理 学 療 法 学
第28巻 第
5
号
2H
−
219 真 〔2(){〕1年} 211原
著
在
宅 脳
卒 中
患 者
に
お
け
る
心
理
的
QOL
と
障
害
に
関 す
る
検討
*原
田
和 宏
D齋
藤
圭
介
L’〕津
田
陽
.
一
郎
3]香 川
幸
次
郎
わ中
1鳴 和 夫
「
P高 尾
芳 樹
3) 要旨
本研 究
は,
地 域で暮らす 脳卒 中
患者
の心 理 的QOL
に1
}1;宅害 が どの よう
に影響
し てい るか を 明 ら か にす
る こ と を 目 的 に,
障 害 構 造
モ デ ルか ら手
段 的ADL
と社 会
的活 動 を取
り ヒげ,
構
造 方 程云辷モ デ リ ングを用い て検 討
し た、
,
岡Ili
県.
ドの1
医療 機
関に外 来 通
院 す る 脳卒
II1患 者 を 調査 対
』
象
と し,
調
査 に 同意
が得
ら れ知 的
低 ド
の ない134
名 を 集 計 対象
と し た.
最
初に一
手 段 的ADL
一
と 「祉会
的活 動
」に関 する測 定モ デル につ い て確
証 的 因 ∫・
分析 を用
い脳 卒 中患 者
にお け る 使 用の適
り丿性 を検 討
し た.
社 会 的 活動
につ い て は.
既存
尺 度 が ない こ と か ら在 宅 高 齢 者
デー
タを 併 川 して内 容
的妥 当性
をP
め検 討
し た.
.
次い で.
心 理r
白QOL
」
と 「.
手 段
的ADI
.
」
お よび 「社 会 的 活 動.
との 因 果 関 係 を 示 す構造 方
程 式モデ ル を構 成
し角
靭 「
した.
.
そ
の結 果
,
モ デ1レ全体
が 脳卒 中患 者
の デー
タ に適 合
し,
社会
的活
動 が 心 理的
QOL
に影 響 を 及
ぼ し,
手
段 的
ADL
は 社 会 的 活 動 を 介 して間接 的
に影響
する こと が 示 さ れ た/
t
以 [’
.
の結 果
か ら,
今 後
の研
究モ デ ルと し て 社 会 生 活 に 関す る要
因 をQOL
の1
次 要 因,
個 人の能ノJ
に 関 する要 因 を2
次要 因
と して構 造 化 す ること
の妥 当性
が示 唆
されたキ
ー
ワー
ド脳 卒 中
,QOL .
構 造 方程式
モ デ リ ン グ緒
言リ ハ ビ リ テ
ー
シ ョ ン の 目 標 が,
凵常 生 活 動 作
〔
Activities
ofdaHy
living
;ADL
}の匚
1
疏からth
活
の質
lQuality o
’
1
’
1
,
ife
;QOL
〕の向
1
:へ と 変 遷 す るll と兵
に,
脳
血管 障 害
(以 ド,
脳 卒 中〕患 者 を 対象
と した研 究
び)関
心 も 退院 後
の地 域 生 活 にお け るQC
)L
へ 広が っ た L’
:.
脳
卒 中
患折
では 発 症 前に比し て こヒ活 満
足度
が低 ドしている こ とsGI が報
告
さ れ,
QOL
の.
仁観 的 側 凶
i
に関
す る渕 定
と 関 連要因
の 研 究 が 始 まっ ている 21、
測定
につ い て は.
慢 性 期
の脳卒
中 患 昔で心理的Q
⊂)L
とい う 抽象
概 念 を 尺 度化
す るこ との妥
’
11性 を
既に報 告
し たS’関
連 要因
につ い て は,
ADL2
,”/・
.
家 事
lllll11,
地 域 活 動516112.
,
他丿
∫ M.
X.
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Sch〔
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保 健 尺・
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期
保健
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〒731−8551
広 島堕ll
広 島II ∫南1ズ霞
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. で 抑う つ21Y
/ が指摘
さ
れ て きた
t
/ただ し
複数の
要 因 が 影 響 す る こ とが
想
定さ れる 場 合
,そ
れ 要因 間の関連
につ い
て考 慮
され
た
研 究は
少な
い ..
の点に関し て, C)sberg ら [lll
,は高齢 音 を
対象
と した 研
業績
[ ’“
を 援 用 し ,パス
解析
により 高 齢 障
∫li
渚の 活 満 足度を 規 定す る要
因 問の構
造
に
ついて
言及し た 。 .象や 各 概 念の測
定 道 具 の適切 さ な ど . いわ
ゆる研
の 内的
妥当性 は 乏
し いもの の , そ
の 成果 は
ADL
や
社
的 活 動 が 生活 満 足 度
に 対 ’し
直 接 的 な 影
響を も つと もに, 社 会 的 活動 はADL
か らの
影
響
を 伝 達す
るこ と
を 唆し た
/. / し かし, 本解
析で
は 構 成した
モ
デル
の適 性は
評 価され ず】
51,設 定 し た 因 果 モデ
ルが 妥Ll1
あ
る かと
う
疑問
が
残 され た ま ま で
あ
っ た.近 年 , 社会 心 学分 野 でi
丐
及し てい
る 構 造方程 式モデ
リン
グ16
.P
は 設 定し たモデル と 実際
のデ ー タ
の ・致度 を 算
出 き る こ とか
ら ,調査 研究 にお
ける仮
説 検討の 有 力 なr
段
とさ れ る本研究 は
, 地
域 で暮 ら す脳禦中
患 者 の 心 的QC
)L
に障 害が
どの
よう
に 影響
してい るか を 明か に す
る
こと を冂的に , 障害構造モ
デルから手段的 ADLUnstrumemal
activitie
@of
dail
) ,lix
・in9
:IADL
〕 と2i2
埋学 療 法’
y
:第28巻爿
ハ
)}丿・
方 法 【.
対 象
岡
1
.
h
県
K
.
