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薗 静

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(1)

理工学研究科;

DOO7507445

     静岡大学博士論文

エタノ・・一一一・・…ルアミンの肝細胞増殖促進 作用並びにコレステロ・・・…一一・・−Lル代謝調節に

  関する分子細胞生物学的研究

静 薗

 平成18年12月

大学院理工学研究科

粂  久 枝

(2)

目次

1. 要旨

・・

P

ll. 略語 ・・

S

皿. 緒言 ・・ U

IV. 第1部:ラット初代培養肝細胞における

       エタノ ルアミンの肝細胞増殖促進作用とその作用機構

  IV−1. 背景・目的   IV−2.方法

  IV−3.結果   IV−4.考察

・・

P4

・・

P5

・・

P9

・・

Q4

V.第2部:エタノールアミンの肝再生促進作用とその作用機構

V−1. 背景・目的

V−2.方法 V−3.結果 V−4.考察

・・

R6

・・

R7

・・

R9

・・

S3

VI.第3部:周産期における血清エタノールアミン濃度と肝細胞のDNA合成の関係

VI−1.背景・目的

VI−2.方法 VI−3.結果 VI−4.考察

・・

T3

・・

T4

・・

T5

・・

T8

(3)

 W.第4部:エタノールアミンの高コレステロール血症改善作用

   VII−1.背景・目的

   W−2. 方法    vn−3.結果

.  vn−4.考察

V皿.

D(.

X.

総論

謝辞  」

参考文献

66 67 69 72

・・

W1

・・

X2

・・

X3

(4)

1. 要旨

 肝臓は解毒作用をはじめ、脂質、タンパク質および糖質の合成と分解を司る重要な 代謝臓器であると同時に、再生能力に富む臓器である。成体の肝細胞は高度に分化し ており、ほとんど分裂しないが、周産期から成長期には盛んに分裂し増殖する。また、

肝臓を部分的に切除すると、上皮増殖因子(EGF)や肝細胞増殖因子(HGF)などの細胞増 殖因子の働きにより肝細胞は増殖し、肝臓は元の重量まで回復する。他方、乳腺細胞 や口腔角化細胞などの細胞増殖因子として、エタノールアミンが見出されている。エ タノールアミンはホスファチジルエタノールアミン(PE)の合成に利用されるとともに、

肝臓特異的なリン脂質合成経路を介して、PEからホスファチジルコリン(PC)の合成に も利用される。これらリン脂質は細胞膜の脂質二重層の主要成分であり、膜に存在す るEGF受容体などを介して外界から情報の伝達を調節し、また血中脂質成分として、

コレステロールやトリグリセリドの輸送に関わっている。

 本研究では、ウシ小腸粘膜上皮組織から肝細胞の増殖を促進する因子の探索を行い、

活性物質がエタノールアミンであることを発見した。第1部ではエタノールアミン発 見の経緯を記し、ラット成体肝臓に由来する初代培養肝細胞を用いてエタノールアミ

ンの作用機序を解析した。その結果、EGF存在下で、エタノールアミンの添加濃度に 依存して、肝細胞におけるDNA合成は促進され、 PE量も増加した。しかし、 PC量に変 化はなかった。エタノールアミン無添加ではPE量は正常量の60%まで低下した。さ らに、エタノールアミンはEGF存在下で、細胞膜のEGF受容体の数を増加させ、かっ 同受容体のチロシンのリン酸化を充進させることが受容体結合解析とウエスタンブロ ッテイング法により明らかになった。このように、エタノールアミンはPE量の増加と

EGF受容体のチロシンのリン酸化の充進等を引き起こし、肝細胞のDNA合成を促進す

る。しかし、このDNA合成促進作用にはEGFなどの細胞増殖因子が必要であることか ら、エタノールアミンは細胞増i殖因子の作用を増強するco−mitogenとして作用するこ とが明らかになった。

 従来のエタノールアミンの細胞増殖に関する研究は初代培養細胞や細胞株を用いて 行なわれており、生体内での機序は不明である。そこで、第2部および第3部では、

(5)

生体内の肝細胞の増殖におけるエタノールアミンの作用機序を解析した。先ず、70%

肝切除ラットの肝再生過程における、肝細胞のDNA合成に及ぼす腹腔内に投与したエ タノールアミンの効果を、プロモデオキシウリジンを用いて免疫組織化学的に検討し た。その結果、エタノv−・・ルアミン投与により、肝切除24時間後のDNA合成が有意に促 進された。またPE量も増加し、 PEからのPCの合成も促進された。このように、生体

内においても、エタノールアミンは肝細胞の増殖を促進する働きがあることが明らか

になった。

 次に、肝切除後と周産期を含む成長期の血清中のエダノー・・一 ルアミン動態と肝細胞の

DNA合成との関係を解析した。血清エタノールアミン濃度は肝切除4時間後に切除前

の約2倍(45.9±3.9μM)に上昇し、24時間後も高い値を維持していた。また、周産期 の19日胎児(76.8±4.9μM)と1日齢(72.3±5.5μM)では、成獣の約3倍のエタノー

ルアミン濃度を示し、4日齢以降、急激に低下したが、生後2週までは40μM台の値

を維持しており、周産期の血清エタノールアミン濃度とS期の肝細胞数との間には正 の相関が認められた。エタノールアミンは胎児では胎盤から、新生児では母乳から供 給されて血清中のエタノールアミン濃度が高濃度に維持されていることが分かった。

このように、生体内で、肝細胞の増殖期にはエタノールアミン濃度の上昇が誘導され て肝細胞のDNA合成を促進し、増殖が終息に向かうと、その濃度は低下して肝細胞の 増殖を制御していることが明らかになった。

 さらに、食物リン脂質由来のPEやエタノールアミンが脂質代謝に関与していること が、正常ラットを用いた研究により報告されている。そこで、第4部では、高脂肪/

高コレステロV−…ル飼料摂取により誘発した高コレステロール血症ラットに、エタノー ルアミン溶液を摂取させ、血清および肝臓中脂質を測定し、脂質代謝に及ぼすエタノ ールアミンの役割について解析した。その結果、エタノS−・・…Lルアミン摂取により、血清 中の超低密度リポタンパク質(VLDL)、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール濃度 の有意な低下が認められ、高コレステロール血症を改善する作用があることが明らか になった。また、肝臓において、VLDLの成分であるアポリポタンパク質B(apoB)のmRNA 発現量の低下が認められたことから、血清中のコレステロール濃度の低下にapoBが関 与している可能性が示唆された。

(6)

 以上、本研究では、エタノールアミンは肝細胞の増殖に重要な細胞増殖因子である EGFのco−mitogenとして作用し、PE量の増加とEGF受容体のリン酸化の充進などを引 き起こして、肝細胞の増殖を促進することを明らかにした。肝細胞ではエタノ・…−Lルア

ミンはPEとPCの合成に利用されているが、エタノールアミンは特にPE量を調節して いることが判明した。本研究で初めて、生体では血清中のエタノールアミン濃度は一 定に調節されているカ㍉肝切除や周産期のような肝細胞の増殖が活発な状態ではエタ

ノールアミン濃度が上昇し、肝臓でのPE量の増加やPC合成の促進を誘導することで 細胞の増殖を制御している機序を明らかにした。そして、これらリン脂質組成の変化 が細胞膜環境や脂質代謝を変化させ、肝細胞の増殖のみならずコレステロール代謝な

