厚生労働科学研究費補助金(エイズ対策研究事業)
分担研究報告書
エイズ関連リンパ腫の病理診断と病態
研究分担者 片野晴隆(国立感染症研究所感染病理部 室長)
研究協力者 大田泰徳(東京大学医科学研究所)、比島恒和(がん・感染症センター都 立駒込病院)、坂本康太、上原妙子、福本 瞳、佐藤由子、長谷川秀樹(国 立感染症研究所感染病理部)、関塚剛史、黒田 誠(国立感染症研究所病原 体ゲノム解析研究センター)
研究要旨:日本のエイズ関連リンパ腫症例について、WHO分類第4版 に基づいた病理組織分類の結果と診断フローチャートを英文誌へ掲載 し、エイズ関連リンパ腫の正確な病理診断に寄与した。また、国内のエ イズ関連リンパ腫のための病理診断窓口を東京大学医科学研究所病院 にて継続している。日本におけるエイズ剖検例の調査を行い、31%にリ ンパ腫が検出されたこと、直接死因の 24%がリンパ腫であり、直接死 因としては最も頻度の高い疾患であることを明らかにした。さらに、エ イズ関連リンパ腫を含めたEpstein-Barr virus (EBV) 陽性リンパ腫のマ イクロRNA (microRNA, miRNA)を次世代シークエンサーにより解析し、
EBV BHRF1にコードされるmiRNA群がエイズ関連リンパ腫と膿胸後
リンパ腫のみで発現していたこと、miRNA の発現を元にしたクラスタ ー分類で、エイズ関連リンパ腫が他のリンパ腫と分類が可能であったこ とを明らかにした。これは宿主の免疫状態がウイルスのmiRNAの発現 に関与する可能性を臨床サンプルで示した初めてのデータである。
A. 研究目的
現在のリンパ腫の分類は2008年に発表さ れた、WHO分類第4版が基本である。WHO 分類第4版によると、エイズ関連リンパ腫に は 、 び ま ん 性 大 細 胞 性B細 胞 リ ン パ 腫
(diffuse large B cell lymphoma, DLBCL)や バーキットリンパ腫(Burkitt lymphoma, BL)、 ホジキンリンパ腫(Hodgkin lymphoma, HL)、
primary effusion lymphoma (PEL), plasmablastic lymphoma (PBL) などの組織 型がある(図1)。エイズ関連リンパ腫は一般 に進行が早いことから、正確な診断のもと に、なるべく早く、個々の症例に応じた、
適切な治療を開始する必要がある。しかし、
エイズ関連リンパ腫の病理組織診断には、
いくつかの特殊な点がある。まず、エイズ 関連リンパ腫では、それぞれの組織型で非 典型像を示す例が多く、特に、形態の似通 ったDLBCLとBLの鑑別はむずかしい。さ らに、エイズ関連リンパ腫には、PELやPBL など、ほとんどエイズ患者にしか見られな いリンパ腫がある。PELやPBLはB細胞のマ ーカーであるCD20を発現しておらず、B細 胞リンパ腫の診断すら容易ではない。こう した、エイズ関連リンパ腫の特殊性から、
エイズ拠点病院の病理医は診断に苦慮する 例を数多く経験してきている。そこで、前 研究班では、エイズ関連リンパ腫の病理診
断について、診断フローチャートを作成 し、日本国内の病理医がよく目にする「病 理と臨床」誌に掲載した。また、過去の日 本のエイズ関連リンパ腫症例を、この診断 フローチャートを使用して、見直し、日本 におけるエイズ関連リンパ腫の病理組織学 的な特徴を明らかにした。本研究では前研 究班で作成したエイズ関連リンパ腫の診断 フローチャートのさらに普及させることと、
病理診断のコンサルテーション窓口を開設 することで、日本におけるエイズ関連リン パ腫の病理診断精度の向上を目的とした。
さらに、本年度はエイズ剖検例におけるリ ンパ腫の頻度を明らかにすることで、日本 におけるエイズ関連リンパ腫の現状のさら なる把握に努めた。
一方、エイズ関連リンパ腫の発症機構に ついては、現在でも多くの点が不明で、病 理診断と同時に、発症機構の解明について も本分担研究で取り組んだ。現在でも、エ イズ関連リンパ腫の約半数はEpstein-Barr virus (EBV)陽性の日和見リンパ腫と考えら れ、エイズ患者におけるEBV関連リンパ腫 の発症機構の解明は特に重要である。EBV にはlatent membrane protein 1 (LMP1)などの いわゆるoncoprotein がコードされており、
