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在宅脳卒中者における生活空間の関連因子

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 44 巻第 5 号 323 ∼ 331 頁(2017 在宅脳卒中者における生活空間の関連因子 年). 323. 研究論文(原著). 在宅脳卒中者における生活空間の関連因子* ―活動範囲別の検討―. 内 藤 考 洋 1)# 松 田 直 樹 1) 鈴 木   創 1) 丸 谷 孝 史 2) 酒 井 安 弘 3) 佐 田 真 吾 4) 塚 田 鉄 平 5) 木 村 俊 哉 6) 高 山 拓 也 6) 片野真奈未 7) 稲 田   亨 1). 要旨 【目的】在宅脳卒中者の生活空間における各活動範囲(住居内,住居周辺,住居近隣,町内,町外)に関 連する因子を調査した。 【方法】在宅脳卒中者 143 名を対象に,基本属性,Life-space assessment(以下, LSA) ,Modified Fall Efficacy Scale(以下,MFES) ,Barthel Index(以下,BI)等,計 15 項目を調査した。 統計学的検討では各活動範囲別の LSA 得点と各評価指標との相関分析を実施した。また,対象者を通所 系サービスおよび外来リハ利用の有無であり群・なし群に割付けし,2 群の各活動範囲別得点に対し,対 応のない t 検定を実施した。 【結果】住居内・住居周辺の LSA 得点は MFES と BI との間に中等度の相関 を認めた。また,住居周辺,町内・町外の得点は,通所系サービスおよび外来リハ利用あり群で有意に高 かった。【結論】生活空間は,各活動範囲によって関連する因子が異なることが示唆された。 キーワード 在宅脳卒中者,生活空間,Life-space assessment,活動範囲. はじめに. で重要な考え方として,生活空間の広がりがある。生活 空間は「人間が具体的な生活の営みにおいて活用してい 2).  平成 25 年度の国民生活基礎調査によると,要介護状. る空間としての環境」と定義されており ,自宅内の寝. 態となった原因の第 1 位は,脳卒中であるとされてい. 室や居室,屋外と幅広く存在する。この生活空間は歩数. る. 1). 。脳卒中を罹患することで,疾患による機能障害や. や運動量等の身体活動量に結びつく概念であるとされて 3). ,日常生活動作(Activities of Daily Living:以. 活動能力の低下により社会参加に制限を起こしやすくな. おり. る。この活動能力の低下や社会参加の制限を予防する上. 下,ADL)能力の低下に先立ち狭小化することも報告 されている. *. Factors Related to Life-space in Community-dwelling Patients after Stroke: Investigation According to each Life-space Level 1)旭川リハビリテーション病院 (〒 078‒8801 北海道旭川市緑が丘東 1 条 1 丁目 1‒1) Takahiro Naito, PT, Naoki Matsuda, PT, MSc, Hajime Suzuki, PT, Toru Inada, PT, MSc: Asahikawa Rehabilitation Hospital 2)北都病院 Takashi Maruya, PT: Hokuto Hospital 3)介護老人保健施設ことぶき Yasuhiro Sakai, PT: Geriatric Health Services Facility Kotobuki 4)特別養護老人ホーム仁慈苑 Shingo Sada, PT: Special Nursing Home for the Elderly Jinshien 5)旭川医科大学病院 Teppei Tsukada, PT: Asahikawa Medical University Hospital 6)森山メモリアル病院指定訪問リハビリテーション事業所 Toshiya Kimura, PT, Takuya Takayama, PT: Moriyama Memorial Hospital Home-visit Rehabilitation Specified Office 7)森山メモリアル病院指定訪問リハビリテーション事業所福祉村サテラ イト出張所 Manami Katano, PT: Moriyama Memorial Hospital Home-visit Rehabilitation Specified Office Fukushimura Satellite Branch Office # E-mail: tmn2807@gmail.com (受付日 2016 年 10 月 15 日/受理日 2017 年 3 月 30 日) [J-STAGE での早期公開日 2017 年 5 月 24 日]. 4). 。.  生活空間の代表的な評価指標に Life-space assessment 3)4). (以下,LSA). がある。この LSA は,生活空間を住. 居内,住居周辺,住居近隣,町内,町外の 5 つの活動範 囲に区分し,各活動範囲における過去 1 ヵ月間の活動の 有無と活動頻度および自立度を評価する指標である。こ れまで,地域在住高齢者の LSA 得点と関連する因子が 報告されている. 3)5). 。また,近年では,在宅脳卒中者に. おいても LSA を用いた生活空間の評価が重要視され, LSA 得点との関連因子が報告されている. 6‒8). 。.  我々は,在宅脳卒中者の中で住居内では自立歩行が可 能でも,活動範囲が広がるにつれ,移動の自立度が低下 する理学療法対象者を多く経験する。移動能力の低下が ある在宅脳卒中者では LSA の活動範囲毎で必要な移動 距離や活動内容が異なってくる。そのため,活動範囲別.

