFDM変 調による聴覚上の影響を低減している。具体的には、オーディオ信号の高周波部分を切り 取り、この部分にテキストデータなどを合成する。この技術を使用すれば、テレビやラジ オの放送中に、番組に関連するウェブサイトのURLデータを、音声に乗せて送信するとい ったことが可能になる。本技術は、同社研究所のインターネットサイトにて技術情報が開 示されている。

■ 展示情報配信サービス

東京博物館にて2008年2月に大日本印刷が独自に開発した『ゲンコーダMark』を活用 した実証実験が行われた。本技術は、音楽の品質を損なうことなく、音楽に文字などのデ ータを埋め込むことができる電子透かし技術である。市販の音楽再生機を利用して音楽に 乗せてデータを配信することで、多数の生活者に一斉に情報を伝えることができる。電子 透かしデータの抽出とコンテンツの表示を行う専用ソフトを搭載したPDAを使用する。ま た、電子透かしデータの抽出を専用のサーバで行うことで、携帯電話での利用も可能とな る。携帯電話での利用方法は、電子透かしの埋め込まれた音楽を携帯電話で録音し、専用 の携帯電話用ソフトウェア(JavaTM アプリ)によりサーバに送信すると、サーバ側で電 子透かしデータを抽出し、それに関連するWebサイトのアドレスなどを生活者に返信する という仕組みである。大日本印刷は、本技術を街頭および店頭での音楽再生や家庭内での テレビやラジオの放送を通じて、生活者を関連サイトに誘導する販促ツールとして、本技

(36)

36 術の実用化を目指している。

■ カラオケ歌詞表示サービス

伴奏音楽に歌詞表示情報を音響透かしで埋め込み、スピーカから再生し、携帯端末にて 集音、復号化、表示をする。映画の字幕表示などに応用が可能である。

東京情報大学の西村研究室が開発した振幅変調に基づく音響透かし技術を活用しており、

優れた空間伝播耐性と検出精度を有する。振幅変調に基づく音響電子透かし手法は、残響 に耐性があり、透かし埋め込み前の信号を検出時に必要とせず、聴覚の変調マスキング特 性によって音響透かしのキャリアとなる振幅変調が知覚されにくい特徴を持つ。音響透か し検出に必要な振幅変調強度を自動的に設定する方法を用いて、幅広いジャンルの音楽信 号への透かし埋め込みと検出が可能であること、埋め込み済み音楽への変形に対して耐性 が高いこと、透かし埋め込みに伴う音質劣化の度合が少ないことが報告されている。

■ 商品値札表示の更新サービス

音響透かしによる情報配信基盤を使用し、スーパーマーケットの各商品棚の上に置かれ た電気的に表示される商品の価格(値札)を更新する信号送受システムは、英国Intrasonics 社が考案したユニークなソリューションである。各値札表示装置は、受音機能と音響透か し復号機能を有し、ユニークなIDと価格表が配置されている。複数のIDと価格情報が対 として埋め込まれた音楽をスピーカから放送することで、複数の値札が同時に更新できる 特徴を持つ。本ソリューションは、短距離無線技術(IEEE802.15.4、ZigBee)を活用する ことでも知られている。

■ 緊急メッセージ配信サービス

音響透かしによる情報配信基盤を使用し、地下道、地下鉄などの電波が届かない場所に て、緊急メッセージを利用者の携帯端末に配信するソリューションである。英国Intrasonics 社が、2005年にスペクトラム拡散型方式を試作開発し、英国にて実証実験を行った。

(37)

37

2.9. 携帯端末を活用した音響透かし館内放送サービス

本節では、前節までの整理結果を踏まえ、各種の放送サービスにて情報のバリアフリー 化を達成するため、共通的に利用できる“音響透かし館内放送サービス”について検討す る。尚、『音響透かし館内放送サービス』は、音響透かし技術を用いた情報配信システムを 利用する放送サービスと定める。また、実際にサービスを享受するために、利用者は音響 透かしを復号化するためのプログラムが動作可能な機器を所持する必要性があるため、携 帯可能な携帯端末を活用することを前提とした。

2.9.1 想定利用シーンの選定

携帯端末を活用した音響透かし館内放送サービスを検討するにあたり、先ずはサービス の利用イメージをつかみやすくするために具体的な利用シーンを定める。

利用シーンについては、情報のバリアフリーを目的とする2.6館内放送サービスの整理で示 した場所と目的別のサービスの利用シーンを考慮して選ぶこととする。音による情報伝達 が見込める利用シーンから考察すると、条件として『人が集まる場所』であり、且つ『音 での情報サービスを実施している場所』で、さらに『伝達する情報が随時変化している場 所』に絞り込むと、駅構内、スーパーやデパート等の商業施設、テーマパーク、競輪場な どの娯楽施設での利用が効果的であると想定できるため、これらを選定する。