EBV関連日和見リンパ腫はEBVによる直接 の発癌が考えられてきた。しかし、近年、
様 々 な 悪 性 腫 瘍 の 発 症 に マ イ ク ロRNA (microRNA, miRNA) が関与することが報 告されており、EBV関連リンパ腫でも、
miRNAの働きが注目されている。miRNAは 20塩基ほどの短いRNAで、ヒト細胞でも 1,000種類以上がコードされ、miRNAの種類 によっては細胞内に大量に発現しているこ とが明らかになっている。miRNAの機能は 特定のmessenger RNA (mRNA) の発現や機 能を抑制することであり、多くの遺伝子発 現の制御に関わっていると考えられている。
前 研 究 班 で 、EBV関 連 疾 患 に お い て 、 real-time PCRを用いて、EBV miRNAの発現 を検討した。しかし、近年、real-time PCR ではとらえきれない多くのmiRNAの発現
を一度に捉えることができる次世代シーク エンサーによる解析がmiRNAの定量、解析 には非常に有力なツールになりつつある。
そこで、本研究では次世代シークエンサー を用いて、EBV 陽性のエイズ関連リンパ腫 症例におけるEBVのmiRNAの発現プロフ ァイルを明らかにし、他のEBV関連腫瘍と 比較することで、EBV 陽性エイズ関連リン パ腫の特徴を把握し、発症機構の解明につ ながる知見を得ることを目的とした
B. 研究方法
1. エイズ剖検例におけるリンパ腫の頻 度
厚労科研エイズ対策研究事業「ART 早 期化と長期化に伴う日和見感染症への対 処に関する研究」(研究代表者 安岡彰 市立大村市民病院副院長)の分担研究の 一部として、剖検例の解析を行った。東 京、および、大阪の主要エイズ拠点病院 4院のHIV感染者の剖検例225例を対象 とした。調査の詳細とリンパ腫以外の調 査結果は当該研究班の報告書を参照され たい。悪性リンパ腫の組織分類は WHO 第4版によった。
2.EBV関連リンパ腫におけるmiRNA 発現の解析
エイズ関連DLBCL (ARL) 3例、膿胸 後リンパ腫 (PAL) 4例、methotrexate関連 リンパ腫(MTX) 5例、老人性 EBV 関連 B 細胞性リンパ増殖症(ELD) 3 例、ホジ キンリンパ腫(HL) 2例につき、そのパラ フィン切片からsmall RNAの抽出を行っ た 。 EBV 陽 性 の 細 胞 株 LCL (lymphoblastoid cell line)とRaji も検討し た。Small RNAの抽出はHigh Pure miRNA extraction kit (ロシュ・ダイアグノスティ ックス)を用いた。次世代シークエンサー によるsmall RNAの網羅的解読は、イル ミナ社のTruSeq small RNA kitにより、
small RNA のライブラリー調整を行った
後に、イルミナ社の次世代シークエンサ
ーを用いて miRNA の網羅的解析を行っ た。解析には CLC Genomics Workbench
(CLC bio社)を用いた。
Real-time PCRによるmiRNAの解析は miScript PCR system (Qiagen) の miScript Reverse Transcription Kitを用い て 逆 転 写 反 応 を 行 い 、miScript Primer AssaysおよびmiScript SYBR Green PCR Kitを用いて行った。EBVのmiRNAを検 出する primer は miScript Primer Assays
(Qiagen)を用いた。また、定量値を標準化
するためにヒトmiRNA であるmiR16お
よびmiR21を同様の方法で検出した。
(倫理面に対する配慮)
ヒト検体を用いた研究は国立感染症研 究所、および、試料を提供した各院の倫 理委員会の承認を得た(国立感染症研究 所 ヒトを対象とする医学倫理委員会 承認番号272, 355, 356)。