市内
の医療 機 関
1
カ所
におい て,
1998
年
7
月
か ら 型1999
年8
月の 聞に外 来
通院
し た 首の 「「1か ら,
医
師の臨床
評価
お よ び画 像 タ断
に よっ て脳卒
中 が 硫 定 し た769
名
を調 査 対 象
と し た。
調 査 は 理学 療 法
.
lr
に よる1酊接
法
と し,
言、
吾に よ る 意 思疎 通
が困難
な 者 ま た は知的 衰 退
の疑
わ れ る 者 につ い ては家 族
や職 員
か ら 情 報 収 集 を行
っ たttt
調 査 内 容
は 属 性,
医学
的所 見
,
機 能 的 状 態
,
社 会 的 な活 動 状
況,
知 的 能 力 お よ びQoL
に関 する項 目で構 成 し た.
.
t
こ の う ち機 能 的
状態
は身 体 的 ド
1L1
’1
の指 標 と
し て「
Katz
Index
ofADL
亅
,
移動 能
YJ
の指 標
と して1
障 害 老人 の
IJ
常生活 自 立 度 判 定 基準
U
騨
1
え省 月
,
お よ びIADL
と して
「
The
5−
item
lADL
s(・
alei’1
を採
用 し た社 会
的 な活 動 状 況
は地
域高 齢
者 を 対.
象 と した 先行 研 究
で用
い ら れ た項 日
Is’IPを 参 考
と して17
項
凵 を採 用
した.
知
的能 力
の 推 定 に は柄 澤 式 「
行 動 評 価
に よる老
人 知 能の 臨床 的 判
疋基 準
〔以.
.
ド,
柄 澤式
〕.
IOI,
」
を,
QOL
は厚 生 省
研 究
班0)業 績
に基づ く 「心 理 的QOL
指 標
、 を 川い た 2D.
医 学 的 な 情報
は診療
記 録か ら転 記 し たな お
,
調
杏に は.
i
’
分 な 同 意 を得
ること
が要件
221 と考
え ら れ.
そ
の点 を
遵守
する た め にll
的 と概 要 を 記 し た協 力 依頼 占
を自
もに 郵 送 し 「ril意
が得
ら れ た者222名
〔調 査対 象
の28
.
9Io
〕に調
査 を実 施
した/
t調 沓期
間 は1998
年7
月 か ら 翌1999
年
ll
月 までの1
年
5
カ月で あっ た,
、
.
蜘II
.
対 象には,
調 査 項 目 に 欠損 他
のな
い165
名
のう
ち柄 澤 式
で 「通 常
の社 会活
動
と家
庭内 活 動
、
が 不μ∫能
と 判 定 さ れ た31
名
を除
いた134
名 〔同 意 を得
ら れ た者
の60
.
4c.
,)を 選 定 し脳 卒11rサ ンプル と し た.
.
/
な お
,
社 会 的 な 活動
状況
を尺 度
f
ヒす
る にあ た り,
同 県S
市 内
の在
宅高 齢 者
を対 象
と し た 調 査デー
タを 併 川 し た.
.
調 査 は 無 記 名 留 置法
に よ り1998
年7月に 実 施 さ れ た.
.
民 生委
員 に よ る 配布 協 力
が得
ら れた地 区 で白
記 入 回答
の得
ら れ たLl23
名の う ち,
有
.
効
回答
.
仔
LO43
名 を占7琶齢 者
サ ン プ ルと した.
.
2
.
解 析 方法
心埋
的
QOL
の 測定
指 標 は 「現 在の満 足感
」,
「
心理 的 安 定 感」
,
お よ び 「生活
のバ リとい うト
.
位 領 域 か ら成
る9
項 日の尺 度 で あ る.
.
在宅 脳 卒 中 患 者
に お け る 測定
道 具 と しての 妥,li性
は既に確
認 してお りhl,
本 研 究で は [ADL
能JJ
と社 会 的活 動
の測 定
モ デ ル (measurerllent m 〔〕de
) 23bを 検
副.
し た.
.
IADL
能力
の測 定
モ デルは5
項II
を 観 測 変 数,
「
IADL
を 潜 在 変 数 ILt とす
る1
因 チモ デ ル と し,
そ
の適 切 性
は 囚∫
構 造
の標 本
デー
タへ の当ては ま りを確 証 的 因 子 分 季
)T
一
に よ り 》:出 す るこ とで検 討
したな お
,
得 点 化につ い て は選 択 肢:
−
1
人で で き る.
亅に 1点,
一
援 助
が 必 要 ま た は でき
ない 」 に0
点 を与
え た.
t
モ デ ルの適 合 屍 につ い て は,
The
Goc
,dness
ofFit
Index
KGFI
〕 を採 用
し たGFI
は〔〕
.
9以 ヒであ れ ばモデ ルが デー
タを よ く説 明
し てい る と判 断
さ れ るL’
1社 会
的 活 動につ い て は標 準
化 さ れた尺 度 がみ ら れ ない ため,
測定
モ デル の 開 発 を行
っ た.
変 数
選 択 に あ た り地
域高
歯i
渚 の デー
タを用
い て内
容 的 妥}li性 を確
f
斗
ミし た ヒ で,
脳 卒:中 患 吝』
に おける使
川の適L
リ性 を 吟 味 し た.
第
1
段
階と し て.
向サ ン プ ルにお ける各
項H
の 通 過率
に よる項
il
:
X択 を
試みた.
.
高 齢.
昇 サンプルに対
する同ll
芋複 数 項Ll
削 減
.
L
成 分 分 析
i
!
t
L’
sl に よ る 内1
.
「
・
貫性
の検
討 を 踏 ま え,
1一
社 会
的 活 動 」 を 潜 在 変 数 とする測定
モ デ ル を構 塞
し,
デー
タへ の適
合 度 を 確 証 的因 チ 分 析
に より算
出 し た.
得 点 化
につ い て は一
して い る」に1
点
,
一
し て い ない 1 に0
点 を 与.
えた.
第
2
段
階 として,
得 ら れ た 測 定モ デル につ いて脳 卒中
サ ンプルと
の間 で同 時 因 壬 分 析
に よ る因
.
∫
・
不 変 性
の検 討
L’
{i.
を 行っ た、
.
