2015
9
SEP
平成7年にオープンした「おおさか市町村職員研修研究センター(マッセOSAKA)」は、今年10月に20年を迎 えます。現在、市町村において総合戦略の策定など重点的に取り組みが進められている「地方創生」をテーマとし た記念事業を開催します。皆さまのご参加をお待ちしております。 マッセOSAKA開設20周年記念事業「地方創生∼人口減少に立ち向かう∼」 日時:平成27年11月19日㈭ 午後1時00分∼同4時30分 会場:ホテル大阪ベイタワー(大阪市港区弁天1−2−1(ORC200内)) JR大阪環状線 弁天町駅、地下鉄中央線 弁天町駅 直結 定員:300名 申込:各市町村等研修担当課を通じてお申込みください。 第1部:基調講演 同志社大学大学院総合政策科学研究科教授の新川達郎氏をお招きし、地方 版総合戦略の策定に向けて、府内市町村が見据えるべきビジョンや地域性を 踏まえた施策展開のあり方、自治体の役割などについて、お話しいただきます。 第2部:パネルディスカッション 近畿大学総合社会学部教授の久隆浩氏をコーディネーターにお招きし、 各分野の第一線で活躍されている有識者を交えて地方創生を実現するための方策や秘訣、人材育成の取り組み について、ディスカッションしていただきます。 パネリスト: ○八尾市長 田中 誠太 氏 ○大阪府 市町村課長 土屋 俊平 氏 ○寝屋川市 総合調整監兼市長室長 荒木 和美 氏 ○一般財団法人地域開発研究所 上席主任研究員 牧瀬 稔 氏 ○おおさか市町村職員研修研究センター所長 大阪学院大学教授 齊藤 愼 氏 ◆ 今号の主なラインナップ ◆ マッセOSAKA開設20周年記念事業について 研究会、地方分権ゼミナールの中間報告 マッセ・セミナー、事例研究等の開催報告 第2回 新・羅針盤「これからの自治体職員に求められるもの〈後編 」 リニューアル研修レポート 10月から12月までの一般研修、各種セミナーのお知らせ など (皆様のご参加をお待ちしております!) プログラムは じ め に
マッセOSAKA開設20周年記念事業のお知らせ
新川教授 久教授 e-mail [email protected]【女性の活躍促進研究会】 指導助言者:大阪市立大学大学院創造都市研究科 准教授 永田 潤子 氏 参 加 団 体:摂津市、茨木市、門真市、四條畷市、八尾市、高石市 男女の意識改革の必要性を念頭に、様々な角度から本質的な課題発見や実態把握に取り組み、 女性がより自分 らしく輝くための仕組み”について研究しています。秋以降は、さらに職員の意識や職場環境などに関してアン ケートを実施し、現状把握と分析を進めていきます。 ●第1回研究会(5月22日開催) 指導助言者の永田潤子先生から、「ライフ&ワークバランス」について学び、キャリアに対する視野を広げました。 ●第2回研究会(6月18日開催) NPO法人ふらっとスペース金剛代表理事の岡本聡子氏をゲストスピーカーとしてお招きし、ご自身の体験を踏 まえながら、子育て支援に対する思いや取り組みについてお話しいただきました。 ●第3回研究会(7月22日開催) 武蔵大学社会学部助教の田中俊之氏をお迎えし、「男性学から見た 女性の活躍」と題して公開講座を開催しました。男性が男性である がゆえに抱える問題(「男性学」)があり、性別にとらわれない、多 様な生き方を実現するための視点を学びました。 ●第4回研究会(8月20日開催) 大阪市立大学大学院創造都市研究科准教授の古久保さくら氏を お招きし「日本における女性のポジティブ・アクション」と題して公開講座を開催しました。政治や経済分野に おける女性の参画状況等の実態から、ポジティブ・アクションの効果について学びました。 【地域の魅力発信研究会】 指導助言者:東海大学文学部 教授 河井 孝仁 氏 参 加 団 体:茨木市、吹田市、豊中市、門真市、大東市、河内長野市、 羽曳野市、松原市、河南町、岸和田市、高石市 研究員を3つのグループに分け、グループワークにより地域の魅力発 信のプロセスをじっくりと学んでいます。 他県からのゲスト参加もあり、活気ある研究活動を行っています。 今後は、各研究員の所属自治体の魅力発信についてさらに研究を深め、個人発表、論文執筆等を行います。 ●第1回研究会(6月8日開催) 指導助言者の河井先生より、シティプロモーションの基礎についてご講義いただきました。 ●第2回研究会(7月9日開催) 「魅力創造ワーク」によってまちの魅力を発散・共有・編集し、まちの目指す姿を端的 に表現したブランドメッセージを考案しました。 ●第3回研究会(8月3日開催) 「インターナルコミュニケーションワーク」を行い、魅力発信を特定の部課だけの仕事 とせず、全庁的に進めるための仕組み作りについて考えました。
