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シュード-メタ-[2.2]パラシクロファンを用いたπ電子系積層高分子の合成と物性

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Academic year: 2021

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シュード-メタ-[2.2]パラシクロファンを用いたπ電子系積層高分子の合成と物性 森崎研究室 前田 葉月 [緒言] 共役系高分子は多重結合と単結合が交互に連なった骨格をもつ有機高分子であり,π電 子が結合を介して非局在化されている。この共役系高分子の芳香族成分として,当研究室 では[2.2]パラシクロファンに注目し研究を展開してきた。[2.2]パラシクロファンの特徴と して,ベンゼン環のπ電子雲が重なり相互作用出来る距離で積層していること,置換基を 導入すると構造的に安定な面性不斉を発現することが挙げられる。 当研究室ではこのユニークな構造に焦点を合わせ,コモノマーとして二置換[2.2]パラシ クロファン化合物を主鎖骨格に繰り返し組み込んだπ 共役系高分子を合成してきた。これ までに下記に示すような,シュード-パラ-二置換[2.2]パラシクロファン1)および光学活性シ ュード-オルト-二置換[2.2]パラシクロファンを主鎖骨格に有するスルースペース共役系高 分子 2)が合成されている。これらの高分子はいずれも高いホール輸送度や円偏光発光を示 した。 また,シクロファン分子の電子輸送特性を理論的に評価したところ,パラ置換体と比較 してメタ置換体を用いた方がよりよい電子輸送特性を示すことが報告されている 3)。そこ で本研究では,光学活性シュード-メタ-二置換[2.2]パラシクロファンユニットをポリ(p-ア リーレン-エチニレン) (PAE)骨格に組み込んだスルースペース共役系高分子の合成と,伝導 度をはじめとする物性評価を目的として研究を行った。 [実験・結果] 光学活性[2.2]パラシクロファンモノマーとジヨードベンゼン誘導体とのクロスカップリ ング重合により、新規光学活性ジグザグ型共役系高分子(Sp)-m-P1,(Rp)-m-P1 の合成に成 功した。また,ラセミ体高分子(rac)-m-P1 を合成した。 OR RO OR RO p-P1 OR RO OR RO OR RO OR RO o-P1 Zigzag-shaped polymer (60°) Liner-shaped polymer (180°) 2019年度 修士論文要旨 関西学院大学大学院理工学研究科 環境・応用化学専攻 森崎研究室 前田 葉月 シュード-メタ-[2.2]パラシクロファンを用いたπ電子系積層高分子の合成と物性

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得られた高分子の各種光学物性の評価を行ったところ,例えば(rac)-m-P1 は溶液中にお いて青色(λmax = 418 nm)に発光し,その発光量子収率は 34%であった。また(Sp)-,(Rp)-m-P1 は円偏光発光し,異方性因子g値の絶対値は2.6×10−3と見積もられた。 この結果を受けて,m-P1 における各物性値の分子量依存性について調査するため, (Sp)-m-P1 を HPLC により分取し,数平均分子量 Mnが22600,14400 および 5500 の高分子 を得た。(Rp)-m-P1 についても同様にして Mnが26800,16100 および 5800 の高分子を得た。 キロプティカル特性を調査したところ,各g値の絶対値は約 2.6×10-3であり,今回分取し た範囲においては大きな差異は見られなかった。 また,m-P1 について,フラッシュフォトリシス-時間分解マイクロ波伝導測定法 (FP-TRMC)4)による非接触電気伝導度測定を行った。比較のため,シュード-パラ-二置換 [2.2]パラシクロファンを用いた高分子 p-P1 も合成し,同様の測定を行った。 p-P1 および m-P1 の電荷移動度はそれぞれ 2.50×10-5 cm2V-1s-1および2.60×10-5 cm2V-1s-1とメ タ置換体高分子の方がわずかにではあるが大きい結果となった。しかしどちらの高分子も 同じ桁の値であった事から,シクロファン骨格を持つ高分子の伝導度において,接合角度 の違いによる影響は小さいと言える。 [参考文献]

1) Y. Morisaki, S. Ueno, A. Saeki, A. Asano, S. Seki, Y. Chujo, Chem. Eur. J., 2012, 18, 4216-4224. 2) Y. Morisaki, R. Hifumi, L. Lin, K. Inoshita, Y. Chujo, Polym. Chem., 2012, 3, 2727-2730. 3) X. Li, A. Staykov, K. Yoshizawa, Bull. Chem. Soc. Jpn., 2012, 85, 181-188.

4) S. Seki, A. Saeki, T. Sakurai, D. Sakamaki, Phys. Chem. Chem. Phys., 2014, 16, 11093-11113.

+ Pd(PPh3)4 CuI OC12H25 OC12H25 I I 2 (Sp)-m-1 (Rp)-m-1 (rac)-m-1 THF-NEt3 reflux, 24 h OC12H25 OC12H25 n (Sp)-m-P1 81% (Rp)-m-P1 82% (rac)-m-P1 95% Zigzag-shaped polymer (120°) (Sp)-m-P1, Mn = 22600, PDI = 1.3: PL λPL,max = 418 nm (Rp)-m-P1, Mn = 26800, PDI = 1.6: PL λPL,max = 418 nm (Rp)-m-P2, Mn = 16100, PDI = 1.5: PL λPL,max = 418 nm (Sp)-m-P3, Mn = 5500, PDI = 1.2: PL λPL,max = 418 nm separation by HPLC (Sp)-m-P2, Mn = 14400, PDI = 1.3: PL λPL,max = 418 nm (Sp)-m-P1 (Rp)-m-P1 OC12H25 OC12H25 n (Rp)-m-P3, Mn = 5800, PDI = 1.6: PL λPL,max = 418 nm |glum| = 2.6 × 10-3 |glum| = 2.4 × 10-3 |glum| = 2.9 × 10-3

参照

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