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享保版假名神代紀について(一) : 解題及び上巻翻字

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(1)

享保版假名神代紀について(一) : 解題及び上巻翻

著者

杉浦 克己

雑誌名

放送大学研究年報

11

ページ

210(43)-182(71)

発行年

1994-03-30

URL

http://id.nii.ac.jp/1146/00007327/

(2)

享保版假名神代

       紀につ

解題及び上巻翻字

いて ︵一︶

杉 浦 克 己

210 (43)

 漢文文献を漢字仮名混じりまたは仮名書きの和文にした資料

については、国語学の方面でも、例えば漢籍では片山晴賢・木

      ユ 

村童両氏の﹃かながき論語﹄についてのご研究、仏典では中田

祝夫博士の﹃假名書き法華経﹄﹃假名書き浄土三部経﹄諸本につ       

いての一連のご研究などがあって、これが、該当漢文文献の受

容という観点のみならず、漢文訓読の歴史的な変遷を考えうる

上でも重要な資料であることが明らかにされつつある。

 日本書紀については﹃仮名日本紀﹄と呼ばれる文献の名が古

くから諸書に見え、この実態をめぐっては、古来これを﹃古事

記﹄に比定する説、﹃日本書紀﹄に先行する和文の史書とみなす

      ヨ 

説など様々な議論が成されてきていた。しかし先に述べた漢

籍・仏典の例と同様に﹃仮名日本紀﹄或いは類似の名を冠する

諸本は、﹃日本書紀﹄を和文に書き下した、或いはそれに類する

      

ものであって、橋本進吉博士の東京大学本についてのこ論考を

始めいくつかの仮名日本紀についての先学のこ説があって、﹃日

本書紀﹄の受容或いはその訓読の歴史を考える上での重要な資

料と位置づけるべきものであるとの見方が一般的である。

 私も先に神代上下巻の本文部分を訓点付きの漢文で、一書部

分を漢字かな混じりの和文で記した江戸時代末の写本の一つを

        う 

以前に紹介したが、今回取り上げた﹃享保版假名神代々﹄は、

これとは違って全文を仮名のみの和文に書き下したものであ

る。

 従来この種のいわゆる仮名日本紀の本文やそれと日本書紀諸

本の訓読との関係などが取り上げられたことは管見の限りあま

りなかったように思う。特に本書の訓読は一瞥しただけでも、

他書とは異なると思われる所を多く存し、日本書紀の訓読の変

鋤放送大学助教授︵人間の探究︶ 放送大学研究年報 第十一号︵一九九三︶︵四十三−七十一︶頁 ︸2讐巴。略け冨d巳く興甑け︽○︷夢Φ﹀貫ZO﹂一 ︵一8ω﹀署・︵お−調︶

(3)

杉浦克己

遷や漢文訓読一般との関わり、また日本書紀の解釈や受容とい

った観点からも興味深い点が多い。

 そこで、今回﹃享保版假名神代紀﹄の一本が架蔵に帰するこ

ととなり、また類似の数本について詳細に調査する機会に恵ま

れたことと併せ、先ず基礎調査の完了した享保版上巻の全文の

翻字を紹介することとした。 ︵!︶ ︵2︶ ︵3︶ ︵4︶ ︵5︶ 注 片山哲賢・木村 晟﹁﹃かながき論語﹄本文と索引−本文編1﹂ ﹃北海道駒沢大学研究紀要﹄昭和五六年 ﹃足利本土名書き法華経・影印篇・索引篇・翻字篇﹄昭和四九・ 五一・五二年勉誠社 ﹃妙一記念館本実名書き法華経・影印篇上巻・同下巻・翻字篇・ 索引篇﹄昭和六二・六三・平成元・二年 霊友会 ﹃知恩院本望名書き観無量寿経 影印と研究﹄平成三年 勉誠社 及びこれらに関する訓点語学会での一連の研究発表など 例えば、富山民蔵﹃語構成から見た日本書紀・古事記の語・語 彙の比較研究上・下﹄昭和五八年 風間書房 などにこの論議 のいきさつが見える。 橋本進吉﹁東京文科大学國語研究室所蔵の玉名日本紀に就いて﹂ ﹃史學雑誌﹄第二十六編7号・大正四年七月、後に加筆訂正して ﹃傳記・典籍研究﹄昭和四七年 岩波書店に所収 杉浦克己﹃田嶋本神代紀について﹄東京都立久留米西高等学校 紀要第二号平成二年 享保版假名神代紀 翻字︵上巻︶

 以下は、架蔵の享保版假名神代紀上下二巻のうち、上巻につ

いての翻字である。

 本書は上下二巻、美濃判袋綴、墨付き上巻六十八丁・下巻六

十九丁、一面八行詰め、下巻末尾に享保四年の刊記を持つ版本

で、両巻の表紙に﹁神代巻﹂の題箋を、本文冒頭及び末尾に﹁や まとぶみまきのついでひとつ︵ふたつ︶﹂の内題を持つ。

 本文は日本書紀神代巻の全文を平仮名書きに書き下したもの

で、仮名書きの右傍に書紀本文の漢字を注記する。ただし訓注

部分のみは訓点付きの漢文で割書きにし、平仮名で訓みを振っ

ている。

 仮名書きの本文は、ほぼ日本書紀の漢文本文を忠実に訓読し

たものとみなし得るが、流布本である﹃寛文九年版本﹄や他の

神代巻諸本の訓点から帰納的に得られる書き下し文とは異なる

と思われる部分もあり、日本書紀の訓読を考える上でも重要な

資料となりうるものと思われる。この考察の基礎とすべく以下

のような要領で翻字を作成した。

 なお参考のために本書上巻冒頭と下巻末尾の各一面を約五分

の二に縮小して絵皿・二に示した。 ︿凡例﹀

・仮名書きの本文と訓注部分を、底本の行詰めのままに翻字し

(4)

た。なお仮名本文右傍に記された漢文部分は省略した。

・底本の丁数及び表裏を︿ ﹀に入れて︿一表﹀の如くに示し

た。

・本文の行詰めを①∼⑧の数字を行頭に付することで示した。

・底本の仮名遣いや濁点もそのままに示した。 ・底本には句読点として圏点︵﹁。﹂︶が用いられているが、この うち、文字の下中に付されたものを読点とみなして﹁、﹂で、 下髪に付されたものを句点とみなして﹁。﹂で翻字した。但し、

底本の圏点の位置の使い分けは必ずしも一定してはいない。

・底本には﹁たま︵ふ︶﹂の表記に﹁玉︵ふ︶﹂が用いられてい

る部分があるが、これもそのまま﹁玉﹂字で記した。

・底本で二行割書きになっている部分は[]に入れて示した。

割書きの行換え部分は/で示した。 享保版假名神工匠について(一) 208 (45) 図一一 上巻第一丁表   ︻  書    日   た一、,生,,レ,魔悔.p萎重.,轟..甑遠繋曉  め6⊥フ乙ユいノ∼・。↓ムリ。¢之ゆセの乏・7タ楓罪し      ⋮域    磐  禽  ⊥彦  吏  火  寓  見  尊

 髪巽マとあヒ曳て・み⑦堂幅

、蝋ポ傭∼㍗距うかアV撫・襲撃㍗傭

   命

 ハノ之こと陣

臼 本 ︷喜 紀  懲    紳矛    二

為俵どあ乏可鑑のけぞ茸

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 山昂都下勘重郎

享保四鏡亥年萎月吉且 澗 野岡禰呉衝

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 

@、

m藩螺避芸衛

図二 下巻第六十九了(終丁)裏

(5)