研究会の中間報告
【第3回研究会】公開講座の様子 【グループワークの様子】指導助言者:関西学院大学総合政策学部 准教授 清水 陽子 氏 参 加 団 体:吹田市、摂津市、守口市、四條畷市、岸和田市、河内長野市、貝塚市、羽曳野市 全国的な空き家の増加に伴って、空き家対策が国を挙げた重要課題の 一つとなっており、空家対策特別措置法が、平成27年5月26日に完全施 行されました。 研究会では、自治体で取り組むべき空き家対策の検討、効果的な施策 について、様々な角度から研究に取り組んでいます。 第3回までは、各回異なった講師をお招きし、講義のあと意見交換会 を実施しました。 ●第1回研究会(6月9日開催) 指導助言者の清水先生より、基調講義として「空き家問題の現状と課題」と題し、国内の事例と海外の事例をご 紹介いただきながら、全国の空き家問題の現状についてご講義いただきました。 ●第2回研究会(7月14日開催) 上智大学法科大学院教授の北村喜宣氏より「空家対策特措法案が自治体に与える影響」と題して、空家対策特別 措置法の解説と自治体に与える影響、条例制定や運用のポイントについてご講義いただきました。公開講座として 実施し、多数の市町村職員にご参加いただきました。 ●第3回研究会(8月11日開催) 「空き家処分のハードル∼簡単にはいかない住宅処分∼」と題して、大阪司法書士会の河田氏、吉川氏の両氏よ りご講義いただきました。複雑な住宅処分手続きや処分費用などを解説いただきながら、空き家対策における市町 村と司法書士との連携の有用性についてもお話しいただきました。 (南出)マッセに派遣となってから、公私問わずいろんな市町村を訪れる機会が増えました。 地域の魅力は様々ですが、なかでも印象的だったのが、道の駅「ちはやあかさか」のキャッチフレーズ「なにも ないからいいところ」。こんな視点もあるのかと、衝撃を受けました。シティプロモーションは奥が深いです。 (石本)ワークライフバランスが推進される中、生活・仕事・人との交わりなど、どこに重きをおくの が“バランス”なのか、考える機会が多くなりました。なるほど。まずは自らがどうありたいか、主体 性をもつことが大事だなぁと思う昨今。しなやかな女性でありたいです。…あ!今年度から本紙面の編 集担当をしております!残り2回もがんばります☆ 【大阪大学大学院法学研究科との連携】 受講生自らが設定したテーマに基づき、大学院の担 当講師と研究ユニットを構成し、研究活動を通して論 文を作成する阪大大学院との連携研究「地方自治研 究」です。 今年度は1名の申込みがあり、「空家対策特別特措 法」をテーマにあげ、空き家問題について条例及び特 措法の関係や法的問題という観点から幅広く研究に取 り組みます。論文の発表は1月を予定しています。 【大阪市立大学大学院創造都市研究科との連携】 大学院から提示されたテーマを受講生が選択し、 ワークショップに参加する大阪市立大大学院との連携 研究「都市公共政策」です。 今年度は4市から5名の応募があり、「地域活性化や 公共経営における行政を軸とした諸問題」及び「地域 活性化と都市政策を軸とした諸問題」の各テーマに取 り組み、現状把握と分析方法について知識を深めま す。会場は交通アクセスが便利な梅田サテライトです。 【大阪学院大学大学院経済学研究科との連携】 歳入・歳出分析をテーマとした財政問題に関する講 義を通して地方財政のしくみを学ぶ大阪学院大大学院 との連携研究「公共政策研究」です。 今年度は3市1町から4名の応募があり、実践的能 力の向上を目指して財政の現状とあり方について議論 を深めます。講義は15回を予定。当センター所長で同 大学院経済学研究科の齊藤愼教授をはじめ、専門家が 講師を担当します。 【和歌山大学大学院経済学研究科】 公共政策の実践的能力の充実を図ることを目的と し、今年度は「社会政策特殊問題」「政策形成論」の 研究・検討をテーマとして取り組む、和歌山大大学院 との連携研究です。 今年度は「政策形成論」に2市から2名の応募があ り、TOCfE(教育のためのTOC)の3つのツールを 用いて問題の分析と対立を解消し、目標の実現に導く ためのアプローチ法を学びます。
