①第三者評価機関名 社会福祉法人 宮城県社会福祉協議会 ②施設名等 社会福祉法人 旭が丘学園 児童養護施設 旭が丘学園 児童養護施設 小原 善博 70名 宮城県 http://www.asahigaoka-gakuen.or.jp/html/index01.html#gakuen ③実施調査日 平成25年6月25日(火)~11月15日(金) ④総評 ◇特に評価が高い点 ◇改善が求められる点 「子供たちの安全確保に努めています」 東日本大震災を教訓とした地震・津波マニュアルは、津波警報が発令された場合、子どもたちが施設の 外にいた時の避難場所についても明記し、子どもたちが津波の被害に合わないようマニュアル化したもの で、玄関や子どもたちの居室に掲示し、子どもたちの安全確保に努めています。 「職員一人ひとりの研修計画の策定を期待します」 施設では、職員研修の基本方針を明文化し、研修内容もOJT、OFF-JT、SDSの3つに組み立てられていま すが、個々の研修計画の内容には至っていません。また、施設へ入所する子どもたちの育ちの環境は多様 化、複雑化する中で問題を抱えた子どもたちと「向き合い」養育・支援を行うには、職員一人ひとりの専 門性や高い支援技術が求められます。そのためには研修によって培われる部分が大きいと思われますの で、施設として職員育成の観点からも一人ひとりの研修計画を策定し、より質の高い職員を育てることを 期待します。 今回の評価から、職員一人ひとりの研修計画は人材育成のため、それぞれの能力に合わせた計画を立て たほうが良いことや、事業計画を子ども向け、保護者向けに、分かりやすく作って示すということがヒン トになりました。 早速、工夫を凝らし取り組んでいこうと考えております。 「長年にわたり手作りカレンダー作りに取り組んでいます」 手作りのシルクスクリーンカレンダーは、毎年発行しており、日頃お世話になった方々への感謝の気持 ちを込めて、職員と子どもたちが協力し、表紙を含め13枚を一枚一枚手作りで仕上げています。カレン ダー制作は、制作月を居室ごとに分担し、子どもが協働して行う機会であり、助け合い、認め合い、協力 し合う態度を育む機会となっています。対外的にも高い評価を得ています。 「親子関係の再構築等に向けた積極的な取り組みを期待します」 施設では、面会や週末帰省など家族とのつながりに取り組んでいますが、改善の余地があります。その 改善として保護者に対し、児童相談所との密接な連携のもとに電話や面接及び施設内に親子宿泊場所の確 保をするなど、子どもの早期家庭復帰を可能とするための相談・指導等の支援(家庭復帰支援)を行い、 親子関係の再構築が図られるよう、施設として積極的な取り組みを期待します。 「子ども一人ひとりの居場所作りに期待します」 施設は大舎制の建物ですが、小グループ単位(居室制で1部屋5~6人位)でのケアを意識した生活に工 夫がみられます。しかし、建物の構造上もあり、個人のスペースは確保できていないと感じました。居室 の活用等に工夫され、プライバシーに配慮した子どもが安心できる場所としての個人の空間(居場所)を 提供されることを期待します。 ⑤第三者評価結果に対するコメント 所 在 地: 「子どもの希望に合わせた様々な活動に取り組んでいます」 施設として、様々な生活体験の機会を設け、自己形成に必要な支援に力を入れています。居室ごとにス キーやキャンプ・温泉・海水浴・釣り等の行事企画や月1回位の調理実習やおやつ作り等の他、子どもの 希望により地域のスポーツ少年団や地域行事・イベントへの参加等を支援しています。 施設長氏名: U R L:
第三者評価結果の公表事項(児童養護施設)
名 称: 種 別: 定 員:⑥第三者評価結果(別紙) (別紙)
第三者評価結果(児童養護施設)
1 養育・支援
(1)養育・支援の基本 評価結果第三者 ① 子どもの存在そのものを認め、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止め、子ども を理解している。b
② 基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・ 支援している。b
③ 子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保 障している。b
④ 発達段階に応じた学びや遊びの場を保障している。a
⑤ 秩序ある生活を通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、 様々な生活技術が習得できるよう養育・支援している。a
(特に評価が高い点、改善が求められる点) (2)食生活 評価結果第三者 ① 食事は、団らんの場でもあり、おいしく楽しみながら食事ができるよう工夫している。a
② 子どもの嗜好や健康状態に配慮した食事を提供している。a
③ 子どもの発達段階に応じて食習慣を身につけることができるよう食育を推進している。a
① 衣服は清潔で、体に合い、季節に合ったものを提供している。a
② 子どもの衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援している。a
① 居室等施設全体がきれいに整美されている。a
② 子ども一人一人の居場所が確保され、安全、安心を感じる場所となるようにしている。b
(特に評価が高い点、改善が求められる点) (5) 健康と安全 評価結果第三者 ① 発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援 している。a
