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JR 東日本 BRT 事業について 1. バス ラピッド トランジットとはバス ラピッド トランジット ( 以下 BRT とする ) は一般的にバスを利用した大量の旅客を輸送する交通システムのことを指します BRT の特徴としては高頻度の運行 鉄道と同レベルの高い定時性などが挙げられます BRT は

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JR 東日本 BRT 事業について

1.バス・ラピッド・トランジットとは

バス・ラピッド・トランジット(以下 BRT とする)は一般的にバスを利用した大量の 旅客を輸送する交通システムのことを指します。BRT の特徴としては高頻度の運行、 鉄道と同レベルの高い定時性などが挙げられます。BRT は主にアメリカ、中国、カナ ダなどで普及しており、日本での導入例はまだ少数しかないのが現状です。

2.東北地方において BRT が整備されるまでの経緯と現況

2011 年(平成 23 年)3 月 11 日に発生した「東北地方太平洋沖地震」(以下東日本大震 災とする)により、JR 東日本の運行する路線は岩手県・宮城県沿岸部を中心に大きな 被害を受けました。中でも、山田線・大船渡線・気仙沼線の3 路線は被害が大きく、 また、まちづくりの計画を待つ必要があることなどから鉄道としての復旧のめどが立 っていません。JR 東日本では、鉄道復旧の条件として、安全性の確保、まちづくり との整合性、道路・河川等との交差部の処理の検討を挙げています。加えて、この3 路 線については、たとえ復旧したとしても赤字が大きく、民間企業である JR 東日本と しては、復旧に慎重にならざるを得ないという指摘が一部報道にてなされています。 鉄道による復旧は、線路の敷設を必要とするため、いったん開始されてしまえば、移 設には大きなコストを要することとなります。

代替の輸送手段として、BRT のほか、LRT(Light Rail Transit)、DMV(Dual Mode Vehicle)などが挙げられていましたが 2011 年 12 月 27 日に開催された第 3 回気仙沼 線復興調整会議で、JR 東日本は BRT による仮復旧案を提示しました。しかし、気仙 沼市を中心とした自治体側は、鉄道復旧が明示されていないことなどを理由にこれを 拒絶しました。その後、自治体・JR 東日本間で調整が行われ、安全な鉄道の復旧を 明示することなどを条件に、2012 年 5 月 7 日の第 5 回同会議で、沿線 3 自治体(宮城 県登米市、南三陸町、気仙沼市)と正式に BRT による仮復旧の合意に至りました。山 田線・大船渡線についても、それぞれ BRT による仮復旧の提案が 2012 年 7 月、JR 東日本から行われましたが、計画された専用道区間が短くBRT による復旧のメリッ トが得られないことなどから山田線については7 月に沿線自治体から反対の立場が JR 東日本に伝えられ、案は取り下げられました。大船渡線については、同年 10 月に 沿線3 市(大船渡市、陸前高田市、気仙沼市)と正式に合意しました。気仙沼線、大船 渡線ともに、沿線自治体は最終的に鉄道復旧を求める姿勢です。

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参考 東日本大震災被災地において BRT 化が検討された路線概略図 国立国会図書館調査及び立法考査局レフ ァレンス 2013.6 主要記事の要旨 バス高 速輸送システム(BRT) ―導入事例と論 点― 神足 祐太郎 より引用 http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidep o_8223644_po_074903.pdf?contentNo=1

3.気仙沼線 BRT

3-1 路線 図1 東日本旅客鉄道株式会社仙台支社・盛岡支社

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気仙沼線BRTの専用道延伸及びダイヤ改正について より引用 http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1364180184_1.pdf 気仙沼線は2012 年 12 月 22 日より(株)ミヤコーバスが委託事業者となって柳津- 気仙沼間(55.3km)で BRT による運行が行われています。(図 1)一部区間において線路 敷を利用した道路運送法に基づく専用自動車道が設けられ、高速化が図られています。 専用道の総延長は気仙沼線BRT 区間の 40%を占める 21.7km あります。2 度に及ぶ 専用道の延伸のより、現在は柳津-気仙沼間を最短106 分で結んでいます。(図 2)ま た一部の駅(陸前横山・清水浜・小金沢・南気仙沼以外)には駅舎(図 3)が付いています。 現在駅舎のない駅にも順次駅舎が設置される予定です。 図2 東日本旅客鉄道株式会社仙台支社・盛岡支社 気仙沼線BRTの専用道延伸及びダイヤ改正について より引用 http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1364180184_1.pdf 図3 東日本旅客鉄道株式会社仙台支社・盛岡支社 気仙沼線BRTの専用道延伸及びダイヤ改正について より引用 http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1364180184_1.pdf

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3-2 車両 車両は日野自動車製「日野ブルーリボンシティ ハイブリッド」(図 4)を使用しています。 このバスはディーゼルエンジンと電気モーターの2 つの動力源を備えたハイブリッドバス です。減速時や降坂時にはモーターが発電機として作用し、エネルギーを回収してバッテ リーに充電、発進・加速時にはモーターがディーゼルエンジンをアシストすることで燃費 を向上させ、CO2の発生を低減します。また広いノンステップエリアには車椅子用スペー スも設けるなど、バリアフリー仕様となっています。以前は首都圏のバス事業者から移籍 した中古バスを使用していました。 図4 日野自動車ホームページ 日野自動車、JR 気仙沼線 BRT にハイブリッドバスを納入 より引用 http://www.hino-global.com/j/information/303.html

