制度と規範をめぐる一考察
著者
今村 薫
雑誌名
名古屋学院大学論集 人文・自然科学篇
巻
43
号
2
ページ
35-44
発行年
2007-01-31
URL
http://doi.org/10.15012/00000840
Copyright (c) 2007 今村薫名古 屋学 院大学論集 人文 。自然科学篇 第43巻 第
2号
(2007年 1月)制度 と規範 をめ ぐる一考察
今
本
寸
薫
1
は じめに
私 はカ ラハ リ狩猟採集民 (グイ とガナの2 言語集団)の
「分配 と協同」 について行動 と 物質の流れか ら分析 したことがある (今村, 1993)。 この論文において,
これまで,肉
の分 配などの物質的側面のみに注目されがちであっ た シェア リングに,「活動の共有」 という概念 を取 り入れることで,社
会的次元で も相互交渉 が同時進行 していることを指摘 したのである。 そ して,行
為や物質の分かち合いを統御するシ ステムを「 シェア リング・ システム」 と名づけ た。 さらに, このシェア リング・ システムの適用 範囲の考察をすすめ,グ
イ/ガ
ナの食物分配だ けでなく,婚
姻,儀
礼,民
族生殖理論を,一
つ の シェア リング・ システムに位置づ けた (今 村,2007)。 この論考において,食物分配は「 自 然資源の共有」の系に,婚
姻,儀
礼,民
族生殖 理論は「身体資源の共有」の系にと,
シェア リ ング・ システムは大 きく二つの系に分けられ, これ ら二つの系はパ ラレルな関係にあることを 示 した。 シェア リング・ システムが目指 しているもの は,「資源の最大の共有」である。彼 らの社会 全体を見渡せば,「誰 と共有するか」 という食 物資源をめ ぐるテーマは,結
婚,儀
礼,民
族生 殖理論において も,そ
のまま焦点 となる事柄で ある。すなわち,そ れぞれの場面において,「誰 と性関係を共有するか」「誰 とともに儀礼を行 うか」「誰 と子 どもを共有するか」 という具体 的な問いを,個
々の相互交渉に投げかけるので ある。 一方,食
物分配 と婚姻規則の二つの制度は, それぞれ,「資源の独 占」を一定のルール下に 認めており, この制度が埋め込まれているシス テム全体の目指す「 シェア リング」 と相反する 関係にある。 本稿は,制
度 と規範の関係を,グ
イ/ガ
ナの 事例を詳細に分析することで明 らかにする。 さ らに,人
類進化論の立場か ら,
レヴィ=ス
ト ロースが提唱 した「婚姻連帯の理論」,ま
た, 類人猿段階における「規則に従 う」相互交渉の 萌芽についても検討する。2
自然資源の共有
(1)食
物分配 狩猟採集民 の社会 は「平等主義的」であると いわれてお り,そ
の平等主義の例 として,
しば しば狩猟で獲れた肉の分配 について言及 されて きた。 グイ/ガ
ナの場合,エ
ラ ン ド,ゲ
ムズボ ッ ク,ハ
ーテ ビース トな どの大型獣 の肉 は,ま
ず,狩
猟 に参加 した男性 の間で第一次 の分配が 行われ る。 この とき,狩
猟 に参加 していな くて も,騎
馬猟 における馬 の持 ち主 には肉が分配 さ れ る。 さらに,第
一次の分配を受 けた家族 は,身近 な親戚や友人へ と第二次 の分配を行 う。 こ の段階で
,妻
の両親,つ
いで,夫
の両親が優先 され る。 ここまでは,ル
ールに沿 ってほぼ自動 的 に肉が分配 されてい く。 以上のよ うな「義務的な分配」のあとに,個
人同士の関係 によって さらに肉が再分配 されて い く。 このよ うなや りとりを私 はとくに「 自発 的 な供与」 と呼んでいる (今村,1993)。 分 け 与 え る相手 は,一
緒 に採集 に行 く仲間など,
日 常 の付 き合 い方 で決 ま り,状
況 に応 じて「分 け る」「分 けない」の判断 は揺れる。 供 与された肉 は,各
小屋でい ったん料理 され てか ら皿 に入 れて知人 の小屋へ運 ばれ る。 ま た,そ
の場 にいた同 じキ ャンプに住む人や他の キ ャンプか らの訪問者 には,た
とえ一 口であ っ て も料理が分 け られ る。こうして,最終的にキ ャ ンプ全体 に, さ らにキ ャンプを越えて肉が配 ら れ ることになる。 また,女
性 たちが,各
人が採集 した食物を持 ち寄 って,一 つの鍋や日で混ぜ合わせて料理 し, そのまま一緒 に食べた り,配
りなお した りす る ことが よ くある。食物分配 において,「 持て る 者か ら持 たざる者へ」食物が配 られ ることが, これまで強調 されて きたが,
この事例のように 「 各 々が持 って い る ものを,一
つ に混ぜ合わせ て,配
