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<シンポジウム10>TIAの新しい概念と対策ねらい

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Academic year: 2021

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50:903

<シンポジウム 10>TIA の新しい概念と対策

ねらい

座長

東京女子医科大学医学部神経内科

内山真一郎

(臨床神経 2010;50:903) TIA は患者や家族に無視されがちであり,医師にさえ軽症 の脳卒中として後回しにされやすいが,発症直後の TIA は脳 卒中の発症リスクが非常に高いことが問題となっている. TIA の新しい定義が米国から提唱されているが,画像診断を 基礎とするか,臨床症候群としての立場を維持するか,持続時 間をどうするかについての国際的なコンセンサスはえられて いない.一方,TIA は急性虚血性脳卒中と同一スペクトラム 上にあることから,TIA を急性脳血管症候群の概念に包括 し,救急疾患としてとらえ,TIA を 24 時間・365 日受け入れ, 早期診断・早期治療により TIA 直後の脳梗塞を予防する救 急診療体制(TIA クリニック)の整備が世界的に強調されて いる.実際,TIA 発症直後は脳卒中の発症リスクが非常に高 いことから,TIA は早期診断と早期治療が重要であり,TIA クリニックでの診療により脳卒中発症リスクをいちじるしく 低下させることができ,大きな医療経済効果が期待できるこ とが EXPRESS 研究や SOS-TIA 研究などの観察研究により 示唆された.TIA 発症後の脳卒中発症リ ス ク の 層 別 化 が ABCD2スコアなどによりおこなわれるようになったが,最近 では MRI 拡散強調画像所見や頸動脈病変の画像所見も加味 したスコアがさらに感度や特異度にすぐれているという報告 もみられるようになった.昨年,米国心臓協会と米国脳卒中協 会は TIA 診療ガイドラインを発表したが,我が国でも脳卒中 治療ガイドライン 2009 で TIA は独立した項目として記載さ れた.発症後 7 日以内の TIA または軽症脳梗塞を 5,000 例登 録し,5 年間追跡調査し,心血管イベントの発症リスクを評価 するとともに,TIA 救急診療体制の現状を国際比較する国際 共同観察研究(TIAregistry.org)が日本も参加して開始され, 国内でも TIA の定義・診断・治療の現状を調査する全国多 施設共同研究が厚労科研により開始された.今まさに「Time is TIA」である. (受付日:2010 年 5 月 22 日)

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