GMPの法制化と奈良県製薬業--一企業者史的視点から
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(2) hold style and of diversification. lation is right. action judging. drug quality.. Furthermore,. GMP is the social and global trend and its legisfrom drug. efficacy,. the nostrum. industry. Key. drug maker for delivered and arranged. words. to promote. readjustment,. drug safety. and securement. of. GMP has been advanced and this trend tended to force change of its business style and bipolarization.. pharmaceutical. affairs. drugs for household,. enterprise. law, GMP, bipolarization.
(3) GMPの. 法 制 化 と奈 良 県 製 薬 業(武 知). は. じ. め. に. 江 戸 時 代 中期 に成 立 した大 和 の 売 薬 ビ ジネ ス(先 用 後 利)は 長 い歴 史 を 持 つ が,戦 時 統 制 期 に は10社(配 置 売 薬 製 造 企 業8社,本. 舗 売 薬 製 造 企 業1社,輸. 移 出売 薬 製 造 企 業1社). に統 合 され て い た。 と くに生 産 部 門 の 企 業 整 備 は紛 糾 したが,最 終 的 に は地 区 別 ・業 態 別 の 統 合 に落 ち着 い たの で あ る(1)。 販 売 部 門 で は"一 戸 一 袋"制 が 強 制 的 に実 施 され た 。 戦 後 の 配 置 薬 業 界 は,戦 時 中 の統 制 や原 材 料 の極 度 の不 足,そ. してGHQの. 占領 な どが. 加 わ って,そ の 再 出発 は極 めて 苦 しい もの で あ っ た。 戦 後 の 数 年 間 は イ ン フ レが 高 進 した た め,売 薬 行 商 も困 難 を極 め た。 一 方 で,「 現 売 」 の横 行 な ど無 秩 序 な 競 争 が 戦 後 の 混 乱 の 中で 続 い たの で あ り,他 方,戦 時 の 統 合 会 社 か らの 分 離 独 立 問 題 が 浮 上 し,配 置 薬 業 界 は新 たな 秩 序 づ く りに取 り組 まな けれ ばな らな か っ たの で あ る。 1946年 末 か ら翌 年1月. にか けて の 奈 良 県 に お け る第1次 企 業 再 編 成 で は約50社 の 分 離 独. 立 が 認 め られ たが,そ の90%は. 戦 時 の 統 合 会 社 の 役 員 層 で あ った こ と は注 目す べ き点 で あ. ろ う(2)。中小 企 業 等 協 同 組 合 法 に基 づ く奈 良 県 製 薬 協 同組 合 の設 立 は,1949年10月. の こと. で あ っ た(3>。 1948年7月. に は,戦 時 中の 統 制 色 の 濃 い薬 事 法 に代 わ る新 しい薬 事 法 の 公 布 を み た 。 こ. の 薬 事 法 の 改 正 に よ り,薬 の 販 売 業 は,薬 局 ・薬 店(指 販 売(家 庭 薬)の3本. 定 医 療 品 を 除 く全 医 薬 品)・ 配 置. 立 て とな り,配 置 販 売 業 の 業 態 が 明 確 化 され た 。1960年8月. 1948年 の 旧薬 事 法 に代 わ る もの と して,新. に は,. た に薬 事 法 ・薬 剤 師 法 が 公 布 され,翌 年2月 か. ら実 施 され た。 改 正 の 主 な 点 は,身 分 法 と して 薬 剤 師 法 が 独 立 した こ と,地 方 薬 事 審 議 会 制 度 の 新 設 な どで あ っ た。 配 置 薬 業 界 に関 連 す る改 正 点 は,配 置 販 売 の で き る品 目を 定 め た配 置 品 目指 定 基 準 が 制 定 され た こ と,配 置 販 売 業 と い う業 種 が 協 同組 合 単 位 で あ った の が 帳 主 単 位 と して の 業 種 に明 確 化 され た こ とで あ る。 ただ 配 置 員 は配 置 先 の 都 道 府 県 の 許 可 が 必 要 とな る。 1961年4月 り後 の63年7月. の 国 民 皆 保 険 制 度 の 実 施 は,配 置 薬 業 界 に少 な か らず 打 撃 を 与 え た 。2年 余 に配 置 家 庭 医 薬 品 製 造 業 は通 産 省 の 中小 企 業 設 備 近 代 化 資 金 対 象 業 種 に指. 定 され た もの の,新 事 件,1976年. たな 困 難 に直 面 した こ と は否 めな い。 ま た65年 の ア ン プル 入 りか ぜ 薬. ∼77年 の 禁 止 薬 回 収 と総 点 検 ・ピ リン系 の 解 熱 ・鎮 痛 成 分 使 用 禁 止 な ど も業. 界 に大 きな 打 撃 を 与 え た。 この 間,製 造 面 で は新 た に高 い 品質 の 医 薬 品 の 供給 とい う観 点 か ら,GMP(4)へ 一61(551)一. の対応で.
