<研究論文>組織化とシステムデザイン考
著者
涌田 宏昭
著者別名
Wakuta Hiroaki
雑誌名
経営論集
巻
37
ページ
111-129
発行年
1991-03-30
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005713/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.jaく 目12345
組織化 とシステムデザ イン考
涌 田 宏 昭 次〉 プ ロ ローグ ー素朴 な考 えか ら複雑 なシ ステム思考 へ 複雑 なシステムへの対 応 組織行動のソフト技術 行動展 開の新しい組 み立 て方 いくっ かの考 え方の変化 Ill 1 。プロロー グ ー素朴な考えから 複雑な シス テ ム思考ヘ ー 本稿で は,組織 行動の変化 を起 こ してい る ものの 中で, 仕 事の方法,方式, そし て その考 え方につ いて取 り上げ て み るこ とにす る。 そのた めに, まず仕 事 を遂行す るに当たっ て, どの ような技術 が持 ち込 まれ, それらが どのよ う に改 善され, 次 第にどの よ うに改革 さ れてゆ くか につ いてい くつ かの点 を考 えてみたい。 さ て,1950 年 の末葉の頃 か ら飛躍的 に進展 す る生 産の オート メ化 技術の一 つ について考 えて みよう。 この中の メカニカノレ・ オートメ ーション には, ま ず二つの技術側面 の改革が上 げ ら れる。一 つ は, 材料 の加工技術で あ り, 他 は運搬な どの取 り扱 い技術で あ る。 そして, オート メ化 の ために,特 に後 者 の技 術は,基 本的 な動作 の分析 によ り, 次 第 に その作業 は, 機械化 されて, 新 しい方式 の組 み立 て技術 として発 展す る。 周知 の ようにベ ルト コンベ ア方 式 の オートメ化 とい われた もので, 進 歩 した機械 加工技術 としては,ト ラン スフ ァー・マ シンが登場し てい る。(注1) 次 にこの一 つ の側面 を紹介す る と, 機械 化 の ため に√ た とえば, 図1 図6 まで のよ うに動作 を分析 し に の他の動 作 もあ る), その結果 とし て,こ れ もた とえば図7 −図10 のよ うな機 械 の開 発へ と展開 して きたのであ る。 その 基 底 にあ る考 え方 は, 連続 した工 程 の設計 と量産 技術 の促進 であ る。技術 開発の考 え方 はさ らに発展す る。 ここで ぱ, パ タ ーン技術 が強調 さ れ る。つ まり, ものを作 る とい う工程 は, パターンの選択 とその技術 の適用 に よっ て高度化 され る と考 えるのであ る。た とえば,゛引 い て回 して切 る″とい う一つ の組 み合 わせの技術 をパタ ーン として捉 え, この一組 の技術 を採 用 し て,あ るものを作 る。 そし てこれは,あ るパターン によ る制 作 とい うこ とが で きるので, あ る一 つ の ものの完成 は, い くつ かのパ ターン に よ る生産 と考 えるのであ る。 人が ものを作 る というよ りは, シ ステムが ものを作 るので あ る, という考 え方 の発展 は この ような ところ に起因す るノ コ 図11 は, パターン の構成 が基本的 に3 つあ るこ とを示 してい る。(1! −1 ) は, パター ンの要素 に こで は加工技術 の もの) の配列 が,縦 に並 んで い る もので,ご く普 通の ものであ る。(万口−2 )は,要素 を横 に並 べ,この間を左 右,あ るいは上 下 し なが ら加工 さ れるもので あ る。(11 −3 )ぱ,要 素をい く つかの小パタ ーン に分 けて, さ らに その上位 のパターンで こ れを操作 して加 工 す る考 え方であ る。 この ようにみて く ると, 単純 ・素朴 な もの から, 次 第に複雑化 す るシ ステ ムへ と展開 するこ とによっ て,現代 の工程 技術 ぱ高 度化 して きてい るこ とが 判 る。 そして, その た めの環境づ くり とその技術化 が必要 とせ られ, その事 ぱ, ものの生産 のみ な らず, 組織 の管 理や その開 発精神 に まで 及 んでい るの が,現在 の状 況であ る とい え るのであ る。(白 ) 図1 持ち上げる 図2 \傾 け る
