携帯電話によるWebコンテンツ視聴システム
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(2) 2. ンを用いて,Web コンテンツを放送型コンテンツに. 既存の Web コンテンツをプロクシサーバを用いて携. 変換する機構である.この変換方式は携帯電話に適し. 帯端末に自動で変換する新しいブラウザマネージャを. ていると考え,本論文ではこれらの変換方式に基づき,. 提案している.このブラウザは,ペン入力による検索. 携帯電話に適応させるため,従来の Web コンテンツ. やナビゲーションをサポートするために,キーワード. を放送型コンテンツに自動変換し,提示する方式を提. による提示やアンカー文字列の提示を行っている.. 案する.ここでいう,放送型コンテンツとは,音声や. 堀ら 6) は PC や携帯端末上で注釈を用いた Web コ. 画像,キャラクターアニメーションを用いてテレビ番. ンテンツの変換を提唱している.彼らのアプローチ. 組のような時系列のコンテンツのことである.デジタ. は,PC 上と携帯端末上で表示する Web ページの内. ル放送のサービス開始に代表されるように,これら放. 容を一致させるための additional annotation ファイ. 送型コンテンツは放送と通信の融合といったクロスメ. ルと呼ばれるファイルを用い,プロクシサーバを利. ディアにおいて今後注目されるコンテンツであると考. 用して Web ページを PC や携帯端末上で表示する方. えられる.携帯電話も通信速度の高速化に伴い,動画. 法である.元の Web ページと彼らの提唱する addi-. 像配信が可能となり,これらクロスメディアを意識し. tional annotation ファイルとのリンクには,XML の. たコンテンツ流通の形態が今後重要になる.. XPOINTER/XLINK を用いている. K.Maly7) らはあらかじめ PC 上で指定したパーソナ. Web コンテンツを放送型コンテンツに変換し携帯 電話で利用する利点を下記に示す.. ライズした Web 情報を WAP を実装している携帯端末 上でテキストベースで提示する PWPS(Personalized. • インタラクションを極力押さえられる.. • 移動中など片手間にコンテンツを取得できる.. Wireless Portal System) の研究を行っている. D.Cohen8) らは携帯端末における Web ディレクト. • 音声読み上げのため,表示領域の制限を気にしな くてよい.. リのナビゲーションを提案している.このシステム. • 時系列のコンテンツのため,携帯電話のみの利用. は,Directory Capsule と呼ばれる,ユーザが興味を. 実際に,画像表示領域が 132 × 162 ドットという携. ている.. だけでなく,他のメディアでの利用も可能である.. 示した Web ディレクトリの部分を携帯端末で提示し. 帯電話では,これまで 640 × 480 ドットで提示して. これらの研究は1つの Web ページまたは,Web ディ. きた放送型コンテンツと異なり,カメラワークやアニ. レクトリをアンカーなどによるテキストベースで携帯. メーション方法などの演出方法を変える必要がある.. 端末上に提示しているのに対し,本論文では,Web. コンテンツの演出は,コンテンツの種類により大幅に. ページを放送型コンテンツに変換して提示するため,. 異なる.また,携帯電話上で,情報を取得する状況は. 基本的に異なる.. 移動中や野外が想定され,机に向かって情報を取得す ることが多い PC とは情報の取得環境は大きく異なる. 移動中や野外では,コンテンツを集中して閲覧するよ. 3. これまでの Web コンテンツ視聴システム の携帯電話への適応. りも,その概要を閲覧し,欲しい情報は BookMark し. これまで我々が提案してきた PC 上での閲覧を対象. て後で PC で閲覧するなどの要望があり,PC とのコ. とした Web コンテンツ視聴システムにおける自動変. ンテンツ連携も必要であると考えられる.. 換機構は,通常の HTML 文章を解析し自動で放送型. そこで,本論文では,これまでの PC での閲覧を対 象とした受動的視聴システムを携帯電話に適応させる ときの問題点を挙げ,その問題点を解決する方法を述 べるとともに,携帯電話に対応させるべく作成した新 機能についても述べる. 以下,2 章では関連研究を,3 章ではこれまでの Web コンテンツ視聴システムの携帯電話への適応を,4 章 では携帯電話のための Web コンテンツ視聴システム について述べ,5 章でまとめについて述べる.. 2. 関 連 研 究 スタンフォード大学の Power Browser Project5) は. コンテンツに変換する.以下にその機能を示す.. • キャラクターアニメーションを用いて,Web 上の テキストデータを音声読み上げするとともに,画 像を提示する.. • HTML タグ構造を解析することにより,画像と テキストとの同期化可能領域を発見し,テキスト が読み上げられているときに同期する画像を提示 する.. • HTML タグ構造により,台詞となるテキストデー タの割り振りを決定する.. • 放送型コンテンツの演出として,ニュース番組風 やバラエディ番組風といった番組メタファを用い. −108−.