(4) 第57巻. 第3号. よ り大 きな 試 練 に立 た され る こ と にな る。 以 下,資 料 的 限 界 は否 めな いが,オ ー ラル ・ヒ ス トリー の 手 法 を 取 り入 れ て 戦 時 の 統 合 会 社 か らの分 離 独 立 問 題 を 視 野 に 入 れ な が ら, WHOの. 勧 告 を 契 機 とす るGMP実. け る合 併 ・協 業 化,そ. 施 へ の行 政 ・業 界 ・企 業 の 対 応,配 置 薬 メー カー にお. して 脱 配 置 化 と多 角 化 の 事 例 につ いて 瞥 見 す る。 最 後 に,配 置 薬 専. 業 大 手 の 三 光 丸 本 店 な ど に言 及 す る と と も に,最 近 の 業 界 の 動 きを 展 望 す る。. 1GMPの. GMPは,1963年. 法制化 と行政 ・配置薬業界の対応. に米 国 で 法 制 化 され たの が 最 初 で あ る。 そ の後,米. か け に よ り,1968年WHO(世. 界 保 健機 関)がGMP制. 国 を主 とす る働 き. 定 を決 議 し,翌 年 の総 会 でGMP. の 導 入 が 各 国 へ 勧 告 され た。 各 国 に お いて,漸 次 医 薬 品 製 造 に関 す る必 須 の 管 理 技 法 と し てGMPの. 重 要 性 が認 識 さ れ る に至 る が,WHOで. 訂 し,1975年. は 各 国 の意 見 を 取 り入 れ てGMPを. に再 度 勧 告 した(5)。. この よ うな 社 会 的 ・国 際 的 な 動 向 に対 応 す る た め,わ が 国 で は,1972年 内 に 「GMP研. 改. 究 の た め の プ ロ ジ ェ ク トチ ー ム」 が 設 け られ,GMP実. 進 めて い っ た。 厚 生 省 で は,1976年4月. か らGMPを. に厚 生 省 薬 務 局. 施 の た め の準 備 を. 実 施 す る方 針 を 固 あ,こ れ に先 立 っ. て,1974年4月. に 「医 薬 品 の 製 造 及 び品 質 管 理 に関 す る規 則 案 」 と して 公 表 した 。 この 案. はWHOのGMPの. 要 件,(1)人 為 的 な誤 ま りを最 小 限 にす る こ と,(2)医 薬 品 に対 す る汚 染. 及 び品 質 低 下 を 防 止 す る こ と,(3)高 い品 質 を 保 証 す る シ ス テ ム設 定 で あ る こ と,と 内容 的 に は ほ ぼ 同 じで あ った 。 同 案 に対 す る都 道 府 県 や 関 連 団 体 の 意 見 を取 り入 れ(6),最 終 的 に 「医薬 品 の製 造 及 び 品質 管 理 に 関す る基 準 」と して ま と め,1974年9月14日 に通 知 さ れ た(7)。 翌 年4月1日. 付 で 各 都 道 府 県 に 「医 薬 品 の 製 造 及 び 品質 管 理 に 関 す る基. 準 実 施 細 則 」 を通 知 す る が(8),こ の年 度 ま で はGMP実 た。GMPは,1976年4月. 付で各都道府県. 施 の た め に必 要 な準 備 期 間 で あ っ. か ら行 政 指 導 と い う形 で ソ フ ト面 か ら実 施 され る こ と にな る。. 中 間製 品 な ど一 部 につ い て は,実 情 に 応 じ若 干 の 猶 予 期 間 を認 め て 差 支 え な い と され, ハ ー ド面 は,1979年3月 都 道 府 県 を通 してGMPの. まで に完 全 実 施 と い う こ とで 進 め られ た 。 そ の 後 必 要 に応 じて 各 進 捗 状 態 を調 査 し,GMPが. 未 完 了 で あ った 製 造 所 に対 して. は,各 都 道 府 県 に よ り重 点 的 に指 導 が 行 わ れ,そ の 徹 底 を 期 した の で あ る。 GMPの. め ざす 高 い 品 質 の 医 薬 品 の 供 給 とい う方 向性 は,当 然 の措 置 で あ る。 国 の 方 針. を受 け て,奈 良 県 で は薬 務 課 ・薬 事 指 導 所 を 中心 に,商 工 課 の 協 力 を え て,ソ ハ ー ド面 につ いて 実 地 調 査 な ど積 極 的 な 指 導 が 行 わ れ た。 -62(552)一. フ ト面,.
(5) GMPの. 法制化 と奈良県製薬業(武 知). 奈 良 県 製 薬 協 同組 合 で は,役 員 会 ・GMP委 務 課 ・商 工 課 と協 議 の うえ,し. 員 会 でGMP対. 応 へ の 検 討 を 重 ね,県 の 薬. ば しば上 京 し,厚 生 省 薬 務 局 を は じめ,通 産 省 ・中小 企 業. 庁 へ 強 く要 望 ・陳情 を 再 三 行 っ た。 と くに奈 良 県 製 薬 協 同 組 合 理 事 長 佐 藤 又 一(9)の リー ダ ー シ ップ は 目を 見 張 る もの が あ っ た。 佐 藤 薬 品 工 業 の 創 設 者 の 彼 は,1970年 間 にわ た り,奈 良 県 の 各 薬 業 団 体,そ 1981年 会 長)と. 以 来,長 期. して 全 国 配 置 家 庭 薬 業 界 の トップ(全 配 協 副 会 長 ・. して 大 きな 事 績 を 残 して き た人 物 で あ る。 「モ ラ ロ ジ ー」 と出会 い,会 社. の 経 営 理 念 に モ ラ ロ ジ ー精 神 を盛 り込 ん で い る佐 藤 の 姿 勢 は,「 業 界 の 組 織 あ って の 一 企 業 」,つ ま り 「組 合 組 織 な ど業 界 団 体 や,そ の 関係 団体 の振 興 が あ って こそ の,一 企 業 。(中 略)政 治 力 の ひ とつ に して も,そ の 力 量 に は限 度 が あ る。 ひ とつ ひ とつ が 集 合 して の 組 織 で あ り,団 体 の 力 が あ って こ そ,一 企 業 に繁 栄 が も た らされ る」 との 立 場 で あ った 。 この 信 念 で,佐 藤 は製 薬 組 合 ・各 薬 業 団 体 の 活 動 に奔 走 した⑩。 