【論 文】 UDC :69
.
026 :539.
379 :614.
8 日本 建 築学 会構 造 系 論 文 報 告 集 第 383 号・
昭 和 63 年 1 月安全性
か
ら み た
階段
の
す
べり
の
評価
方 法
の
提
示
安
全
性
か ら み た階段
の すべ り の評
価
方 法
に関
する研究
(
そ の3
)
正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員小
武
大
野
田
上
野
英
貴
隆
哲
*清
** 正** *造
** * *1.
序前 報 (そ の
1
)uで は,
本 研 究 全 体の 目的・
範 囲, 方 法 を 述べ た 後,
段 鼻 部 分に段 鼻 材,
突 起,ノ ン ス リップテー
プな どの ない階 段を対 象と して,
安 全 性か らみた階 段の すべ りの評価に関す る基 礎的考察を行い,
本 研 究の 目的 を達 成す る 上で の研 究方 法の妥 当性を主と する基 礎 的 知 見を得た結果を述べ た。 さ らに,
前 報 (その 2) 2) で は, 種々の 階段の すべ り を評 価す る た めに必 要 不 可 欠 とな る,
階 段 各 部 分 (踏 面 部 分,
段 鼻上端 部 分, 段鼻角部分) のすべ り抵 抗の測 定 方 法 を提 示し た結 果 を述べた 。本報で は
,
これ らの成 果 を踏 まえ, 安 全 性か ら み た階 段のすべ り抵 抗の評 価 方 法 を究 明し た結果を述べ る 。 な お,
本 報 告は日本 建 築 学 会 大 会に発 表し た結果3Lq ) にさ らに検 討を加えた もの で ある。
2,
本 研 究の 目的 本 研 究の 目的は,
すべ りの観 点で種々 の性状を有す る 階段を対 象と して,
安 全 性か らみた すべ りの評 価指標を 求め,
前 報 (そ の 1)1 〕, (その 2即の 成果と合わ せてす べ り の評 価 方 法 を提 示す ること に あ る。3.
既 往の研 究 階 段のすべ りの評価に関して は,
その必 要 性は認 識さ れながらも5)−
B)’g ど , 国内外に おい て,
田 山,
坂 田に よる 階 段 昇 降 時の段 鼻 部の必要 摩擦係数を求め た結 果が報 告 され て い る だ けであ る9 )。 この研 究で は,
階 段 昇 降 時に 段 鼻に作 用す る荷 重の性状か ら 必要と す る摩 擦 係 数 を 求 めて い るが,
未 知な階 段の摩擦係数の測 定 方 法が提 示さ れて い な い こ と な どか ら, 階段のすべ り を定 量 的に評 価 で き る まで に は至っ て いない と考え る。
4.
本 研 究の研 究 方 法 さま ざ まな す べ り抵 抗を もつ 階 段を試 料と し,
検 査 員 を用いてすべ り の官 能 検 査 を実 施して , 安 全性か ら み た すべ りの評価尺度を構 成す る。一
方,
前 報 (その 2>2) で 究明し た方 法に より階 段 各 部 分の すべ り抵抗 値を求め て,
すべ り の評 価尺度との対 応を検 討 し た結 果か ら, 安 全 性からみた階 段のすべ りの評 価 方 法 を提示す る。
5.
安 全 性か らみ た階 段の すべ り の評 価 尺 度の構 成 5.
1,
構 成す る尺 度の項目 構 成す る尺 度は,
安 全 性か らみ た すべ りの評価尺度 似 後,
すべ り の評 価 尺 度 と呼ぶ )と階 段 各部 分のすべ り の 差を表す すべ り の対 比 尺度 (以後, すべ りの対 比 尺 度と 呼ぶ )の 2項 目 とし た。
な お
,
すべ りの対 比尺度は,
予 備検査におい て, 階 段 各 部 分のすべ りの差が大きい場 合,
より危 険に感 じる,
という知見を得た た め,
安全性を左右 するひとつの要 因 と してすべ りの対 比 を取り込む 必要が あると判 断した た めに求める もの であ る。5。
2,
尺 度 構 成の た め の官能検査 手 法の選 定安 全 性か ら み た すべ りの限 界 値な どを求める際に は絶 対判断による尺 度が よ り有 効と な ることか ら, 検 査 手 法 とし て表
一1
に示す判断 範ちゅ うを用い る系 列 範 ちゅう 法を 選定し た。 5,
3.
試料段 階の設 定5.3.