りなおす」,す
なわち,量
的 には増 え も 減 りもしないが,質
的に異 なるものを新 たに作 り出す という作用 もまた シェア リングの重要 な 側面 である。(2)協
同作業 グイ/ガ
ナの人々が,食
べ物を頻繁 に分 け 合 ったり,鍋
や臼などの道具を借 り合 ったりす る様子は,物
質面での「分かち合い」の一例で ある。また,行
動面での分かち合いとして,
日 常生活のさまざまな場面で「協同作業」や「手 伝 い」が見 られ る。 狩猟 において,獲
物 を複数で挟み撃 ち した り して役割分担 を行 う。倒 した獲物 を解体 す る と きには,数
人 の男性 が協 同で作業 をすす め る。 また採集活動 は,協
同作業 を とくに必要 と しないに も関わ らず,女
性 は採集 に集団で行 く ことが多い。採集現場ではとくに協同作業 は行 われ な いが,「 野草 を摘 む」「 根 茎 を掘 る」 な どの個 々の行動が競 い合 うように同時発生 して お り,結
果的に収穫量が増 え る傾向がある (今 村, 1993)。 女性 たちが協同作業 を行 うのは,小
屋を建て るときである。 ブッシュで建材 を伐 り出 してか ら,キ
ャンプ内で建材を組み合わせ,草
で ドー ム型の小屋全体を葺 いて完成 させ るまでを,複
数 の女性 が協 力 し合 いなが ら行 う。 男女 を問 わず,皮
細工 や ビーズ製品 な どの工芸品作 り(1) を,手
伝 うことはよ く見 られ る。 お もしろい こ とに,そ
の「製作者」 に頼 まれ もしないのに勝 手 に他 の人々が次 々 と交代 して製作を続 け,つ
いにその工芸品を完成 させることもよ くある(2: これ らの協同作業 に共通 しているのは,誰
か が指揮を とった り作業の方向付 けを行 っていた りす るのではな く,参
加者がそれぞれ 自発的 に 自分 の役割 を見 出 して行動 して い る ことで あ る。 このようなことが出来 るのは,作
業の全体 像や完成図を参加者全員が共有 しているか らで あろ う。 また,彼
らの行動 には,
きわめて高い同調性 が見 られる。採集の ときに,個
々の行動が同時 発生 して いた り,「 一箇所 に集 めて は,取
りに 行 く」 とい う周期が一致 していた りと,同
型的 に同調 しているだけでな く,相
手 の動 きに合 わ せて応答的°に同調 している。 このような同調 性 は,
ともに居 るとい う感覚 を促 し,「 採集」 「料理」「 小屋作 り」 とい った一つの意味のあ る制度 と規範 をめ ぐる一考察 場を形成する基盤 となっている。 彼 らが協同作業を行 ったり集団で行動を共に したりしても
,報
酬が得 られることはほとんど な く,
この協同性を「労働 と報酬」 という文脈 で理解することはできない。ただ,い
つ も行動 を共にすることは,その人 との社会関係を深め, 結果的に食物供与の機会が増えることは充分に ありうる。たとえば,「自発的な供与」におい て,高
い頻度で食物を分け与え られる人は,姉
妹などの近縁者だとは限 らず,む
しろ「採集に 一緒 に行 く仲間」であったり「 キ ャンプ内で 長時間共にいる間柄」の人なのである (今村, 1993)。 しか し,だ
か らといって「行動を共有するこ と」 と「食物を共有すること」が原因と結果 と して直結 しているのはな く,全
体を統御する1 つのシステムの要素 として位置づけるべきであ り,
システムを介 して協同と分配が相互に連関 しているのである。(3)分
配と協同をめぐるシェアリング0システ ムのモデル ここで,分
配 と協同を統御す るシェア リン グ・ システムのモデルを提示する。中心に焦点 となるイベ ントを置 き,そ
のイベ ントの当事者 か らの社会的距離を同心円で描 く。社会的距離 は,実
際のキャンプ間の距離のように空間に反 映される場合が多い。焦点となるイベントとは, たとえば「倒 したばかりの獲物の肉の分配」な どである。 肉の分配を例にとると,肉
は,第
一次分配, 第二次分配をへて,
日常的な付 き合いに基づ く 「 自発的な供与」へ,さ
らに,料
理 されて,そ
の場に居る人々すべてへの供与へと,同
心円状 に対象範囲は広がっていく。 このシステムは,全
体 として「 自然資源の最 大限の共有」を目指 している。最大限の共有 と は,あ
る資源を,よ
り多 くの人々で利用すると い うことである(4)。 た とぇば 100キ ロの干 し肉 は,500人
の人 に分 け られ るポテ ンシャルがあ る。 一 方,そ
の潜在的可能性 に比 べれば,第
一 次,第
