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アカマツ材のパルプに關する研究(4)成育の良否による、及び靑變菌に侵されたる場合のアカマツ材の化學的組成について-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

(注意)この論文には正誤表があります

香川縣立農業専門學校研究報告 第1巻第2号 正誤表

URL

http://www.lib.kagawa-u.ac.jp/metadb/up/AN00038102/AN00038102_1_2_e.pdf

Notice

香川縣立農業専門學校研究報告 Vol.1 No.2 Errata

URL

(2)

アカマブ材のパルプに閲すろ研究(4)

匂8

成育の良否による、及び音盤菌に侵されたる

場合のアカマツ材の化撃敵組成について

幡 克 夫

STUDIES ONTHE PULP OF“AKAMATSl)”(jW乙岱DBNSJj;LORA

SIEB・・ET ZUCC.)WOOD.

(・4)ON THE CHEMICA工」COMPOSITION OF THE PINE WOOD GROWN

WITH DIFFERENT RATES,AND STAINED BY(二YZRAZVSZりLl薇LLA SP∴

BY

KATSUMIHATA

T.緒 一

香川・岡山・愛媛・囁島・兵庫等の、いわゆる調声内地方プ)丘暖地常には、土地的床件が悪く、同盟 もまた少くて、生育の著しく振わなレアカマツ林が、すこぶる多く分布している。かかる粗悪林に生宜 しているアカマツは、樹形もいたって不造形で、用材としての慣値に乏しく、燃材以外には、その使途 Q少いものであったが、近年これらの地方に多数設立せられ一た、櫛木パルプエ場■で、或経度の用途が見 出されつ1あるようである○生育が辛くに不良なアカマツ材の腹巻管の大きさに閑L・ては、すでに私が (1) 軍1報で明かにしでおいたのであるが、その化拳的親政が、良好な生育を・とげた材にくらべて、どの線 度ちがっているかについては、まだ十分な知見をえていなかった。このことに関する研究は、今後、生 育の不良な材む化畢的忙利用するときの基礎知識、あるいはまた化畢パルプの原木選樺上の、指針を輿 えるものとしての意義を・もつものと思われる。

つぎに、アカマツ材の育艶現象は慈姑徽(と♂列′7抽わ7グZ♂挽)属監属す−る薗に原因するもので、伐採後の

製材及び貯木中の材を’おかし.ま一たしぼしば甲虫類の喰痕等から昏入して∴立木の時代にすらあらわれ

るものもあるので、近年その昔のおぴたゞしい、マツノキクイムシ類にたおれた材は、ほとんど胃壁苗 の被害があるようである。これら育攣材は材の強度にぁいては正常材と攣りがないといわれているが、 (望ノ

その黒衣色の焼栗のために、商品慣倍は著Lく低7■している。そこでアカマツ育欒材の化畢的組成が正

解材のそれと臭っているか、またとくに繊維素の含有盈の減少はどの程度のものであるかこ等について

知ることは、工蟄的方面の利用慣他の低uこれらの材を、化畢的使途に供する際の参考となるので、こ

れも・一通りしらべてぉく必要があると思う。

この報告は、上述の2問題を■、明かとす右ために行った木材分析の結果と、これに封する考察とむ含

んでいる。

(3)

この研究を・行う上忙御懇切琴御指藩を戴や牢京都大蓼盛挙部数摂館博士、並びに’尾中将土に謹んで謝

夢を表するととも忙、材料の1を周られた赤井捲土の御厚情に倒し深謝L、賓験中経坤熱心償助力し■た、

常研究室佐々木富子氏の弊に封レ感謝す’るJ)