1 階 段 寸 法,
段 数, 手す りの設定 試料 階 段とし て, 前 報1 〕・
2 〕で用い た安全 段 階 (踏 面 寸 法 :29 cm,
蹴 上 げ 寸 法 :17cm , 段 数 :7
段)と危 険 階 段 (踏 面 寸 法 :16cm ,蹴 上 げ寸 法 :24 cm,
段 数 :5段) の 2つ を設 定し た。
な お, こ れ らの階段の設定理由と詳 細は前 報 (その 1)i}に述べ て いる。
な お
,
幅員は 90cm とし手 すりは設け る が,
より危 険 な状況での 安全性を検 討する のが重要と考え,
転 落な ど が起こ り そうな場 合 以 外は手 すりを 用い ない こと と し ’ 東 京 工業 大学 教 授・
工博 # 清 水 建 設株式会社・
工修 1** 東京工業 大 学 助 手・
工 博 * * * * 神 戸 大 学 助 教 授・
工 博 (昭 和 62 年 6 月 10日原 稿 受理 } 表一
1 検査にお ける判 断 範ちゅう (1]すべ り 評 価 の 嚇 合 (2}すべ り封 比 の 場 合 試 料陶段のすべ り 具 合は ABCDEFG非 常 に 安 全であ る かなり安全で あ る や や 安 全である ど ち らと もい え ない や や 危 険 で あ る か なリ危 険で あ る 非 常に危 険であ る 試料 階段の各 部分 の すべ り具 合に H。
全 く差 を 感じない 1.
ほ と ん ど 差 を 感 じ ない J.
や や 鍔…を感じ る K.
カ、
な り差を感 じ る L,
非 常に差 を 感 じ るた
。
以 上の階 段を天 井 高3.
7
皿,
床面での平 均 照 度が約 1201x, 温度 16℃ ±2℃,
湿 度46 % ±5%RH
の実験 室 内に設 定した。 (写真一
2に検 査風景と ともにその概 要 を示 す ) 5.
3.
2 階 段パ ネルの設定検査員が踏む階 段パ ネルの 形状は図
一
1の と お り で,
検 査で は 2種ずっの パ ネル を試料階段に逐 次 設 置 して試 料に供する こと とした。 ま た,
本研究で用い る 28種の 階段パ ネル の仕 様は表一2
の と お り で,一
般 的な市 販 品 を含め さま ざ まな仕 様お よ び すべ り抵 抗 をも たせ るよ う 工夫してい る。
な お, 本 研 究で は
,
階 段に階 段パ ネルを 設置し た状 態 O の OON O の 3e 350 30 取付け穴 踏面 φiili
覊
蘿
.
ili織….
_、
。、蓁
i
覊覊i
…譲
…ililiiliili
蕘
i
韈 lill
懇
’
………飜i疆 霧 450 段 鼻 図一
1 階 段パネル の概要 表一
2 検 査 項 目,
検査員,
履物,
試料の組み合わ せ一
覧 快査 項目 儒 戚 す ろ尺 度項m すべリ対比 尺 展 すべ り評価 尺 蛋 検 査 貝 男 性 20 名 男性2D名 女性20 名 贋 物 歌底 紳 止瓧 繼鯔 } テニ スンユ
ー
ズ 愚羅肇 ハ イ ヒー
ル 中 ヒー
ル 鍔絆 安 全 階 段 0 0ooo 検 査に 用 いた黼 段 危 険 暗 段 x oooo 試斜 パ ネル の概 竪 検 棄 に 用 い た 試 科 バ ネ ル 陶 踏面の仕様 駛鼻 の 仕 搬 踏 面と 同一
一
x o ooo 岨 ビ踊シー
ト 0 Q ooo 合成 ゴム系シー
ト o o ooo ー2
3
4
5
5 ゴム系 タイル 〔表面凹凸 なし1 合成 ゴ厶系シ
ー
ト+
テ7ロ
ン
テー
プ o o o0Oλ
テン
レ
λ
製 o o ooo 薇 諺 奪 o C ooo 瑚 面 と同一
x oo00 塩 ビ製 o Oooo 韓 ぎ攣 多一
ト o oooo 7日
9
0
−
2
3
4
匹
訌
且
−
且 躯ビ廉長 尺シ
ー
ト 俵 面 凹 凸なし} ス テ ン レ ス + 合成ゴムテー
プ 0 oooo 禦ビ飄 o o xox 真ちサ う熨 o o x0x 塩ビ製+塩 ビテー
プ o o0oo 塩ビ凝 +テフロ
ン テー
プ o 0ooo 階 面と同一
凵
x oo0o 入 テ ン レ ス製 O o ooo 塩 ビ晒シー
ト 0 o ooo 15 18 口 田 凶 凶 塩ど燕長 尺シー
ト 〔表面凹凸 あり} 台眼 ゴム系シー
ト o o ooo 塩 ビ製 +塩 ビ テー
プ Q o xox 溝 訪 リ〔2囲 o o xox 躍 面 と同一
x o oQ0 21 盤 塩 ビ系長 尺 シー
ト (義面 凹凸 な し〕 鐸 莞 醇 ⇒ o o 000 踏 面 と 同一
x o oo0 塩ビ員シー
ト o o ooo 合随 ゴム系シー
ト o o 0oo 幻 餌 器 齢 ” 鴉 饋 ゴム景 シー
ト 〔翌 面 凹凸 あ りレス
テン
レλ
閣 0 o ooo λ テ ン レ ス+
含 成ゴム
テー
プ o o o0o 拿麗罪 ブ o oo0o を試 料 階 段と呼ぶ。
5.