★★★
スタッフの
つぶやき
Vol. 4
今号は 南出&石本です!地方分権ゼミナールの中間報告
【第2回研究会】上智大学 北村教授との意見交換会A ﹁ なぁ∼ちょっと、ちょっと、 E さん。システム研修する部屋の パソコン、電源切っても、また 勝手につくって講師の人が言う てるで∼ 。 ﹂ E ﹁ えーまたかいなぁ? A さん、一 緒に来てくださいよ∼ 。 ﹂ A﹁ヨ ッ シ ャ !ほな、 見に い こ か 。 ﹂ E﹁ ア ラ ラ … 見事に全部ついてます な∼。 A さん、ここだけの話な んですが … 修理にも来てもうた のに直らへんって、オバケの仕 業ちゃうかなぁ∼って思うんで す … 。 ﹂ A ﹁ まさかそんなん、ありえへんや ろー。とりあえず消すでー。全 システム、シャットダウン! ︵ … チュー ン 。 ︶ よっし ゃ 消 え た わ。これな∼講師のパソコンの 消し方がマズイんとちゃう?﹂ E ﹁ たしかにそんな気してきました わ。 ﹂ … ピコッ♪ウィーン︵起動音︶ A・ E﹁ な … なんやて !?﹂ E﹁ … A さ ん、やっぱりこれ、なん かありますやん!﹂ A﹁ … 。とりあえず、修理業者に連 絡しよか 。 ﹂ E ﹁ まぁ来年は担当変わるやろうか ら、今年度はがんばって対応し ますわ♪﹂ A ﹁ いやいや、何言うてますの?こ のままやったら、来年どころか 帰任しても担当やで∼!しょっ ちゅう呼び出すから、よろしく 頼んますねぇ∼♡ (笑)﹂ E﹁ い や ゃ ゃ ゃ ゃ あ ! オ バ ケ で も な ん でも エ エ から∼ 何 事 も なく研 修 終わってぇなぁ∼∼。誰か∼! お ね がいし マ ッ セ OSAKA !!!﹂ 8月13日に「さまざまな当事者・介護者(家族)の会の取組から学 ぶ」というテーマでセミナーを実施しました。 「当 事 者 ・ 介 護 者 支 援 の 重 要 性 / 未 来 」 と 題 し て 立 命 館 大 学 の 津止正敏氏が基調提案をされました。本人支援の積極的側面を大切に すると同時に、家族介護の抱える課題にも無関心ではいけないといっ た複眼的な支援の必要性などについてお話しいただきました。 続いて、当事者・介護者(家族)の会の取組報告として、以下の6 名の方によるリレートークを行いました。 水谷佳子氏(日本認知症ワーキンググループ・パートナー)、田中まさ子氏(大阪府介護者(家族)の会連絡会 会長)、珠玖(しゅく)潤一氏(箕面市男性介護者のつどい)、伊山雅子氏(豊中市老人介護者(家族)の会)、 川辺慶子氏(大阪府精神障害者家族会連合会相談役)、東野弓子氏(大阪手をつなぐ育成会副理事長) 最後に共通の想いや課題について、全体討論とまとめを行い、今後の展開のヒントを学びました。 平成27年度研修情報見本市を8月28日㈮に開催しました。本事業は、研修担当課の方を対象に、研修業者がオス スメするテーマのプレゼンテーションを聞くことで、今後の研修企画の参考としていただくものです。今年度の参 加業者及び発表テーマは下表のとおりです。 市町村等から22団体30名(他府県8名を含む)の方々が参加されました。 アンケート結果では、「様々なテーマがあって良かった」や「目新し い研修内容もあり、良かった」などの意見がある一方、「1コマ当たり の時間をもっと増やしてほしい」などのご意見をいただきました。 いただいたご意見を参考にしながら、市町村がより興味を持ってい ただける講師・テーマなどを精査し、さらにより良い事業にしていき たいと考えております。 よもやまばなし
