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平成 22 年度 高齢者等居住安定化推進事業

『住み慣れた地域に住み続けるための

健康維持・介護予防リフォームと介護予防デイサービスの提案』

における技術の検証報告書

【リフォームアンケート調査結果】

平成 23 年 2 月 15 日

積水化学工業㈱ 住宅カンパニー 住環境事業部

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目次

1章 アンケート調査の概要... 2 1. 事業全体の目的... 2 2. 調査内容... 2 (1) リフォームに関する項目...2 (2) 生活機能項目...2 (3) リフォーム後の生活及び体調の変化...2 2章 アンケート調査の結果... 3 1. リフォームに関する調査... 3 (1) 回答者の属性...3 (2) 本事業で実施したリフォームについて...7 (3) 今回のリフォームに関する満足度...8 2. リフォーム後の生活機能及び生活変化調査... 9 (1) 回答者の属性...9 (2) リフォーム前の生活機能について...10 (3) リフォーム後の生活機能について...11 (4) リフォーム後の生活変化について...12 (5) リフォーム後の体調の変化...13 3章 調査結果のまとめ... 14 1. 調査結果のサマリー... 14 (1) 温熱環境の改善...14 (2) リフォームに関する満足度...14 (3) リフォーム後の生活機能の変化について...14 (4) リフォーム後の生活変化について...14 (5) リフォーム後の体調の変化...14 2. 調査結果からのインプリケーション... 15 (1) リフォームは生活の質の向上に寄与する...15 (2) 室内温度環境の管理の重要性...15 (3) 継続的な効果測定の必要性...15 4章 資料編 回答者の自由記述のまとめ... 17 1. 趣味について... 17 2. 友人や地域との関係... 18 3. 現在の楽しみにしていること... 18 4. 現在の不安... 19 5. 今後の生活への希望... 19 6. 現在のお住まいの困りごと、不便点... 20

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1章 アンケート調査の概要

1. 事業全体の目的 本調査は、平成 22 年度 高齢者等居住安定化推進事業における『住み慣れた地域に住み続けるた めの健康維持・介護予防リフォームと介護予防デイサービスの提案』においてリフォームをおこな った高齢者に対して実施したアンケート調査で、今回のリフォームによってどのように高齢期の生 活を再設計し、身体と生活にどのような効果があったかを検証するための調査である。 調査は、リフォーム前の事前調査とリフォームを行った後 2 カ月を経過してからの調査に分かれ る。リフォーム前と後で同じ人物が回答する縦断的調査(パネル調査)となっており、リフォーム と生活の変化について客観的に分析を試みるものである。 2. 調査内容 調査項目は以下のとおりである。 (1) リフォームに関する項目 リフォームの過去の経験、本事業でのリフォーム内容、リフォーム関する満足度、リフォーム に対する営業担当者への評価であり、対象者の家族の回答もある。 (2) 生活機能項目 日常生活機能を計る16 項目で構成されている。リフォーム前とリフォーム後の 2 回に調査して おり、対象者の日常生活機能の変化を把握できる。 具体的には外出の状況、歩行や立位の状況、転倒不安や生活の充実感等を尋ねる項目で構成さ れている。 (3) リフォーム後の生活及び体調の変化 リフォーム後にどのように生活が変わったかを17 項目にわたって検証した。寒さ、風呂床の滑 りに対する不安、窓の開閉の負荷など住宅の快適性に加え、家族との会話や、家族の集いの変化 など質的な変化(outcome)についても確認している。

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2章 アンケート調査の結果

1. リフォームに関する調査 (1) 回答者の属性 • 回答総数は73名、73世帯(注:1世帯1名回答)である。世帯主が回答しているケー スが7割以上を占めている。 • 回答者は、60歳から65歳未満が最も多く、全体の分布では70歳未満が過半数を占め る。 図 回答者性別 図 世帯主との続柄 図 年齢 55人 75% 18人 25% 男性 女性 10人 5人 5人 21人 17人 4人 12人 11人 1人 11人 7人 4人 10人 8人 2人 9人 2人 7人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 合計 男性 女性 ∼60歳未満 60∼65歳未満 65∼70歳未満 70∼75歳未満 75∼80歳未満 80歳以上 61人 84% 9人 12% 1人,2% 1人,2% 本人 配偶者 母・義母 娘・義娘

