ERDAS IMAGINE 2011 による
ALOS データのジオコーディング方法
1.
はじめに
本技術資料では、ERDAS IMAGINE 2011 による ALOS データのジオコーディング方法(画 像に地理座標を付与する方法)をご紹介します。ここでは ALOS/PRISM データでご紹介しており ますが、本方法を応用することで ALOS/AVNIR-2 データや ALOS/PALSAR データのジオコー ディング、さらには数値地図画像やスキャンした地図のジオコーディングも可能です。
初めて ERDAS IMAGINE を操作される方でも処理頂けるようにまとめました。ALOS データ並 びに ERDAS 製品ご活用の参考になれば幸いです。
2.
使用データ・ソフト
2.1. 使用データ
・ ALOS/PRISM レベル 1B1 CEOS(観測モード OB1、3 方向視のうち直下視(N)) ALOS データにつきましては、弊社 ALOS サイト(http://jp.alos-pasco.com/)をご覧下さい。
2.2. 使用ソフト
・ ERDAS IMAGINE 2011(v11.0.3、Essentials 以上)
・ Bing Maps for ERDAS IMAGINE・・・・・ジオコーディング後の位置確認のために使用。
※ 「Bing Maps for ERDAS IMAGINE」は、Aerial マップ、Roads マップ、その両方を組み合わせた Hybrid マップが表示できる ERDAS 製品のアドオンモジュールです。ERDAS 2011(v11)から使用できます。
3.
座標系
ALOS/PRISM データは次の座標系となっています。 種別 ALOS/PRISM データの座標系1) 今回設定する座標系 投影法(Projection) (プロダクトによる) UTM 準拠楕円体(Spheroid) GRS80 WGS84 測地座標系(Datum) ITRF97 WGS84 厳密には異なるものの、実用上は準拠楕円体の GRS80 と WGS84、測地座標系の ITRF97 と WGS84 は同じものとして取り扱って良いため、今回はどちらも WGS84 と設定します。 ALOS データの CEOS 形式(フォーマット)内には、画像四隅の緯度・経度座標(単位:度)がCEOS 形式から Img 形式としてインポートします。
① ERDAS IMAGINE 2011 を起動し、Manage Data タブ>Conversion グループ>Import Data より、CEOS 形式から Img 形式に変換します。Import ダイアログの Format では、 「ALOS PRISM JAXA CEOS (Direct Read)」を選択します。
② Process List が表示され、インポートが開始されます。
Progress が 100%でインポートが完了となります。フォルダには Img 形式のファイル(*.img)と ピラミッドレイヤファイル(*.rrd)が作成されます。
③ Import ダイアログの Close ボタンをクリックし、Import ダイアログを閉じます。
④ Contents の 2D View #1 を右クリック、Open Raster Layer を選択し、インポートした Img 形 式の PRISM データを開きます。
⑤ Home タブ>Information グループ>Metadata より、Image Metadata ダイアログを開きま す。
General タブの Map Info で Unit が other となっていること、Projection Info が未登録となっ ていることが確認できます。よって、インポートした状態では、画像がジオコーディングされていない (画像に地理座標が付与されていない)ということになります。
⑥ Image Metadata ダイアログを閉じます。
4.2. CEOS からの緯度・経度座標の抽出
① File タブ>View>View Binary Data より、DataView を開きます。
② DataView のメニュー>File>Open File より、ALOS/PRISM レベル 1B1 CEOS データの リーダファイル(LED-***)を指定して、OK ボタンをクリックします。
③ DataView で次のように設定し、キーボードの Enter を入力します。 Record :2
Record Size :4680 Offset :1733 Data Type :ASCII
左上から、シーン左上隅の緯度・経度(度)、シーン右上隅の緯度・経度(度)、シーン左下隅の 緯度・経度(度)、シーン右下隅の緯度・経度(度)が表示されます。この値を記録します。 緯度(度) 経度(度) シーン左上隅(UL) 34.9587439 135.2413677 シーン右上隅(UR) 34.8830958 135.6312092 シーン左下隅(LL) 34.6027435 135.1410923 シーン右下隅(LR) 34.5272684 135.5292783 4.3. リファレンス GCP の準備
① Manage Data タブ>Conversion グループ>Coordinate Calculator により、画像四隅の緯 度・経度座標(単位:度)を UTM 座標に変換します。
② Coordinate Calculator の XY アイコンをクリックします。
③ メニュー>Projection>Set Input Projection and Units を選択し、表示された Input Projection and Units Setup ダイアログで、Set Input Projection をクリックします。
④ インプットは緯度・経度座標のため、Projection Chooser の Custom タブで次のように設定し、 OK ボタンをクリックします。
⑤ Input Projection and Units Setup ダイアログに、選択した投影法等が表示されます。緯度・ 経度座標の単位は度であるため、Map Units を Degrees に変更し、OK ボタンをクリックしま す。
⑥ Coordinate Calculator に Input の投影法等が設定されました。
⑦ 同様に、メニュー>Projection>Set Output Projection and Units を選択し、アウトプットと なる UTM 座標を次のように設定します。
⑧ Coordinate Calculator に、画像四隅の緯度・経度座標を入力します。入力後、Enter を押 すと、表記が度分秒に変わります。ここで、UL は左上(Upper Left)の略です。
⑨ 同様に全ての緯度・経度座標を入力します。順次 UTM 座標系に変換されます。ここで、UR は右上(Upper Right)、LR は右下(Lower Right)、LL は左下(Lower Left)です。画像上 で GCP を取得する際の作業性を考え、左上⇒右上⇒右下⇒左下の時計回りとしています。