(3) 携帯電話による Web コンテンツ視聴システム. 3. 演出の2つに問題があり,ユーザにとって十分に Web コンテンツを取得できるとはいいがたいコンテンツと なった.また,携帯電話で Web コンテンツの概要を 閲覧し,後で PC を用いてそのコンテンツの詳細な情 報を取得するということが考えられる.つまりは,携 帯電話でのコンテンツ取得と PC での閲覧との連携の 問題もある. 下記にそれら問題点を挙げる. 入力における問題点. PC での閲覧を対象とした Web コンテンツ視聴シス テムでは,ユーザは見たい番組の URL を直接入力す る.しかしながら,携帯電話ではインタラクションの 制限があること,およびユーザがシステムを使用する 環境は移動中や野外であり,見たいコンテンツの URL を覚えていることはあまりありえないことより,携帯 図 1 システムイメージ Fig. 1 Image of System. 電話での URL の直接入力は困難である.これにより, ユーザが直接 URL を入力する方法ではなく,欲しい 情報のキーワードを入力することにより,その検索結 果からユーザの閲覧したいコンテンツを放送型コンテ ンツに変換することが望ましいと考える. コンテンツ演出における問題点 携帯電話における動画像の表示領域は,現在 138 ×. 162 ドットであるのに対し,PC での閲覧を対象とし た Web コンテンツ視聴システムの対象としている表 示領域は 640 × 480 ドットである.そのために,これ までのシステムで作成した放送型コンテンツのサイズ を小さく表示しただけでは,下記のようなコンテンツ. 図 2 画面イメージ Fig. 2 Picture of Display. 演出における問題点が生じた.. • 番組メタファによっては,登場キャラクターが多 いため,小さい画面では見えにくい.. ている.. • 再利用を考え,中間ファイルとして,放送型コン. PC での閲覧を対象とした Web コンテンツ視聴. テンツブラウザと通常の Web ブラウザで閲覧可. システムではニュース番組風,バラエティ番組風. 能な S-XML に変換結果を格納している.. といった番組メタファを用いている.この番組メ. • S-XML を放送型コンテンツの記述言語として. タファによっては登場人物が多いため,画面を小. TVML(TV Program Making Language)12)13). さくすると見にくくなる.また,キャラクターの. に変換し,放送型コンテンツを生成している.. 細かいアニメーションは小さい画面では見えにく. そこで,まずはこれまでの Web コンテンツ視聴シス. い.そのため,番組メタファを一つにし,登場人. テムをそのまま利用し携帯電話への適応を行う.ここ. 物を極力少なくしてキャラクターの動きを抑える 必要がある.. では,次世代携帯電話を対象としているため,FOMA への適応を行う.これまでの自動変換機構で出力され る放送型コンテンツを AVI フォーマットを仲介し,最. • 画像がセットの一部となっているため,画像が小 さく提示される.. 終的に FOMA での動画像配信用フォーマット(i モー. PC での閲覧を対象とした Web コンテンツ視聴. ション用メタデータ+ ASF フォーマット)に変換する.. システムでは,画像を一定のサイズに変換し,放. 実際に図 1 と図 2 に示すように,これまでの PC を. 送型コンテンツのセットの中に埋め込んで提示し. 対象にした Web コンテンツ閲覧システムを携帯電話. ている.大きい画像は圧縮率が高く,携帯電話で. 用に変換してみた.ここでは,入力機能,コンテンツ. はほとんど判別不可能となってしまう.そこで,. −109−.