マッセ・市民セミナー(大阪府社会福祉協議会共催)を開催
研修情報見本市を開催しました
【大阪社会福祉指導センター ホールにて】 【当日の様子】 № 研修専門機関名/テーマ № 研修専門機関名/テーマ 1 キャリアマネジメントコンサルティング株式会社/ メンタル不調による長期休職者をスムーズに職場復帰させる実践研修 4 株式会社経済法令研究会/ 連想ゲームの手法で経済・金融リテラシーをスキルアップ 2 有限会社アスク・コーポレーション/ 英語で学ぶチームビルディング&ミーティングメソッド 5 ビジネスサポート株式会社/ アンガーマネジメント 3 株式会社ビーコンラーニングサービス/ 職場の生産性向上マネジメント研修 6 FPM−α/CS&ユニバーサル接遇マナー ∼障がい者や高齢者など要配慮者に配慮する∼1.団体自治・住民自治、双方への視点を 平成の市町村大合併とそれに続く東日本大震災は、 日本中の地方自治体に深く大きな影響を与えた。前者 は、集落コミュニティーの連合によって成り立つ小規模 自治体の危機意識をかき立て、後者は災害対応におけ る行政(団体自治)の物理的な限界と、地域コミュニ ティーの機能の重要さを明らかにした。そこで注目され てきたのが、顔や名前がわかり合える小規模地域コミュ ニティーをベースとした住民自治の大切さである。 今や、合併問題を経験してきた郡部、中山間地域の 自治体だけではなく、中核市、政令都市に至るまで、 小学校区以内の地域コミュニティーを中心とした住民 自治の再生、活性化が自治体の主要政策課題となりつ つある。仔細に観てみると、地方自治法による地域自 治区、または合併特例法による合併特例区を採用して いるものはむしろ少なく、全市区町村1750ほどのうち 23団体である。一方、自治体条例などによる独自の 住民自治組織を制度化している自治体は108団体であ り(注1)、現在はさらに増加する傾向にある。ちなみ に、「小規模多機能自治研究」を主題とする地域コ ミュニティー政策研究の連携組織は、200近い地方自 治体の集まりとなりつつある。 そこには、財政縮小、超高齢化を不可避の前提とし た自治体の持続可能な前途は、地域コミュニティーを ればもはやありえない、という共通の危機意識があ る。近畿・中部圏では、兵庫県朝来市、丹波市、篠山 市、奈良県宇陀市、滋賀県東近江市、三重県伊賀市、 名張市などの郡部を抱えた自治体からこの動きが始 まった。今日では、政令都市の神戸市が重要政策課題 として着手開始し、中核市である奈良市もモデル地区 設定を模索しつつある。大阪府でも大阪市、八尾市、 豊中市などでその動きが進みつつある。 いまや自治体職員も、団体自治としての行政システ ム改革(行政・財政改革)だけではなく、住民自治の 再生、活性化を志向した上で、住民自治と団体自治の 連携・協働を実体化する視野を持たなくてはならな い。よく言われる市民と行政の「参画と協働」という 用語は、単なる理念ではなく、住民自治と連携した自 治体改革の基本的な行動方針であることを理解する必 要がある。 2.三つの住民自治(ヨコ、タテ、ナナメ) 地方自治法上、住民による条例の制定改廃請求、特 別職の解職請求、議会解散請求、監査請求、陳情、請 願などが住民自治の制度として保障されている。しか し、このような団体直接統制権は、団体自治の監視統 制が主であり、いわば「ナナメ」の住民自治と考える べきではないか。実体的には、地縁的な地域社会(コ ミュニティー)の自己統治の形で存在する総合的な住 民自治を「ヨコ」の住民自治ととらえ、有志市民の結 社(アソシエーション)として存在するNPOなどの 課題(テーマ)別住民自治を、「タテ」(深さ)の住民 自治と考えることもできる。 いわゆる都市型の自治体では、阪神淡路大震災を契 機として、NPO支援をはじめとした市民との連携政策 が先行してきた。「参画と協働」の行動方針も、個人ボ ランティアやその結集体であるNPOとのパートナー シップ形成を目標とする傾向にあったが、今日では、 地域コミュニティー組織にまで拡大したパートナー シップ制度に拡大しつつある(神戸市、豊中市など)。 このような時代に入って、自治体職員はどのような 視点を備えるべきだろうか。 先日亡くなられた、自治体改革理論の先導者であ り、地方自治論の巨人ともいえる松下圭一氏(法政大 学名誉教授)は、存在としての自治体職員には三つの 側面があると述べている。一つは労働者としての側 これからの自治体職員に求められるもの 〈 後 編 目まぐるしく変化する時代の中で、地方行政、自治体 職員が目指すべき方向性について、学識者・行政経験者 などの著名人に、政策提言を頂きます。 【第2回】 帝塚山大学名誉教授