他方、2.7電波の利用制限がある場所への適応にて述べた特定区域での音響透かし館内放 送サービスは情報伝送媒体として音を利用することが重要である。以上のことから、病院 内、電車内、飛行機内についても対象の利用シーンに定めることとする。

以下に選定した利用シーンを示す。

・駅構内

・商業施設(スーパー、デパート等)

・テーマパーク

・娯楽施設(競輪場等)

・病院内

・電車内

・飛行機内

(38)

38 2.9.2 サービスモデルの検討

2.9.1想定利用シーンの選定で選定した音響透かし館内放送サービスを題材にして、多く

の事業者が参画できることや利用者の負担が軽減されることを念頭に、サービス提供者と 利用者が共通的に利用できる新しい“携帯端末を活用した音響透かし館内放送サービスモ デル”について検討する。

現在の館内放送サービスは、提供者の管理区域(構造物)内に対して限定的に提供され ているものが多く、サービス提供者側、利用者側共に異なるコンテンツ(メッセージ)が 配信されている。そこで、サービスの提供内容や提供事業者に拠らず、事業者と利用者が 共通的に利用できる音響透かし館内放送のサービスモデルを以下のように考える。

図 2.9-1 携帯端末を活用した音響透かし館内放送サービスモデル

共通化のポイントとして、エンコーダとデコーダがアクセス可能なネットワーク上にサ 音響透かしサービスセンタ

スピーカ

モバイル 音響透かし

合成装置

館内放送設備

インターネット

携帯基地局

利用者 リンクコード

サービス情報 フィードバック

(39)

39

ービス基板として「音響透かし館内放送サービスセンタ」を配置することで、異なる館内 放送環境においても共通のサービスが提供できる仕組みを取り入れた。これにより、利用 環境と音響透かし技術の特性(伝送速度、雑音耐性)に最適なアプリケーションをエンコ ーダ、デコーダが利用でき、またサービス情報(リンクコード)に関連する文字列をディ クショナリ化し一元管理、共有利用することで、音響透かしコンテンツの生成におけるサ ービス事業者の負担を軽減する効果が見込める。

図 2.9-2 音響透かしサービスセンタ機能連携図 音の

入 力

エンコーダ(音響透かし埋込)

透かしの入力

エン コー ド結 果 の保 存 エン コー ド結 果 の保 存

ファイル エン コー ド結 果 の検 索 エン コー ド結 果 の検 索

放送設備から再生放送設備から再生 デコーダ(音響透かしの抽出)デコーダ(音響透かしの抽出) デコード結果表示デコード結果表示

端末にて受音端末にて受音

音響透かし合成装置 利用者端末

音響透かしサービスセンタ

リンクコード配布 リンクコード受信 サービス支援

サービス管理

(40)

40

図 2.9-1における主な登場プレイヤーを表 2.9-1に整理する。

表 2.9-1 主な登場プレイヤー

プレイヤー 説明

利用者 音響透かし館内放送サービスを利用する者。

携帯端末

(デコーダ)

音響透かし館内放送を受音し、透かし情報抽出からサービ ス内容に関連する動作を実行するアプリを搭載した携帯端 末。そのための専用アプリは、音響透かし館内放送サービ スセンタからダウンロードする。アプリにはインターネッ トへのアクセス機能を具備する。

音響透かし合成装置

(エンコーダ)

ソース音源(スピーチ、音楽)に、指定した音響透かし変 調スキームにて透かし情報(リンクコード)を合成する専 用アプリを搭載した PC。そのための専用アプリは、音響 透かし館内放送サービスセンタからダウンロードする。

音響透かし館内放送サービス センタ

サービス事業者が指定したサービス内容(メッセージ)と、

それに割り当てる透かし情報(リンクコード)を払い出し エンコーダに配布する。また、デコーダから送られてきた リンクコードを解析し、関連付けられたサービス(アクシ ョン)の実行を支援する。また、サービス提供者、利用者 に対して、音響透かし館内放送サービスを構成する各コン ポーネント(エンコーダ、デコーダ、リンクコード、サー ビス構成情報)を提供、配布する。

リンクコード

透かし情報としてサービスセンタにて管理され各サービス に対してユニークに発行される文字情報。情報量は透かし 変調スキームに依存する。エンコーダにより音に埋め込ま れ、デコーダにより抽出される。サービスセンタにてメッ セージと一意に紐付けられ管理される。