︿一表﹀ ①やまとふみまきのついでひとつ ②  かみよのかみ ③いにしへ、あめつちいまだわかれず、めをわかれざるとき、まろ       ふ  き ④かれたることとりのこのごとく、︿﹀もりてきざしをふく ⑤めり。そのすみあきらかなるものは、たなびいてあめと ⑥なり、おもくにごれるものは、つゴいてつちとなるにを ⑦よんで。くはしくたへなるがあへるはあふぎやすく、おもく ⑧にごれるがこたるはかたまりがたし。かれあめまつなりて ︿一裏﹀ ①つちのちにさだまる、しかうしてのち、かみそのなかにあれ ②ます。かれいはく、あめつちひらくるはじめに、くにつちの ③うかれたゴよへること、たとへばなほあそぶうをのみつの ④うへにうけるがごとし。ときにあめつちのなかに、ひとつ       イ ⑤のものなれり、かたちあしがひのことし。すなはちかみとなる、        いたってたっときをいふ そんと  これよりあまりを  いふ ⑥くにとこたちのみこと﹀まうす。[至  貴日レ尊  自 鯨/日レ  めいとならひにいふ み  こ  命 蛇訓二美學]   とう   しも  みなならへ これに ⑦[等レ也下/皆倣レ此]つぎにくにさっちのみこと、つぎにとよくん ⑧ぬのみこと、すべてみはしらのかみます。あめのみちひとり ︿二表﹀ ①なる、このゆゑにこのをとこのかぎりをなせり   あるふみにいはく、

@@@@@

         あめつちはじまるときに、ひとつのもの そらのなかになれり、かたちいひがたし。そのなかに、お のつからなりいつるかみます。くにとこたちのみこと とまうす。またくにそこたちのみこと﹀まうす、つぎに くにさっちのみこと、またはくにさだちのみこと﹀ま ⑦うす、つぎにとよくにぬしのみこと、またはとよくみの﹀ ⑧みこと︾まうす。またはとよかふしの︾みこと︾まうす、 ︿二裏﹀

@@@@@@@o

またはうきふのとよかひのみこと﹀まうす。またはと よくにの﹀みこと﹀まうす。またはとよくひの﹀みこと﹀ まうす。またははこくにの﹀みこと﹀まうす。またはみ の﹀みこと﹀まうす。 あるふみにいはく、いにしへくにいしつちいしのとき、たと へばなほうかへるあぶらのごとくにしてたゴよへり。とき        イ にくにのなかにものなれり、かたちあしがひのぬけいで たるがごとし。これによってなりいつるかみます。うまし ︿三表﹀

@@@@@@@o

      えふもくこく  これをいふ  は あしがひひこちのみこと﹀まうす。つぎにくにとこ    イ たちのみこと。つぎにくにさっちのみこと。[葉木國/此云二播]  こくにと  か び これをいふうましと [畢矩爾︸ 可美/此云二子麻時乙 あるふみにいはく、あめつちまうかれなるとき、はじめ       イ てかみます。うましあしがひひごちのみこと﹀まうす。       げんきうこれをいふ   ひ ご ぢと つぎにくにそこたちのみこと。[彦舅此云二/比古尼乙 あるふみにいはく、あめつちはじまるときに、はじめて ともになりいつるかみます。くにとこたちのみことと く三裏﹀

@@@@@

まうす。つぎにくにさっちのみこと、またいはく、たかまの はらにあれますかみのみなを、あめみなかぬしのみ こと﹀まうす。つぎにたかみむすびのみこと、つぎにかん          くわうさんれいこれをいふ   み む す びと みむすびのみこと。[皇産霊此身二/美武須毘乙 あるふみにいはく、あめつちいまだわかれざるとき、たとへば

(6)

享保版假名神代紀について(一) 206 (47) ⑥なほうみのうへにふるゆきの、ねか﹀るところなきがこ        イ ⑦とし。そのなかにひとつのものなれり、あしがひのはじめて ⑧ひちのなかにおひたるがごとし。すなはちかみとなる。くに く四表﹀

@@@@@@¢

とこたちのみこと﹀まうす。 あるふみにいはく、あめつちはじまるときにものあり、    イ あしがひのごとくにして。そらのなかになれり。これによって なるかみを。あまのとこたちのみこと﹀まうす。つぎに       イ うましあしがひひこちのみこと。またものあり。うかへるあふ らのごとくにして。そらのなかになれり。これによってなる かみを。くにとこたちのみこと﹀まうす。       はんと  これをいふ   う ひ ちと ⑧つぎにかみます。うひちにのみこと。[塑土此云為/宇毘安心すひちに  の く四裏﹀      さ と  これをいふ す ひ ちと ①みこと。[沙土撃墜二須毘五一またはうひち/ねのみこと。すひちねの  みこと﹀まうす。]つぎにかみます ②おほとのちのみこと。[あるにいはく/おほとのべ]おほとまべのみこと。  [または/おほとま] ③[ひこのみこと。おほとまひめのみこと﹀まうす。または/おほとむち  のみこと。おほとむべのみこと﹀まうす。]つぎにかみます。おも ④たるのみこと。かしこねのみこと。[またはあやかしこねのみこと﹀/ま  うす。またはいんかしきのみこ] ⑤[と﹀まうす。またはあをかしきねのみこと﹀/まうす。またはあやか  しきのみこと﹀まうす。]つぎにかみますいざなぎ ⑥のみこと。いざなみのみこと。 ⑦あるふみにいはく。このふたはしらのかみは。あをかしきね ⑧のみことのみこなり。 ︿五表﹀

@@@@o

   う む あるふみにいはく。くにとこたちのみこと、あめかゴみの みこをなしませり。あめかゴみのみこと、あまようつ      う む のみことをなしませり。あまようつのみこと。あわなぎの     う む みことをなしませり。あわなぎのみこと。いざなぎのみ    うむ    ばったうこれをいふ  あわなきと ことをなしませり。[沫蕩此云二/阿和那伎一] ⑥すべてやはしらのかみます。あめのみちあひまじはりて ⑦なる。このゆへにこのをとこをんなをなせり。くにとこたち ⑧のみことより。いざなぎのみこと。いざなみのみことにいたる ︿五裏﹀ ①まで。これをかみのよな﹀よといふものなり。

@@@@@

⑦いざなぎのみこと、 ⑧うへにた﹀して。 ︿六表﹀        けいはたまなり  これをいふ ①あにくにならんやとのたまひて。すなはちあまのと[慶玉也/寧日レ  とと  努] ②ぼこをもてさしおろして、かきさぐりしかば、こ﹀にあをうな ③ばらをえき。そのほこのさきよりしたゴるしほこりて、 ④ひとつのしまとなれり。なづけて。おのころじまといふ。 ⑤ふたはしらのかみ。こ﹀にかのしまにあまくだりまして。 あるふみにいはく。をとこをんなたぐひなるかみ。まつう ひちにのみこと。すひちにのみことます。つぎにつの くひのみこと。いくくひのみことます。つぎにおもたるの みこと。かしこねのみことます。つぎにいざなぎのみ       しよくは  けつなり こと。いざなみのみことます。[幟/概也]         いざなみのみこと。あまのうきはしの        ともにはからひてのたまはく。そこつしたに、

(7)

杉浦克己

⑥よてともにをとめとなり。くにつちをうまんとおぼす。 ⑦すなはちおのころじまをもて。くにのなかのみはしら       ちうこれをいふ  み  は し らと ⑧となして。[柱廊云二美/簸旨遷乙をがみはひだりよりめぐり。めがみ  は く六裏﹀ ①みぎよりめぐる。くにのみはしらをあかれめぐりて、おな ②じくひとつおもてにあひき。ときにめがみ、まっとなへて        せう  なん ③のたまく。あなうれしにゑや。うましをとここにあひぬ。[少/男]   これをいふを とこと ④[此云二鳥/等孤乙をがみよろこびずしてのたまはく。あれはこれま ⑤すらをなり。ことわりまさにまっとなふべし。いかんぞた ⑥をやめの。かへってことさきだつや。ことすでにさがなし。 ⑦むべもてあらためめぐるべし。こ﹀にふたばしらのかみ。 ⑧かへってさらにめぐりあひたまひぬ。このたびは。をがみ ︿七表﹀ ①まっとなへてのたまはく。あなうれしにゑやうましをと        せうちょこれをはいふ  をとめと ②めにあひぬ。[少女此云工/鳥等曄乙よてめがみにとひてのたまはく ③いましがみになにのなれるところかあるや。こたへての ④玉はく。あがみにひとつめのはじめといふところあり。を ⑤がみの﹀玉はく。あがみにまたをのはじめといふところ ⑥あり。あがみのはじめのところをもて。いましがみのはじめ ⑦のところにあはせんとおもふ。こ﹀にめを、はじめてみとの ⑧まくばひして。をとめとなる。こうむときにいたるにをよんで。 ︿七裏﹀ ①まつあはちのしまをもてえとす。みご﹀うによろこびざる ②ところなり。かれなづけてあはちのしまといふ。すなはち        につほんこれをいふ や  ま  とン しもみなならへ これに ③おほやまと[日本此云二耶麻/騰︸下書落レ此]とよあきつしまをう  む。つぎ ④にいよのふたなのしまをうむ。つぎにつくしのしまをうむ。つ ⑤ぎにおきのしまと。さどのしまとを。ふたこにうむ。ひとあるは。 ⑥ふたこうむことあるは。これにかたどりてなり。つぎにこしの ⑦しまをうむ。つぎにおほしまをうむ。つぎにきびのこじまを ⑧うむこれによではじめて。おほやしまのくにのなおこれり。すな ︿八表﹀ ①はちつしまじま。ゆきのしま。をよびところぐのをじまはみ ②なこれしほのあわの。こりてなれるものなり。またはみつの ③あわの。こりてなれりともいふ。