二次分配 での義務 的分配 で はせ いぜ い 20人に分 け られ る程度であ り,「 肉を限 られた 人 々で所有 している」,「 肉を充分 に分 けていな い」状態 にある。 この平面 の,そ
れぞれの社会的距離 にある人 が,焦
点 となる資源を「他の人 と共有で きる可 能性 の度合 い」を「共有度」 として,平
面か ら 垂直な座標を立 ち上 げる。 このモデルを立体で 表 す と,中
心部 は,「 占有」 によ って落 ち窪ん でいるが,中
心か ら少 し離れた「 自発的供与」 で最大の高 さにな り,そ
こか ら裾野へ となだ ら かに広が ってい く「ババ ロア型」のような形 に な る。 この よ うな シェア リング・ システムの中心 部 に「分配 (第一次,第
二次分配)」 とい う制 度 が埋 め込 まれて い る。 この制度 は,「 肉 は決 め られた相手 に分 けなければな らない」 とい う ルールによって成 り立 っているが,同
時 に,規
則 によ って決 め られ た人 々に よ って資源 を独 占す ることを,一
時的 にせよ許 しているのであ る。 この制度 は,「 親族組織」 などの別 のルー ルを参照 しなが ら,「分 ける相手」 と「分 けな い相手」 に対象を分節化 している。 また,肉
は 所有者の名前 とともに,一
方 向的に持て る者か ら持 たぎる者へ と流れてい く。 一方,
シェア リング・ システム全体 は,「 よ り多 くの人 と分かち合 う」 ことを目指 している ので,い
ったん独 占された自然資源 は,繰
り返 し行われる再分配 と自発的な供与 によって,
こ の システムに関与す るすべての人に行 き渡 る。同 じ種類 の食物が二者間で行 き来 した り
,複
数 の人 々が 自分 の食物 を混 ぜ合 わせてか ら分 け 合 った りして,資
源の流れ よ りも,や
り取 りし 合 っていること自身が彼 らにとって意味を持つ ことになる。3
身体資源の共有
(1)結
婚 とザークー 誰 と性関係を結ぶか どの社会 に も,一
定のルールに したが った婚 姻制度が存在す るが,
もちろん グイ/ガ
ナの社 会 に も,結
婚 のためのルールがある。 と くに,最
初 の結婚 は,望
ま しい結婚相手(5) を女性の両親を中心 に親族が選 び,男
性 は,結
婚前 に女性 の両親 に肉や毛皮 を贈 った り,狩
な どの さまざまな仕事 を手伝 った り して ブライ ド・ サ ー ビスを提供 しな ければな らない。 ま た,30年
前 まで は女性 は初 潮前 か ら婚約者 が 決 め られてお り,初
潮儀礼の中に結婚の儀礼が 組 み込 まれていた。 結婚生活 は,基
本的 に一夫一妻 で,一
つの小 屋 に同居 し,性
関係を夫婦の間だけで持 ち,夫
が獲 って きた肉,あ
るいは他か ら分 け られた肉 と,妻
が採集 して きた食物(6)を妻 が料理 して家 族で食べ,夫
婦で子 ど もを育て るのが典型であ る。 しか し,一
方で グイ/ガ
ナの社会 は,既
婚者 が 自分の配偶者以外の相手 と性関係を結ぶ こと をなかば公認 してお り,
このような婚外の性関 係 を「 ザーク」 という。 ザ ークの理想形 は,2組
の夫婦4人が同意 し て互 いの配偶者を交換す ることで「小屋を共有 し合 う」 と表現 され る。 しか し,
この4者の う ち一人で もザークに反対す ると,大
人 たちおよ び,そ
れぞれの子 どもたち全員が,一
気 に「汚 れた状態」にな り,激
しい頭痛や腰痛,下
痢, 食欲不振が続 き,最
悪の場合は弱い子どもたち か ら死んでい くとされる。 そのため,ザ
ーク に際 して,「汚れ」による病気の治療および予 防 として,儀
礼がお こなわれ る。儀礼の方法 は,子
どもたちを含む関係者全員で,大
人たち の血 と尿を共有するというものである (今村, 2001)。 すべての儀礼において重要な「薬」は,血
, 汗,尿,唾
液,垢
などの人間の身体に由来する 物質である。 これ らの「身体分離物質」を,儀
礼 の参加者の身体か ら取 り出 し,一
箇所 に集 め,
これを参加者全員に配 りなおす。 このよう に「同 じものを交換する」 ことは,食
物の分配 のときにも見 られる。 この「汚れ」の儀礼は,結
婚の儀礼 と非常に よく似ている。男女が初婚の場合は,儀
礼に尿を使わず血のみを分け合う
(7tしかし
,再
婚の
ときは,ザ
ー クのための「汚れ」の儀礼 とまっ た く同 じことを行 う。儀礼の形式か ら見 ると, 「再婚」 と「 ザーク」 は同 じなのであ る。 また,「 ザークの中には結婚が含 まれ る」 と 彼 らが言 うことがあ ることか らわか るよ うに, 結婚 とザークは対立す る概 念で はない。伝統的 な考え方では,ザ
