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DRISS View を活用した湧水 区間のトンネル施工

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Academic year: 2021

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西松建設技報 VOL.41

DRISS View を活用した湧水 区間のトンネル施工

小林 優太 西田 幸弘**

Yuta Kobayashi Yukihiro Nishida 山本 悟***

Satoru Yamamoto

1.はじめに

本工事は,鳥取市気高町から青谷町に至る気高青谷ト ンネル(全長L=2,132 m)のうち米子側からL=1,125 m の区間を施工したものである.当初設計では新第三紀安 山岩溶岩および自破砕質安山岩が想定されていた.施工 時にはそれに加えて,新第三紀凝灰角礫岩および古第三 紀鳥取花崗岩が一部区間で出現した.

坑口より約700 m地点において,上半発破完了後に突 発湧水(約2,000 L/min)が発生し,岩芯まで風化した安 山岩が約2 m3流出した(写真―1).突発湧水は坑内の排 水能力を大きく越え,更なる崩落の恐れもあるため工事 を一時中断した.そこで,切羽前方の脆弱な帯水層の位 置を正確に予測し,トンネル掘削を再開するための合理 的な対策工の検討が必要であった.この際,「DRISS」に よ る 探 査 結 果 を 三 次 元 的 か つ 視 覚 的 に 把 握 で き る

「DRISS View」を活用した.

本稿ではその施工実績について報告する.

2.DRISS View を用いた切羽前方予測

突発湧水発生後,応急対策としてAGF鋼管(φ114.3

mm)による水抜工を実施した(写真―2,3).水抜孔を

削孔する際に,「DRISS」による削孔検層を実施して,下 記のデータを得た.

①穿孔エネルギー(フィード圧,打撃圧,回転圧)

②穿孔速度(のみ下がり)

③穿孔反力(ダンピング圧)

④目視情報(湧水の量・色,くり粉の性状・色等)

これらのデータから,穿孔エネルギーが著しく低下し,

湧水量が増加した区間を脆弱な帯水層と判断した.そし て,脆弱な帯水層を三次元的かつ視覚的に把握するため,

弊社で開発した「DRISS View」を用いてデータ処理をし た.

図―1に,「DRISS View」で処理した三次元画像を示 す.この脆弱な帯水層は層厚が3 m程度であり,切羽面

に対し約20°程度の走向を呈していると予測した.その

ため,脆弱な帯水層はトンネル掘削を進めるに伴い,切 羽右側から徐々に切羽中央,切羽左側へ移動していくも のと予測した.

また,この脆弱な帯水層は,穿孔エネルギーが100 J/

cm3以下と非常に小さく,著しく強度の低い土砂状であ ることがわかった.そのため,脆弱な帯水層が切羽に出 現すると,切羽は自立せず崩落し,トンネル周辺地山の 緩み領域が拡大することが懸念された.

**

***

西日本(支)気高青谷(出)(現:土木設計部設計二課)

西日本(支)気高青谷(出)(現:関東土木(支)愛川(出))

西日本(支)気高青谷(出)

(現:技術研究所土木技術グループ)

写真 ― 3 側方水抜工 写真 ― 2 前方水抜工 写真 ― 1 突発湧水発生状況

(2)

西松建設技報 VOL.41

2 DRISS View を活用した湧水区間のトンネル施工

これらの予測結果を踏まえ,工事再開後の切羽崩落防 止対策として,注入式長尺鋼管フォアパイリング(AGF)

を採用した.このとき,脆弱な帯水層以外は堅固な安山 岩であると予想されたため,AGFの打設配置を推定され る帯水層の範囲に絞った(図―1).これにより,標準的 な打設範囲(120°)と比較して,打設本数が半分程度に 減り,コスト削減と施工サイクルの向上効果が得られた.

また,側方からの押出し対策として,鋼アーチ支保工 部材をH-125からH-150へランクアップした.

3.掘削再開後の対策

⑴ 削孔検層による帯水層の位置の推定

掘削再開後も帯水層出現位置を推定するため,水抜き も兼ねた「DRISS」による前方,周方向探査を行った

(図―2).前方探査は,5箇所/断面を進行9 m毎に実施 した.周方向探査は,5本/断面を進行3 m毎に実施した.

これらのデータを随時整理して,帯水層の位置,帯水層 の走行,傾斜を見直しながら施工した.

切羽前方探査の結果,予側通りに帯水層は左に移動し ていくことを確認した.また,層厚は徐々に減少してい くことも確認することができた.これらの施工時のデー タをフィードバックし,対策工を見直しながら施工を行 った.

⑵ 天端安定対策

前述⑴の切羽前方探査により確認した脆弱な帯水層の 位置情報をフィードバックして,1シフトごとに事前に 計画したAGFの打設配置を見直しながら施工した.また,

坑内計測の計測断面を増設し(1 mごとに変位を確認),

1日2回の計測を行い,厳しい管理体制で施工した.

その結果,切羽,天端部の大きな崩落は発生すること なく,天端沈下,内空変位の最大変位量は10 mm程度と 管理基準1レベル以下に抑制できた.

⑶ 非常駐車帯位置の変更

突発湧水が発生した地点は,非常駐車帯であったため,

非常駐車帯の位置については,関係法令,各種準拠基準 を考慮した上で,地山状況が比較的良好となった地点に 変更した(変更距離179m).

4.まとめ

本トンネルでは,切羽前方の地山を三次元的かつ視覚 的に把握することができる「DRISS View」を用いた.こ れまでの「DRISS」による探査と同等の費用や設備で,ト ンネル周辺の地山を三次元的に可視化することによって,

切羽前方の脆弱な帯水層を容易に把握することができた.

そのため,補助工法の施工範囲や要否の判断を行うため に有効な資料とすることができ,合理的な施工を行うこ とができた.また,作業員に対しても,危険箇所を視覚 的に伝えることができ,安全面でも効果的であった.

図 ― 2 掘削再開後の切羽前方探査

図 ― 1 DRISS View に基づく切羽前方予想

DRISS

穿孔エネルギー

弱 強

脆弱な帯水層

突発湧水 発生位置

推定帯水層 層厚 約 3.0 m

#1

#2 注入式長尺鋼管フォアパイリング

φ114.3 mm L = 12.5 m 1シフト10~12本 @ 450 mm シリカレジン 149 kg/本

側方水抜き孔 DRISS実施

#3

参照

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