ど広範な生体反応の調節に関与していることを見出した。

(7)

皿. 略語

ApoA−1:. apolipoprotein A− 1 アポリポタンパク質A− I

ApoB:apolipoprotein B アポリポタンパク質B ApoC:apolipoprotein C アポリポタンパク質C ApoE:apolipoprotein E アポリポタンパク質E } Bf:bezafibrate ベザフィブレート

BrdU:5−bromo−2 −deoxyuridine 5一プロモデオキシウリジン CE:cholesterol ester  コレステロールエステル

CDP−choline:cytidine.5 −diphosphate choline  シチジンニリン酸コリン CDP−Etn:cytidine 5 −diphosphate ethanolamine  シチジンニリン酸エタノ ールアミン

Cho:

E−19,:

EDTA:

EGF:

Etn:

FCS:

GAPDH

cholesterol  コレステロール

eMbryo−19   19日月台!HL

ethylenediaminetetraacetic acid  エチレンジアミン四酢酸 epidermal growth factor  上皮増殖因子

ethanolamine  エタノールアミン fetal calf serum  牛胎児血清

:glyceraldehydephosphate dehydrogenase  グリセロアルデヒドリン酸 デヒドロゲナーゼ

HB−EGF :heparin−binding epidermal growth factor−1ike growth factor リン結合性EGF様細胞成長因子

      山HDL :

HF/HC

HGF:

LDL :

PBS:

Met :

high density lipoprotein

: high−fat/high−cholesterol

hepatocyte growth factor low density lipoprotein phosphate buffer saline

methionine メチオニン

局密度リポタンパク質

    高脂肪/高コレステロール

肝細胞増殖因子 低密度リポタンパク質

リン酸緩衝液

ヘパ

(8)

PC:phosphatidylcholine ボスファチジルコリン

PDBu:phorbo112,13−dibutyrate  ホルポv・・一・ル12,13一ジブチラート  P−Choline:phosphocholine  コリンリン酸

PE:phosphatidylethanolamine  ホスファチジルエタノールアミン

PEMT:phosphatidylethanolamine methyltransferase ホスファチジルエタノー

ルアミンメチルトランスフェラーゼ

P−Etn:phosphoethanolamine rpタノv・一一・ルアミンリン酸(ホスホエタノールアミ ン)      

      部分肝切除PH.

Pi:

PI:

PKC:

PLC :

PLD : PS :

SAM:

SDS TG:

       ホスファチジルイノシトール1

      protein kinase C プロテインキナーゼC      phospholipase C  ボスホリパーゼC

     phospholipase D  ホスホリパーゼD

     phosphatidylserine ボスファチジルセリン      S−adenosy1−methionine S一アデノシルメチオニン     :sodium dodecyl sulfate  ドデシル硫酸ナトリウム     triglyceride  トリグリセリド

TGF一α:transforming growth factor一α  形質転換成長因子一α VLDL:very low density lipoprotein 超低密度リポタンパク質

partial hepatectomy

phosphorus リン

phosphatidylinosito1

(9)

皿. 緒言

肝再生機構と細胞周期

肝臓は食物から吸収した栄養素の同化や異化に関係する代謝臓器である。その中心的 な役割を担っている肝細胞は高度に分化した細胞であり、正常な状態ではほとんど分 裂をしないが、周産期などの成長期の肝細胞は盛んに分裂する。正常肝細胞は細胞周 期からはずれて静止期(GO期)に存在していると考えられている。しかし、その増殖能 は失われているのではなく、たとえばラットの肝臓を70%程度切除しても10日前後で 元の重量まで回復することや劇症肝炎でみられるような広範な肝細胞壊死によりその 数が減少すると、残存した肝細胞は増殖を開始して細胞周期に復帰し、H約24時間後に

はS期に到達して複製そして細胞分裂を開始する。このような残存肝細胞が増殖し、

機能を回復していく肝再生の仕組みについては古くから関心が持たれており、細胞生 物学の重要な課題である。近年、生体肝移植や再生医療の観点からも肝再生のメカニ ズムについては注目を集めている。

 肝再生にはFig.1に示すようにGO期からG1へのプライミングの過程を経た後、 s 期への移行過程を経て、G2→M期で分裂し、再びG1→GO期に戻る一連の細胞周期の過 程が関わっている。肝細胞の分裂の最初におこるプライミングの過程は肝切除や肝障 害などにより誘導される。その際、肝細胞と肝細胞を取りまくマトリックスタンパク

との接触の解除などによって、プライミングが引き起こされるという説(Kiso et a1.,

1995)があるがその仕組みの詳細は明らかではない。また、IL−6ノックアウトマウス では肝再生が非常に悪く、1レ6を外から投与すると肝再生が可能になることから、プ

ライミングの時期にIL−6が重要な役割を担っていることも分かってきている

(Cressman et a1.,1996)。 DNA合成期(S期)への移行には上皮増殖因子(EGF)(McGowan et a1.,1981)、形質転換成長因子一α(TGF一α)(Luetteke et a1.,1988;Mead and Fausto,

1989)、肝細胞増殖因子(HGF)(Gohda et a1.,1988;Nakamura et a1.,1987;Zarnegar

and Michalopoulos,1989)、ヘパリン結合性EGF様細胞成長因子(HB−EGF)(Kiso et a1.,

1995)などの存在が必須であり、このような細胞成長因子は肝再生を単独で促進するこ

(10)

とができる。その他に、生体内には単独では細胞の分裂を促進する作用は無いが、そ れらの作用を増強したり減弱したりする働きを有するco−mitogenの存在も知られて い6。EGFの作用を増強する作用を有するco−mitogenとして、アンジオテンシンーII、

インシュリン様成長因子一1、ノルエピネフリンおよびバソプレシンなどが報告されて

いる(Mitaka et a1.,1993)。

エタノールアミンの細胞増殖促進作用

Kano−Sueokaら(1979)は脳下垂体由来のホスホエタノールアミンにラット乳腺由来 良性腫瘍細胞の増殖を促進する作用があることを見出した。その後、エタノールアミ ンにも同様の作用があることが示された。エタノールアミンによって増殖が促進され る細胞は乳腺細胞だけでなく、ヒト乳癌細胞(T47T)(Kano−Sueoka and Errick,1981)、

ケラチン生成細胞(Tsao et al.,1982).ヒト肺癌細胞(Minna et a1.,1982)、 ヒト気

管支上皮細胞(Lechner et a1.,1982),ヒト食道上皮細胞(Babcock et a1.,1983)、ヒ

トロ腔角化細胞(Kano−Sueoka et a1.,2001)等上皮系の細胞株である。また、細胞株 だけでなく、初代培養乳腺細胞もエタノールアミンによって増殖が促進されることが 確認された(Errick and Kano−Sueoka,1983)。エタノールアミンの細胞増殖促進作用 について、最も研究されているのは乳腺細胞を用いた研究であり、その作用機構につ いてもよく検討されている。エタノールアミンはリン脂質であるホスファチジルエタ ノールアミン(PE)の合成に使用されており(Fig.2)、エタノールアミン無添加で培養 すると細胞膜のリン脂中PE量がコントロールの半分に減少し、ホスファチジルコリン

(PC)量が30%増加する。このような細胞膜のリン脂質組成の変化は、最終的に細胞の 増殖の停止を誘導する(Kano−Sueoka et a1.,1983;Kano−Sueoka and King,1987)。