ークの ことを「大 きな結婚」 とも表現 し,一
組 の男女 の結婚 よ り,む
しろ望 ま しい もの とさえ見なされていた。かつては, 三組以上 の夫婦がザーク関係で結ばれることも 実際にあ ったのである(8)。 シェア リング・ モデルを性的関係 に適用す る と,中心部 に「結婚」が くる。「結婚」とくに「初 婚」 は,親
族関係 に基づいたルールによって配 偶者が決 め られ,性
交渉 は配偶者間に限定 され る。 したが って,「 性関係 の共有度」 はゼ ロに まで落 ち込む。 その外側 に,「 再婚」が,次
に「 ザーク」が 位置 し,ザ
ークにおいて,性
関係 の共有度 は最制度 と規範 をめ ぐる一考察 大 になる。 さらにその外側 に
,さ
まざまな性的 関係が広が っているが,関
係 にお ける不安定性 と隠匿性 によって,共
有度 は低下す る。(2)儀
礼― 「水」の共有 グイ/ガ
ナは,儀
礼のことを「治療」 と呼ん でおり,子
どもの誕生,結
婚,初
潮などの人生 の節 目,
タブーにしていた動物の肉を食べると き,狩
猟が成功 しないとき,重
い病気や突発的 な事故に遭 ったときなどに,儀
礼をおこなう。 これ らの儀礼には,い
ずれも「薬」が必要で ある。薬の材料 として,植
物の根や動物の蹄を 焼いたものなどと,血,汗,尿,唾
液,垢
など の人間の身体か ら取 り出 した物質を用いるが, 「薬効」が強力なのは,身
体か ら分離 された物 質のほうであるとされる。 これ ら身体分離物質 は,す
べて一つの力の源から発 しており,同
一 のものが,形
を変えて身体を駆 け巡 っていると 考え られている。彼 らは,この物質のことを「水」 と呼んでいる (今村,2001)。 親子,キ
ョウダイ,夫
婦,愛
人関係などのな ん らかの関係がある人々の間では,
この「水」 が共有 されている。「水」は各々の身体の中に 蓄積 された「物質」であり,ま
た,人
と人をつ なぐ「関係性」で もある。 ザーク関係が結ばれた場合,ザ
ークの男女だ けでなく,各
々の配偶者 と子 どもたちもが,
こ の「水」によって繋がることになる。そ して, 人々のうちの誰か一人でも,嫉
妬や憎 しみよっ てザークに反対すると,た
ちまち全員の「水」 は「汚れた状態」になり,「汚れ」 という病が 全体に一気に拡がる。「汚れ」 は,病
原菌のよ うな物質ではな く,人
々の関係の性質のことな のである。 そこで,治
療のために,汚
れの儀礼がおこな われる。「関係性」「つなが り」 という見えない ものを,各
々の身体か ら身体分離物質を取 り出 すことによって目に見える形に し,そ
れらを混 ぜ合わせることで,「汚れた水」を「強力な薬」 に変化させる。そして,そ
れを各人の身体に戻 すことで人々の関係を修復する。 血,汗,尿,唾
液,垢
などの身体か ら取 り出 した物質は,重
要な儀礼資源である。また,
こ れ らの総称である「水」は生命力そのものであ り,男
女間の性関係だけでなく,生
命の誕生, 子 どもの成長,初
潮,結
婚,老
成など,人
生の 全期間を通 じて人々の間で交換されたり,蓄
積 されたりする。 したがって,人
生の節 目を通過 する際や社会関係の葛藤が生 じるたびに儀礼が 行われ,薬
へと変容させた「水」を人々の間で 共有することが, これ らの儀礼のおもな目的と なるのである。(3)生
殖理論一 子どもの共有 既婚女性のザークによって子どもが生まれた 場合,
この子 どもの父親は誰 と見なされるので あろうか。 グイ/ガ
ナの民族生殖理論によると,子
ども は「男の水」 と「女の水」が混ぜ合わさってつ くられる。男の水 とは精液のことであり,女
の 水 とは羊水および腔内の分泌液をさす。継続的 な性交渉によって「男の水」は,少
しずつ子宮 に溜められていき,子宮の中に「男の水」と「女 の水」が「満たされたとき」,や
っと胎児の形 成が始まる(9)。 「男の水」は胎児の食べ物で もあるので,妊
娠中 も性交渉によって胎児に男の水を与え続け なければならない。夫が妻のザークに怒 りなが らも,生
まれてきた子 どもに愛情を注いで扶養 する行為 と,妊
娠中に胎児に「男の水」を与え ることは,同
じだといわれる。ただ し,食
べ物 にも「薬」 と「毒」があるように,怒
り,嫉
妬
,憎
しみなどによ って「汚れた」水を与え る と,毒
とな って胎児 に悪影響を及ぼす とい う。 ザークによって一人の女性が,夫
と愛人の二 人 の男性 と性交渉を持 って子 どもが生 まれた場 合,彼
