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Microsoft PowerPoint - DI_日本ポール_211109_211026a (002) - 読み取り専用 - 互換モード

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Xpro Associates, LLC All Rights Reserved.

WEBセミナー 医薬品製造におけるデータインテグリティ対応

共催:Pall、Molecular Devices、Beckman Coulter Life Sciences、Sciex

改正GMP省令が求めるデータインテグリティ FDA査察指摘事例に学ぶ

実務対応の留意点

2021年11月9日(火)

日本QA研究会・GLP-QAP登録者 米国PDA認定システムオーディター 合同会社エクスプロ・アソシエイツ 代表

望月清

E-mail: [email protected] URL: http://www.xpro-asso.com/

セミナー一覧:http://www.it-asso.com/gxp/seminar.html

講師紹介

望月 清 (もちづき きよし)

所属 合同会社エクスプロ・アソシエイツ 代表

資格 米国PDA認定コンピュータシステムオーディター 2003年 日本QA研究会 GLP-QAプロフェッショナル (GLP-QAP) 2007年

コンサルティング範囲

データインテグリティ対応 コンピュータ化システムの適正管理(CSV、ERES、Part 11)

再生医療の法規制対応、 細胞処理施設の適正管理、 ラボの適正管理 など

学協会での活動

米国ISPE GAMP データインテグリティ専門部会メンバー

日本ISPE 無菌委員会 リスクベース環境モニタリングWGリーダ

日本PDA製薬学会 無菌製品GMP委員会 微生物迅速測定WGメンバー

略歴

1973年4月 山武ハネウエル株式会社(現アズビル株式会社)入社 1975年~ 米国ハネウエル社とDCS(分散型制御システム)を分担開発 2002年~ Part 11、CSVのコンサルティング

2009年~ 微生物迅速測定装置の啓蒙普及 2014年4月 アズビル株式会社 退職

2014年11月 株式会社 シーエムプラス 提携コンサルタント 2015年4月 合同会社エクスプロ・アソシエイツ 代表

コンサルティング件数: 2002年~2019年

GMP/治験薬:101件 GLP:8件 非GLPと創薬:17件 GCP:2件 医療機器:9件 システム/機器供給者:22件 再生医療:9件 細胞処理施設:5件

セミナー実施数: 2002年~2019年

インハウス/プライベートセミナー:90回 公開セミナー:202回

DI GAP分析シート単品販売数: 9件 (2018~2019)

データインテグリティ・FDAウォーニングレター対応実績: 2件 →再査察(483:0、0)

データインテグリティ・FDA483対応実績: 3件 →再査察(483:0)

FDA査察直前のDI対応コンサルティング実績: 5件 →査察(483:0、1、0、1)

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目次

1. GMP省令改正とデータインテグリティ 2. データインテグリティとは

3. データインテグリティ用語 4. FDA指摘 トップ10

5. 実務対応の留意点

6. さらなるDI理解のポイント Q&A

 改正のポイント

1. 国際整合性(PIC/S)

2. 通知の法制化 3. 用語の整理

 GMP省令改正の経緯

 2020/11/27 改正案文の発出 パブコメ募集開始

 2020/12/26 改正案文へのパブコメ締切

 2021/4/28 改正省令の公布

 2021/8/1 改正省令の施行 (改正省令の附則第1条に規定

 PIC/S

Pharmaceutical Inspection convention and Pharmaceutical Inspection Co- operation scheme

医薬品査察協定・医薬品査察協同スキーム

 世界のGMP査察当局による協力機構(なかよしクラブ)

1. GMP 省令改正と DI

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GMP 省令の改正 第 8 条(手順書等)

 第八条 次に掲げる手順書を作成し備え置くこと 一 構造設備及び職員の衛生管理に関する手順

二 製造工程、製造設備、原料、資材及び製品の管理に関する手順 三 試験検査設備及び検体の管理その他適切な試験検査の実施手順 四 安定性モニタリングに関する手順

五 製品品質の照査に関する手順

六 原料等の供給者の管理に関する手順 七 外部委託業者の管理に関する手順 八 出荷の管理に関する手順

九 バリデーションに関する手順 十~十七 (略)