エタノールアミンの無添加ではEGF受容体の結合定数の増加や受容体数の低下を引き 起こしており(Kano−Sueoka et a1.,1990)、 EGFなどの細胞増殖因子に対する反応性 の低下が細胞の分裂が誘導されない理由である可能性がある。また、シグナル伝達を 誘導するホルボール12,13一ジブチラート(PDBu)を用いた実験で、PDBu添加後のホスホ

リパーゼC、D(PLC、 PLD)によるPCとPEの加水分解が促進されないこと(Fisk and

(11)

Kano−Sueoka,1992)、さらに、プロテインキナs−一一・・ゼC(PKC)の活性化や活性化後の細胞

膜への移動が正常に誘導されないなど(Fisk and Kano−Sueoka,1992;Kano−Sueoka and King,1988;Kano−Sueoka and Nicks,1993)、リン脂質組成の異常により細胞膜を介 するシグナル伝達系が正常に機能していないことが示されている。

 以上の結果から、エタノールアミンは細胞膜のリン脂質組成を正常に保つために必 要な因子であり、細胞膜を介する生体反応を正常に維持する働きをしている。

肝臓でのリン脂質合成と脂質代謝

 肝臓は栄養素(脂質、タンパク質、糖質)の合成、分解、貯蔵をっかさどる重要な臓 器である。エタノールアミンは肝細胞に取り込まれた後、リン脂質合成に利用されて おり、リン脂質を介して、増殖や脂質代謝を調節していると考えられる。そこで、こ こでは肝臓でのリン脂質合成経路と脂質代謝について説明する。哺乳類一般のリン脂 質合成経路と肝臓特異的なリン脂質合成系についてFig.2に示す。哺乳類の細胞では PEの合成はエタノールアミンからの合成経路とホスファチジルセリン(PS)からの脱 炭酸により合成されており、PCはコリンからシチジンニリン酸コリン(CDP一コリン)を 経由して合成される(Kenny−pathway)。しかし、肝臓ではPC合成に独自の経路が存在 し、ホスファチジルエタノー一ルアミンメチルトランスフェラーゼ(PEMT)によって、 PE にメチル基が転移してPCが合成される経路(PEMT経路)が存在し、 PCの約30%はこの

経路から合成されている(DeLong et a1.,1999;Reo et a1.,2002;Sundler and Akesson,

1975)。これらリン脂質は細胞膜の脂質二重層の主要成分であり、細胞膜は膜に存在す るEGF受容体などのタンパク質を介して、外界からの細胞機能にとって重要な情報の 伝達を調節している。

 次に、月刊蔵での脂質代謝について説明する。食事から摂取した脂肪は小腸から吸収 されカイロミクロンとして肝臓に運ばれる。肝臓では取り込まれた脂肪を分解すると 同時に脂肪の合成を行っている。肝細胞で合成された脂肪は、肝細胞の粗面小胞体内 でアポリポタンパク質B(apoB)、 PC、トリグリセリド、コレステロ…−sルおよびコレス テロールエステルとともに複合体超低密度リポタンパク質(VLDL)を形成し、その後、

(12)

 血中に分泌される(Fig.3)。血中に分泌されたVLDLは、脂肪組織をはじめ、他の組織 ・  に移送される。そこで、脂肪を受け渡したVLDLは、小さくなってコレステロール含量  の高い低密度リポタンパク質(LDL)になる。 LDLはコレステロールの運搬体であり、

 apoB受容体をもつ細胞に取り込まれる。高密度リポタンパク質(E肌)は末梢組織から  余剰のコレステロールを引き抜き、その後、LDLにコレステロv・・…ルを移送する。血中  に残ったLDLはLDL受容体(apoB・E受容体)を介して肝細胞に取り込まれ処理される。

 このように、血中のコレステロール、トリグリセリド濃度は月刊蔵からのVLDLの分泌、

. また、血中から月刊蔵へのLDLの取り込みにより調節されている。 VLDLの形成にはアポ  タンパク質の合成、リン脂質の供給、小胞体でのアポタンパク質、リン脂質、コレス  テロールおよび脂肪の四者の組織的集合、および細胞の開口分泌作用などの段階があ  り、それらの:複雑な調節によって、肝臓からのVLDLの分泌は調節されている(田川、

 1993)。

研究の目的

 我々はウシ小腸粘膜上皮組織から肝細胞の増殖を促進する因子を単離したところ、

活性物質がエタノールアミンであることを見出した(Sasaki et al,1997)。これを受 け、本研究は、ラット初代培養肝細胞を用いて、エタノールアミンの肝細胞の増殖促 進作用とその作用機構の解析、並びに、生体内におけるエタノールアミンの肝細胞増 殖と脂質代謝に及ぼす効果について明らかにすることを目的として行なった。

 第1部では、ラット初代培養肝細胞を用いて、エタノールアミンの肝細胞増殖に及 ぼす効果およびその作用機構について検討した。さらに、PEMT経路の阻害剤であるベ ザフィブレートを用いて、PEMT経路と肝細胞の増殖との関係についても検討した。

 エタノ…一一sルアミンの細胞増殖促進作用に関する研究は初代培養細胞や株化細胞を用 いて行なわれており、生体での肝細胞の増殖におけるエタノールアミンの作用につい ては研究されていない。そこで、第2部では、70%肝切除ラット動物モデルを用いて、

エタノールアミンを腹腔内に投与した場合の肝再生に及ぼす効果について検討した。

さらに、第3部では、肝細胞の増殖が盛んな周産期のラットを用いて、血清中エタノ

(13)

一ルアミン動態と肝細胞のDNA合成の関係について調べた。

 第4部では、高脂肪/高コレステロール飼料摂取により誘発された高コレステロV…一・ 血症ラットに、エタノールアミン溶液を摂取させた際の、血清および月刊藏中脂質に及 ぼすエタノールアミンの作用について検討した。また、ベザフィブレート(PEMT経路 の阻害剤)を用いて;PEMT経路と脂質代謝の関係についても検討した。

(14)

Priming

Pania1 hepatectomy,

Hepatic disorder,

IL−6, etc.

Gl Phase

M Phase

ikth

\一 Growth stimulators

HGF, TGF一α,EGF,

HB−EGF, etc.

       Co−mitogen SPhase IGF, Angiotensin皿,

       Nicotinamide, etc.

G2 Phase

Fig.1 Cell cycle of hepatocyte on liver regeneration・

(15)

Kenny

Pathway

Choline

P−Choline

CDP−Choline

Serine

PEM

C

PS

Etn

  ↓

P−Etn

  ↓

CDP−Etn

  ↓

PE

Serine

Fig.2 Phospholipid biosynthesis pathway in hepatocytes of mammals. The synthesis pathway of phosphatidylcholine(PC)by methylation of phosphatidylethanolamine(PE)is hepatocyte specific. Bf bezafibrate, CDP−Choline:cytidine 5 −diphosphate choline,

CDP−Etn:cytidine 5 −diphosphate ethanolamine, Etn:ethanolamine, Met:methionine, P−cho:

phosphocholine, P−Etn: phosphoethanolamine, PC: phosphatidylcholine, PE:

phosphatidylethanolamine, PEMT:pho sphatidyl−N−methy−transferase, P S:Phosphatidylserine.

