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論文
高等学校学習指導要領におけるマネジメント分野科目についての理解
Understanding of management field subjects in the high school curriculum guidelines
藤 久士1) Hisashi Tou
中牟田 智朗2) Tomoaki Nakamuta
■Abstract
In the new high school study guidance guidelines, the composition of subjects has been changed in order to realize commercial education that suits the times. “Business economy” and “business economy application” were separated and consolidated into “business management” and “global economy”, and “economic activity and law” became “business regulations”. This paper gives an overview of the new high school curriculum guidelines and examines the subjects in the management field mentioned above.
キーワード:高等学校学習指導要領,マネジメント分野,ビジネス・マネジメント,グローバル経済,ビジネス法規 Key Words; High school curriculum guidelines, Management field, Business management, Global economy, Business regulations
Ⅰ はじめに
2018(平成30)年告示の高等学校学習指導要領(以下、「学 習指導要領(平成30年告示)」)は、教育基本法、学校教 育法等を踏まえ、これまでの我が国の学校教育の実績や蓄 積を生かし、生徒が未来社会を切り拓くための資質・能力 を一層確実に育成することを目指している。この資質・能 力を具体的に表せば、予測困難な社会の変化に主体的に関 わり、感性を豊かに働かせながら、どのような未来を創っ ていくのか、どのように社会や人生をよりよいものにして いくのかという目的を自ら考え、自らの可能性を発揮し、
よりよい社会と幸福な人生の創り手となる資質・能力であ る。これは新しい資質・能力ということではなく学校教育 が長年その育成を目指してきたい資質・能力であり、「生 きる力」を改めて捉え直しているということである。
学習指導要領(平成30年告示)では、経済のグローバル 化の進展、情報技術の進歩への対応、観光立国への流れな どを踏まえ、ビジネスを通じ地域産業をはじめ、経済社会 の健全で持続的な発展を担う職業人を育成するために学習 内容の改善・充実を図っている。
具体的に商業科に関する教育内容の改善・充実を挙げれ ば、1つ目に観光産業の振興に対応し、地域の活性化を担 う、人材を育成する視点から「観光ビジネス」が新設さ れたこと。2つ目にビジネスにおけるコミュニケーション 能力の向上への対応として、「ビジネス実務」が「ビジネ ス・コミュニケーション」に再構成されたこと。3つ目に
経済のグローバル化や顧客ニーズの多様化など市場環境が 変化する中で、効果的にマーケティングを展開するために
「マーケティング」と「広告と販売促進」の指導項目を整 理統合して「マーケティング」として再構成されたこと。
4つ目に情報技術の進歩への対応として、会計ソフトウェ アの活用に関する指導項目を「ビジネス実務」から「簿記」
に移行したこと。また、「電子商取引」を「ネットワーク 活用」に再構成し、インターネットを活用したビジネスの 創造に関する指導項目を取り入れるなど学習内容の改善を 行ったこと。さらに「ビジネス情報管理」の情報通信ネッ トワークに関する指導項目について「ネットワーク管理」
に分離し、情報セキュリティ管理に関する指導項目の充実 が図られたこと。5つ目に地域におけるビジネスの推進へ の対応として「ビジネス基礎」について、地域のビジネス を担う資質・能力を育成する視点から、国内の身近な地域 のビジネスに関する指導項目を取り入れるなど学習内容の 改善が行われたこと。6つ目にグローバル化の進展への対 応として、「ビジネス経済」及び「ビジネス経済応用」の 経済に関する指導項目についてグローバル経済」に整理統 合し、グローバル化の動向と課題、企業活動のグローバル 化に関する指導項目を取り入れるなど学習内容の改善が行 われたこと。7つ目にビジネスにおけるマネジメント能力 の向上への対応として「ビジネス経済応用」の企業経営、