組織化 とシ ステ,ムデザ イン考113 図3 引 く 図4 締 め る
図5 廻 す 図・6 運ぶ
図8 傾 け る
圭
y
ふtA
坤
− − ―・■> 凶951<s図10 締め る
≒
色
二
叫
叫
叫
剛
組織 化 と シ ステ ムデ ザ イ ン 考115 図11 パターンの構成11 −1①→①→汗
n - 3① ①
① ①
①
〔図11 〕の 説明 (11 −1 ) 固 定型の配列で, 製品設 計は, 工程 技術 に合 わせ なければ な らない。 ニ (11 −2 ) 比較的 流動的 な配列で, 製品 設計 の変更 に, あ る程 度の自由 度 があ る。 ただ し√生産技術 の要素 の配列 を指 定 す るプ ログ ラ みが必要。 \ ……… (11 −3 ) 生産技術 のパ ターン化 が進 行 した型, 製 品 設計 もパターン化 ……す る。 … ………… 2 。 複雑 なシ ステ ムへの対応 パタ ーン化 の 考 え方は, た とえば, ものを作 るための要 素が数多 くあ り, その組 み合 わせ によ る制作が複雑化 す るので √こ の組 み合 わせをあ らかじ め 特 定のパ ター ン として設定す るこ とによっ て, 見か けの作業 を 単純化 して遂 行 しやす くす る とい う ものであっ た。 しかし, このパ ターンが増大 した り, パタ ーンの 組 み合 わせ が錯綜 す ると,こ れは また 複雑 な もの となる。加 えて, パ ターンの 背後で あ る もの が作用した り, また, パター ンの陰で作 用す る も の が存在 す る と, や はり, 複雑性 が増す こ とにな る。 そこで, 考 えられたのは, 機械系 と人間系 を分離 す るこ と,イン ターフェ ー スを工夫 す るこ と, シ ステ ムを再構築 す るこ と, ハード ・ソフトの分離 と融 合 の問題, 統 合技術 と連 関技 術の開 発等 に よ る手立 てで あ る。 この ような対 応 方法 が, 複雑化 に対 して有 効で あ る と思 われたの は, 情報 通信の技術に革 新 を もた らしたハ イテク技術 の進 歩 による影響 とい うこ とがで きよう。つ ぎ にこれ ら対応 のポ イント につ いて若 干の検 討を 加 えてお こう。 剛 機械 系 と人間系 の分離 第1 の考 え方 と技術開 発は, 全体 に こ で ぱ工程 ・ 行程) の シ ステムの中 で,機械 にゆだ ねるこ とので きる部分 を切 り離 して, こ れを独立 したシステ ム とす るこ とであ る。 人間 は, こ のシ ステムを操 作 し支援 し測 定す るとい う 面 に位 置 し, こ れを また一つ のシ ステ ムとす る とい う もので あ る。機械系 と 人 間系 の関係 を どの ように関連づ け るかは, シ ステ ム設 計者あ るいは開発依 頼者の 考 えによ る。
組織化とシステムデザイン考117(2) インタ ー△フェ ー ス2 つの シス テムに分離 した場合, その関係 づ けは いろいろあ るが,関係 の 接 点 としての インターフェ ー スは, その ため に工 夫 さ れた もので なけ ればな らない。 この インタ ーフェ ー スは, 次 第 に大 きなシ ステ ム となり, またい く つ かのシ ステム とし て,複雑 なシステ ムの 結合 に設置 さ れるこ とにな る。ハ ー ド としてのインタ ーフェー スのソフト化 と, ソフト としての インターフェー スの管理が 次 の課題 となる。