中川 幾郎
なかがわ いくお 先生羅針盤
New Compass
帝塚山大学名誉教授。博士(国際公共政策)。 1946年大阪府出身。大阪大学大学院国際公共政策研 究科博士後期課程修了。地方自治論、行政学、都市政 策、文化政策専攻。著書「分権時代の自治体文化政 策」「新市民時代の文化行政」編著「地域自治のしくみ と実践」など。 自体学会代表運営委員、日本文化政策学会顧問などに 就任。 面、一つは自治体政府職員としての側面、さらに一つ は市民生活者としての側面である。たしかに自治体職 員は労働者であり、地方公務員法上の制約はあるもの の、労働者としての権利を一定程度保障されている。 労働に見合う賃金保障、各種の社会保障給付、休暇等の 権利があり、それは決して否定されるべきではない。 次の、自治体政府職員としての側面は、市民の代理者 としての公共政策・事業の執行者としての立場である。 ここには、市民から付託された公益の守護者としての責 任倫理が要求される。しかしながら、労働者としての側 面も、自治体政府職員としての側面も、市民生活者とし ての実体が基盤としてあってこそ市民に理解され、成り 立ちうるということを松下圭一氏は指摘しているのであ る。いわば、自治体職員の「市民化」と、職員と市民と の「協働」がその視野にあったと言える。 3.「参画と協働」を理解する 「協働」とは、もともとインディアナ大学のビンセント・ オ ス ト ロ ム 教 授 が 提 唱 し た も の と 言 わ れ て お り 、 Co-Production(共同生産)が本来の用語である。 そこには、なんらかの公益(Public Benefit, Public Interest)を、住民、各種団体、行政(自治体)の共 同で生産するために、互いに助け合い、ともに働きあ うこと、という響きがある。 今日多くの自治体で、「協働」が「参画・協働条 例」や総合計画などで明記され、その基本的な行動方 針として採り入れられている。単なる流行(はやり) ではなく、そこにはおまかせ化、空洞化しかねない自 治を、改めて実体化しようとする一定の必然性がある と言ってよい。だが現場では、参画を形式的なアリバ イと捉えたり、協働を住民への下請けに転嫁する傾向 がありはしないだろうか。 実は、現状把握→課題認識→方策探求→その比較・ 選択という「参画」のプロセス共有がなければ、どの ような事業「協働」も実を結ばないのである。この参 画プロセスを省略した下請型事業協働追求のケース が、未だに多く見受けられる。さらに、参画・協働を 保健、福祉などの住民と近い事業部局に限定して考え る傾向があることも懸念される。参画と協働の対象分 野は団体自治の全てに及ぶのであって、どの部局も例 外はない、といってよい。 行財政改革のあり方、総合計画、各種分野別計画の 策定はもとより、人事総務、福祉、保健、医療、土木 建設、上下水道、教育、文化、消防、防災など、自治 体行政の全てにわたってその対象分野となる。例え ば、救急車出場回数の異常な急増が、極めて軽傷な人 やその他の安易な利用が要因であるとするならば、市 民参画による要因分析、方策立案を行うことも有効で あり、市民と消防当局との協働による啓発行動なども 考えられるべきであろう。これらは、団体自治におけ る市民の参画と行政との協働の側面である。 一方、住民自治としてのNPO活性化や地域コミュ ニティー活性化を図る政策においても、職員のNPO 派遣研修や、地域コミュニティー支援を行う地域担当 職員制度のあり方が課題となっている。