第4回
情報伝送工学
高周波用伝送線路(周波数による分類)
伝送線路の例(用途、構造および周波数)
高周波伝送線路に関するキーワード
高圧電線(三線, 50~60Hz) 電話線(平行二線, 20Hz~20kHz) TV放送 (同軸線路, 90MHz~770MHz) ・高周波数(高速) ・・・ より高い周波数の情報を伝送できる構造 レーダ機器 (導波管, 2GHz~100GHz) 光伝送 (光ファイバ390THz~790THz) 光集積回路,導光板 (光導波路 390THz~) ・高電力 ・・・ 大きな電力に耐えられる構造 ・低損失 ・・・ 情報を低損失で伝送できる構造や材質 ・安価 ・・・ 安価で実現できる構造 図3.1 さまざまな伝送線路 A.Schelknoff et.al. 1934. プリント基板、MMIC (マイクロストリップ線路 DC~100GHz) 壁の反射角 が小さいと 外部に放射 しない 誘電率の高い ところに光が閉 じ込められる ・曲げにより特性インピーダンスが変化 ・開放構造なので振動数が高くなると磁 界が反射伝送線路と線路インピーダンス 近年のコンピュータは処理速度の高速化が進み、これに伴い付属機器との信号の やりとり、すなわちデータ伝送の高速化が必要となってきている。 通信速度が速くなると、従来あまり問題とならなかった電線自体の線路インピーダンス が伝送に大きな影響を及ぼすようになる。 たとえば、同軸線路の線路インピーダンスは中心導体と外導体の比で与えられるが、 図のように発振器および同軸線路のインピーダンスが75Ωの場合でも、終端部がオー プンされた場合には信号はすべて開放面で反射され、いわゆる全反射の状態となる。 そこで一般に、終端部(受信機器)のインピーダンスは発振器及び線路のインピーダン スと一致させる必要がある。 75Ω 75Ωケーブル 入射波 全反射 オープン 75Ω 75Ωケーブル 入射波 反射波なし 75Ω終端 差動伝送回路 差動伝送方式とは、図に示す様に送信側では2本の信号線に極性の異なる信号(一方 が+の場合には他方は-であり、お互いの位相差が180°)を送り、受信側ではこの2つの 極性の異なる信号を差動増幅器を用い受信し、合成出力する伝送方式である。 マイクロストリップと不平衡線路 マイクロストリップラインなどの不平衡線路では高速デジタル信号波形がくずれやすい。 そのためデジタル伝送では平行線路である差動伝送回路が用いられる場合がある。 この点にはピークtoピークの 交流電圧波形が観測される
信号の極性が 反転している Zd1 100Ω Zd1 100Ω おのおののマイクロストリッ プ伝送線路としての特性イ ンピーダンスはZ0 =50Ω Zd2 64Ω + -×1.0 1 0 2 0 -2 0 IEEE1394やUSBなどの高速なデジタル伝送では、伝送線路に差動方式が採用されてい る。この方式は2つの伝送回路間ではお互いに極性が異なる信号を用いるため ① 伝送線路に発生する磁界が打ち消されてプリント基板から外部に放射しにくい という特徴があり ② 振幅レベルの低い信号の伝送に適している。 さらに、2つの伝送線路を平衡(バランス)するように構成されるため ③ コモンモードノイズ(信号ラインとリターンに同じ方向に流れるノイズ電流)が発生 しにくく また外部からこの2本の伝送回路に重畳したコモンモードノイズ(外部からの同じ振幅や位 相で重畳するノイズ)は受信側の差動アンプによってキャンセルされるという利点がある。 差動伝送方式の問題点として、以下の様な状態では平衡状態が崩れてノイズが混入する ことが知られている。 ・2つの差動伝送線路の特性インピーダンスに差異がある場合 ・極性の異なる信号に対するICの特性に差異がある場合 (ICの立ち上がり、下がり時間、振幅、デューティーの差など) + -×2 a b c f g -1 0 ここは絶対64Ωで終端される 差動ラインとしては Zd =64Ωに見える タイミングチャート 1 0 a b c 2 0 -2 0 磁界打消し d e 1 0 1 0 v0 - オペアンプの出力イ ンピーダンスは0Ω なので左図およびp5 の等価回路の様に 実際にはd, e部にそ れぞれ+2V,-2Vが 発生する 1 -1 0 差動入力に対して演算に よりデジタル信号を出力 入力インピーダンス∞