2.成育昆雷によるアカマツ材の化撃的組成の比較

(1)材料 と 方洩

香川棺産アカマフ8本を働料とした。成育の遅速と材の組成分との関係を一明かにするために、同一・・地

域で成育比較的良好庖ものと、極めて∴成育の悪いものとを・、相勤して搾取し、侍材の部位忙よる欒異を

除く冬めに、相封する供試木ほ夫々同令階の成育臥又は樹幹仝鰻忙ついて比較した。供試木、試料等

($ノ

に関しては、Tablelに略記している。扁分析の方浜は第2我と同じであるo

Table1.成育良否相異なるアカマツ供試木

JapaneberedpinegTOWnWith differentrates・

供1禦㌔eaI㌘

産 地 Localiヒy Salnple 試 樹 高 Heigh仁 香川阪本田郡・平井町 Hi柑i,Kida,Kagawa.pre董. O . aw岬ef∴ ク 香川願大川郡長尾町 Nagao,.6、くaVa,KagaWa pTef・ ク ′ ′ 40−44 年生育厨 YelISlayerS. ク 30−・35 年生テ層 YeaTSlayers. ク 樹幹全鰹 Whこ〉1elayeIS.. ク ク ■

R、S R S R S R S

4 3 2 1

(2)分析結果と考察

成育の忠一ハ材は成育点灯な材に比べて、年輪密度が極めて高く、偲導管の長さ、径等も′トさく、形態 畢的に可成り異っているが、化噺勺組成上の義兵は、Table2.に示されてい早通り、あまり著しくな く、叉差異の傾向もあまり明瞭とは云えない。しかし各成分に戯いて細かく検討してみると、大約次の 諸項忙述べるような僚向が認められる。 鱒繊維素とリグニン 成育不良な材は、成育良好な材皐り、繊維素含有率が低いが、その違いは8%をこえない0リグ;ソ 含有率は、それと反封で、成育不良な材の方が高い値む示し、その差異は2%以内である。 (4) 前報でも嘩べたよう忙、木材中のリグご・ンの1部払緻椎葉とともに細胞膜申にあるが、その大卒は中 間任勘こ存在してこいて、中間膜は細胞膜より、町ダニン含有率がよほど高いといわれている。このこ

(4)

Table2.成育艮香相異なる■アかマツ材の化畢的組成(数値は絶能率) ChemicalcomposiLionofJapanescredpinegTOWn壷撼diffbrentrates. (Results・aSPer占entagやOfoven一心y(1C5OC.)S、amp】es) R J S R I S R I S 冷 水 Cり1d wa絶Ⅰ 熱 水 Hot wa亡eて ル カ リ ア 1%Na〔〉‡王 アルコールベンゼソ .AIcりhuトbe:1Ze:re 抽 出 物 Sり1ubili亡yin

√∴J∼ IO.20

4 1414 52..98 8 2

28..57

11い39

54.28璽5用

10..951 9い44111..03 全 繊 維 業 Crude cellulose 全繊維発車 In ぐru(1e ce11ulose リ グ ニ ン Lignirコ ベ ント ー サン Pent(lSar〉 マ ン ナ ン Nlannan ○く−・セルP・−ズ cell正一Se ヴ・十岩−セルロ㌧−ズ dell⊥1(〉Se 72..42】 78・・25】 79..即1制.03 72 1 3 4 5 9 qノ 27.58i 21・.751 20.43 2 5 7 9 7 6 ウ︼ 2 26−05】 25.24 00 0ノ 7 2 11 6・45i 5‘68 注意 Remark.水分ほ凪乾琴(i,ercentagesofm(壷亡urearebaSedon aird王yS:まmples..) R:鎮静良好なもの S:生育ぁるきもの とはフロログルシ/塩酸、塩化■許鉛ヨ (5) るのであるが、Ritter氏は.1923年に、 て、夫々明確忙これを認明している。 (1) (Rapid gI(〉W亡h) (SIow g工OW払こ) −・ド、濃硫酸等の試葵を・用いて、顛硬化畢的には容易釘謎められ 〔0) いろいろな化畢魔埋により、Bailey氏は1936年に分析結果とし 成育不良な材の倍導管の大きさが、成育良好な材のそれに比べて∴ /j、さいことは、軍1報で述べた通りで、かりに中間膜の厚さが、1定であるとすれば、/j、さい細胞より 構成されて1ハる、成育不良材の方が、構成細胞の犬である成育良好材より、中間膜を・含む割合が大きい のは常然であり、したがってリグニン含有率も、成育不良材の方が高いこととなる。然L春材部は秋材 部より、リグニン含有率が拓いので、上の場合秋材率も関係するので、一層に諭することはできないか (7) もしれぬ0倫Klason氏はFichte の材む材料とし研究し■た結果、立二他によって∴リグニン含有螢に、 割然とし一た差異が見出されないとしている。 ベントーサンとマンナン 1股にべソトーザンの含有率は成育良好な材で高く、マンナン含有率は生育不良な初の雰が高くなつ