らは これを,「 夫 と愛人 の二人 の男 の水 が混 じり合 って,一
人 の子 どもを生み出 した」 と説 明す る。 しか も,「 水」 は,身
体 の中 に蓄 積 され るものなので,妊
娠 中に性関係がなか っ た男性の水 も,過
去 の性行為 によって,子
ども の形成 に関わ っているとされ る。複数の男性が 子 ど もの誕生 に関わ って い ると考 え られ る場 合,そ
れ らの男性 の影響度 は,「 大 きい」「小 さ い」程度 の違 い と して認識 され る (Imamura, 2001)。 子 どものペイ ター (社会的父親)は
,母
が結 婚 して いる男性 (夫)た
だ一人である。一方, ジェニ ター00には,母
の愛人 だけでな く,母
の 夫 も矛盾な く含 まれ る。 さらに,場
合 によ って は,母
が過去 に性関係を持 ったことがある,す
べての男性 もジェニターにな りうるのである。 この ことを シェア リング・ システムに当ては め ると,(1)節
で指摘 した「性関係の共有」の モデルと一致す る。 この システムの目指す もの は,「 いかに して多 くの男性 が子 どもを共有す るか」ということであ り,子 どもか ら見れば「 い かに して多 くの父親を持つ ことになるか」 とい うことになる。4
考察
(1)シ
ェアリングの本質 グイ/ガ
ナの食物分配,協同作業,婚姻,儀礼, 生殖理論をめぐるさまざま社会交渉をシェア リ ング0システムに位置づけて彼 らの社会を考察 した。食物分配 と協同作業は「 自然資源の共有」 という一つのまとまった系に,婚
姻,儀
礼,生
殖理論は「身体資源の共有」の系に属す。ただ し, たとえば,結
婚あるいはザーク関係を結んだこ とを契機 に男性が狩場を増やす ことがあった。D ように,
この2つの系は相互に関連 している。 これ らの系の総体であるシェア リング0シス テムが目指 しているものは,「資源の最大の共 有」である。 このシステム内では,で
きるだけ 多 くの人が資源を共有できるよう,多
くの人を 巻 き込む方向へ相互交渉がすすんでいる。それ は,過
剰な人数の参加であったり,過
剰な関与 であったりして,一
つの意味のある場を形成す る。 物質の流れだけに注目すれば,食
物は何度 も 繰 り返される再分配 と供与により,よ
り多 くの 人に分けられ,所
有 され,最
後に消費される。 このプロセスには,「各々が持 っているものを 一つに混ぜ合わせて,配
りなおす」という行為 も含まれる。 ここで,「シェア リングの本態」について整 理 したい。 これまで,
シェア リングは,「分配 行動」 といわれるような「食物を乞われた個体 が他の個体に食物を分け与える行動」 として理 解されることもあれば,分
配による「物質の平 準化」を強調 されることもあり,ま
た,物
質 レ ベルよりも,「や りとりする社会的関係」その ものに注 目する見方など,い
ろいろな角度か ら 論 じられてきた。 しか し,少
な くともグイン/´ガナ社会における シェア リングとは,共
有できるポテンシャル, すなわち,「シェアーできる」「参加できる」可 能性が社会全体に満ちていることであると私は 考える。 これは,個
人 レベルでは,自
分の行動 を決定するときの「 シェアーできるはずだ」 と いう確信を支える潜在性であり,社
会の レベル では,成
員の生存を救い上げようとする社会全 体のポテンシャルである。制度 と規範 をめ ぐる一考察 性的交渉において
,ま
た,儀
礼においては, 各人がすでに所有 している身体資源を,一
つに 混ぜ合わせて,配
りなおすことで多 くの人 と共 有 しようとしている。 とくに,
この「混ぜ合わせ る」行為 によっ て,物
質の性質が飛躍的に変化すると考え られ ている。たとえば,「汚れ」の儀礼においては, 血や尿などの身体分離物質を各々の身体か ら取 り出 し,混
ぜ合わせ るとい う行為を経 ること で,そ
の物質は「薬」に変わると信 じられてい る。彼 らが「最 も汚れているものが,最
も強力 な薬になる」 と表現するように,そ
の変化は劇 的な質的転換 といえよう。 自然資源の共有 と身体資源の共有の2つの系 を並べることで,
シェア リングの本質は,資
源 をより多 くの人 と共有するだけでなく,そ
れ ら の資源を混ぜ合わせることによって,ま
ったく 別の新たな物を創 り出そうとする力であること がわかる。 これはグイ/ガ
ナの社会を生成する 推進力にもなるのである。(2)規
範の発生 人 間社会が,「 自然」か ら切 り離 された独 自 な もの として移行す る,そ
の時点での特徴 とし て レヴィ=ス