この構造の伝送線路の動作原理について、等価回路を用いて考えてみると、まず差動 対の入力信号v1 は入力端子d点においてインピーダンスZd1 に接続されておりオペアンプ の出力インピーダンスは0Ωだからbとcとはショートしている。これより、Z0 =50Ωの時に差 動線路としての線路インピーダンスはZd =64Ωであり、オペアンプの入力インピーダンス は無限大である。また、Zd1 =Zd2 =100Ωならd-e点から左側を見たインピーダンスは Zd1 +Zd1 =2・Zd1 である。これより、v1 の入力に対する電圧反射係数Γは となるので透過電圧T もv0 /2となる。さらに、この入射波はd点にてZd に接続されており、 負荷抵抗Zd1 とZd2 が差動ラインZd を介してすべて整合された状態ではf点にて抵抗Zd2 に すべて吸収されるが、その際f点における電圧降下時の電位はv2 /2となる。 もう一方の入力信号v2 も同様に動作することにより、受信端gにおける信号はv2 /2となる。 これより 受信端の終端抵抗Zd2 の両端にはf点とg点との電位差として
1 2
2 1 2 1 2 2 v v v v の電圧が出力される。つまり、v01 =2V、v02 =-2Vの時にはv1 =2V、v2 =-2Vとなる。これより 1 1 1 1 1 2 1 515 . 0 264 136 64 200 64 200 64 100 2 64 100 2 2 2 v v v Z Z Z Z d d d d
V vout 1 1 1 2 1 よって1.0倍のオペアンプによりもとのv0 なる電圧が出力される。 差動ライン(Zd ) Zd2 v01 v02 Zd1 Zd1 d e
1 2
2 1 v v vout 1 v 2 v 2 1 v 2 2 v f g b c オペアンプの入力 インピーダンス∞ オペアンプの出力インピーダンスよりショート 1 0 -1 0 マイクロストリップラインによる差動伝送回路 高周波(高速)信号をプリント基板上に伝送させる場合にも、線路インピーダンスを考 慮する必要があり、その最も一般的な形状が図に示すようなマイクロストリップラインで ある。 この伝送線路は上下が非対称なうえ、上部の金属パターンが有限の幅及び厚さを持 っているために厳密な線路インピーダンスを求めるためには非常に複雑な計算過程を 必要とするが、実用上よく用いられる簡易な式をここに紹介しておく。 2 0 -2 0 Zd1 を通過すると電圧は半分に上部導体 εr t w 地導体 h 図のような地導体の上に誘電率εr 、厚さhの誘電体基 板が張られ、その上に厚さt、幅wの金属パターンが配 置された構造において、線路の特性インピーダンスは 近似的に
t
w
.
h
.
ln
.
Z
r0
8
98
5
41
1
89
0
で与えられる。また、下図のようにwの幅を有する上 部導体をlの距離を隔てて2つ並べた場合の特性イン ピーダンスは近似的に εr t w 地導体 h w l
h l dZ
e
Z
2
01
0
.
48
0.96 となる。一例として、マイクロストリップラインおよび差動ストリップラインの設計例を示す。 パターン幅w=3mm、基板厚h=1.6mm、導体厚t=18μm、プリント基板の比誘電率εr =4.5 の場合、マイクロストリップラインの線路インピーダンスはΩ
50
018
.
0
3
8
.
0
6
.
1
98
.
5
ln
41
.
1
5
.
4
89
0
Z
となり、2導体での作動インピーダンスはΩ
64
48
.