4.
検査員の選定 検査員と して,
成 人 男 子 20名 (21才一
29才 ),
成 人 女 子20
名 (21才〜
28才 ) を選 定し た。
な お,
老人, 子供等に よ る検 査は, 危 険 性が高く,
現 実 的に は妥 当な判断 を得ることが困 難と考えられ たの で 検査 か ら除外 し,
本研究で得ら れ た成 果か ら,
こ れ ら の 層の評 価に関して,
検 討を加え ることとし た。
5,
5.
動作の設 定 前 報 (そ の 1)1惚,
安全性か ら み た 階段のすべ りを検 査する場 合は,
降り の動 作だ けで十 分 なこと が証 明さ れ た の で,
動 作は降り の み と し,
かつ,
検 査 時の検 査 員の 安 全 性の確 保,
動 作の規制によ る 判 断へ の悪 影 響の排 除,
よ り実 情に近い動 作で の判断の取得, を 考 慮し, 降りる 速 度,
階 段を踏む位置などは自 由 とし た。
5.
6.
履 物の選定 履 物の 形 状・
寸 法,
履 物に よ る 足の 拘束 状態などに よっ て生 ずる と想 定さ れ るすべ りの判断の 差 異 を 考 慮 し, 写真一
1に示すよ うに,
男 性の 場 合は硬 底 紳 士 靴 (A
),
軟 底 紳 士 靴 (B ),
テニ スシュー
ズ (C
), ス リッ パ (D
), 厚 手 靴 下 (E )を,
女 性の場合は,
ハ イヒー
ル (F
), 中ヒー
ル (G ), ス リッ パ (H ),
薄手靴 下 (1
}を 選定し た
。
な お, 検 査 中 すべ り の程 度を一
定に保 持す る た め靴下以 外の履 物の底に は面 ブロ
ー
ド 40 番を て ん付する こと とし た。
5.7.
検査の組み合わせ 表一
2に検 査 項 目, 試 料,
検 査 員,
履 物の組み 合わ せ を一
覧に し た。
こ の うち,
すべ り対比 尺 度 を求める検 査で,
試料 No
.
1, 7,
15,21,
23を除い た の は,
こ れ ら の試 料には段 鼻 材な ど が な く, 各 部 分のすべ り の 対 比が少ない た め,
検査の効 率 も考 慮し て,
不 必要と み な し た ためであり
,
さ らに,
すべ り評価尺 度 を 求め る検 査の う ちス リッパ, 靴下の場 合に,
No.
ll,12,19,20
を 除いたの は,
試 料の段 鼻 部 分の表 面の 凹 凸の た め, 靴下の場 合に は足 裏が 非 常に痛い こ と, さ らに ス リッパ の場 合には 底の いたみが激しい こと に よ る。
ま た,
対 比 尺 度 を 求め る検 査を安全階 段,
成 人 男 子・
軟 底 紳士靴の組み合わ せ だ けに限 定 し たのは
,
階 段 各 部 分のすべ り の対 比の判 断は階段寸 法, 性 別お よび履 物に よ り大 き く変わ ら ないと想 定し た ことに よ る。
な お,
これ ら に関して は, 各々予 備 検 査か ら得 られ た知 見を も とに決定 した。
5.
8.
官能 検 査 経 過お よ び結 果 5.
L−
5.
7.