(2) 324. 理学療法学 第 44 巻第 5 号. 表 1 各評価指標 評価指標. 結果の解釈. LSA. 各活動範囲の得点範囲は,住居内 0 ∼ 8 点,住居周辺 0 ∼ 16 点,住居近隣 0 ∼ 24 点,町内 0 ∼ 32 点, 町外 0 ∼ 40 点で,満点の場合は,その範囲において補助具や人的介助なしに毎日活動があり,0 点の場合は,その範囲における活動がないことを意味する.. MFES. 得点範囲は 0 ∼ 140 点で,得点が高いほど,転倒関連自己効力感が高いことを意味する.また, 満点で「転倒恐怖感なし」,139 点以下で「転倒恐怖感あり」と定義される.. BI. 得点範囲は 0 ∼ 100 点で,満点で ADL 完全自立,0 点で全介助を意味する.. EQ(効用値). 効用値は,健康水準を数値で表したもので,あらゆる健康状態に 0 ∼ 1 の数値が与えられ,0 が「死」 を,1 が「完全な健康」を意味する.. LSNS. 得点範囲は 0 ∼ 30 点で,得点が高いほど社会的つながりが大きく,12 点未満で社会的孤立を意 味する.. TMIGI. 得点範囲は 0 ∼ 13 点で,得点が高いほど IADL 能力が高いことを意味する.. MNA. 得点範囲は 0 ∼ 14 点で,12 ∼ 14 点で栄養状態良好,8 ∼ 11 点で低栄養のおそれあり,0 ∼ 7 点 で低栄養と判断できる.. LSA:Life-space Assessment,EQ:EuroQol,MFES:Modified Fall Efficacy Scale LSNS:Lubben Social Network Scale-6,BI:Barthel Index TMIGI:Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competence MNA:Mini Nutritional Assessment 短縮版. で対象者個人にかかわる因子(心理状況,活動能力等). は,調査内容を書面および口頭にて十分に説明を行い,. や環境因子(社会的つながり)等,関連する因子に相違. 同意を得た上で調査を実施した。. がある可能性が高いと考えた。しかしながら,前述した 6‒8). では,LSA の合計得点と関連する因子を. 2.調査項目. 検討しているものの,活動範囲別での関連因子は検討さ. 1)基本属性. れていない。.  基本属性は,年齢,性別,疾患名,発症からの期間,.  そこで,本研究の目的は,在宅脳卒中者における生活. 介護度,利用している福祉・医療サービス(以下,利用. 空間を各活動範囲別に調査し,各活動範囲別の生活空間. サービス) ,屋外移動手段,連続歩行距離の 8 項目とし. に関連する因子を検討することとした。本研究で,在宅. た。利用サービスは,「通所介護」,「通所リハ」,「外来. 先行研究. 脳卒中者における活動範囲別での活動状況およびその関. リハ」,「訪問介護」,「訪問看護」,「訪問リハ」による 6. 連因子を明らかにすることにより,生活空間の維持,拡. つの選択肢を複数回答とした。屋外移動手段は,屋外に. 大に向けた理学療法介入を活動範囲別といった新たな視. おける移動手段について,介助の有無・歩行補助具の使. 点で検討できる資料になりうると考える。. 用にかかわらず「歩行」か「車椅子」のいずれかで聴取. 対象および方法. した。連続歩行距離は,屋内・屋外にかかわらず,対象 者が休まずに歩ける距離を「10 m 未満」 ,「10 ∼ 50 m. 1.対象. 未満」,「50 ∼ 100 m 未満」,「100 ∼ 500 m 未満」 ,「500.  対象は,旭川市および近郊に在住している在宅脳卒中. ∼ 1 km 未満」,「1 km 以上」の 6 段階で聴取した。. 者で,旭川市居宅介護支援事業所等連絡協議会(以下,. 2)評価指標(表 1). 連協)所属の介護支援事業所および地域包括支援セン.  評価指標は,生活空間の評価として LSA. ター利用者,旭川リハビリテーション病院外来リハビリ. 連自己効力感の評価として Modified Fall Efficacy Scale. テーション(以下,リハ)利用者,老人保健施設さくら. 9) ( 以 下,MFES) ,ADL 能 力 の 評 価 と し て Barthel. 3)4). ,転倒関. 館通所リハ利用者の計 143 名とした。対象者の包含基準. 10) Index(以下,BI) ,健康関連 Quality of Life(以下,. は,介護保険制度の要支援 1・2,要介護 1・2・3 の認. 11) QOL)の評価として EuroQol の効用値(以下,EQ) ,. 定を受け,かつ認知症高齢者の自立度判定基準で正常・. 社会的つながりの評価として Lubben Social Network. Ⅰの者とした。要介護 4・5 の者,身体活動に明らかな. 12) Scale 短縮版(以下,LSNS) ,手段的 ADL(Instru-. 影響を与えるような整形外科的疾患・内部障害を有する. mental ADL:以下,IADL)の評価として老研式活動. 者は除外した。. 能力指標(Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology.  本調査は,旭川リハビリテーション病院倫理委員会お. 13) Index of Competence:以下,TMIGI) ,栄養状態の. よび対象者が利用する各施設所属長の承認を得た上で,. 評価として Mini Nutritional Assessment 短縮版(以下,. ヘルシンキ宣言に則り実施した。また,対象者に対して. MNA). 14). を使用した。.