@@@@@

あるふみにいはく。あめのかみ。いざなぎのみこと。いざなみ のみことにかたってにたまはく。とよあしはらちいほあき のみつほのくにあり。よろしくいましゆいてしらすべしと の玉ひて。すなはちあまのとぽこをたまふ。こ﹀にふた はしらのかみ。あまのうきはしにた﹀して。ほこをさし ︿八裏﹀

@@@@@@@o

       あをうなはらをかきなして おろしてくにをもとむ。よてしほこをろごをうにかき なして。ひきあぐるとき。すなはちほこのさきよりしたゴる しほこりて。しまとなる。なづけて。をのころじまといふ。 ふたばしらのかみ、かのしまにあまくだりまして。やひろ のとのをみたつ。またあめのみはしらをみたつ。をがみ、 めがみにとひての玉はく。いましがみになにのなれると ころかあるや。こたへてのたまはく。あがみになりくて。 めのはじめといふもの。ひとところあり。をがみののたま ︿九表﹀ ①はく。 あがみにまたなりくてをのはじめといふものひと﹀

(8)

享保版假名神代紀について(一) 204 (49)

@@@@@@@

ころあり。あがみのをのはじめのところをもて。いましが みのめのはじめのところにあはせんとおもふとしか いふ。すなはちまさに。あめのみはしらをめぐらんとして。 ちぎりての玉はく。いうとはひだりよりめぐれ。あれ はまさにみぎよりめぐらん。すでにして。はかりめぐ りてあひ玉ひぬ。めがみすなはちまっとなへての玉 はくあなにゑや、えをとこ。をがみのちにごたへて ︿九裏﹀

@@@@@@@o

の玉はく。あなにゑや、えおとめ。つひにをとめと なり。まつひるこをうむ。すなはちあしのふねに のせて。はなちやりき。つぎにあはのしまをうむ。これ またもてこのかずにいれず。かれかへりて。またあめ にのぼりまうで﹀。つぶさに。そのありさまをまうし玉ふ。        うらなふ ときにあめのかみ。ふとまにをもってうらふ。すなは ちあぢはひての玉はく。たをやめのこと。それす でにまつあげたればか。むべさらにかへりいね。すな ︿十表﹀

@@@@@@@o

をがみはひだりよりし。めがみはみぎょりして。すで しらのかみ。あらためてまたみはしらをめぐり玉ふ。 はちときひをうらえて。あまくだします。かれふたば にあひ玉ひぬるときに。をがみまっとなへてのたまはく。 あなにゑやえをとめ。めがみのちにごたへての玉はく。 あなにゑやえをとこ。しかうしてのちに。みやをお なじふしてともにすまみして。みこをうむ。おほやまと とよあきつしまとなつく。つぎにあはちのしま。つぎ ︿十裏V

@@@¢

@@@@

にいよのふたなのしま。つぎにつくしのしま。つぎに おきのみつこのしま。つぎにさどのしま。つぎにこし のしま。つぎにきびのこじま。これによりてこれを       ずいこれをいふ  み つとけんさいこれをいふ   あ な に ゑ やと おほやしまのくにといふ。[瑞此云二彌圖妖哉此前二/阿那而恵夜一 か あいこれをいふ 可愛此云]  えとたいせんこれをいふ   ふ と ま にと 7哀太占安里二/布刀磨爾一] あるふみにいはく。いざなぎのみこと。いざなみのみこと。ふ たばしらのかみ。あまのさぎりのなかにた﹀しての玉はく。 あれくにをえんとおもふとの玉ひて。すなはちあまのと く十一表﹀

@@@@@@@¢

ぼこをもて。さしくだしてさぐりしかば。おのころじまを え玉ひき。すなはちほこをぬきあげてよろこびての玉は く。よいかなくにのありけること。 あるふみにいはく。いざなぎ。いざなみ。ふたばしらのかみ。 たかまのはらにましての玉はく。まさにくにあらんやとの 玉ひて。すなはちあまのとぼこをもて。おのころじまを かきさぐりなす。 あるふみにいはく。いざなぎ。いざなみ。ふたばしらのかみ。 ︿十一裏﹀

@@@@@@@

あひかたりての玉はく。ものあり。うかへるあぶらのごとし そのなかに。けだしくにあらんやとの玉ひて。すなはちあま のとぼこをもて。ひとつのしまをかきさぐりなす。なづけ ておのころじまといふ。 あるふみにいはく。めがみまっとなへての玉はく。あなにゑや えをとこ。ときにめがみの。ことさいだっるをもて。かれ さがなしとして。さらにまたあらためめぐる。すなはちを

(9)

⑧がみまっとなへての玉はく。 ︿十二表﹀

@@@@@@@o

あなたにゑやえをとめ。つひに みあはせんとするに。しかもそのみちをしらず。ときにには くなぶりあり。とびきたりて。そのかしらを﹀た﹀く。ふた        これをまなびて ばしらのかみみそなはして。これにならひて。すなはちと つぎのみちをえっ。 あるふみにいはく。ふたばしらのかみ。みとのまくばひして。 まつあはちのしま。あはのしまをもて。えとし。おほやま ととよあきつしまをうむ。つぎにいよのしま。つぎにつくし のしま。つぎにおきのしまと、さどのしまとを、ふたこに く十二裏V

@@@@@@@@

うむ。つぎにこしのしま。つぎにおほしま。つぎにご じま。 あるふみにいはく。まつあはちのしまをうむ。つぎにおほや まととよあきつしま。つぎにいよのふたなのしま。つぎに おきのしま。つぎにさどのしま。つぎにつくしのしま。つぎ にゆきのしま。つぎにっしまじま。 あるふみにいはく。おのころじまをもてえとして。あはちの しまをうむ。つぎにおほやまととよあきつしま。つぎに く十三表﹀

@@@@@o

いよのふたなのしま。つぎにつくしのしま。つぎにきびの こじま。つぎにおきのしまと。さどのしまとを。ふたこに うむ。つぎにこしましま。 あるふみにいはく。あはちのしまをもてえとして。おほ やまととよあきつしまをうむ。つぎにあはのしま。 つぎにいよのふたなのしま。つぎにおきのみつこのし ⑦ま。つぎにさどのしま。つぎにつくしのしま。つぎに ⑧きびのこじま。つぎにおほしま。 ︿十三裏﹀ ①あるふみにいはく。めがみまっとなへての玉はく。あなに ②ゑやえをとこ。すなはちをがみのみてをとりて。 ③つひにをとめとなりて。あはちのしまをうむ。つぎ ④ にひるこ。 ⑤つぎにうなばらをうむ。つぎにかはをうむ。つぎにやまを ⑥うむ。つぎにきのおやくゴのちをうむ。つぎにくさのお ⑦やかやのひめをうむ。またはのっちとなつく。すでにし ⑧て。いざなぎのみこと。いざなみのみこと。ともにはかりて ︿十四表﹀ ①のたまはく。あれすでにおほやしまのくに。をよびやまかはく ②さきをうめり。いかんぞあめのしたのきみたるものをうま ③ざらんや。こ﹀にともに、ひのかみをうみまつります。おほひ       だいサつれいきこれをいふ  お ほ ひ る め   の むちと   れいこゑは ④るめのむちとまうす。[大日婁貴此云二身保谷雪下/能武智∼婁音  りょくでいのかへし  力丁反あるふみに] ⑤[いはく。あまてらすおほんがみ。あるふみに/いはく。あまてらすお  ほひるめのみこと。]このみこ。ひかりうるはしくして。 ⑥くにのうちにてりとほる。かれふたはしらのかみ。よろこび ⑦ての玉はく。あがこ。さはありといへども。いまだかくくしひにあ ⑧やしきみこはあらず。むべひさしく。このくに﹀とゴめまつるべ く十四裏﹀ ①からず。みつからまさに。はやくあめにおくりまつりて。さづ ②くるに。あめのことをもてすべし。このとき、あめつちあひさる ③こと、いまだとほからず。かれあめのみはしらをもて。あめに