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• 対象者の半数近くが無職であるが、フルタイムで働く対象者もいる。 • 男性が働いている場合はフルタイムが多く、女性の場合はアルバイト・パートタイムの割 合が高くなる。 • 対象者の1割弱が現在介護を行っており、経験者を含めると約4割が介護の経験をしてい る。 図 世帯主との続柄 図 仕事 図 介護経験 61人 55人 6人 9人 9人 1人 1人 2人 0人 2人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 合計 男性 女性 本人 配偶者 母・義母 娘・義娘 14人 13人 7人 7人 5人 4人 43人 28人 15人 1人 3人 1人 4人 0人 1人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 合計 男性 女性 フルタイム勤務 アルバイト・パート 非常勤 自営業 無職 6人 5人 1人 21人 12人 9人 44人 36人 8人 2人 2人 0人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 合計 男性 女性 現在介護 現在・過去介護 過去介護 介護なし

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• 73名が生活する73世帯の入居年数を見ると、20年から25年未満と、15∼20年 未満の長期に住んでいる方が多く、築年数も同様の傾向である。 • 敷地面積は150㎡以上が半数を占め、延べ床面積は100㎡∼150㎡が約半数を占め る。 • リフォームは今回の事業が初めてとする回答は6人だけで、ほとんどが過去にリフォーム を行った経験を持つ。 図 入居年数 図 建築年数 図 取得状況 図 敷地面積 図 延床面積 図 リフォーム経験 8人 11% 1人,1% 4人,6% 11人 15% 31人 44% 16人 23% ∼15年未満 15∼20年未満 20∼25年未満 25∼30年未満 30∼35年未満 35年以上 16人 23% 31人 44% 7人 10% 12人 17% 4人,6% 0人,0% ∼15年未満 15∼20年未満 20∼25年未満 25∼30年未満 30∼35年未満 35年以上 53人 75% 7人 10% 2人,3% 1人,1% 8人 11% 新築購入 建売購入 中古購入 相続 その他 15人 22% 11人 17% 7人 11% 23人 34% 9人 14% 1人,1% ∼100㎡未満 100∼150㎡未満 150∼200㎡未満 200∼250㎡未満 250∼300㎡未満 300㎡以上 35人 54% 8人 13% 16人 24% 3人 5% 1人,1% 1人,2% ∼100㎡未満 100∼150㎡未満 150∼200㎡未満 200∼250㎡未満 250∼300㎡未満 300㎡以上 66人 92% 6人 8% あり なし

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• 以前に行ったリフォーム内容は「外壁の塗装・改装」、「設備の交換・設置」、「屋根の塗装・ 改装」、「ベランダの塗装・改装」など、外回りのリフォームが多くなっている。 • 設備交換を行った対象者にその場所を尋ねた所、給湯器、キッチンなどの水回りが多い。 • 日常生活についての困りごと、特にリフォーム前の困りごとを尋ねたところ、将来の介護 や自分や家族の健康を挙げる回答が多く、住宅がバリアフリー仕様でないことも課題とな っている。 図 以前のリフォーム内容 図 設備の交換箇所 図 リフォーム前の不安 62人 44人 6人 45人 20人 19人 13人 10人 4人 3人 人 20人 40人 60人 80人 外 壁 の 塗 装 ・ 改 装 設 備 の 交 換 ・ 設 置 屋 根 の 塗 装 ・ 改 装 ベ ラ ン ダ の 塗 装 ・ 改 装 ク ロ ス 等 の 張 替 え 玄 関 ド ア ・ 建 具 の 交 換 門 扉 ・塀 ・造 園 ・カ ー ボ ー ト 増 築 間 取 り の 変 更 そ の 他 30人 14人 10人 10人 4人 18人 8人 2人 4人 人 10人 20人 30人 給 湯 器 キ ッ チ ン ト イ レ 浴 室 洗 面 サ ッ シ 手 摺 床 暖 房 そ の 他 20人 9人 2人 9人 10人 13人 19人 30人 33人 39人 人 10人 20人 30人 40人 将 来 介 護 が 必 要 か も 自 分 や 家 族 の 健 康 バ リ ア フ リ ー 仕 様 で は な い 冬 の 寒 さ 住 宅 の 老 朽 化 住 宅 管 理 に か か る 経 費 生 活 の た め の 収 入 住 宅 管 理 に か か る 手 間 そ の 他 特 に な し