(4) 4. 画像サイズにより,画像の提示方法を変えて提示. 話のための演出を用いるコンテンツ変換部,PC との. する必要がある.. 連携を可能とするブックマーク部の 3 つの部で構成す. • カメラワークが通常の画面を対象としているため, コンテンツが見えにくい.. 放送型コンテンツにおいては,テレビ番組や映画. る.以下にその概要を示す.. • 入力部. ユーザの入力は,検索キーワードとし,検索エ. と同様にカメラワークは演出の上で重要な要素を. ンジンを用いて,検索結果をユーザに出力する.. 占めている.PC での閲覧を対象とした Web コ. ユーザへの検索結果の出力は,検索結果のページ. ンテンツ視聴システムでは台詞をしゃべっている. のタイトルと URL を文字アニメーションを用い. キャラクターにズームアップし,画像が提示され. てディスプレイに表示し,そのページの検索キー. ているときに全体を写すというようなコンテンツ. ワードが含まれる部分の音声読み上げを行う.. 依存のカメラワークを行っている.また,表示領. • コンテンツ変換部. 域が大きいため,キャラクターの動きも詳細に提. 入力部の検索結果よりユーザが指定した Web ペー. 示することが可能となり,そのキャラクターの動. ジを自動変換機構を用いて放送型コンテンツに変. きに対するカメラワークも多い.携帯電話におい. 換する.そのときの演出方法として,3 章で述べ. ては,表示領域が小さいため,画像を中心とした. た携帯電話における問題点を解決した演出を行う.. カメラワークを行う必要がある.. また,このコンテンツ変換部と入力部はユーザの 指定により,交互に表示可能とする.. • キャプションの文字列が見えない. 放送型コンテンツはコンテンツのテキストデータ. • ブックマーク部. を音声読み上げを行っている.現在の音声読み上. PC との連携には,ユーザが実際に後で見たいペー. げソフトの品質では,キャプションを行ったほうが. ジを保存するブックマーク機能を付加する.放送. ユーザにコンテンツの内容が伝わると考え,キャ. 型コンテンツの場合,時系列データであるため,. プションを行っている.携帯電話においては,そ. 保存するときに Web ページ全体だけでなく,その. のキャプションの文字列を大きくしたり,電光掲. ページの部分をユーザが指定することが容易であ. 示板のように文字列を流したりとの,キャプショ. る.ゆえに,ブックマーク機能として,Web ペー. ン文字列に対する演出も必要である.. ジ全体と部分を保存することを可能とする.そし て,その保存された情報に基づき,PC 上で Web. PC との連携 携帯電話で情報を取得する環境は移動中や野外が想定. ページやその部分を通常の Web コンテンツまた. され,Web コンテンツの情報すべてを取得するより. は放送型コンテンツとして閲覧可能とする.. も,概要を閲覧し,後で PC を用いてそのコンテンツ. システムのイメージを図 3 に示す.. の情報を取得するということが考えられる.つまりは,. 4.2 入 力 部. 携帯電話での Web コンテンツの閲覧システムと PC. 携帯電話はインタラクションの制限があること,お. での Web コンテンツの閲覧システムとの連携を行う. よび移動中や野外での使用が多いことのため,URL. 必要性がある.. を直接入力するのは実質的ではない.そこで,ユーザ. 4. 携帯電話のための Web コンテンツ視聴シ ステム. がキーワードを入力し,そのキーワードの検索結果を 選択することにより視聴したい Web ページを取得す る入力方法を提案する.. 3 章で述べた PC での閲覧を対象とした Web コン. これまで,我々は携帯電話での検索結果の提示方法. テンツ視聴システムを携帯電話に適応するための問題. として WebCarousel9)10)11) を提案してきた.Web-. 点を解決し,新規機能を加えた携帯電話のための Web. Carousel は,携帯電話において,検索結果の 1 ペー. コンテンツ視聴システムを提案する.. ジを画像と音声読み上げを用いて提示し,カルーセル. 4.1 システム概要. 表示を行う.そして,ユーザのインタラクションによ. PC での閲覧を対象にした Web コンテンツ視聴シ. り動的にそのカルーセルを再構成してユーザに提示. ステムを携帯電話に適応するための問題として,大き. する.WebCarusel は検索結果の意味的関係を用いて. く分けて入力機能と演出,及び PC との連携の 3 点が. 動的にカルーセルを再構成するため,意味的関係を求. ある.これらを考慮した携帯電話のための Web コン. める際に,処理時間がかかる.また,一度に複数の検. テンツ視聴システムは,検索を用いる入力部,携帯電. 索結果を見ることができない.これらの理由により,. −110−.
