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産業ピックアップ 第 4 次産業革命 人口減少下の日本 図表 8-2 鉄道の約 5 割を占める通勤 通学の定期利用者は減少が見込まれる ( 億人キロ ) 鉄道における定期 定期外の構成 6 55 定期外定期定期比率

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本―

(8)運輸

1. 旅客は労働力人口減により国内は減少、訪日外国人増により国

際は増加

2. 貨 物 は内 需 縮 小 により国 内 の伸 びは鈍 化 、堅 調 な輸 出 入 を背

景に国際は増加

3. 変革を迫られる宅配システム、需給両面で一層の工夫が必要

①旅客:国内は生産年齢人口減少の影響から 2030 年は 2016 年比5%減 旅客については、国内では自動車(バス、乗用車)、鉄道(JR、民鉄)、旅客船、航 空を、国際では航空をそれぞれ2030年まで予測した。なお、旅客船について2016年度 数値が未詳のため、2015年度の数値を据え置いた。ここでは輸送の規模を表すため、 輸送人km(人キロ)を用いている。 2016年度の国内旅客輸送量は、鉄道、航空の伸長により前年度比0.9%となる見通し である(図表8-1)。要因としては、訪日外国人利用と景気回復に伴うビジネス利用 の増加などが挙げられる。国内旅客輸送量において最もウエートが高い輸送手段は鉄 道であり、2016年度では全体の72%にあたり、航空は15%、自動車は12%であった。 図表8-1 国内旅客輸送は鉄道が増加に寄与 (注)自動車に関して2009年以前のデータは接続係数を用いて水準調整を行っている。 (資料)国土交通省『交通関係統計資料集』、『自動車輸送統計年報』、『鉄道輸送統計年報』、『航 空輸送統計年報』 加えて、鉄道輸送量の約50%は定期利用者である。言い換えると主として通勤・通 学者が国内旅客輸送量の4割弱を占めていることから、人口減少や少子高齢化による 生産年齢人口の減少は国内旅客輸送量に大きく影響しよう。国立社会保障・人口問題 研究所『日本の将来推計人口(平成29年推計)』によれば、総人口に占める生産年齢人 口の割合は2015年の60.8%から、2030年には57.7%まで低下する見通しである(図表 8-2)。他方、近年の訪日外国人増加は国内旅客輸送にもプラスの影響を与えている ようだ。訪日外国人が顕著に増加し始めた2012年から2016年の5年間において、鉄道 では年平均1.8%、航空では同5.0%、それぞれ輸送量が増加している。 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 2005 2007 2009 2011 2013 2015 (億人キロ) (年度) 航空 旅客船 鉄道 自動車 -4.0 -3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011 2014 (年度) 航空 旅客船 鉄道 自動車 国内旅客計 (前年比、%) 【国内旅客輸送量伸び率の寄与度】 【国内旅客輸送量の構成比】 -4.0 -3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 1991 1995 1999 2003 2007 2011 2015 (年度) 航空 旅客船 鉄道 自動車 国内旅客計 (前年比、%) 【国内旅客輸送量伸び率の寄与度】 2016 【国内旅客輸送量の構成比】 2016

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― 図表8-2 鉄道の約5割を占める通勤・通学の定期利用者は減少が見込まれる (注)定期比率は、定期と定期外における定期の割合。人口に関しては10月1日時点のデータを 使用している。 (資料)国土交通省『鉄 道輸送統計年報』、総務 省『人口推計』、国立社 会保障・人口問題研究 所『日本の将来推計人口(平成29年推計)』 国内旅客輸送量は、景気回復に伴うビジネス利用や訪日外国人の増加が押し上げ要 因となるものの、国内の人口減少や少子高齢化の進展により、好調さに陰りが見えて くる見込みである。2020年の東京オリンピックまでは国内旅客輸送量は堅調に推移す るが、以降は鉄道の定期利用者など国内需要低下の影響が顕在化し減少に転じること から、2030年では2016年に比べ5%減少する見通しである(図表8-3)。 国内旅客輸送量の予測を概観すると、2030年時点で水準としては5,600億人キロ超に とどまっているが、訪日外国人の輸送利用は都市部に集中すると考えられること、人 口減少及び少子高齢化による生産年齢人口の減少に伴う国内旅客輸送を下支えしてき た定期利用者が減少すると思われることから、国内旅客輸送量の構造変化が起こると 考えられる。 具体的には、訪日外国人の増加により都市部の旅客輸送量が増加する一方で、都市 部以外の鉄道や路線バス利用が劇的に減少するということである。東京商工リサーチ の『2015年度全国第三セクター鉄道63社経営動向調査』によれば、2015年度から2016 年度にかけて、都市部を中心に営業する都市型第三セクター鉄道会社が営業収入、輸 送人員とも増加した一方で、過疎化が進む地域の多くを基盤とする旧国鉄転換型第三 セクター鉄道会社は減少している。また、日本バス協会の平成29年『バス事業の現状 について』によると、平成27年度において、赤字となった乗合バス事業者の7割が大 都市以外の地域を基盤としている。 すでに輸送利用の都市部集積と地方空洞化が進んでいる中で、先に述べた構造変化 は、このような動向を加速させると考えることができ、不採算事業者の統廃合なども 起こりうると予想される。 45 50 55 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 定期外 定期 定期比率 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 2015 2020 2025 2030 65歳以上人口 生産年齢人口 26.7% 31.2% 60.8% 57.7% 【生産年齢人口と65歳以上人口の推移】 (暦年) 予測 (万人) (億人キロ) 【鉄道における定期、定期外の構成】 (年度) (%)