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(2) 本事業で実施したリフォームについて • 今回実施したリフォームのきっかけは、積極的に営業担当者に勧められたことと補助金が 利用できることが多く、今回のリフォームを決意する契機となっている。 • リフォーム内容は、「蓄熱暖房機の設置」「浴室の効果」「窓の交換」「脱衣室に暖房機設置」 が多く、他には「トイレに暖房器設置」「洗面台の交換」などが多い。 • 本事業の目的である家の中の温熱格差の解消に重点が置かれたリフォームとなっている。 なお、リフォームについての説明、パンフレットの提示などはいずれも営業担当から受け ている。 図 リフォームきっかけ 図 リフォーム内容 図 健康維持・介護予防リフォーム説明 図「健康維持・介護予防リフォーム」カタログ説明 12人 0人 58人 54人 15人 9人 9人 4人 1人 1人 1人 人 20人 40人 60人 営 業 に 勧 め ら れ た 補 助 金 が 利 用 で き る 終 の 棲 家 へ 事 前 準 備 老 朽 化 設 備 故 障 身 体 的 に 不 安 自 分 ・ 配 偶 者 の 退 職 子 世 帯 と 同 居 子 供 の 独 立 親 と 同 居 そ の 他 69人 8人 4人 3人 2人 3人 72人 65人 5人 11人 18人 20人 22人 56人 62人 68人 人 20人 40人 60人 80人 暖 房 機 の 設 置 浴 室 の 交 換 窓 の 交 換 脱 衣 所 に 暖 房 機 設 置 ト イ レ に 暖 房 機 設 置 洗 面 台 の 交 換 電 気 回 り の 交 換 ・ 増 設 内 装 の 張 替 え 室 内 の 建 具 交 換 室 内 段 差 の 解 消 太 陽 光 発 電 の 設 置 間 取 り 換 え 和 室 を 洋 室 に 収 納 ・納 戸 を 作 っ た 庭 ・ 門 扉 ・ 駐 車 場 等 そ の 他 68人 96% 1人,1% 2人,3% 説明があった 特に説明はなかった 覚えていない 65人 91% 2人,3%4人,6% 説明があった 特に説明はなかった 覚えていない

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(3) 今回のリフォームに関する満足度 • 73名の対象者のリフォームの総合満足度に加え、温熱環境、水回り、営業担当、工事内 容などについての満足度を尋ねた。 • 総合満足度で66%以上が最高の「満足」と回答している。特に営業担当者の対応を評価 する回答が多い。 • 工事内容、担当の対応についてはさらに評価は高く、7割近くが「満足」であると回答し ている。 図 満足度【全体】 48人 39人 50人 50人 32人 23人 27人 22人 21人 19人 34人 5人 46人 2人 3人 0人 1人 3人 1人 3人 1人 0人 0人 0人 0人 0人 0人 1人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 総合 温熱環境 水回り 担当対応 工事内容 カタログ 満足 まあ満足 どちらともいえない やや不満 不満

