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統合失調症の認知行動療法:精神科リハビリテーションにおける役割

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Academic year: 2021

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日本認知・行動療法学会 第44回大会 485 -ワークショップ概要

WS-10 教育現場における認知行動療法実践のための医学的診断

稲垣 貴彦 滋賀医科大学精神医学講座 子ども達の精神的な不調に対して家族以外が最初に 接触するのが教育現場である。どのような支援が適切 であるかは、医療に繋ぐことも含め、教育現場におい て必ず検討できるようにしておかなくてはいけない。 精神的な不調を訴える子どもたちにどのような支援 が適切であるかを検討すること、これはまさに「診断」 である。診断とは、クライエントと支援を結びつける 手段のことであり、子どもの種々の情報からどの支援 がその回復に寄与するのかを判断することである。そ の子どもの症状が過去のどの子どもと似ているかを判 断し、過去の子どもで成功した支援をその子どもに適 用する、というプロセスが重要である。そのためには 過去の子どもたちの症状を分類し蓄積しておかなくて はならない。 診断基準とは、過去の膨大な量のクライエントを解 析し、その支援の選択において意味をなす分類を提示 したものである。ある不登校の児童 A にはCBTが有効 であったが、別の不登校の児童 B にはCBTはあまり効 果が無かったとしよう。このようなことは頻繁に経験 される。不登校という分類には支援を行なう上で意味 がなく、 A は社交不安症で B は統合失調症と分類され てはじめて分類の意味が出てくる。社交不安症に対し てはCBTが極めて有効だが、統合失調症に対してはCBT の効果は限定的であろう。 CBTは治療技法の一つである。教育現場で子ども達 に相対するとき、CBTが適切であるのか、どのような CBTが適切なのかを判断しなくてはならない。正しい 診断がなければ、正しいCBTの実践がありえないこと は言うまでもない。 本ワークショップでは、( 1 )教育現場での子ども の精神的不調の正体(疾患、症候)、( 2 )支援に結び つけるための診断の手法、( 3 )支援における医療の 活用について、ワークを盛り込みながら提示する。

WS-11 統合失調症の認知行動療法:精神科リハビリテーションにおける役割

石垣 琢麿 東京大学大学院総合文化研究科 認知行動療法はその適用範囲を次々と広げ、1990年 代以降は統合失調症にも用いられるようになり、有効 性 も 実 証 さ れ て い ま す。 広 義 に は ソ ー シ ャ ル ス キ ル・トレーニング(SST)も認知行動療法に入ります が、本ワークショップでは幻覚や妄想のような陽性症 状に対する技法(CBTpとよばれることもあります)に 焦点をあてます。ただし、この介入法の最終的な目的 は、服薬せずに陽性症状を消去することではなく、適 切に服薬していても残存する幻覚や妄想による苦痛を 減じて、当事者の生活の質を高めることなので注意し てください。CBTpの基本的な態度、陽性症状に関する 認知行動的アセスメント、発達的視点も重視するケー ス・フォーミュレーション、CBTpに特徴的な技法など について解説します。統合失調症への心理的介入は包 括的な精神科リハビリテーションの中に位置づけられ る必要がありますから、CBTpがそれにどのように貢献 できるかという視点で検討します。 また近年では、症状自体ではなく、症状の背景にあ る「認知バイアス」を扱う、心理療法と心理教育のハ イブリッドであるメタ認知トレーニング(MCT)のよ うな興味深い方法も開発されています。特に対個人用 のMCT+はCBTpの考え方と類似しており、そのマニュ アルはCBTpを実践したい方にも役立つと思いますの で、詳しく解説したいと考えています。統合失調症の 臨床に携わる方なら経験、知識、職種は問いませんが、 上記内容に初めて触れる方を中心にした構成にしたい と考えています。

参照

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