② 医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常があ る場合は適切に対応している。a
・大舎制の建物で、居室は5~6人の相部屋になっています。集団生活の中で、子どもにとって何が一番良いかの視 点を大事にし、子どもの希望による個別外出や学習時間を活用し、個別対応の時間をとるように努めています。 ・子どもの遊びは、ルール違反がなければ基本的に自由にしています。友人との交流の他、地域のスポーツ少年団 参加や塾通い等、子どもの希望により対応しています。 ・子どもとの話し合いは、休日の食事時間や新学期・学期末の集会時を利用し、ルールや約束事を話したり、子ど もたちの意見も聞くようにしています。施設側から子どもに伝える際は、口頭で繰り返し伝えるようにしていま す。 ・今後は、子どもの心の声を聞く機会として、職員と子どもの個別的な触れ合いの時間確保に更に工夫されること を期待します。 ・食生活では、食堂を利用しての食事提供ですが、居室ごとに食事会や調理の機会を月1回以上設けて、楽しみなが ら食事ができる工夫をしています。また、退所が決まった子どもに、学園での思い出のメニューをリクエストして もらい、提供する取り組みを行っています。今後、食堂の雰囲気作りや年齢に合わせた食器等の工夫があれば更に 良いと思います。 ・衣生活では、年齢や生活場面に応じた服装ができるよう支援しています。衣類購入は、職員と一緒に出かけて子 どもが選ぶようにし、自己選択・自己表現に取り組んでいます。 ・住生活では、居室ごとの掃除当番と寝る前の片付けを習慣にしています。居室は5~6人の相部屋ですが、今後は 子どもの個人スペースの工夫による居場所作りに工夫が望まれます。 (3)衣生活 (4)住生活① 子どもの年齢・発達段階に応じて、異性を尊重し思いやりの心を育てるよう、性について の正しい知識を得る機会を設けている。
c
(特に評価が高い点、改善が求められる点) (7) 自己領域の確保 評価結果第三者 ① でき得る限り他児との共有の物をなくし、個人所有とするようにしている。b
② 成長の記録(アルバム)が整理され、成長の過程を振り返ることができるようにしてい る。b
① 日常生活のあり方について、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援 しているb
② 主体的に余暇を過ごすことができるよう支援している。a
③ 子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など経済観念が身につくよう支援してい る。b
(特に評価が高い点、改善が求められる点) (9) 学習・進学支援、進路支援等 評価結果第三者 ① 学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行っている。b
② 「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援している。a
③ 職場実習や職場体験等の機会を通して、社会経験の拡大に取り組んでいる。a
(特に評価が高い点、改善が求められる点) (10) 行動上の問題及び問題状況への対応 評価結果第三者 ① 子どもが暴力・不適応行動などの問題行動をとった場合に、行動上の問題及び問題状況に 適切に対応している。a
② 施設内で子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体で取り組んでいる。a
③ 虐待を受けた子ども等、保護者からの強引な引き取りの可能性がある場合、施設内で安全 が確保されるよう努めている。a
① 心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行っている。b
(8)主体性、自律性を尊重した日常生活 (11) 心理的ケア ・学習指導は、担当職員が年間計画を作成し、併せて居室ごとに学習指導計画を立て取り組んでいます。基礎学力 が低下している子どもには、計画的にドリルを購入し、指導しています。 ・進路決定は、子どもの気持ちを最優先にしながら、子どもとの話し合いを行いながら進めています。 ・社会経験(就労体験)の機会として、子どもの希望によるアルバイトや、職場実習に取り組んでいる子どももい ます。 ・日用品は施設で準備していますが、個人好みの物を購入できるよう、年度初めに日用品費として小遣いに上乗せ して支給しています。 ・個人のアルバムは、子どもの思い出になるよう意識して取り組んでおり、子どもにとっても卒園時の楽しみに なっています。 ・居室運営は子どもと職員がともに創る生活を基本とし、年度初めに子どもたちと話し合いの上、居室運営計画を 作成しています。居室運営費を予算化しており、居室ごとに教養娯楽費や日用品費・被服費等、計画的に使用して います。 ・小遣いは、高校生が毎月定額支給がある他は、行事や外出時に必要額をその都度、渡しています。子どもの発達 段階に応じて小遣いの自己管理などを通し、経済観念や金銭感覚が身につくよう支援するための工夫が望まれま す。 ・健康面は、月1回の身長・体重の測定を行い、子どもの発達を継続的に見ています。また、入浴は職員が一緒に入 り、皮膚の状態や爪の伸び等の異変に気付く体制にしています。 ・子どもの安全については、危険個所に気付いたらすぐ対応することを基本にしています。また、通学路は職員が 子どもと一緒に歩いてチェックしています。 ・性に関する教育は、個別的に対応していますがプログラムはありません。現在、児童相談所や他施設と協力して 性に関する研究を進めており、近々、施設としてのプログラムを作成する予定にしています。 (6) 性に関する教育(特に評価が高い点、改善が求められる点) (12) 養育の継続性とアフターケア 評価結果第三者 ① 措置変更又は受入れに当たり継続性に配慮した対応を行っている。