1971年12月 か ら,厚 生 省 は医 薬 品 再 評 価 制 度(1Dをス ター トさせ た が,配 置 薬 業 界 に と っ て ハ イ レベ ル な 政 治 力 の 必 要 性 を 認 識 す る契 機 とな っ た。 全 国 配 置 家 庭 薬 協 議 会(全 配 協) の 働 きか けで,2年. 後 に衆 議 院28名,参. 議 院8名,計36名. か らな る 「配 置 薬 議 員 連 盟 」 が. 発 足 した。 会 長 に,奈 良 県 出身 の 前 田正 男 衆 議 院 議 員 が 就 任 した 。 奈 良 県 選 出の 衆 議 院 議 員 奥 野 誠 亮,同 参 議 院 議 員 新 谷 寅 三 郎,大 森 久 司 も名 を 連 ね て い る⑫。 次 に,GMP対. 応 の 救 済 策 と して 中小 企 業 近 代 化 促 進 法(近 促 法)の 業 種 指定 を 受 け る. こ と を め ざ した。 奈 良 県 が イニ シ ア テ ィ ブを と り,富 山県 ・滋 賀 県 に呼 びか け,近 促 法 の 受 け皿 とな る製 薬 工 業 組 合 を それ ぞ れ 結 成,そ. して 全 国 配 置 家 庭 薬 工 業 組 合 連 合 会(全 工. 連,佐 藤 又 一 が 理 事 長 就 任)を 創 設 す る こ と に して,旋 行 令 の 一 部 改 正 に よ り,1975年9 月 配 置 販 売 用 医 薬 品 製 造 業 は 中小 企 業 近 代 化 促 進 法 の 業 種 指 定 を 受 け る こ と にな る。 この 点,配 置 薬 議 員 連 盟 の 政 治 力 は大 きか っ た と いえ よ う。 近 促 法 に よ る政 策 が 中小 企 業 政 策 の 中心 を 占 めて い たの で あ り,厚 生 省 は近 代 化 計 画 策 定 の た め,産 官 連 携 に よ り,1977年 を起 点 とす る5か 年 の 中小 企 業 近 代 化 計 画(③を 定 めた 。 そ の た めの 基 礎 資 料 とな る各 企 業 の 実 態 調 査 と分 析 に は多 大 の 労 力 を 要 したが,通 産 省 は 「国 民 生 活 の 安 定 に寄 与 」 と い う こ とで 協 力 的 だ っ た と い う。 近 代 化 計 画 策 定 の 書 面 調 査 項 目 は(1)会社 の 概 要,(2)事 業 所 設 置 状 況,(3)従 業 員 の 構 成 状 況,(4)貸 借 対 照 表,(5)損 益 計 算 書,(6)配 置 販 売 用 医 薬 品 製 造 原 価 明 細 表,(7)純 売 上 高 の 状 況,(8)借 入 金 の 状 況,(9)有 形 固 定 資 産 の 状 況,⑩ 配 置 販 売 用 医 薬 品 薬 効 小 分 類 別 純 売 上 の 状 況,qD配. 置 販 売 用 薬 品 薬 効 小 分 類 別 の 年 度 別 生 産 状 況,⑫ 配 置 販 売 用 医 薬 品 薬 効 小 分 類. 別 の 月 別 生 産 状 況,⑬ 配 置 販 売 用 医 薬 品 原 材 料 購 入 状 況,⑭ 配 置 販 売 用 医 薬 品 関 係 主 要 設 一63(553)一.
(6) 第57巻. 第3号. 備 設 置 状 況,⑮ 配 置 販 売 用 医 薬 品 関 係 設 備 年 度 別 投 資 の 状 況,⑯ そ の 他(経 営 分 析 表)の 16項 目 に及 ん だ。 奈 良 県 の 書 面 調 査 事 業 所 は96,こ の う ち現 地 調 査 事 業 所 は,丸 太 中嶋 製 薬 ㈱,大 峰 堂 薬 品 工 業 ㈱,吉. 田製 薬 ㈱,奥 村 正 永 堂 薬 房,壷 阪 製 薬 ㈱,喜 多 薬 品 工 業 ㈱,. 米 田薬 品 工 業 ㈱,佐 藤 薬 品 工 業 ㈱,田 村 薬 品 工 業 ㈱,㈱ 米 田兄 弟 社,高 市 製 薬 ㈱,共 立 薬 品 工 業 ㈱,美 吉 野 製 薬 ㈱,大 師 製 薬 ㈱,藤. 田博 愛 堂 製 薬 ㈱,増. 田製 薬 ㈱,㈱ 雪 の 元 本 店 の. 17で あ っ た⑭。 「近 代 化 計 画 に基 づ く公 的資 金 は全 国配 置 家 庭 薬 工 業 組 合 連 合 会 関係 で200億 円,奈 良 県 で は80億 円 にの ぼ っ た」⑮ とさ れ る。GMPを. 契 機 とす る配 置 薬 製 造 業 の 近 代 化 に と って,. 近 促 法 が 果 た した 役 割 は極 め て 大 き な もの が あ り,そ の 経 済 的波 及 効 果 は300億 円以 上 に 値 す る と いわ れ た⑯。 奈 良 ・富 山 ・滋 賀 の3県 を 中心 に,全 国210余 の メー カー が 低 金 利 融 資,長 期 返 済,税 法 上 の 優 遇 措 置 な どの 恩 典 に よ って,設 備 の 改 善,品 質 管 理 の 徹 底,技 術 力 ・開 発 力 の 向 上 な ど企 業 体 質 の 強 化 に努 め たの で あ る。 さ らに,1976年. に佐 藤 又 一 は,GMPの. 現 状 視 察 の た め,6月. に ヨー ロ ッパ,10月. メ リカ に 出 か け て い る。 前 者 は視 察 団 の一 員 と して 参 加,「 ヨー ロ ッパ のGMPの. にア. 現状に. 失 望 した」(1の とい う。 後者 は各 製 薬 企 業 規 模 別 メ ンバ ー12名 か ら編 成 され た もの で,団 長 は佐 藤,15日 間 の 日程 で あ った 。 帰 国 後,佐 藤 は,「 ヨー ロ ッパ に お け るGMP実 を視 察 した私 の 感 想 」「ア メ リカ に お け るFDA基. 準 のGMP実. 実 施 状 況 訪 米 調 査 団報 告 」 の3通 の レポ ー トを 発 表,注. 施の現状. 施 状 況 を 視 察 して 」「GMP. 目を 浴 び た。 配 置 薬 業 界 のGMP. 対 応 へ 大 い に活 用 され たの で あ る。 当時 の配 置 薬 業 の現 状 と課 題 につ い て は,タ イ ム リー か つ 貴 重 な研 究 成 果 が あ るq8)。 調 査 結 果 に よ る と,1976年4月1日. 