因子
の不変性
に関 す る 強 度は,
第
1
ス テ ッ プ は等
値 条 件 な し,
第2
ス テッ プ は因 ∫・
負荷
〔λ)を
Ill
亅恒
に拘 東
す る,
第3
ステ ッ プはλ に加
え 質 問 項il
の残E
分 散
(e
,)を拘 束
す る,
第4
ステ ッ プは λ,
θ 、に加
えて1
次
因 子の 分散 ξ
も拘 束 する とい う4
つ の条件
卜’
で その適
1 度 を 観 察 す ることで検 司
.
し た.
適 合 度指 標
に はGF
工を 採
用 し,
因 子 不 変 性の検 討
で は 係 数f
直の拘 頼 こよ る変化
を観
察 したな お
,
構 築 し た測定
モ デル の 素 点 合計 得 点
[こつ い て,
高齢 者
サ ンプ ルと
脳寧
巾サ ン プルの問
で2
群 閲比 較
〔r検 定
) を 行っ た.
最
後
に.
「
心 理 的QOL
」
,
「
L
丶DL
.
L
お よ び1
社 会 的 活動
1
の 関 係 性 に つ い て倹 討
した分 析
モ デ ル は,
Osberg
ら 13:
の 業 績 を 参考
に.
「
IADL
I
は「社 会
的 活動
一
,
と 「心 理 的
Q
(⊃L
一
に影響
を 及ぼす外
生変
数
i’
とし,
「
毛
・
理 的QOI
,
1
は一
IAr
)L
i
と1
一
社 会 的 活 動
一
1 か ら影 響
を受
け る内
生 変 数iiL’
と す る 多.
項:指 標
モデ ル と し たt/
構造
ノ∫程 式
モ デ リングに よ り分 析モ デ ル全体
の デー
タへ の 適 合 度 を評 価
し.
次
い で構 成 概 念問
の回帰 係 数 を 観 察
し た]〔1.
適 合 度
は自 山 度
〔df
)の 大 き さ に 配慮
し,
X2
df
上ヒとThe
Root
Mean
Square
Error
〔うf
、
Xppr
〔〕ximation(
RMSE
.
V
を採
Jll
し,
RMSEA
の倹 定
はPCLOSE
〔Close
Fil
1/ L’
1.
で行
っ た、
, な お,
df
の 影 響 を詞
整 し た指
標
であ るズdf
比 は2
ない し3
未 満
で ある こと が 適 合 度 の高
い妥
当 なモ デ ル の 条件
と さ れ,
デー
タ分布
との乖 離
を ldfあ たりの 甲:で示
すRMSEA
は0.
08
以 ドであ れ ば説
明 力
の高
い モ デル と 判 断 さ れ るL’
t.
Ir1i
帰 係 数
の有
意 水準
はWald
検 定
に よ る棄 却 比 〔Critical
Ralio
;C
、
R
.
) で判 断 した.
t
以 ヒの
解 析
には岡
ll
」県 立 大学 保 健 福
制二幽
}
:部所 蔵
の統 計
ソ フ トSPSS9
.
OJ
for
Wind
〔)ws を,
測 定モ デル と 多 重指
標モ デ ル の.
噛
断[li
には八MOS3
,
6
を使
J
[j
した在宅 脳卒中患 者に お け る心理的
QOL
と障 害に関 する検 討213
結 果
表1 集計 対象
者の 属性 カテ ゴ リー
度 数 {% )1
.
集 計 対 象 者
の属性
脳 卒 中 サ
ン プル134
名
の基 本 属 性
は男 性
71 名
(
53
,
0
%)
,
女 性
63
名
(
47
.
0
%)
で,
平均
年 齢
は72.
2
歳
(
標 準 偏
差10
,
0
歳 )で あっ た。
診 断 名 は 脳 出 血25.
4
%,
脳 梗
塞71
.
6
%, お よび く も膜 下出
血3.
0
%であ
っ た。発 症
か らの期
間 は 平均
4.
7
年
(
標 準 偏 差
4
.
2
年 )
であ
っ た。Brunnstrom
Stage
に おい て はStage
VI
が 上肢
で は67.
2
%,手 指
で は66
.
4
%,
お よび下 肢
で は68
.
7
% であっ た。
なお
,
そ
の他
の属 性
につ い ては表
1
に示 す
と おり
であ
った。
ADL
につ いて は,
Katz
Index
ofADL
におい て身
辺 動 作
の自
立 してい る こ と を示 す
ラ ン クA
と判 定
さ れ た者
は64
.
9
%と過 半 数 を 占
め た。ま
た,
各 項 目
の相 対 度
数
に着
目す
るな ら,
入浴動 作
以外
の5
項
目の 自 立 は80
% を 上 回っ た。
障 害 老 人の 日常 生 活 自 立 度 判定
基 準 を 適 用 し た 場 合, ランクJ
は63,
4
%, ランクA
は26.
8
% であ
っ た(
表
2
)
。社 会
的活 動
の尺度 化
に併
用 し た高 齢 者
サン プ ルは男 性
458
名 (
43.
9
%)
,女 性
585
名
(
56.
1
%)
であ
った
。平 均
年 齢
は73.
5
歳 (
標 準 偏 差
6、
6
歳 )
,
範 囲 は
65〜99
歳
であ
り
,
74
歳
以 下の前 期 高 齢 者
は640
名 (
61
.
4
%)
,
75
歳
以 上の後 期 高齢 者
は403
名 (
38.
6
%)
であ
っ た。2
.
IADL
の測定
モデ ル採
用 し た5
項
目 に関
して,
「
1
人 でで き る」
の相 対 度
数
は43,
3
%〜
63.
4
% で あっ た(
表
3
)。
設定
し た ユ因
子モ デル につ い て確 証 的 因 子 分 析 を 行
っ た結 果
,
GFI
が0.
990
と統 計
学 的 な許 容 水 準
を満
た し,す
べ ての 因 子負
荷
で統 計学 的
に有 意
な正
の値 (
O.
774
一
O.
878
)
が観 察
され た
こと から
,
本 対 象
にお
いてIADL
能 力 を適 切
に測 定
す
る こ と が支 持
され た。素 点 合 計
の平 均
は5
点 満 点 中
2
.
7
点 (
標 準 偏 差
21
点 )
であ
った
。3
.