(10)

享保版假名神代紀について(一) 202 (51) ④おくりあぐ。つぎに、つきのかみをうみまつります。[あるふみ/にいは  く。] ⑤[つきゆみのみこと。つきよみの/みこと。つきよみのみこと。]そのひ  かりうるはしきことひにつ ⑥げり。もてひにならべて。しらすべし。かれまたあめにおくりま ⑦つる。つぎにひるこをうむ。すでにみとせになるまで。あしな ⑧ほた﹀ず。かれ。あまのいはくすぶねにのせて。かぜのまにく <十五表﹀ ①はなちすつ。つぎにそさのをのみことをうみまつります。 ②[あるふみにいはく。かみそさのをの/みこと。はやそささのをのみこ  と]このかみいさみたけうして。もてい ③ぶりなりことあり。またつねになきいざつるをもてわざとす、 ④かれくにのうちのひとくさをして。さはにもてあからさまに ⑤す。またあをやまを。からやまになす。かれそのかぞいろは ⑥のふたばしらのかみ。そさのをのみことにみことのりし ⑦玉はく。いましはなはだあぢきなし。もてあめのしたにきみ ⑧たるべからず。まことにまさに。とほくねのくに﹀いねとの玉 ︿十五裏﹀ ①ひて。つひにやらひき。

@@@@@@@

あるふみにいはく。いさなぎのみことの﹀玉はく。あれ、あめの したをしらすべき。うつのこをうまんとおもふとのたまひて。 すなはちひだりのみてをもて。ますみのかゴみをとりたまふ とき。すなはちなりいつるかみます。これをおほひるめの みこと﹀まうす。みぎりのみてに。ますみのかゴみをとり 玉ふとき。すなはちなりいつるかみます。これをつきゆみの みこと﹀まうす。またみぐしをめぐらして。みるまさがりに。 ︿十六表﹀

@@@@@@@o

        かんさが すなはち。おほひるめのみこと。および、つきゆみのみこと すなはちなるかみます。これをそさのをのみこと﹀まうす。 はならぶるにこれひと﹀なり、てりうるはし。かれあめのした を。てらしのぞましむ。そさのをのみことは。これひと﹀なり。 そこなひやぶることをこのむ。かれくだして、ねのくにをし      ちんこれをいふ う つと こ めんし かん  これをいふ み る ま さ か り にと らせしむ。[珍閉院二干圖一顧瓦之間/此云二美屡摩沙可利率乙 あるふみにいはく。ひ、つき、すでにうまれ玉ひぬ。つぎにひる こをうむ。このみことしみとせになるまで。あしなほた﹀ ︿十六裏﹀

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ず。はじめいざなぎ、いざなみのみこと。みはしらをめぐり玉 ひしとき。めがみまつよろこぶことをあぐ。すでにめをのこ とわりにたがへり。このゆへにいま、ひるこをうむ。つぎにそ さのをのみことをうみまつります。このかみひと︾なり さがなうして。つねになきふっくことをこのむ。くにのひ          あ り とくさ。さはにことなり。あをやまをからやまになす。かれ そのかぞいろは。みことのりしての玉はく。たとひいまし。 このくにをしらば。かならず。そこなひやぶるところおほ ︿十七表﹀

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からん。かれいましはもてきはめてとほき。ねのくにをし らすべし。つぎにとりのいはくすぶねをうむ。すなはちこ のふねをもて、ひるこをのせ。みつのまにくはなちすつ。 つぎにほのかみかぐつちをうむ。ときに。いざなみのみこと。 かぐつちのために。やかれてかんさりましぬ。そのかんさり まさんとするあひだに。ふしながら、つちのかみはやま ひめ。をよひ。みつのかみみつはのめをうむ。すなはち

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杉浦克己

⑧かぐつち、 ︿十七裏﹀

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はにやまひめにあひて。わかむすびをうむ。 このかみのかしらのうへに。かひこと。くはとなれり。        はうしやうこれをいふ  みつはと ほそのなかに。いつくさのたなつものなれり。[岡象此六二/美都波 こ あるふみにいはく。いざなみのみこと。ほのむすびをう むときに。このために。やかれてかんさりましぬ。また かみさるといふ。そのかんさりまさんとするのときに。 すなはちみつのかみみつはのめ。をよびつちのか        そ みはにやまひめをうむ。またあまのよさつらをう   てんきちかっこれをいふ あ ま の よ  さ つ らと   あるにいはくよそ つ らと む。[天吉葛此云二阿摩能與/佐田二一 一 云與曾豆煎] ︿十八表﹀

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なる。なをみつはのめといふ。つぎにくそまる。かみと        けがしす なる。なをかなやまひこといふ。つぎにゆばりまるかみと まんとするときに。あっかひなやむ。よてたぐりす。これかみと あるふみにいはく。いざなみのみこと。ほのかみかぐつちをう なる。なをはにやまひめといふ。 あるふみにいはく。いざなみのみこと。ほのかみをうむと きに。やかれてかんさりましぬ。かれきのくにの。く まの﹀ありまのむらに。かくしまつる。ひと。このかみの く十八裏﹀

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みたまをまつるには。はなのときにはまたはなをもて まつる。またつゴみふえはたをもて。うたひまふてまつる。 あるふみにいはく。いざなぎのみこと。いざなみのみこと と。ともにおほやしまのくにをうみ玉ふ。しかうしてのち。 いざなぎのみことのの玉はく。あがうめるくに。たゴ ⑥あさぎりのみありて。かほりみてるかなとのたまひて。 ⑦すなはちふきはらふいきかみとなる。みなをしなが ⑧とべのみこととまうす。またはしながつひこのみこと﹀ ︿十九表﹀

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うめるみこを。うかのみたまのみこと﹀まうす。またわ まうす。これかぜのかみなり。またやはしかりしとき たつみのかみたちを。わたつみのみこと﹀まうす。やまの かみたちを。やまつみとなつく。みとのかみたちを。はや あきつひのみこと﹀なつく。きのかみたちを。︿﹀のち となつく。つちのかみを。はにやすのかみとなつく。しかう してのちに。こと酒\<。ようつのものをうみ玉ふ。ほ のかみかぐつちのうまる﹀にいたりて。そのいろは。いざ ︿十九裏﹀

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なみのみこと。やかれてかんさりましぬ。ときにいさなぎ のみこと。うらみての玉はく。たゴこのひとつげをもて。わ がうるはしき。なにものみことにかへっるかなとの玉ひ て。すなはちまくらべにはらばひ。あとべにはらばひ。なき いざ.ちかなしひ玉ふ。そのなみだおちて。かみとなる。これ すなはち。うねをのこのもとにますかみなり。なきさ はめのみこと﹀なつく。つひにみはかせる。とっかのつる ぎをぬいて。かぐつちをきって。みきだになす。これおの ︿二十表﹀ ①くかみとなる。またつるぎのはよりしたゴるち。これあ ②まのやそがはらにある。いほついはむらとなる。すなはち ③これふつぬしのかみのみおやなり。またつるぎのつみ ④はよりしたゴるち。そ﹀いでかみとなる。なづけてみかの

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享保版假名神代紀について(一) 200 (53) ⑤はやひのかみといふ。つぎに。ひのはやひのかみ。そのみかの ⑥はやひのかみは。これたけみかつちのかみのみおやなり。 ⑦またいふ。みかのはやひのみこと。つぎに。ひのはやひの ⑧みこと。つぎにたけみかつちのかみ。またつるぎのさき く二十裏V

