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37 2012.  はじめに  聴覚誘発電位または聴覚誘発脳磁場は,音刺激に対 する脳の神経活動を,脳波または脳磁計を用いて計測 したものである。誘発成分はその潜時により,大きく 3 つに大別されている。1 つは短潜時成分(1 から 10 msec)であり,脳幹聴覚路に起源を持っている。注 意や意識状態の影響を受けにくく,被験者からのレス ポンスを必要としないため,乳幼児の聴覚検査や,詐 聴の判定,脳死判定基準などに利用されている。2 つ めは中潜時成分(10 から 50 msec)であり,主に一次 聴覚野由来だと考えられている。3 つめは長潜時成分 (50 から 300 msec)であり,主に関連聴覚野由来であ ると考えられており,短潜時成分とは異なり,注意や 意識状態に大きく影響される。短潜時成分はその潜時 の短さ故に,クリック音が使用される。クリック音は 幅広い周波数成分を含有しているため,短潜時成分の 計測では,複雑な音を聞かせた時の神経活動や周波数 ごとの閾値を推定したりするのは難しい。それに対し て,潜時の長い成分は使用される音の周波数特性によ り,反応が異なってくることが知られている。そのた め現在に至るまで,語音や楽器音等の複雑な音を用い た実験では,聴覚誘発電位や聴覚誘発脳磁場の長潜時 成分の解析が行われてきた。   脳波により計測される,聴覚誘発電位は volume con duction(http://www.scholarpedia.org/ar ticle/ Volume_conduction)により,脳幹由来の電気信号など, 遠く離れた信号源での神経活動を脳表の電極で計測す ることが出来る,という利点がある一方,脳波電極は 遠方の電気信号まで幅広くひろってしまうので,限局 した信号源を推定することが非常に難しいという弱点 がある。それに対して,脳磁計を用いて記録した聴覚 誘発脳磁場は,センサーから離れた電気信号を計測す るのは難しいが,信号源が限局しており,接線方向の 成分を有していれば,かなり正確に信号源を推定する ことが可能である。ヒト聴覚野は両半球に存在し,似 たような潜時の神経活動を示すため,脳波での信号源 推定には困難が伴う。しかしながら,脳磁計だと聴覚 野での神経活動は接線方向の電気信号を主に示すこと も幸いし,比較的容易に信号源推定を行うことが可能 である。このように聴覚誘発電位と聴覚誘発脳磁場は それぞれ短所・長所を有している。  これらを他のニューロイメージングの技法と比べた 場合,以下の大きな長所を有している。優れた時間分 解能はもちろんのこと,聴覚実験に特有な長所として 挙げられるのが,fMRI や PET などとは異なり,脳波 も脳磁計も完全に無音の装置であり,静音下で実験を 行うことが出来ることである。雑音と実験に用いる刺 激音は,複雑に影響し合うことが知られているので, ヒトの脳がどのように聴覚信号を処理するかの解明 に,聴覚誘発電位・聴覚誘発脳磁場を用い,静音下で 記録することは非常に有用であると考える。以下に, 私達が行った聴覚誘発脳磁場の実験の具体例を上げて みる。  ヒト脳における聴覚処理の左右半球差  ヒト脳に関する大きなトピックの 1 つとして,語 音信号処理の左右半球差がある。19 世紀に Broca1) や Wernicke2)により,脳梗塞の患者の行動指標から, 語音を処理する言語中枢が左半球に位置していること が示されたが,そのような左右半球差がどういった要