現 在 の県 下 の 企 業 数124(回. 答 企 業 数96,こ. の うち配 置. 薬 を製 造 して い な い企 業 と未 記 入 箇 所 の多 い 集 計 不 能 の企 業 を 除 き68企 業 を 対 象),経 者 意 識 は全 般 的 に低 調,独 力 で経 営 近 代 化 を 図 ろ う とす る企 業 は44で 全 体 の64.7%,協 合 併 等 集 団化 で近 代 化 を 図 ろ う とす る企 業 は19で 全 体 の27.9%で,そ. 業・. の ほ とん どが 従 業 員. 20人 以 下 の 小 規 模 ・零 細 企 業 で あ っ た。 残 りの5企 業 は一 般 薬 メー カー に転 換1,配 販 売 業 に転 業1,そ. 営. 置薬. の他3企 業 で あ った。 そ して,現 状 か ら将 来 を展 望 した 問題 点 と して,. (1)薬事 行 政 の 強 化,(2)配 置 薬 製 造 業 はGMP実. 施 と近 代 化 に よ り巨額 の 投 資 を した が,そ. れ を如 何 に回 収 す るか,(3)配 置 薬 製 造 業 者 は製 造 品 目を しぼ り量 産 体 制 の 方 向 を 進 む が, 販 売 促 進 を ど う進 め るか,な. ど に言 及 して い る。 最 後 に,1つ. の 提 言(創 造 的 配 置 販 売). を行 って い る。 奈 良 県 配 置 薬 業 界 のGMP対. 策 の進 行 状 況 を み る と,1979年 春 の 段 階 で,品 質 管 理 な ど 一64(554)一.
(7) GMPの. 法制化 と奈良県製薬業(武 知). の ソ フ ト面 は 県 が 重 点 的 に 指 導 した こ とか ら,比 較 的 ス ム ー ズ に 進 み,111メ ち医 院 ・薬 局,一 般 向 け は6社)全. ー カー(う. 部 が 基 準 を 達 成 して い た。 しか し,構 造 設 備 の 改 善 な. どハ ー ド面 の 対 応 に は大 変 な 苦 労 が 伴 い,「達 成 は49社(同2社)で,達 た。 た だ 「改 善 中が39社(同2社),計. 画 中 が16社(同2社)あ. 成 率44%」 で あ っ. る ほ か,7社 が 販 売 に専 念. す る予 定 の た め」,79年 度 の早 い 時期 に基 準 達 成 の見 通 し,と 展 望 さ れ て い た⑲。 GMPは1979年10月1日. の 改 正 薬 事 法 に取 り込 まれ,医 薬 品 の有 効 性 と安 全 性 及 び品 質. 確 保 を図 る こ とを 目的 と して 明 示 し,翌 年4月. と9月 の2回. にわ た って 段 階 的 に施 行 され. た。4月 の 改 正 施 行 に続 き,従 来 行 政 指 導 で実 施 さ れ て き た,い わ ゆ るGMPソ 理 面 の基 準,医 薬 品 の製 造 管 理 及 び 品 質 管 理 規 則)),GMPハ 薬 局 等 構 造 設 備 規 則)が 同 年9月30日. フ ト(管. ー ド(構 造 設 備 面 の 基 準,. か ら施 行 され た の で あ る。GMPの. 省 令 化 に よ って,. 他 に試 験 検 査 を委 託 で き る制 度 が 新 た に と り入 れ られ た。 さ らに,1993年4月 WHOの. 改 正GMPに. な るGMPソ 階 を新GMPと 新GMPは. り高 品 質 な 医 薬 品 製 造 を め ざす と と も に,前 年 公 表 され た. 対 応 す るた め に薬 事 法 等 の改 正 を実 施 し,GMPは. に な る。 翌 年1月27日 ソ フ トを制 定,ま. に は,よ. 付 厚 生 省 令 第3号. 強 化 され る こ と. で,新 た に 医 薬 品 製 造 業 の 許 可 要 件 とな るGMP. た区 分 許 可 制 度 の 実 施,バ. リデ ー シ ョ ン⑳ 等 の 設 定 を み た 。 許 可 要 件 と. フ トが 制定 され た こ とに伴 い,従 来 のGMPソ. フ トは廃 止 され た ⑳。 この 段. 呼 ぶ こ とに す る。 「医 薬 品 の 製 造 管 理 及 び品 質 管 理 規 則 」(1994年 厚 生 省 令 第3号)に. よ って,. 医 薬 品 の 製 造 業 者 は,製 造 所 ご と に,医 薬 品 製 造 管 理 者 の 管 理 の 下 に製 造 管 理 責 任 者,品 質 管 理 責 任 者 を置 か な けれ ばな らな くな っ た。 ま た品 質 管 理 に係 る部 門 は,製 造 管 理 に係 る部 門 か ら独 立 して いな けれ ばな らず,製 造 管 理 責 任 者 は,品 質 管 理 責 任 者 を 兼 ね て はな らな い,と され た。 この ほか,製 薬 企 業 の 製 造 管 理,品 質 管 理 にお け る 自己 点 検,教 育 訓 練,苦 情 処 理,回 収 手 順 につ いて マニ ュ アル の 作 成 ・保 管 が 追 加 にな った 。 関 係 省 令 の 改 正 も あ り,1996年4月. 以 降 は 「原 材 料 の 搬 入 か ら出荷 に至 る全 工 程 が 適 正. に管 理 され て い る こ とを 科 学 的 デ ー タを 基 に証 明 す る 『バ リデ ー シ ョン』 が 製 造 業 並 び に 品 目追 加 許 可 の 必 要 条 件 と され た」 の で あ り,さ らに1999年 か らはバ リデ ー シ ョンを 超 え な けれ ば新 製 品 を 出せ な くな る⑳。 この よ う に,GMPか れ る よ う に至 っ たが,新. ら新GMPへ,国. 際 レベ ル に合 致 した製 造 管 理 が 法 的 に必 要 と さ. たな 措 置 は,小 規 模 ・零 細 企 業 に と って 設 備 と人 材 の 両 面 で 多 大. な 負 担 は避 け られ ず,中 小 企 業 の 多 い 奈 良 県 を は じめ,業 界 の根 底 を揺 がす 難 題 に直 面 し, 大 転 換 を迫 ま られ たの で あ っ た。 -65(555)一.