(it4)(3 ド システムの再構 築 こ れまで の工 程 や行程 は, 人間 のスケールで構 成 さ れ,流 れを形成 してい た といえ るのであ るが,1960 年 頃か ら,年 々 シ ステ ム化 が計 られ,技術 の開 発 により機械系 に偏 る設計 が強化 さ れ るこ とにな る。 こ れに対応 す る考 え方 が, 前2 者 の方法 ・方式の採用 とい うこ とにな るが,あ る段 階で は, システ ムを全 く新 しい視点で,再構 築 するこ とが重 要 とな る。 新 しい視 点 とし て登 場 するのが, 統合→分散 →統合の考 え方で あ る。(ii5)(4) ハード ・ ソフト の分 離 と融合 ソフト技術 の進歩 の過程 の中で, 顕著 に表 れたの が, ソフトがハ ード か ら 独立 したフ イ¬ルドを確立 したこ とで あ る。 しか し, ソ フトの増大,高度化 によ りソフト の利 用が 複雑 となり, ソフト のハ ード 化 も研 究さ れ実現 してい る。 いわゆ るファー ムウェ アが その例で あ る。 といっ て も,ハ ード・ソフト は,別々 とい うよ りは相互浸透性 を持つ こ との ほうが望 ましい とい える。 こ こ に√両者技 術 の融合 論の発展 がみ られ る。(5) 統合 と連 関技術 の開発 こ れまで われわれは, システムの巨 大化 に対 し ては, 分 割 による方法 があ る と考えて いた。 ところが, 分割 さ れた ものは,再 び よ り上 位のレベルで統 合 さ れ,部分 は,相互 に一 定の考 え方で 連関 さ れる必要 性 のあ るこ とが判っ て きた。 今 日, わ れわれの社会で は, 部 分 を強調 す る反面 ,相互 の結合 によ るコミュニ ケー ション効果 も重視 さ れてお り, 統合 と連 関 の方 法 と方式 に新 しい関心 が寄 せ られてい る。ネットワ ーク技術 も研 究さ れ るその一つであ る。 3 。 組織行動 のソフト 技術 ここで 取 り上 げ てい る組織 行動は, 社 会制 度の下 にあ る組織 を対象 とし, その内部組織 の動 き と外部的 関連, そして機械系 の動 きを含 めて広 い範 囲で
の組織 活動 を その対 象 とし て考 えている ものであ る。 し かし, 特 に焦点 を当 ててい るのは, 企業 その ものお よび その内部 に存在 す る もので, 環境 対応 に 厳 しい動 きを必要 とす る ものであ る・。 こ こで はまず, 図12 の よ うな問題 の取 り出し方を した。 す な わち, 部分の 組織行動が集約 さ れて, 全体 の結果 となる。 このこ とを簡 単に表 す とこの よ うに なる とい う図で あ る。 この図 は, 部分の集約 を3 つ の段 階 に分 けて表 現 してい る。したがっ て,この集約 と結果の ためには,段 階ご との集約 方法 と, 部分 の行動 のた めの基準 と行動 内容 が,あ らかじ め設定さ れていな ければな らない。 そのために,図13 に示 して い るような支援 システ ム(斜線 部分) が, 必 要 となる。抽象的表 現であ るが, ⑥ は, 全体的立場 を踏 ま えたシ ステ ムよりの 支援であ り,⑤ は, レベ ルご とに設定さ れた支援 システ ムの救 けを借 りてい る。 現今で は, この いず れかの方法・ 方式 を考 えるが, 将来 的 には, この両 者の組 み合 わせ が, 新 しい支援 方法・ 方式 の考 え方 となろ う。 とい うのは, 統合 と分散 を考 え るに当たっ ては, こ れらのいづ れかを選ぶ とい うこ とで は な くして, 両者を共 に用 いて, それぞれ意味あ る存在 とす るこ とこ そ最 も良 きシ ステ ム構築 とい えるか らであ る。 そして, そこに新 し い組 織化 の境地 が ひらけてくる もの とい えよ う。 図12 組織行動 の展 開
図13 組織 行動 の流出とそ の支援 システ ム
皿
皿
組織 化 とシ ステムデ ザ イン 考119⑤
皿
皿