b
② 家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰 後の支援を行っている。b
③ できる限り公平な社会へのスタートが切れるように、措置継続や措置延長を積極的に利用 して継続して支援している。a
④ 子どもが安定した社会生活を送ることができるよう退所後の支援に積極的に取り組んでい る。b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)2 家族への支援
(1) 家族とのつながり 評価結果第三者 ① 児童相談所や家族の住む市町村と連携し、子どもと家族との関係調整を図ったり、家族か らの相談に応じる体制づくりを行っている。a
② 子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に行っている。a
① 親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)3 自立支援計画、記録
(1) アセスメントの実施と自立支援計画の策定 評価結果第三者 ① 子どもの心身の状況や、生活状況を把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、子 どもの個々の課題を具体的に明示している。a
② アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、 実際に機能させている。b
③ 自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を 施設として定め、実施している。b
① 子ども一人一人の養育・支援の実施状況を適切に記録している。a
② 子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適 切に管理を行っている。b
③ 子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行ってい る。a
(2) 家族に対する支援 ・子どもに問題行動があれば、職員複数で適切な対応をするように努め、学校とも連携しています。子ども間の暴 力やいじめ等が生じないように、常日頃から子どもに伝えています。特に小さい子どもに対する暴力はいけないこ とを話しています。 ・被虐待児の安全確保については、子どもの情報を入所時に職員全体に回覧して情報共有し、職員が誰でも対応で きる体制にしています。 ・心理的ケアは、心理士を1名配置し、児童相談所の心理士と連携して子どものケアを行っています。 (2) 子どもの養育・支援に関する適切な記録 ・施設としてのアフターケアは、家庭支援専門員と児童家庭支援センター職員が連携しながら行っています。相談 窓口も設置しており、相談に乗る体制ができています。 ・今後は、子どもが安定した家庭生活や社会生活ができるよう、児童相談所と連携しながら退所後の連絡等を計画 的に実施されることを期待します。 ・面会については、施設として家庭支援専門員が家族の窓口となり、面会の調整や面会時の同席、電話連絡等もあ わせて情報を取りながら、児童相談所とも繋げるようにしています。また、帰省については、週末帰省や月に1度、 定期的に実施するなど家族とのつながりに取り組んでいます。 ・親子関係の再構築等については、虐待による入所が多く、施設としても苦慮しながら取り組んでいるようです が、今後も家庭復帰に向けたより積極的な取り組みを期待します。(特に評価が高い点、改善が求められる点)
4 権利擁護
(1) 子どもの尊重と最善の利益の考慮 評価結果第三者 ① 子どもを尊重した養育・支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つた めの取組を行っている。a
② 社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々 の養育・支援において実践している。b
③ 子どもの発達に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適 切に知らせている。a
④ 子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための 取組を行っている。b
⑤ 子どもや保護者の思想や信教の自由を保障している。a
① 子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、養育・支援の内 容の改善に向けた取組を行っている。b
② 職員と子どもが共生の意識を持ち、子どもの意向を尊重しながら生活全般について共に考 え、生活改善に向けて積極的に取り組む。b
(特に評価が高い点、改善が求められる点) (3) 入所時の説明等 評価結果第三者 ① 子どもや保護者等に対して、養育・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情 報の提供を行っている。a