の 条 件で官能 検 査 を 実 施 した。
写 真一
2に検査 風景を 示 した。
2
写 真
一
1 履 物の概 要 写 真一
2 検 査 風 景官能検査の分 散 分 析 結 果は表
一
3の と おり で,
いずれ の場合も個人差が有 意で はあるが,
さ ま ざ ま なすべ り抵 抗お よ び仕 様 を もつ 階 段 を試料と し ていること,
動 作の 速度,
階 段を踏 む位 置 を 自 由に したこと,
な どか ら, こ の程 度の個 人 差が生 ずるの は当然 といえる こと, さ らに 個 人 差の 分 散 比 が 小さ く , 主効果の分 散 比,
寄 与 率が と もに非 常に大 きい ことか ら,
検査 員は,
階段 各 部分のす べ り の対比お よび階段のすべ りの 安 全性の差を感 知し て いるこ と が明確で,
官 能 検 査な ら び に構 成さ れる尺 度は 有効と み な せ る。 5.
9.
すべ り評 価尺度,
すべ り対 比 尺度の構 成 表一
3 官 能 検 査の分散分 析 結 果 尺 度 性 別 曜 物 項目 分散比 Fω OP 寄 与 串〔階〕 すべ リ 対 比 尺 度 男 性 軟 底 紳士靴 主効 果 個 人 差 32、
40’
4.
6『 L79L9455.
7L5.
61 軟 底 紳 士 靴 圭 効 果 個 人 差 42.
5L99.
05拿
1.
51L8864.
,
22430 硬 底 紳士靴 主効果 個 人 差 38,
34’
5.
26噸
L【.
518353.
.
咽置228 男 性 テニス シュー
ズ 主 効 果 個 人 差 35.
67°
3.
E3°
L5 且 L686 【.
92L75 ス1丿ッパ 主 効 果 個 人 差 37.
26°
7.
14・
L55L896L314.
19 すべ リ 評 価尺度 厚 手 靴 下 主 効 果 個 人 差 43.
.
4r5 7 『 L55L8965、
.
50299ハ
イ ヒー
ル 主 苅 果 個人差 4LO4零
且9」8‘
L.
5正 L8860.
,
0694z 中ヒー
ル 主効 果 個人差 4L58ひ
15,
85°
1511.
886L、
43777 女 性 ス リッ パ 主 効 果 個 人 差 38.
83’
【7.
2491、
55 且8958,
3810.
L3 薄 手 靴 下 主効 果 個人蓋 33.
71−
L3.
L2
°
1、
.
5513956、
,
38845撃
;危 険 率1% で有意 5,
8.
の検討を も とに尺 度 構 成 理 論1°)に 従っ て各々 の 尺度を構成し た (尺 度の詳 細は省 略し, 次項 以降で 図示 す る)6.
階 段 各 部 分のすべ り抵抗 値の測 定前 報 (そ の 2 )mで求め た測 定 方 法に従っ て
,
筆 者の一
部 ら が開 発し た すべ り試 験 機 (Q −Y ・PSM
)ω を用い て,
階段 各 部分 のすべ り抵抗 値, す な わ ち,
C、:踏 面 部 分 (TR 部 分)の すべ り抵 抗 値,
C
, :段 鼻上端 部 分 (UN
部 分 )の すべ り抵抗 値,
Cs
:段鼻角 部分 (CN
部 分)のすべ り抵 抗 値, を求めた (すべ り抵 抗 値は次 項 以 降で図示する)。
図一
2に一
例 とし て軟 底靴の場合の各 試 料のC1,
C2,
C,の 値を示し た が, ほかの履 物の場 合 もほ ぼ同様で, 各 部 分のすべ り抵 抗値の組み合わ せ が様々で あ ること が うか が え る。
7
.
すべ り評価尺度とすべ り抵 抗 値の対応 7.
1.
すぺ り評 価 尺 度と対 応 するすべ り抵抗値設 定の ための基 礎 的検 討5
.
で得ら れ た すべ り評 価 尺 度に関し, 性 別, 履 物に よ る大き な差は見いだ せ な かっ たので, 代 表と し て安全 階段,
男 性,
軟 底紳士靴の場 合の すべ り評 価尺度を用い てっ ぎ の よ う な検討 を行っ た。図
一
3は, 種々 の検討の結 果か らすべ り評 価尺度と対 !,
o.
7220 監 o,
1睾
ふo.
2 ?” 価 0.
T220 聰 o.
To.
