日本ケアマネジメント学会 第15回研究大会「市民公開講座 〜在宅医療の現状と課題〜 地域で支える 多職種連携の本質を探る」
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(2) 1.研究大会事業の概要 (1)研究大会の名称. 日 本 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト 学 会 第 15 回 研 究 大 会 i n 北 九 州. (2)研究大会のテーマ. すべての人々の明るい未来を目指して ケアマネジメントを担う人々の専門性を探る。アジアへの発進!. (3)開催日時. 平成28年6月18日(土)19日(日). (4)開催会場. 北九州国際会議場(北九州市小倉北区浅野3-9-30) 西日本総合展示場3階AIM(北九州市小倉北区浅野3-8-1). (5)主. 催. 一般社団法人日 本 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト 学 会. (6)共. 催. 北九州市、公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団、NPO法人ケアマネット21. (6)後. 援. 厚生労働省、福岡県 公益社団法人北九州市医師会、一般社団法人北九州市歯科医師会、 公益社団法人北九州市薬剤師会、公益社団法人福岡県看護協会、 公益社団法人福岡県理学療法士会、公益社団法人福岡県作業療法士会、 一般社団法人福岡県言語聴覚士会、公益社団法人社会福祉士会、 一般社団法人福岡県精神保健福祉士会、一般社団法人福岡県歯科衛生士会 一般社団法人福岡県医療ソーシャルワーカー協会、公益社団法人福岡県栄養士会 福岡県老人福祉施設協議会、NPO法人老いを考える北九州家族の会、 NPO法人福岡県高齢者グループホーム協議会、 障害者相談支援ネットワークふくおか、公益社団法人福岡県介護老人保健施設協会 北九州小規模多機能型居宅介護事業者連絡会、 一般社団法人日本介護支援専門員協会、 特定非営利活動法人長崎県介護支援専門員協会、佐賀県介護支援専門員協会. (7)研究大会の内容 日本ケアマネジメント学会第15回研究大会には、介護支援専門員を中心に保健、福祉、医療に携わ る多くの専門職が北は北海道から南は沖縄まで全国各地から北九州市を訪れ、2日間で1,200人を 越える参加者がメイン会場を埋め尽くし、中継会場を増設するほどの盛況であった。 今大会の研究のテーマは、「すべての人々の明るい未来を目指して」~ケアマネジメントを担う人々 の専門性を探る. アジアへの発信~とし、ケアマネジャーの専門性を深めると同時にケアマネジメント. の対象を介護保険制度の利用者にとどまらず、医療、障がいや生活困窮など、支援を必要とするすべて の人々と幅広く捉えた。また、韓国、台湾より講師を招聘し、共に研究に取り組み、その成果をアジア に向けて広く発信していくこととした。.
(3) 2.市民公開講座の概要 (1)講座の名称. 市民公開講座. (2)テーマ. 「在宅医療の現状と課題. (3)開催日時. 平成28年6月18日(土)13:10~14:10. (4)開催会場. 北九州国際会議場メインホール(北九州市小倉北区浅野3-9-30). (5)講座の趣旨. そして今後の方向性」. 地域包括ケアシステムは、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じ て作り上げていくことが求められている。 中でも、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生 の最後まで続けていけるようにするためには、高度急性期から在宅医療・介護まで の一連のサービスを地域において総合的に提供することが出来る体制を構築して いくことがますます重要となっている。 今回実施した「市民公開講座」では、中重度の疾患を抱えながら在宅で生活する ために必要な医療のあり方や状態の急変等により入院する際に受入れ医療機関と 在宅医療チームとの連携等について、市民にわかりやすく説明することで、重度な 要介護状態となっても安心して在宅で医療を受けることができるよう市民理解の 促進を図った。. (6)座. 長. 京極町国民健康保険診療所 ひまわりクリニック京極. (7)講. 師. 所長. 前沢 政次 氏. 厚生労働省医政局地域医療計画課 課長. 迫井 正深 氏. (8)市 民 公 開 講 座 の 内 容 市民公開講座では、座長を日本ケアマネジメント学会理事、(前)日本プライマリーケア連合学会理 事長の前沢政治氏にお願いし、迫井正深課長より①在宅医療を巡る社会的な背景②高齢者のニーズと在 宅医療体制③在宅医療を含めた地域包括ケアシステム構築の推進④在宅医療を推進するための課題につ いて解説をして頂いた。 社会的な背景では、人類史上初の人口の高齢化や少子化の課題について、とりわけ今後は大都市の急 速な高齢化に対して地域医療構想・在宅医療を含めた地域包括ケアシステムの構築を考えていかなけれ ばならないこと。 高齢者のニーズと在宅医療体制では、高齢化や高齢者多死時代に伴う医療費の増大に対応する在宅医 療提供体制の必要性についての説明。在宅医療と地域包括ケアシステムの構築では、「地域」で「包括 ケア」を提供する(サービス提供体制)+「地域」が「包括ケア」(役割分担)を提供することについ て、具体的な取り組み事例が紹介された。.