(8) 第57巻. 第3号. 「基 準 の適 用 範 囲」に つ い て付 言 して お く と,1990年 に原 薬GMP実 GMP実. 施 を み た 。 ま た 医 薬 品 販 売 の 規 制 緩 和 措 置 に伴 い,1999年. 対 す るGMPの. 施,1997年. に治 験 薬. に 医薬 部 外 品 の 一 部 に. 適 用 を み た。. こ の よ うな 流 れ の 中 で,1991年7月. 全 配 協 の 改 組 後 の2代. 目会 長 に就 任 した 佐 藤 又 一. は,就 任 の 挨 拶 の 中で 述 べ た構 想 に則 り,翌 年7月 の 全 配 協 総 会 で 製 販 両 組 織 が 近 促 法 に 基 づ く業 種 指 定 を 受 け,配 置 薬 業 界 の近 代 化 に乗 り 出す こ と を機 関決 定 した㈱。 そ して, 3年 後 の95年9月. に は,配 置 薬 製 造 業 で は2度 目の 中小 企 業 近 代 化 促 進 法 の 業 種 指 定 と新. た に緊 急 に構 造 改 善 が 必 要 な 業 種 で あ る と して 特 定 業 種 に も 同時 に指 定 され た 。 これ ら は 新GMPへ. の 対 応 を め ざす もの で あ った とみ て よ か ろ う。 配 置 販 売 業 に も初 め て近 促 法. が 適 用 され,業 種 指 定 を 受 け た。96年2月. に は,配 置 薬 製 造 業 と配 置 販 売 業 が 協 調 して 取. り組 む 製 販 協 調 型 の 構 造 改 善 計 画 が 承 認 され た。 こ う して,国 が 策 定 す る 中小 企 業 近 代 化 計 画 と業 界 が 独 自 に策 定 す る構 造 改 善 計 画 に沿 って,製 販 一 体 とな った 近 代 化,構 造 改 善 事 業 が 進 め られ る こ と にな る。. 2GMPの. 実 施 と 配 置 薬 メ ー カ ー の 合 併 ・協 業 化. (1)協 業 化 議 論 を戻 す と,GMP旋. 風 で 揺 れ た 配 置 薬 業 界 の 動 き につ いて は,「薬 日新 聞 にみ る薬 業. 界40年 史 』(全5回,1987年5月2日 談 会 」(「薬 慈 新 報 』1987年6月15日. 付 ∼88年7月30日. 付)や. 「全 工 連 設 立10周 年 記 念 座. 付),そ の 他 業 界 団 体 史,数 は 少 な い が,県 下 製 薬 メー. カ ーの 社 史 な どが 一 定 の 手 が か りを 与 え て くれ る。 と くに 『座 談 会 』か ら,GMP,近 指 定,全 工 連 の 設 立 の3つ. 促法. は三 位 一 体 の 取 り組 み で あ っ た こ とが わ か る。. 配 置 薬 製 造 業 の 近 代 化 は,近 促 法 の業 種 指 定 で 策 定 さ れ た 近 代 化 計 画 に 基 づ き な が ら GMPを. 乗 り切 って い く こ と に な る。 しか し,「製 造 」 と 「販 売」 は車 の 両 輪 と い う もの. の,配 置 販 売 業 の 近 代 化 は一 部 を 除 いて 積 み 残 しの ま まだ っ た。 本 来 は 同時 に着 手 す べ き 課 題 で あ っ た と思 わ れ る。 巨額 の 設 備 投 資 が 必 要 な 配 置 薬 製 造 業 の 近 代 化 に あ た り,小 規 模 経 営 者(従 業 員10人 以 下,20人. 以 下 が 多 い)が 単 独 で 果 た して 生 き残 れ るの か と い う疑 問 は当 初 か ら あ った 。 こ. の 階 層 の メ ー カ ー に と って,GMPを. ク リアす る た め に は,合 併 ・協 業 化 とい う こ とが1. つ の 流 れ とな る。 しか し,一 部 の メー カー が 単 独 で 近 代 化 され 始 め る と,近 代 工 場 の 稼 働 率 を考 え て 「脱 配 置 薬 」 あ る い は上 位 メー カー を 中心 に 「多 角 化 」 の 動 きが 出て くるの で 一66(556)一.