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よりしたゴるち。そ﹀いでかみとなる。いはさくのかみと いふ。つぎに。ねさくのかみ。つぎに。いはつ﹀をのみこと。 るにいはく。いはつ﹀をのみこと。をよびいはつ﹀めのみ こと。またつるぎのたかみよりしたゴるち。そ﹀いでかみ となる。なづけてくらおがみといふ。つきにくらやま つみ。つぎにくらみつは。しかうしてのち。いざなぎの みこと。いざなみのみことをおふて。よもつくに﹀いりまし て。しきてともにかたる。ときにいざなみのみことの。の玉 ︿二十一表﹀

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はく。あがなせのみこと。なんぞおそくいでましつる。あれ すでによもつひぐひせり。しかれども。あれまさにねやす まん。こふなみましそ。いざなぎのみこと。き﹀たまはず して。ひそかにゆつのつまぐしをとり。そのほとりばを ひきかきて。もてたびとしてみしかば。すなはちうな わきうじたかる。いまひと。よるひとつびとぼすことを いみ。またよるなげぐしをいむ。これそのことのもとな り。ときにいざなぎのみこと。おほきにおどろき玉ひ く二十一裏﹀ ①てのたまはく。あれおもはず。いなしこめき。きたなきくに﹀ ②きにけりとの玉ひ。すなはちすみやかににげかへる。ときに ③いざなみのみこと。うらみての玉はく。なんぞちぎりしこ あ

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とをもちみたまはずして。あれに。はちみせますとの たまひて。すなはちよもつしこめやつひとをまたして。 [あるにいはく。/よもつひさめ。]おふてとゴめまつる。かれいざな ぎのみこと。 つるぎをぬいて。しりへでにふぎつ﹀もてにぐ。よてくろき みかづらをなげたまふ。これすなはちえびになる。しこめ。 ︿二十二表﹀

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みてとりはむ。はみをはりて。すなはちまたおふ。いざなぎ のみこと。またゆつのつまぐしをなげ玉ふ。これすなはち たかんなになる。しこめ。またもてぬきはむ。はみをはり てすなはちまたおふ。のちにすなはちいざなみのみ こと。またみつからおひいでます。このときにいざなぎの みこと。すでによもつひらさかにいたりましぬ。あるにい はく。いざなぎのみこと。すなはちおほぎにむかってゆば りまる。これすなはちおほがはとなる。よもつひさめ。その ︿二十二裏﹀

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みつをわたらんとするひまに。いざなぎのみこと。すで       ちびきのい によもつひらさかにいたりましぬ。かれすなはち。ちひと はをもて びきのいはをもて。そのさかちをふさいで。いざなみの みこと。あひむかって。た﹀して。つひにことゴわたる。とき にいざなみのみことのの玉はく。うるはしきあがなせ のみこと。かくのたまはゴ。あれまさにいましがしらする。 くにのひとくさ。ひとひに。まさにちかうべをくびりこ ろさん。いざなぎのみこと。すなはちこたへてのたまはく。 ︿二十三表V ①うるはしきあがなにものみこと。 かくのたまはゴ。あれは。すな

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杉浦克己

はちまさに。ひとひに。まさにちかうべあまりいほかうべをうま しめん。よてのたまはく。これよりなすぎそとの玉ひて。す なはちそのつゑをなげ玉ふ。これをふなどのかみといふ。 またそのおびをなげ玉ふ。これをながちいはのかみと いふ。またそのみぞをなげ玉ふ。これをわづらひのかみと いふ。またそのはかまをなげたまふ。これをあきくひの かみといふ。またそのくつをなげ玉ふ。これをちしきの く二十三裏﹀

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かみといふ。そのよもつひらさかにおみて。あるは いはゆるよもつひらさかとは。またことにところあるに あらず。たゴまかるにをよんで。いきたふるあひだこれを いふか。ふさげるいはをば。これをよみどにふさがります おほんがみといふ。またのなは。ちがへしのおほんがみ。いざ なぎのみこと。すでにかへりてすなはちおひくひての 玉はく。あれさきに。いなしこめき。﹀たなきところに いたる。かれまさにあがみのけがらはしきものをあらひす ︿二十四表﹀

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てんとの玉ひて。すなはちゆいて。つくしのひふがの。をどの たちばなのあはきがはらにいたりまして。みそぎはらひ し玉ふ。つひに。みのきたなきものをす﹀ぎ玉はんとし て。すなはちことあげしての玉はく。かんつせは。これは なはだはやし。しもつせは。これはなはだぬるしとの玉ひて。 すなはちなかのせに。す﹀ぎ玉ふ。よてもてうめるか みを。なづけて。やそまがつひのかみとまうす。つぎに。そ のまがれるをなほさんとして。うめるかみを。なづけて。 ︿二十四裏﹀

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かんなほひのかみとまうす。つぎにおほなほひのかみ。 またわたのそこにしづみす﹀ぐ。よてもてうめるかみ をなづけて。そこつわたつみのみこと﹀まうす。つぎに そこつ﹀をのみこと。またしほのなかにかづきす﹀ぐ。よ てもてうめるかみを。なづけて。なかつわたつみのみこ と﹀まうす。つぎになかつ﹀をのみこと。またしほのうへ にうきす﹀ぐ。よてもてうめるかみを。なづけて。うはつ わたつみのみこと﹀まうす。つぎにうはつ﹀をのみこと。 ︿二十五表V

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はちすみのえのおほんがみなり。そこつわだっみのみ となかつ﹀をのみこと。うはつ﹀をのみことは。これすな すべてこ﹀のはしらのかみます。そのそこつ﹀をのみこ こと。なかつわたつみのみこと。うはつわたつみのみことは。 これあつみのむらじらが。いっきまつるかみなり。しか うしてのち。ひだりのみめをあらひ玉ふ。よてもてうめるかみ を。なづけて。あまてらすおほんがみとまうす。またみぎ のみめをあらひ玉ふ。よてもてうめるかみを。なづけて。 ︿二十五裏﹀

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つきよみのみこと﹀まうす。またみはなをあらひ玉ふ。よて もてうめるかみを。なづけて。そさのをのみこと﹀まうす。 すべてみはしらのかみます。すでにしていざなぎのみこと。 みはしらのみこにことよざしての玉はく。あまてらすお ほんがみは。もてたかまのはらをしらすべし。つきよみの みことは。もてあをうなばらのしほのやほへをしらすべし。 そさのをのみことは。もてあめのしたをしらすべし。この ときにそさのをのみこと。としすでにおいたり。またやつ

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享保版假名神代紀について(一) 198 (55) ︿二十六表﹀

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かのひげおひたり。しかれどもあめのしたをしらずして。つ ねにもてなきいざちふっくむ。かれいざなぎのみこと。 とひての玉はく。いましなにのゆゑにか。つねにかくなくや。 こたへての玉はく。やつかれいろはのみことに。ねのくに﹀ したがはんとおもふ。た﹀いざつことをなすのみとまうし       わらひて 玉ふ。いざなぎのみこと。にくんでの玉はく。こ﹀ろのま﹀に いねとの玉ひて。すなはちやらひやりき。 あるふみにいはく。いざなぎのみこと。つるぎをぬいて。かぐ ︿二十六︷畏﹀

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つちをきりて。みきだになす。そのひときだはこれい かつちのかみとなる。ひときだはこれおほやまつみのかみ となる。ひときだは。これたかおがみとなる。またいは く。かぐつちをきるときに。そのちそ﹀いで。あまのやそ がはらにある。いほついはむらにそまる。よてかみとなる。 なづけて、いはさくのかみといふ。つぎにねさくのかみのこ。 いはつ﹀をのかみ。つぎにいはつ﹀めのかみのこ。ふつぬ      さうたうこんこれをいふ う か の み た まと せうどうこれを  いふ わ た つ みと とうへん しのかみ。[倉稲魂此云二宇介能美書写︸少童此/云二和多都美︸頭邊 これをいふ まくらべと  きやく 此云二摩苦幸心一 脚] ︿二十七表﹀ ① ② ③  へんこれをいふ あと べと   せんはひ なりこゑはじ ぜんのかへしれいこれをいふ お  か [邊此云二単層陛一 漢火也音 而善反駁此云二業箇/ みと    こゑはりよくていのかへしご ふ くんこれをいふ あ が な せと   ざんせんし さう 美︸音力干反吾夫君此云二二我優勢︸喰泉之竃]  これをいふ よ も つ ひ ぐ ひと   へいきょこれをいふ た びと   ふ しゅや けう [此云二轡母都俳男呼⋮ 乗二曲云二多砒一 不須也凶/ もくを  え  これをいふ い な し こ め き き た な きと   しうちよこれを 目汚臓此云二今猶停留梅枳枳多灘枳︸ 醜女此]  いふ し こ めと   はいき  これをいふ し り へ で に ふ ぐと   せんしんへい [云二町鳶費  背揮此三二志理幣提爾布倶︸泉津平 はんこれをいふ よ も つ ひ ら さ かと   てうこれをいふ ゆ ば りと   こゑはたい 坂此云二余母都比羅佐可 雇此云工愈磨理︸音乃] ④

