震災時における
介護支援専門員の役割
一般社団法人日本介護支援専門員協会
副会長 森上 淑美
東日本大震災における
日本介護支援専門員協会の活動
3月11日(金)地震発生 ・災害対策本部を設置(本部長:木村隆次会長) ・ネット経路寸断のため、ファクシミリ等で被災地情報収集に努める 3月16日(水)第2回災害対策本部会議 ・先遣隊として、副会長3名を岩手県・宮城県・福島県に3日間派遣 ・ケアマネジャー・ボランティアの募集開始 3月21日(月) 被災地にケアマネジャー・ボランティアの派遣開始 3月23日(水) 宮城県災害対策本部設置(宮城県自治会館内) 3月30日(水) 岩手県災害対策本部設置(岩手県社会福祉協議会内) 4月 3日(日) 福島県災害対策本部設置(郡山市 福島県介護支援専門 員協会・福島県社会福祉士会合同事務所)主な活動場所・内容
避 難 所:個別アセスメント、現状の情報収集(高齢者等の
実態把握等)、生活不活発病注意喚起、感染症
蔓延防止・一斉清掃、要援護者のスクリーニング
、行政への引き継ぎ
在宅世帯:個別訪問、健康・栄養スクリーニング
仮設住宅:世帯調査及び調査票作成、二次介護予防事業
対象者の実態調査、生活及び健康調査
そ の 他:介護保険申請者の認定調査、基本チェックリスト
の作成、調査結果入力業務 等々
津波被害を受け、地図にあ
る家がなかったり居住され
ていない家も数多く確認さ
れた!
津波被害がない高台地
域でも、津波で家族が
さらわれ、現在も行方
が解らない状況など心
痛な状況も数多くあっ
た。
訪問調査後、女川町
地域包括支援セン
ターへ報告。
宮城県自治会館内災害
対策室
208号室
へ戻り、
日本CM協会へ活動報
告(FAX)
翌日の活動ミーティン
グを開催。
持物:JCMA腕章・名
札・
携帯(リーダー)
移動:日本協会のレンタ
カーにて(参加者
で運転交替)
活動備
品
避難所における介護等の提供体制について
避難所 要介護高齢者 ケアマネジャー ※アセスメント ホームヘルパー ※介護サービス 宮城県長寿社会政策課 連絡調整 避 難 所 の ニ ー ズ 把 握 仙台市介護保険課 避 難 所 の ニ ー ズ 把 握 東北厚生局・宮城現地対策本部 厚生労働省老健局振興課 ●宮城県自治会館(3/25~) ●日本介護支援専門員協会 ●日本介護福祉士会 ●日本ホームヘルパー協会 ●リハ支援関連10団体会議 日本介護支援専門員協会 ※宮城県外のケアマネジャーの募集 派 遣 日本介護福祉士会 ※宮城県外の介護福祉士等の募集 避 難 所 の ニ ー ズ 把 握 宮城県 ケアマネ協会 派遣 派遣 宮城県 介護福祉士会 (せんだんの丘) 宮城県薬剤師会 派 遣 派 遣 リハ医 PT.OT.ST 平成23年4月18日(月) 派 遣 ボランティア派遣人数 (5/19現在) 岩手県 延べ人数 61人 実人数: 14人 宮城県 561人 148人 福島県 12人 4人2012.7.13 日本介護支援専門員協会メルマガより
大雨により被災した要介護高齢者等への対応について
熊本県、大分県の会員の皆様へ 大雨等に被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上 げます。 ★厚生労働省より熊本県、大分県の介護保険担当主管部(局)に 対して、被災した要介護高齢者等への対応についての事務連絡 が発出されています。 全文は当協会ホームページでご確認下さい。 (大分県は7月4日付の事務連絡と同じ対応が可能です) ↓ 熊本県 http://www.jcma.or.jp/images/120704ooameinfo_ooita.pdf 大分県 http://www.jcma.or.jp/images/120704ooameinfo_ooita.pdf(以下抜粋) ○居宅サービスは居宅において介護を受けるものとしておりますが、 自宅以外の場所(避難所や避難先の家庭、旅館等)で生活している 場合でも必要なサービスを受けられるよう、保険者である市町村に おいては、介護サービス事業者や居宅介護支援事業者等に協力を 依頼するなど柔軟な対応をお願い致します。 ○介護保険施設、短期入所生活介護、短期入所療養介護、小規模多 機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、通所介護及び通 所リハビリテーションについては、災害等による定員超過利用が認 められているところです。その際の介護報酬については、利用定員 を超過した場合でも、特例的に所定単位数の減算は行わないことと しており、この場合において、通所介護費等の算定方法にかかわら ず所定の介護サービス費の対象とします。また、特定施設入居者生 活介護についても同様と致します。なお、被災のため職員の確保が 困難な場合においても、同様に所定単位数の減算は行わないことと します。
一般社団法人 日本介護支援専門員協会
JCMA Japan Care Manager Association
介護支援専門員 災害対応について