(5) 携帯電話による Web コンテンツ視聴システム. 5. 図 3 携帯電話のためのシステムイメージ Fig. 3 Image of System for Cellular Phone. WebCarousel をそのまま携帯電話のための Web 視聴. (3). カルーセルを構成するカルーセルグループの決. システムの入力部に利用することは適切ではないと考. 定. えた.そこで,本論文では,このカルーセル表示を複. 検索結果の提示はカルーセル表示を行う.検索. 数の検索結果に適応した入力部を提案する.. 結果を一度にカルーセル表示すると,カルーセ. 図 4 と以下に入力部の処理ステップを示す.本シス. ルが一巡するのに時間がかかり,ユーザが見逃. テムでは,携帯電話のディスプレイの縦軸を入力キー. した検索結果を再び見ることが困難となる.そ. ワードの重みとして,検索結果を表示する.よって,. こで,検索結果をランキング順に上位からいく. 入力キーワードは 2 つとする.. つかの集合に分ける.この集合をカルーセルグ. (1) (2). 検索エンジンからユーザの入力したキーワード. ループと呼ぶ.ここでは,携帯電話の表示可能. の検索結果を取得.. な行数により,検索結果を 6 件づつの集合に分 けるのが適切であると考える.. 各々の検索結果の Web ページの重み付けを検 索キーワードを用いて求める.. (4). カルーセルグループの提示. 一般にキーワードの重み付けには tf/idf を用い. 表示画面を図 4 に示すように,左端に表示カ. るが,検索キーワードが必ずしも Web ページに. ルーセルの重み付け表示領域とし,その他の領. 複数含まれている検索結果が存在するとは限ら. 域を 3 段に分け,検索結果をカルーセル表示す. ない.そこで,検索キーワードがタイトルに含. るカルーセル領域とする.カルーセルグループ. まれている場合とキーワードが強調タグにより. はユーザのインタラクションにより検索結果の. 強調されている場合もそのページに対するキー. ランキング順に提示する.また,提示する各々. ワードの重要度が高いと考える.そして,以下. の検索結果は,検索結果ランキング番号とタイ. の順で任意の重みの係数を決定し,各ページの. トルと URL をカルーセル表示し,そのページ. 各キーワードに対する重み付けを行う.. の概要を音声読み上げする.ここでいう,ペー. キーワードの数 > タイトルにキーワードが存. ジの概要は,検索エンジンに依存する.この,. 在 > キーワードが強調されている. 検索結果 1 件のタイトルと URL 及び概要をま. −111−.