2 手順書と記録について、その信頼性を継続的に確保するため、第二十条 第二項各号に掲げる業務を文書により定めること

 補足:従来の「基準書」は「手順書」の一つとなった

GMP 省令の改正

8 条(手順書等) 逐条解説

第八条 第2項

手順書と記録について、その信頼性を継続的に確保するため、第二十条 第二項各号に掲げる業務を文書により定めること

逐条解説

医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書並びに同令第2 章に規定する記録について、継続的に信頼性(いわゆるデータ・インテグ リ ティ)を確保するため、同令第 20 条第2項各号の業務の方法に関する 事項 を文書により定めることを要するものであること。この場合の継続的 とは、 それらの文書及び記録の作成時から保管期間が満了するまでの 期間にわた って継続するとの趣旨であること。

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GMP 省令の改正

20 条第 2 項 (文書と記録の管理)

第二十条 (文書および記録の管理)

第2項

手順書等及びこの章に規定する記録について、あらかじめ指定した者に次 に掲げる業務を行わせなければならない。

一 手順書等並びに記録に欠落がないよう、継続的に管理 二 手順書等及び記録が正確な内容であるよう、継続的に管理 三 他の手順書等及び記録との不整合がないよう、継続的に管理 四 欠落、不正確、不整合に対する是正措置と予防措置

五 その他手順書等及び記録の信頼性を確保するために必要な業務 六 前各号の業務に係る記録を作成し、これを保管

GMP 省令の改正

20 条第 2 項 逐条解説

第2項

手順書等及びこの章に規定する記録について、あらかじめ指定した者に次に 掲げる業務を行わせなければならない。

逐条解説

手順書並びに記録の信頼性(いわゆるデータ・インテグリティ)の確保業務に ついて規定。あらかじめ指定した者については、当該文書及び記録の種類、

内容等に応じて、その信頼性確保に関して熟知している職員を責任者として あらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、文書に定めておくこと。医薬品 の製造関連の文書及び記録の信頼性の確保については、PIC/Sガイダンス PI 041 “GOOD PRACTICE FOR DATA MANAGEMENT AND INTEGRITY IN REGULATED GMP/GDP ENVIRONMENTS” 等が参考になる。

注:PIC/S PI041-1 PIC/S査察官むけDIガイダンス

 2021/7/1 正式版発出

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GMP 省令の改正

20 条第 2 項 第 1 号 逐条解説

第2項 第1号

手順書等並びに記録に欠落がないよう、継続的に管理 逐条解説

作成時から保管期間が満了するまでの期間にわたって継続的な管理を要 すること。例えば、

 作成段階において欠落がないよう必要なチ ェックを行う

 作成後に消失、読取り不能等が生じないようバックアップを行う 注:「チェック」のヒント

PDA Technical Report No. 84

Integrated Data Integrity Requirements into Manufacturing & Packaging Operations (製造と包装におけるDI要件)

5.3.3.1 手書き記録の正確性確認 (ダブルチェック、QA確認など)

5.3.3.2 手書き記録のシステムへの転記

$180(会員)/325(一般)

2 .データインテグリティとは

(6)

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データインテグリティとは

データが

 完全で、一貫性があり、正確であること つまり

 データが信頼できること

データインテグリティの目的

 患者の安全性を確保

データインテグリティを危うくする要因

 悪意/故意 :データ改ざん、不都合隠蔽、面倒くさい、、、

 無知 :要求レベルを知らなかった(例えばバックアップ、、)

 不注意 :うっかり、ミス、、、、

根本原因

 プレッシャーや誘惑

スケジュール、生産ノルマ、人手不足、不安定な試験法や機器、、、

例:環境モニタリング不備による製品回収の原因:過密な生産計画 https://ptj.jiho.jp/article/141695 (ファームテクジャパンオンライン)