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2. リフォーム後の生活機能及び生活変化調査 • ここではリフォームが生活機能や日常生活にどのような変化をもたらしたかについてまと める。 • リフォーム前の「生活に関する調査」では74世帯、121名の回答を得た。このうち2 か月後に再度「生活に関する調査」では73世帯、115名の回答を得ている。以下の集 計は、リフォーム前と後の両方の回答のある115名の方を対象とした。 (1) 回答者の属性 • 回答者の男女比はやや男性が多いもののほぼ半数ずつの構成である。 • 年齢構成は60∼65歳が 28%と最も多いが、各層にほぼ均等分かれており、80歳以上 も19名いる。 図 回答者性別 図 年齢 60人 52% 55人 48% 男性 女性 33人 20人 13人 22人 12人 10人 22人 9人 13人 19人 9人 10人 19人 10人 9人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 合計 男性 女性 60∼65歳未満 65∼70歳未満 70∼75歳未満 75∼80歳未満 80歳以上

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(2) リフォーム前の生活機能について • 生活機能に関する16項目で対象者の生活状況について確認した。 • 図は、リフォームする前に尋ねた生活機能に関する状況である。ほとんどの対象者が行っ ているものは、「週に1回以上の外出」であり、115名の対象者中111名(96.5%)が 「週に1回以上の外出」をしていると回答している。 • また、ほとんどの対象者は「15分くらい続けて歩いている」と回答している。これらの 他にも日常活動面で見ると、「公共交通機関を使った外出」、「日用品の買い物」などもほと んどの対象者が行っている。 • 人との関わりでは、「家族や友人の相談にのっている」対象が95名と多く、血縁者知人と の交流は積極的であることが分かる。 • 一方、充実感や楽しみが減ってきている対象者もおり、「以前出来ていたことがおっくうに 感じられる」、「疲れたような感じがする」対象者が18%いる点は注目すべきである。 図 生活機能の現状(初回調査) 111人 104人 102人 100人 96人 95人 73人 54人 36人 21人 19人 12人 8人 105人 89人 37人 人 20人 40人 60人 80人 100人 120人 週に1回以上は外出していますか 15分くらい続けて歩いていますか 日用品の買い物をしていますか バスや電車で1人で外出していますか 椅子に座った状態から 何もつかまらずに立ち上がっていますか 預貯金の出し入れをしていますか 家族や友人の相談にのっていますか 階段を手すりや壁をつたわらずに 昇っていますか 友人の家を訪ねていますか 転倒に対する不安はありますか この1年間に転んだことがありますか 昨年と比べて外出の回数が減っていますか (ここ2週間)以前は楽に出来ていたことが 今はおっくうに感じられる (ここ2週間)わけもなく疲れたような 感じがする (ここ2週間)毎日の生活に充実感がない (ここ2週間)これまで楽しんで やれていたことが楽しめなくなった

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(3) リフォーム後の生活機能について • リフォーム時とおなじ内容の生活機能調査をリフォーム実施後2カ月経過した対象者に実 施した結果である。 • リフォーム時の調査から2カ月が経過した後の調査であり、運動状況や外出の状況などの 基礎的な行動については、大きな変化は認められない。 • しかし、「転倒に対する不安」は、54名から44名に減少しており、「転倒経験」がリフ ォームによって減少していることが分かる。 • 心理的な要素も強いと考えられる「疲労感」を持つ対象者は19名から9名に減少してい る。さらに充実感についてもリフォーム後は「充実感」がないといった回答が12名から 5名と半分以下に減少している。 • 「以前出来ていたことがおっくうになる」という対象者も、リフォーム後に減少している。 図 生活機能のリフォーム後の変化(初回調査とリフォーム後の調査比較結果) 21 人 8 人 12 人 36 人 111 人 105 人 104 人 102 人 100 人 96 人 95 人 89 人 73 人 54 人 37 人 19 人 103 人 94 人 93 人 94 人 97 人 88 人 76 人 70 人 56 人 44 人 21 人 20 人 14 人 9 人 5 人 7 人 人 20 人 40 人 60 人 80 人 100 人 120 人 週に1回以上は外出していますか 15 分くらい続けて歩いていますか 日用品の買い物をしていますか バスや電車で1人で外出していますか 椅子に座った状態から 何もつかまらずに立ち上がっていますか 預貯金の出し入れをしていますか 家族や友人の相談にのっていますか 階段を手すりや壁をつたわらずに 昇っていますか 友人の家を訪ねていますか 転倒に対する不安はありますか この1年間に転んだことがありますか 昨年と比べて外出の回数が減っていますか (ここ2週間)以前は楽に出来ていたことが 今はおっくうに感じられる (ここ2週間)わけもなく 疲れたような感じがする (ここ2週間)毎日の生活に充実感がない (ここ2週間)これまで楽しんで やれていたことが楽しめなくなった リフォーム前 リフォーム後