0
1
50
2
1.6 5 . 0 96 . 0
e
Z
d となる。USB(Universal Serial Bus)
主にパソコンと低・中速周辺機器との接続用として普及しており、テレビチューナー、 ADSLモデム、携帯電話、プリンタ、メモリなど様々な機器が接続可能となる規格である。 また、今までのインターフェース(シリアル、パラレル)の接続が1対1であったのに対し、 USBでは1対複数の接続が可能である。 通信スピードも、従来のSCSIやRS232Cが数100bpsであったのに対して、USB1.1では 1Mbps、12Mbpsでの通信が可能であり、USB2.0(ハイスピードモード)では最大480Mbps が実現されている。 これらに用いるケーブルは2本の信号線を対にしたツイストペアであり、差動方式にて通 信が行われる。 IEEE1394 高速シリアルインターフェースとして開発されたIEEE1394はUSBと同様に差動伝送であり、 最大速度がIEEE1394aでは400MBps,1394bでは800Mbpsが実現されている。 主にデジタルカメラやデジタルビデオカメラなどのデータ転送用として使用されている。
1ビット幅 480Mbps 周波数:240MHz (周期:4.16ns) USB2.0におけるビット幅と通信周波数
印刷は省略
同軸線路とその特性インピーダンス
伝送線路の他の機器との接続のためには、特性インピーダンスの把握が必要であ るが、低周波伝送線路に対しては図の様な等価回路で置き換えることができるので、 静電・磁界近似(周波数零)の条件より、単位長さあたりの自己インダクタンスと静電 容量との比からインピーダンスを計算 する。 D d 中心導体にI[A]の電流を流すと、その周り に右ネジ方向の磁界H[A/m]が中心からの 距離r[m]に反比例して、r
I
H
2
・・・(3.1) H の関係で発生する(アンペアの法則)。I
d
H
H
d
H
d
H
2rd
H
r
I
02
について 円周 TEMモードでの伝送線路の特性インピーダンスは、静電・磁界中における同軸線路の 中心から放射方向の線経路に発生する自己インダクタンスL0と静電容量C0との比より 次式で求められる。 0 0C
L
Z
o
・・・(3.2) また、電流I[A]が流れている電線にはφ0 =L0 ・Iなる関係があり、L0 が求まれば誘電 率と透磁率との関係からC0 も求まることが知られている。 そこで、(3.2)式のL0とC0を求めることを考える。まず、図3.3の線経路rにおける磁束 φは長さがl[m]の伝送線に対して次式で求められる。 図3.2 同軸線路
/2 2 / D dBdr
l
・・・(3.3) 2 D 回転方向に一様な磁界なので 2 d r 図3.3 解析モデル 中心から外側までの 磁束密度を積分 電界は 放射状に発生 磁束ここで、磁束密度は
B
H
0
であり、r
I
H
2
であるから(3.3)式の磁束は
/2 2 / 2 / 2 / 0 0 2 / 2 / 02
log
1
2
2
D d D d e D dl
r
I
dr
r
l
I
dr
r
I
l
・・・(3.4)
d
D
l
I
d
D
l
I
d
D
l
I
e e e elog
2
2
2
log
2
2
log
2
log
2
0 0 0 となる。さらに、磁束φとインダクタンスLとの間には
L
I
なる関係があるから、これに(3.4)式を代入すれば
d
D
l
I
d
D
l
I
I
L
elog
e2
1
log
2
0 0 ・・・(3.5) となる。よって、線路断面の自己インダクタンスL0は、Lを長さl
で規格化すれば
d
D
l
d
D
l
l
L
L
elog
e2
1
log
2
0 0 0 ・・・(3.6) となる。また、C0はL0より直ちに求まる。すなわち、 0 0 0 0L
C
l
C
l
L
s
・・・(3.7) が得られるから、線路断面の静電容量は 0 0 0 0L
C
s
・・・(3.8) 電流 l C Iが消える および l L なる関係よりとなるので、この式に(3.6)式を代入すれば
d
D
d
D
C
e s e slog
2
log
2
0 0 0 0 0 ・・・(3.9) となる。このことより、(3.2)式にL0およびC0を代入すれば s e e s ed
D
d
D
d
D
C
L
Z
0 2 2 0 0 0 0 0 0)
2
(
log
log
2
log
2
d
D
e slog
2
1
0 0 ・・・(3.10) となる。ここで、μ0はおよびε0はそれぞれ、真空の透磁率および誘電率であり、 7 04
10
12 08
.
854
10
であって、
120
0 0 だから、 与式は
d
D
d
D
e s e slog
60
1
log
2
120
1
d
D
d
D
d
D
e e elog
303
.
2
1
10
log
log
log
10 となる。 さらに、 ・・・(3.11) なので、 (3.11)式は
d
D
d
D
s s 10 10log
138
log
303
.