FDAのデータインテグリティ査察傾向

 ラボ:データ改ざん、繰り返しテストによる良いとこ取り等の徴候を調査

 製造:逸脱アラーム隠蔽の可能性等、逸脱品を出荷していないかを調査

 性悪説ベース、疑わしきは指摘、組織ぐるみの疑い、、、

 不注意起因であっても、結果は悪意/故意と同じ(容赦せず)

組織ぐるみの不祥事 厚労省の対応

法令遵守ガイドラインと無通告査察の徹底強化

 背景

 2021/8/13 H社 8日間 業務停止命令

 2021/3/5 N社 32日間 業務停止命令

 2021/2/9 K社 116日間 業務停止命令

 2019/8/8 M社 32日間 業務停止命令

 2017/6/28 Y社 22日間 業務停止命令

 2016/1/8 K社 110日間 業務停止命令

 法令遵守ガイドライン (局長通知) 2021/01/29

 「製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドライン」につ いて」 薬生発0129第5号

 法令遵守ガイドラインのQ&A集 (事務連絡) 2021/02/08

 「製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドラインに関す る質疑応答集(Q&A)」について」

 無通告査察の徹底強化 (課長通知) 2021/02/09

 「医薬品の製造業者におけるGMP省令違反等を踏まえた無通告立 入検査の徹底強化等について」 薬生監麻発0209第1号

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データインテグリティの要件

 データインテグリティの要件 ALCOA原則 (アルコア原則)

 A: Attributable 帰属性 (記録・作業の個人や装置を特定)

 L: Legible 判読性 (保存期間をとおして読めること)

 C: Contemporaneous 同時記録性 (発生時点で即時記録すること)

 O: Original 原本性 (最初に捉えた情報を保存すること)

 A: Accurate 正確性 (結果・記録は正確であること)

ALCOA + (プラス)

以下を強調したALCOA原則 (WHOガイダンス、PIC/Sガイダンス)

Complete 完全性 (事象を再現できる記録があること)

(サマリデータは不可、要生データ)

Consistent 一貫性 (記録に矛盾がないこと)

Endurering 耐用性 (保存期間に堪えうること)

Available 可用性 (必要なときに使用できること)

 データインテグリティ要件の適用対象

 紙の記録 (手書き記録、プリントアウト)

 電子記録

 電子記録を生成しないシステム/試験/製造も対象

 記録を生成しない製造装置も対象:製造管理のインテグリティ

GMP/GDP における ALCOA 要件

(出典: PIC/S 査察官むけ DI ガイダンス)

PE009 Part I 製剤GMP

PE009 Part II 原薬GMP

Annex 11 コンピュータ化Sys

PE011 GDP Attributable

帰属性

[4.20, c & f], [4.21, c & i], [4.29 point 5]

[5.43],,[6.14],

[6.18],,[6.52] [2], [12.1],

[12.4], [15] [4.2.4], [4.2.5]

Legible 判読性

[4.1], [4.2], [4.7], [4.8], [4.9], [4.10]

[6.11], [6.14], [6.15], [6.50]

[4.8], [7.1], [7.2], [8.1], [9], [10], [17]

[4.2.3], [4.2.9]

Contemporaneous

同時記録性 [4.8] [6.14] [12.4], [14] [4.1], [4.2.9]

Original 原本性

[4.9], [4.27], [Paragraph

"Record"]

[6.14], [6.15],

[6.16] [8.2], [9] [4.2.5]

Accurate

正確性 [4.1], [6.17]

[5.40], [5.42], [5.45], [5.46], [5.47], [6.6]

[Paragraph

"Principles"], [4.8], [5], [6], [7.2], [10], [11]

[4.2.3]

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GMP/GDP における ALCOA+ 要件

(出典: PIC/S 査察官むけ DI ガイダンス)

 PMDAのPIC/S加盟:2014/7/1

 PIC/S:世界のGMP査察当局の会議体 (査察官のなかよしクラブ)

PE009 Part I 製剤GMP

PE009 Part II 原薬GMP

Annex 11 コンピュータ化Sys

PE011 GDP Complete

完全性 [4.8],

[6.16],,[6.50],

[6.60],,[6.61] [4.8], [7.1],

[7.2],, [9] [4.2.3], [4.2.5]