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(4) リフォーム後の生活変化について • リフォーム後の生活全体の変化について尋ねた。 • 多くの対象者が変化を感じたことは、「お風呂場で滑る心配がなくなった」、「部屋や風呂の 温度差がなくなった」「窓の結露がなくなった」「寒さを感じなくなった」、「エアコンを使 う頻度が減った」、などである。 • 特に「寒さ」の解消と「入浴時の安心感」は対象者の多くが感じている。 • 他にも断熱効果により「エアコンの使用頻度が減った」という回答も多く、省エネ効果も みられる。また、リフォームをきっかけに「家族がリビングに集まるようになった」対象 者が2割弱いるのが特徴的である。 図 リフォームによる生活の変化 図 特に強く変化を感じたリフォームによる生活変化 73人 72人 46人 44人 36人 20人 17人 12人 9人 7人 80人 75人 21人 20人 19人 8人 5人 人 20人 40人 60人 80人 お風呂場で滑る心配がなくなった 部屋と風呂の温度差がなく安心して入浴できる 窓の結露がなくなった リフォーム前に比べ寒さを感じなくなった エアコンを使う頻度が減った 部屋の温度差がなくなり、部屋の移動が楽になった 浴室・洗面・室内などにカビが生えなくなった 入浴が億劫ではなくなり、入浴の回数が増えた 薄着になった 家族がリビングに集まる時間が増えた 建具の交換・段差解消により部屋の移動が楽になった 窓の掃除が楽になった 部屋で素足のままでいることが増えた 来客や親族・子供の訪問が増えた 夫婦や家族の会話が増えた その他 特に変化はない 15人 14人 12人 3人 2人 1人 1人 1人 16人 16人 1人 1人 人 5人 10人 15人 20人 お風呂場で滑る心配がなくなった 部屋と風呂の温度差がなく安心して入浴できる リフォーム前に比べ寒さを感じなくなった 窓の結露がなくなった エアコンを使う頻度が減った 部屋の温度差がなくなり、部屋の移動が楽になった 部屋で素足のままでいることが増えた 薄着になった 入浴が億劫ではなくなり、入浴の回数が増えた 浴室・洗面・室内などにカビが生えなくなった 家族がリビングに集まる時間が増えた その他

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(5) リフォーム後の体調の変化 • リフォームを契機にどのような体調面での変化があったかを尋ねた。その結果特に身体的 な変化がないという回答は約3割であり、7割程度の対象者が何らかの変化があったと回 答している。 • 具体的には、「屋内での活動量が増えた」、「家での生活が楽しくなった」とする回答が多く、 リフォームによる部屋の断熱によって活動的な生活が実現できたと考えられる。 • 「風邪をひきにくくなった」、「つまづきにくくなった」、「冷え症が和らいだ」という回答 が多い。 • リフォームが対象者の身体面への効果に加え、精神的な側面においても効果をあげている ことが分かる。 図 リフォーム後の体調の変化 図 特に強く感じたリフォーム後の体調の変化 35人 25人 25人 21人 21人 13人 11人 3人 17人 35人 16人 6人 41人 人 10人 20人 30人 40人 50人 屋内での活動量が増えた 家での生活が楽しくなった 風邪をひきにくくなった 家の中でつまづきにくくなった 冷え性が和らいだ 寝つき・寝起きがよくなった 熟睡できるようになった 部屋の見通しがよくなった 肩こりが減った ひえによる関節痛が和らいだ 頭痛が起きる回数が減った その他 特に変化はない 16人 6人 3人 3人 2人 1人 4人 10人 1人 人 5人 10人 15人 20人 家での生活が楽しくなった 屋内での活動量が増えた 冷え性が和らいだ 家の中でつまづきにくくなった 風邪をひきにくくなった 寝つき・寝起きがよくなった 部屋の見通しがよくなった ひえによる関節痛が和らいだ その他