聴覚誘発電位・脳磁場

岡 本 秀 彦

「誘発電位・脳磁図」  自然科学研究機構生理学研究所統合生理研究系感覚運動調節研 究部門

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因により引き起こされるか,に関しては謎に包まれて きた。しかしながら,最近のニューロイメージングの 進歩により,基本的な聴覚信号処理のレベルで左右半 球に差があるのではないか,と議論されるようになっ た3∼6)。すなわち,左半球では音刺激の経時情報処理 (temporal processing),右半球では音刺激の周波数 情報処理(spectral processing)に優れているのでは ないか,と考えられている。語音の認識には spectral processing より,temporal processing が重要であるた め7∼9),言語中枢の左半球優位につながったのではな いか,という説である。   私 達 は 脳 磁 計 を 用 い て, 周 波 数 変 化(spectral change)または経時情報変化(temporal change)に より惹起される,100 msec の潜時を有する N1m 反応 を記録するため,2 つの実験を行った10)。実験 1 では, 2 種類の基底周波数(500 Hz, 2,000 Hz)を有する,純 音と 40 Hz の振幅変調純音という,4 種類の音を組み 合わせることにより,物理的な音刺激としての総量は 同じでありながら,変化状態が異なる条件(spectral change ま た は temporal change) を 作 り 出 し た( 図 1)。また実験 2 では,周波数の異なる連続パルス音 に二種類のフィルターをかけることで 4 種類の音を生 み出し,それを実験 1 同様に組み合わせることによ り,変化状態が異なる条件(spectral change または temporal change)を作り出した(図 2)。実験 1,実 験 2 のどちらにおいても,spectral change に対して惹 起された N1m は右半球優位,temporal change に対 しては左半球優位の,誘発脳磁場反応が認められた。 このことにより,音信号処理におけるヒト脳の左右半 球差は,言語や音楽といった複雑な音に限るのではな く,より基本的な音特性に対しても認められることが 明らかとなった。  また私達は,雑音下でどのように音信号が左右半球 で処理されているか,を調べた11)。刺激音を右耳か左 耳に呈示し,それと同時にマスキング音を同側または 対側に与え,脳活動を記録した。その結果,刺激音を 右耳に呈示した場合でも,左耳に呈示した場合でも, 雑音による N1m 反応の低下は,右半球に顕著で,左 半球では雑音の影響はあまり受けなかった。雑音下で は,雑音と刺激音の周波数成分が重複していることも 多く,temporal information が音信号の弁別に有効で あることから,左半球の temporal processing の優位 性を示す結果である,と考えられる。  このように,言語処理に関する左右半球差など,ヒ ト特有の神経活動の解明に関しては,聴覚誘発電位・ 聴覚誘発脳磁場は非常に有用であると考える。また, 雑音の聴覚信号処理に与える影響も,fMRI 等のニュー 図 1 実験に用いた音

PT は純音(pure tone),AM は振幅変調純音(AM),数字は周 波数を示している。上段は音刺激の全容,下段は音刺激の変化 時を拡大したものである(Okamoto et al., Cereb Cortex, 2009 よ り引用)。

図 2 実験に用いた音

Low は 2,800 4,000 Hz の帯域通過雑音,High は 4,000 5,600 Hz の帯域通過雑音,数字は連続パルス音の周波数を示す。図 1 同 様,上段は音刺激の全容,下段は音刺激の変化時を拡大したも のである(Okamoto et al., Cereb Cortex, 2009 より引用)。