2 27
22
7 試 科 柵 」 23 45 、
≠
6 7 、F
ご
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豚
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…
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→
2
靴
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⊂・
c・c・
c・
c・
c・
clc・
c・
匸 Ic・
c・
⊂、
Qc、
ら ¢、
ら 匸,
匸、
C,
図一
2 軟底紳士靴の場合の各 試 料のC
、,
C
,, C3の値 4 姻 嵐 ↑ 2 0 腿 配 胆 塊 9 ζ ↓ 鰹 A 」 匸悟
財
一
君’
一
,
一
…
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一
7
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一
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一
一
一
一
一
一
一
一
_
一
一
_
一
一
一
一
F6一
4 0.
2 0.
4 0.
6 0.
B 1.
0 1.
2 V」
=
O.
30Ci 十 〇、
50C2 十 〇.
20C3 図一
3 すべ り評価 尺 度と すべ り抵抗 値 (Y ,)の対 応応 する すべ り抵抗値と して は, 階 段 各 部 分の すべ り抵抗 値
Ci,
C
,,
Cs
に各々重み づ けをして加 算 した下 式で示さ れ るすべ り抵 抗 値 (Y,)が妥 当で あ ろ う との想定で,
両 者が最も な め ら かに対 応する よ うに定 数α,
β,
.
γ の値 を 求め た場合の対応 を示 し たもの である。Yl;
aCi +βσ2+ γC3………・
・
…・
…・
…・
・
……
(1
)比 較 的,対 応が良 好で はあるが
,
特に ×印 (試料No .
3} と△ 印 (試料No .26
) が 対 応か ら はずれて安 全性の評 価が より低く なっ てい るの が 明 確で,
で き れ ば,
さ ら に よりよいすべ り抵抗値を設定する必 要が あると考え た。
こ こ で
,
図一
2に示したCi,C2,
C3
の組み合わせ を 見 る と,
対応か らはずれ て いる試料No .
3,
N
.
26の場 合 は特に,Ci
とC
、およ びC3
の差が ほ か よ り特に大き い こと,
っ ま り対比 が 大 きい こと が わ か る。
こ の こと か ら,
5.
で得ら れ た すべ り対 比 尺 度と対応す る階 段 各 部 分の すべ り抵 抗値の組み合わ せ,C4
を設定し,
C4
の効 果を (1 )よ り差 し引いた下 式で示さ れ る新た な すべ り抵 抗 値 (Y
,)を設 定すれ ば図一
3と 比較して よ り よい対 応が 得ら れ る と判断し た。
y
,=
αCi
+bC
、+ cC ,− dC
、…一 ・
…一 …
(2) (α十b
十c=1
) 図一
4はt 種々 の検 討の結 果か ら, すべ り対 比 尺 度と 対応する階 段 各 部 分のすぺ り抵 抗 値の組み 合わ せ,C
、 を下 式の ごとく設 定して両 者の関 係 を示し た もの で あ る。
c4
」
El
−
WtC31
”.
.
.
.
..
.
.
.
..
.
.
..
、、〉…
{
Cl,
C2
吉
隻
}
こ こで はC4
は,
Ci
とC2
お よ びC3
の値の差,つ ま り, 踏 面部分 と段 鼻 部 分の すべ り抵 抗の差が大きい場 合に対 比 が大き く な る傾 向 を前 提と して設 定し た もの で, 図一
4に示す ごと くすべ り対 比 尺 度と よ く対応し ていること か ら,
対比 を表す階 段 各 部 分の すべ り抵抗値の組み合わ せ と し て妥 当なもの とみなすこと がで き る。 以 上の検 討か ら,
式 (2)を用い て再び, すべ り評 価 尺 度と最も な め らか に対応す る よ うに,
定 数a,
b,
c,
d
の値 を 求め て,
両 者の関 係を示し たのが図一
5で ある。
図一
3と 比 較し てX 印と△ 印の全体か らの ずれ が少なく なっ て い るこ と,
さ らに全 体と し て すべ り評 価 尺 度と よ りよ く対 応して い る こ とがわ か る。
以 上の結果か ら, すべ り評価 尺 度と対 応するす べ り抵 抗 値の基 本 形を式 (2 )と し
,
各々 の評 価尺度と よりよ く対 応す る a,
b,
c,
d
を そ れ ぞれ求めた時の y,を,
す べ り評 価 尺 度と対応するすべ り抵 抗 値 (階 段 用すべ り抵 抗係 数と呼び,C .