Consistent

一貫性 [4.2], [6.15], [6.50] [4.8], [5], [4.2.3]

Enduring

耐用性 [4.1], [4.10] [6.11], [6.12],

[6.14] [7.1], [17] [4.2.6]

Availabe 可用性

[Paragraph

"Princi;e"]

[4.1]

[6.12], [6.15], [6.16]

[3.4], [7.1], [16],

[17] [4.2.1]

データインテグリティの実務対応

 データや成果・出力が信頼できること

 ガイダンス

 各極から発出されている

MHRA(英国医薬品庁)

WHO

FDA

PIC/S (査察官むけ、PMDAも審議参加) 2021/7/1最終化

 ガイダンスは法令ではない(技術的助言)

 ALCOAを深掘りしても;

 査察官が期待する実務対応のレベルに到達するのは難しい

 期待レベル@現時点

 厳しい解釈へ引っ張られる(ポジティブスパイラル)

 当局の査察指摘から把握するのがよい

 査察指摘の開示が一番進んでいるのはFDA

 本講座ではFDAの査察指摘をもとに

 データインテグリティの実務対応を説明

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 当局のガイダンス間に用語の違いはない

 各ガイダンスにおいて、用語が詳細に説明されている

 そのなかから、一番簡潔な説明を紹介する

 当局のデータインテグリティガイダンス

 MHRA(英国医薬品庁) GMP 2015/3

 WHO(世界保健機関) GxP 2016/5

 FDA GMP 2018/12/12

 PIC/S 査察官むけ GMP GDP 2021/7/1

 MHRA(英国医薬品庁) GxP 2018/3

 注意:

 ガイダンスは指針であり法令ではない

 PIC/S査察官むけガイダンス 第3.7節

このガイダンスは強制力および法的拘束力を持つものではない

データインテグリティ不適合は各国の法律やGMPを元に判断すること

 FDAガイダンスの注意書き:このガイダンスは

発出時点におけるFDAの考え方を示すものである

いかなる権利も法的拘束力も生じさせない

法律や規制を満たす他の方法を使用してよい

3. データインテグリティ用語

生データ と メタデータ

 生データ

 少なくとも、品質判定に用いる全てのデータを生データと規定すること

 生データとなる電子記録を規定すること

(PIC/S GMP第4章 文書化)

 データを生成した作業を完全に再構築できるものであること

(MHRAガイダンス)

 メタデータ

 データの意味を理解するのに必要な情報

 データの数値だけでは何を意味するのかわからない

たとえば 「23」という数値は、「mg」といった単位表示のようなメタデ ータがなければ何の意味もない

 データを収集した日時のタイムスタンプ、データを生成したテストや 分析を実施した人のユーザーID、データ収集に使用した機器のID、

監査証跡などもメタデータ

(FDAガイダンス)

 メタデータは生データの1部

生データとは

最終結果を得るために使用した元となるデータ

最終結果を得るに至った過程を含む記録

最終結果を検証することができるもの GMP事例集(2013年版 GMP20-5 )

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オリジナル・レコード / 真正コピー

ダイナミック / スタティック・レコード形式

 オリジナル・レコード

紙であろうが、電子であろうが最初に捉えた情報 (原本性)

(PIC/Sガイダンス 第7.5節)

 真正コピー (True Copy) ≒謄本(とうほん)

オリジナル・レコードの正確な検証済みコピー

(MHRAガイダンス)

 オリジナル・レコードに代え、真正コピーを維持することでもよい

 ダイナミック・レコード形式 (動的記録形式)

データ処理、データ解析、データを拡大表示できるような記録の形式。例え ば、電子的に維持されているクロマトグラフィのオリジナル・レコードの形式

(WHOガイダンス 第3章)

 スタティック・レコード形式 (静的記録形式)

紙やpdfの様に、データが固定されており再処理や拡大表示ができないよ うな記録の形式

(WHOガイダンス 第3章)

オリジナル・レコードと真正コピー

オリジナル・レコード 真正コピー

紙の記録 スタティック ハードコピー(紙の記録)