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39 2012. ロイメージング手法では測定が困難であるため,脳波 や脳磁計を用いた研究が重要な役割を果たすと思われ る。  注意の効果  音に注意を向けることにより,聴覚誘発電位や聴覚 誘発脳磁場が増幅されることが知られている。私達 は,音刺激の signal-to-noise ratio (S/N 比)という外 的要因と,実験参加者の注意状態(音に注意を向けて いる時といない時)という内的要因が,どのように 影響しあうかを,脳磁計を用いて調べた12)。この実験 では,異なる潜時及び信号源を有する,3 つの成分に 注目して解析を行った。一次聴覚野に信号源を有する auditory steady state response (ASSR),関連聴覚野由 来で 100 msec の潜時を有する N1m,そしてそれらよ りも更に遅い潜時を有する sustained fi eld (SF)の振 幅を比較検討した。その結果,ASSR,N1m,SF という, 3 つすべての成分に対し,音に対する注意及び音刺激 の S/N 比が,有意な影響を与えることが分かったが, その影響の大きさは各聴覚誘発脳磁場成分により異 なっていた(図 3)。ASSR は,音刺激の S/N 比により, 非常に強く影響を受ける。すなわち,雑音が大きくな るにつれ,振幅は小さくなった。注意による増幅効果 は,他の成分に比べると軽微であった。それに対して, SF は音刺激の S/N 比にはあまり影響を受けないが, 実験参加者が音に注意を向けている時に,大きな増幅 効果が認められた。N1m は音刺激の S/N 比及び実験 参加者の注意状態の,両方の影響を受けていた。この 実験結果より,潜時が早い聴覚誘発脳磁場成分は,外 的要因の影響をより強く受けるのに対して,潜時が遅 い聴覚誘発脳磁場成分は,実験参加者の内的要因の影 響をより受けやすいことが分かった。これは,末梢感 覚器が物理刺激を受け,その情報を感覚刺激としてよ り高次の中枢神経に伝達し処理を重ねることで,認識 されてゆく過程を反映しているのではないかと,考え られる。  ここまで,注意による聴覚誘発脳磁場反応の増幅の 例を挙げたが,注意は興奮性の神経活動をただ増幅さ せるだけではなく,おそらく抑制系の神経活動を介し て,特異性の向上を引き起こしているのではないかと, 考えられている。純音と,その純音周波数の周囲の周 波数を除去した雑音を組み合わせて,純音により惹起 される聴覚誘発脳磁場を計測することで,population-level での周波数特異性を知ることが出来る13)(図 4)。 私達は,音刺激に注意を向けている時と,視覚刺激に 注意を向けている時との,聴覚誘発脳磁場を比較する ことで,注意がヒト聴覚野における周波数特異性に, どのような影響を与えるかを調べた14)。刺激音には 1,000 Hz の振幅変調純音を用いて,マスキング音とし て 1,000 Hz 周囲に 20, 40, 80, 160 Hz の周波数除去領 域を持つ広域雑音を用いた。1,000 Hz の刺激音により 惹起される N1m 反応に注目したところ,周波数除去 雑音により,有意に N1m 反応は抑制され,その効果 は周波数除去領域が狭いほど顕著であった。この傾向 図 3 音刺激の S/N 比と注意の効果 上段の x 軸は 4 種類の雑音レベル(S/N 比)を表し,y 軸が聴 覚誘発脳磁場反応の信号源の強さの比を示している。塗りつぶ されたシンボルは注意を音刺激に向けている時で,塗りつぶさ れてないシンボルは視覚刺激に注意を向けている時を示してい る。下段は S/N 比(左図)と注意(右図)の効果をまとめて示 している。

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は音刺激に注意を向けている時でも,視覚刺激に注意 を向けている時でも,同様であった。しかしながら, 音刺激に注意を向けている時,特に周波数除去領域が 狭い条件では,視覚刺激に注意を向けている時に比べ て,有意に N1m の反応が大きかった。これは,単純 な注意による N1m 反応の増幅効果では説明できず, 注意による周波数特異性の向上が,増幅効果と同時に 起こっているためである,と考えられる。このように, 音に注意を向け周波数特異性を高めることで,雑音下 においても音情報を聞きとり易くなっている,と考え る。  この実験では,周波数特異性の向上が,すべての周 波数にわたり起こるのか,それとも注意を向けている 周波数にのみ起こっているのか,が不明であったため 続いて別の実験を行った15)。続く実験では前の実験同 様,周波数除去雑音下に呈示される純音により惹起さ れた N1m 反応を計測したのだが,実験参加者には音 刺激に常に注意を向けてもらった。一つの条件では, 呈示される周波数が一定であり,その周波数にのみ注 意を向けているのに対して,もう一つの条件では,提 示する周波数をランダムにすることで,幅広い周波 数領域に注意を向けるようにした(図 5)。その結果, 呈示される周波数が一定である場合のほうが,ランダ ムの場合と比較して,N1m 反応は大きく,特に周波 数除去領域が狭いほど差が顕著であった。この実験結 果より,注意を向けられた周波数に対して,N1m 反 応の増幅効果と,周波数特異性の向上の両者が認めら れることが,明らかになった。この実験結果より,あ る特定のターゲット音に注意を向けることで,その音 に対して,特異的に周波数特異性を向上させ,他の音 より優先して,注意を向けた音の信号処理を脳内で 図 4 周波数特異性のモデル (a) 注意により神経活動が増幅される (Gain) だけの場合と,更 に特異性の向上(Sharpening)がある場合の神経活動のモデル。 (b)純音のみにより惹起される神経活動は濃い灰色,周波数除 去雑音のみにより惹起される神経活動は淡い灰色,両者により 惹起される神経活動は黒色で表現されている。注意が増幅効果 のみを有するのであれば,純音のみにより惹起される神経活動 (濃い灰色)の雑音の周波数除去領域が広い条件の時と狭い条件 の時の比は,注意の状態にかかわらず一定であるが,特異性の 向上が見られるとすると,音に注意を向けている時の神経活動 の増加は,特に雑音の周波数除去帯域が狭い時に顕著となる (Okamoto et al., J Neurosci, 2007 より引用)。