(9) GMPの. 法制化 と奈良県製薬業(武 知). あ っ た。 この 場 合,合 併 ・協 業 化 に よ って 「配 置 薬 」 を 主 とす る方 向 と脱 配 置 化 あ る い は 経 営 の 多 角 化 に よ って 「配 置 薬 」 が 従 とな る方 向 に分 か れ て い った 。 GMPの. 影 響 を み る と,奈 良 県配 置薬 業 界 で は,第1にGMP投. 合 併 ・協 業 化 が 進 ん だ こ とを 指 摘 で き る。 第2は. 資 の過 程 で,転 廃 業,. メー カー 数 の 減 少 傾 向 に対 して,配 置 販. 売 業 者 が 大 幅 に増 加 した こ とで あ る。 販 売 の 法 人 組 織 も少 な か らず み られ る。 製 造 か ら販 売 へ 転 業 す る ケー ス も 出て くる。 第3は 配 置 従 事 者 数 の 減 少,そ. して 青 年 層 の 激 減 と高 齢. 化 と い う問 題 で あ る⑳。 小 稿 の対 象 で あ る奈 良県 配 置 薬 製 造 業 で は,GMP実 合 併1社. 施 の結 果,廃 止29社,協. 業1社,. の激 震 を み た とい うの が 定 説 で あ る㈱。 メ ー カ ー 数 の 減 少 に異 論 が あ るわ けで は. な いが,以 下,こ れ らの 点 につ いて 少 し敷 え ん して お こ う。 「奈 良 県 薬 業 史 』通 史 編 で は,「奈 良 県 薬 事 年 報 』を も とに,1976年 のGMP対 (配 置 用 の 業 者 数 は 不 詳)か. ら81年 に は90(配. る⑳。 佐 藤 薬 品 工 業 の 「社 史』 で は,5か. 置 用 は79)へ35も. 象 業 者125. 減 少 した こ と表 示 して い. 年 の 近 代 化 計 画 に言 及 しな が ら,「 新 製 品 や 新 技. 術 の 開 発,設 備 の近 代 化,生 産 規 模 適 正 化 を 目指 して,奈 良 県 下 で は140社 の 製 造 企 業 を 約 80社 に集 約 しな けれ ばな らな か っ た。(中 略)一 部 企 業 の転 廃 業 もあ り,奈 良 県 で は結 局, 87社 が 生 き残 っ た」⑳ と記 して い る。 詳 細 は別 と して,こ の2つ の文 献 か ら も,GMP実. 施 に よ る奈 良 県 配 置 薬 業 界 の 激 変 を. 読 み 取 れ る。 実 は個 人 経 営 的 メー カー の 多 い県 下 の 配 置 薬 業 の 生 き残 り策 と して 近 促 法 の 適 用 を受 けて 近 代 化 を め ざす こ と にな っ たが,そ れ は協 業 化 へ の 第 一 歩 で あ った 。 近 代 化 計 画 で は,生 産 規 模 の 適 正 化 と して,「 製 造 品 目の 集 中化,専. 門 化 を 図 る と と も に,共 同. 化 協 業 化,合 併 等 企 業 の 集 約 化 等 の 配 慮 を含 め て 目標 達 成 に努 め る もの とす る」㈱ と され て い た。 ま た近 代 化 に際 して 配 慮 す べ き事 項 と して,従 業 員 の 福 祉,消 費 者 の 利 益 増 進, 環 境 の 保 全 に関 す る諸 事 項 が あ げ られ て い る点 も重 要 な こ とで あ った 。 奈 良 県 製 薬 協 同組 合(理 事 長 佐 藤 又 一)で. は,GMPを. ク リアす る た め,最 初 は県 下 を橿 原,高. 田,御 所,. 高 取 の4地 区 に分 け,各 地 区 で 製 薬 企 業10数 社 を 集 めて 協 業 組 合 化 に よ る地 域 的 合 同の 実 現 を意 図 して い た。 しか し,こ れ は戦 時 の 企 業 整 備 に お いて 生 産 部 門 の 企 業 統 合 が いか に 難 航 したか を思 い起 こ して み て も容 易 に ま と ま る話 で はな く,し か も一 部 の 上 位 メー カー な ど が単 独 でGMP対. 応 に着 手 し始 め た た め,い. にか けて,佐 藤 理 事 長 の 呼 び か け でGMP未 上 が り,曲 折 の 末,1979年. った ん 宙 に 浮 い て しま った。1976-77年. 着 手 の 約30社 を 一 本 化 しよ う と い う案 が 持 ち. に協 業 組 合 奈 良 県 製 薬 の 誕 生 を み るの で あ った 。 関 係 機 関 の 指. 導 を受 けて 準 備 段 階 か ら協 業 化 へ の 努 力 を 続 け,理 事 長 とな っ たの は扇 屋 薬 品 本 舗(高 市 一67(557)一.