(4) 在宅医療を推進するための課題としては、医療に「生活視点」が導入できていない課題が挙げられ、 生活視点を導入するためには①視野を広げる(医療は病院医療だけではない)②エリア(地域)を考え る③生活の多様性を考える(⇒多職種)等の手立てについて解説をして頂いた。 迫井課長は医政局地域医療計画課の立場からの講演であったので、地域医療構想、在宅医療中心の内 容であると想定していたが、前老健局老人保健課課長であったとのことで、在宅医療のみならず、地域 包括ケアシステムの構築など、医療以外の様々な生活の場面を支える分野を含む幅広い講演内容であっ た。 その中で、講師の私見としながらも、医療関係者と医療以外の様々な生活の場面を支える異分野・異 業種との交流・連携が不可欠であることを強調され、そのためには、関係者が一丸となった横断的な取 り組みが必要であることのポイントをわかりやすく説明された。 本講座は、市民公開講座とし、ケアマネジャーのみならず、多数の市民、異分野・異業種の参加を募 った結果、会場は中継会場を増設するほどの盛況であり、参加者にとって有意義な内容であったと考え ている。. 3.市民公開シンポジウムの概要 (1)講座の名称. 市民公開シンポジウム. (2)テーマ. 「地域で支える在宅医療. (3)開催日時. 平成28年6月18日(土)14:20~15:50. (4)開催会場. 北九州国際会議場メインホール(北九州市小倉北区浅野3-9-30). (5)講座の趣旨. 多職種連携の本質を探る」. 医療が必要な中重度者や認知症の利用者が増える中、住み慣れた地域で安心し て暮らし、希望に応じて在宅等での看取りを提供するためには、高度急性期から 在宅医療・介護までの一連のサービスを切れ目なく円滑に提供していくことが求 められている。 介護保険利用者の多くは高齢に伴う疾患等で入退院を繰り返しており、医療機 関や在宅において切れ目ない医療・介護サービスが総合的に提供されるためには、 必要な情報を共有するなど、医療と介護の連携をより一層推進していくことが重 要である。 今回実施した「市民公開シンポジウム」では、医療ニーズが高い方の在宅医療を 支えるには、状態の急変等により入院する際に受入れる医療機関と在宅チームなど の多職種連携が必要であるが、こうした連携に係る課題を明らかにして、市民にわ かりやすく説明することで、重度な要介護状態となっても安心して在宅で医療や介 護を受けることができるよう市民理解の促進を図った。. (6)講. 師. 慶應義塾大学. 大学院. 名誉教授. 田中. 滋 氏.