(6) 6. とめてカルーセルコンポーネントと呼ぶ. 以下にカルーセルグループの提示方法を示す.. • 最初のカルーセルグループは検索結果のラ. ンキング 1 位から 6 位までの 6 件で構成す る.このカルーセルグループで最初に提示 されるカルーセルコンポーネントはランキ ング 1 位の Web ページである.. • この Web ページのカルーセルコンポーネ ントをカルーセル領域の上から 1 段目にカ ルーセル提示し,音声読み上げが終了する と,次の検索結果のカルーセルコンポーネ ントを提示する.. • 音声読み上げが終了したカルーセルコン ポーネントはカルーセル領域の 2 段目でカ. 図 4 入力部のシステムイメージ Fig. 4 System Image of Input Feature. ルーセル提示される.. • 4 番目のカルーセルコンポーネントを提示. するとき,最初に提示された 1 番目のカ. 3 章で述べたように,携帯電話用動画像フォーマッ. ルーセルは重み付け領域でアイコンとして. トは ASF フォーマットに i モーション用メタデータ. 表示される.. を付加したフォーマットに変換する.Web サイトパ. • 6 番目のカルーセルコンポーネントの音声 読み上げが終了した後,1 番目のカルーセル. コンポーネントを再度提示し,音声読み上. に述べる.. 4.3.1 Web サイトパターンデータベース. げを行う.このように,カルーセルグルー. これまでの Web コンテンツ視聴システムの自動変. プの中の各カルーセルコンポーネントをカ. 換機能では,HTML の構成を一定の法則に従い解析し. ルーセル表示する.. (5). ターンデータベースの作成と演出の変更について以下. ているため,必ずしもすべての Web ページを変換で. ユーザのインタラクション. きるわけではない.HTML の性質上,Web 作成者は. ユーザは,表示されているカルーセルグループ. 自由に Web ページを記述することができるため,す. の視聴したい検索結果の番号を選択することに. べてのページを解析することは困難である.しかしな. より,システムはそのカルーセルコンポーネン. がら,Web サイト内でフレームのパターン等が一貫. トの Web ページをコンテンツ変換部に渡し,放. した表現を用いている Web サイトは多い.特に,企. 送型コンテンツに変換してユーザに提示する.. 業の Web サイトやニュースサイトなどは一貫したフ. また,提示されているカルーセルグループに欲. レームパターンを Web サイト内の各ページで使用し. しい情報がなかった場合,ユーザは NEXT ボ. ている場合が多い.フレームを使用している場合,放. タンを押すことにより,システムは次のランキ. 送型コンテンツに変換するコンテンツ部分はフレーム. ングで構成されているカルーセルグループを提. の中で限られた領域である.その領域を指定すること. 示する. このようにして,ユーザは検索結果を取得する.4 に入力部の画面イメージを示す.. により,これまで変換できなかった Web ページを放 送型コンテンツに変換することが可能となる.そこで 我々は,手動でいくつかの Web サイトのフレーム構. 4.3 コンテンツ変換部. 造を解析し,Web サイトパターンデータベースを作. 我々がこれまで提案してきた PC を対象とする Web. 成する.このデータベース内にある URL をユーザが. コンテンツ視聴システムを,携帯電話に適応したシス. 指定した場合,システムはフレームの中のどの部分を. テムに変更するために,コンテンツ変換部における下. 放送型コンテンツに変換すればよいかをデータベース. 記の 3 項目の機能の変更および追加を行う.. より取得し,自動変換機構に渡す.. • 携帯電話用動画像フォーマットへの変換. • Web サイトパターンデータベースの作成 • 演出の変更. 4.3.2 演出の変更 放送型コンテンツはキャラクターアニメーションや カメラワークといった演出がコンテンツ提示において. −112−.