2
60
1
となる。・光ファイバの導波モードと挿入損失
光の長距離伝送 → 光ファイバ・光ファイバの特徴
1.低損失(0.2dB/km以下) 2.広帯域 4.曲げ易い 6.断面積が小さい(1本当たり直径125μm程度、保護層を含めて1~2mm) 3.軽量 5.電磁誘導(高圧線)の影響を受けない・光ファイバの基本構造
光ファイバの基本構造は図12.7(a)に示す誘電体のみにより構成される導波路 であり、誘電体部のみに光(電磁波)を閉じ込める為に外側に金属導体を配置す る必要が無く、壁面電流が流れない為に導体損が発生せず低損失となる。 但し、単一モードのみを伝搬させる為この導波路の径を数μm程度と小さくする 必要があり、この寸法を機械的に保持するのは難しい為、一般的な光ファイバは 図(b)の様な外側に低誘電率なプラスチックなどを配置することにより問題を解決 している。 図12.7 光ファイバの基本構造 (a).誘電体導波路 (b).クラッディングととコアによる光ファイバの構成 クラッディング コア・光ファイバの種類
1.単一モード(single mode)ファイバ 階段形分布屈折率を持ち、伝搬モードをドミナント(基本)モードだけにする為にコア径を数 μmとする。帯域幅は広いが接続が難しく、曲がり損失も他のファイバに比べて大きい。光源 は単一波長(周波数)である必要があるためレーザを用いる。 2.多モード(multi-mode)ファイバ 発光ダイオード(LED)の様な使い易い光源を利用する為のファイバであり、LEDが発する光 がイン・コヒーレントでありスペクトルが広い為に多モードを伝搬させることになる。基本的には コアの径および屈折(誘電)率によって単一モードか多モードかが決定される。 (同軸管は8dB/km) 7.落雷の影響を受けない (低誘電率プラスチック) (高誘電率石英ガラス) 不純物を除去して低損失化 過去にミリ波円形導波管の高次モード伝送が極低損失であることが発見されたが、ベンド部における不要モード の発生の問題があり、その後光ファイバが開発され急速に発展したため、この方式は実用化されなかった。・・・(12.1)
・光ファイバの基礎方程式
光は電磁波であるから、内部の伝搬モードや伝搬可能な波長を知る為にはマクス ウェルの方程式に境界条件を代入して伝搬モードの解を得る必要がある。ここでは 図12.7(a)のクラッディングの無い構造を例として、これらの導出を行う。 まず、電界および磁界は次のヘルムホルツ方程式を満足する。0
* 2 0 2
E
k
E
0
* 2 0 2
H
k
H
・・・(12.2) である。さらに、∇はベクトル演算子でありE
E
E
2(
)
・・・(12.3) と計算される。解析を行う形状は断面積が円形であるが、このような形状の数学的 な計算を行う為にはデカルト座標よりも円筒座標の方が都合が良い。そこで、図1 2.7(a)の構造に対して、さらに図12.8の様に円筒座標の成分を割り当てる。 図12.8 光ファイバの円筒座標・解析モデル φ r z ここで、直交座標におけるスカラー型ヘルムホルツ方程式はEx を用いて0
* 2 0 2 2
x xk
E
y
E
となる。さらに ここに
2
0
k
,f
c
・・・(12.4) x,y,z成分をすべて満足であるから、この式を(12.3)式に代入すると r r r r r r
a
E
r
r
E
z
E
E
r
r
E
r
r
E
E
2 2 2 2 2 2 2 2 2 21
1
2
・・・(12.7)
E
a
r
r
E
z
E
E
r
r
E
r
r
E
r
2 2 2 2 2 2 2 2 22
1
1
z z z z za
z
E
E
r
r
E
r
r
E
2 21
1
2 2 2 2 2 となる。Hについても同様の式を得る。従って、EzとHzに関する波動方程式はaz 成分 の電磁界成分のみを用いてz
A
y
A
x
A
A
x y z
となるが、円筒座標では半径方向の座標rに関連して
z
A
A
r
A
r
r
r
A
r z
1
1
0
1
1
2 * 0 2 2 2 2 2 2 2
z z z z zk
E
z
E
E
r
r
E
r
r
E
・・・(12.8)0
1
1
2 * 0 2 2 2 2 2 2 2
z z z z zk
H
z
H
H
r
r
H
r
r
H