(10) 第57巻. 第3号. 郡 高 取 町)経 営 者 の友 村 正 隆 で あ る。 最 年 長 の友 村 は 「至 誠 温 厚,人 か ら信 頼 され る」⑳ 人 物 と して 知 られ る。 近 促 法 に よ って 有 利 な 条 件 で 融 資 が 受 け られ る と言 って も,準 備 が 進 む につ れ て,伝 統 産 業 の 担 い手 と して の プ ラ イ ドや 親 しまれ た商 標 を 守 ろ う と して 多 くが 脱 落 して い っ た。4地 区 に作 る予 定 だ っ たの が,県 下 を1地 区 と し,最 後 に は11社(株 会 社6,個. 人5)と. な っ た(表1)。. 表1〈. 協 業 組 合 〉 協 業 組 合 奈 良 県 製 薬(1979年4月15日. 製造所名. 代表者名. 協奈良県製薬. 井上薬品工業社 扇屋薬品本舗 光誠製薬㈱ 玉巻 自由堂薬房 ㈱西川栄寿堂 大和橿原製薬㈱ 共生製薬㈱ 中島寿玄薬房 奥村正永堂薬房 養寿堂製薬㈱ 関西薬品工業㈱. 井 友 西 玉 西 米 福 中 奥 池. 上 村 島 巻 川 田 西 島 村 田. 仁 正 隆 松 司 政之助 秀次郎 公 昭 明 寿 玄 匡 博 侃 司. 斎. 藤. 諭. 員外. 松. 原. 佐. 藤. 理 事(人 事 担 当). 理事長 理 事(会 計 担 当) 理 事(広 報 担 当). 副理事長 専務理事 副理事長 理 事(渉 外 担 当) 理 事(開 発 企 画). 監事 監事. 一. 勇 又. 開 業). 常務理事 顧問. 一. 出所)奈 良 県 薬 業 史編 さん 審議 会 『奈 良県 薬 業 史」 資 料 編,767ペ 新 聞 』1980年11月29日 付 よ り作 成 。. 準 備 の 段 階 で 問 題 と な っ た の は,(1)製 る が,そ. 担 力 に 応 ず る の か,な. 資 金 を 平 等 に す る と 言 っ て も,算. ど い ろ い ろ 議 論 を 重 ね な が ら,最. 社 で 約 束 が ま と ま っ た よ う で あ る 。 友 村 は,「 人 の 心 を1つ 知 り ま し た 。(中 略)30人. ー ジ,『 薬 日. 造 ・発 売 を 協 奈 良 県 製 薬 と す れ ば 合 理 化 は 徹 底 す. れ で は 各 企 業 の プ ラ イ ドが 許 さ れ な い 点,(2)出. 術 的 な 平 等 か,負. 式. に す る こ と は大 変 な こ とだ と. の 人 が11人 に 減 る ま で の 人 と人 と の 争 い,離. 5人 に な っ た と き は 「も う や め よ う 』 と 思 っ た そ う だ が,心. 後 ま で 残 っ た11. 合 集 散,そ. し て14,. を も ち 直 して 続 け た の は 厚 生. 省 ・県 ・製 薬 組 合 な ど の 暖 か い 支 援 が あ っ た か ら だ 。 最 後 の 最 後 ま で 非 常 な 決 断 力 だ っ た 」 と い う 。 こ う して,全 GMPハ 円(無. 国 で 初 め て 協 業 化 に よ る 医 薬 品 製 造 工 場 を 誕 生 さ せ,GMPソ. フ ト,. ー ドを ク リ ア す る こ と に 踏 み 切 っ た の で あ る。 近 促 法 に よ る 借 入 金1億7,200万 利 息2年. 間 措 置,14年. 11社 か ら の 出 資 金6,000万. 間 で 償 還),県. 円 な ど総 事 業 費 約3億. の 旧 工 場 を 譲 り受 け てGMP適 物 ・ 機 械 設 備 に2億3,000万. の 補 助 金1,000万 円 で,御. 円,県. 斡 旋 の 借 入 金3,000万. 所 市 茅 原 に あ った 佐 藤 薬 品工 業. 合 工 場 に 改 装 す る こ と に し た 。 事 業 費 の 内 訳 は,土 円,事. 務 備 品1,500万 一68(558)一. 円,運. 円,. 転 資 金5,000万. 地 ・建. 円な どで あ った ㊤ ①。 佐.
(11) GMPの. 法制化 と奈良県製薬業(武 知). 藤 薬 品 工 業 の 『社 史 』 に は,協 業 化 に伴 う用 地 取 得 計 画 の 経 緯 な どが 紹 介 され て い るeD。 1979年2月. に設 立 総 会 を 開 き,4月. に各 社 の製 薬 免 許 を 組合 が継 承 し,業 務 を 開始 した。. 資 本 金 は4,540万 円 で あ る働。 協 業 組 合 の 仕 組 み は,各 メー カー が 個 々 に行 って いた 薬 の 製 造 をや め,製 造 は組 合 で1つ の 工 場 を 建 設 して 行 い,各 メー カー は卸 売 一 般 販 売 業 に転 業 す る と い う もの で あ っ た。 製 造 す る薬 は,か ぜ ・頭 痛 ・せ き ・胃腸 ・臓 器 薬 の5種 類,約 30品 目 に合 理 化 し,こ れ を 各 社 が 持 ち込 ん だ 包 装 資 材 で 仕 上 げて 各 社 へ 送 る。 そ して,各 社 は従 来 の ブ ラ ン ドで 品 揃 え を して,こ れ ま で取 引 して い た 帳 主 に卸 す こ と に な って い た。 GMPで. 一 番 問 題 とな った 試 験 分 析 は3人 の技 術 者 が担 当,従 業 員 も全 部 で25人,協. 化 前 に比 べ る と大 幅 に減 ら して い る。 県 下 で も一 流 の 設 備 と技 術 と いわ れ,バ 社 で は とて もや れ な いGMP生. 業. ラバ ラの1. 産 管 理 が で き,協 業 組 合 は 順 調 にす べ り出 し,旧 各 社 の 販. 売 実 績 も良 か っ た ら しい。 初 年 度(1979年4月 1億 円,ま だ黒 字 は 出て いな が,ほ. ∼80年3月)の. 決 算 に よ る と,生 産 額 は約. ぼ トン トンで 自信 を 深 め,年 々倍 増 し,3年. 後 に は5. 億 円 に持 って い き,黒 字 は確 実 と見 込 ん で い た よ うで あ る。 友 村 理 事 長 は,「 そ の た め に は,組 合 で 全 帳 主 を 集 めて 研 修 会 を や っ た り,新 薬 の 開 発 に努 力 して 行 く方 針 で す 。 