図 5 音刺激 同じ周波数の刺激音を用いた時(上段:constant sequencing) とランダムに刺激音を与えた時(下段:random sequencing)の 神経活動を計測した。灰色の領域は雑音を示し,白く抜けたと ころは周波数除去領域である。周波数除去領域は 1/4, 1/2, か 1 臨界帯域幅(critical band (CB))である。同じ周波数といって も別のブロックでは異なる周波数の音を連続して聞かせるた め,全体的な刺激音としては,constant sequencing と random sequencing で同一となっている(Okamoto et al., BMC Neurosci, 2009 より引用)。

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41 2012. 行っていると考えられる。ヒトを用いた実験では,こ のように注意の対象を簡単な指示で変えることが可能 であるので,聴覚誘発電位・聴覚誘発脳磁場を用いて, 注意の効果を研究することは,非常に理にかなった方 法であると思われる。  周波数除去音楽と携帯音楽プレーヤー  これまでは,聴覚誘発電位・聴覚誘発脳磁場を用い た基礎研究に関して記したが,患者を用いた臨床的な 研究においても,脳波・脳磁計を用いた実験は,非常 に有用である。私達は,耳鳴りに対して周波数除去音 楽を用いた治療方法(図 6)を試み,脳内でどのよう な変化が起こっているか,客観的な指標を得るため, 脳磁計を用いた聴覚誘発脳磁場測定をあわせて行っ た16,17)。耳鳴りは非常に一般的な病気であるが,残念 ながら特効薬などは存在せず,一般的な治療法という ものも確立していない。最近の神経科学研究の発達に より,聴覚野における不適切な脳の可塑性が,耳鳴り の病因として注目されている18)。そこで私達は,不適 切な方向に向かってしまった脳の可塑性を,良い方向 に向かわせるための,周波数除去音楽を用いた行動療 法を思いつき,耳鳴りの軽減を図れるか確かめるため 実験を行った16,17)。具体的な方法としては,比較的周 波数の安定した純音タイプの耳鳴りを有する実験参加 図 6 周波数除去音楽 実験参加者の耳鳴り周波数の周囲 1 オクターブの周波数成分を 音楽から除去してある。少し聞くと慣れるため,不快な音楽に はならない。 図 7 周波数除去音楽の結果 target 群では自覚的な耳鳴りの大きさも,一次聴覚野由来の ASSR,関連聴覚由来の N1m も共に有意な減少を認める が,placebo 群,control 群では有意な変化は認められなかった。エラーバーは標準誤差を示している。