スキャンPDF(電子記録)

電子記録 スタティック

プリントアウト(紙の記録)*

テキストPDF*

電子記録 (オリジナル・レコード形式)

ダイナミック 電子記録 (オリジナル・レコード形式)

*:例えば、以下のものを含めて保管する( PIC/S 第7.7.2節)

すべての生データの検証済みコピー

メタデータ

関連する監査証跡

(スタティックであっても、良いとこ取り測定の有無確認に監査証跡が必要)

結果ファイル

各分析の実行に特有なソフトウェア/システムの構成設定

生データセットの再構成に必要な全データ処理の実行記録

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スタティックレコード

電子で保存できるなら電子保存 ( 1/2

pH計

FDA 483:2019/1/15 インド

このpH計は総ての測定結果を電子的に保存できる

しかし、電子的に保存するように設定されていなかった

FDA 483:2019/9/13 日本

このpH計は測定結果を電子的に保存できる

しかし、電子的にレビューしていないしバックアップも取っていない

FDA 483:2019/9/26 日本

pH計においてパワードなしのゲストアカウントを全員が共用している

そのため、電子記録の帰属性を保証できない

FDA 483:2020/9/8 米国

pH計の電子記録が維持されていない

フィルター完全性試験

FDA 483:2017/6/2 韓国

電子記録を削除できる

FDA 483:2019/11/26 日本

エラーの根本原因を確定せずに再測定を繰り返している

初回の約50%がエラーとなっているのに、テスト手順を改善していない

IDとPWを共有している

「ファイルター完全性試験のデータインテグリティ対応」

ファームテクジャパン連載 2020/8~2020/10

スタティックレコード

電子で保存できるなら電子保存 ( 2/2

 ISPE年次大会 特別講演 2016/4/14 船堀

 英国医薬品庁(MHRA)David Churchward (Mr. Data Integrity)

 質疑応答

吸光度をUVで測定している。スタティックなので紙記録でよいか?

ハードディスクの価格は低下している。電子で維持すること

 解説

 スタティックであっても

良いとこ取りをしていないことを証明できる必要がある

 プリントアウトだけでは証明は容易ではない

 電子記録を改変・削除・障害から保護して全て維持していれば証 明できる

 監査証跡がなくても、以下の条件なら証明できる

総ての測定結果が電子記録に残る

その電子記録は削除できない

時刻調整の権限は現場にはない(時刻の真正性)

 監査証跡がない場合:機器使用ログに使用開始時刻も記入

★ 監査証跡つき天秤が販売開始(2019/1)

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4 .データインテグリティ FDA 指摘 トップ 10

 FDAのデータインテグリティ指摘件数 ラボ:製造=10:1

 従って、本章に示す指摘トップ10はラボ主体となっている

FDA 483 の調査結果 ( 500/1,500 件)

指摘件数 (ラボ機器主体)

参照したFDA 483数:1500件(1年半分) DI指摘率:500件/1500件 33%

TNTC: Too Numerous To Count (数え切れないほど多い)

指摘項目 件数

1 DI基本要件(アカウント管理、電子記録の保護、監査証跡、CSV、、、) TNTC

2 監査証跡のレビュー、電子記録のレビュー 159

3 OOS処理、再テスト (OOS対応方法はFAQ Q17参照) 147

4 システム管理者権限の付与 110

5 バックアップ (国内指摘増加中) 94

6 電子記録の維持 89

7 ブランク用紙の管理 89

8 時計の真正性 65

9 機器使用台帳(ログブック) 56

10 手動解析/再解析 43

11 プレコンディショニング/テストインジェクション 38

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指摘の要点 (1/3

1. 基本機能(ERES機能、CSV)

ERES指針に記載されたアカウント管理機能、アクセス制限機能、監査証跡機 能が欠如している機器を使用していると指摘を受ける。また、エクスプローラ等 のOS機能によるデータの変更・削除が可能であると指摘を受ける。当然ではあ るが、バリデーションしていないと指摘を受ける。PQ、変更時バリデーション、再 バリデーションも不適切であると指摘を受ける