(3) 在宅脳卒中者における生活空間の関連因子. 325.  LSA の得点は,各活動範囲で設定された得点(住居. 5)LSA 以外の評価指標. 内:1 点,住居周辺:2 点,住居近隣:3 点,町内:4 点,.  LSA 以外の各評価指標は,全対象者において平均値. 町外:5 点)に,活動頻度(週 1 回未満:1 点,週 1 ∼. および標準偏差を算出した。. 3 回:2 点,週 4 ∼ 6 回:3 点,毎日:4 点)および自立 度(人的介助:1 点,物的介助:1.5 点,自立:2 点)の. 5.統計学的解析. 得点を積算し,各活動範囲別の得点(以下,各活動範囲. 1)LSA 各活動範囲における活動頻度および自立度. 別得点)を算出した。さらに,各活動範囲別得点を合計.  LSA 活動頻度および自立度の人数において,活動範. して LSA の合計得点を算出した。なお,本調査では,. 2 囲別に有意な偏りがあるかを調査するため,χ 適合度. 各活動範囲別に関連する因子を検討するため,各活動範. 検定を実施した。さらに,有意な偏りがみられた活動範. 囲別得点の算出において,活動の有無および活動頻度を. 囲においては事後検定として Bonferroni 法による多重. より上位の活動範囲に準じて修正するといった初期値の. 比較検定を実施した。. 修正. 3). は行わなかった。すなわち,目的地となった活. 2)LSA と LSA 以外の評価指標との関連. 動範囲にのみ加点し,通過するのみの活動範囲には加点.  LSA 合計得点および各活動範囲別得点と LSA 以外の. していない。. 各評価指標との関連について Spearman の順位相関係数.  調査項目は,以上の 15 項目とし,これら全てをまと. を算出した。なお,相関係数の値は,0.2 ∼ 0.4 を弱い. めた 1 冊の質問紙を作成した。. 相関,0.4 ∼ 0.7 を中等度の相関,0.7 ∼ 1.0 を強い相関 とした。. 3.調査方法および調査期間  調査は,連協に所属する対象者の担当介護支援専門員. 3)通所系サービスおよび外来リハ利用の有無による各 活動範囲別得点. および調査協力施設の理学療法士が質問紙を用いて面接.  通所系サービスや外来リハを利用することは,活動量. にて実施した。調査を統一した方法で行うために,質問. の向上,外出機会へとつながり,特に屋外の活動範囲に. 方法や回答基準を規定したマニュアルを作成し,調査を. おける生活空間拡大への関連が予測される。そこで,対. 行う調査実施者に配布・説明を行った。調査期間は平成. 象者を通所系サービスおよび外来リハ(通所介護,通所. 27 年 2 月 20 日∼ 4 月 15 日とした。. リハ,外来リハのいずれかもしくは複数)利用の有無で あり群となし群に割付けし,2 群間の各活動範囲別得点. 4.データ集計. を対応のない t 検定にて比較した。. 1)LSA の得点および得点率.  全ての統計学的解析において,有意水準は 5%とし.  本調査では,地域における生活空間の詳細な現状を把. た。統計解析ソフトは,SPSS11.0.1 J(IBM 社製)を使. 握するため,LSA の得点は,各対象者の各活動範囲別. 用した。. 得点および合計得点を算出し,それぞれ全対象者におけ る平均値および標準偏差を算出した。また,活動範囲別 の得点率(得点率)を以下の式で算出した。 【得点率(%)=各活動範囲別得点÷各活動範囲の満点. 結   果 1.対象者の基本属性(表 2)  平均年齢は,72.9 ± 10.1 歳で 65 歳以上が 84.6%であっ. × 100】. た。性別は,男性が 65.7%,女性が 34.3%であった。対. 2)最大活動範囲. 象の 73.4%が発症から 3 年以上経過していた。介護度は,.  LSA の各活動範囲別得点において加点のあった活動. 要支援 1 が 11 名(7.7%) ,要支援 2 が 1 名(8.4%) ,要. 範囲のうち,居住地点から最も遠い活動範囲を最大活動. 介 護 1 が 40 名(27.9 %) , 要 介 護 2 が 39 名(27.3 %) ,. 範囲とし,活動範囲別にその活動範囲が最大活動範囲で. 要介護 3 が 36 名(25.2%)であった。利用サービスは,. あった人数を集計し,全対象者に対する割合(%)を求. 60 名が複数利用しており,通所介護は 44.1%,訪問看. めた。. 護・訪問リハは 9.8%であった.屋外移動手段は,歩行. 3)活動頻度. の者が 71.3%,連続歩行距離は 50 m 未満の者が 51.0%.  活動頻度は,活動範囲別に「活動なし」 , 「週 1 回未満」,. であった。. 「週 1 ∼ 3 回」,「週 4 ∼ 6 回」,「毎日」の 5 段階で人数 を集計し,全対象者に対する割合を求めた。. 2.各評価指標(表 3). 4)自立度.  全対象者における LSA の合計得点は,平均 26.3 ±.  自立度は,活動範囲別に「活動なし」,「人的介助あ. 16.8 点であった。また,初期値の修正を行った LSA 合. り」,「人的介助なし」の 3 区分で人数を集計し,全対象. 計得点の平均値は 32.9 ± 17.3 点であった。. 者に対する割合を求めた。.