② 入所時に、施設で定めた様式に基づき養育・支援の内容や施設での約束ごとについて子ど もや保護者等にわかりやすく説明している。a
③ 子どものそれまでの生活とのつながりを重視し、そこから分離されることに伴う不安を理 解し受けとめ、不安の解消を図っている。b
① 子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明している。b
① 子どもが相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整 備し、子どもに伝えるための取組を行っている。b
② 苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決 の仕組みを機能させている。b
③ 子ども等からの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応している。b
① いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底して いる。a
② 子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組 んでいる。b
・子どもを尊重した養育・支援については、 基本方針に明示するとともに、虐待防止についても、施設長から職員 に最新の情報を周知し、虐待防止の周知徹底を図るなど、子どもを尊重した養育・支援に努めています。 ・子どもの意向の把握は、大舎制のメリットを活かし、全職員で把握されていますが、子どもの意向を幅広く把握 する仕組みとして、アンケート調査等を含めた組織としての仕組み作りを期待します。 ・プライバシー保護についてのマニュアルは、整備されていますが、プライバシーについて十分でないと感じてい る職員がいます。生活場面でのプライバシーの保護は、建物構造上、難しいところもあると思いますが、プライバ シーが守られるよう生活場面での工夫を期待します。 ・自立支援計画は、施設内の手順に従い、統一された様式で記載されています。多職種の職員による合議は、限ら れた小学校6年生・中学校3年生・課題のある子どもが対象となっていますので、全員対象で行われることを期待し ます。 ・また、自立支援計画の評価・見直しにおいては、随時行っているとのことですが、アセスメントの記録は確認出 来ませんでしたので、アセスメントを統一した様式で記録されることを期待します。 (2) 子どもの意向への配慮 (4) 権利についての説明 (5) 子どもが意見や苦情を述べやすい環境 (6) 被措置児童等虐待対応③ 被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応している。
b
① 様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に 配慮する心が育まれるよう支援している。a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)5 事故防止と安全対策
第三者 評価結果 ① 事故、感染症の発生時など緊急時の子どもの安全確保のために、組織として体制を整備 し、機能させている。a
② 災害時に対する子どもの安全確保のための取組を行っている。a
③ 子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討を行い、子ども の安全確保のためにリスクを把握し対策を実施している。a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)6 関係機関連携・地域支援
(1) 関係機関等の連携 評価結果第三者 ① 施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所など関係 機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共有している。a
② 児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的 な取組や事例検討を行っている。a
③ 幼稚園、小・中学校、高等学校、特別支援学校など子どもが通う学校と連携を密にしてい る。a
① 子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけを行っている。a
② 施設が有する機能を地域に開放・提供する取組を積極的に行っている。a
③ ボランティア受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備してい る。a
① 地域の具体的な福祉ニーズを把握するための取組を積極的に行っている。a
② 地域の福祉ニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業や活動を 行っている。a