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3章 調査結果のまとめ

1. 調査結果のサマリー (1) 温熱環境の改善 本事業でのリフォームは、「蓄熱暖房機の設置」、「浴室の交換」、「窓の交換」、「脱衣室に暖房機 設置」、「トイレに暖房機の設置」が多く、家の中の温熱格差の解消に重点が置かれたリフォーム となっている。 (2) リフォームに関する満足度 総合満足度で65%以上が最高の「満足」と回答している。特に「営業担当者」、「工事」を評 価する回答が多く、いずれも「満足と「やや満足」を加えると、対象者の 9 割が今回の事業に満 足していると回答している。 (3) リフォーム後の生活機能の変化について リフォーム時の調査から2カ月が経過した後の調査であり、運動状況や外出の状況などの基礎 的な行動については、大きな変化は認められない。しかし、「転倒に対する不安」は、54名から 44名に減少しており、「転倒経験」も減少している。 心理的な要素も強いと考えられる「疲労感」を持つ対象者は大きく減少し、「充実感がない」と する回答がリフォーム後半分以下に減少している。また、「以前できていたことが億劫になる」と いう対象者も、リフォーム後に減少している。 (4) リフォーム後の生活変化について 多くの対象者が「お風呂場で滑る心配がなくなった」、「部屋と風呂の温度差がなく安心して入 浴できる」、「窓の結露がなくなった」、「寒さを感じなくなった」と回答している。浴槽での転倒 時価が高齢期における生活の不安材料の一つであるが、今回のリフォームによって解消されてい る点が特徴である。 加えて、室内の「寒さ」の解消と「入浴時の安心感」は対象者のほとんどが感じており、他に も断熱効果により「エアコンの使用頻度」が少なくなったという回答も多かった。また、リフォ ームをきっかけに「家族がリビングに集まるようになった」が増えている。 (5) リフォーム後の体調の変化 リフォーム後に多くの対象者が「屋内での活動量が増えた」、「家での生活が楽しくなった」と 答えており、身体面への効果に加え、精神的な側面においても効果をあげている。また、「風邪を ひきにくくなった」、「つまづきにくくなた」、「冷え症が和らいだ」という回答が多く、リフォー ムによる部屋の断熱の効果がでている。