ビジネスの創造などに関する指導項目を「ビジネス・マネ ジメント」に分離し、人的資源、物的資源など経営資源の 1)精華女子短期大学講師
2)近畿大学産業理工学部経営ビジネス科准教授
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今井(2018)は学習指導要領(平成30年告示)で求めて いる授業改善について「思考力、判断力、表現力等の前提 となる知識・技能を踏まえた上で、どのような問いかけや 授業展開をしていくことがこれからの力を育成することに なるのか(中略)人としてあるべき理想をいかに高められ るかが求められている」と述べている。
学習指導要領(平成30年告示)に基づく「商業の見方・
考え方」を働かせる学習指導について、大下(2020)は「商 業の見方・考え方を働かせる学習指導には、職業人として、
マーケティング活動や会計処理、情報通信技術の活用など の企業活動の事象について、単に利益だけを優先するので はなく、企業が社会に及ぼす影響などに責任をもち、実際 のビジネスと関連付けて考えさせながら、ビジネスを適切 に展開する実践力を身に付けさせる学習活動が必要であ る」と主張している。
Ⅲ 「ビジネス・マネジメント」
1.科目の目標・ねらい
学習指導要領(平成30年)解説商業編に示された「ビジ ネス・マネジメント」における目標は次の通りである。
「商業の見方・考え方を働かせ、実践的・体験的な学習活 動を行うことなどを通して、ビジネスにおけるマネジメン トに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
⑴ ビジネスにおけるマネジメントについて実務に即して 体系的・系統的に理解するようにする。
マネジメントに関する指導項目を取り入れるなどの学習内 容の改善が行われた。
高等学校学習指導要領(平成21年)解説商業編(以下、「学 習指導要領(平成21年)解説商業編」)では、教科組織上 の科目の分野構成は基礎的科目・総合的科目・マーケティ ング分野・ビジネス経済分野・会計分野・ビジネス情報分 野である。一方、高等学校学習指導要領(平成30年)解説 商業編(以下、「学習指導要領(平成30年)解説商業編」)
では教科組織上の科目の再構成に伴い、ビジネス経済分野
(「ビジネス経済」、「ビジネス経済応用」、「経済活動と法」)
がマネジメント分野(「ビジネス・マネジメント」、「グロー バル経済」、「ビジネス法規」)に再構成された。本稿では 新たに構成されたマネジメント分野の各科目の目標とねら い、配慮事項さらに指導事項と取り扱いについて考察を深 めるものである。
Ⅱ 学習指導要領(平成30年告示)についての先行研究 穴吹・谷岡(2018)は学習指導要領(平成30年告示)に 基づいて実施すべき学習形態としてアクティブ・ラーニン グを挙げ「何を教えるかという知識の量の改善はもちろん のこと、どのように学ぶのかという学びの質を重視するこ とが必要であり、課題の発見と解決に向けて主体的・協働 的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」や、そのための指導 方法等を充実させていく必要が求められている」と考えて いる。
【表1】 商業科の分野等と科目の構成
(出典)今井(2018)、5ページ
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⑵ ビジネスにおけるマネジメントに関する課題を発見 し、ビジネスに携わる者として科学的な根拠に基づいて 創造的に解決する力を養う。
⑶ ビジネスを適切に展開する力の向上を目指して自ら学 び、ビジネスにおけるマネジメントに主体的かつ協働的 に取り組む態度を養う。」
科目のねらいとして「ビジネスを適切に展開して企業の 社会的責任を果たす視点をもち、ビジネスの場面を想定 し、経営資源のマネジメントを行う方策や新たなビジネス の考案に取り組む実践的・体験的な学習活動を行うことな どを通して、ビジネスにおけるマネジメントについて、組 織の一員としての役割を果たすことができるようにするこ と」を挙げている。
2.科目の配慮事項
学習指導要領(平成30年)解説商業編に示された「ビジ ネス・マネジメント」の内容を取り扱う際の配慮事項は以 下の次の二点である。