・・・(12.9) 単位 ベクトル 直交座標ではAの発散(divA)はスカラー積として・ ・ ・・・(12.5) ・・・(12.6)・・・(12.15) となるのである。そこで、これらの2式についてEzおよびHzに波動因子であるexp(-jβz) が含まれているとすると、これはz方向の微小変化を伝搬定数として
0
)
(
1
1
2 * 2 0 2 2 2 2 2
z z z zE
k
E
r
r
E
r
r
E
・・・(12.11))
0
(
r
a
0
)
(
1
1
2 2 0 2 2 2 2 2
z z z zE
k
E
r
r
E
r
r
E
・・・(12.12))
(
a
r
0
)
(
1
1
2 * 2 0 2 2 2 2 2
z z z zH
k
H
r
r
H
r
r
H
・・・(12.13))
0
(
r
a
0
)
(
1
1
2 2 0 2 2 2 2 2
z z z zH
k
H
r
r
H
r
r
H
・・・(12.14))
(
a
r
となる。解析を行う構造では境界条件はr=aで電磁界の接線成分が連続となるの でφ、zに関係なく条件を表すことができる。この様な場合には偏微分方程式の解 法として変数分離法を適用できる。なお、円筒座標であり三角関数とベッセル関数 が表れるのは明らかである。 ここで伝搬波長λについて考えてみると、電磁波のエネルギーは自由空間に広 がった状態と誘電体中に集中した状態の間にあるから、λの存在できる範囲を 0 * 0
とおくことができる。一方、ファイバ中の伝搬定数βおよび自由空間での波数k0は それぞれ とおけて、ファイバの内外において
2 2z
波長 短縮 ・・・(12.10),
2
・・・(12.16) 0 02
k
となるので、(12.10)式を書き直すと ・・・(12.17) 0 * 0k
k
を得る。従って、新しく2つの量として0
2 * 2 0 2 1
k
・・・(12.18)0
2 0 2 2 2
k
・・・(12.19) を定義する。変数分離法による解には三角関数が含まれるから、この二階微分と の関係である以下の2式である)
cos(
)
cos(
2 2 2
n
n
n
・・・(12.20) ・・・(12.21))
sin(
)
sin(
2 2 2
n
n
n
に着目して(12.11)~(12.14)式を書き直す。すなわち0
)
(
1
2 2 2 1 2 2
z z zE
r
n
r
E
r
r
E
・・・(12.22))
0
(
r
a
0
)
(
1
2 2 2 2 2 2
z z zE
r
n
r
E
r
r
E
・・・(12.23))
(
a
r
0
)
(
1
2 2 2 1 2 2
z z zH
r
n
r
H
r
r
H
・・・(12.24))
0
(
r
a
0
)
(
1
2 2 2 2 2 2
z z zH
r
n
r
H
r
r
H
・・・(12.25))
(
a
r
となり偏微分はr成分のみとなる。これらの一般解は 2 2 2 n
とおくことによって・・・(12.26)
)
0
(
r
a
・・・(12.27))
(
a
r
・・・(12.28))
0
(
r
a
・・・(12.29))
(
a
r
)
cos(
)
(
1 1
A
J
r
n
E
z n)
cos(
)
(
2 2
B
K
r
n
E
z n)
sin(
)
(
1 1
C
J
r
n
H
z n)
sin(
)
(
2 2
D
K
r
n
H
z n となる。ここで、n=0,1,2・・・である。よって、これらの4式および、さらに得られ る他の電磁界成分に対して以下の境界条件 a r z a r zE
E
1
2 a r z a r zH
H
1
2 a r a rE
E
1
2H
1 ra
H
2 ra を適用することにより得られる連立方程式の解を求めれば、その寸法で存在できる モード(姿態)のχ1・r、χ2・rが得られ、この値より各電磁界成分および伝搬定数β が定まる。 *注 途中を大幅に省略 山下著,“電磁波工学入門”pp.154-162, 産業図書より 第1種ベッセル関数 第2種 ベッセル関数 これらの計算によって得られた、光ファイバ内の電界成分の分布図を以下に示す。 図.電界のEz成分の分布概念図・光導波路の構造と伝送モード
但し、 y x z 0 d 領域1 領域2 領域30
)
(
2 2 2 2
x eff r o xk
n
E
y
E
そこで、各領域のx方向の電界を
y x(
y
)
C
e
E
1 1
)
cos(
