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都市域における小児気管支喘息の発症要因(I)室内空気汚染の関与について

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Academic year: 2021

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平成10年5月15日 第45巻 日本公衛誌 第5号 407

都市域における小児気管支喘息の発症要因(I)

室内空気汚染の関与について

中島

孝江

恵美子

橋本

正史

豊島協一郎

林田

道昭

小町

喜男

 今日の都市における生活環境の内,特に室内空気環境の変化と小児気管支喘息の発症増大との関連性を調 べるため,小児の気管支喘息有症者(有症群)と無症者(無症群)の室内空気環境に関連する要因を比較, 検討した。  有症群は,平成5年12月より平成6年5月の間に大阪府立羽曳野病院小児科を受診し,気管支喘息と診断 された原則として12歳までの小児で,診断されてからの経過期間が比較的短い210人,無症群は,大阪府立 病院小児科を受診し,現在アレルギー疾患の症状が認められず,現病歴に気管支喘息のない原則として12歳 までの小児180人であった。  空気環境に関連して,アンケートにより居住環境を把握し,また,環境中ダニアレルゲンやタバコ煙の曝 露の客観的指標として,寝具および寝室中チリダニ(DerI)量と尿中コチニン量を測定した。  結果の解析では,血清ヤケヒョウヒダニ(チリダニの一種)特異的IgE抗体が陽性か陰性かによりアト ピーと非アトピーに分類し,また,これに従って喘息をアトピー型と非アトピー型に分けた。その上でアト ピー化と型別の喘息発症に対する室内空気環境要因の関与を検討した。  結果より以下のことが示唆された。  1. 「集合住宅」および「鉄筋住宅」は,「一戸建住宅」および「木造住宅」より気密性構造のため,タバ コ煙などの室内空気汚染物質の人体への負荷が高い。  2. 室内のチリや埃とそれに含まれるチリダニアレルゲンの人体への負荷の増大はアトピー化に関与す る。なお,寝具ダニアレルゲン量≧寝室ダニアレルゲン量の関係が常にみられ,発生源は寝具と推定され る。  3. 石油またはガスストーブを使う暖房は室内,特に押入内が高温,高湿になり易く,寝具ヤケヒョウヒ ダニ増殖を促す。この寝具ヤケヒョウヒダニ増殖はアトピー型喘息発症に関与する。  4. 「集合住宅居住」および「鉄筋住宅居住」は,非アトピー化および非アトピー型喘息発症に関与する。 ただし,この関与は室内空気汚染物質のタバコ煙やダニアレルゲンを介するものではない。 Key words : 疫学研究,気管支喘息,アトピー,室内空気汚染,住宅様式

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