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― 図表8-3 国内旅客輸送量は人口減による国内需要低下により減少に転じる (注)自動車に関して2009年以前のデータは接続係数を用いて水準調整を行っている。 (資料)国土交通省『交通関係統計資料集』、『自動車輸送統計年報』、『鉄道輸送統計年報』、 『航空輸送統計年報』、日本経済研究センター『第 44回中期経済予測』、産業ピックア ップ(11)『観光』 2016年度の国際旅客輸送量(航空)は、前年度比12.0%と大幅に増加した。要因と しては訪日外国人の増加が挙げられる。国内旅客と同様に2012年から16年の国際旅客 輸送量(航空)の推移を見ると、年平均11.0%増と好調を持続していることが分かる。 国際旅客輸送量(航空)は、伸びは鈍化するものの、今後も訪日外国人の増加(詳 細は(11)観光を参照)に伴い順調に推移していく見通しである(図表8-4)。 図表8-4 伸びは鈍化するも、今後も堅調な推移が見込まれる (資料)国土交通省『航 空輸送統計年報』、日本 経済研究センター『第44回中期経済予測』、 産業ピックアップ(11)『観光』 ②貨物:国際は堅調な輸出入を受け 2030 年は 2016 年比 29%増 「貨物」については、国内では自動車(営業用、自家用)、鉄道、内航海運、航空を、 国際では航空をそれぞれ予測した。ここでは輸送の規模を表すため、重量 km(トンキ ロ)を用いている。 2016 年度の国内貨物は、自動車が牽引し3年度ぶりに増加に転じ、前年度比 1.4% となった。落ち込んでいた建設関連需要や鉱工業生産の回復から増加した模様。国内 貨物輸送でウエートが大きい輸送手段は自動車と内航海運であり、2016 年においてそ -2.5 -2.0 -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 5100 5200 5300 5400 5500 5600 5700 5800 5900 6000 6100 1991 1996 2001 2006 2011 2016 2021 2026 国内旅客輸送量 前年比(右目盛) (億人キロ) 予測 (%) (年度) 2030 【国内旅客輸送量予測】 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1400 1991 1996 2001 2006 2011 2016 2021 2026 国際航空旅客 前年比(右目盛) (億人キロ) (%) 予測 (年度) 2030 【国際旅客輸送量予測】

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― れぞれ 51%、44%を占めている。2005 年度から概観すると、自動車輸送、内航海運と もに減少しており、総じて国内貨物輸送量は減少している(図表8-5)。 図表8-5 国内貨物の輸送量は減少傾向 (注)自動車に関して2009年以前のデータは接続係数を用いて水準調整を行っている。 (資料)国土交通省『交通関係統計資料集』、『自動車輸送統計年報』、『鉄道輸送統計年報』、『内 航船舶輸送統計年報』、『航空輸送統計年報』 内航海運は、国土交通省『内航海運の活性化に向けて』によれば、2015 年度時点で 国内産業基礎物資(石油製品や石灰石、鉄鋼、セメントなど)輸送の約8割を担う基 幹的輸送インフラであるが、建設等国内需要の減少や、海外企業の進出による国際競 争の進展などにより、内航海運の貨物輸送量(トンキロ)は減少傾向にある。国内大 手3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)は厳しい経営環境が続いており、2016 年に 3社主力のコンテナ船事業を統合(2018 年4月からサービス開始)するなど、コスト 削減に動き出している(図表8-6)。 近年、国内自動車貨物において宅配貨物の著しい増加が見られるが、宅配貨物は一 個あたりの重量が軽く、また、流通大手各社は物流施設への積極投資により顧客配送 距離の短縮に努めていることから、トンキロベースの貨物輸送量への影響は大きくな い。国内自動車貨物の動向に関しては③国内宅配貨物にて詳しく述べることとする。 図表8-6 国内海運大手3社の経営環境は厳しい (資料)各社決算資料 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 2005 2007 2009 2011 2013 2015 (億トンキロ) (年度) 航空 内航海運 鉄道 自動車 -8.0 -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 1991 1995 1999 2003 2007 2011 2015 航空 内航海運 鉄道 自動車 国内貨物合計 2016 【国内貨物輸送量伸び率の寄与度】 2016 【国内貨物輸送量の構成比】 (年度) (%) -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 2014 2015 2016 売上高 営業利益(右目盛) (兆円) <日本郵船> 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2014 2015 2016 (兆円) <商船三井> 【海運大手3社決算状況】 (千億円) (年度) -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2014 2015 2016 (兆円) <川崎汽船> (年度) (千億円) (千億円) (年度)