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者に研究室に来てもらい,聴力検査や各種の耳鳴り に関する検査を行った後,3 つの群に分けた(target, placebo, control)。target 群では,実験参加者自身が 持つ耳鳴り周波数周囲 1 オクターブの周波数を除去 した音楽を聞いてもらった。placebo 群では,実験参 加者の有する耳鳴りではない部分の周波数を除去し た音楽を聞いてもらった。control 群は周波数除去音 楽療法を行わず,経過観察した群である。target 群と placebo 群に関しては 2 重盲目的に実験を行った。実 験の効果については,耳鳴りの大きさ等の主観的な指 標だけではなく,客観的な指標として脳磁計を用い て,ヒト一次聴覚野由来の神経活動である,auditory steady state response (ASSR) と ヒ ト 関 連 聴 覚 野 由 来の神経活動(N1m)を同時計測した。その結果, target 群では周波数除去音楽を聞くことにより,主観 的な耳鳴りの大きさは有意に小さくなり,客観的な指 標である耳鳴り周波数に対する聴覚野での神経活動も 有意な低下を認めた(図 7)。それに対して,plecebo 群, control 群では,主観的指標,客観的指標も共に有意 な変化は認められなかった。この実験結果より,周波 数除去音楽が,脳の可塑的な変化を通じて,耳鳴りの 軽減に役だっていることが示唆された。  また現代社会において,携帯音楽プレーヤーが広く 普及することにより,音楽をどこでも気軽にそして安 価に楽しむことが出来るようになってきた。こうして, 日常生活が豊かになるのは,非常に良いことなのでは あるが,その一方で多くの人々,特に若い世代の人々 が,大音量で長時間にわたり音楽に暴露される機会が 増えている。このような携帯音楽プレーヤーの不適切 な使用が,population-level での周波数特異性にどのよ うな影響を与えるかを脳磁計を用いて調べた。その結 果,純音聴力検査や語音聴力検査が正常,すなわち一 般的にいう「耳がいい」状態であったとしても,携帯 音楽プレーヤーを不適切に使用していた群では,そう でない群に比べて,音に注意を向けていない時の周波 数特異性が低いことが示された19)(図 8)。すなわち, 注意により周波数特異性の低下が補完されるため,純 音聴力検査時のように,音に注意を向けている状態 では両群では差が見られないのである。この携帯音楽 プレーヤーの不適切な使用による周波数特異性の低下 は,行動学的指標では見逃されてしまうが,将来的に は耳鳴りや難聴に進行していくと考えられる。そのた め,このような聴覚異常の初期段階で,聴力を保護す るよう啓蒙していくことは,非常に重要なことだと考 えている。  まとめ  脳波や脳磁計は,基礎研究から臨床研究に至るまで, 広く応用可能であり完全に非侵襲である。また,聴 覚実験に関しても,雑音の発生がないこと,signal-to-noise (S/N)比が高いこと,再現性の高いこと等,非 常に多くの利点を有している。また,ヒト脳は音信号 を非常に高い時間分解能で解析していると考えられる が,脳波や脳磁計の持つ,高い時間分解能は聴覚信号 処理における神経活動の解明に非常に有用であると思 われる。  謝辞  本研究は科学研究費補助金・若手研究 A(23689070) 及びカワイサウンド技術音楽振興財団の支援を受け た。 図 8  携 帯 音 楽 プ レ ー ヤ ー を 大 音 量・ 長 時 間 使 用 す る 群

(Exposed) と 使 用 し な い 群(Control) の population-level での周波数特異性を示したグラフ

音に注意を向けている時(右図:Focused Listening)では両群 で有意な差は認められなかったが,音に注意を向けていない時 (左図:Distracted Listening)では,Exposed 群では雑音の周波 数除去幅に大きく神経活動が影響を受けており,これは周波数 特異性の低下を示唆している(Okamoto et al., PLoS ONE, 2011 より引用)。

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文献

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図  2 実験に用いた音
図  5 音刺激 同じ周波数の刺激音を用いた時(上段:constant sequencing) とランダムに刺激音を与えた時(下段:random sequencing)の 神経活動を計測した。灰色の領域は雑音を示し,白く抜けたと ころは周波数除去領域である。周波数除去領域は 1/4, 1/2, か 1 臨界帯域幅(critical band (CB))である。同じ周波数といって も別のブロックでは異なる周波数の音を連続して聞かせるた め,全体的な刺激音としては,constant sequencing と r

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