SAM:S−adenosylmethionine

(16)

Small■ntestine

Liver

Chylomicron

㊧⑳ ●

● ■

ApoB ApoE Apoc

ApoA・1,n

⑪響』

匝〕

Adipose

tissue

Other tissues

Fig.3 The scheme of lipid transport. Very low density lipoprotein(VLDL)is synthesized

in hepatocytes and secreted into blood. Some part of VLDL changes to low density

lipoprotein(LDL)after releasing TG at adipose tissue. High density lipoprotein(HDL)pulls out surplus cholesterol from peripheral tissues and the cholesterol in HDL is transported to LDL. LDL is taken into cells having apoB receptor by endocytosis. The remaining LDL is taken into hepatocyte by LDL receptor.

(17)

IV. 第1部:ラット初代培養肝細胞における

       エタノールアミンの肝細胞増殖促進作用とその作用機構

IV−1. 背景・目的

 細胞分裂の盛んなウシ小腸粘膜上皮組織およびラット小腸粘膜上皮組織中に肝細胞 の増殖を促進する生理活性物質が含まれることが報告されていた(Takahashi et a1.,

1989;Takah已shi and Ohomori,1991)。しかし、未だ、この生理活性物質が何か特定 されていなかった。そこで、我々はウシ小腸上皮粘膜組織から肝細胞の増殖を促進す る生理活性物質の探索を開始した。その結果、肝細胞の増殖を促進する因子が、エタ ノールアミンであることを発見した(Sasaki et a1.,1997)。エタノールアミンはさま ざまな細胞の増殖に関与していることはこれまでに報告されているが、これにより肝 細胞においてもエタノールアミンが増殖に関与していることが明らかになった。

 エタノールアミンの細胞増殖促進作用について、これまでに最も研究がなされてい るのは乳腺細胞を用いた研究である。エタノールアミンを無添加で培養すると、細胞 のリン脂質組成は添加した場合と比べ、リン脂質のうち、PE量が半分に減少し、 PC 量は30%増加する(Kano−Sueoka et a1.,1983;Kano−Sueoka and King,1987)。この ようなリン脂質組成の異常により、PKCやEGF受容体が関与する膜を介するシグナル 伝達が正常に機能しないため、細胞増殖は停止してしまうことが報告されている(Fisk

and Kano−Sueoka, 1992; Kano−Sueoka and King, 1988; Kano−Sueoka et a1., 1990;

Kano−Sueoka and Nicks, 1993)。

 以上のようなこれまでの報告を踏まえ、第1部ではウシ小腸粘膜上皮からエタノー ルアミンを単離した経緯と初代培養肝細胞を用いて、エタノールアミンの肝細胞増殖 促進作用とその作用機構について検討した結果を示した。その詳細は、エタノールア ミン濃度を変えて培地に添加した際のDNA合成とリン脂質組成について調べた。また、

EGF受容体の結合解析とウエスタンブロッテイング法による解析により、EGF受容体の 変化と同受容体のチロシンのリン酸化について調べ、肝細胞でのDNA合成に及ぼすエ

タノールアミンの作用機構について検討した。

(18)

 肝臓には肝細胞特異的に存在するPC合成経路(PEMT経路)が存在する。ラットヘバ トーマ(McA−RH7777)やヒトヘバトーマ(HepG2 cell lines)などの肝癌細胞、そし て、周産期や部分肝切除後など肝細胞が増殖している場合に、PEMT経路を調節してい る酵素であるPEMT2の発現が抑制されていることが確認されており(Cui et a1.,1994;

Cui et a1.,1997;Houweling et a1.,1997)、増殖とPEMT経路とには何らかの関係 があるのではないかと考えられている。しかし、この経路と肝細胞の増殖との関係は 未だはっきりした結論は得られていない。そこで、第1部では、この経路を阻害する

ことが知られているベザフィブレートを用いて(Nishimaki−Mogami et a1.,1996a)、

       

PEMT経路と肝細胞の増殖との関係について調べるとともに、エタノールアミンとの関 係についても同時に検討した。また、PEMT経路を阻害することでリン脂質組成がどの

ように変化するのかを調べ、作用機構についても言及する。

lV−2. 方法

肝細胞の初代培養と[3H]一チミジンの取り込み

 6週齢のSD系雄ラット(日本チャールズリバ・・一一一 (株))を購入し、飼料としてCRF−1(オ

リエンタル酵母工業(株))を与え、飼育維持した。ラットはアメリカの動物実験の維 持と使用に関するガイドライン(NRC 1996)に従い、明治乳業食機能科学研究所の作製し たプロトコールに従い飼育した。飼育は21.0±2.0℃、湿度55.0±15.0%、12時間ご

との明暗(明期:7−19時)切り替えで行った。飼育期を通じて飼料と飲料水は自由摂取 とした。1〜3週間の馴化後、ペントバルビタールで麻酔し、灌流法により、肝臓をコ ラーゲナーゼ処理した後、肝細胞を調製し初代培養に用いた(Takahashi et a1.,1989)。

肝細胞の初代培養は24穴のコラv・…ゲンでコートされたプレートを用いて行い、ウエル

あたり8,000個/0.4m1で播種した。培養液はRPMI 1640に30μ1カナマイシン

(Sigma−AIdrich Corp.)と5%ウシ胎児血清(FCS:三菱化学(株))を加え、37℃、5%CO2 で培養を開始し、4時間後に培養液を交換し、0−100μMのエタノールアミン(エタノー一 ルアミン塩酸塩,Sigma−Aldrich Corp.)と0−200μMのべザフィブレート(Bf:

       げ{      −

(19)

Sigma−Aldrich Corp.)の片方あるいは両方を培地に添加した。20時間の培養後、培養 液を交換し、エタノールアミンとべザフィブレートの片方あるいは両方を含んだ培地

に0−20ng/ml EGF(Becton Dickinson Lab.)を添加した液に交i換した。24時間後、血 清を除いた培地に[3H]一チミジン(Amersham Biosciences Corp.)をウエルあたり2μCi

(1μCi=37kBq)加え、2時間培養した(Sasaki et a1.,1997)。最後に、細胞をリン 酸緩衝溶液(PBS)で3回洗った後、5%トリクロロ酢酸で固定し、95%エタノー一ルで再 度洗って乾かしてから、0.5N KOHを加えて溶解した後、液体シンチレーションカウン ター(CARB2700TR:Hewlett−Packard Ltd.)で細胞に取り込まれた[3H]一チミジン量を 測定した。すべてのデータは2検体の平均値で示した。同様の実験を数回繰り返し、

結果に再現性があることを確認した。

リン脂質組成分析

肝細胞はコラーゲンコートプレート(100x15㎜)に2x106cellsを播種し、上記と同様 の培養液で培養を開始し、4時間後に0−100μMエタノールアミンを含んだ培地に交換

し、さらに、20時間あるいはEGFを添加してさらに24時間培養した。細胞はPBSで2

回洗浄し、0.2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で溶解してサンプルとした。また、培

養開始4時間後に、100μMエタノールアミンと50μMベザフィブレートの両方あるい

は片方を含んだ培地に交i換し20時間あるいは44時間培養し、同様の方法で細胞を回 収した。リン脂質の抽出方法は末岡ら(Kano−Sueoka et a1.,1983)の方法に従い行っ

た。リン脂質の抽出方法はサンプル0.1m1に対し、メタノール:クロロホルム溶液(2:1 体積比)を1.6m1加え、ボルテックスにかけた後、2000rpmで5分間遠心し、上清を新