(4) 326. 理学療法学 第 44 巻第 5 号. 表 3 各評価指標の結果(n = 143). 表 2 対象者の基本属性(n = 143) 年齢. 性別. 疾患名. 72.9 ± 10.1 歳. 65 ∼ 74 歳. 59 名(41.2%). MFES(点). 65.9 ± 38.7. 75 歳以上. 61 名(42.7%). BI(点). 77.9 ± 21.9. EQ(効用値). 0.59 ± 0.17. 1 名(0.7%). 男性. 94 名(65.7%). LSNS(点). 女性. 49 名(34.3%). TMIGI(点). 脳梗塞. 85 名(59.4%). MNA(点). 脳出血. 53 名(37.1%). 値は平均 ± 標準偏差を表記. LSA の( )内は初期修正を行った得点を表記. LSA:Life-space Assessment,MFES:Modified Fall Efficacy Scale,BI:Barthel Index,EQ: EuroQol,LSNS:Lubben Social Network Scale-6,TMIGI:Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competence,MNA: Mini Nutritional Assessment 短縮版. 1 年未満. 3 年以上 不明. 利用サービス. 移動手段. 連続歩行距離. (32.9 ± 17.3). 不明. 1 ∼ 3 年未満. 介護度. 26.3 ± 16.8. 22 名(15.4%). くも膜下出血 発症からの期間. LSA(点). 65 歳未満. 8 名(3.5%) 11 名(7.7%) 22 名(15.4%) 105 名(73.4%) 5 名(3.5%). 9.6 ± 5.6 5.8 ± 3.9 11.2 ± 2.3. 要支援 1. 16 名(11.2%). 要支援 2. 12 名(8.4%). 要介護 1. 40 名(27.9%). 要介護 2. 39 名(27.3%). = 63.818, p < 0.001, 住居近隣 ; χ 2 = 132.909, p < 0.001,. 要介護 3. 36 名(25.2%). 2 2 町 内 ; χ = 79.413, p < 0.001, 町 外 ; χ = 131.371, p <. 通所介護. 63 名(44.1%). 0.001)。事後検定の結果,住居近隣,町外において, 「活. 通所リハ. 41 名(28.7%). 動なし」が他の頻度よりも有意に多かった。また,「活. 外来リハ. 47 名(32.9%). 動なし」を除くと,住居内では「毎日」が他の頻度より. 訪問介護. 34 名(23.8%). も有意に多かった。住居周辺,住居近隣,町内では「週. 訪問看護. 14 名(9.8%). 1 ∼ 3 回」が他の頻度よりも有意に多く,町外では「毎. 訪問リハ. 14 名(9.8%). 日」が有意に少なかった(表 5)。. 歩行. 102 名(71.3%).  活動範囲別の自立度は,有意な偏りがあった(住居内 ;. 車椅子. 41 名(28.7%). χ 2 = 123.455, p < 0.001, 住居周辺 ; χ 2 = 10.084, p = 0.006,. 10 m 未満. 41 名(28.7%). 10 ∼ 50 m 未満. 32 名(22.3%). 2 2 住居近隣 ; χ = 28.126, p < 0.001, 町内 ; χ = 10.671, p =. 50 ∼ 100 m 未満. 17 名(11.9%). 100 ∼ 500 m 未満. 25 名(17.5%). 500 m ∼ 1 km 未満. 14 名(9.8%). 1 km 以上. 14 名(9.8%). 2. 。事後検定の結果, 0.005, 町外 ; χ = 47.259, p < 0.001) 「人的介助あり」と「人的介助なし」を比較すると,住 居近隣以外の範囲で有意差を認め,住居内,住居周辺で は人的介助なし,町内,町外では人的介助ありが多かっ た。住居近隣では,人的介助の有無に有意差を認めな. 年齢は平均 ± 標準偏差を表記. その他は度数(割合)を表記.. かった(表 6)。 4.LSA と LSA 以外の各評価指標の関連(表 7). 3.各活動範囲別得点および得点率,最大活動範囲,活 動頻度,自立度.  LSA 合計得点と全ての評価指標の間には有意な正の 相 関 が あ り, 特 に MFES と の 間 に は r = 0.491(p <.  全対象者における各活動範囲別得点の平均値は,住居. 0.05) ,BI との間には r = 0.487(p < 0.05)の中等度の. 内 6.1 ± 2.3 点,住居周辺 4.6 ± 4.7 点,住居近隣 4.2 ±. 有意な正の相関があった。各活動範囲別得点では,住居. 5.6 点,町内 6.5 ± 6.2 点,町外 4.8 ± 6.3 点であった。. 内・住居周辺の得点において,全ての評価指標との間に. 各 活 動 範 囲 別 の 得 点 率 は, 住 居 内 76.7 %, 住 居 周 辺. 有意な正の相関があった。各活動範囲別得点と MFES. 28.9%,住居近隣 17.7%,町内 20.2%,町外 12.0%であっ. との間には,住居内で r = 0.478(p < 0.05) ,住居周辺. た。最大活動範囲は,町内,町外を合わせて 81.2%で. で r = 0.542(p < 0.05),BI との間には,住居内で r =. あった。残りの者は住居内 9.1%,住居周辺 2.8%,住居. 0.464(p < 0.05) ,住居周辺で r = 0.508(p < 0.05)の. 近隣 7.0% だった(表 4)。. 中等度の有意な正の相関があった。一方,住居近隣∼町.  活動範囲別の活動頻度は,その頻度に有意な偏りが 2. あった(住居内 ; χ = 441.161, p < 0.001, 住居周辺 ; χ. 2. 外における得点と各評価指標との間には,弱い有意な正 の相関があった,もしくは相関が認められなかった。.