S .
R ・S
:Coefficient ofSlip
Resist
−
ance of Stairway と表示 す る)と して設 定する こと と し た
。
7.
Z.
すべ り評 価 尺 度と 階 段 用 す べ り抵 抗 係 数4
5 巽 O 躓 禦 柵 ↑ 匹 ゆ D 噛 即 遡 喫 封 殺 9 ビ 蛎 図一
5 c‘
図一
4 すべ り対比 尺度と C、
の対 応 4 姻 胴 雪 2 0 遡 髪 犀 臨 9 ζ 窟 唇 謎 硬・
4 0.
2 0.
4 0,
6 0,
8 1.
0 1.
2 V!=
0.
30Cd +0.
500g +0.
201s−
0.
1⊂a すべ り評 価尺 度とすべ り抵 抗 値 ( Y ,}の対応 ら_
璽一一
軋」 」 B!
毎死‘.・・
c寒
≠!
● D 1’
E ’ o厂
ノ
・
’. F6 (C
.
S
.
R ・S
)の 対 応 お よび考 察図
一
6 (イ〉〜
(リ)に,
求め たC .
S.R ・S
式および 評 価 尺 度とC .
S .
R ・S
の 関 係を 示 し た。
な お,
定 数 a,
b
,
c,
d
は安 全 階 段,
危 険 階 段を含め た場 合に もっ とも 対 応が よ く なるよ うに求め た もの であ る。
図 中点 線は対 応の中心傾向を 目視で描い た もので これ ら の図よ り以下 の こ と が考察で きる。(1) 様々な すべ り性 状を もつ 階段 を包 含し て いるこ と を前 提と すれ ば, すべ て の 場 合にすべ り評 価 尺度と C
.
S.R ・S
は お お む ね良 好な対応を し てい る とみ な せ る ことか ら,
設定したC .
S .
R ・
S
は安全性か ら み た階 段のすべ りの程度 を表 示するすべ り抵 抗値と して妥 当と いえ る。(2) 同
一
のC .
S .
R・
S値で も,
安 全 階 段と比 較し て危 険 階段の場 合の安 全 性の評 価は低い こと が明確であ り,
階 段の すべ りの評価が,C.S .
R・
S の ほか に階 段 寸 法に大き く依 存している こと がわ かる。 つ ま り, すべ り か ら み て よ り安 全な階 段にする ためには,
階 段 寸 法な ど の ほ かの要 因 も適 正で なけれ ば な ら ない といえ る。(3 )
お もに履 物の形状に よっ て, 階段 各 部 分の す べ り抵 抗 値 C、
,
C2,
CsがC ,
S,R ・S
に寄 与 する割 合 (定lk
a,
b,
c,
d
の 値の組み合わ せ )が異なっ て お り,
底の 低い靴 (軟
底 紳士靴,
硬底紳士 靴, テニ ス シュー
ズ),
底の 高い靴 (ハ イヒー
ル,
中ヒー
ル ),
ス リッ パ, 靴 下 の グルー
プに分 けら れ る。 階 段各 部 分に履物が接する角4 (イ〉 男 性
・
軟 底 紳士靴 へ (o) 男 性・
硬 底 紳士靴 い ) 男 性・
テニ ス シュー
ズ 戊へ 2
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ス リッ パ 底 (、) 女 性・
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R・
s ● :安 全 階 段 ▲:危 険 階段 図一6
すべ り評 価 尺度と階段用すべ り抵抗係 数 〔C.
S,
R・
S)の対 応 度などが履物の形状などに よ り異な る た め と想定さ れ る が,
本研 究の範 囲で詳 細に論ず ること は危険なの で論を 控え る。
(4
) い ずれの場 合も,Ci,
C
,,
C3
の値が各々大き け れば, 安 全 性の評 価は向 上す る が, 対比 が 激 しい 場合は 逆に低下 する の で, 注 意が必要である。 そ れ ゆえ, すべ りか らみ て よ り安 全な階 段と す る た めに はCi
とC2
お よびC3
の値に で き る だ け差を も た せ ない よ う に して 各々 の値を大き くする こと が必要と な る。 (5) いずれの場 合 もC .
S .
R ・S
が一
定 以 下になる とそ れ ぞ れ に安 全 性の評 価が急 激に低 下する。
表一
4は,
図一
6か ら,
安全性が 急激に低 下する C.