~利用者の命を守り安全・安心な生活を確保し継続できるように~ 平成21年3月31日 「災害対応マニュアル」初版発行 平成21年10月10日 第一版増補発行 平成22年2月28日 改訂版発行12
【介護支援専門員は】
介護支援専門員の職務は,要支援・要介
護認定者など(以下「要援護等」と言
う)に対して,アセスメントに基づいたケ
アプランを作成し,介護全般に関する相談
援助,関係機関との連絡調整を行い,自立
した日常生活を支えているのが介護支援
専門員です。
大きな災害が起きて,要援護者が在宅で暮
らせなくなった時にも、介護支援専門員が
行うことには変わりありません。
(1)平常時から準備しておくこと
13個々の介護支援専門員(事業所単位)
①地域の方たちとの連携
・民生委員や町内会長などの連絡先及び利用者家族の携帯 電話番号等の緊急時連絡先等を複数把握していますか?②利用者が暮らす地域の防災情報の確認
・地域の状況に応じて、地域の介護支援専門員組織または 地域包括支援センターと連携はとれていますか?14
③避難場所等の情報の共有
・利用者が被災した際に想定される一時避難所、避難経路、 避難方法などを利用者本人・家族等とも話し合い、その旨を 家の電話のそば等に貼ってありますか? ・医療依存度の高い利用者や重度の要介護状態の人の避難方 法及び福祉避難所となり得る場所について行政に確認し、本 人、家族、サービス事業者等と共有していますか?④利用者台帳等の整理
・利用者の一覧名簿は作成してありますか? ・利用者一覧表の中に、災害発生当時、優先的に安否確認が 必要な担当ケースがわかるようになっていますか? ・常に担当ケースのファイルには、住宅の地図や緊急時の連 絡先、主治医などの情報を入れてありますか?15
⑤災害時に向けたケアプランの作成
・電源を必要とする器械や器具を利用している利用者の場合、 停電時にはどういう対応をするのか主治医等と話し合いをし て、プランに載せてありますか? ・緊急連絡先、電話番号、想定される避難場所の記載等はあ りますか? ・利用者の安否確認の優先順位をつけた一覧表の作成してい ますか?⑥職員間の連絡方法の取り決め
・自発参集などの取り決めはしてありますか? ・介護支援専門員として、いざとなったときに、どのような 避難行動支援が可能か普段から話し合っていますか? ・人的被害、建物被害、ライフライン被害などがあった場合 は、それを取りまとめ、市町村など関係機関に報告すること を皆で共有してありますか?16
発災後行うこと
利用者の安否確認
(ア)生存の確認
(イ)身体の状況の確認
(ウ)生活環境の確認
(エ)今いる場所で以前の生活が続けられるか
(オ)サービスの継続及び変更の必要性の確認
(カ)緊急対応の必要性の確認
在宅・一般避難所・福祉避難所・病院へ
連れていくのか
(キ)(必要なら)緊急入院・入院先の選定
災害机上訓練
机上訓練
日時:平成23年3月5日(土) 10:30~16:55 会場:主婦会館(東京都千代田区六番町) 【参加者コメント】 ・机上訓練を行うことで、足りないこと、分かっていること こと、がはっきりした。このような研修会は繰り返し行った 方がよい。 ・机上訓練が非常にリアルで、自分達がすべきこと、各機関 とやることが現実に近い内容で考えられた。 ・災害が起こることを想定して、マニュアルを作っておかな ければ、どの様に動いていくのか共通認識出来ないと確認 できた。 ・市や県の役割等が少しずつ分かってきて良かった。又、災 害発生以前にどんな準備が必要か等、大変勉強になった。日時:平成24年1月9日(月) 10:00~16:30 会場:大阪府社会福祉会館 日時:平成24年1月23日(月) 10:00~16:30 会場:全理連ビル (東京都渋谷区代々木) (大阪府大阪市中央区谷町)
【参加者コメント】
・訓練は必要であり、継続すべきものと考える。想定の仕方
によって、災害対策が違っていくことが実感できた。
・地域でも使えそうな方法。色々な状況や立場でバリエーシ
ョンをつけて実施できると思う。参考になった。
・本当に必要な訓練だった。とても燃えた。理解を深める事
が出来た。是非、地域支部での訓練開催をして欲しい。
机上訓練用資料は日本介護支援専門員協会 会員専用サイト掲載 ( https://www2.jcma.or.jp/login.aspx )・投映用シナリオ【Power Point】 ・トークシナリオ兼進行表【Word】 ・依頼・質問(要望シート)【Word】
東日本大震災をふまえて
大震災に係る介護支援専門員の
高齢者対応に
関する会議で明らかになった課題
一般社団日本介護支援専門員協会
平成24年8月
改訂版「災害対応マニュアル追補版資料集」
課題 ① 役割の規程→いざ災害対応する時の役割が不明瞭 ② 活動範囲の規程→同じ被災地でも地域や場所等により温度差 ⇒役割と活動範囲の規程を一般的に定めておき、発災時には何らか の宣言のようなものが必要! 活動のスコープ(範囲) 役割の規定 活動範囲の規定 高齢者総合相談支援 同じ県内でも被災地/そうではない 避難している要介護者の 死者が多い/そうでもない 保護支援 生活支障・生活ニーズ把握 避難所/在宅 生活支援 沿岸/内陸 介護と生活の視点からの発信 「つなぐ」