(5) 在宅脳卒中者における生活空間の関連因子. 327. 表 4 LSA の各活動範囲別得点および得点率と最大活動範囲 住居内. 住居周辺. 住居近隣. 町内. 町外. 6.1 ± 2.3 点. 4.6 ± 4.7 点. 4.2 ± 5.6 点. 6.5 ± 6.2 点. 4.8 ± 6.3 点. (6.1 ± 2.0 点). (6.1 ± 3.8 点). (7.5 ± 4.7 点). (8.3 ± 5.6 点). (4.8 ± 6.3 点). 76.7%. 28.9%. 17.7%. 20.2%. 12.0%. 13 名(9.1%). 4 名(2.8%). 10 名(7.0%). 55 名(38.5%). 61 名(42.7%). 得点. 得点率 最大活動範囲. LSA:Life-space Assessment LSA の得点は平均 ± 標準偏差を表記.( )内は初期値の修正を行った得点を表記. LSA の得点率は「各活動範囲別得点 ÷ 各活動範囲の満点 × 100」の計算式にて算出. 最大活動範囲の( )内は全対象者に対する割合を表記.. 表 5 活動範囲別の活動頻度 住居内 活動なし 週 1 回未満 週1∼3回 週4∼6回 毎日. 住居周辺. 6 名(4.2%). 54 名(37.8%). 2 名(1.4%). 7 名(4.9%). 住居近隣. 町内. 77 名(53.8%) 52 名(36.4%) * * 9 名(6.3%) * 16 名(11.2%) * * * * * * 5 名(3.5%) * 49 名(34.3%) * 42 名(29.4%) * 56 名(39.2%) * * * * * * 1 名(0.7%) * 15 名(10.5%) * 9 名(6.3%) * 16 名(11.2%) * * * 129 名(90.2%) 18 名(12.6%) 6 名(4.2%) 3 名(2.1%) *. 町外 82 名(57.3%) * 19 名(13.3%) * 30 名(21.0%) * 10 名(7.0%) *. *. * *. 2 名(1.4%). ( )内は全対象者に対する割合を記載. *:p < 0.05. 表 6 活動範囲別の自立度 住居内 活動なし 人的介助あり 人的介助なし. 6 名(4.2%). * 28 名(19.6%) * * 109 名(76.2%). 住居周辺 54 名(37.8%) * 30 名(21.0%) * 59 名(41.3%). 住居近隣. 町内. 77 名(53.8%) * 28 名(19.6%) * 38 名(26.6%). 52 名(36.4%) 61 名(42.7%) * 30 名(21.0%). 町外 82 名(57.3%) * 49 名(34.3%) * * 12 名(8.4%). ( )内は全対象者に対する割合を記載. *:p < 0.05. 表 7 LSA(合計得点および各活動範囲別得点)と各評価指標の相関係数 MFES. BI. EQ. LSNS. TMIGI. MNA. 合計得点. 0.491*. 0.487*. 0.228*. 0.392*. 0.284*. 0.330*. 住居内. 0.478*. 0.464*. 0.297*. 0.214*. 0.250*. 0.387*. 住居周辺. 0.542*. 0.508*. 0.291*. 0.241*. 0.274*. 0.378*. 住居近隣. 0.316*. 0.338*. 0.250*. 0.198. 0.073. 0.190. 町内. 0.258*. 0.261*. 0.105. 0.267*. 0.169. 0.140. 0.027. 0.300*. 0.228*. 0.178. 町外. 0.165. 0.164. *: p < 0.05 r = 0.2 ∼ 0.4:弱い相関,r = 0.4 ∼ 0.7:中等度の相関,r = 0.7 ∼ 1.0:強い相関 LSA:Life-space Assessment,MFES:Modified Fall Efficacy Scale,BI:Barthel Index EQ:EuroQol,LSNS:Lubben Social Network Scale-6 TMIGI:Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competence MNA:Mini Nutritional Assessment 短縮版. 5.通所系サービスおよび外来リハ利用の有無による各 活動範囲別得点(表 8)  通所系サービスおよび外来リハ利用はあり群が 124. ては両群に有意差を認めなかった。 考   察. 名,なし群が 19 名であった。住居周辺,町内,町外の. 1.本調査対象における生活空間の現状. 得点において,あり群の方がなし群よりも有意に高い得.  本調査における LSA 合計得点は平均 26.3 点,初期値. 点であった。一方,住居内および住居近隣の得点におい. の修正得点は平均 32.9 点であった。初期値の修正を行っ.