第一に、「適切なマネジメントの重要性について企業の 社会的責任や企業倫理との関連から捉える学習活動及びマ ネジメントに関する具体的な事例について多面的・多角的 に分析し、考察や討論を行う学習活動を通して、ビジネス におけるマネジメントについて理解を深めることができる ようにすること」である。
第二に、「ビジネスの展開を題材としたマネジメントに 関する具体的な課題を設定し、科学的な根拠に基づいてビ ジネスアイデアなどを考案するとともに、経営資源を効果 的に活用した事業計画を立案して提案などを行う学習活動 を通して、マネジメントに適切に取り組むことができるよ うにすること」である。
3.科目の指導項目と取扱い
学習指導要領(平成30年)解説商業編に示された「ビジ ネス・マネジメント」の指導項目をまとめたものが表2で ある。
「ビジネス・マネジメント」では、科目の目標を踏まえ、
マネジメントの役割や意義を学ぶ。企業に新たな利益をも たらす技術革新や経営戦略についても取り扱い、企業をと りまく変化の激しい時代に対応できる経営資源のマネジメ ントについても学ぶ。また近年、企業経営において益々そ の重要性が増している企業統治(コーポレート・ガバナン ス)などに関する知識を基盤に企業の秩序と責任について も取り扱い、総まとめとしてビジネスの創造と展開までを 学習するようになっている。改訂前の学習指導要領との比 較において、今井(2018)は「改訂前の「ビジネス経済応用」
では企業経営は一つの指導項目として基礎的、体系的な学 習に留まっていた。経済社会を見渡した時、生産と消費を とりもつ商業を体系的に学ぶ商学において、その活動主体 となる企業経営は重要な一領域であるだけに、「ビジネス・
マネジメント」の名称で科目を独立させたことは必然と言 えるだろう」述べている。
Ⅳ 「グローバル経済」
1.科目の目標・ねらい
学習指導要領(平成30年)解説商業編に示された「グロー バル経済」における目標は次の通りである。
「商業の見方・考え方を働かせ、実践的・体験的な学習 活動を行うことなどを通して、グローバル化する経済社会 におけるビジネスの展開に必要な資質・能力を次のとおり 育成することを目指す。
⑴ 経済のグローバル化について実務に即して体系的・系 統的に理解するようにする。
⑵ 経済のグローバル化への対応に関する課題を発見し、
ビジネスに携わる者として科学的な根拠に基づいて創造 的に解決する力を養う。
⑶ ビジネスを適切に展開する力の向上を目指して自ら学 び、グローバル化する経済社会におけるビジネスに主体 的かつ協働的に取り組む態度を養う。」
科目のねらいとして「ビジネスを適切に展開して企業の 社会的責任を果たす視点をもち、ビジネスの場面を想定 し、地球規模で経済を俯瞰して地域の資源をビジネスに役
【表2】 「ビジネス・マネジメント」の指導項目
⑴ ビジネスとマネジメント ア マネジメントの役割 イ イノベーションの重要性 ウ 創業者や経営者の理念 エ 外部環境の影響
⑵ 組織のマネジメント ア 組織の形態
イ 経営理念と経営戦略
ウ 企業間連携と事業構造の再構築
⑶ 経営資源のマネジメント ア 経営資源の種類と最適化 イ 人的資源のマネジメント ウ 物的資源のマネジメント エ 財務的資源のマネジメント オ 情報的資源のマネジメント
⑷ 企業の秩序と責任 ア 企業統治
イ リスク・マネジメント ウ 企業の社会的責任
⑸ ビジネスの創造と展開
ア ビジネスの創造の意義と課題 イ プロジェクト管理
ウ 起業の意義と手続
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立てる方策の考案に取り組む実践的・体験的な学習活動を 行うことなどを通して、経済のグローバル化に対応したビ ジネスの展開について、組織の一員としての役割を果たす ことができるようにすること」を挙げている。
2.科目の配慮事項
学習指導要領(平成30年)解説商業編に示された「グロー バル経済」の内容を取り扱う際の配慮事項は以下の次の二 点である。
第一に「地球規模で経済を俯瞰して経済社会の動向・課 題を捉える学習活動及び経済のグローバル化に関する具体 的な事例について多面的・多角的に分析し、考察や討論を 行う学習活動を通して、経済のグローバル化について理解 を深めることができるようにすること」である。
第二に「企業における経済のグローバル化への対応に関 する具体的な課題を設定し、科学的な根拠に基づいて対応 策を考案して提案などを行う学習活動を通して、ビジネス に適切に取り組むことができるようにすること」である。
3.科目の指導項目と取扱い
学習指導要領(平成30年)解説商業編に示された「グロー バル経済」の指導項目をまとめたものが表3である。