S,
R・
S の値 を 目視で抽 出し た結 果で あ る が,
いずれの場 合 もほ ぼ同 じ値となっ て い る こ とか ら,
すべ りか ら み た階 段の安 全 性を確 保す る た め に は,
C.
S .
R・S
が 0.
7以 上で ある 表一4
安 全 性 から み たC.
S,
R・
Sの限 界 値 お よ び本 研 究で用 いた試 料の C■,
C,,
Cs,
C,の範 囲 本 研究で用い
陰馘 料のChC2.
C8.
翫 の 範 囲 性別 履 物 こS.
R・
S の 阻 界値 CI じ2 匸3 c.
最小 僵 欄 最小 値 最大篋 最4岨 贓 最小眠 脚 囓田 紳 士靴 0.
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83臼 硬 底紳 士靴 0.
57a2 郭 “955 α295o、
9 圏 駄 覗8 α 弼8o.
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61 α267 飢 蜘 叺2930.
950 α370 α 0.
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69 巳272LO89 叺272Lo87 凪4靤71.
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2.
232 厚 手 靴 下 o.
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ル o.
61 α2η o.
9E7 α275o.
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oη 21田 こと が 望 ま しい といえ る。
な お,
本研 究では代 表 的な履 物, 階 段 寸 法 を取り入れ て い る こと, さ ら に, 階 段 各 部 分の すべ り抵 抗の範 囲が 広く かつ 組み合わ せが多 様なこと か ら,
こ の結 果は,
本5 一
研 究で取り扱わなか っ た組み合わせ の場 合に も十 分 適 用 で き ると考え る
。
ただし,
こ の ことは C、,
C2,
C3 が本 研 究で用い た試 料の値の範 囲 内 (表一
4右 欄 )で い え るこ とで ある。 (6) 老 人や子 供 等 本 研 究で取り扱わ な か っ た層の安 全 性の評 価に関しては, これ ら の結 果から断 言す ること はで きず, 今 後の課 題と して残 さ ざるを得な いが, これ らの層の安 全 性を確 保する ために は,
少な く と も,
表一
4に示 し た 限界 値 以 上のC .
S.R ・S
にすべ きで ある と いえ る。
8.
安 全 性か らみた階 段のすべ りの評 価 方 法の提 示 前報z)で 述べ たC
、,C
,,Cs
の測 定 方 法 を安 全 性か ら み た階 段の すべ り抵 抗の測 定 方 法 とし,
さらに 7.
の検 討 結果か ら, 図一
6 , 表一
4 を安 全 性か らみ た階 段の すべ りの 評 価 指 標と し,
両 者を合わ せて,
安 全 性か ら み た階 段のすべ りの評 価 方 法と して提 示す る。
な お,
提 示し た評 価 方 法はすべ り に限 定し た もの であ り, すべ りに関 係 が 深い と考え ら れる段 鼻 部 分の段 差に よるつ まづ き, 段 鼻の認 知の しに く さか ら生 ずる踏み は ずし な どに関し て は研 究の範 囲 外と し て い る。
いずれ も 今後の課 題 となるが, 本 研 究で提 示し た評 価 方 法 を適 用 するに際 して は,
常 識 的,
経 験 的 判 断から,
これらの問 題 を十 分 配 慮する こと が必 要と考える。
9.
結 論 安 全 性か らみ た階 段の すべ りの評 価 方 法に関し研 究 経 過お よ び成 果 を, (そ の 1)〜
(そ の 3>とし て分 割 報 告し た。
おもな結 論は以 下の と お りである。
・階段のすべ りは階段昇降時の安 全性を 確 保する上で 重要な要因の一
つ である。
(その1一
その3
) ・階段のすべ り抵 抗値は,
本研 究で求め た測 定 方 法に よ る階 段 各 部 分 (踏 面 部 分, 段鼻上端部 分,段鼻 角部分) のすべ り抵抗 値お よびこ れ らの対比に そ れ ぞ れ重み づ け をし て加 算 し た値で表 示できる。
(その 2〜
その 3)・
安全性か らみ た階段のすべ りは, 本研 究で設 定し た すべ り抵 抗 値 を用いて定 量 的に評 価で き る。
(その 3)10.