⑤
4. 行動展開 の新 しい組 み立て方 組織行動 の展 開 は, そこで上 から下 へ との指令 が下 さ れ る組織 を想定 す る こ とにな る。別 の ところで 展開 する, つ まり別 々の行動 があ たか も一つ の行 動で あるように統一 す るた めには, あ る一つ の ま とまっ た考 えが, 分割 さ れ て遂行され, や がて それが一 つ の ものに まとまっ て ゆ くよ うにな らなけ れば な らない。 その ため にぱ, 行動 の展開 が, どのよ うになさ れたらよ いか とい うこ ととなる・。 図14 は, 一つ の考 え(プ ラン) が, 行動 のプ ロセ スの中で ぃ くつ かに分か れて遂行 され るこ とを表 してい る。 単純 な図で ぱあ るが, その検 討点 は, 図15 に表現さ れ る。第1 の点 は,入 力,第2 はブ ラックボ ッ ク スの 設計 と存在, 第3 の点 は, 出 力 の点で あ る。 ここで は, この視点 から, 組 織 の組 み立 てを 考 えつつ,図16 の よ うな集 約 を考 える。人 と支援 シス テムの関係 を ここで は, どのように位置づ け るか が, また新た な検討点 とし て浮 かび上 がっ て くる。 そこで, 図17 に よ る考 え方は どうで あろ うか。 ここで は, ① と② の ような システムを考 えた。① と② の システ ムは,情報 システ ムを主 軸 とす る もので, ① は,一つ の考 え(プ ラン) が, 分割さ れた内容 と その 入力 の配分 を支援 し 測定 するものであ る。 ② は, 結果 を測 定 し, 評価 す るシ ステ ムであ る。断 つてお くが, ① と② の中間に位置 す るプp セ ス に対 しては\どの ようなシステ ム を設 けるか につ いては, この ところで は, 明 らか にされてい ない。 当然 の こ と万なが ら,問題 は, 全体 と部分 とそし て個の 間を どの ようにして 一 貫性 を持 っ た行動過程 とす るかにあ る。 この こ とが実現 す るならば,比較 的変化対応 型 とな るので,環 境適応 の シ ステ ムに近づ くこ とがで きるし, 効 率的 な行動 シス テムを組 むこ とがで きよう。 ただ し, シ ステム化 に対 しての 人間化 の問題 は,一 まず後 の課題 としてお こ う。 さ て,図18 を考 えてみよ う。 こ れは, 二つ の方向 を もつ システ ムを別 々 に 表 した もので あ る。(18 −1 ) はご く普通 の シ ステ ム図で あ るが, (:18−2 ) は,結 果 をあ らかじ め設定 し, 入 力を決 定す る ものであ り, 時 には, 絡果 と 入力 とをリアルタ イムに比較 す る場 合 に合 わせ用 いる もので あ る。 また,図19 は, システムの直列 型を 考 えた もので, ここ に時間の概念 を入 れて みる と,(19 −2 )のよ うなシ ステ ム図 となる。これ まで の組織 行動 の把 握で は,(19-2 )を加 えるこ とはご く限 ら れてい たが,これまで のよう に静 態論 的組織思 考 から動態論的 組織思 考 へ とい うので はな くして, 組織 自体 を 最初 か ら,動 態的 な もの として表現 してか か るこ とが重 要で あろ う。 した がっ て,支援 システム も,図20 に上 げ られてい る2 つの図で,(20−2 ) の よ うな型 を, 組織管理 の第一 前提 とすべ き と考 えられ る。 この考 え方 は, ネ ット ワー ク型 シス テ ムの支援 システ ムを想定 してい る。 ところで, ネ ットワー ク といって もおお よ そ2 つ の問題 があ る。一 つは,ネ ッ トワ ー ク管理 の主軸 をどこに置 くか とい うこ とで あ る。 第2 は, 複数のネ ッ トワ ー クがあ る場 合 その相互 の関連 の仕 方 (図21 のa とb )で あ る。 