トロースが提唱 した「婚姻連帯の 理論」 はあまりにも有名である。 この理論 は, イ ンセス ト禁忌 (タブー)を
自然か ら文化 にお ける「根本的手続 き」 とした上で,人
間が 自然 に介入 して秩序 を もた ら「規則」なのだ とした (レヴ ィ=ス
トロー ス,2000)。 そ して,
この 規則 によ って,「 娘 や姉妹 をよその男の もとヘ 婚 出させ ることを強制 し,か
つ また このよその 男 の娘 や姉妹 を権利 の対象 に変え る」 とい う意 味で,イ
ンセス ト禁忌 は「交換を保証 し基礎づ ける」 ものになると指摘す る。すなわち,イ
ン セス ト禁忌 によ り,集
団間の女性 の互酬的交換 が可能 にな り,外
婚単位 の集団間 に連帯が生み 出 され るとい う。 私 は,狩
猟採集民研究 との関連か ら,
レヴィ=ス
トロースの理論 の中の2つ の点,つ
ま り, イ ンセス ト禁忌 と婚姻制度の成立,お
よびに互 酬性 と食物分配 の関係 につ いて注 目 したい。彼 の理論 をあえて簡略化すれば,「 イ ンセス ト禁 忌」がまず最初 にあ り,そ
れに保障される形で 「互酬 的交換」が成立 し,そ
れによ って「食物 分配」 も可能 になるとい うことであろ う。 イ ンセス トについて は霊長類学的研究の蓄積 によ り,多
くの霊長類社会でイ ンセス トが回避 されていることが明 らかにな った。 とくに類人 猿 の社会 において は,メ
スの移籍 によって,結
果的に父娘間や兄弟姉妹間のイ ンセス トが回避 されてお り,そ
れ によ って「外婚的」 な配偶パ ター ンが成立 している。 また,相
手 に対す る相 互 の識別 に もとづいて母息子間や同母兄弟姉妹 間のイ ンセス トが「心理的」 に回避 されて いる ことが指摘 されている。つま り,イ
ンセス トの 回避 は人間以前 の社会 にすでに存在す るのであ る。 ただ し,今
日で は多 くの研究者が,自
然状態 で「 回避」されていることと,制度 として「忌避」 され ることの違 いを強調 し,す
で に類人猿段階 で実行 されていたイ ンセス ト回避を,人
類が明 文化す ることで制度化 したのだ と考えている。 食物分配 については,
レヴィ=ス
トロースに よれば,イ
ンセス ト禁忌 という規則が成立 した 後 に,互
酬性,そ
れ も,「 損得上 のバ ランス」 によ って支え られた双方向的な ものが想定 され ている。 しか し,類
人猿段階か ら認め られる食 物分配 は,規
則以前 の ものであ り,し
か も,「持 て るものか ら持 たざるものへ」の一方向的な も のである。 北村(2003)は
,霊
長類 の社 会 と人 間 の社会 を比較 して,「 規則 に従 う」 とい う現象 の成 立 を基礎的な もの として仮定すれば,「 イ ンセ ス ト禁忌」 も「 食物分配」 も説明で きると主 張 している。北村 は
,人
間の結婚 の規則 につい て,「 結婚 しているペアによる独 占的 な性交 を 正 当な もの とす る」 という想定を人びとが共有 す ることによ って,人
間家族が,複
数 の家族が 集団内に共存す るとい う形態で成立 した。 「規則 に従 う」 とい う現象 の成立 は,無
秩序 か ら秩序への移行 というような,
ごく高 いハー ドルを越えることを意味 しているのではない。 食物分配のような,資
源 の獲得 をめ ぐる利害 の 対立 を穏 当 なか たちで解消す るときに,「 そ う すべ きだか らす る」 とい う「第三者的な想定」 をメ ンバ ーが共有す ること, この成立 を もって 人間社会をそれ以前の社会か ら区別 しうるのだ とい う (北村,2003,23-24)。
(3)規
範から析出 した「制度」 食物分配 と婚姻規則は,集
団の成員の行動を 規制する「制度」であり,ど
ちらも,所
有者を 限定する機能がある。 これ らは,そ れぞれ,「自 然資源の共有」「身体資源の共有」 というシェ ア リング・ システムの中心 に埋め込 まれてい る。 シェア リング・ システムは,一
種の規範で あり,そ
の「規範」の中か ら「制度」が析出 し たと私は考える。制度は規範 とは相反する方向 へ,具
体的な相互交渉を導 こうとする。 グイ/ガ
ナは,食
物分配の第一次分配,第
二 次分配などの初動の分配においては,自
分の権 利を強 く主張する人々である。分配 されるはず のところへ干 し肉が分けられなかった場合,当
事者は人差 し指をつき立てて分けなかった者を 厳 しく非難する。 しか し,そ