しいチュ・一…一ブに移した。再度、メタノール:クロロホルム溶液(2:1体積比)を0.8m1

加え、ボルテックスにかけた後、2000rpmで5分間遠心した。上清を新しいチューブ

に移し、クロロホルム2.4m1、0.84%生理食塩水1.2m1を加え、ボルテックスにかけ てから、2000rpmで5分間遠心した。遠心後の溶液は2層を形成し、上層は水層で、

下層は有機層である。上層を丁寧にバキュームで吸い取った。その際、中間層の沈殿 物もきれいに取り除いた。さらに、このチューブにメタノール0.6m1と0.84%生理食

(20)

塩水0.6m1を加え、同様の操作を繰り返した。有機層を新しいチューブに移し、一一20℃

で一晩放置し、翌目、2000rpmで5分間遠心後、ふたたび水層をきれいに取り除いた。

有機層を窒素ガスで完全に留去した後、薄層クロマトグラフィーを使って、2次展開 を行った。1次元展開溶媒はクロロホルム:メタノール:28%アンモニア(65:35:5体 積比)を使用し、2次元展開溶媒はクロロホルム:アセトン:メタノール:酢酸:水

(10:4:2:2:1体積比)を使用した。プレートを完全に乾かしてから、密閉した容器内で ヨウ素の気体中に置き、リン脂質のスポットが現れてから、各リン脂質のスポットを 掻き取り、Ames(1966)の方法に従いリン脂質量を測定した。タンパク質含量はBCAア

ッセイ溶液(Pierce Biotechnology Corp.)で測定し、リン脂質量は最終的にタンパク 質あたりのリン(Pi)量として算出した。

 [3H]一エタノールアミンのホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジル コリンへの取り込み

 エタノールアミンのPEとPCへの取り込みは、肝細胞の培養開始20時間後に、培養

液を[3H]一エタノールアミン(1μCi[3H]−Etn/10μMEtn at 29Ci/㎜01(Amersham Biosciences Corp.))を含む無血清培地に交換し、2時間培養した。またべザフィブ レートのPC合成阻害作用を調べる実験では同様に培養開始20時間後に、1−100μMの べザフィブレート、100μMエタノー一ルアミンそして1μCi/ml[3H]一エタノールアミ ンを含んだ培地に交換し、2時間培養した。その後、PBSで3回洗った後、0.2%SDS で溶解した。前述した方法でリン脂質を抽出し、薄層クロマトグラフィーで分離し、

各リン脂質のスポットを掻き取り、各スポットに含まれる[3H]一エタノールアミン量 を液体シンチレーションカウンターで測定した。すべてのデータは2検体の平均値で

示した。

EGF受容体結合解析

肝細胞の培養開始4時間後に、エタノールアミンを50あるいは100μM添加した培

(21)

地あるいは添加しない培地に交i換した。24時間後にRPMI1640で2回洗い、15mM

HEPES(N−2−hydroxylpiperazine−N −2−ethanesulfonic acid)、1mg/m1ウシ血清アル

ブミン、さらに各濃度の[1251]−EGF (Amersham Bios ciences, Corp.)を加えたRPMI 1640

に交換し、4℃で2時間反応した。非特異的な結合を検出する場合は、1μg/ml EGFを 加えて、同様に反応した。反応後、細胞は4℃に冷やしたPBSで4回洗い、0.5N KOH を(に5㎡L加客て溶解し、ガンマカウンター(ARC370M:Aloka Ltd.)を使って放射活性を       「

測定した。EGFの特異結合は総結合量から非特異結合を差し引いた値とした。 EGF受容 体との親和性はScatchard分析法(1949)によって評価した。同じ実験を3回繰り返し

行った。

ウエスタンブロッテイング法によるEGF受容体量とリン酸化チロシンの検出

 肝細胞の培養開始4時間後に100μMエタノールアミンと50μMベザフィブレートの 両方あるいは片方を添加した培地に交i換し、一晩培養した。EGF受容体量を調べるた

めのサンプルは培養開始4時間後と、24時間後に回収した。チロシンのリン酸化を調 べるためのサンプルは20ng/mLのEGFを添加して0、5、10、30分後の細胞を使用した。

サンプルは20mM・Tr i s−HC l、2mMエチレンジアミン四酢酸ニナトリウム(EDTA2Na)、1mM ペファブロック(Merk Corp.)、0.2mMオルトバナジン酸ナトリウム、エチレングリコ ールビス(2一アミノエチルエーテル)四酢酸四ナトリウム(EGTA4Na)さらに50μg/ml

ロイペプチン(pH7.6)を含んだ溶液でPotter−Elvehjem型ホモジェナイザーでホモジ ェナイズしてから、膜画分を調製するため、4℃、10,000Gで10分遠心後、上清を4℃、

100,000Gで60分遠心した。沈殿画分に0.3%TritonXを含んだ溶解液を加え溶解した。

4−8μgのタンパク質を8%SDS一ポリアクリルアミドゲル電気泳動した後、イミュンー プロットPVDFメシブレン(日本バイオ・ラッドラボラトリーズ(株))に転写した。 EGF

受容体量を調べるために、抗EGF受容体ポリクローナル抗体(Santa Cruz

Biotechnology Corp.)を使用した。また、チロシンのリン酸化を調べるために、抗チ         、

ロシンリン酸モノクローナル抗体(Santa Cruz Biotechnology Corp.)を使用し、室温

で1時間反応した。2次抗体として、horseradish peroxidase−conjugated goat

(22)

      /、

anti−rabbit i一卿

ヒ〆(dhemic・n ・nternati・nal Ltd・)或いはh・rseradi・h peroxidase−conjugated donkey anti−mouse immunoglobulin G(Chemicon Inter national Ltd.)をブロックエース(大一日本製薬(株))で希釈し、室温で1時間反応し、

ECLキット(Amersham Biosciences Corp.)で検出し、 X線フィルムに感光した。検出さ れたバンドの強さはNIH−lmageで解析した。

統計解析

 データは平均値±標準誤差で示した。統計解析はStatView(SAS Institute Inc.)を 使用した。2群間の比較はStudentのt一検定で行った。多群の比較はANOVA検定の後、

Fisher−PLSD検定で行った。有意水準を危険率5%未満とした。

IV−3. 結果

エタノールアミンの単離

 高橋らは細胞分裂の盛んなウシ小腸粘膜上皮組織およびラット小腸粘膜上皮組織に 注目し、それら小腸上皮組織に細胞分裂を促進する物質があるのではないかと考え探 索を行なったところ、肝細胞の増殖を促進する生理活性物質がふくまれていることを 発見した(T永ahashi et a1.,1989;Takahashi and Ohomori,1991)。しかし、その生 理活性物質は特定されていなかった。そこで、ウシ小腸上皮粘膜組織から肝細胞の増 殖促進物質を探索する試みを開始した。肝細胞の増殖促進物質を探索する際に、ラッ ト初代培養肝細胞を使って、チミジンの取り込みにより、DNA合成を測定し、ウシ小 腸上皮粘膜組織から活性成分の単離を行った。最初にメタノール抽出を行い、メタノ

ール可溶画分から得られた活性因子は分子量が1000以下で、プロテアーゼKで処理し ても活性を失わないため、ペプチド性の分子ではない(低分子因子)、一方、メタノー ル不溶画分から得られた活性成分は熱処理すると失活する高分子であるため、タンパ ク質性の分子(高分子因子)であること見出した(Sasaki et a1.,1998)。さらに、低

(23)