社 会 的活
動の測定
モ デル第
ユ段 階
と して,
17
項
目 につ い て選 択 肢 「
して いる」
の 通 過率
85
% 以 上 も し く は15
% 以 下 を基準
に項 目削 減
を 行っ た。
高 齢 者 サ ンプルに おいて項 目6
,14
,
15
,
16
,
およ び17
が削
除 さ れ, 脳卒
中 サ ンプルで は さ ら に 項 目1,2,4,5,
お よび
11
が削 除
さ れ た(
表
4
)
。残
っ た7
ロ
項
目 につ いで
高 齢
者 サン プルに 対 して主
成 分 分 析 を行
っ た とこ ろ,
第
1
主成 分 負 荷 量
が誤 差 変 動
の範
囲内
と み な せ るO
.
326
〕を下 回
る項 目
は観 察 さ
れず
,
第
1
主成 分
の 固 有 値 寄 与 率 は40
%であっ た。
以 上の結
果 か ら,
「
社会
的活 動 」
に 関 す る7
項 目1
因 子モデル を 構 築 し高 齢 者 サ ンプル に対
し て確 証 的 因子 分 析 を行
っ た。GFI
は0.
911
と統 計 学 的
な許 容 水 準
を満
た し,
す
べ て の因 子 負荷
にお
いて有 意
な 正の値(
O
.
317
〜
O
.
799
)
が観 察
さ れ たことか 性 年 齢 世 帯構 成 配偶 者 教育
歴 仕 事 世 帯年
収 診 断 名 男性 71 (53.
0 ) 女性 63 (47.
Ol (平 均 年齢±標 準 偏差) 72,
2歳±10.
0
歳 (範 囲 ) 単 身 同 居者
あり あ り な し 不 明未
就 学,
小 学校 卒 業 旧制高等小 学校,
中学校卒業 旧制 中学,
高等学校 卒業 旧制専
門学
校,
短大高
専卒業 大学
, 大 学 院 卒 業 不 明 あ り な し200
万 円 未 満200
〜
399
万 円400
〜
599
万 円600
万 円 以上 不 明 脳 出 血 脳 梗 塞 く も膜下 出血 初 回発症 か らの期 間 (平 均 年 数±標 準 偏 差〉 病 変部位 運動
麻痺
側 上肢BrunnstromStage
手指BrunnstromStage
下 肢Brunnstrom
Stage
左 大脳 半 球 右 大脳 半 球 両側 大脳半球
脳 幹 (中脳,
橋,
延髄 ) その他 不 明 左側 右 側 両 側 な しIll
皿 VI 丑 皿 IVVIH 皿V
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー1
ー 年 ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー羅
灘
鰈
鑼
辮
脳鸞
… …瀰
韈
鰈
轢
漕鱸
…軈
n=
134 ら,
高 齢 者 サ ンプル に お け る 測定
モデル と して の妥
当 性 が 支 持 さ れ た。
第
2
段
階 で は,
脳 卒 中
サ ンプル に おけ
る使 用
の適 切 性 を検 討 す
る た め に高齢 者
サンプル との間 で同 時 因子 分 析 を行
っ た。 その結
果,
第
3
ステッ プ と第
4
ステ ップにおいてGFI
が と もに0
.
897
と わず
かに許 容 水
準
を 下 回っ た もの の, 因 子へ の負 荷
(
λ)
を拘 束
し た第
2
ス テップ
に おい てGFI
がα907
と許 容 水
準
を 満
た し た(
表
5
)
。 し た がっ て,
測 定
不変
の水 準
26)に おい て両 サ214
理学療法
学第
28
巻
第5
号表 2ADL に関 する項 目の分布
度 数 (% )
Katz
Index
ofADL
(A
)すべ て自 立(
B
)1
つ を 除い て 自 立 入浴 と も う1
つ を除い て自
立 (D
)入 浴,
更衣 と も う1つ を除い て自立 (E
)入浴,
更 衣,
ト イ レ動作 と も う1つ を 除い て 自立 (F)入 浴,
更 衣,
ト イレ動 作,
移 乗とも う1
つ を 除い て 自 立 〔G)すべ て依 存 その他 (上 記 以 外 )87
(64
,
9
)16
〔11
.
9
)9
(6
.
7
)5
(3
.
7
)5
〔3
.
7
} 9 (6.
712
(1
.
5
) 1 (0
,
7
)自
立 依 存ADL
項 目{
Katz
Index
of ADL )入浴 動 作 更 衣 動 作 ト イ レ動 作 移 乗 動 作 排尿
・
排 便 自制 食 事 動 作 96 ( 71.
6 )38 ( 28,
4 ) 108 (80
,
6
}26
(19
.
4
) 116(
86
,
6)18‘
13
.
4
) 119 〔88
.
8 )15( 11.
2 ) 105 (7&4 )29 (21.
6 ) 132(
98
.
5)
2
{
L5
》 障 害 老人の日常 生 活 自立度 判 定 基 準 (厚 生 省 )
124
4412
} 距AABBCC
交通機関 を 利 用 し て外出 す る 隣 近 所へ な ら外 出 する 介助によ り外 出 し, 日中ほとんどベ ッ ドか ら離れ て生 活 する 外 出 する頻 度が少なく,
日中 も寝た り起き たりの 生活を し てい る 車椅 子に移乗 し,
食事・
排 泄はベッ ド か ら離れ て行 う 介助により車椅 子に移 乗 する 自力で寝 返 りを うつ 自力で寝 返 り も うたない 59 (44.
0 ) 26 ( 19.
4 ) 27 { 20.
1 ) 9 { 6.
7 )5
(3
.
7
)7
(52
)1
(0
.
7
)0
〔0
,
0
) n=
134 表31ADL
に 関 す る項 目の分布 質 問 項 目 度 数 (% )1
人 で できる 援 助が 必要 11.
公共交 通機 関の利用12
.
日用品の買い物
13
.
自分の 食事
の用意14
,
掃 除 機や ほう き を使っ た掃 除15
,
金 銭の支 払い や管 理 58{43.
3) 72 {53.
7) 71 〔53,
0)70
(52
.
2
}85
(63
,
4
) 76 〔56.
7) 62 (46.
3)63
〔47,
0)64
(47
.
8
}49
(36
.
6
) n=
134
得 点 化につ い て は,
「
1
人 で で き る」が1
点,
た は できない」がQ
点 とした.