サービス提供者(事業者)

館内放送サービスを提供する者。音響透かし館内放送サー ビスセンタから割り当てられた透かし情報(リンクコード)

を、エンコーダを利用してソース音源に合成し音響透かし の入った放送サービスを実施する者。

インターネット サービスセンタとエンコーダ、及びデコーダ間のデータ通 信網として利用する広域ネットワーク。

(41)

41 2.9.3 サービスの利用イメージ

2.9.2サービスモデルの検討で検討した“携帯端末を活用した音響透かし館内放送サービ

スモデル”の利用イメージと想定される音響透かしデータ・サービス内容(メッセージ)

を以下に示す。

2.9.3.1 駅構内・車内放送におけるサービスイメージ

図 2.9-3 駅構内・車内放送におけるサービスイメージ

想定される音響透かしデータ・サービス:

① 電車の駅到着時刻のお知らせ(車内アナウンス)

② 電車のダイヤ変更のお知らせ(駅構内アナウンス)

③ 業務連絡放送(構内の駅員に対して業務連絡:聞き逃しの防止策)

④ 迷子の放送

⑤ 緊急避難放送

⑥ 特定個人の呼び出し

⑦ 電波禁止区域での通信手段

音声アナウンス 文字情報の

割り当て 構内・車内放送

BGM

まもなく、桜木町に 到着します まもなく、桜木町に

到着します

(42)

42 2.9.3.2 院内放送におけるサービスイメージ

図 2.9-4 院内放送におけるサービスイメージ 想定される音響透かしデータ・サービス:

① 患者様の呼び出し(薬局、外来受付、待合室:特に耳鼻科)

② 業務連絡(医師、看護師、緊急呼び出し:聞き逃しの防止)

③ 親族の呼び出し(長時間かかる手術や出産を待機する方へ連絡する手段)

④ 電波禁止区域での連絡手段

音声アナウンス 文字情報の

割り当て 院内放送

BGM

♪水野様、

お部屋までお戻り ください。

水野さま、お部屋まで お戻りください。

(43)

43 2.9.3.3 機内放送におけるサービスイメージ

図 2.9-5 機内放送におけるサービスイメージ

想定される音響透かしデータ・サービス:

① 到着時刻、現地天候など機長からの客室へのアナウンス

② 業務連絡(コクピットから客室乗務員への一斉同報業務連絡)

③ 客室乗務員から利用者へのアナウンス

④ 電子機器、電波使用禁止時間帯での連絡手段

音声アナウンス 文字情報の

割り当て 機内放送

BGM

まもなく、羽田に 到着します

まもなく、羽田に 到着します

(44)

44 2.9.3.4 娯楽施設におけるサービスイメージ

図 2.9-6 娯楽施設におけるサービスイメージ 想定される音響透かしデータ・サービス:

① 出走、オッズのアナウンス

② 結果速報、払戻金情報のアナウンス

③ 業務連絡

音声アナウンス 文字情報の

割り当て 構内放送

BGM

まもなく、レースが始ま ります!!

まもなく、レースが 始まります!!

(45)

45

2.9.3.5 家庭内(テレビ・ラジオ放送)におけるサービスイメージ

図 2.9-7 家庭内におけるサービスイメージ

想定される音響透かしデータ・サービス:

① テレビコマーシャルから製品の割引クーポンを配信。(インターネット連携)

② インターホンからの呼出音を受音し、端末を振動させる。

③ 緊急放送(地震速報や津波情報、自治体PAからのお知らせ、サイレン)

テレビショッピング 1000円引き

クーポン券

(46)

46

2.9.3.6 商業施設(スーパー・デパート)におけるサービスイメージ

図 2.9-8 商業施設におけるサービスイメージ

想定される音響透かしデータ・サービス:

① タイムサービス、安売り情報の提供

② 広告、コンテンツ詳細への誘導

③ クーポンの提供、クーポンへの誘導

④ 近接商業施設への誘導

⑤ スタンプ、ポイントラリー等との連携

⑥ 緊急放送(地震速報や津波情報、自治体PAからのお知らせ、サイレン)

音声アナウンス 文字情報の

割り当て 館内放送

BGM

タイムサービスを始め ます!!

タイムサービス を 始めま す!!

図 3.3-16  エンコード完了画面
図 3.4-5  文字情報設定
図 3.4-13  セッション詳細画面
図 3.7-3  利用携帯端末種別

参照

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