4.大船渡線 BRT

4-1 路線 図5

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東日本旅客鉄道株式会社盛岡支社 大船渡線BRT 臨時駅・新駅の設置及び専用道の供用開始について より引用 http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1373528194_1.pdf 大船渡線は2013 年 3 月 2 日に(株)ミヤコーバスが委託事業者となって気仙沼-盛 間(44.7km)で BRT による運行が行われています(図 5)。 一部区間において線路敷を利用した道路運送法に基づく専用自動車道が設けられ、高 速化が図られています。専用道の総延長は大船渡線BRT 区間の 30%を占める 13.7km あります。2 度に及ぶ専用道の延伸により、現在は気仙沼-盛間を約 72 分で結んでい ます。 また、2013 年 7 月、8 月の土・日曜日および 8 月 6 日・7 日、12 日~16 日限定で 陸前高田-長部間に奇跡の一本松駅を設置し、一部の便が停車しています。 4-2 車両 いすゞ製ワンステップバス(中古)、日野自動車製ワンステップバス(中古)、日野自動 車製「日野ブルーリボンシティ」(詳細は 3-2 参照)、いすゞ製「エルガハイブリッド」 (図 6)を使用しています。 「エルガハイブリッド」はモーターによるエンジンのアシストや減速時の効率的な エネルギー回生を通じた省燃費走行と、低CO2・低排出ガスを両立した低公害車です。 優れた環境性能の7.8 リットルディーゼルエンジンを搭載し、「平成 27 年度重量車燃 費基準」を10%過達、低排出ガス車認定の取得により 100%の免税となるとともに、 九都県市低公害車指定制度の平成21 年基準「優」低公害車に適合しています。また、 重量車モード燃費はクラストップレベルの4.9km/L を達成しています。 図6 いすゞ自動車ホームページ いすゞ大型路線バス「エルガハイブリッド」を発表 より引用 http://www.isuzu.co.jp/press/2012/8_9bus.html

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6.JR 東日本 BRT 事業の安全に関する取り組み

6-1 輸送の安全に関する基本的な方針 JR 東日本では東日本大震災を契機とした大きな変革期に、新たに策定した「グル ープ経営構想V」(~限りなき前進~)においても、JR 東日本グループは「お客様の求 める安全で品質の高いサービスを提供する」「鉄道サービス・生活サービスの提供を通 じて、地域の発展に貢献する」という「変わらぬ使命」を改めて経営の重要な柱に位 置付け、不断の努力を行っています。 また輸送の安全に関する具体的な取り組みとして鉄道事業を中心に会社発足以来5 回目となる安全5 カ年計画「安全ビジョン 2013」を策定しており、その計画方針を 基軸として安全の確保に取り組んでいます。 6-2 輸送の安全に関する目標 JR 東日本は下記のように安全目標を掲げています。 -JR 東日本 BRT 事業における2013年度輸送の安全に関する取り組みについて より- 6-3 大規模災害対策及び発生時の対応 JR 東日本では東日本大震災を教訓とし、大規模災害発生時の乗務員行動指針を示 す「津波対応マニュアル」を策定するとともに、乗務員が自ら判断し対応する能力の 向上のため、「津波避難訓練」を行っています。2013 年度には上記の訓練の他、机上 訓練によるリスク管理の強化を行われる予定です。

7.BRT 専用 IC カード乗車券「odeca」

2013 年 8 月 3 日(土)より”お出かけしやすい IC カード”として BRT 専用 IC カード 乗車券「odeca(オデカ)」(図 7)を導入しています。 ロゴデザインは、BRT のタイヤをイメージした丸い書体の英文字と、ボディカラー の赤色を使用し、 キャラクターのリスは、BRT と沿線の復興のキャラクターとして 2.輸送の安全に関する目標及び目標の達成状況 (1)輸送の安全に関する目標 気仙沼線・大船渡線BRT 事業において、「安全ビジョン2013」の方針に則 り、安全目標として以下の3点を掲げ、委託事業者((株)ミヤコーバス及び岩手県 交通(株))と一体となって安全確保に取り組みます。 ① お客さまや通行者等の死亡事故ゼロ ② 社員(グループ会社及び委託事業者)の死亡事故ゼロ ③ 災害発生時のお客さまの安全確保(地震・津波発生時等)

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デザインし、「尾デカ」(尾がデカイ)のユーモア性も持たせています。 図7 東日本旅客鉄道株式会社仙台支社・盛岡支社 BRTへのICカードの導入について より引用 http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1368614510_1.pdf

7.参考文献

国立国会図書館調査及び立法考査局レファレンス 2013.6 主要記事の要旨 バス高速輸送システム(BRT) ―導入事例と論点― 神足 祐太郎 http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8223644_po_074903.pdf?contentNo=1 東日本旅客鉄道株式会社仙台支社・盛岡支社 気仙沼線BRTの専用道延伸及びダイヤ改正について http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1364180184_1.pdf 東日本旅客鉄道株式会社盛岡支社 大船渡線BRT 臨時駅・新駅の設置及び専用道の供用開始について より引用 http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1373528194_1.pdf 東日本旅客鉄道株式会社仙台支社・盛岡支社 BRTへのICカードの導入について http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1368614510_1.pdf 東日本旅客鉄道株式会社 JR 東日本 BRT 事業における2013年度輸送の安全に関する取り組みについて https://www.jreast.co.jp/safe/pdf/brt_anzen2013.pdf

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いすゞ自動車 いすゞ大型路線バス「エルガハイブリッド」を発表 http://www.isuzu.co.jp/press/2012/8_9bus.html 日野自動車 日野自動車、JR 気仙沼線 BRT にハイブリッドバスを納入 http://www.hino-global.com/j/information/303.html

参照

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