謝 辞 結びに当た り, 実 験資材 を 提 供い ただい た メー
カー
各 位, 検 査 員 として協 力い ただい た か たがた,
検 査,
測 定 な どに協 力い た だい た小 野 研 究 室の か た が た,
種々御 配6
慮いた だ き ま し た吉岡 丹先 生 (東 京工業 大 学 名 誉 教 授,
日本工業 大 学 教 授), 川 村 清 志 氏 (日本工業 大 学 講 師 ), 卒業研究と して参加した岩 崎和 規君 (日本工業大学吉岡 丹研究室)に厚く御礼申し上 げま す。
な お,
研究 費の一
部と し て,
昭和60
年 度 文 部 省 科学 研究費 (一
般研 究C
:代 表, 小 野英哲 )を使用し ま し た。 参 考 文 献 1)小 野英哲,
須藤 拓,
三上貴正 :安 全性か ら み た階段の すべ りの 評 価 方 法に関す る基 礎 的 考 察 (安 全 性からみた 階 段の すべ り の評 価 方 法に関す る研 究,
そ の 1>日本建 築 学 会 構造系論文報 告 集 第362号,
1986.
4.
2}小野英 哲,
武田 清,
永田久 雄 ;階 段 各 部 分の すべ り抵 抗の測 定 方 法 (安 全 性か ら み た階 段のすべ り の評 価方法 に関す る研究,
そ の 2)日本建築学会構造系論文報告集 第373号髄 1987.
3.
3)小 野 英 哲, 武 田 清, 大野 隆 造 ;安 全 性か ら み た階 段の すべ り の評 価 方 法に関す る研 究 (その 4:階 段 踏 面の す べ りの評 価 指 標の作 成例一
2)日本建築学 会 大 会 学 術 講演 梗 概 集,
1985.
10.
) 4 ) 5 ) 6 ) 7 ) 8 ) 9 10) 11) 小 野 英 哲, 武 田 清,
大 野 隆 造,
三上 貴 正,
川 村 清 志,
吉 岡 丹 :安 全 性からみ た階 段のすべ り の評 価 方 法に関 す る 研究 (その 5:階段 踏 面のすべ りの総 合 評 価 方 法の 提 示 )日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演梗 概 集,
1986,
8.
内 田 祥 哉,
宇 野 英 隆,
直井英 雄’
:日常災害の現状把握の た めの調査研 究 (その 1:日常 災 害の概 念の考 察と3つ の調 査の報告),
同 題 (その 2:2つ の調 査の報告と 日常 災 害の現 状のまと め ), 日本 建築 学 会 論 文 報 告集第239, 240号,
1976,
1,
19762.
J,
A.
Tempter,
G.
M.
Mttllet,
J.
C.
Archea:An Ana且y・
sis of the Behavior of Stair Users,
NBS・
IR・
78・
1554.
1978
.
J.
C .
Archea,
B.
L.
CoHins,
F.
1,
Stahl:Guidelinesfor
Stairs Safety
,
NBS.
BSS−
120,
1979.
F
.
H.
Thomas :AStudy of Stair Accidents,
Proceed・
ings of the Intemationa且Conference on Building Use and
Safety Technology11985
.
田山 茂 夫,
坂 田種男 1階 段の安 全に 関 す る 研 究 (段鼻 部 の必 要 摩擦係 数につ い て (第1報),
日 本 建築 学 会 大会 学 術講演梗概集,
1980.
9,
J.
P.
Guilford:精 神 測 定 法, 秋 重 義 治 監 訳,
培 風 館, 1959.
小野 英 哲,
河 田 秋 澄,
宮木 宗 和,
川 村 清志,
小 西 敏正,
三上 貴 正,
橋 田 浩,
吉 岡 丹 :床のすべ り お よびその 評 価 方 法に関す る研 究 (その 3:すべ り試 験 機の設 計・
試作 ),
日本建築学 会論 文報告集第346号,
1984.
12.
SYNOPSIS
UDC:69.026:539.379:614.8
PBESENTATION
OF
EVALUATING
INDEXES
AND
METHOD
OF
SLIP
RESISTANCE
OF
STAIRWAY
TREADS
FROM
A
VIEWPOilYT
OF
SAFETY
Evaulating
method of slip resistance of stairway treadsfrom
a viewpoint of safetyPart
3
by Dr. HMENORI ONO, Prof.of Tokyo instituteef Tech-nology, KIYOSHI TAKEDA, Engineerof Shimizu Ken-setsu, Ltd.,Dr.TAKAMASA MIKAMI, Research Associ-ate of Tokyo Instituteef Technology, and Dr. RYUZO
OHNO, Assoc,Prof,of Kobe University,Members of
A.I.J.
The
purpose of thisstudyis
toestablish evaluating method of slip resistance of stairway treadsfrom
aview-pointof safety,
Inthis