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 てうのかへしぜっさいし  せいこれをいふ こ と どと   ぎ しんこれを [弔反絶妻之誓此云二許等度一 岐神此/ いふ ふ な ど の か みと   よくこれをいふ あ は きと 云二布那斗五加微⋮憶此云二阿波岐乙 あるふみにいはく。いざなぎのみこと。かぐつちのみことをき りて。いっきだになす。これおのくいつ﹀のやまつみとな る。ひとつはすなはちかしら、おほやまつみのみとなる。ふたつ はすなはちむくろ。なかやまつみとなる。みつはすな く二十七裏﹀

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はちて。はやまつみとなる。よつはすなはちこし、まさ かつやまつみとなる。いつ﹀はすなはちあし。しきやま つみとなる。このときに。きるちそ﹀いで。いしむらき くさにそまる。これくさ、き、いさごのおのつからひを        ろくはやまのあしをいふ ろくとこれをいふ は や まと ふくむことのもとなり。[麓山足日レ丁零七二簸耶磨︸/ せいしやうこれをいふ ま さ かと   あるにいはく      ま 正勝此云二磨沙桐一 一去 ︵云︶麻] さ か つ  あんこれをいふ   しぎと   こゑはを がんのかへし 左何豆 離此云二/之伎 音鳥含量] あるふみにいはく。いざなぎのみこと。そのいうとをみま        います さんとおぼして。すなはち、そのをのところにいたり ︿二十八表﹀

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ます。このときに、いざなみのみこと。なほいけりしとき のごとくにして、いでむかひて。ともにかたる。すでにして、 いさなぎのみことにかたりての玉はく。あがなせのみこ と。こふあれをなみましそ。の玉ひをはりてたちま ちにみへず。ときにくらし。いざなぎのみこと。すなはち ひとつびをとぼしてみそなはす。ときに似ざなみの みこと。はれたゾへり。うへにやくさのいかつちあり。いざなぎ のみこと。おどろいてにげかへり玉ふ。このときいかつちども ︿二十八裏﹀

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みなたちておひきたる。ときにみちのほとりに。おほき なるも﹀のきあり。かれいざなぎのみこと。そのきのもとにか くれて。よてそのみをとりてもていかつちになげしかば、 いかつちどもみなしりぞきぬ。これも﹀をもて。おにをふ せぐことのもとなり。ときにいざなぎのみこと。すなはち そのつゑをなげうちての玉はく。これよりこのかた。いか つちえこじ。これをふなどのかみといふ。このもとのなを ば。くなどのおほちといふ。いはゆるやくさのいかつちとは。か く二十九表﹀

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あるを、わかいかつちといふ。かくれにあるを。くろいかつちと つちといふ、はらにあるを。つちいかつちといふ、そぴらに しらにあるを。おほいかつちといふ、むねにあるを。ほのいか いふ。てにあるを。やまいかつちといふ。あしのうへにあるを。 のいかつちといふ。ほどのうへにあるを。さくいかつちといふ。 あるふみにいはく。いざなぎのみこと。おふていざなみのみ ことのますところにいたりまして。すなはちかたりての玉 はく。いましをかなしとおもふかれきつ。こたへてのたまはく。 ︿二十九裏﹀

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うからあれをなみましそ、いざなぎのみこと。したがひ 玉はずして。なほみそなはす。かれいざなみのみこと。 はちうらみての玉はく。いましすでに。あがこ﹀ころをみつ。 あれまたいましがこ﹀ろをみる。ときにいざなぎのみ こと。またはち玉ふ。よてまさにいでかへりなんとす。 ときにたゴにもだしてかへり玉はず。うかふての玉はく。 うからはなれなん。またの玉はく。うからまけじ。すな はちつばくかみを。なづけてはやたまのをといふ。つぎ ︿三十表V

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にはらふかみを。よもっことさかのをとなつく。すべてふ たはしらのかみます。そのいうと﹀。よもつひらさかに あひあらそふにをよんで。いざなぎのみことの﹀玉 はく。はじめうからがために。かなしひ。をよびしのびける ことは。これあがったなきなり。ときによもつちもりび とまうしてまうさく。の玉ふことあり。のたまはく。あれ いましとすでにくにをうみてき。いかんぞさらにうまん ことをもとめんやあれすなはち。まさにこのくに﹀とゴ ︿三十裏﹀

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まりて。ともにさるべからずといふ。ときにく﹀りひめ       しるきこと のかみ。またまうすことあり。いざなぎのみこと。きこし めしてほめ遵ふ。すなはちあらけぬ。たゴしみつから よもつくにをみたり。これすでにさがなし。かれそのけ がらはしきものをす﹀ぎはらはんとおぼして、すなは ちゆいて、あはのみと、をよびはやすふなどをみそな はす。しかるにこのふたつのと。しほすでにはやし。かれ たちばなのをどにかへり玉ふて、はらひす﹀ぎ玉ふ。とき ︿三十一表﹀

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にみつにいりていはつ﹀のみことをふきなす。みつを いで﹀おほなほひのかみをふきなす。またいりてそ こつ﹀のみことをふきなす。いで﹀おほあやつひのか みをふきなす。またいりてあかつ﹀のみことをふき なす。いで﹀おほっちうなばらのもろくのかんたちを       ふふおそくこれをいふ  うから けじと ふきなす。[不負於族此云二/宇我羅重量茸乙 あるふみにいはく。いざなぎのみこと。みはしらのみこに。

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享保版假名神代紀について(一) 196 (57) ⑧ ことよざしての玉はく。 ︿三十一裏V

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あまてらすおほんがみは。もてた かまのはらをしらすべし。つきよみのみことは。もてひに ならべてあめのことをしらすべし。そさのをのみことは。 もてあをうなばらをしらすべし。すでにして。あまてら すおほんがみ。あめにましくての玉はく。あしはらのなか つくに﹀。うけもちのかみありときく。むべいましっきよみ のみこと。ゆいてみよ。つきよみのみこと。みことのりを うけてくだります。すでにうけもちのかみのもとに いたり玉ふ。うけもちのかみ、すなはちかうべをめぐらして ︿三十二表V

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ばらにむかひしかば、すなはちはたのひろもの、はたのさ くに﹀むかひしかば。すなはちくちより、いひいつ。またうな もの、またくちよりいつ。またやまにむかひしかば、けのあ らもの、けのにこもの、またくちよりいつ。そのくさくの もの、ことぐくそなへて.も量りのつくゑにあざへて. みあへたてまつる。このときに、つきよみのみこと、いかり おもほでりしての玉はく、けがらはしきかないやしきかな、 むしろくちよりたぐれるものをもて、あへてあれにかふ く三十二裏﹀

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ぺけんやとの玉ひて、すなはちつるぎをぬいてうちこ ろしつ。しかうしてのちかへりことまうし。つぶさにそのことをま うし玉ふ。ときにあまてらすおほんがみ、いかりますこと はなはだしうしての玉はく。いましはこれあしきかみなり。 あひみじとの玉ひて、すなはちつきよみのみこと﹀。ひと ひひとよ、へだてはなれてすみ玉ふ。この﹀ちに。あまてら ⑦すおほんがみ、またあめくまびとをまたして、ゆいて ⑧みせ玉ふ。このときにうけもちのかみ、まことにすでにま く三十三表﹀

