昭 和32年9月(1957) 一』63一
学 会 だ
よ
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1 講
演
ム
頂
学 会 の恒例 の春 季講演会 は6月26日,新 築 の香 も新 た な新館講 堂 において開 催 され,講 師 に我 が 国栄 養 化 学 界 の第一 人者 の一人 であ る,京 都大学 名誉 教授近 藤 金助 博士 をお願 い した。博士 は 「日本人 の食物構成 」 と題 して 約2時 間に わた り,先 生の研究 の 成 果 を始 め,我 々の最 も関 心 を有す る諸 問題 に関 して粗蓄 を傾 け られ,我 々食物学 に関係 す る者 にとつ ては ま ことに 大 い な る収獲 で あつ た。講演 要旨 にっい て は別 記赤松 さん の記 録 を参考 とせ られ たい。講 演 要 旨
大 食三 赤 松 幸 子 我 々が 日常無意 識 に食 して い る食 事 が如何 な る栄養 素か ら構 成 され てい るか,又 それが 我 々の健康 を保 持 増進 させて ゆ ぐに充分 で あるか否か,外 国人 の食物 と 比較 して 日本人 の食 物が如何 な る状 態 にあ るか,今 後 我 々の食 生活が どの様に変化 してゆ か ねば な らぬ か と 云 ぢ興 味 あ る内容 に就て二時 間に亘 つて 述べ られ だ。一64一 我 々 日 本 人 が 目標 と す る栄 養 素 摂 取 量 は次 の 如 くで あ る。 cal. 2400 cal.(普 通 人) 蛋 白質 729(こ の 内動 物 性 蛋 白 質 が1/3) Fat. 30 g Vitamin BL 3 mg, B23mg;Bs 3 mg, C 100mg. E2mg, A 50001.U., D.5001.U., しか し現 実 に於 て は 成 人 男 子 で 平 均2500cal,成 人 女 子 で1900cal.,蛋 白質 で は609,脂 肪, Vitamin, 無 機 質 で は,基 準 量 を は るか に 下 る と云 う 状 態 で あ る。 我 々の 活 動 源 とな る食 物 の栄 養 価 と は ほ 団蛋 白 質 の 質 と ビ タ ミン無 機 質 に よ つ て決 定 され る 。 それ で 我 々 が 食 して い る食 物 中 の 蛋 白質 中 に どの 様 な 必 須 ア ミノ 酸 が 含 ま れ て い るか,又 そ れ が 我 々の 健 康 の保 持 増 進 の 為 に 充 分 か 否 か に つ き述 べ る と ト リプ ト フ ァ ン フ エ ニ ー ル ア ラ ニ ン リ ジ ン ス レ オ ニ ン メ チ オ ニ ン ロ イ シ ン イ ソ ロ イ シ ン バ リ ン 食 し て い る必 須 ア ミノ酸 量 19 3.59 3.59 2.69 1.479 5.269 3.588 4.2g 必 要 量 0.49 29 1.49 19 29 1.469 1.49 1.2g 以 上 の 様 な 結 果 で あ り,蛋 白質 に於 て 必 須 ア ミノ酸 は,メ チ オ ニ ンを除 く と必 要 以 上 摂 取 され て い る こ と に な りア ミノ酸 に関 す る限 り安 心 し て よい の で は ない か,し か しな が ら問 題 に な るの は,蛋 白質 源 の ほ とん どが 穀 類 に あ る と云 う事 で あ る 。 そ れ に つ い て は 次 の 如 き統 計 が 出 て い る。'
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夏
、
期
食 物学 会主 催 の夏 季公 開講座 は,下 記 の通 り開講 さ 札 参加者68名 に及 び非常 に盛 会 であつ た。講 座 内容 蛋 白質 摂取量 穀 類蛋 白質/全蛋 白質 穀類/全食物 食物学 会誌 ・第2号 日本 入 平 均 ・・ 49% 69% 日本農 民 平 均 599 61°0 82%` 以 上 の 如 く全 食 物 中 で 穀 類 の 占 め る 割 合 又 穀 類 蛋 白 の 占 め る割 合が 非 常 に高 い 。 こ れ を諸 外 国 と比 較 す る と は るか に高 い 数 字 を示 し,蛋 白 質 の 良 否 は動 物 性 か 植 物 性 か に よ り定 ま るか ら,必 須 ア ミ ノ酸 は 必 要 量 だ け摂 取 出 来 て も,動 物 性 蛋 臼 質 が 少 な い と栄 養 上 い1 とは 云 い 切 れ ない の で あ る。 何 故 な らば蛋 白質 は全 部 ア ミ ノ酸 に 分 解 され て か ら 吸 収 され るの で は な く,ペ プ タ ・fドと して も吸 収 され るか らで あ る 。 この 様 な 点 に"日 本 人 の 体 位 が 諸 外 国 人 に比 して 劣 る事"が 連 つ て い るの で は な い か 。 又 こ れ は 日本 の経 済 の 貧 困 を,国 民 の 抵 所 得 の歎 きを 極 度 に物 語 つ て い る もの で あ り,我 々の 栄 養 向上 は 先 ず 経 済 の 向 上 か らと力 説 され た 。 つ い でVitamin,無 機 質 に っ い て 述 べ られ た がVitaminに 於 け るB2,Aが 特 に不 足 し て お り,無 機 質 で はCaの 不 足 が 特 に 著 し く 日本 人 の 体 格 の 欧 米 人 に 比 し て 小 さい の はVitamin B2及 び動 物 性 蛋 白 等 の 成 長 に 必 要 な 栄 養 素 の不 足 で あ ろ う と述 べ られ た 。 又 蛋 白 質 の栄 養 価 を高 め る為 に 食 品 選 択,組 合 せ に 注 意 す べ き事 。Caの 摂 取 不 足 の 上 に 穀 類 摂 取 が 多 い r 為Pが 多 く;野 菜 を 多 く 摂 取 す る 故 にKが 多 くCa が 体 外 に排 泄 され て い る の は悲 し む べ き事 で あ る。我 々 の 身 体 はcal,蛋 白 質,無 機 質,ビ タ ミン,ホ ル モ ン等 の 全 ての 物 質 の 均 衝 が 取 れ 調 節 さ れ て,我 々 身 体 の 健 康 を保 持 増 進 出 来,逞 しい 明 日へ の 生 活 力 を 生 み 出 す 事 が 出 来 るの だ か ら 日本 人 の 食 物 構 成 が よ り栄 養 価 の 高 い 物 へ と移 る様 に 自然 界 と食 物 と の関 係,動 物 と植 物 又 人 間 との 関 係 な どの 密 接 な連 りを強 調 され て 講演 は 終 っ た 。 "講
座
に つ いて は 本 誌 に 掲 載 し得 な か つ た の で,次 号 に ゆ つ る。昭 和32年9月(1957) 一65一 日