「グローバル経済」では、科目の目標を踏まえ、経済の グローバル化と日本経済の現状に関する知識を基盤とし て、地球規模で経済を俯瞰的に捉え、その中で日本の果た す役割についても学習する。また、市場の役割と経済の動 向、景気循環の仕組み、経済政策についても取り扱う。特 にグローバル化の動向と課題は学習内容の充実が図られて おり、ビジネスを担う人材が国境を越えて移動する人材の
グローバル化、生産財・消費財及びサービスのグローバル 化、金融と資本のグローバル化、情報技術の進歩により大 量の情報が地球規模で行き交い、ビジネスに活用される情 報のグローバル化についても学ぶ。さらに海外に進出して いる日本企業を具体例に海外進出と経済のグローバル化に 伴う企業の社会的責任についても取り扱う。そして総まと めとして、グローバルな視点で世界の市場と関わりをもっ たビジネスの展開とともに、地域資源をビジネスに役立て る方策も学習に取り入れ、ビジネスを展開する際にグロー バル・スタンダードを踏まえる意義と課題について主体的 かつ協同的に取り組むようになっている。
「グローバル経済」の内容は、改訂前の学習指導要領(平 成21年)では「ビジネス経済」において国際的な経済活動 が我が国の景気変動に及ぼす影響などについて取り扱って いた。また「ビジネス経済応用」で経済の国際化や金融市 場と資本の国際化などが取り扱われていた。このように
「グローバル経済」は「ビジネス経済」と「ビジネス経済 応用」を整理統合して構成された科目である。
Ⅴ 「ビジネス法規」
1.科目の目標・ねらい
学習指導要領(平成30年)解説商業編に示された「ビジ ネス法規」における目標は次の通りである。
「商業の見方・考え方を働かせ、実践的・体験的な学習 活動を行うことなどを通して、法規に基づくビジネスの展 開に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指 す。
⑴ ビジネスに関する法規について実務に即して体系的・
系統的に理解するようにする。
⑵ 法的側面からビジネスに関する課題を発見し、ビジネ スに携わる者として法的な根拠に基づいて創造的に解決 する力を養う。
⑶ ビジネスを適切に展開する力の向上を目指して自ら学 び、法規に基づくビジネスに主体的かつ協働的に取り組 む態度を養う。」
科目のねらいとして「ビジネスを適切に展開して企業の 社会的責任を果たす視点をもち、ビジネスの場面を想定 し、法的な根拠に基づいて課題の解決策を考案する実践 的・体験的な学習活動を行うことなどを通して、法規に基 づいたビジネスの展開について、組織の一員としての役割 を果たすことができるようにすること」を挙げている。
【表3】 「グローバル経済」の指導項目
⑴ 経済のグローバル化と日本 ア グローバル化と国際化 イ 日本経済の現状
⑵ 市場と経済
ア 市場の役割と課題 イ 経済成長
ウ 景気循環 エ 経済政策
⑶ グローバル化の動向・課題 ア 人材のグローバル化
イ 財とサービスのグローバル化 ウ 金融と資本のグローバル化 エ 情報のグローバル化
⑷ 企業活動のグローバル化 ア 企業の海外進出
イ グローバル化に伴う企業の社会的責任 ウ 世界との関わり
51 2.科目の配慮事項
学習指導要領(平成30年)解説商業編に示された「ビジ ネス法規」の内容を取り扱う際の配慮事項は以下の次の二 点である。
第一に「ビジネスに関する法規の改正などの動向・課題 を捉える学習活動及びビジネスに関する具体的な事例につ いて法的側面から分析し、考察や討論を行う学習活動を通 して、ビジネスに関する法規について理解を深めることが できるようにすること」である。
第二に「ビジネスで想定される具体的な課題を設定し、
法的な根拠に基づいて解決策を考案して提案などを行う学 習活動を通して、法規に基づいてビジネスに適切に取り組 むことができるようにすること」である。
3.科目の指導項目と取扱い
学習指導要領(平成30年)解説商業編に示された「ビジ ネス法規」の指導項目をまとめたものが表4である。
「ビジネス法規」では、科目の目標を踏まえ、ビジネス における法の役割、法の体系と解釈・摘要など、法的根拠 に基づいた適切な企業活動の展開について学習する。ま た、近年益々その重要性が増している、知的財産の保護や 活用さらに、知的財産が侵害されたときの対抗手段につい ても取り扱う。また、法人税や消費税などの税の種類と申 告・納付についても学習するとともに、法令遵守(コンプ ライアンス)と説明責任(アカウンタビリティ)の重要性、