「援 助が 必 要,
ま ン プル に共 通
の因 子構 造
を有 す
ること が示
さ れ た。な お
,
7
項 目の回答
分布
に着
目 す る と,6
項
目 で 脳卒
中 サンプルに おい て 選 択 肢 「し てい る 」の相 対 度 数 が 統計
学 的 に有 意
に 小 さい こ とが 示 さ れ (表 4
)
,素 点 合 計
(
得 点 範 囲
O 〜7
点 ) を算 出 す
る な ら,
その平 均
は高 齢
者
サ ン プ ル の3.
5
点 (
標準 偏 差
2
.
1
点 )
に対
し,
脳卒 中
サ ン プ ル で は1
.
8
点
(
標 準 偏 差
2
.
1
点 )
と,
ユ%水 準
で有
意
に低 か
った
。4
.
心 理的
QOL
と 障害
に関す
る検 討
分析
モ デルは 図1
に示
す と お りで あっ た。
解
析の結
果,X2
/df
比 が1
.
55
,
RMSEA
がO
.
064
(
PCLOSE =
O
.
059
)
といず
れも統 計 学 的 な 許 容 水 準 を 満
た し た。「
IADL
」
か ら「
社 会 的 活 動 」
の回 帰 係 数
の標 準 化 解
は0
.
700
(
Wald
検
定
C .
R.
= 6.
431
)
と統 計 学
的 に有
意 な 規定 力
が 認 め ら れ,
決定 係 数
は0
.
490
と な り,
IADL
に よっ て社
会
的活動
の分散
の約 半
分を
説明
で きる こ とが 明ら か にな っ た。「
IADL
」
か ら「
心
理的
QOL
」
の回 帰 係 数
の標 準
化 解
は0.
025
と小 さ な 正の値
と な り,C.
R.
が0
.
158
と有
意 な 関 係 は 見 出 せ な かっ た。一
方, 「社 会 的 活 動 」 か ら「
心
理的
QOL
」
の 回帰 係 数
はO.
344
とな り,C .
R,
は2.
060
と
5
%水 準
であ
る1,
96
を上
回った
こと
か ら統 計 学 的
に有
意
な規 定 力 を も
つ こ とが 認め ら れた。
な お,
「
心 理 的QOL
」
に対 す
る「
IADL
」
の直 接 効 果
は0
.
025
,
「
社 会 的
活 動 」 を 通 じ
て及
ぼす 間 接 効 果
は0.
241
と,
間接 効 果 が
強
い こ とが明
らか にな
っ た。「
心
理的
QOL
」
に対 す
る 「社 会 的 活 動」
か らの直 接 効 果 は0
.
344
であ り,
「IADL
」 の総効
果 を 上 回っ た。
そ し て,2
要 因 に よっ て「
心 理 的QOL
」
の分 散
の 13% が説 明
さ れ た,考 察
脳
卒
中患
者 を 対象
と し た リハ ビ リ テー
ショ ン研 究 は,運 動 麻 痺
の回復 過 程
やADL
能 力
の評 価 を確 立 し
,
さら
に は障 害
の予後
予測
の精 度
を向
上さ せ るな ど2)多 大 な
在 宅 脳 卒 中 患 者に おける心 理 的
QOL
と障 害に関 する検 討215
表 4社会的活動 に 関 す る 項 目 の 分布と主 成 分 分 析の結 果 度 数 (% 〉 質 問項目 領域↑
サンプル
して いる‡ して いない 第1主 成 分
負荷
量Sl
.
公民館
などの講
座,
老
人大学
での学
習S2
.
緑 化 推 進,
交 通 安 全,
防 犯 防 災 活 動へ 参 加S3
.
地域の清 掃 な どの奉 仕 活 動へ 参 加S4.
1
日5
時 間 以上の仕 事S5,
週に5日以上,
働いているS6
.
映 画 鑑賞や ス ポー
ツ観 戦S7
.
お花 見や行 楽,
旅行S8.
展 覧 会や音 楽 会 な どの催 し物へ 参加S9
,
趣 味の集 ま りに参 加SIO
.
近 くの友人の家を訪 問S11
,
地 域の行事
な どで世話役
Sl2
.
地 域の寄 り合い に参 加 S13.
町 内の行 事に参 加 S14.
地 域の病 人や老 人の世 話 S15,
子 供 会の育 成S16
.
在 宅 老 人の介 護,
家事
援 助S17
.
郷 土 芸 能の伝 承 学 習教 養 環 境 安全 環境
安全 仕事仕
事
趣味娯楽 趣 味 娯 楽 趣 味 娯 楽 趣 味 娯 楽 趣 味 娯 楽 地 域行事
地 域 行 事 地 域 行 事 福 祉 教 育 福 祉 教 育 福 祉 教 育 福 祉 教 育 者 中 者 中 者 中 者 中 者 中 者 中 者 中 者 中 者 中 者 中 者 中者
中 者 中 者 中 者 中 者 中 者 中 齢 卒 齢 卒齢
卒
齢卒
齢 卒 齢 卒 齢 卒 齢 卒 齢 卒 齢 卒 齢卒
齢
卒
齢 卒 齢 卒 齢 卒 齢 卒 齢 卒 高 脳 高 脳 高 脳 高 脳 高 脳 高 脳 高 脳 高 脳 高 脳 高 脳高
脳 高 脳 高 脳 高 脳 高 脳 高 脳 高 脳 199 { 19.
1) 7 〔 52) 199 ( 19ユ ) 10 ( 7,
5 } 567 ( 54,
4 } 25 ( 18.
7 } 561 ( 53.
8
}13
〔9
.
7
)604
(579
)9
(6
.
7
}90
(8
,
6
)13
(9
.
7
)624
(59
.
8
)60144
,
8
)277
(26
.
6
>35
(26
ユ } 305 ( 29,
2 } 21 ( 15.
7 ) 624 ( 59.
8 ) 45 { 33.
6 ) 236 ( 22.
6 ) 11 〔 8.
2 )622
(59
.
6
)29
{21
.
6
)599
〔57
.
4 )31
(23
.
1 )100
{8
{ 18 {0
〔7616
{20
(1
( 844 〔 80.
9 )・
127 〔 94,
8 ) 844 ( 80.