分子因子と高分子因子はDNA合成を相乗的に促進することが分かった。分子量数万の タンパク質性の分子で、細胞の増殖の制御に関係するということであれば、一般的に 思い浮かぶのは細胞増殖因子と呼ばれる因子群であり、その中で低分子因子との相乗 作用が認められたEGF、 HGFに注目し、それら細胞成長因子と相乗的にDNA合成を促進 する物質の精製をおこなった。低分子因子をゲルろ過、次いで、C18シリカカラムに

より分離した。この方法では単一の物質の特定には至らなかったが、活性を示す分画 に、強いニンヒドリン陽性が認められたため、低分子因子はアミノ基を有することが 分かった。そのため、活性を示す分画を、アミノ基修飾試薬であるフェニルイソチオ シアネート(PTC)で処理し、逆相HPLCで分離し、得られたピークをNMRおよびLC−MS/MS で構造解析を行い、低分子因子がエタノールアミンであることを見出した(Sasaki et a1.,1997)。再確認のため、 PTC化した低分子因子をアミノ酸分析法により分離し、

他のPTC化したアミノ酸のピークと比較したところ、エタノールアミンのピークと一 致していることを確認した(Fig.4)

DNA合成とリン脂質合成に及ぼすエタノールアミンの効果

 エタノールアミンが肝細胞の増殖を促進する作用があることが初代培養肝細胞を使 った実験から明らかになった。そこで、どのような作用機構でDNA合成を促進してい るのかについて検討することとした。最初に、初代培養肝細胞を使って、培地にエタ ノールアミンを0−100μMの濃度で添加した場合に、添加濃度によりDNA合成がどのよ うに変化するか、また、その際、PE、 PC量がどのように変化するかを調べた。その結 果、EGFを20ng/mlの濃度で添加した場合、0−50μMの範囲でエタノールアミンの濃度 依存的に[3H]一チミジンの取り込みが上昇し、50μMでプラトーに達し、その後は一定 の値を示した(Fig.5A)。また、 DNA合成はEGFの濃度に依存して[3H]一チミジンの取

り込みが上昇し、5ng/mlでプラトーに達したが、エタノールアミンを添加していた場 合は、さら取り込みが上昇した(Fig.5B)。次に、 o、10、20、50、100μMとエタノー

ルアミン濃度を変えて培地に添加した場合の肝細胞中のPEとPC量を測定した。結果

をFig.6に示した。 Fig.6Aの結果は正常肝臓中のPE、 Pc量に対する相対値で示し

(24)

      ミ)

た。エタノールアミンを添加しないで培養した場合(エタノールアミン欠乏細胞)、肝 細胞でのPEの相対量は正常肝臓の約60%まで減少した。20μMのエタノールアミンを 添加して培養するとほぼ正常な値まで上昇し、50−100μMでは正常値よりも有意に高      廷

い値を示した。エタノールアミンを充分与えた肝細胞はエタノールアミン欠乏細胞の 約2倍のPEを合成していた。一方、 PC量はエタノールアミンの添加量たよる顕著な 変化は示さなかった。EGFの有無にかかわらず、エタノールアミンを添加して培養し た細胞では添加しなかった細胞よりもPE量は有意に高い値を示した(Fig.6B)。

 EGFとEGF受容体との結合解析

 これまでの結果から、肝細胞中のPE量はエタノールアミンを添加しないで1日培養

すると正常肝臓の約60%まで低下してしまうことから、肝細胞にとって充分量のPE

を合成するためにはエタノー一)Vアミンの供給が必要であることが示された。さらに、

培地に添加したエダノールアミン濃度に依存して、PE量が増加するとともに、 DNA合 成も促進されることが明らかとなった。このようなエタノールアミンのDNA合成促進 作用はEGF存在下で顕著に誘導されることから、肝細胞をエタノールアミン添加の有 無で培養した場合、肝細胞でEGF受容体の量や質になんらかの変化が起こっているの ではないかと考え、EGF受容体の結合試験を行った。 Scatchardの方法に従い、 Kd(解 離定数)と結合部位の数を調べた(Fig.7)。その結果、結合部位数は50μMエタノール アミンを添加した場合は4.7x102fmol/106cells、エタノールアミンを添加しなかった 場合は3.6x102fmol/106cellsであった(Fig.7A)。3回の実験結果を総合すると、結合 部位の数はエタノールアミンを添加した場合は(1.81±0.59)x105/ce11、添加しなかっ た場合は(1.29±0.49)x105/ce11であった。これらの結果から、50μMエタノールアミ

ン添加でEGF受容体の数が約30%多くなっている可能性が示唆された。培養開始24

時間後では高親和性結合部位は失われており、低親和性結合部位のみが残っているこ

とが報告されているが(Wollenberg et a1.,1989)、今回の実験においても同様に高親 和性結合部位の消失が確認された。 3回の実験の結果から低親和性結合部位のKd値 はエタノールアミンを添加した場合1.99±0.2nMで、添加しなかった場合2.19±

(25)

r\昏

0.51nMであった(Fig.7B)。 Kd値はエタノールアミン添加の有無で有意な違いがない ことから、エタノールアミンのDNA合成促進作用はEGF受容体の数の違いが影響して いる可能性が示唆された。

EGF受容体量とEGF受容体のチロシンリン酸化

 EGF受容体の結合解析の結果から、EGF受容体の数がエタノールアミンの添加の有無 により異なっている可能性が示唆されたため、ウエスタンブロッテイング法により EGF受容体量を調べた。また、 EGF受容体はEGFの添加後の、 EGF受容体のリン酸化に

    二 1〆

影響している可能性があるため、ウエスタンブロッテイング法によりEGF受容体のチ ロシンのリン酸化について検討した。その結果、初代培養開始4時間後では24時間培 養した場合に比べ、受容体のタンパク質量は高かった。培養24時間後を比較すると、

エタノールアミンを添加した肝細胞では、エタノールアミン無添加に比べ、EGF受容 体量が約30%多いことが示された(Fig.8A)。次に、 EGFを添加後、30分間の同受容 体のチロシンのリン酸化の程度をウエスタンブロッテイング法で測定した(Fig.8B)。

EGF添加後にEGF受容体のリン酸化が誘導される。本実験で検出されるチロシンリン

酸化タンパク質はリン酸化されたEGF受容体と同じ分子量の位置に検出されており、

その他には検出されなかった。このことから、このバンドはEGF受容体である可能性 が高く、エタノールアミン添加では無添加に比べ、受容体のリン酸化が促進された。

この結果はEGF受容体の結合解析の結果を再確認するものであった。 EGF受容体の数

の増加は培養系でEGF受容体タンパク質のリン酸化を促進し、最終的にDNA合成が促

進された可能性が示唆された。

[3H]一エタノールアミンのPE、 PCへの取り込み

 エタノールアミンは肝細胞でPEの合成に使用され、 PEMT経路を介してPCの合成に 利用される。そこで、3Hで標識されたエタノールアミンを使って、実際PE、 PCの合 成に使われているかどうか調べた。PEとPCに取り込まれた放射活性を調べた結果を

(26)

Fig.9に示した。エタノー一ルアミンの添加濃度に依存してPEとpcへの取り込みは増 加し、EGFの有無に関係なく100μMでプラトーに達した(Fig.9A、 B)。しかし、[3H]一