(5)

ているが、例外もある。 アルコーJI′・ベンゼン抽出物 アルコー・ル・ベンゼ/抽出物の含有率は、生育不良な材が生育良好な材よわ偽が高い。垂直樹脂溝は 春材部の経り、或いは秋材部の始めにあたる部に、年輪の境界線に並行して配列していて成育不良材の 年輪密度が、成育良好材のそれに雄べ、きわめて大であるのに此し、年輪事の垂直樹唱沸か切線方向に

ぉける間隔は、雨着であまり差異がなく.叉樹脂溝の大きさも、あまり異ならないことは、鏡陰によつ

て容易に認められる。アかマツ材のアルコ←ル・ベンゼン抽Ⅲ物は、主に樹脂分であるの■で、上記の分 析由来は、形態拳的観鮎より、成育不良な・材と成育良好怒材との、樹脂含有率め差異を判断し・た場合と 符合するものと思う。叉第2報で述べたように、アルコー・ル・・ベンゼン抽出物の含有率は、樹幹の中心 (り 部よわ外方に息もむくにしたがって、減少す・ることは、明かであるので、樹幹金閣を試料とした供試木

3R、8S、4R、4sのアルコー・ル・ベンゼン押出物含有率が、樹幹の外骨のみむ試料とした1RIs、

2】え、2S等のそれより、高い値を示すのは常然と考えられる。 その他の抽出物と次分

冷水抽出物、温水抽出物、1%NaOH抽出物も、1般に成育良好なものより成育不良なものの方で

高い僚牽未す。成育不良な材の次分含有率は、成育良好恵材のそれより大である。衣分として定量され

るd芸.Mg.N乱.K辱C壷onは、初期中英の主成分である、ペクチン厳仁腰として存在し、これら

が第2次膜の完成後も、伸そのまゝ中間映中佐餞留す−るので、アカマツ村中の次分の大部分は、中間膜 にあるものと思われる。そこで前述のように成育不良な材は、成育良好な材より、中間朕を含有する割 合が大貴いので、次分・含有率も成育不良な材の方に、高い畢とは常然となる。 吉・青欒薗に侵されたアカマリ材の化学的組成

(1)材料 と 方怯

材料の1は、京都大畢農撃部赤井博士より戟いたもので、他の1は香川野犬川部多和村産で、製材後 $ 〔)(4) 黒衣色に欒色したもので優る。今愛での研究に.よると、アカマツ材の化勧勺組成は、個鰻により文部位 によって、或程度の欒異があることほ明かである。そこで、これらに基づく誤差をなくするため咋は.、 常襲材と、此敬す−る正常材とは、同一供試木で同仙憫斬であるごとが望ましい。この・ため材料は、同一 !部佗より掠り、飽で削り、これを鋏で育攣部と正常部と忙、つみ分廿て二分析し、この雨着の組成分につ (8)

いて、相比較した。分析の方法は第2報に示した通りである。

(2)分析糖発と考察

青襲材と正常材との分析結果は、Table3 に示す通りで、両者間の差異は、殆んど認められない。

この種の常襲薗の菌糸は、被害材中に董延するが、その粂養は、材中軋極めて僅かに分布する、澱粉或

いは臥その他水溶性物質に依存す−るもので、細胞膜質及び中間膜質には、溶解作用む及ぼさないと われている0又被青材の特殊の黒衣色は、材中に薙び■た菌糸及び薗核の色が、細胞膜を・透過して∴外部 足現われるものである故材、質金牌を特殊の色素で染めるものでもないd冷水抽出物、熱水抽出物等の