9
).
124 ( 925 ) 476 { 45,
6 )°
109 ( 81.
3 )482
(462
)°
ユ21
{90
,
3
)439
{42
.
1
}・
125
(93
.
3
}953
(91
.
4
)n,
s.
121
(903
)419
(40
.
2
)噸
74
(55
,
2
)766
(73
,
4
)n,
s.
99
(739
} 738 ( 7α8 }・
ll3 ( 84,
3
) 419 ( 40,
2 }°
89 ( 66.
4 } 807 ( 77.
4 }嚀
123 ( 91.
8 )421
(40
.
4
)・
105
{78
.
4
)444
(42
.
6
)・
103
{76
.
9
}9
,
6
)943
(90
,
4
)n.
s.
〔}.
O
)126
{94
.
0
) 1,
7
)1025
〔98
,
3
)n.
s,
O
.
O
)134
(100
.
0
)7
.
3
)967
‘92
.
7
)n.
s.
4,
5
) 128 (955
) 1.
9 ) 1023 ( 98.
1 )n,
s.
0
,
7 ) 133 { 99.
3 ) O.
7120
.
594
0
.
522
O.
624 0.
4670
,
676
0
,
764
固 有値 固有 値 寄 与 率 2.
78139.
727
高齢 者サンプル n=
1,
043,
脳 卒 中サンプル n=
134 得点 化につ い ては 「して いる」が1点,
「して いない」が0
点とした,
† 文献18,
19に従っ た.
‡ 脳 卒 中 サンプルで は,
「援 助の もと にしている」 場 合 も 「して いる」 と し た.
n
.
s.
=
non significance,
・
く.
Ol
{X2
−
test)貢 献 を も
たら した
。近 年
,
障 害
モデルの普 及
27)と相 ま
っ て,
研 究
の関 心
は退 院 後
の生活
に移 り
,
地 域
で独
立し て 生活
す る た め に 必要
なIADL28
)29)能 力
や社 会 的 活
動
4}亅o)12)30)と
い っ たADL
の上位
に位 置 す
る能
力 や 活動
の評 価
へ と広 が
っ てい る。
在 宅脳 卒 中 患 者
のQOL
向
上 を め ざ し た適 切
な介 入 方 策
が模 索
され てい る ことに鑑
みて,本 調
査研 究
は心
理的
QOL
に障 害
が どの よう
に関
与
し てい る かを検
討 し た。
対
象
に は自 宅
か ら外
来 通 院 す る脳 卒 中 患 者
を選 定
し た。集 計
対象
134
名
のう
ち,
運 動 麻 痺の ない者 は 約3
分 の2
で,
ADL
の分 布
に おいて身
の回 り動 作
がす
べ て自
立 と さ れ る者
は 全体
の65
%,
移 動 能 力
で は屋 外 自
立 が63
%と
なっ た。
ADL
別 に み る と 「入浴 動 作 」
の自
立は72
%,「
トイレ動 作 」
の自
立 は87
% で あっ た。
山形 県
の脳 卒 中 登 録
に よ る成 績
で は発 症
2
年 後
の自立 者
は「
入浴
動 作 」
66
%,
「
排 尿 動 作 」
82
% であ
っ たことか ら
31),
本
216
理学療法学 第
28
巻第
5
号表
5「
社 会 的活 動 」に関する測 定モ デル の同 時 因子 分 析 結 果群 別
脳 卒 中サ ンプル134名 / 高齢 者 サンプル
1
,
043
名 拘 束し た係数 値X2
df
GFI
第1ステッ プ 第2ステッ プ 第3ステッ プ 第4ステップ (等 値 条 件な し)331
.
98
28
0
.
913
λ357
.
04
34
0
.
907
λ,
θε427
.
04
41
0
,
897
A
,
θe,
φ428
.
23
42
0
.
897
GFI
=
TheGoodness
of Fitlndex
,
A
;
因子負
荷,
θε
=
質問項目の残差 分散,
φ=
1次因 子の分 散.
サンプルは軽
症者
の占
め る割 合
が 比較
的多
かっ た。
こ れ は,
外
来 通 院 している者
で,
かつ心 理的
QOL
を 測定
す る 上 で 明 ら か な 知 的 低 下の ない 者 を 選 定 し た た め と考
え ら れ た。
そこで,能 力 障 害
の個
人差 を
十分
に 反映
さ せ る た め,
ADL
より
上位
とさ
れるIADL
能 力 を重 視
した
。す
なわち
ADL
測定
に伴 う
天井 効 果
に配慮
し,
得 点
の分
散 を大 き く確 保 す
るた
めであ
った
。集 計対 象
の機 能 的状
態
は比 較 的 高 か
っ たが
,
脳 卒 中発 症 後
の生活 満足 感
は機
能 障 害
が無 く
とも低
下 してい る知 見
3)4)を考 慮 す
る と研 究 目的
に照 ら し
て適切 な 選 定 方 法
と考 え られ
た。解 析
に構 造 方 程 式
モ デリ
ン グ を採 用
し た こ と は,
QOL
や能 力
という
抽 象
概念
を 扱う
本研
究課
題に とっ て 至当 な 選 択
であ
っ た と言
え る。
具体 的
に は,
第
一
に確 証
的 因子
分析
・
同 時 因 子 分析
を 用いるこ と で,IADL
能 力
,
並
び に社 会 的 活 動
の測 定
モ デルにつ い て在 宅脳 卒 中患 者
に お け る使
用の適 切性
が吟 味
でき
た。両 者
につ い て脳 卒
中 患 者 に お け る 標 準 化 さ れ た 尺 度 は 見 あ た らず
,
研 究 業
績
が蓄 積
さ れた地 域 高齢 者
の尺 度 を 基礎
と し,構 成 概 念
の交 差 妥 当 化
が可 能
であ
っ た か ら であ
る。第
二に,
多
重指 標
モ デ ルを構 成 す
る ことで観
測変 数
に伴 う
誤差
を 切 り捨
て,
回帰係 数
の希 薄化
を避 け
る こと26)が 可能
とな り
,複 数
の概 念 間
の関 係 性 を検 討 す
る有 用 な 方 法
とな
った
。第
三 に,
1
つ の説 明変 数
が同 時
に他
の変 数
の目的 変 数
に な る という
変数
問の関
係 性 を 反 映で き,
先 行 研 究
で指 摘
さ れ た関係 性
を分 析
モ デ ルに表現
し た 上で収 集 さ
れ たデー
タ との適合
度 が 判定
で き た。
す な わ ち,
従
来の パ ス解
析
で は 扱 え な かっ た 因 果モ デルの妥
当 性の検 討 が 可 能 とな
っ た。IADL
尺 度
は脳 卒 中 患 者
に対 し
て欧 州
で4
つ提 起 さ
れ てい る が,
妥 当性
に関す
る検 討
が乏
しく
,
下位概 念
と し て「
移 動 能 力 」
や「
余 暇 活 動 」
に関 す
る項 目 を含
み,
今
後 十 分 な概 念 整 理 が 必 要
とさ れ
てい る 29)。そ
こ で,
高
齢 者
を対 象
と し たFillenbaumi7
) の研 究
に おけ
る「
地域
で独
立し
た 生活 を維 持
していく
上で不 可 欠 な能 力 」
であ
る とす
る定 義
に従 う
と共
に,
その尺度 項
目 を 用いた。一
般に,
ADL
とIADL
との聞 に は 階 層 的 な 関係
が あ る と さ れ,ADL
に障 害
の ない者
で もIADL
で は障
害
を有
す るこ と が報 告
さ れ て おり
32)33),
個 人
の能 力 を敏 感
に識
別 す
ることが示 唆 され
る。
今 回
,
「
IADL
」
に関す
る1
因
IADL
εSl
εS7
Es8
εS9
ε SIO ε S12 ε S13
嘩些尊
[
蚋 申
.