(7) 携帯電話による Web コンテンツ視聴システム. 7. ことが考えられる.. • 画像が多く,テキストコンテンツの量が少ない Web ページ. この場合,Web 作成者は画像を用いてコンテンツ の情報を示そうとしている場合が多く,その Web ページの中での画像の重要性は高いと考えられる. 音声読み上げを行うコンテンツが少ないため,一 つの画像を提示する時間は短くなる.このような 場合,その画像と関連するテキストコンテンツの 音声読み上げが修了しても,その後 2,3 秒画像の みを提示してユーザに画像を強調させたり,他の. Web ページから関連するテキストを取得して提. 図 5 携帯電話向け放送型コンテンツのカメラワーク Fig. 5 Camera Work of Broadcasting Type Content for Cellular Phone. 示することが考えられる. また,Web 上の大きな画像の場合,画像全体を提 示したのでは,表示領域が小さすぎて画像の中身がわ. 重要となる.3 章で挙げたように,これまで我々の提. からない場合がある.この場合,画像の全体像を提示. 案してきた Web コンテンツ視聴システムを携帯電話. した後,ある程度画像を分割して提示する.. に適応する時の演出の問題として,キャラクター,画. 4.4 ブックマーク部. 像,カメラワーク及びキャプションに関する事項があ. PC との連携を前提としたブックマーク機能を提案. る.これまでは,640 × 480 ドットのウィンドウサイ. する.Web コンテンツのブックマーク機能は,放送型. ズを対象にし,番組メタファを用いて演出を行ってい. コンテンツの場合,時系列データであるため,保存す. る.それに対し携帯電話の場合,映像サイズは 132 ×. るときにその Web ページ全部だけでなく,そのペー. 162 ドットと小さいため,これら問題点となっている. ジの部分をユーザが指定することが容易である.ゆえ. 演出を携帯電話に適応させる必要がある.各々の問題. に,ブックマーク機能として,Web ページ全部の保. 点は一つ一つが単独の問題ではなく,複合化すること. 存と Web ページの部分の保存の 2 通りが考えられる.. により解決する問題点である. 携帯電話の小さいディスプレイでは,細かい動作の. • Web ページ全部の保存. 通常の Web ブラウザにおけるブックマーク機能. キャラクターアニメーションを用いることは不可能で. は URL を保存することにより,この Web ペー. ある.そこで,携帯電話に適応させるため,画像を中. ジ全部を保存している.放送型コンテンツの場合. 心としたカメラワークを行い,その画像提示のつなぎ. も同様に,Web コンテンツの URL を保存するこ. としてキャラクターアニメーションを用いる.つまり. とを考える.保存された URL をユーザは PC 上. は,図 5 に示すように,同期する画像のないテキスト. で,通常の Web ブラウザで閲覧すれば,通常の. を読み上げているときに,キャラクターアニメーショ. Web コンテンツとして,また自動変換機能を用. ンを用いる.. いれば,放送型コンテンツとして閲覧することが. 画像を中心としたカメラワークによる演出では,下 記の問題点がある.. • 画像が少なく,テキストコンテンツの量が多い. できる.. • Web ページの部分の保存. 放送型コンテンツは時系列データのため,ビデオ. Web ページ. を録画するように,コンテンツの部分を保存する. この場合,ほとんどキャラクターアニメーション. ことが可能である.そして,その保存された放送. とテキストコンテンツの音声読み上げの放送型コ. 型コンテンツのフレーム番号を解析することによ. ンテンツとなるが,それでは演出の乏しいコンテ. り,Web ページのどの部分を保存したかがわか. ンツとなり,ユーザが視聴中に飽きてしまう可能. るため,ユーザは,PC 上で保存した部分を通常. 性がある.そこでこの場合は,カメラワークを 5. のコンテンツまたは放送型コンテンツとして閲覧. 秒で切り替える等の時間毎に切り替えることによ. が可能となる.. りコンテンツに動きを持たせたり,他の Web ペー ジから関連する画像を取得しその画像を提示する. −113−.