特に地域コ ミュニティー支援を行う地域担当職員制度では、地域 の実情、文化や成熟度等にバラツキがあり、その偏差 やレベルに応じた対応能力が必要となる。 例えば、地域の現状を理解し把握する段階と、それ らを踏まえて課題を解決するための方策を立案する段 階とでは、それぞれ異なるコーディネート能力が必要 であろう。さらに、規約を整備し組織を再構築して発 足して以後は、一定の事業実践が伴う。この段階で は、地域資源に立脚した事業プロデュース能力も必要 となる。 このような地域担当職員の能力開発競争が、政令都 市、中核市、地方都市で、静かに始まっている。そこで 自治体職員に求められている新たな能力とは、それは 縦割り部門ごとの専門的能力だけではなく、生活各部 門にわたる第一次的な疑問に答え、市民と対等に対話 でき、人と人をつなぎ合わせる「総合力」なのである。 (注1)財団法人地域活性化センター、平成22年11月調査 による。 ◇ 執筆者Profile ◇ ※次回は自学工房 小堀喜康先生に ご提言いただきます。
⃝ 第94回マッセ・セミナー 平田 オリザ 氏「文化による都市再生∼芸術が大阪のまちを変える∼」 平成27年7月2日㈭に、「文化による都市再生∼芸術が大阪のま ちを変える∼」と題し、劇作家・演出家の平田オリザ氏にご講演い ただきました。 市場原理が地方まで浸透した結果、経済的には無駄なものと捉え られがちな文化・芸術の場が地方都市から消え、文化資本の地域間 格差が広がっています。センスの有無が人生を決定づける現代社会 では、文化資本の格差は社会を不安定化させる要素になり得ます。 地縁・血縁社会、企業社会が崩壊した今、行政の果たすべき役割 は地域住民を社会へつなぎとめておくことです。特に、引きこもり や失業者といった弱者に何らかのアクティビティを通して社会との接点を持ってもらうことは、将来的なコスト・ リスクの面からも大切です。NPO等と協力しながら様々なコンテンツを用意し、文化による社会包摂を行うこと が、これからのまちづくりに必要であるとご指摘いただきました。 受講生からは「今までにない都市政策の話を聞けて、よい刺激を受けた」「総合戦略の策定をすすめるうえでの ヒントがたくさんあった」などの感想が寄せられ、文化行政の意義や今後の可能性について考える契機となる講演 でした。 平成27年8月7日㈮「人事評価制度∼本格実施に向けて∼」と題し、事例研究を実施しました。平成26年5月に 地方公務員法が改正され、能力及び実績に基づく人事管理の徹底のため、地方公共団体における人事評価制度の導 入が義務付けられました。 第1部の基調講演では、すでにある制度の見直しが各団体において進め られている状況をふまえ、それぞれの団体の制度設計のヒントになるよう、 導入の意義や目的、制度の中身について、一橋大学大学院法学研究科教授 の 琢也氏にお話しいただきました。 第2部では、人事評価制度担当でもある長野県松川町の片桐雅彦氏に 「小規模自治体における導入から改善まで」と題し、目標管理型の人事評 価制度の特色について、基調講演講師の辻琢也氏から制度導入にあたり指 導助言を受け、平成18年の導入からの流れや工夫した点について、ご講演 いただきました。 続いて、愛知県豊田市の青木勉氏より、「トータル人事システムと人材育成」と題し、大規模自治体としての人 事考課制度をご紹介いただきました。松川町と同様、 考課結果を給与(勤勉手当)に反映させており、今後 も制度設計に終わりがないことを強調され、見直し・ 改善していくことの大切さを訴えられました。 受講生からは「講義内容が分かりやすく、特に松川 町、豊田市の先進事例が大変参考になった」とのご意 見をいただきました。 ※本事例研究の内容は、後日講演録集にして発行します。
マッセ・セミナーを開催しました
事例研究「人事評価制度∼本格実施に向けて∼」を開催しました