C. 研究結果
1. 日本におけるエイズ関連リンパ腫の 病理診断
前研究班で、日本のエイズ関連リンパ 腫症例をWHO分類第4版に基づき、病 理組織分類を行ったが、その結果と、調 査研究の過程で作成した病理診断フロー チャートを国際英文誌へ掲載した(Ota et al. Cancer Med 2014) (図2)。病理診断フ ローチャートは前研究班で 2012 年に和 文誌「病理と臨床」に掲載したものとほ ぼ同じ内容であるが、Myc rearrangement
を伴う DLBCL の該当する項目がないな
どの問題点があった。今回の改訂版では、
Myc rearrangement を 伴 う DLBCL は
DLBCLに分類できるようするなど、細か
い修正が加わっている。また、国内のエ イズ関連リンパ腫のための病理診断窓口 を東京大学医科学研究所病院(研究協力 者:大田泰徳)にて継続している。平成 25年は1施設から1例のコンサルテーシ ョンケースがあり、最終組織診断は HIV 関連リンパ節炎であり、リンパ腫は否定
的であった。
2.エイズ剖検例におけるリンパ腫の頻 度
東京、および、大阪地区のエイズ拠点 病院におけるエイズ剖検例 225例の検索 では剖検例で非ホジキンリンパ腫を合併 していた症例は71例(32%)であった(図 3)。これは悪性腫瘍としてはカポジ肉腫 の38例(17%)を上回り、最も頻度の高 い悪性腫瘍であった。なお、非エイズ指 標悪性腫瘍の合併も約 9%の剖検例に見 られ、肝癌、肺癌などの頻度が高かった。
剖検例の死因の調査では、リンパ腫が死 因となった症例は24%に及び、死因とし ては最も頻度の高い疾患であった。リン パ腫の組織型は DLBCLが7 割以上を占 め、生検例を含めた調査とは結果が異な る。
3.EBV関連疾患におけるmiRNA 発現 の解析
エイズ関連DLBCL (ARL) 3例、膿胸 後リンパ腫 (PAL) 4例、methotrexate関 連リンパ腫 (MTX) 5例、老人性 EBV 関 連 B 細胞性リンパ増殖症 (ELD) 3 例、
ホジキンリンパ腫 (HL) 2例について解 析を行った。これらのいずれの症例も in situ hybridizationでEBERの発現が確認さ れた。次世代シークエンサーによりすべ てのsmall RNAの配列を解読したところ、
EBV のmiRNAは症例によって異なり、
annotateされたreadの0-34%を占めてい た。平均すると ARL では 17%と高く、
ホジキンリンパ腫では 1%と低い(表1)。 EBVのmiRNAの発現をもとにheat map とクラスター解析を行うと、ARL, PALは 同一のクラスターに分類された(図4A)。 これは、これらの症例がいずれも EBV latency III の腫瘍であることが反映した 結果であった。また、EBV のmiRNAの クラスター分類を見ると、BHRF1にコー
ドされる 3 つの miRNA が同一のクラス
タ ー に 分 類 さ れ た 。 こ れ ら の 結 果 は real-time PCRを用いたmiRNA の発現解 析でも確認された(図4B)。ヒトmiRNA も含めた解析において、miRNAごとに発 現の差を解析すると、ELDと比べてARL で発現の高いヒト miRNA は miR-19b, miR-101-2, miR-155 などで、いずれもリ ンパ腫、腫瘍などとの関連が報告されて いる分子であった。EBV のmiRNAでは miR-BHRF1-1-3 の 3 つがほとんど ARL とPALのみに発現がみられ、EBV latency IIIとの関連が示唆された。
D. 考察
エイズ関連リンパ腫の病理診断は、そ の後の治療方針を決める上で極めて重要 な診断プロセスである。リンパ腫の診断 は近年の分子生物学的な研究の進歩に添 う形で、1990年代から頻繁に改訂されて きた。現在使用されている最新の分類で あるWHO分類第4版は、分子生物学的 なエビデンスを多く取り入れ、比較的理 解されやすい分類になっているが、それ でも、エイズ関連リンパ腫については、