(6) 328. 理学療法学 第 44 巻第 5 号. 表 8 通所系サービスおよび外来リハ利用の有無による比較 あり群 (n = 124). なし群 (n = 19). t値. p値. 住居内. 6.2 ± 2.1. 5.6 ± 2.0. 1.142. 0.255. 住居周辺. 4.9 ± 4.7. 2.6 ± 3.6. 2.039. 0.043. 住居近隣. 4.5 ± 5.7. 2.4 ± 3.7. 2.030. 0.051. 町内. 7.0 ± 6.1. 2.7 ± 4.7. 2.922. 0.004. 町外. 5.3 ± 6.5. 1.3 ± 3.6. 3.902. < 0.001. て LSA 合 計 得 点 を 算 出 し て い る 先 行 研 究 で は,35.8 点. 6). ,55.3 点. 8). と報告されており,いずれの先行研究. は,主観的健康観,転倒恐怖感 能力. 6). ,IADL 能力. 3)17). 7). ,人的環境 5),ADL. との関連が報告されている。. よりも本調査の結果で示された得点は低値を示した。本. 本研究で調査した栄養状態を示す MNA と LSA との関. 調査結果が低値を示した理由として,調査対象者の属性. 連を直接的に示す先行研究はない。しかしながら,これ. による影響が考えられる。先行研究の対象者は,対象の. までに,MNA は身体活動量と関連することが報告さ. 約 7 割が歩行自立者で,要介護認定者は半数以下 10 m 歩行計測が可能で生活が安定した者. 8). 6). ,. とされてい. れ. 18). ,生活空間は身体活動量に結びつく概念であると. される. 3). 。これらの先行報告から,LSA と MNA との. る。これに対し,本調査では,全ての対象者が要支援・. 関連を間接的に類推することができる。以上のことか. 要介護認定者で,連続歩行距離が 50 m に達しない者が. ら,LSA の合計得点と全ての評価指標との間に相関を. 約半数含まれていた。このため,本調査の対象者は他の. 認めた本調査結果は,先行研究と類似した傾向を示した. 調査と比較し,ADL 能力や移動能力が低かった可能性. ものと考える。. がある。LSA の得点は,移動能力が高い者ほど得点が 高く,要介護区分が上がるにつれ点数が低くなる. 3). こ. 3.各活動範囲別得点との関連因子. とから,調査対象者の属性が LSA の合計得点に影響し.  LSA 合計得点は,全ての評価指標と関連を示す一方,. たと考えられる。. LSA の各活動範囲別得点では関連因子が異なっている.  さらに,本調査では対象の生活空間を詳細に把握する. ことが示された。この結果を概観すると,LSA の活動. ために,各活動範囲別得点および得点率,活動頻度,自. 範囲毎で必要となる移動距離に対して,「対象者個人に. 立度を示した。各活動範囲別得点の得点率は,住居内で. かかわる因子(心理状況,活動能力や栄養状態) 」や「環. は 76.7%であったのに対し,住居周辺以遠の屋外の活動. 境因子(社会的つながり)」が関与し,結果に反映した. 範囲においては 30%未満にとどまっていた。このよう. のではないかと考える。. な結果となったのは,活動範囲毎で活動頻度と自立度が.  まず,住居内,住居周辺の各活動範囲別得点は,全て. 異なっていたことが反映していたと考える。活動頻度. の評価項目との間に相関があった。特に,MFES およ. は,住居内において「毎日」の者が有意に多かった。こ. び BI は,住居内,住居周辺と中等度の相関があった。. れに対し,住居周辺以遠の屋外の範囲においては,住居. 転倒関連自己効力感は,日常における活動内容や身体機. 周辺,町内では「週 1 ∼ 3 回」と有意差はみられなかっ. 能とより深く関係し. たものの「活動なし」の者が他の頻度よりも有意に多. てない場合,生活空間は狭小化するとされている. かった。自立度では,「活動なし」の者を除くと,町内,. また,ADL 能力は,屋外歩行. 町外といった移動距離の長い範囲において「人的介助あ. 活動の実施. り」の者が多かった。これらから,本調査対象の生活空. より基礎的な能力である ADL 能力が必要である。これ. 間は特に屋外における活動範囲で狭小化していると考え. らから,転倒関連自己効力感や ADL 能力は,住居内の. 距離. ,活動に対してできる確信がも 21). 20). 。. や自宅周辺での屋外. 22). と関連し,屋外活動を実施するためには,. や,連続歩行. みならず,歩行によって移動できる者が多いと予測され. の関連が報告されている。そのため,本調査対. る屋外の活動範囲である住居周辺の得点とも関連するこ. る。外出活動には,実用的な歩行機能 16). 15). 19). 象においても,移動能力が屋外の生活空間に影響してい. とが示唆された。また,EQ,TMIGI,MNA においても,. る可能性が推察された。. 健康関連 QOL,IADL 能力,栄養状態といった「対象 者個人にかかわる因子」を評価する指標である。さらに,. 2.LSA 合計得点との関連因子. EQ の評価内容には移動の程度,TMIGI には複数の屋.  本調査の結果,LSA の合計得点は,全ての評価指標. 外における活動の可否,MNA には自力歩行による外出. との間に相関が認められた。先行研究において,LSA. 可否が含まれている. 11)13)14). 。そのため,これらの指標.