⑩ メニュー>File>Save As で、変換後の UTM 座標を GCP ファイルに保存します。
4.4. 幾何補正ツールの起動
① インポートした Img 形式の画像を開いている状態で、Panchromatic タブ>Transform & Orthocorrect グループ>Control Points にて幾何補正ツールを起動し、Polynominal(多 項式)を選択、OK ボタンをクリックします。Multipoint Geometric Correction Workspace と GCP Tool Reference Setup ダイアログが表示されます。
③ Reference GCP File ダイアログで保存した GCP ファイルを選択し、OK ボタンをクリックします。 Multipoint Geometric Correction Workspace の下の GCP CellArray に、リファレンス GCP(UTM 座標)が表示されます。
④ Polynomial Model Properties ダイアログが表示されます。Parameters タブの Polynomial Order に 1 と設定します。これにより 1 次式で座標変換を行うことになります。今回のような、四 隅の座標が分かっている画像のジオコーディングに、複雑な座標変換は必要ありません。
Transformation タブでは、特に設定はありません。
⑤ Projection タブの Add/Change Projection ボタンをクリックし、Projection Chooser でリファ レンスの投影法等を設定後、OK ボタンをクリックします。
⑥ Polynomial Model Properties ダイアログの Close ボタンをクリックします。
4.5. GCP の取得
① GCP が見やすい色に変更します。Multipoint Geometric Correction Workspace の下の GCP CellArray にて、Color カラムをクリックし、Red を選択します。
メニューバー Over View ツールバー Zoom View
Main View
GCP CellArray リンクボックス リンクボックス
得します。Over View にて、マウスでリンクボックスを掴み、画像左上に移動します。
④ 拡大アイコン をクリックし、Main View で画像左上の画素を拡大します。
⑤ 背景と画像の境界が判別しづらいため、Background Color を変更します。Main View で右 クリックし、Background Color を Blue として OK ボタンをクリックします。同様に、Over View、 Zoom View でも変更します。
⑥ GCP 作成アイコン をクリックし、Zoom View で画像左上の画素中心をクリックします。 ERDAS IMAGINE では、地理座標を持っていない画像の場合、画像左上(Upper Left)の 画素中心が原点(0, 0)となります。GCP CellArray で X Input、Y Input が共に 0.000 にな っていない場合は、手動で 0.000 を入力します。
4.6. 変換式の構築と変換精度の確認
① ア イ コ ン を ク リ ッ ク し 、 変 換 式 の 構 築 と 変 換 誤 差 の 計 算 を 行 い ま す 。 Multipoint Geometric Correction Workspace のステータスバーに、変換誤差が表示されます。
誤差の単位はインプット GCP と同じで、画像座標となります。Total の変換誤差が約 1.9 画素と リファレンス GCP
ディングしているため、このまま処理を続けます。 数値地図画像をジオコーディングした場合は、変換誤差が 1 画素未満となります。1 画素未満に ならない場合は、インプット GCP、アウトプット GCP を見直します。 4.7. リサンプリングによる座標変換 ① リサンプリングし、ジオコーディングされた画像を出力します。ツールバーのリサンプリングアイ コンをクリックします。Resample ダイアログが表示されます。
② Resample ダイアログで、Output File、Resample Method、Output Cell Sizes を設定し、 OK ボタンをクリックします。Output Cell Sizes は PRISM データの分解能としています。
④ Multipoint Geometric Correction Workspace と ERDAS IMAGINE の Viewer を閉じま す。
4.8. ジオコーディング結果の確認
① 新しく ERDAS IMAGINE 2011 を起動します。
② Home タブ>View グループ>Basemap から Aerial を選択します。Basemap(Bing Maps) が表示されます。
③ Contents の 2D View #1 を右クリック、Open Raster Layer を選択し、ジオコーディング後画 像(psm_1b1_n_img_geocode.img)を開きます。
④ ジオコーディング後画像を右クリックし、Fit Layer To Window を選択します。画像全体が表 示され、ジオコーディングされていることが確認できます。
⑤ Home タブ>Information グループ>Metadata より、Image Metadata ダイアログを開きま す。General タブの Map Info で、Projection Info が設定されています。こちらからもジオコ ーディングされていることが確認できます。
⑥ Image Metadata ダイアログを閉じます。
⑦ 次に、Home タブ>Extent グループの Zoom In ボタン を使い、ジオコーディング後画像の 山間部を拡大します。
⑨ Viewer Swipe ダイアログでスライドバーを動かすことにより、ジオコーディング後画像と Basemap(Bing Maps)の航空写真が交互に表示されます。 これより、山間部の道路が一致していないことが分かります。一致していない理由として、誤差の ある衛星の軌道情報、姿勢情報のみから算出された座標によりジオコーディングしていること、オル ソ補正をしていないことが挙げられます。 衛星画像を地図やオルソ化されている航空写真と完全に重ねるには、ジオコーディングではなく オルソ補正が必要となります。一方で、概略でも衛星画像を重ねたい場合は、容易に処理できるジ オコーディングが有効です。 以上で、ALOS/PRISM データのジオコーディングは終了です。 各機能の詳細につきましては、ERDAS 製品のオンラインヘルプやツアーガイド、フィールドガ イド等をご参照下さい。