記述として、曖昧な点が残り、診断実務 上、苦慮する例が多い。エイズ関連リン パ腫のための病理診断フローチャートは、
国際誌に発表したことで、日本のみなら ず、国際的にもエイズ関連リンパ腫の正 確な病理診断に寄与できるものと考えら れる。
エイズ剖検例の調査では、あらためて、
リンパ腫が生命予後を左右する重要な疾 患であることが認識された。もっとも頻 度の高い死因であることが、臨床上、治 療が困難であったことが推察される。リ ンパ腫の組織型が生検を含めた結果と異 なるのは、死因に直結した、予後の悪い リンパ腫が多く含まれているためと思わ れる。
リンパ腫におけるEBV miRNAの発現 は、これまで、いくつか報告があるが、
T/NKリンパ腫の報告が多く、Bリンパ腫、
と く に エ イ ズ 関 連 リ ン パ 腫 の EBV
miRNA の発現を網羅的に見た報告はこ
れまでほとんど見当たらない。次世代シ ークエンサーは miRNA の発現プロファ イルを見るにはきわめて有力なツールで あり、ヒトを含めたすべての miRNA が 一度の解析で同定される。ARLとPALで miR-BHRF1のmiRNAが検出されたこと は、miR-BHRF1 にコードされる miRNA が latency III のリンパ腫に限定して発現 すること、ないしは、miR-BHRF1がARL, PAL のマーカーとなりうることを示して いる。とくにmiR-BHRF1-1はARLに高 いリード数が検出されており、診断的価 値を検討する必要がある。興味深いこと にARLに高発現するヒトmiRNAも同定 されており、これらはいずれも、ヒト発 癌との関与が報告されている。これら
miRNA の機能とARL 発症との関連も今
後の検討課題である。
E. 結論
日本のエイズ関連リンパ腫の病理組織 診断のためのフローチャートを英文国際 誌へ掲載した。また、国内のエイズ関連 リンパ腫のための病理診断窓口を開設し、
診断支援を行った。日本におけるエイズ 剖検例の調査を行い、リンパ腫が直接死 因としては最も頻度の高い疾患であるこ とを示した。さらに、次世代シークエン サーを用い、EBV陽性リンパ腫のmiRNA の発現プロファイルを明らかにした。
F.研究発表 1. 論文発表
(1) Ota Y, Hishima T, Mochizuki M, Kodama Y, Moritani S, Oyaizu N, Mine S, Ajisawa A, Tanuma J, Uehira T, Hagiwara S, Yajima K, Koizumi Y, Shirasaka T, Kojima Y, Nagai H, Yokomaku Y, Shiozawa Y, Koibuchi T, Iwamoto A, Oka S, Hasegawa H, Okada S, Katano H: Classification of AIDS-related lymphoma cases between
1987 and 2012 in Japan based on the WHO classification of lymphomas, fourth edition. Cancer Med 2014.
3:143-153.
(2) Kariya R, Taura M, Suzu S, Kai H, Katano H, Okada S: HIV protease inhibitor Lopinavir induces apoptosis of primary effusion lymphoma cells via suppression of NF-kappaB pathway.
Cancer Lett 2014. 342:52-59.
2. 学会発表
(1) 片野晴隆、坂本康太、吉岡妙子、関 塚剛、福本瞳、佐藤由子、長谷川秀 樹、黒田誠 カポジ肉腫関連ヘルペ スウイルス(KSHV/HHV-8)関連疾 患におけるウイルス miRNA の発現 第102回 日本病理学会総会. 札幌。
2013.4.