そして こ れ らの もとには,次 に指摘 す る考 え方が必 要 とされ る。 す なわち,ネ ット ワー ク技術 の導 入 レ 動の統一 性, そして行動の同時 性 とい うこ との実現 を意図 してい る。したがっ て, その実現 が, これ まで の組織 行動 の在 り方 を変 えてゅ か なくてはな らな い。 とい うのは, 行動 の前提 とな る技 術条件 や その技術 を利 用す る ところ の 利 用上 の考 え方が, それぞ れ異 るか らで あ る。 さ らに, 新 しい方向 は, この よ うな技術の 活用 によっ て, 行動の範 囲の拡 大 と行動の質 の向 上 とネ ラつ てい る。 情報化 が強調 され る時 は, 技術 の進 歩 によ る期待感 が描 かれ, 国 際化 とい う時 には, その方向 性を意識 してのこ と で あ る と思 われる。 そして, これ か らの組織化 はこのよ うな発展 を受 けて,
組織化 とシ ステ ムデザ イン考121 少 く と も, 連 続 ・ 不 連 続 の 行 動 , 行 動 の 関 連 づ け , 行 動 の 範 囲 と い っ た 問 題 を あ ら か じ め 検 討 し て か か ら な け れ ば な ら な い も の と い え よ う 。 図14 入
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帆
・七: コ ニ コ ー。
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図16 入 出( > 匠 三 三 卜 ○ 図15 出図 11111 ① 17 図18 (18 1 ) (18 −2 ) 二 i −−− 4 奉 ②
図・19
図20
ニ ココ
︱ −1 − ○ → m -■㎜−−− 111 組 織 化 と シ ス テ ム デ ザ イ ン 考123 (19 −1 ) (19 −2 )二 二 コ
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図21 言 ´/ \ a <- 一加 (20-1) (20 −2 )白へ
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5 。 いくつか の考え方の変 化 以 上 のよ うに考 えてく る と, こ れ まで の組織づ くりとシ ステ ム設計 に, い くつ かの反省点 があ るので は ない か とい うこ とになる。 まず考 えら れるこ と は, 組織 行動 の展開の流 れを考 慮す るに, システムを単純 な入 /出の関係 と 捉 えるので はな く,ここで検 討 したよ うな面で 多重的 に研究 す るこ とであ る。 そし て, その中 から導 き出さ れ る ものには, システム相互 の互 換性 の問題 か ら, 行動 の連 続性, 不連 続性 の点 も検 註 点 として浮 かび上 がっ て くる。 た と えば, 鉄道 にみ られる スイッチ バッ ク方式 も, こうした組織 行動 の変化 に も 導 入で きる方式で あっ て, こ れは不連 続を部分的 に持つ,連 続 シ ステ ムであ る。プ ロ ジェ クト に一 貫性 を もたせ る方法が工夫 されてい る もの と もい えよ う。 この ためには, あ るサブ シ ステムを中間 に もつ システ ム設計で な ければ な らない。 あ るサブ システ ム とは, その組織の現状 に合 わせて, バ ッフ アー 的 なシ ステムを設定す る とい うこ とであ る。 また, 連 続 といっ て も, 不連 続 な部 分を多 く持つ時 もあ る。 き わめて限 定 さ れた条件 を持つい くつ かのサブ システ ムを集 めて構成 さ れるシ ステムで は, サブ シ ステ ムの出力 が その ままで は, その システムの上位 の入力 とはな らな いか らであ る。 この場合, 入力 の前 に調 整機能 がなければな らない。