(7) 在宅脳卒中者における生活空間の関連因子. 329. も,MFES,BI と同様に,住居内および住居周辺の得. 子」が関連し,相関の強さから,特に転倒関連自己効力. 点と関連したことが考えられた。. 感や ADL 能力が生活空間拡大に寄与している可能性が.  次に,町内,町外の各活動範囲別得点では,MFES,. 考えられた。また,住居周辺以遠の活動範囲においては,. BI は町内の得点,TMIGI は町外の得点と相関があり,. 通所系サービスおよび外来リハの利用が,個人の能力に. その他は相関がなかった。また,LSNS は,本調査にお. 依存せずに生活空間を拡大するための手段であることが. ける評価指標のうち,唯一,町内,町外双方の得点と相. 示唆された。そのため,ケアプランの検討等,対象者・. 関があった。本調査対象における連続歩行距離や人的介. 家族・多職種の連携による環境構築が生活空間拡大のた. 助の必要性を考慮すると,町内,町外の活動範囲まで対. めには重要であると考えられた。. 象者個人で移動可能な者は少なく,自動車等,個人の能 力に依存しない移動手段を使用する可能性が高いことが. 6.本調査の限界と今後の課題. 予測される。そのため,町内,町外の範囲では「対象者.  本調査は,LSA の各活動範囲における具体的な移動. 個人にかかわる因子」の関連は弱い傾向だった。LSNS. 手段,活動の目的や内容等の行動面,身体機能面に関す. は,つながりのある人数や情緒的・手段的サポートと. る調査を実施していない。これらの点について今後さら. 12). ことから,活動の. に調査することにより,生活空間の各活動範囲に関連す. 際に人的介助を要する割合が高かった町内,町外の得点. る因子がより詳細に把握でき,生活空間拡大に向けた具. と相関があったことが考えられた。. 体的な介入に資する情報を得ることができると考える。. いった人的な環境因子を評価する.  最後に,住居近隣の各活動範囲別得点は,MFES, BI,EQ と相関があったが,その他の評価指標との相関. 結   論. はなかった。住居近隣では,人的介助の有無に有意差は.  本調査により,LSA の各活動範囲によって,関連す. なかったことから,この範囲までの移動において,自力. る因子が異なることが示された。また,住居周辺以遠の. で可能な者と他者の介助を要する者が同程度存在してい. 範囲においては,通所系サービスおよび外来リハの利用. たと推察される。そのため,「対象者個人にかかわる因. が,個人の能力に依存せずに生活空間を拡大するための. 子」で相関があったものと相関がなかったものが混在. 手段になる可能性が示唆された。. し,一定の傾向を示さなかった可能性が考えられた。 謝辞:本調査は第 66 回北海道理学療法士学術大会の道 4.通所系サービスおよび外来リハ利用の有無による各 活動範囲別得点. 北支部特別企画「介護支援専門員および多施設理学療法 士による共同調査」として,本学会運営資金から助成を.  住居周辺,町内,町外の得点は,あり群がなし群より. 受けて実施した。本学会関係者ならびに調査にご協力い. も有意に高く,住居近隣の得点は,あり群が高い傾向で. ただいた連協所属の介護支援専門員の皆様,各施設の理. あった。. 学療法士の皆様,対象者の皆様に深謝いたします。.  結果から,通所系サービスや外来リハの利用の有無に よって,住居周辺以遠の生活空間に差があることが明ら かとなった。すなわち,住居周辺以遠の範囲には,通所 系サービスおよび外来リハ利用の有無が関連し,住居内 には関連しなかった。2 群間の平均得点の差は最大 4.3 点(町内)で,活動範囲別の LSA 得点算出式における 活動頻度の概ね 1 段階程度に相当すると推察される。水 本らは,通所系サービスには身体機能の程度にかかわら ず外出可能であるという特徴があり,閉じこもり予防に 貢献していると報告している. 23). 。そのため,通所系サー. ビスや外来リハの利用は,対象者個人の能力や心理状況 にかかわらず,外出機会となり,生活空間の拡大に寄与 するひとつの手段である可能性が考えられる。 5.生活空間拡大を図る上で考慮する点  本調査により,LSA の各活動範囲によって,関連す る因子が異なることが示された。住居内,住居周辺と いった活動範囲においては,「対象者個人にかかわる因. 文  献 1)厚生労働省平成 25 年国民生活基礎調査概況.http://www. mhlw.go.jp/toukei/list/20-21kekka.html(2016 年 2 月 22 日引用) 2)飯田哲也:公民館と生涯学習.立命館産業社会論集.2005; 41: 133‒152. 3)原田和宏,島田裕之,他:介護予防事業に参加した地域高 齢者における生活空間(life-space)と点数化評価の妥当性 の検討.日本公衆衛生雑誌.2010; 57: 526‒537. 4)Baker PS, Bodner EV, et al.: Measuring Life-Space Mobility in Community-Dwelling Older Adults. J Am Geriatr Soc. 2003; 51: 1610‒1614. 5)島田裕之,牧迫飛雄馬,他:地域在住高齢者の生活空間の 拡大に影響を与える要因 構造方程式モデリングによる検 討.理学療法学.2009; 36: 370‒376. 6)浜岡克伺,吉本好延,他:在宅脳卒中患者の生活範囲は日 常生活活動能力の変化に影響する.理学療法科学.2012; 27: 465‒468. 7)福尾実人,田中 聡,他:在宅脳卒中患者における身体 活動量の現状と影響を及ぼす因子の検討.理学療法科学. 2014; 29: 233‒238. 8)及川真人,久保 晃:地域在住脳卒中片麻痺者の歩行能力.