2. 監査証跡/電子記録のレビュー

ダイナミック・レコードは監査証跡を含む電子記録によりデータレビューしていな いと指摘される

3. OOS処理/再テスト

繰り返し測定を行い良い結果しか報告していないと、OOS(Out of Specification

:規格外)処理を指摘される。既出荷品の品質判定に疑いありということでウォ ーニングレターになりやすい指摘である

4. システム管理者権限の付与

試験や製造を実施・照査・承認する職員がシステム管理者権限を持っていると

、自らが関与した記録の改ざんができるので指摘される

指摘の要点 (2/3

5. バックアップ

電子的なダイナミック・レコードをバックアップしていないと指摘される。

 ネットワークに接続されていないスタンドアローンの機器や装置が指摘さ れやすい。バックアップの隔離保管や改変・削除からの保護にも注意。

 LIMS(ラボ情報管理システム)やCDS(クロマトデータシステム)などサーバ ーシステムはIT部門などがバックアップを担当している事が多いが、GMP 教育を受けずに作業していると指摘される。

6. 電子記録の維持

ほとんどのラボ機器のオリジナル・レコードは電子的なダイナミック・レコードと みなされる。それらの機器は電子記録を維持していないと指摘される。例えば、

HPLC、GC、IR、UVなどは電子記録を維持しなければならない。Ph計などスタテ ィックであっても電子記録を保存できるのであれば電子記録を維持しないと指 摘される。

7. ブランク用紙の管理

試験や製造を実施・照査・承認する職員が記録用紙を発行したりコピーできる と、自らが関与した不都合なデータの差し替えができるので指摘される

(14)

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指摘の要点 (3/3

8. 時計の真正性

試験や製造を実施・照査・承認する職員が機器の時計を調整できると、自ら が関与した記録のバックデートができるので指摘される

9. 機器使用台帳(ログブック)

機器使用台帳の記入もれ、同時記録性などが指摘される。機器使用台帳の FDA cGMP要件は21CFR§211.182に記載されている

10. 手動解析/再解析

手動解析/再解析はその開始条件を含めて手順化し、データレビューにおい て手動解析/再解析の妥当性を電子記録により精査しないと指摘される 11. プレコンディショニング/テストインジェクション

HPLCのプレコンディショニング(機器使用前調整)は良いとこ取りの隠れ蓑に なりやすい。プレコンディショニングは手順化しデータレビューにおいてその正 当性を電子記録により確認しないと指摘される

さらなる FDA 483 (国内)の紹介

■ WEB連載 「ラボにおけるERESとCSV」

https://www.gmp-platform.com/author_detail.html?id=112

第1回~ ERES、生データ、CSV、リスクマネジメント 2015/1

第12回 PIC/SとFDAのデータインテグリティ指摘 2015/12

第13回 MHRAのデータインテグリティガイダンス 2016/1

第14回 データインテグリティ指摘への対応 2016/2

第15回 HPLC試し打ち査察指摘への対応 2016/3

第16回~ WHOのデータインテグリティガイダンス 2016/4~

第19回~ FDAのデータインテグリティガイダンス 2016/7~

第23回~ PIC/Sのデータインテグリティガイダンス 2016/11~

第29回~ データインテグリティの是正 2017/5

第31回~ FDAのデータインテグリティ国内指摘の解説 2017/7~

国内60社におけるDI指摘(@2021/10、製造指摘を含む)

■セミナー案内

http://www.it-asso.com/gxp/seminar.html

■GAP分析シート(500件におよぶFDA 483を反映)

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5 .データインテグリティ 実務対応の留意点

手書き記録

 記録用紙(ブランク書式)は

 QCラボおよび製造においてコピーできないよう管理すること

 指図書/記録書のみならず、機器使用記録(ログ)、日常点検記録なども管 理対象

 発行数と回収数の帳尻会わせを行うこと(完全性/網羅性)

 記録用紙の破棄を防止

 得られたデータはすべて記録・保存すること

 ブランク記録用紙の管理 (査察指摘多数)