労働者及び消費者さらに情報の保護に関する課題、紛争の 予防と解決について法規と関連付けて具体的な事例も用い て学習を行う。今井(2018)は「改訂前の「経済活動と法」
では、民法に重点が置かれていた。しかし、「ビジネス法 規」では、民法の学習の扱いを最低限度に留め、商法や会 社法の適用となる企業活動に関する法を重視している。ま た、法人税、消費税の申告と納付についてなど、税に関す る法を学習する。ビジネス・パーソンとして必要な法は何 か、これを前提として取り組むことが肝要と言えよう」と 述べている。
Ⅵ 終わりに
本稿は学習指導要領(平成30年告示)における商業科目 に関する具体的な教育内容の改善・充実事項について概観 し、ビジネス経済分野を引き継いで新たに構成された、マ ネジメント分野構成科目である「ビジネス・マネジメン ト」、「グローバル経済」、「ビジネス法規」の目標とねらい、
配慮事項さらに指導事項と取り扱いについて考察を深める ものであった。
ビジネスを取り巻く環境は益々複雑化していく傾向にあ る。そのような中、人的資源・物的資源・財務的資源・情 報的資源などの経営資源を最適に組み合わせて活用するこ とは企業経営にとって非常に重要である。企業活動が社会 に及ぼす影響について学び、経営資源を最適に組み合わせ ることができる資質・能力つまり、科目「ビジネス・マネ ジメント」が育成を目指すスキルはこれからのビジネスに おいて必須のものとなるだろう。
また、経済のグローバル化が急速に進展する中、地球規 模で経済を俯瞰し、経済のグローバル化に適切に対応する ことができ、他国と関わりをもちながらビジネスを実践で きる資質・能力つまり、科目「グローバル経済」が育成を 目指すスキルもその重要性が増している。
さらに、ビジネスの場面で役に立つ法規に関する知識を 身に付け、法的側面からビジネスに関する課題を発見し、
それを法的根拠に基づいて解決する資質・能力つまり、科 目「ビジネス法規」が育成を目指すスキルも無くてはなら ないものである。
これらの資質・能力を身に付けるための学習活動とし て、新聞・放送・インターネットなどを活用して情報を入 手し、ビジネスを担う当事者の視点で経済社会の動向や課 題を捉えて、獲得した様々な知識・技術を総合的に活用し て生徒自身が考察や検討を行うことができるようにしなく てはならない。また、実際のビジネスに対応した課題を理 論やデータなどに基づき、対応策を考案して地域や産業界 等に提案し、意見や助言などを踏まえて改善を図る学習活
【表4】 「ビジネス法規」の指導項目
⑴ 法の概要
ア ビジネスにおける法の役割 イ 法の体系と解釈・適用 ウ 権利・義務と財産権
⑵ 企業活動と法規
ア 株式会社の特徴と機関 イ 契約
ウ 資金調達と金融取引 エ 組織再編と清算・再建 オ 競争秩序の確保
⑶ 知的財産と法規 ア 知的財産の種類 イ 知的財産の重要性
⑷ 税と法規
ア 税の種類と法人の納税義務 イ 法人税の申告と納付 ウ 消費税の申告と納付
⑸ 企業責任と法規 ア 法令遵守と説明責任 イ 労働者の保護 ウ 消費者の保護 エ 情報の保護 オ 紛争の予防と解決
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動を取り入れることも大切である。そのため、ケーススタ ディやディベートなどを通じて主体的かつ協働的に学習に 取り組めるよう配慮しなくてはならない。
今回、本稿が考察を行ったマネジメント分野の科目に限 らず、学習指導要領(平成30年告示)に則って学習が進め られる高等学校での商業教育の実践に今後とも注目し、研 究を継続していきたい。
引用文献・参考文献
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と流通」の相違の検証と今後の課題-「ジョブ理論」
を踏まえた新たなアプローチの提言-」『教職課程年 報』№1, pp. 1-19
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鈴木 和也(2018)「商業科における「ビジネス経済」分 野の各科目構成と目指す学力観及び各科目の具体的な 内容とそのねらいについて-新しい学習指導要領をふ まえて―」『高千穂論叢』第52巻第4号, pp. 1-11 西村 修一(2018)「高等学校学習指導要領の改訂と商業
教育」『商業教育資料集』№110, pp. 1-9
根城 隆幸(2018)「高等学校の商業科教育に関する考察」
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濱野 和人(2008)「社会が求める力と商業教育」『千葉商 大紀要』第46巻1/2号, pp. 15-36