(8) 330. 理学療法学 第 44 巻第 5 号. と生活空間の関係.理学療法科学.2015; 30: 183‒186. 9)近藤 敏,宮前珠子,他:高齢者における転倒恐怖.総合 リハ.1999; 27: 775‒780. 10)砂子田篤:機能的状態の予後予測.総合リハ.1998; 26: 1119‒1125. 11)日本語版 EuroQol 開発委員会:日本語版 EuroQol の開発. 医療と社会.1998; 8: 109‒123. 12)栗本鮎美,粟田主一,他:日本語版 Lubben Social Network Scale 短縮版(LSNS-6)の作成と信頼性および妥当 性の検討.日本老年医学会雑誌.2011; 48: 149‒157. 13)古名丈人:ADL/ 老研式活動能力指標,臨床評価指標入門 適用と解釈のポイント.内山 靖,他(編) ,協同医書出 版社,東京,2003,pp. 279‒284. 14)若 林 秀 隆: 栄 養 と 理 学 療 法.PT ジ ャ ー ナ ル.2012; 46: 829‒836. 15)鈴川芽久美,島田裕之,他:要介護高齢者における外出と 身体機能の関係.理学療法科学.2010; 25: 103‒107. 16)大山幸綱,吉本好延,他:在宅で生活する脳卒中患者の閉 じこもりに関連する因子の検討.訪問看護と介護.2011; 16: 850‒853.. 17)阿部 勉,橋立博幸,他:地域在住高齢者における活動量 と身体機能・IADL との関連性.理学療法科学.2009; 24: 721‒726. 18)熊谷 修,柴田 博,他:地域在宅高齢者の身体栄養状態 の低下に関連する要因.栄養学雑誌.2005; 63: 83‒88. 19)Tinetti ME, Mendes de leon CF, et al.: Fear of falling and fall-related efficacy in relationship to functioning among community-living elders. J Gerontol. 1994; 49: M140‒M147. 20)森川真也,玉利光太郎,他:生活空間の短期的変化と予測 因子の抽出―通院・通所リハビリテーションを利用する低 活動高齢者を対象とした小規模多施設研究―.理学療法 学.2015; 42: 494‒502. 21)原田和宏,齋藤圭介,他:発症後 1 年以降の脳卒中患者に おける ADL 能力の低下量の予測に関する検討.理学療法 学.2003; 30: 323‒334. 22)島田裕之,内山 靖,他:高齢者の日常生活内容と身体機 能に関する研究.日本老年医学会雑誌.2002; 39: 197‒203. 23)水本 淳,大沼 剛,他:訪問看護利用者における閉じこ もりの出現と関連要因.北海道理学療法.2015; 32: 74‒79..

(9) 在宅脳卒中者における生活空間の関連因子. 〈Abstract〉. Factors Related to Life-space in Community-dwelling Patients after Stroke: Investigation According to each Life-space Level. Takahiro NAITO, PT, Naoki MATSUDA, PT, MSc, Hajime SUZUKI, PT, Toru INADA, PT, MSc Asahikawa Rehabilitation Hospital Takashi MARUYA, PT Hokuto Hospital Yasuhiro SAKAI, PT Geriatric Health Services Facility Kotobuki Shingo SADA, PT Special Nursing Home for the Elderly Jinshien Teppei TSUKADA, PT Asahikawa Medical University Hospital Toshiya KIMURA, PT, Takuya TAKAYAMA, PT Moriyama Memorial Hospital Home-visit Rehabilitation Specified Office Manami KATANO, PT Moriyama Memorial Hospital Home-visit Rehabilitation Specified Office Fukushimura Satellite Branch Office Purpose: This study aimed to investigate the related factors of each life-space (home, outside house, neighborhood, town, outside-town) in community-dwelling after stroke. Methods: One hundred forty three community-dwelling after stroke were measured Life-space assessment (LSA), Modified Fall Efficacy Scale (MFES), Barthel Index (BI) and others thirteen survey items. Results: The LSA score of home and outside house showed moderate correlation with the MFES and the BI. The LSA score of outside house, town, outside-town in the day-care service and outpatient rehabilitation users showed significantly higher than those in the day-care service and outpatient rehabilitation non-users. Conclusion: The results of this investigation was suggested that the related factors of life-space were difference by each life-space level. Key Words: Community-dwelling stroke patients, Life-space, Life-space assessment, Life-space level. 331.

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参照

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