エタノールアミンのPEへの取り込みに対するPCへの取り込み量の割合は濃度依存的

に10−50μMで低下し、100−500μ止そプラトーに達しだ6これらの結果から、エタノ ールアミンは細胞に取り込まれてPEやPCの合成に利用されており、エタノv・・一ルアミ ンの添加濃度に依存して、PEとPCに取り込まれるエタノールアミン量は増加した。

また、PEに取り込まれた量に対するPCに取り込まれた量を計算すると、EGFを添加し

た方がPEMT経路を介して合成されるPC量の割合が高く、エタノールアミンの添加量

に依存してPEMT経路が阻害された(Fig. gc)。

DNA合成、リン脂質組成およびEGF受容体に及ぼすエタノールアミンとべザフィブ

レートの影響

 Cuiら(Cui et a1.,1994;Cui et a1.,1997)は肝細胞増殖にPEMT経路が関与して いることを報告している。第1部では、PEMT経路の阻害とDNA合成の促進とはどのよ うな関係にあるのかについて調べるために、PEのメチル化を阻害して、 PC合成を阻害 する試薬として使われているベザフィブレート、クロフィブレートを用いて解析を行 った(Nishimaki−Mogami et a1.,1996a)。最初に、ベザフィブレートの濃度を変えて

添加し、PEからPCの合成経路を阻害するベザフィブレートの最適濃度を調べた。ベ ザフィブレートを20μMで添加するとPEからPCの合成は50%阻害され、100μMで添

加するとPEからPcの合成は80%阻害された(Fig.10A).一方、 PEへの取り込みは o−50μMでは濃度依存的に増加した(Fig.10B)。 DNA合成はべザフィブレートの濃度依 存的に上昇し、50μMでプラトーに達した。さらに、エタノールアミン欠乏状態より

もエタノールアミンを添加した方がDNA合成は促進された(Fig.11)。クロフィブレー一 トでも同様にDNA合成が促進されることが示された(デv・一 タは示していない)。リン脂 質量とEGF受容体量にっいて次に調べた(Fig.8A、12A、12B)ところ、 PE量の多い時

にはEGF受容体量も多いことが分かった。培養24時間後のリン脂質量はエタノールア ミン無添加でもベザフィブレートを添加しておいた場合は、エタノールアミンを添加

(27)

しているあるいはエタノールアミンとべザフィブレートを添加している場合とリン脂 質量とEGF受容体量に変わりはなかった(Fig.8A、12A)。 DNA合成もまた、 EGF受容体

レベルと相関していた(Fig.12)。1目の培養ではべザフィブレートによるPEのメチ

ル化の阻害はPE量の増加とDNA合成の促進をもたらすが、2日間の培養ではエタノー ルアミン無添加では一定のPE量の維持ができなかった。一定のPE量を維持するため

には単にPEのメチル化を阻害するだけでは不十分で、エタノールアミンの供給が必須 条件であることが示唆された。

IV−4. 考察

 エタノールアミンは上皮細胞において、必要量のPEを合成するために必要不可欠な 因子である(Kano−−Sueoka et a1.,1983)。第1部において、エタノールアミンを無添 加で肝細胞を培養すると、PE量は正常値よりも顕著に低下することが分かった。正常

なラットの血清濃度である20μMエタノールアミンを培地に添加した場合、細胞中の PE量は正常ラットの肝臓に存在する量とほぼ同じ量となった。さらに高濃度(50−100

μM)のエタノールアミンを添加すると、PE量は正常値よりも高くなった。このような PE量の変化と比較して、 PC量はエタノールアミンの濃度の上昇に伴い、増加する傾向

にあるが有意な違いではなかった。これらの結果は、エタノールアミンは肝細胞にお いてPE合成に使われており、エタノールアミン濃度がPE量を調節している可能性が 示唆された。さらに、[3H]一チミジンの取り込みは、 EGFの存在下でエタノールアミン の濃度依存的に増加した。しかし、EGFを添加しなかった場合は[3H]一チミジンの取り 込みは変化しなかったことから、エタノールアミンはPE合成に必要な栄養因子であり、

EGFなどの増殖因子の働きをさらに増強するco−mitogenの働きを有していると考えて

いる。

 添加するエタノールアミンの濃度を変えて肝細胞を培養すると、生体膜のPE量は濃 度依存的に増加し、この増加と相関してDNA合成が上昇した。同じような現象がPEMT 経路の阻害剤であるベザフィブレートを使った実験からも得られた。これらの事から、

PE量の増加あるいはPC/PEの比の低下がDNA合成の上昇に何らかの関与をしていると

(28)

考えられる。しかし、PEの増加がどのようにDNA合成を促進するのかは明らかではな かった。乳腺細胞ではPE量の変化により、EGF受容体の質と量が変化したことから、

肝細胞での変化を調べるためにEGF受容体の結合解析を行った。その結果、エタノー ルアミンの添加によりEGF受容体の数の増加が認められた。初代培養開始直後にEGF 受容体の結合解析を行った場合、高親和性結合部位と低親和性結合部位が存在するが、

一晩培養している間に、高親和性結合部位は消失し、低親和性結合部位のみが残る

(Wollenberg et al.,1989)。本実験の結果からも、培養開始7時間後にはすでに高親 和性結合部位は失われていた(データを示さない)。さらに、培養開始4時間後のEGF 受容体の量は24時間培養後の量よりも明らかに多かった。これらの結果から、培養開 始直後に比べ、培養時間が長くなると高親和性結合部位は消失し、EGF受容体量も減 少する。エタノールアミン添加の有無でEGF受容体の量が変わることから、エタノー ルアミンがEGF受容体の合成と分解に何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられ

る。

 これらの結果からDNA合成を促進するためには、 PEの増加、あるいはPC/PE比の低 下が重要であり、PEの増加がEGF受容体の数を変化させ、 EGF添加後のチロシンのリ ン酸化を充進した結果、最終的にDNA合成が促進されたと推察される。また、初代培 養細胞を使って実験する場合には正常な肝細胞の機能を理解するためにエタノールア

ミンを添加することが重要である。しかし、培養期間中にEGF受容体が減少している ことや高親和性結合部位が消失してしまうことからも、肝細胞の機能を維持した状態 で初代培養肝細胞を培養するためにはまだ分かっていない栄養因子が必要であると思

われる。

 次にエタノールアミンとPEMTの阻害剤であるベザフィブレートを使って、 PEMT 経路とPE量とDNA合成の関係について調べた。エタノールアミンを添加しなくてもベ ザフィブレートによってPEからPCへのメチル化が阻害され、 PEの量が増加し、それ と相関してDNA合成が促進された。これらの結果から、 PEMT経路によってPE量が調 節されていることが示唆された。エタノールアミンとべザフィブレ・…一一トを共に添加し て培養した場合は、さらに顕著にDNA合成が促進された。エタノールアミンを添加し ないでベザフィブレートを添加した場合とエタノールアミンのみ添加した場合では一

(29)

晩培養後のPE量は同じであり、エタノールアミンを添加しなくてもホスファチジルセ リン(PS)からPEが合成されたからだと考えられる。しかし、2日以上の培養ではべザ フィブレートを添加していても、エタノールアミン無添加で培養した場合はPE量の低 下が著しく、PSからの供給だけでは十分量のPEが供給できなかった。肝細胞は単に PEMT経路を阻害するだけでは増殖に必要なPE量を合成できないため、エタノールア

ミンの供給が必須である。

 以上のようにベザフィブレートによるDNA合成の促進はPEMT経路を阻害したこと

により、PE量が増加した結果である可能性が示唆された。

(30)

E

Ut寸

N

Φ

o

A

o

A

< 0.3

0.2

0.1

0.0

0.4

0.3

0.2

0.1

0.0

Glu   Gly

 ▼     ▼ Asp   Ser His

▼    ▼ ▼

 Thr

  ▼ Arg Aia Pro

▼ ▼ ▼

      Val    Leu    Lys       ▼    ▼    ▼     Tyr Met lle Phe     ▼  ▼   ▼  ▼ Etn      Cys2

▼       ▼

0 5 10   15   20

Elution time(mir1)

25 30 35

Fig.4 Analysis of the purified phenylthiocarl)amoyl derivative of the low molecular weight factor(LMW factor)by the phenylthiocarbamoy1−amino acid method(Sasaki et a1.,1997).