 記録部署が発行しない

 記録部署によるコピーを防止

 記録部署による破棄を防止

 PDA Technical Report No. 84

Integrated Data Integrity Requirements into Manufacturing & Packaging Operations (製造と包装におけるDI要件)

 5.3.3.1 手書き記録の正確性確認 (ダブルチェック、QA確認など)

 5.3.3.2 手書き記録のシステムへの転記

 $180(会員)/325(一般) 65ページ 2020/9/10(ダウンロード開始)

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バリデーション

1. QA管理下で実施すること

2. DI要件をURSに含め、バリデートすること 3. PQは必須であること

 エンドユーザーがSOPに従い操作し、URSを満たしていることを検証 すること

 機能はOQで検証済みなので、エンドユーザーによる予行演習(

業務遂行性の検証)と捉えるとよい

 導入した機器により分析法ごとにPQすること

(分析法のベリフィケーション)

 導入した機器によりPQしていない分析法には、その機器を使用 できないこと

4. 再バリデーション/定期バリデーション

セキュリティ

(アクセス権限管理)

1. 個人ごとにアカウントを与えること

 共有アカウントの禁止

2. 権限のない変更・削除から保護されていること

 アプリケーションにおける操作のみならずエクスプローラ等のOS操作におい ても保護されていること

3. 各アカウントの操作権限は各職員の職務権限に適合したものであること

 QAはそのことを保証できること

4. システム管理者権限を現場に与えないこと

 セキュリティ関係の設定

 アカウント管理

 時刻調整

 データの変更・削除

 バックアップ

(∵現場の職員がバックアップを変更・削除できてはいけない)

5. 監査証跡

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データレビュー

 データレビュー手順を規定し、バリデートすること

 監査証跡のレビュー手順を規定

 監査証跡レビュー対象のデータを規定 など

 日常のデータレビューにおいて

 ダイナミック・レコードは電子記録をレビューすること

波形や画像の拡大によるデータ精査

自動および手動の解析内容を精査 など

 監査証跡と電子記録により下記観点でレビューすること

(★チェックリスト化を推奨)

権限なくデータやパラメータが変更・削除されていないか

使用したパラメータは正しいか

不都合な事象を隠蔽していないか

正当な理由なく繰り返し測定していないか

(繰り返し測定の妥当性を記録により確認)

試し打ち(テストインジェクション)は妥当か

正当な理由なく手動解析/再解析をしていないか

手動解析/再解析の開始条件は規定を満たしているか

手動解析/再解析の内容は妥当か

シングル・インジェクションは妥当か など

 監査証跡をレビューした記録を残すこと

QA によるレビュー

 ガイダンス要旨 (MHRA、WHO、PIC/S §9.8)

 QAは監査証跡のレビュー計画を策定すること

 そのレビューは自己点検に組み入れること

 監査証跡レビューにおいて、データレビューの効果と適格性を確認すること

 QAによる監査証跡レビューは

抜き取りで

標的を決めて実施

 QAレビューのポイント

自己点検の一環として、抜き取りで標的を定めて以下を実施

 データレビューが手順どおり実施されていることを確認

 データインテグリティを保証できるデータレビューか確認

良いとこ取りがないことを監査証跡でレビューしているか

パラメータの適格性をレビューしているか など

 システム管理者権限のもとになされた操作の正当性を確認

正当な理由なく監査証跡をオン/オフしていないか

不都合な記録を削除していないか

 良いとこ取りをしていないことを確認

 不都合な事象を隠蔽していないことを確認

(18)

Xpro Associates, LLC All Rights Reserved. 35

6 .さらなる DI 理解の ポイント

 世界の当局や業界団体から様々なDIガイダンスが発出されている

 ガイダンスは技術的助言であり、法的拘束力はない

 ガイダンスの枝葉末節ではなく、本質を捉えること

 ALCOA+を深掘りしても、行うべき実務対応にはなかなか到達しない

 査察官の期待は、DI技術の普及にともない高まる

 各ガイダンスにおける助言をどこまでやるのがよいか?