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― 国内貨物輸送量は、国内鉱工業生産の増加がプラスに寄与するものの、2019 年度ご ろから東京オリンピック関連や住宅などの建設関連需要の剥落によるマイナス寄与が あるため、伸び率は低い水準にとどまると予測する。具体的には 2030 年度に国内貨物 輸送量は 4,400 億トンキロに回復するが、リーマンショック直前の 2007 年度水準まで は回復しない見通しである(図表8-7)。 図表8-7 国内貨物輸送は徐々に回復するが勢いは鈍い (注)自動車に関して2009年以前のデータは接続係数を用いて水準調整を行っている。 (資料)国土交通省『交通関係統計資料集』、『自動車輸送統計年報』、『鉄道輸送統計年報』、『内 航船舶輸送統計年報』、『航空輸送統計年報』、日本経済研究センター『第 44回中期経済 予測』 2016 年度の国際航空貨物輸送量は、輸出入の伸びと前年度減少の反動から、前年度 比 13.0%と高い伸びを示した。近年はボリュームの大きいアジア向けが好調で、直近 の底である 2011 年度から 16 年度にかけて、国際航空貨物輸送量は年平均 9.0%の伸び を示している。なお、近年盛り上がりを見せている越境 EC(電子商取引)は、中国を 中心に今後も拡大する見通しである。市場規模は小さいものの、2030 年度には中国と 米国合計で 4.5 兆円に達する見込みであり、国際航空貨物輸送量にはプラスの影響が 期待できる(詳細は(9)小売を参照)。同輸送量は、今後も輸出入の堅調な増加に伴 い増勢が続き、2030 年では 2016 年と比べ 29%増加する見通しである(図表8-8)。 図表8-8 国際航空貨物輸送量は今後も増加が続く見通し (資料)国土交通省『航空輸送統計年報』、日本経済研究センター『第 44 回中期経済予測』 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 3400 3600 3800 4000 4200 4400 4600 4800 5000 5200 1991 1996 2001 2006 2011 2016 2021 2026 国内貨物輸送量 前年比(右目盛) (億トンキロ) (%) 予測 【国内貨物輸送量予測】 (年度) 2030 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 1991 1996 2001 2006 2011 2016 2021 2026 国際航空貨物 前年比(右目盛) (億トンキロ) (%) 予測 【国際貨物輸送量予測】 2030 (年度)

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― ③国内宅配貨物―需要が膨れ上がる中、新たなサービスの萌芽も EC(電子商取引)市場の拡大及び EC 化率の上昇により、宅配便取扱個数は大幅に増 加している。『電子商取引に関する市場調査』によれば、2016 年の BtoC(企業と消費 者間の商取引)EC 市場は前年比 9.9%増となり、10 年から 16 年の EC 市場規模はほぼ 2倍に拡大した。すべての商取引金額における EC 市場規模の割合を示す EC 化率は 16 年時点で 5.4%に達し、10 年の 2.8%から、こちらもほぼ2倍に拡大している。さらに、 株式会社メルカリ(東京都港区)が提供するフリマアプリ「メルカリ」に代表される CtoC(消費者間での商取引)EC 市場も拡大を続け、商品配送に用いられている宅配便 の取扱個数は足元で増加基調にある(図表8-9)。 図表8-9 EC 市場拡大に伴い、宅配便取扱個数は増加 (注)宅配便取扱個数はヤマト運輸と日本郵便の合計。 (資料)経済産業省『電子商取引に関する市場調査』、各社公表資料 宅配貨物(需要)が伸びる一方で、宅配サービスを提供する企業(供給)の実態は 深刻だ。宅配貨物増加などによる配送需要の拡大や働き方改革の機運と相まって、運 輸業界の人手不足は深刻化している。図表8-10 を見ると、2009 年度から人手不足が 進行していることがわかる。 図表8-10 運輸業界の人手不足は深刻な状態が続く (注)シャドーは景気後退期 (資料)日本銀行『全国企業短期経済観測調査』、厚生労働省『一般職業紹介状況』 0 1 2 3 4 5 6 4 6 8 10 12 14 16 10 11 12 13 14 15 16 【日本のBtoC EC市場、EC化率】 EC市場規模 EC化率(右目盛) (兆円) (暦年) (%) 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4 13/01 14/01 15/01 16/01 17/01 (億個、独自季調値) (月次) 【宅配便取扱個数の推移】 17/10 -30 -20 -10 0 10 20 30 00:1 02:1 04:1 06:1 08:1 10:1 12:1 14:1 16:1 「不足」 (四半期) (D.I.、%ポイント) 「過剰」 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 00 02 04 06 08 10 12 14 16 職業計 鉄道運転 自動車運転 船舶・航空機運転 (倍) (年度) 【有効求人倍率】 17:3 【運輸・郵便業の雇用判断】