うやってわざわざ獲得 した肉 も, 一瞬のうちに「所有者」の目の前を通 り過 ぎて 別 の人 々に配 られてい く。 さ らに料理 された肉 は,そ
の場 に居 る者すべてに供与 される。 この料理の供与 における相互交渉 は,さ
きほ どの分配場面 とは打 って変わ って抑制が きいた ものであ る。供与の場 にいた「客」 は,そ
こに 集 まっているメ ンバーの顔ぶれなどか ら, 自分 がふ さわ しくないと自ら判断 した場合 は,黙
っ てその場 を立 ち去 る。 また,料
理 を分 け与える 側 も,
自分 と客 の「 中間地点」 に,料
理が盛 ら れた容器をそっと置 く。客 も主人 も,「分 ける」 「分 けない」,「受 け取 る」「受 け取 らない」 の決 定 を相手 に委ねているのである。 さ らに,肉
の量が多 いとき,あ
るいは,採
集 物 の料理 においては,与
えた相手か ら同種の食 物 を受 け取 った り,互
いの食材を混ぜ合わせて 一 つの料理を作 って配 った りする。 このような コムニ タス的食物分配 (黒 田,1999)に
お い て は,「 食物 の平準化」や「所有物 の移動 にと もな う負債の感情」などの経済的 。社会的機能 は持たず,た
だ,「 や りとりしている」「参加 し ている」 とい う行動 自体 に意義がある。 この行 動 によって,
シェア リング・ システム内にいる 仲間 とい う共同体意識が形成 され るのである。 以上 のよ うに,食 物の分配 。供与 においては, 「 決 ま った人 に分配 し所有者 を決定す る」 とい う制度 に基づ くもの と,「 で きるだけ多 くの人 に供与 し,所
有者 を無化す る」 とい うシェア リ ング oシ ステムによる方向付 けの,相
反す る二 つの行動原理の綱引 きの中で具体的な交渉が行 われ る。 性的交渉の文脈 において も,婚
姻規則 に基づ いた「性 (あるいは身体資源)の
独 占」と,シェ ア リング・ システムによる「 より多 くの人々と の性の共有」の二つの原理が存在す る。 その結果,「「結婚」「婚外」 とい うカテゴ リー の境界が非常 に曖昧な ものになる。制度 と規範 をめ ぐる一考察
(4)制
度の構造的強化 食物分配 と婚姻制度 は, どち らもシェア リン グ・ システムか ら析 出 した ものであるが,制
度 によ って「所有者」を明確 に したことで, シェ ア リングにおいて「だれそれの肉」などの名前 が付随 したまま分 けられることになる。つまり, 社会的次元での交渉が複雑 になる。規範 は制度 の成立 によって,よ
り多層的な ものになるので ある。 また,食
物分配 と婚姻 とい う二つの制度 は, どち らも親族関係 という別の体系を参照 してい る。 これによ って制度 は構造を もち,
シェア リ ング・ システムか らなかば独立 した系を形成 し ているといえ るだろう。 しか しなが ら,グ
イン/′ ガナの親族組織 は曖味な部分を残 してお り,明
快 にカテ ゴライズで きるもので はない。それは, 親族名称が,ザ
ーク関係 に影響 されるか らであ る。つまり,エ
ゴの父親 あるいは母親のザーク 関係 をどこまで拡 げるか によ って,エゴの「 キ ョ ウダイ」の範囲 もともに拡大す るのである。 あ るときはキ ョウダイであ ることを主張 して 食物 の供与 を受 け,別
の ときには,キ
ョウダイ で あ るため に結婚 の対象 か らはず された りす る。 また,
このような親族名称 も,別
のルー ト をたどることによ って,い
とも簡単 に別の親族 関係 にたど り着 くことが出来 る。 この よ うに,融
通無li尋な制度 とシュア リン グ 0シ ステムは,互
いを前提 として寄 りかか り なが ら彼 らの社会の規則であ りつづ けるのであ る。(5)権
威による制度化への危惧 グイ/ガ
ナの制度は,そ
れ自身の範疇化に曖 昧な部分を残 しており,ま
た,規
則に反 したと きの罰則 も「非難 される」程度にとどまってい る。 これは,彼
らの社会には権威 というものが 存在 しないか らである。権威のもとに,カ
テゴ リーAと
ノットAに
世界が三分されることがな い。 規則の発生,規
範化,規
範の中か らの制度の 発生,制度の明文化,構造化,法 の成立などの, いくつ ものプロセスを経て,現
代の人間の社会 は秩序を構成 し共存をはかっている。グイ/ガ
ナの社会 も,別
のシステムを選びえた可能性を かいくぐって現在の姿で機能 している。規則, 規範が異なれば,貧
富の差などの経済状況,男
女の関係,生
業への取 り組み方,土
地の所有, 疾病観,集
団のまとまりなど,す