 リスクベースで考えるのがよい

 査察指摘事例をリスク判断の基準とするのがよい

 査察指摘事例の開示が一番進んでいるのはFDA

 FDAの国内査察におけるDI指摘を下記サイトで紹介

https://www.gmp-platform.com/author_detail.html?id=112

WEB連載「ラボにおけるERESとCSV」

 国内査察におけるDI指摘を解説(60社@2021/10)

 製造におけるDI指摘を含む

各極の DI ガイダンス 発行の経緯

2015/3 MHRA(GMP) 第1.1版 16頁 2015/9 WHO GDRP ドラフト 35頁

(Good Data & Record Management Practice)

2016/4 FDA ドラフト 13頁

2016/5 WHO GDRP 正式版 46頁 2016/8/10 PIC/S ドラフト第2版 41頁 2018/3 MHRA(GxP) 正式版 21頁 2018/11/30 PIC/S ドラフト第3版 52頁

( 2019/2/28パブコメ期限)

2018/12/12 FDA 正式版 17頁

2019/10 WHO DIドラフト 29頁

(2020/1/15パブコメ期限)

2021/7/1 PIC/S 正式版 (GMP/GDP) 63頁 2021/9/20 OECD (GLP) 30頁

(19)

Xpro Associates, LLC All Rights Reserved. 37

PIC/S 査察官むけ DI ガイダンス 翻訳情報

 中野健一 株式会社文善(ぶんぜん) 2021/9/9 https://bunzen.co.jp/news/

(検索: 文善 PI 041-1)

 寶田哲仁 ファームテクジャパン 2021年9月、10号

 脇坂盛雄 GMP Platform 2021/8/6~連載

https://www.gmp-platform.com/article_detail.html?id=9420

 株式会社イーコンプライアンス 2021/7/9

https://ecompliance.co.jp/oyakudachi/2021/07/09/pharmaceutical- inspection-convention/

 橋本奈央子

ASTROM通信(株式会社プロス) 2021/8/1~

PIC/S 査察官むけ DI ガイダンスの 読み方

1. 判りやすい翻訳を選ぶ

2. 灰色背景がついていない部分を先に読む

( 「xxxxリスク」と記載された灰色背景部分は後まわしとする)

3. 箇条書きに書き直す

 意味を捉えづらい部分は他の翻訳を参照する

 短い言葉で本質を整理

4. 行間を読みとり、補足説明を追記する

 セミナーや他のガイダンスの内容で補強

 具体的実践例や自分の理解を追記

 査察指摘事例を追記

 どこまでやるかはリスクベース

 査察指摘事例をリスク根拠とするとよい

 ガイダンスの本質を理解していないオーディターに注意

 ガイダンスは助言にすぎないのに、押しつけてくるオーディター。。。

(20)

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DI 標準セミナーの目次

5 時間、 700 スライド、 260 ファイル@付録 CD

1. GMP省令改正とPIC/S 2. データインテグリティとは 3. ERESの基礎

4. CSVの基礎

5. データインテグリティ用語 6. FDA指摘 トップ10 7. EMAとFDAの警告書

8. 国内におけるFDA指摘(483)

9. 製造におけるFDA指摘(483)

10. 製造におけるFDA指摘 まとめ 11. スプレッドシートのFDA指摘 12. PMDAの指摘

13. ガイダンスの概況 14. 実務対応の留意点 15. 実務対応: 手書き記録 16. 実務対応: QCラボ

17. 実務対応: 製造装置と検査装置 18. ポリシーと手順書の策定方針 19. クラウドの留意点

20. 今すぐ行うべきこと 行えること 21. 良くある質問(FAQ)

22. 主要ガイダンスの概要 23. MHRAのガイダンス 24. FDAのガイダンス

25. PIC/S査察官むけガイダンス 26. おわりに + Q&A

検索(セミナー一覧)

 データインテグリティ

 セミナー

 望月

http://www.it-asso.com/gxp/seminar.html

PIC/S査察官むけDIガイダンス 2021/7/1 正式版

英文原本:63頁 解説付き要旨訳(160頁)

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