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2. 調査結果からのインプリケーション (1) リフォームは生活の質の向上に寄与する 本調査からリフォームの効果が生活の変化に及ぶことが明らかになった。寒さの解消などリフォ ームによる直接的な効果に加え、活動量が増えるなど生活面での効果も認められた。室内の温熱格 差の解消によって、生活面での不安感が軽減していることも高齢期の生活不安解消に大きな意味が ある。また、リフォームによって家族がリビングに集まるようになり、家族関係にも影響を与えて いることが明らかなった。家族や夫婦の生活がリフォームを契機に変わり、夫婦の関係が深まり、 日常会話が増えるという副次的な効果もみられた。 このような結果から住宅の温熱環境を代表とするリフォームは高齢期の生活の質の改善に効果が あるといえよう。高齢期には住宅の住み替え、介護施設への入居なども選択肢となるが、リフォー ムによって生活環境を改善し、現状の生活を継続できるようにするという選択肢も重要であると考 える。 (2) 室内温度環境の管理の重要性 高齢期の住宅リフォームでは、床や浴室の段差などが中心に行われてきたが、今回の事業では 住宅のもう一つのバリアである温熱バリアの解消に主眼を置いたリフォームを行った。その結果、 室内での中高年層の行動が活発になり、上述したような活動量の増加により、生活の質の向上が 図られた。室内での生活の質が上がることで、外出意欲がわいたり、人との関わりを増やそうと する意欲がわいたり新たな意欲の喚起につながり、さらには引きこもりの解消などにも影響する と考えられる。その意味では段差解消による転倒予防と以上の効果が温熱環境整備にはあるとい えよう。 住宅リフォームは外回りに加え、生活空間の改修の両方を行うことが高齢期の生活には重要で ある。加えて、高齢者が本来持つ能力(残存・潜在能力)を発揮しながら、低下する機能を維持、 向上できる生活環境づくりも求められる。また、住居内はバリアを徹底的には排除しつつ、外出 などの運動プログラムによって生活レベルの維持向上を図る生活カリキュラム構築サービスを組 み入れていくようなハードとソフトの連携をするなどのリフォームの考え方(概念)も必要であ る。そこに住む高齢者の身体能力に応じた体力と生活レベルを刺激する「戦略的生活リフォーム」 が今後の課題と考える。 (3) 継続的な効果測定の必要性 今回のリフォーム後の調査はリフォーム実施後 2 か月後に実施されており、質的な変化、住ま いの印象変化など表層的な変化についての効果測定を実施することができた。しかし、リフォー ムした家を使い続けることで得られる効果の測定については、今後も継続して対象者の生活を追 跡調査する必要がある。 今回の調査では生活機能面、生活面についての調査を行ったが、リフォームの効果は風呂やト イレに回数の変化に留まらず、そうした変化が生活リズム生活のあり方にも影響する。浴室の温

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もする。

こうした生活への変化をとらえて、実証するためにさらに調査期間を延ばし、事業対象者を継 続的に観察することでその効果をより客観的に把握することができると考える。

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4章 資料編 回答者の自由記述のまとめ

今回の調査では、趣味(昔のことでも可)、特技(昔のことでも可)、友人や地域との関係、現在 の楽しみ、現在の不安、今後の生活への希望、現在のお住まいの困りごと、不便点、平均生活時間 について、自由記述方式で尋ねている。ここでは、自由記述内容をカテゴリー化し、どのような意 見、意識があるかを整理した。 1. 趣味について 現在と過去に行った経験のある趣味活動について記述してもらった。財団法人 余暇開発セン ター「余暇ハンドブック」の分類を活用し、ゴルフ・水泳・テニス等の「スポーツ部門」、読書・ 鑑賞・ダンス・庭弄り・写真・絵画等の「趣味・創作部門」、旅行・釣り・会食・盤ゲーム・カラ オケ等の「観光・娯楽部門」に分け、参加状況を集計した。 男女間での活動状況にはかなり違いが認められる。男性の趣味活動は各部門に分散しているが、 女性については「趣味・創作部門」に集中している。また、併せて、趣味活動における特技を尋 ねている。これも男性は分散しているが女性の特技は「趣味・創作部門」に集中しているのが特 徴的である。 図 活動した経験のある趣味 図 自分自身の特技 32人 29人 26人 13人 40人 14人 人 10人 20人 30人 40人 50人 男性 女性 スポーツ部門 趣味・創作部門 観光・娯楽部門 *回答者:108名 19人 13人 5人 14人 6人 1人 人 5人 10人 15人 20人 男性 女性 スポーツ部門 趣味・創作部門 観光・娯楽部門 *回答者:49名