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かれり。たゴそのかみのいたゴきにうしむまなれるありひた ひのうへにあはなれり、まゆのうへにかひこなれり、めのなか にひえなれり、はらのなかにいねなれり、ほどに。むぎ。をよ びまめあづきなれり。あめくまひと。こと酒\くとりも ちゆいてたてまつる。ときにあまてらすおほんがみよ ろこびての玉はく。このものはすなはちうつしきあをひ とくさの、くらひていくべきものなりとの玉ひて。すな はちあは、ひえ、むぎ、まめをもて、はたつものとなし。いね ︿三十三裏V

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⑦ ⑧こ﹀にそさのをのみこと、 ︿三十四表﹀ ①みことのりをうけ玉はり、ねのくに﹀まかりなんとす。かれ ②しばらくたかまのはらにまうで﹀。あねのみこと﹀あひまみえ ③て、しかうしてのちにひたふるにまかりなんとおもふ。ゆるすと ④の玉ふ。すなはちあめにのぼりまうつ。この﹀ちにいざなぎの をもて、たなつものとなす。またよてあまのむらぎみ をさだむ。すなはちそのいねだねをもて。はじめてあ まのさなだ。をよびながたにう﹀。そのあきのたり ほ、やつかぼにしなひてはなはだこ﹀ろよし。またくちの うちにかひごをふくみて、すなはちいとひくことをえた        ぼうしょくしんこれをいふ り。これよりはじめてこがひのみちあり。[無学戸毎云/ う け も ち の 宇氣母知能]  かみと   けんけんさうせいこれをいふ  う   つ し き あ を ひ と くさと [加微一 顕見蒼生此云二宇/都志枳阿鳥比等久佐乙        まうしてまうさく。やつかれいま

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⑤みこと、かんごとすでにをへ玉ひてあつしれ玉ふ。こ﹀をも ⑥てかくれのみやを。あはちのくに﹀つくり。しっかにながくかく ⑦れましき。またいはく。いざなぎのみこと。ことすでにいたり ⑧ぬ、いきほひまたおほひなり。こ﹀にあめにのぼりまして ︿三十四裏﹀ ①かへりことまうし玉ふ。よてひのわかみやにとゴまりすみ玉ひき。  せうきうこれをいふ  わかみやと ②[少宮此云二/倭何美野乙はじめそさのをのみことあめにのぼりますと  き。お ③ほきうみ。これをもてとゴろき。たゴよひ。やまをか。これがために。  な ④りほえき。これすなはちかんさがたけきがしからしむるなり。あま ⑤てらすおほんがみ。もとよりそのかみ。あらくあしきことをしろしめし  て、 ⑥まうくるかたちをきこしめすにいたりて。すなはちさかりにおどろき ⑦玉ひての玉はく。あがおとのみことのきたること。あによきこ﹀ろをも  て ⑧せんや。おもふに。まさにくにをうば﹀んとするのこ﹀うさしありてか。 ︿三十五表﹀ ①それ。かぞいろはのみこと。すでにもろくのみこたちに。ことよ ②せ玉ひて、おのくそのさかひをたもたしむ。いかんぞゆくべき ③くにをすておき、あへてこのところをうかゴふやとの玉ひて。す ④なはちみぐしをあげてみづらになし。みもをひきまつひて。は       ぎょとう ⑤かまになし、すなはち。やさかにのいほっみすまるをもて、[御言/  これをいふ

 此云乙

  み す   まると ⑥[美須/磨屡乙そのみいなだき、をよびたぶさにまつひ。またそびらに          せんせんこれをいふ    ち のりと ⑦ちのりのゆきと、[千言此亜門/知能梨乙いほのりのゆきとをおひ       れういこれを  いふ  いっと ⑧たゴむきに、いつのたかがらをはき、[稜威此/云二伊都乙ゆはずをふ  り く三十五裏V        イ ①たて、たかゴひをとりしばり、かたにはをふんで、むかも﹀に        しくさん    を ②ふみおとし、あはゆきのごとくもてくゑはら﹀かし、[蹴散/此十二]   くゑはら らかすと        ゆうかう を   をたけ ③[空誉簸羅/々箇須乙いつのをたけびをふるはし[雄馬此云二/鳥桑園  びと  眉乙いつ        さくりやう  を     こ ろ びと ④のころびをおこして、[噴譲此云二/累盧砒乙たゴになじりて、とひ玉  ひ ⑤き。そさのをのみこと、こたへての玉はく。やつかれはじめより。き ⑥たなきこ﹀うなし。たゴしかぞいろはのみこと、すでにいつく ⑦しきみことのります、ひたふるにねのくに﹀まかりなんとす。 ⑧もしあねのみこと﹀、あひまみえずは。やつかれ、いかんそよく <三十六表﹀ ①あへてまからん、こ﹀をもて、くもきりをふみわたり、とほうより ②きつ、おもはずあねのみこと、かへりていかり玉はんといふことを。と ③きにあまらすおほんがみ。またとひての玉はく。もししからば。 ④まさになにをもて、いましがきよきこ﹀ろをあかさん。こたへ ⑤ての玉はく。こふあねのみこと﹀。ともにうけはん、それうけひの       せいやくし  ちう  を    う  け ひ の み な かと ⑥みなかに[誓約之中此云二宇/憂欝能美難箇乙かならずまさにごをう  む ⑦べし。もし。やつかれうめらん、これをんなごならば、すなはちきた ⑧なきこ﹀ろありとおぼせ。もしこれをのこゴならば。すなはちき く三十六︷畏﹀ ①よきこ﹀ろありとおぼせ。こ﹀にあまてらすおほんがみ、すな ②はちそさのをのみことの、とっかのつるぎをこひとり、う

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享保版假名神代紀について(一) 194 (59) ③ちをりてみきだになし。あまのまなみにふりす﹀ぎ、さかみ       かつぜんしょしやく  を     さ か み に か むと ④にかんで、[瞭然唖噛此云二/忘我彌爾加武一]ふきうつるいぶきのさ  ぎり    すいき き ほん し かふむ を   ふ き  う つ る い ぶ き の さぎ りと ⑤に、[吹棄氣噴之狭霧此云二浮枳/干都屡伊浮岐能佐擬理乙うまる﹀か  みを、なつ ⑥けてたごりひめといふ、つぎにたきつひめ、つぎにいちきし ⑦まびめ、すべてみはしらのひめがみます。すでにしてそさのを ⑧のみこと。あまてらすおほんがみの、みいなだき、をよびたぶさ ︿三十七表﹀ ①にまかせる。やさかにの、いほっみすまるをこひとり。あまのまな ②みにふりす﹀ぎ。さかみにかんで。ふきうつるいぶきのさぎりにうま ③る﹀かみを。なづけまつりて。まさやあかっくのはやひあまのおし ④ほみ﹀のみこと﹀まうす。つぎにあまのほひのみこと[これいつもの/  おんはじの] ⑤[むらじらがとほ/つおやなり﹂つぎにあまつひこねのみこと︹これお  ふし。かうちのあ/たひ。やましろのあた] ⑥[ひらがとほ/つおやなり]つぎにいくつひこねのみこと、つぎにくま  の﹀くす ⑦ひのみこと、すべていつはしらのひごがみます。このときあまて ⑧らすおほんがみ、みことのりしての玉はく。そのものだねを ︿三十七裏﹀ ①たつぬれば、すなはちやさかにのいほっみすまるは、これあ ②がものなり。かれそのいつはしらのひごがみは、ことぐくこれあ ③がこなりとの玉ひて。すなはちとりてひたし玉ふ、またみこと ④のりしての玉はく。そのとっかのつるぎは、これぞさのをのみ ⑤ことのものなり.かれこのみはしらのひめがみは、ことぐく ⑥これいましがこなりとの玉ひて。すなはちそさのをのみこ ⑦とにさづけ玉ふ、これすなはちつくしのむながたのきみ ⑧らがいっきまつるかみこれなり。 ︿三十八表﹀

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うして、ものをしのぐのこ﹀ろあることをしろしめせり。その﹀ あるふみにいはく。ひのかみ。もとよりそさのをのみことの。たけ ぽりいたるにをよびて、すなはちおぼさく、おとのみことのき まするゆゑは、これよきこ﹀うにあらじ。かならずまさに、あが あまのはらを。うばはんとならんとの玉ひて。すなはち ますらをの、たけきそなへをまふけ玉ふ。みにとっかの つるぎ、こ﹀のつかのつるぎ、やつかのつるぎをはき。また。 そびらにゆきをおひ。また。たゴむきに、いつのたかがらを ︿三十八裏﹀