)
(
y
C
2
2y
E
x 領域1 領域2 領域3 ( y d ) x(
y
)
C
e
E
3 3 ・・・(3.12) ・・・(3.13) ・・・(3.14) である。ここで、C1 , C2 , C3は未知の定数である。したがって、未知数は neffを含めると4つになるので、連立方程式も4つ必要となる。4つの連立 方程式を得るために、電界の接線成分であるExと次式で表される磁界の 接線成分Hzとの関係である 光導波路に存在できる伝搬定数 の計算(neffの決定)y
E
j
H
z x
1
を用いる。すなわち、Exを代入してy に関する偏微分を実行すればTE
nモードの場合
TEモードでは、y方向の電界は存在しないので、マクスウエルの方程式を 満足するヘルムホルツ方程式は、次式のように簡略化できる。 2 1 2 1
k
on
eff
n
2 2 2 2
k
on
eff
n
2 3 2 3
k
on
eff
n
ヘルムホルツ方程式の一般解として領域1 領域2 領域3 y z
C
e
j
)
y
(
H
1 1 1
)
sin(
)
(
2 2
2
C
y
j
y
H
z ) d y ( zC
e
j
)
y
(
H
3 3 3
を得る。 ・・・(3.15) ・・・(3.16) ・・・(3.17) これらのExおよびHzに関する6つの方程式に以下の境界条件を適用する。 x=dにおける電磁界の接線成分の連続性より)
0
(
)
0
(
2 1 x xE
E
)
0
(
)
0
(
2 1 z zH
H
)
(
)
(
3 2d
E
d
E
x
x)
(
)
(
3 3d
H
d
H
z
z x=0における電磁界の接線成分の連続性より これらの4つの方程式を実際に計算すれば ・・・(3.18) ・・・(3.19) ・・・(3.20) ・・・(3.21))
cos(
C
e
C
1 10
2
20
)
cos(
2 1 C
C
→・・・
(3.22)
)
sin(
C
j
e
C
j
1 1 10 2 2 20
)
sin(
2 2 1 1
C
C
→・・・
(3.23)
) d d (e
C
)
d
cos(
C
3 3 2 2
3 2 2cos(
d
)
C
C
→・・・
(3.24)
) d d (e
C
j
)
d
sin(
C
j
3 3 3 2 2 2
→
2C
2sin(
2d
)
3C
3・・・
(3.25)
が求まる。よって、(3.22)式/(3.22)式を実行すれば
)
cos(
)
sin(
2 2 2 1 1 1
C
C
C
C
→
)
cos(
)
sin(
2 1
2 1)
tan(
)
cos(
)
sin(
→
1 2 1 1tan
n
n
1πごとに繰り返し条件が合う
となる。これより
2 1 1 1tan
n
・・・
(3.26)
を得る。また、(3.25)式/(3.24)式を実行すれば 3 3 3 2 2 2 2 2)
cos(
)
sin(
C
C
d
C
d
C
3 2 2 2)
cos(
)
sin(
d
d
→
2 3 2 2 2)
tan(
)
cos(
)
sin(
d
d
d
2 2 2 3 1tan
d
n
・・・(3.27) n2πごとに繰り返し条件が合う となる。また、(3.27)式に(3.26)式のαを代入すれば
2 2 1 1 1 2 2 3 1tan
tan
d
n
n
α
d
n
n
2 1 2 2 1 1 2 3 1tan
tan
改めてnπとおくd
n
2 2 1 1 2 3 1tan
tan
・・・
(3.28)
0
tan
tan
2 2 1 1 2 3 1
d
n
であり、n1、n2、n3はそれぞれの領域における屈折率である。。よって、 この式が成り立つようなある周波数におけるneffが計算できる。そして、 この値から線路の伝搬定数β1が~β3求まる。なお、nは伝搬するモー ドによって異なる値となるが、基本モードではn=0である。 となる。そこで、この式を下記のようなβ1~β3に関する方程式に変形すると・・・
(3.29)
となる。ここで、各領域における伝搬定数 β1~β3は n=0,1,2,・・・鬼頭,河野, “光導波路解析の基礎”,現代工学社
より
2 1 2 1
k
on
eff
n
2 2 2 2
k
on
eff
n
2 3 2 3
k
on
eff
n
そこで、具体的に、f=10GHz、n=0、n1 =1、n2 =10、n3 =1の場合について、