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― このような事態に拍車をかけていると考えられる事象としては、宅配における再配 達が挙げられる。国土交通省の調査によると、宅配便個数のうち約2割が再配達であ る。再配達率の削減は配達事業者の業務効率化、生産性の向上、ひいては宅配サービ スの維持向上につながると考えられる。実際、このような流れを受け、宅配便のコン ビニ受け取りや、駅などに設置され、そこで荷物を受け取ることができる宅配ロッカ ーなどに注目が集まっている。 例えば、宅配ロッカーに関しては、ネオポストジャパン株式会社(東京都千代田区) とヤマト運輸株式会社が共同出資し設立した Packcity Japan 株式会社(東京都千代田 区)が広く設置し始めている。オープン型宅配便ロッカーネットワーク(「PUDO ステー ション」)は駅やスーパーマーケット、コンビニ、公共施設などに設置され、1カ所で 複数の宅配業者の荷物を受け取ることができる。2016 年7月のサービス提供から 2017 年 10 月末時点までに全国に約 1,300 台が設置された(図表8-11)。また、日本郵便 の「はこぽす」は、提携している EC 事業者の商品を受け取ることができ、楽天の「楽 天 BOX」は同社 EC サイトである楽天市場で購入した商品を受け取ることができる。 図表8-11 設置が広がる宅配ロッカー (注)累計台数は概数 (資料)Packcity Japan 株式会社へのヒアリング、公表資料 宅配便の再配達問題が表面化した理由としては、スマートフォンの普及によりイン ターネットがより身近となったことなどによる EC 利用の拡大、共稼ぎ・単身世帯の増 加による居宅不在率の上昇などが挙げられる。今後、高齢化の進行や EC 市場の益々の 利便性向上などにより、宅配需要は拡大し続けることが予想される一方で、宅配サー ビス提供事業者は生産年齢人口の減少から、より一層の人手不足に直面すると考えら れる。ここでは宅配ロッカーを一例に挙げたが、今後の宅配サービスの維持向上のた めには既存サービス形態からの様々な変革が求められる。 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 2016/12 2017/6 2017/10 (台) 【PUDOステーション累計設置台数】 2016年7月 事業開始 【PUDOステーション イメージ図】

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日本経済研究センター 2017.12 産業ピックアップ―第4次産業革命、人口減少下の日本― <予測方法について> ・国内旅客は、国内における65歳以上人口比率と訪日外国人数の伸び率を用いて回帰 分析を行った。サンプル期間は2008年から2016年。2015年以前の65歳以上人口比率 は総務省『人口推計』、2016年以降は国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来 推計人口(平成29年推計)』を、訪日外国人数は産業ピックアップ(11)『観光』の 予測値をそれぞれ使用。 ・国際旅客は、訪日外国人数の伸び率を用いて回帰分析を行った。サンプル期間は1992 年から2016年。訪日外国人数は産業ピックアップ(11)『観光』の予測値を使用。 ・国内貨物は、鉱工業生産指数の伸び率を用いて回帰分析を行った。サンプル期間は 1988年から2016年。日本経済研究センター『第44回中期経済予測』の予測値を使用。 ・国際貨物は、実質輸出及び実質輸入の総額の伸び率を用いて回帰分析を行った。サ ンプル期間は1991年から2016年。日本経済研究センター『第44回中期経済予測』の 予測値を使用。 <参考文献> 角井亮一(2016)『アマゾンと物流大戦争』 経済産業省(2017)『電子商取引に関する市場調査』 国土交通省(2015)『宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する 検討会 報告書』 国土交通省・公益社団法人日本バス協会(2017)『国土幹線道路部会資料 バス事業の 現状について』 国土交通省海事局(2017)『内航海運の活性化に向けて』 国土交通省(2017)『国土交通白書2018』 東京商工リサーチ(2016)『2015年度 全国第三セクター鉄道63社 経営動向調査』 松岡真宏・山手剛人(2017)『宅配がなくなる日』 みずほ銀行産業調査部(2016)『日本産業の中期見通し<物流(陸送・海運)>』 みずほ銀行産業調査部(2017)『デジタルイノベーションはビジネスをどう変革するか <物流>』

参照

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