(6)

偲における差異も、殆んど認められ難いのは、上記によりその理由が判断できる。

Table3.青欒材の化拳的組成(薮値は絶乾率)

Chemicalcomposition of blue stained wood・

(Resultsaspercentageofoven−dry(1050C)Samples)

注意 Remarkl・ 水分は風乾琴(Percentagesらfmoisturarebasedonair・bdrySamples小) S:帝鰐材(Stainedwood.) N:正常材(Normalwood.)

粗緋珪素定盈の際の漂白の瓢易も、普湿材と殆んど変らなかった。そこで、か1る育欒材をパノけ原

料に用うることは、原料の化蓼的蘭成上からいつても、叉パルプの漂白性の上から考えても、殆んど差 支えな.いものと判断できる。

4・摘

要 (1)香川煤塵アカマツ8本を用い、成育良好な材と、成育著しく不良なるものとの化拳的組成分を 此敬し、且つ慈姑徹(αタαね∫わ〝好肋)屠に属する木材欒色菌に・、厚された材2本む用いて、変色材と 正常材との、化畢的組成分を此敬した■ (2)生育不良なるアカマツ材の組成分は、生育良好なるものゝそれに比べて、緯線素食有季昧幾分 低く、リグニン、樹脂各種抽出物、次分等吼幾分高くて、化畢的組成分の上からも、パルプ原料として の慣値が多少低いが、此場合には、繊練の大きさより考えた場合両者間庇問題となる程の相違は認めら

(7)

れない。 (3)育欒笥に侵された材は、黒衣色濃厚で発駅む損し、商品債借着tノく低いけれども、虚廃材に比 べて・化蓼組成上劣るところなく、叉その稜染色も、漂白粉液で容易に濱ヨできるので、パルプ原木と

t.て、殆んど差支えなく用いられるものと思われる。

引 用 文 献 (1)幡蒐突‖1949・香川願丑農薬専門嬰校研究報償.1.1,l, (2)逸見武軌赤井慮恭..1947..木材闘朽常襲.451. (3)臍充実・日本林学昏諒(印刷中) (4)タ・日本林撃食詰(印周申) (5)Ritte工,Gl・J”&Flec=k,L,C,け1923..J.Ind・・Eng.Chem.,15,1055. (6)Bailey,A..Jl・19361・J,Ind・Eng.Chem.,Arlalyt・Ed.,8,52. (7)Klasor〕,王9..1931..Cellulose Cliem.”12,36ル ノ RESⅥJME Thisstudyhasheencarriedou†,inviewofpulpmaking,tOCOmParethe chemicalcompos;tion OfthewoodinJapancseredpine,j%zusde7Z5グゐYaS.etZ,grOWnWithdif触entraTtCS,beside5

thatofthe woodattackedbytheblue stainfungus,C>タa80530me2h sp・andnormalonc・The

Sub桓tsusedfbrtheinvestlgation weIeCOllected fIOm−6kawa and Kidadistrict,Kagawa pre鎚ctuIe.

Thedataofanaly$isare summa工izedintahles2and3・Fromthese results thefollowlng

COnClusionsmay be dIaWn‥

1・Thewood of rapid growth,aS COmParCd withthatofsIowgrowth,Showed somewhat higherpercentage Ofcellulose,PentOSanalcohol−henzeneextract$.While the cQntentOflignln,

mann?n,aSh,hot and cold water extracts andl% caustic soda soluble substances were

relatively sma11・But,SuCh variation$We7e nOt SO COnSPICl10uS tOlessenthe value a華the

mateでial払IJpulp・

2.Almost no considera‡)1e diffbrencesweredetected hetweenblue stained wood and normal Onel・ThedaIkgIay COlourofthe stained wood canbecasily7emOVed hy bleachingpowdcr・ TherefoIe,thismaybeby no meanssoimportant dcfbct onpulp making・

参照

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