When comp ared with phenylthiocarbamoy1−amino acid standards(lnmo l of each, Upper), the purified substance(Lower)eluted at the position o f phenylthiocarbamoyl−ethanolamine・

(31)

A

 o

昼 笥

E

B

o

E

  120   100

080

ご60 6

≧40

盲 合 20    0

  200 富16°

曇12°

18°

°4

F

0 20  40  60

   )−Etn(pM)

80  100

0 10   20    30   40    EGF(ng/ml)

50

Fig.5 Stimulation ofDNA synthesis in hepatoc)rees in primary culture by a combination of ethano lamine(Etn)and EGF. Etn was added to the culture between O−100  AM with 20 ng/ml EGF(A). EGF was added to the culture between 1−40 ng/ml with and without 100μM Etn

(B).DNA synthesis was monitored by examining the radioactivity of incorporated

[3H}thymidine(TdR)into the cells. B:一●一;+Etn,一〇一;−Etn. All points are the mean of

duplicate assays. The same experiment was repeated more than three times.

(32)

A 140

e120

§1・・

18。

§6。

白 40

十PE

−O−PC

0   20  40  60  80  100  120         Etn(μM)

B  800

  貧

舗600

コ ら

舞4・・

語2。。

      0

w(多 舗

Fig.6 Effect of ethanolamine on phospholipid composition. Hepatocytes were cultured with Etn betWeen O−100 IAM for 24 hrs(A)and with a combination of 100 IAM Etn and 20

       +

ng/ml EGF fbr 48 hrs(B). The lipids were extracted from the cells and the phospholipid composition was analyzed as described in W−2. The data are shown as the relative amo皿t of PE and PC(pi ng/mg protein)in hepatocytes per in normal rat liver respectively(A).一■一;

PE,一ロー;PC. Average±SEM, n=3,*;P<0.05 vs. O pM Etn(A).

(33)

A  

 o

、 宅 唱

 自

8

B

500 400 300 200

100 0

250

82°°

1冒15°

目ご100

8旦

  o   唱50

  )      0

0   5   10   15   20 Concentration ofEGF(nM)

0

      Φ         0

100  200  300  400  500 Bo皿d(fmoles/106cells)

Fig.7 EGF receptor binding assay. Dose saturation binding ofEGF in hepatocytes

incubated with various amounts of[1251]−EGF at 4°C for 2 hrs after cultUring with and without

50 pM Etn for 24 hrs in EGF−free medium as described in IV−2(A). A Scatchard plot of the

dose saturation binding ofEGF according to Scatchard(1949)used to obtain apparent Kd values and the number ofbinding sites(B).一●一;+Etn,−o−;−Etn. The same experiment was repeated three times.

(34)

A

Hrs

Bf

Etn

4 24

B

EGF

Etn

Min

        一   一   十   十   一   一   十   十

        一   一   一   一   十   十   十   十

噸齢獅織幽礪轍繍驚縁d蒲響

十    十   十  一  十

1    5

十    十   一   十  一  十  一 10    30

綴 麹

影   {

Fig.8 EGF receptor protein level and tyrosine phosphorylation ofthe EGF receptor. EGF receptor protein levels were examined 4 and 24 hrs after starting primary culturing with 100 pM Etn and/or 50 pM bezafibrate(Bf)by Werstern blot analysis(A). Tyrosine

phosphorylation ofthe EGF receptor fbr 1−30 min after adding 20 ng/ml EGF was examined in hepatocytes cultured with and without Etn fbr 24 hrs(B).

(35)

A   40   ぐ   9

国 x30

室耳

蕗 鑓20

   合一盲10

     0

B o

.日

L

C o

Pt

k o

.9

ts

  20

§15

§ °

§5

   0

  14   12

(10邑8 胃6

冨4

sl

10 100 1000

10

100 1000

10

 100

Etn(pM)

1000

Fig.9 Dose response kinetics of[3H]−ethanolamine incorporation into PE and PC.

Freshly isolated hepatocytes were plated in 100x 15mm plates in 5%fetal calf serum−

containing medium without Etn ovemight. The medium was changed to血esh serum−free medium containing various amo皿ts of[3H]−Etn(1μCi[3H]−Etn/101AM cold−Etn)with and without EGF and cultured fbr 2 hrs. The lipids were extracted from the cells and

incorporation of[3H]−Etn into PE and PC was measured as described in][V−2(A, B). The ratio of[3珂一Etn in PC(A)to[3H]−Etn in PE(B)is sho㎜(C). 一●一;+EGF,一〇一;−EGF. All

points are the average of duplicates.

(36)

A u

.田

B

  5

㎡へ4 10

も3

量2

合1

  0

85

㎡へ80

b

旦75

る ξ7°

号65

  60

0

25 50

75

100 125

0

25 50   75   100  125 Bf(μM)

Fig.10 1ncorporation of[3H]−ethanolamine into PE and PC synthesized via PE methylation after addition ofbezafibrate(B f). The hepatocytes were cultured with various concentrations ofBf(0−100μM),100μM Etn and 1μCi/ml[3H]−Etn for 2 hrs. The lipids were then

extracted from the cells and incorporation of[3H}Etn into PC(A)and PE(B)was measured as described in W−2. All points represent the mean of duplicate assays.

(37)

皇 全

L

40 臼30遥

82・

セ1。

0

0 50

一●一十Etn

−O−−Etn

100   150  200  250 Bf(輌D

Fig.11 Stimulation of DNA synthesis by a combination of bezafibrate with and without ethanolamine. Various concentrations ofBf(O to 200 pM)with and without Etn were added to the culture with 20 ng/ml EGF as described in W−2. DNA synthesis was monitored by the radioactivity o f incorporated[3H]−thymidine(2μCi/m1,2 hrs pulse)into the cells.一●一;

+Etn,一〇一;−Etn. All points are the mean ofduplicate assays. The same experiment was repeated more than three times.

(38)

tf

A  750

  筍

vE

a.自500

り  o§§

霞25・

0 a

b

b

b

一Etn  −Etn/Bf  Etn Etn/Bf

B  750

  旬 畳.15・・

註25・

  邑

0 a

b

C C

一Etn  −Etn/Bf  Etn Etn/Bf

Fig.12 Effect of bezafibrate on phospholipid composition. Hepatocytes were cultured by a combination of 50 pM B f and 100 IAM Etn without EGF for 24 hrs(A)and 48 hrs(B). The lipids were extracted from the cells and the phospholipid composition was analyzed as described in IV−2.一■一;PE,一ロー;PC. Average±SEM, n=3. Values with different superscripts are significantly different at」P<0.05.

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