【基調講演】一橋大学大学院法学研究科 教授 琢也 氏 (左)長野県松川町産業観光課 課長 片桐雅彦 氏 (右)愛知県豊田市総務部人事課 副課長 青木 勉 氏 ※本セミナーの内容は、後日講演録集にして発行します。 【事例発表】◆ ビジネススキル研修 今年度より「タイムマネジメント研修」「業務マニュアル作成研修」「文書作成力向上研修」の3つをそれぞれ1日2回、 3時間研修として実施しました。その中から、タイムマネジメント研修及び業務マニュアル作成研修をご紹介します。 タイムマネジメント研修 平成27年7月9日 講師:有限会社 アスク・コーポレーション 大久保 透 氏 今年度より、時間の計画的な管理と有効活用などの手法を、より実践的な内 容に特化し、演習中心の研修を実施しました。会場が大ホールで開放感があ り、その効果も手伝って受講生同士が活発な意見交換を行うことができまし た。受講生からは「半日研修で参加しやすかった」「班員と情報共有が図れて 良かった」などの意見が寄せられ、大変充実した研修となりました。 業務マニュアル作成研修 平成27年7月10日 講師:株式会社 行政マネジメント研究所 占部 正尚 氏 業務マニュアルの作成ポイントから、論理的な情報整理のためのロジックツ リーなどについて学び、職場で活かせる視点を養いました。 受講生からは、「要点がまとめられた講義で理解しやすかった」「集中しやすい」 「普段は業務が多忙で研修に参加しづらいが、短時間の研修は参加しやすい」など のご意見をいただき、受講者の掘り起こしにも繋がった研修となりました。 ◆ 女性ステップアップ研修 平成27年7月29・30日 講師:大阪市立大学大学院創造都市研究科 准教授 永田 潤子 氏 昨今の女性の活躍推進の背景をふまえ、研修内容の充実を図り、日数を1日 増やし2日間研修として実施しました。 多くのワークを用いて自らを振り返るとともに、組織の中でいかに自分らし く生きるかを学ぶことができました。受講生からは「今までにない発想を学べ た」などのご意見をいただき、明日への活力を養う研修となりました。 ◆ 研修担当者研修 平成27年8月13・14日 講師:13日午前 兵庫教育大学大学院学校教育研究科 浅野 良一 氏 13日午後・14日 首都大学東京大学院社会科学研究科 大杉 覚 氏 浅野氏より自治体職員の人材育成とは何か、 人材の特性から、職員のライフステージに応じた 育成があることや動機づけの理論を学びました。 また、大杉氏より効果的な職員研修を実施す るためには研修で伸ばすべき能力を明確にする 必要性をお話しいただき、グループ演習の中で 研修カリキュラムを策定しました。 ◆ 地方財政研修 平成27年8月24日 講師:関西学院大学大学院 経済学研究科・人間福祉学部 教授 小西 砂千夫 氏 近年の地方財政制度改革の重要課題や国の予算および地方財政計画について、独自 の切り口で解説いただきました。 地方財政学の応用とも言える内容のため、初任者には難しい内容でしたが、「量出 制入」(出るを量って入るを制す)の考え方、すなわち歳入予算を前提に歳出予算を組むのではなく、歳出予算に 応じて如何に歳入予算を調整するかが、自治体経営の視点として必要であると強調されました。 今後の財政運営の見通しを立てるきっかけをいただきました。
リニューアル研修実施レポート
【大杉氏の研修中】 【浅野氏の研修中】7月7日㈫ 「子ども・子育て支援新制度」 会場:アネックスパル法円坂 なにわのみやホール 講師:山縣 文治 氏(関西大学教授) ▶本格実施した子ども・子育て支援新制度がもたらす ものとは何か、乳幼児期の教育・保育の今後のあり 方について、講義いただきました。 7月28日㈫ 「乳児期の発達と生活・あそび」 会場:田尻町総合保健福祉センター (たじりふれ愛センター)研修室 講師:長瀬 美子 氏(大阪大谷大学教授) ▶乳児期は、その後の人生の土台となる成長を獲得す る大切な時期です。乳児期のあそびの意義や具体的 な方法から、子どもの発達を保障する環境の大切さ について学びました。 7月23日㈭ 「子どもと保護者の実態と子育て支援」 会場:メセナひらかた 大会議室 講師:日浦 直美 氏(関西学院大学教授) ▶核家族化や地域教育力の低下などの社会背景がもた らす現代の親子やその人間関係を考え、子育て中の 親子の実態把握の重要性、子どもや保護者にとって 必要な支援について講義いただきました。 7月31日㈮ 「仲間との関係を柱にした 発達障害のある子どもと保護者への支援」 会場:アネックスパル法円坂 なにわのみやホール 講師:橋場 隆 氏(臨床発達心理士スーパーバイザー) ▶発達障がいの概要や発達課題の理解、家庭や保育園 での取り組みのあり方や保護者対応のポイントなど を解説いただき、現場が抱えている悩みに応えてい ただきました。 ■ 11月∼12月実施分(申込締切日:10月5日∼23日の集合研修) ■ 11月実施分(申込締切日:10月5∼19日)【定員:各コース30名】(研修コース順)