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はき、てにゆみやをとり。みつからむかへてふせぎ玉ふ。このと きに、そさのをのみこと、まうしての玉はく。やつかれもとよ り、きたなきこ﹀うなし。たゴあねのみこと﹀、あひまみ えんとおもふ。たゴしばらくまうきつらくのみ。こ﹀にひの かみ、そさのをのみこと﹀ともに。あひむかひて、た﹀して うけひての玉はく。もしいましがこ﹀ろきようしてしのぎ うばはんといふご﹀ろあらぬものならば、いましがなさんこ かならずまさに、ますらをならんとの玉ひをはりて。まつ ︿三十九表﹀ ①みはかせる、とっかのつるぎををし、みこをなす、おきつしまび ②めとなつく。またこ﹀のつかのつるぎををし、みこをなす、 ③たきつひめとなつく。またやつかのつるぎををし、みこ ④をなす。たごりひめとなつく。すべて、みはしらのひめがみ

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⑤ます。すでにして、そさのをのみこと、そのくびにうなげる、 ⑥いほっみすまるのにをもて、あまのぬなみ、またのなは、 ⑦いざのまなみにふりす﹀ぎこれを﹀す、すなはちみこを ⑧なす、まさやあかっくのはやひあまのおしほねのみこと く三十九裏V

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とまうす。つぎにあまつひこねのみこと、つぎにいくつ ひこねのみこと、つぎにあまのほひのみこと、つぎにくま の﹀おしほんのみこと、すべていつはしらのひごがみます。かれ そさのをのみこと、すでにかつしるしをえつ、こ﹀にひのか み、まさにそさのをのみことの。もとよりきたなきこ﹀うな きことをしろしめして。すなはちひのかみのあれませる、み はしらのひめがみをもて、つくしのくに﹀あまくだりまさ しむ。よてをしへての玉はく。いましみはしらのかみは。よう ︿四十表V

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あるふみにいはく。そさのをのみこと、あめにのぼりまさん りて、あめみまこのためにいかつれよ。 しくみちのなかにくだりまして、あめみまごをたすけまつ とするときに、ひとりのかみあり、なは、はあかるだま。こ のかみむかへまつりて、みつのやさかにのまがたまをたてま つる。かれそさのをのみこと、そのたまをもて、あめに まうつ。このときに、あまてらすおほんがみ、おとのみことの、 きたなきこ﹀ろあらんとうたがひ玉ひて、いくさをおこし ︿四十裏﹀ ①てとひたまふ。そさのをのみこと、こたへての玉はく。やつかれまう ②くるゆゑは。まことにあねのみこと﹀、あひまみえんとおもふ。 ③また﹀からのみつのやさかにのまがたまをたてまつらんとお

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もふのみ、あへてことこ﹀ろあるにあらず。ときにあまてらす おほんがみ、またとふての玉はく。いましがいふこと、いつはりまこ とを、まさになにをもてかしるしとせん。こたへてのたまはく。 こふやつかれあねのみこととともにうけひたてん、うけひ のみなかに、をんなごをなさば、きたなきこ﹀ろありとお く四十一表﹀

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ぼせ。をのこゴをなさば、きよきこ﹀ろありとおぼせ、すなは ちあまのまなみ、みところをほりて、あひともにむかひたつ。 このときに、あまてらすおほんがみ、そさのをのみことにかたり てのたまはく。あがはかせるつるぎをもて、いままさにいまし にたてまつらん、いましはいましがもたる。やさかにのまがたまを もてあれにくれよ、かくちぎりて、ともにあひかへてとり玉ふ。す でにして、あまてらすおほんがみ、すなはちやさかにのまがたま をもて、あまのまなみにうけよせて、にのはしをくひたちて。 ︿四十一裏﹀

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ふきいつるいぶきのみなかになるかみを、いちきしまびめの みこと﹀なつく。これはおきつみやにますかみなり。また。にの なかをくひたちて。ふきいつるいぶきのみなかになるかみを、 たごりひめのみこととなつく。これはなかつみやにますかみ なり。また。にのを﹀くひたちて。ふきいつるいぶきのみなかに なるかみを、たきつひめのみこと﹀なつく。これはへっみや にますかみなり。すべてみはしらのひめがみます。こ﹀にそ さのをのみこと、もたるつるぎをもて、あまのまなみにうけ ︿四十二表﹀ ①よせて、つるぎのすゑをくひたちて。ふきいつるいぶきのみ ②なかになるかみを、あまのほひのみこととなつく。つぎにまさ

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享保版假名神代紀について(一) 192 (61)

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やあかっくのはやひあまのおしほねのみこと、つぎにあま つひこねのみこと、つぎにいくつひこねのみこと、つぎに くまの﹀くすひのみこと、すべていつはしらのひごがみます ,としかいふ。 あるふみにいはく。ひのかみ、そさのをのみこと﹀、あまのやす がはらをへだて﹀、あひむかひて。すなはちうけひをたて﹀。 ︿四十二裏V

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の玉はく。いまし。もしあたなふご﹀ろあらざるものならば、 いましがうめらんこ、かならずをのこならん。もしをのこをう めらば、あれもてことなして、あまのはらをしらしめん。こ﹀に ひのかみ、まつそのとっかのつるぎををし。あれますみこ、 おきつしまびめのみこと、またのなは、いちきしまびめの みこと、またこ﹀のつかのつるぎを﹀し、あれますみこ、た きつひめのみこと、またやつかのつるぎを﹀し、あれますみ こ、たきりひめのみこと。すでにしてそさのをのみこと、 ︿四十三表V

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そのひだりのもとゴりにまかせる、いほっみすまるのにをふくみ て、ひだりのてのたなうちにおいて、すなはちをのこを なす。すなはちことあげしての玉はく、まさやあれかちぬ、か れよてなづけて、かつのはやひあまのおしほみ﹀のみこと とまうす。またみぎのもとゴリのにをふくみて、みぎのての たなうちにおいて、あまのほひのみことをなす。またみく びにうなげるにをふくみて、ひだりのたゴむきのなかにおい て、あまつひこねのみことをなす。またみぎのたゴむきの く四十三裏﹀ ①なかより、 いくつひこねのみことをなす。またひだりのあし

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のなかより、ひのはやひのみことをなす。またみぎのあし のなかより。くまの﹀おしほんのみことをなす。またのなは くまの﹀おしずみのみこと。そのぞさのをのみことのうめ るみこ、みなすでにひごがみなり。かれひのかみ、まさに       はしめより そさのをのみことの、もとよりきよきこ﹀ろありとしろし めし。すなはちそのむはしらのひごがみをとりて。もてひのかみ のみことなして、あまのはらをしらせしむ。すなはちひの く四十四表﹀

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⑥この﹀ちに、 ⑦とならばあまてらすおほんがみ、 ⑧たとし玉ふ。 ︿四十四裏﹀     ぢうはしゅし   を     し き ま きと       き   を     は ①きし、[重播種子此/云国璽墨磨枳一]またあをはなち[殿此云二/波  な つと  那豆乙あきは ②すなはちあまのぶちごまをはなち、みたのなかにふさしめ。またあ ③まてらすおほんがみ、にはなひきこしめすときをみて、すなはち ④ひそかに、にはなひのみやにけがしす。またあまてらすおほんがみの、 ⑤まさにかんみぞをおりつ﹀、いんはたとのにましますをみて、す ⑥なはちあまのぶちごまをさかはぎにして、みあらかのいらかを ⑦うがちてなげいる。このときにあまてらすおほんがみ、おどろき玉 ⑧ひて、かひをもてみをいたましむ。これにょていかりまして、すな かみのあれませる、みはしらのひめがみをもて、あしはらの なかつくにのうさのしまにあまくだりまさしむ。いまうなのき たのみちのなかにます、なづけてみちぬしのむちとまうす。 これつくしのみぬまの、きみらが、いっきまつるかみこれなり。  ぜんはかんなり    をいふ ひと [燥干也/此云レ備]      そさのをのみことのしわざ、はなはだあぢきなし。いかん        あまのさなだ、ながたをもてみ      ときにそさのをのみこと、はるはすなはちしきま

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