793.
641.
603.
404.
585.
696.
816,
700ξ
η 1
ζ1
社会 的 活動
.
344
.
.
.
冊・
.
.
聊
.
.
.
.
鰯
.
卩・
.
.
.
●
.
.
.
闘、
025 (n.
s.
>1亀
・
…
.
。
●
・
■
卩
●
.
,
.
796.
874、
S34.
756.
801噸#
蝉
ε ll ε 【2 ε 13 ε14 ε15 X2(砌=
283.
62 (183 ) X2/df=
1.
55 RMSEA冨
0.
064 PCLOSE=
O.
059/
十
現 在の満 足 感 心 理 的 安 定 感 ζ・一(
一)
ζ・.
6B4、
88t.
564.
376.
745.
700t
εOl ε Q2 。効 .画
申
曲
画
ζ2.
706\
生 活のパ リ ζ・<
P
.
340.
720.
582 目的 変数R2値
説 明 変数
直接効 果
間 接効 果 「社 会的 活動 亅 0490 「taDし
1o
、
丁oo o、
了oo奩
][
重
f
t
↑ 争
t
εQ3 ε0尊 ε Q5 ε (婚 εQ7 εQ8 εqg 「心 理 的QOL」 0.
131 「IADL」 O・
025 0・
241 0・
266 「社会 的 活勤」 O,
344 0,
344図 1
心 理 的
QOL
と障 害に 関 す る多 重指 標モデル の解 析 結 果 (標 準 解 )一
脳 卒 中 サンプル 134名一
ζ
=
外 生 的 潜 在 変 数,
ny=
内 生 的 潜 在 変 数,
ζ=
内生的 潜 在 変 数にともな う独 自因 子 (誤差),
y=
質 問 項目 (観測 変数),
ε=
質 問項 目にと もな う独 自 因子,
n.
s.
=“
C
.
R
.
く 1,
96
”
.
在宅脳卒 中 患 者にお け る心 理 的
QOL
と障 害に関す る検討 217チ
モ デルを
脳卒 中
サンプルに 当 て はめ て高
い適 合 度
が得
ら れ たこと は,
脳卒 中患 者
において もIADL
能 力
を 適 切 に測定
し てい る状 況
を示
す と考
え ら れ た.
,社
会
的活 動
は脳 卒
中 患 者 を 対象
と し た研
究におい て,
友
人 とのつき
あい,
地 域活 動
,
趣味 活
動,
あ るい は仕事
と
い った 内容 が 研 究 者
に よっ て様
々に取 り
上 げ ら れ てい る“1,
10 )
12) ことか ら
,
操 作 的 定 義に おいて もf
分 な 合 意を得
ていな
い と言
え よ う。
高 齢 者
を対 象
と し た 研 究 業 績 で は.
その概 念 は 社会
的相
互作 用
を と も な う 対 人 的 な活
動 を 指 すこ とが多
い 18/ とされるこ と か ら,
橋 本
ら19丿 と香 川
ら34) の「
家庭 外
で の対
人活 動 」
であ る と する定
義
に従
っ た。
そ し て,
内容 的 妥 当性
の高い 測 定モデルを
構 築
す る た め にLOOO
名
を 越 える大 規模
な高 齢 者
サ ンプ ル を 併 用 した。
測 定
モ デル の7
項11
の 領 域に着
目す
るな ら,
「
環 境 安 全 」 が
1
項
凵,
「
趣味 娯 楽 」
が4
項
il
,
「
地 域行 事 」
が2
項Il
となり,
複
数の領 域で構 成
さ れた 〔表
4
)
、
,
松 岡
の分 類 181 に従
え ば,
「環 境 安 全 」と「
地 域行
事
」 は「
奉 仕 活 動 」
のド位 領
域であ る と さ れ てい る こと か ら,
構築
し た測
定モ デル は,
利他 的 な 地 域 奉 仕 活
動 を セた る内容
とす る活
動 と,
趣味
や娯 楽
とい っ た自
己 完結
的 な内 容
か らな
る活 動
34, とい う2
領域
で構 成 さ
れ る。
これは,
高 齢 者
を 対象
と した 研究 業績 を
ほ ぼ踏 襲
す るこ と か ら,
内 容
的 妥 当 性 を 支 持 する と考
えら れた。
次い で,
脳 卒 中
サ ンプル との 問の同時 因
一
f
分 析
において,
観 測 項 目の囚 子
へ の負
荷
を 同値 拘 束 し
た測 定 不 変
を示
すモ デル が高
い適合
度 を 得 たこ と は,
測定
モ デ ル が交 差 妥 当 性 を備
え る と考
え ら れ た.