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2. 友人や地域との関係 人間関係形成について尋ねている。男女間による差は顕著であり、女性の方は男性より人間関 係の量が多い。また、女性は近所に住む人々と友人との関係に集中している。一方、男性はボラ ンティア・仕事関係で知り合った友人関係が多いのが特徴である。 女性は、近隣縁(private)、男性は会社縁(public)を中心としたネットワークが形成されているこ とが分かる。 図 友人や地域との関係 3. 現在の楽しみにしていること 日常の楽しみを「スポーツ(ゴルフ・水泳・テニス・散歩・ハイキング等)」、「趣味・創作(読 書・鑑賞・ダンス・庭弄り・写真・絵画等)」、「観光・娯楽(旅行・釣り・会食・盤ゲーム・カラ オケ・買い物等)」、「ふれあい(友人・家族・ペット等)」の 4 つのカテゴリーに分けて、集計し た。 男女とも、趣味・捜索、観光、娯楽などを挙げる回答が多い。また、男女とも他者との触れ合 いを楽しみにする回答が多い。男性はスポーツを楽しみとする回答が女性に比べ多く、競技への 意欲が高いことがわかる。 図 現在の楽しみ 13人 15人 5人 4人 6人 1人 8人 4人 13人 0人 人 5人 10人 15人 20人 男性 女性 友人 近所 趣味 ボランティア ・仕事 その他 *回答者:61名 4人 16人 20人 21人 14人 14人 1人 8人 24人 3人 2人 1人 人 5人 10人 15人 20人 25人 男性 女性 スポーツ 趣味・創作 観光・娯楽 ふれあい 仕事・学校・ ボランティア 生活全般 *回答者:93名

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4. 現在の不安 現在の不安について尋ねたところ、不安項目として、「健康」、「金銭」、「家族(配偶者の病気・ 子どもの独立・介護)」、「将来(体調の悪化)、「その他(住環境・平和)」の5 つに集約できた。 図に示すように男女とも健康に対する不安は強く他の不安に比べ圧倒的に多い。また、将来の 体調が悪化も健康に分類できるが、将来不安については若干であるが男性の方が将来不安を持つ 人が多い。 図 現在の不安 5. 今後の生活への希望 今後の生活に対する希望を尋ねたところ、「長生き・健康(現状維持)」、「自活趣味」、「ふれあ い(友人・家族)」、「その他(住居・生活の中の工夫)」などが」上がった。男女とも現在の健康 を維持し、長生きをしたいという回答が多く、男性の場合は、この項目に集中する傾向がみられ る。 女性は、「ふれあい」に希望を持つとする回答が多く、老齢期に向けて、人とのかかわりに積極 的な姿勢が男性より多いのが目立つ。 図 今後の生活への希望 5人 2人 1人 25人 27人 6人 2人 0人 4人 7人 人 10人 20人 30人 男性 女性 長生き・健康 自活 趣味 ふれあい その他 *回答者:66名 1人 1人 1人 16人 23人 0人 4人 1人 4人 3人 人 10人 20人 30人 男性 女性 健康 金銭 家族 将来 その他 *回答者:49名

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6. 現在のお住まいの困りごと、不便点 現在のお住まいの困りごと、不便点な点について尋ねた。自由記述に書かれた項目を整理する と、「老朽化」、「陽当たり(寒さ)」、「汚れ」、「使い勝手が悪い(バリアフリー・故障等)」、「立地 環境(駅からの距離・隣近所等)」、「その他」等のが出された。 「老朽化」よりも男女とも「使い勝手が悪い」、「陽あたり」を挙げる回答が多く、いずれもリフォ ームで対応できる点が上がっているのが特徴である。 図 現在のお住まいの困りごと、不便点 7. 生活時間 一日の生活時間を記録してもらったものをデータ化し、その平均と標準偏差を表に示した。左 が小数表記、右側が分単位の表示である。 平均的な生活リズムは6 時半ごろに起床し、7 時半ごろ朝食、昼食はほぼ正午で、夕食は 19 時 前後である。入浴は20 時から 21 時頃で、22 時 30 分から 23 時頃に就寝しているのが分かる。し かし、全体には 1 時間前後の散らばりがあり、特に就寝時間は回答者による散らばりが大きい。 ただし、全体には健康的な生活リズムと言えよう。 表 平均時間[単位:時] 表 平均時間(10 分間隔) 以 上 4人 2人 6人 7人 0人 0人 21人 12人 1人 2人 1人 3人 人 5人 10人 15人 20人 25人 男性 女性 老朽化 陽当たり 汚れ 使い勝手 が悪い 立地環境 その他 *回答者:44名

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