調整 の 方法 ・方式 には, いろ いろ考 えら れるが, 重役会議 の下 の部 長会 のシ ステム もその一例であ る。 この調 整 的サブ シ ステムを伴 うシステ ム設計 は,時 には リ )い まい性″に対 処す るシ ステ ム と も考 えられ,その故 に,システ ムに ≒ い まい性″ を許 す こ とがで き る ともい えるのであ る。 また, わが国企業 等 の特 有 の方法 ・方式 として上 げら れる菓議 制度や ゛根 廻しノ を考 えたい。 これ らの 合理化 したシ ステムを設計 して, 活用 す るこ と も,一 つ の新 しい調整機 能 とし て評 価 さ れるシ 不テ ムなので はないか。 というこ と力賜 , さ らに二 つ の問題 を考慮 する必要があ る。一一つ は, マネ ジ メント・サ イクル に対 する従来 の把握 方法 を基本的 に組 み直すこ とであ る。 すな わち, それはサ イクル にお け るフィード バ ッ クシ ステムの組 み込 み方 を変 えるこ とで あ る。 図22 は従来 の もの の考 え方であ る, 図22 − (b ) は一 般 によ く知 ら れてい る もので,(a )の方 は その前提 とな る考 えであ る。こ れ に対 して, フィード バ ック, フィード フ ォワード の 方式 を採 り入 れる と図23 の よう に表現で きる。・ 情報 通信技 術 の発展で, この ような方式が現実化 し て きてい る。S の機能 を執 行過程 の中 に組 み込むこ とによっ て, 計画執 行の精
組織化とシステムデザイン考125 度 を高める と考 えるので あ る。 もちろん そのた めには,P −D −S −P の シ ステム化が必要で あ り, 情報速 度 と精 度が一 定水準以 上 に保 た れなけ れば な ら ない。 もう一 つの点 は, 物理的 空間 にお け るネット ワーク とデ ータペ ー スの利 用 方式 が変 るので, こ れに応 じ た組 織管理 へ と考 え方が変化 しつつ あ るこ とで あ る。図24 は, 物 理的 空 間 にお け る情報流通 の変化 が, 従来 の もの と異 り, 巨大 なネットワ ークシ ステ ム とし ての空間 の関係 を作 り上 げ てゆ く とい うこ とを表現をしてい る。 そして この システムは, 当初図25 − (a ) の ような星 型であっ た もの から,(b) の よ うにリンク型 を基 本に した もの に展開 しつ つ あ る。つ まり物理的空 間 の関係づ け と切 り方 に変化 があ るので あ る。 そして加 えて, 情報 技術 の面で は, 光マルチメデ ィア等 の進歩 とその 適用 度の広ろ がりか ら√図26 に例 示 さ れてい るような多機 能的 な情報供 給の シス テムも実用化 に向 っ てい る。 これらを考 えて みる に, 組 織行動 のパターンの基 礎 とその 適用 に発展 があ り√ そのこ とが, 設計 の思考 と その実際に影 響を多 分 に与 えてい る。 つ ぎに指摘 さ れるの は, シ ステムが結合 した り,相 互 に関係 を持つ た め に は, システム同士 に同化 さ れた部分 を持つ こ とが必要であ る。 し かし, 非同 化 の部分 もあ り, その故 に システ ムのリンクは難 しい場合 もあ る。 そこで非 同化 の部分の多 いシ ステ ム同 士をつ なぐネ ヅト ワー ク(現 実 には この方 が多 い)の場合,部分的 同化 方法 を講 じな くては ならないo 組 織一般で は,環 境 の同化, 人間 の同 化 が考 え られ るが, 組織 を二 つの シ ステ ム とし,て管 理 ・ 運用 するのに は, どの よ うに同化 を実現す るのであ ろ うか。 ここで は,シ ス テム基準, シ ステ ム要素, システ ム表現 の同化 が まず その第1 歩で あ ろ う。 人間化に見合 う記 号的思 想の拡大 がポ イント なので ぱないか と考 え る。 最後に, シ ステ ム設計 は, その多 くの場合, 限定さ れた空間で 考 え られる が, 非限定的 な空 間で の在 り方, 非限定的 な空間で の作用 を取 り上 げ,兼 討 分析 して,こ れまで の組織 を数 歩前進 させるこ と も抜 き難 い検 討点 と考=える。 図22 マネ ジメン ト・サ イクルPa ) ,pb ) S Tヽ、_ノ D