(2) 片野晴隆、比島恒和、坂本康太、上 原妙子、佐藤由子、長谷川秀樹、関 塚 剛、黒田誠.EBV関連疾患にお けるウイルス miRNA の発現プロフ ァイル 第10 回 EBウイルス研究 会 京都 2013年7月
(3) 菅野 隆行、上原 妙子、福本 瞳、
長谷川 秀樹、片野 晴隆 抗血管新 生薬による KSHV 再活性化 第 61 回 日 本 ウ イ ル ス 学 会 学 術 集 会. 2013.11. 神戸
(4) 片野晴隆、比島恒和、坂本康太、上 原妙子、佐藤由子、長谷川秀樹、関 塚 剛、黒田誠 EBV関連リンパ増 殖性疾患におけるウイルス miRNA の発現プロファイル 第 61 回日本 ウイルス学会学術集会. 2013.11. 神 戸
(5) 片野晴隆、味澤篤、田沼順子、萩原 將太郎、岡慎一、矢嶋敬史郎、小泉 祐介、上平朝子、鯉渕智彦、岩本愛吉、
横幕能行、小島勇貴、永井宏和、岡 田誠治.日本におけるエイズ関連リ ンパ腫の病理組織分類 第 27 回 日本エイズ学会学術集会総会 熊本
2013.11.
G.知的財産権の出願・登録状況 1. 特許取得
なし。
2.実用新案登録 なし。
3.その他 なし。
表1.組織型別の全リード数とannotated readに占めるEBV miRNAの割合
サンプル n Total reads (average)
Annotated reads
(% )
EBV miRNA
(% )
細胞株
LCL 1 1,174,245 1,025,206
(87.3%) 7.7%
Raji 1 331,204 31,341
(9.5%) 8.5%
病理組織
エイズ関連リンパ腫(ARL)
3 251,396 99,787
(39.2%) 17.4%
膿胸後リンパ腫(PAL)
4 532,976 31,366
(5.7%) 13.5%
MTX関連LPD(MTX)
5 654,811 125,479
(17.9%) 4.4%
老人性EBV-LPD (ELD)
3 366,155 64,865
(17.3%) 11.7%
ホジキンリンパ腫(HL)
2 1,521,028 115,976
(8.8%) 1.2%
図1 エイズ関連リンパ腫の代表的な組織型
左上からDLBCL, BL, HL, 左下からPEL, Extracavitary PEL, HHV-8関連MCDに発症する large B-cell lymphoma, PBLの組織型を示す。DLBCL: diffuse large B-cell lymphoma, BL:
Burkitt lymphoma, PBL: plasmablastic lymphoma, PEL: primary effusion lymphoma, HL:
Hodgkin lymphoma, MCD: multicentric Castleman disease.
図2 エイズ関連リンパ腫診断のためのフローチャート(改訂版)
CD20陽性の場合、BL, DLBCLの鑑別が必要である。エイズ関連BLではstarry skyは必ずしも明瞭 ではなく(*)、細胞の大きさも大型細胞が混ざることが多い (**)。形態的にBLとして典型的でなくても、
CD10, BCL6, BCL2, MIB1の免疫染色とmycの再構成の結果がBLとして矛盾しなければ、BLに分類 する。CD20 陰性の症例では KSHV, EBV の検索を行い、KSHV 陽性であれば PEL か Large B-cell lymphoma arising in KSHV-associated MCDのどちらかに分類される。後者はKSHV関連MCDに合 併し、cIgM, 陽性である点がPELとの鑑別点である。PELと同じ免疫学的表現型を持ち、体腔以外に 固形腫瘍を形成するKSHV陽性リンパ腫はextracavitary PELに分類する。CD20陰性、CD138ないし CD38陽性、EBV陽性、KSHV陰性でplasmablasticな形態を持つリンパ腫はplasmablastic lymphoma に分類する。HLはCD30陽性、CD15陽性、EBV陽性のホジキン細胞が診断の決め手となる。
図3 エイズ剖検例に見られた悪性腫瘍。
非ホジキンリンパ腫 (NHL) が最も多く、31%のエイズ剖検例にみられた。非エイズ指 標悪性腫瘍も約9%に見られ、肝癌、肺癌などの頻度が高い。
図4 EBV-miRNAの発現によるheat mapとクラスター分類。Aはnext generation sequencer
(NGS)の結果を、Bはreal-time PCRによるもの。A, BともにARLとPALは同一のクラ スターに入っている。また、BHRF1のmiRNAも同一のクラスターに分類されている。