(8) 8. 5. ま と め 本論文では,Web コンテンツを放送型コンテンツに 変換することにより,インタラクションと表示領域に 制限のある携帯電話において,Web コンテンツを視 聴するシステムを提案した.実際には,これまで我々 が提案してきた PC での閲覧を対象とした Web コン テンツ視聴システムを,携帯電話に適応するための問 題点を解決し,これまでのシステムの拡張を行った. 本システムは,検索結果を用いる入力部と携帯電話の ための演出を用いるコンテンツ変換部と,PC との連 携を可能とするブックマーク部からなる.本システム を用いることにより,ユーザは携帯電話を用いて,容 易に楽しく片手間に Web コンテンツを取得すること が可能となった. また,今後の課題としては,ブックマーク部を更に 拡張し,携帯電話と PC とのコンテンツ連携の強化を はかる必要がある.. 謝. 辞. 本研究の一部は,平成 14 年度受託研究(独立行政 法人通信総合研究所) 「マルチメディアコンテンツ のクロスメディア連携に関する研究」(代表:田中克 己)および,平成 14 年度科研費基盤研究 (A)(2)「モ バイル環境におけるコンテンツのマルチ モーダ ル検 索・提示と放送コンテンツ生成」 (課題番号:14208036, 代表:田中克己)による.ここに記して謝意を表しま す.. 参. 考. 文. 献. 1) 灘本 明代,服部 多栄子,近藤 宏行,沢中 郁夫, 草原 真知子,田中 克己, “ Web 情報の番組化の ためのオーサリング機構 ”,情報処理学会研究報 告,00-DBS-120-14,pp.99-106,2000 年 12 月. 2) 服部 多栄子,沢中 郁夫,灘本 明代,田中 克 己, “ Web の受動的視聴のための同期化可能領域 の発見と番組化用のマークアップ言語 S-XML ”, 情報処理学会研究報告,00-DBS-121-2,pp.9-16, 2000 年 5 月. 3) 灘本 明代,服部 多栄子,近藤 宏行,沢中 郁 夫,田中 克己, “ Web コンテンツの受動的視聴の ための自動変換とスクリプト作成マークアップ言 語”,情報処理学会論文誌:データベース(TOD8) Vol.42No.SIG1,pp.103-116,2001 年. 4) 服部多栄子,沢中郁夫,灘本明代,田中克己, 「リ ンク構造とディレクトリ構造を用いた複数文書 の受動的視聴」データベースと Web 情報システ. ムに関する IPSJ DBS/ACM SIGMOD Japan Chapter/JSPS-RFTF AMCP 合同シンポジウ ム(DBWeb2000),2000 年 12 月. 5) O.Bukukkokten, H.Garcia-Molina, A.Paepcke, ”Focused Web Searching with PDAs”, 9th International World Wide Web Conference Amsterdam (May 2000). 6) M.Hori, G.Kondoh, K.Ono, S.Hirose, and S.Singhal, ”Annotation-Based Web Content Transcoding”, 9th International World Wide Web Conference Amsterdam (May 2000). 7) Maly, K. and Zubair M., ”Personalized Portal for Wireless Devices”, 10th International World Wide Web Conference Hong Kong, pp. 74-75 (May 2001). 8) Doron Cohen, Michael Herscovici, Yael Petruschka, Yoelle S. Maarek, Aya Soffer, Dave Newbold, ”Personalized Pocket Directories for Mobile Devices”, 11th International World Wide Web Conference Hawaii (May 2002). 9) 近藤宏行,灘本明代,田中克己「モバイル環境に おける検索エンジンの出力結果の再構成と呈示」 情報処理学会研究報告, Vol.2000, No.69 00-DBS122-26,pp.55-62 2000 年 7 月. 10) 灘本明代,近藤宏行,田中克己「携帯環境のた めの Web 検索結果の動的再構成と受動的視聴」 情報処理学会論文誌:データベース(TOD12) Vol.42No.SIG15, PP.1-14, 2001 年. 11) Akiyo Nadamoto, Hiroyuki Kondo, Katsumi Tanaka, ”WebCarousel: Automatic Presentation and Semantic Restructuring of Web Search Result for Mobile Environments” Database and Expert Systems Applications 2001(DEXA2001), pp.712-722, Sep.2001 12) NHK 放送技術研究所: TVML ホームページ: http://www.strl.nhk.or.jp/TVML/indexj.html 13) 林 正樹: 番組記述言語 TVML を使った情報 の番組化,情報処理学会 DBS 研究会技術報告, Vol.2000, No.10, 2000-DBS-120-13,pp.91-98, 2000 年 1 月. 14) NTT ドコモ:FOMA ホームページ: http://foma.nttdocomo.co.jp/ 15) Google:Google ホームページ: http://www.google.co.jp/. −114−.
(9)
図
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