図9? C ) マ ネジメント・サイ クル の改善 P- →D 今 ↑ 1 1 ︲ 1 1 1 1 L FF en ︱−111 1 1 1 1 1 1 1 J 図25 fa)
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接 続 点 接 続点 S 犬 1411 FB 図24 各 フロ ア間の接続図 1 J図26 光マル チメデ ィア通 信システム 一一 .線 路 ∧電‥話 局 、 〈 想 定 さ れ る サ ー ビ ス 〉 ・ 動 画 の 放 送 ・ テレ ビ リ ザ ベ ーシ ョ ン ・ 高 品 位 静 止 画 ・ デ ー タ 伝 送 ・ フ ァ ク シ ミ リ 伝 送 線 路 ・PCM 音 楽 ・FM 音 楽 ・VRS ・ キ ャ プ テ ン ・ 音 声 組 織 化 とシ ス テ ムデ ザ イ ン 考127 ビ ル 内 の テ ナ ン ト あ る い は 加 入 者宅 音 声 多重 型 ニ ュ ー メデ ィ アTV デ ー タ 端 末 機 (注1) オート メー ション は,プ ロセ ス・オートメ ー ショ ン とメカ ニカル・ オート メ ー ショ ン, そしてオフィ ス・ オー トメ ー ショ ン に分 けられ, この うち前二者 の生産現場で のオートメ化形 態で あ る。 こ こで は, 作業 と工 程 の改 善 と機械 化 からの問題の提示 とい うこ とで, メカ ニ カル・ オートメ ーションを採 り上 げた。 今 日で はこ れ らの工程 は, コンピ ュ ータ によっ てコント ロールさ れ,FA 的OA へ と進 んで い る。 (注2 ) こ こで主 張 す る点 は, シ ステム設計 とシステ ム設定 が, 生産様式 を 決定 し,生 産 行動・行為 を決 定 するから,個 々 の生 産 活動で はな く,
生産 の方法・方式 を定 め るシ ステム思 考 とそのパ フ ォーマン スを重 , 視 しなけ ればTならない とい うこ とで あ るレ 参考 として, 涌田宏昭著 プ オフ イス・ オート メー ショ ン」 白桃 書房刊昭和55 年, の 第1 章 を 参 照 せ られたし。 一 (注3 )組織 の分析 と研 究に シ ステム ズ・ アプ ローチ が,採 用 されるの も一 つ の証左で あ る と考 え られ る。 注4 ) た とえば,AV 関係で 考 えてみ る と,映 像・音声 ソー スが 複数あ る 場合,通 常セレ クタ ーを使 用す る。 しかし複雑 化す るとコンピュ ー 犬夕利 肝によっ て, このソ フト化 を考 え る。 この ソフト化 ぱ,しつ ぎに コンピュ ータシ ステ ム利 用 のた めの管理技術 の開発を招 くこ とにな る・, といっ た具合の こ とを指 す。 (注5 ) この点を抽象的 に図化 し てみ る と下 記の ように描 くこ とがで き る。 ネットワー ク利用 への移 行 が, 重要 な技術 となっ てゆ く。 ト 発展の流れ 二 工 木ll −..−−.、−」 ︲11 統 合
組織化とシステムデザイン考129 (注6 )従来 ,組織論で は,連 結ピン の考 え方等 の発想 があっ たが, 組織 内 の シ ステ ム相互 に共通項 を作 る とい う組織化 ぱ,組織 システムの設 計時 に導入さ れなければ な らない。 そしてここで は,同化 のサブ シ ステムの実現 が√ より明確 な方法 とい え る。 重要 なのは, 非同化 部 分 の存在であ り, また, あ る同化 の サブ シ ステムは, 他の同化 のサ ブ システムに対 しては, 非同化 の部分 であ るこ ともあ る とい うこ と であ る。