(5) (7)オブサーバー. 厚生労働省医政局地域医療計画課 課長. (8)シンポジスト. 北九州市医師会. 理事. 手島. 久文 氏. 戸畑歯科医師会. 理事. 田中. 徹 氏. 九州栄養福祉大学. 教授. 橋元. 隆 氏. 北九州市保健福祉局地域福祉課 課長 NPO法人ケアマネット21. 迫井 正深 氏. 名越 雅康 氏. 副代表 稲富 武志 氏. (9)市 民 の シンポジウム内 容 市民公開シンポジウムでは、日本ケアマネジメント学会理事であり、地域包括ケア研究会の座長を務 められた、慶應義塾大学大学院名誉教授の田中滋氏に座長をお願いし、5 名のシンポジストより「地域で 支える在宅医療. 多職種連携の本質を探る」についてそれぞれ発表後、座長のもと議論を展開した。ま. た、オブザーバーとして迫井課長に引き続き参加をお願いした。 北九州市医師会理事の手島氏からは、医療ニーズが高い方の在宅医療を支えるには多職種連携が必要 であるが、多職種連携の課題として、①介護保険制度や事業が理解できていない医療関係者②医療が理 解できていない介護関係者③医療・介護共に利益誘導を優先する事業所④医療・介護関係者双方の意見 の相違が挙げられた。 その対策として、利用者にとって何が必要かを突き詰め、苦手な相手の主張を取り入れることにより、 医療と介護の信頼関係を築くことの必要性が強調された。また、北九州市医師会では市内 5 カ所に「在 宅医療・介護連携支援センター」を開設し、多職種による研修会や講演会を開催することにより交流を 通じて信頼関係を築いていくことを望んでいるとの発表であった。 戸畑歯科医師会理事の田中氏からは、これからの歯科医師は診療所で完結する医療から、かかりつけ 歯科医師として地域の中で暮らしを支える医療へと転換していくことが求められているとの発言があっ た。しかし現状は、在宅歯科医師のマンパワー不足、地域住民への理解が浸透していない、他職種との 連携や情報のやり取りが不十分等の課題が挙がった。その中で、戸畑歯科医師会で実施されている「か かりつけ歯科医師定着促進モデル事業」の取り組みが報告され、医療と介護の連携の在り方を歯科医師 の視点から検討し、かかりつけ歯科医師の定着が地域包括ケアシステムの中で位置づけられ、いつまで も美味しく食べる支援の一助となるよう取り組んでいきたいと発表された。 九州栄養福祉大学教授の橋元氏からは、北九州市のおける介護保険認定審査、介護別サービス受給者 数等の現状報告から、介護予防、認知症支援の必要性と今年 4 月にオープンした北九州市認知症支援・ 介護予防センターの役割と現在の活動状況の報告があった。地域リハビリテーションにおけるリハビリ 専門職の役割として生活期の改善・向上に関わり支援する専門職であることが説明され、医療職種間の みの連携から地域住民、産学官民に至る関係者の連携を強調された。 北九州市地域福祉推進課長の名越氏からは、北九州市の高齢化率、認知症高齢者の推移、高齢者世帯 類型から見える、高齢者一人暮らし世帯、在宅生活を支える家族等のキーパーソン不在、生活困窮者等 の様々な複合的な課題について説明された。これらの課題に対し、北九州で開始された、地域の相互機 能の発掘や連携を深める「地域支援コーディネーター」や「いのちをつなぐネットワーク推進事業」が.
(6) 紹介され、今後地域包括ケアシステムの構築のために、地域の相互力を高める「地域づくり」の大切さ や、「保健」「医療」「介護」「地域」「行政」等の地域社会を支える様々な関係者による連携の重要 性について強調された。 最後にNPO法人ケアマネット 21 副代表稲冨氏からは、地域医療再生基金による在宅医療推進事業に ケアマンジャーとして参加した内容と地域での課題が報告された。その課題の一つに医療専門職同士や 医療職と介護職との連携の必要性が挙がり、地域のケアマネジャーとして実施した、領域を越えた多職 種連携による事例検討会がそれぞれの専門職の役割を具体的に理解することができることや、他職種の 領域の知識や技術を学ぶことができ、信頼関係が生まれたことが効果として現れたことを発表された。 シンポジウムでは、まず、オブザーバーの迫井課長より地域包括ケアシステムを構築するためにそれ ぞれの立場で地域において様々な活動をしていることに対しての状況が理解できたこと、発表された活 動内容について評価するコメントがあった。 続いて、座長より今後更なる多職種連携を推進するための活動についての発言が促され、福岡県医師 会が実施している「とびうめネット」の紹介や行政との連携を深める関係づくりについて活発な発言が あった。地域のご当地システムを構築するためには、それぞれの実践がつくる連携が必要であることを 確認することができた。 今回、北九州市で研究大会を開催することで、全国の参加者に北九州市や行橋市の多職種連携の活動 内容を報告することができた。 今後、全国で地域ごとにそれぞれの地域課題を踏まえた地域包括ケアシステムが構築されることとな るが、今回の多職種連携の例は、これからの展開に大きな示唆を与えるものであると考えている。 最後に、この市民公開講座、市民公開シンポジウムが開催できたことは、多くの皆様のご協力と公益 財団法人. 在宅医療助成. 勇美記念財団の助成のおかげと、深く感謝の意を表したい。.
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