(特に評価が高い点、改善が求められる点) ・地域との関わりは、以前から実施していた子ども祭りを東日本大震災以降、地域からの要望を受けて盆踊り大会 に衣替えし、町内会と一緒に実施しています。また、町内会の人たちが、施設で行う防災訓練への参加や地域の 方々の訪問など多くの交流があり、地域との連携が図られています。 ・地域の具体的なニーズの把握は、同じ建物内にある児童家庭支援センターを中心に取り組みを行っており、把握 した福祉ニーズに基づいて、ショートステイ事業やトワイライト事業も実施しています。 ・手作りカレンダー制作は、制作月を居室ごとに分担し、子どもが協働して行う機会であり、助け合い、認め合 い、協力し合う態度を育む機会となっています。 ・苦情解決の仕組みとして、全職員が年2回苦情受付の担当になっていますが、その事が子どもたちに十分周知され ているとは言い難く、苦情解決の仕組みが十分に機能しているとは言えません。苦情や意見等を養育・支援や施設 運営の改善に反映させるためにも、苦情解決の仕組みの周知と理解についての工夫を望みます。 ・施設長は、危険な個所の点検や地震・津波マニュアル、衛生管理マニュアル、食中毒・感染症発生時の対応フ ローチャート等を作成し、職員に周知することで子どもの安全確保に努めています。 ・東日本大震災を教訓とした地震・津波マニュアルは、津波警報が発令された場合、子どもが施設の外にいた時の 避難場所についても明記し、子どもが津波の被害に合わないようマニュアル化したもので、玄関や子どもたちの居 室に掲示し、子どもたちの安全確保に努めています。 (3) 地域支援 (2) 地域との交流 (7) 他者の尊重第三者 評価結果 ① 組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢が明示されている。
a
② 職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画が策定され計画に基づいて具体 的な取組が行われている。b
③ 定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させている。b
④ スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向上を支援 している。b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)8 施設の運営
(1) 運営理念、基本方針の確立と周知 評価結果第三者 ① 法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割が反映されている。a
② 法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針が明文化されている。a
③ 運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行ってい る。a
④ 運営理念や基本方針を子どもや保護者等に配布するとともに、十分な理解を促すための取 組を行っている。c
① 施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画が策定されている。b
② 各年度の事業計画は、中・長期計画の内容を反映して策定されている。b
③ 事業計画を、職員等の参画のもとで策定されるとともに、実施状況の把握や評価・見直し が組織的に行われている。b
④ 事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。a
⑤ 事業計画を子ども等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。c
(特に評価が高い点、改善が求められる点) (3) 施設長の責任とリーダーシップ 評価結果第三者 ① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組 織内での信頼をもとにリーダーシップを発揮している。a
② 施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリードし ている。a
③ 施設長は、養育・支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮 している。b
・施設では、「福祉人、専門職としての職業倫理を確立」、「職場内研修の充実」、「共に育つという意識の涵 養」を職員研修の基本方針とし、それを基にOJT、OFF-JTやSDSといった内容の年間研修計画が作られています。し かし、研修計画は階層別、経験年数別による研修への参加計画であり、職員一人ひとりの計画には至っていませ ん。また、入所してくる子どもの育ちの環境は多様化し、複雑化している中で、問題を抱えた子どもたちへ「向き 合う」ためにも、職員一人ひとりの専門性や支援技術の向上が求められます。そのためには、施設として、職員育 成の観点からも一人ひとりの研修計画を策定して、より質の高い職員を育てることを期待します。 ・施設の基本方針は、「夢と希望を持って楽しい生活」、「健康で明るい素直な子ども」、「学校生活及び社会生 活の適応と意識的な参加」であり、法人の理念を基に作成され、事業計画書や記念文集に明文化されています。ま た、年度の初めの職員会議で施設長より説明し、周知されています。 ・施設では、中・長期計画として策定された文書はありませんが、事業計画書のなかに中・長期的な考えを含んだ 内容がみられます。しかし、社会的養護における小規模化の流れや施設の改修等、今後の事業展開や施設の運営を 考えた場合に事業計画書とは別にして、中・長期計画書として策定されることを期待します。 ・施設では、運営理念や事業計画書について、子どもへは配布していません。今後は、子どもへの理解を促すため の取り組みを期待します。 (2) 中・長期的なビジョンと計画の策定7 職員の資質向上
④ 施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮している。