べてにおいて 別の社会であっただろう。彼 らの社会は,権
威 というものが発生するのを燿れ,そ
の手前で踏 みとどまることを選んだのである。 註 (1)北欧諸国などの海外か らの資金援助を受 けたボ ランテ ィア団体が,グ
イ/ガ
ナなどの遠隔地居 住者に現金収入の機会を与えるため,彼らの作 っ た狩猟採集道具や皮の敷物, ビーズ細工 などを 買 い付 け,それを観光客 に土産物 として売 って いる。 (2)彼らはこれを「作 って与える」(または, こなれ た日本語 にすると「作 ってやる」)と表現する。 (3)「同型的」あるいは「応答的」な同調行動 につい ては,市
川 (1975)を参照 されたい。 (4)こ こでは,利用す る資源の量 についてはとくに 言及 しない。一回 ごとの肉の分配 と供与 につい て考えれば,それは,「限 られた」資源である。 しか し, このよ うなイベ ン トが何回 も続 けば, 当然,利用する資源の量 も増える。 (5)互いの親族関係がイ トコ(交叉 イ トコ)の範疇 に入 り,と くに男性 は,優秀なハ ンター(現在 は, 現金の稼 ぎ手)であることが条件である。 (6)狩猟 は男性,採
集 は女性 とおおまかな性別分業 があるが,夫
婦で民猟に行 った り男性 も採集を行 った りと
,性
別 による分業 は排他的な もので はない。 (7)したが って,結
婚の儀礼 の ことを,と くに「血 を混ぜ合 う」 と表現する。 (8)私が聞いた範囲では,3組
の夫婦 (一夫一妻が2 組 と一夫二妻が 1組)7人
が,1967年か ら1971 年 ごろまでの間ザーク関係 を続 け,この間に4 人の子 どもが生 まれた (Imamura,2001)。 (9)彼らの生殖理論 によると,このように「満 たさ れるまでに」,最
終月経か ら約2ヶ 月間かかると い う。 したが って,子
どもは母親 の胎内に7ヶ 月間いて生 まれるといわれる。uO
ジェニターとは,「その社会の生殖理論 により。 女性 を妊娠 させ,その子の父親であるとコ ミュ ニティの成員か ら信 じられている男性 (和田, 1988)」 であ る。 ジェニ ターを「生物的父親」 と訳す ことがあるが, この訳で は,父
子の間に 科学的に遺伝的なつなが りがあるかのよ うに誤 解 され る。 この誤解を避 けるため,和田は,「子 どもとの間に明瞭な生物学的血縁関係があ り, 遺伝子 の継承が認 め られ る男性」 に対 しては, 「生理 的父親 (physiological father)」 とい う分 類名をつけている。 (1)グイ/ガ
ナは,他
のグループの利用を締 め出す ような排他的なテ リトリーを持 たないが,それ で も,よく見知 っている「 自分の土地」 とい う ものは存在す る。引用文献
市川 浩,1975『精神 としての身体』,勁草書房。 今村 薫,1993「サ ンの協同 と分配― 女性の生業 活動の視点 か ら― 」『 アフ リカ研究』 42:1-25。 今村 薫,1996a「ささやかな饗宴 ― 狩猟採集民 ブ ッシュマ ンの食物分配」田中二郎 。掛谷誠 。 市川光雄 。太 田至編『 続 。自然社 会 の人類学 一 変貌するアフ リカ』アカデ ミア出版会 ,51-80頁。 今村 薫,1996b「同調行動の諸相 ― ブッシュマ ンの 日常生活か ら」菅原和孝 。野村雅一編『 コ ミュニケー ションとしての身体』,大
修館書店, 71-93頁。 今村 薫,2001「砂漠 の水 ― ブッシュマ ンの儀 礼 と生命観」田中二郎編『 カラハ リ狩猟採集民 一 過去 と現在』,京
都大学学術出版会 ,175-230頁。IInamura, Kaoru,2001 ``The folk―interpretation
of huinan reproduction among the/Gui and
〃Gana and its implications for father‐ child
relation,''In lan iKeen and′ Ilakako Ylamada eds, Iグ′π′グ″απ′Gι %グ′/づκ″%π′′″gα″グGα′″′″グ″g
Sοοづ′′グ′s(Sι π′づE′″″ο′οg,οα′S′%ググ′s5δ,,
National Museum of Ethnology,(1)saka,
185-194. 今村 薫,2007「シェア リング・ システムの全体像 一 カラハ リ狩猟採集民 の事例か ら」『 アフ リ カ研究』69:113-120。 北村光二,2003「「家族起源論」の再構築― レヴィ =ス トロース理論 との対話」西 田正規・ 北村光 二・ 山極寿一編『 人間性 の起源 と進化』