同 じ観 測 変 数
に同
じ影 響
を与
える構
成 概 念 は等 質
な構 成 概 念
であると み な せ る16) こ と か ら,
両 集 団に お いて脳 卒
中 とい う疾患 特 性
にか かわ ら ず,
選 択
さ れ た観
測 項 囗
が家 庭 外
におけ
る対
入活
動
ない し は 社 会 的 関 与の程 度
の個 人
差 を 適 切に表
現 し 得 る と判 断
さ れ た。
な お,
得
ら れ た平
均得
点 を 比較
し た とこ ろ,
脳 卒
中サ ンプ ル の得 点
が有
意に低
い こ とが 示さ れ た。
脳卒
中発 症 後
には一
般 高 齢
者 と 比 し て家 族
以外
との ネッ トワー
ク が 低.
下 す る6) とい う社
会 関係
の障 害 を 指 摘 す
る仮 説
を 支 持 す るととも
に,
測 定
モ デルが 識 別 性をも
つ こ と を 示す と考 え
ら れ た。
さ て
,
3
つ の構 成 概念
間 に 回帰 関係
を設
定 し た 多 重 指標
モデルを解 析
した結
果,
モ デ ル全体
のデー
タへ の当
て はま り
は統 計 学 的
な 許 容水 準 を
一
}’
.
回り
,
心
理的
QOL
に 関与す
る現象
が 実 際のデー
タ に よっ て説 明
さ れ た。
次い で構 成 概 念 問
の回 帰 関 係を個
別に評 価
する と,
「IADL
」 か ら 「社 会 的活 動 」
へ の 回帰 係
数 は0
.
700
と統 言1
.
学
的に有
意
な規 定 力 を も ち
,
【ADL
能
力
が維 持
さ れて い る 人 ほ ど,
家
庭外
での 対 人 的な活 動
が 活 発であ る と 解 釈 され た。
さ ら に,
その決 定 係 数
が49
% であっ た こ と は,
交 通 機 関 を 利 用す
る能 力
や金銭
管 理の能力
などが社 会 集 団
へ の参加
の必 要.
条 件であ るこ と を示唆
する結 果
と 考 え ら れた。高 齢 者
お よ び中
高年
を 対 象
とし
た研 究
で は,社 会 関係
の 維 持にADL
よ り.
ヒ位に位 置 す
る能 力
が有
意 な 正の直 接
効 果 を も
つ と さ れ て お り1]4)3iil,
脳卒
中 患 者 に おい ても
同 様
に,
社 会 的 活 動の維 持
には不
可 欠 な 能 力であると考
え ら れ た。
次
い で,
「
IADL
」
か ら「
心 理 的QOL
」
へ の 回帰 係 数
はo
.
025
と非 常
に小
さく
,
IADL
と主 観 的 側 面
との関 連
lo)一 )36 :18) は
支 持
されず
,
両 者
の 関 連は見
か けの もの という
可能 性 が 推 察
さ れ た。一
方
,
「
社 会 的 活
動 」
か ら 「心 理 的QOL
」
へ の回 帰 係 数 は0
.
344
と統 計 学
的 に 有 意 な規 定 力
をも
つ こ とが 明らかと なっ たtt 杜 会 的活 動
と主
観
的 幸 福 感
の IE の関係 性
は老
年
学
で・
般
に確 認
さ れて き た:一/。
在
宅 脳卒 中
患 者 におい て も 社 会 的活 動
が 心 理 的QOL
の規 定 要 因
であ るこ と を 実 証でき
た こ と は,
疾 患
の有 無
に関
わ ら ず,
心 理 的安 寧
に対す
る社 会 的
活 動 の重 要 性
を示
唆 す る と 考 え ら れ た。
さ らに,
「
IADL
」
か ら 「心
理的
QOL
」へ の間接 効 果
は0,
24
ユと1自: 接 効 果に比 して極
め て 大 き かっ たこ と か ら,
IADL
がQOL
に 及ぼす 影 響
は社
会 関 係の豊 か さ を介
する ことに よ ると解 釈
された。
高齢 者
を 対 象と し た研 究
で は,
社 会的 活 動 が
生活 満
足度
へ の直接 的 な 規 定 要 因
であ る と同
時 に, 健康 度
や社 会経 済
要 因 か らの 影 響 に介 在す
る との 見解
が示
さ れて い る L4弓9〕。
中等
度 もしくは重度
の高 齢 障害 者 を対 象
と し たOsberg
ら:v の研 究
におい て も,
杜会
的活
動 がADL
などからの影 響
を 生活 満
足 度に伝 達 す る機 能 を も
っ てい た。
「
IADL
」
か ら「
心 理 的QOL
」へ の総 効 果
O
.
266
t
:比べ て,
「
社 会 的 活 動
1
の直 接 効 果
が よ り大 き かっ たこと も 考慮
に人れ,
対
人活
動 が 個 人の能
力
に比 して心 理 的QOL
へ よ り強 く
関与
してい るこ と を 意 味 す る もの と言 え
よう
/
t さ らに,
社 会 的 活 動 は健 康 度
の悪 化 が も た らす
モ ラー
ル の低
下 を緩和
す
る機 能 を も
つ 4°} こ と を 考 慮 するなら,
ADL
やIADL
とい っ た 能 力 低 下 を有
す る脳 卒 中患 者
において杜 会 的 活 動のも
つ意 義
は 大 きい と考
えら れた。
以 ヒの
結 果
は,
心 理 的QOL
につ い て提
起 さ れ て き た関 係 性 を 実 証 した
と同 時
に.
心 理 的QOL
に障 害
モ デル を 組み人 れた研究
モ デル 38川 、に関 して.
社 会
生活
に関
する要 因 を 心 理 的QO
王、
の1
次 要 因,
個 人の能 力
に関
す る要 囚
を2
次要 因
と構 造 化 す るこ と の妥 当性
を示 唆 す
る もの であっ た、
、
本 稿
は,
岡
山県
疏 大 学 大学 院 保 健 福 祉 学 研
究科
の1999
年
度修
士 論文
を内容 的
に発 展
さ せ た もので あ る。
注
注 1