マッセ・市民セミナー(ちゃいるどネット大阪共催)を開催しました
平成27年度一般研修コースの紹介
平成27年度システム研修コースの紹介
研 修 名 実 施 日 申込締切日 定員 内 容 介護保険事務研修 11月12日㈭ 11月13日㈮ 10月5日㈪ 36 介護保険制度の概要を学ぶとともに、今後の展望について理解を深 める。 CAD研修(応用) 11月12日㈭ 11月13日㈮ 10月5日㈪ 30 実務で活用できるAutoCADの便利な機能を習得する。 工事検査研修 11月16日㈪ 11月17日㈫ 10月7日㈬ 40 工事検査担当者としての必要な基礎知識の習得及び実務遂行能力の 向上を図る。 メンタルヘルス・ラインケア 研修 ※日程変更 11月17日㈫ 11月18日㈬ 10月8日㈫ 25 部下にメンタルヘルス疾患が発症した場合の兆候の見分け方や受診 の促し方、休職中・復職後の適切な対応を学び、管理職にふさわし い職場のマネジメントと組織のリスク回避の観点を養う。 住民と行政の協働研修 ※日程変更 11月26日㈭ 11月27日㈮ 10月19日㈪ 36 住民・NPO・ボランティア等とのパートナーシップの必要性を理 解するとともに、協働を進める際の具体的手法を習得する。 訴訟問題対応研修 12月2日㈬ 12月3日㈭ 10月23日㈮ 36 住民訴訟などに対応するため、訴訟制度の基礎知識や行政訴訟の判 例等を参考にしながら、訴訟の流れ及び紛争処理方法を習得する。 研 修 名 実 施 日 申込締切日 研 修 名 実 施 日 申込締切日 ワード応用研修② 11月24日㈫ 10月15日㈭ エクセル実務研修⑦ (マクロ/VBA④) 11月16日㈪ 11月17日㈫ 10月7日㈬ エクセル基礎研修⑥ 11月12日㈭ 11月13日㈮ 10月5日㈪ アクセス基礎研修⑥ 11月19日㈭ 11月20日㈮ 10月13日㈫ エクセル応用研修⑦ 11月26日㈭ 11月27日㈮ 10月19日㈪大東市の中嶋さんからご紹介いただきました、寝屋川市 人事室の石峰と申します。よろしくお願いします。 私は、平成20年4月に人事室に配属され、今年度で8年 目になりますが、研修業務に直接関わるようになったのは 係長になった平成26年度から、今年で2年目になります。 さて、今回は本市の研修の中でも特徴的な研修の一つで ある、「経営者研修∼異業種交流研修∼」をご紹介したい と思います。この研修は、民間企業の経営層の方と本市の 理事・部長級の職員が意見交換を行う中で、民間企業や他 団体の取組やアイデアを学び、幹部職員層からの意識改革 を図ることを目的として実施しているものです。 これまで、この研修では企業・自治体の「イメージアッ プ」「事業連携」「女性活躍」などをテーマに掲げ、それぞ れのテーマに対する事前アンケートを基に、様々な事例紹 介や意見交換を行ってきました。各企業の具体的な先進事 例を聞くことで、今後の業務に活かすためのヒントを得る ことができるなど、様々な情報交換を行うことのできる貴 重な場になっているものと感じています。 最後になりましたが、マッセOSAKAのご担当者をはじめ、 府内各市町村研修担当者様にはいつもお世話なり、ありが とうございます。この場をお借り しまして、厚くお礼申し上げます。 研修担当課の皆さんが、 次 々 に 仲 間 を 紹 介 し 、 ネットワークを広げます。 今回は、大東市の中嶋 さんからのご紹介で… マッセOSAKAでは、10月∼12月にも各種セミナーや 事例研究を予定しています。会場は全てマッセOSAKA 大ホールです。ぜひご参加ください!