利 益 が あが る よ う にな る と11社 の 団 結 も強 くな るの で,小 分 け㈱ や ドリン ク剤 の 一 括 仕 入 れ な ど もや って,利 益 を あ げて い き た い。 組 合 の 利 益 は即 組 合 員 の 利 益 で す 」 と明 る く語 って い た。 ま た福 西 副 理 事 長 は,「予 想 以 上 に,し か も早 く見 込 み が つ い た の は,苦 労 した 友 村 理 事 長 の 人 徳 の い たす と こ ろ。 友 村 さん な らつ いて 行 け る とわ れ わ れ は組 合 に投 じた の で す 」 と い う。 旗 ふ り役 は別 の 組 合 員 だ っ た ら しいが,残 念 な が ら,そ の1人. は途 中で 亡 く. な られ た。 と もか く将 来 の見 通 し に確 信 を もち,「 も う大 丈 夫 で す 。 これ で 安 心 で き ます よ」 と友 村 理 事 長 は語 り,組 合 ブ ラ ン ドの 新 薬 も始 め た よ うだ った 。 しか し,や が て ど ち らか と言 え ば,参 加 各 メー カー は 旧 ブ ラ ン ドで 売 れ ば良 い と い う感 覚 とな り,し か も合 議 制 と い うか,実 質 的 に は リー ダー 不 在 の 感 は否 めず,経 営 は他 人 まか せ,放 漫 経 営 に陥 っ て しま う。 創 業10年 後 の 同 社 の 役 員 数 は1人 減 っ て9人 メ ー カ ー の 代 表 者 が3人,員. とな っ て い る(監 事 は 不 詳)。 内 訳 は,旧. 外 の役 員 は重 任 して い る が,残. り5人 は代 替 り した よ うで. あ っ た⑳。1995年 版 の役 員 メ ンバ ー も 同様 で あ る が,代 表 理 事 が 友 村 正 隆 か ら井 上 仁 に交 代 して い る。 監 査 役 に 友 村 元 代 表 理 事 の娘 婿 の友 村 与 三 郎 が 就 任 して い る㈲。 こ う した 変 遷 は,業 績 の 不 振 と と も に,創 業 期 の 結 束 力 が 弱 ま っ た こ とを 示 唆 して い る と思 わ れ る。 遂 に業 更 新 を断 念,1996年9月30日. 協 業 組 合 奈 良 県 製 薬 は負 債4億 一69(559)一. 円を 抱 え,空. 中分 解 す.
(12) 第57巻. 第3号. る形 で 解 散 とな っ た。 挫 折 の 要 因 は,ま ず こ う した結 束 力 の 緩 み に求 め らよ うれ が,旧. メー カー の 社 長 は 「一. 国 一 城 の 主 」 で あ っ たか ら,協 業 組 合 の トップ は 「和 の 精 神 」 を 重 ん じ,リ ー ダー シ ップ を発 揮 しに くい面 が あ っ たの か,あ. る い は それ を 欠 いて い たの か,い ず れ にせ よ,強 力 な. リー ダ ー シ ップの 欠 如 は大 きか っ た と思 わ れ る。 この 点 に関 連 して,中 核 とな る企 業 を 吸 収 して の 協 業 化 で な か っ ただ け に,業 績 の 悪 化 と と も に非 効 率 的 な 負 の 部 分 が 顕 在 化 した こ と は否 めな いで あ ろ う。 併 せ て 協 業 組 合 の 経 営 に明 る い人 材 を 得 難 か った の か,な. どの. 疑 問 が 浮 か ん で くるの で あ る。 最 も大 きな 要 因 は,組 織 上,製 造 と卸 売 一 般 販 売 業 の 仕 組 み に問 題 点 を 孕 ん で いた こ と で あ ろ う。11社 は製 薬 の 免 許 を 返 上 して 販 売 だ け にな って い たが,製 造 の 現 場,組 合 の 工 場 生 産 は 旧 メ ー カー の 個 々の 製 品 を つ くって い るの が 実 態 だ っ た。 販 売 面 は 旧商 品 の 名 前 だ け を変 え て 旧ル ー トで 販 売 す る と い う状 況 で あ り,組 合 自身 の 工 場 生 産 は少 な か った の で あ る。 多 品 種 少 量 生 産 の た め,単 価 も高 くな って い た。 だ か ら,卸 売 一 般 販 売 業 に専 念 で き た と い う もの の,い わ ば組 合 を 「食 い物 」 に して い る と い う批 判,弊 害 が 出て くる有 様 だ っ た。 県 側 は,1つ. の 製 品 を 大 量 につ くる こ と,こ れ に よ って 収 益 を 上 げ るべ きだ と指 導 して. い たが,個 々の プ ライ ドが許 さな か った の か,こ の指 針 は受 け入 れ られ な か った の で あ る。 いわ ば妥 協 した形 で 出発 した と いわ ざ るを 得 な い。 か ぜ,下 熱,鎮 痛 剤 な ど売 れ 行 きの よ い と こ ろ は販 売 実 績 も よか っ た よ うだ が,個. 々 に は持 ち 出 しが 少 な くな か った と推 定 され. る。 製 造 部 門 の 「コス ト管 理 」の重 要 性 を十 分 に認 識 して い た とは言 え な か った の で あ る。 要 す る に,一 説 には100品 目ほ ど と い わ れ た多 品種 少 量 生 産 の た め,生 産 の 現 場 はバ ラバ ラで あ り,管 理 面 も難 し く,コ ス ト面 等(設 備 ・人 的 等 を 含 む)で 問 題 が あ った こ と は否 めず,協 業 化 の 難 しさを 露 呈 して しま い,失 敗 に終 わ っ た。 負 債4億. 円 は顧 問 の 佐 藤 又 一 が 片 代 わ り した と い うか,佐 藤 薬 品 工 業 が4億. 円で 協 奈 良. 県 製 薬 を買 収 した。 協 業 組 合 の 解 散 後 は,薬 業 か ら離 れ た ケー ス も あ るが,多. くは卸 売 一. 般 販 売 業 へ,一 部 は配 置 販 売 業 あ る い は薬 局 経 営 へ 転 換 して い った 。. (2)合. 併. 次 にGMP実. 施 の過 程 で,こ れ まで3社 合 併 の ケー ス と して 位 置 づ け られ て きた 大 和 製. 薬 の 誕 生 につ いて 再 検 討 して お こ う。 実 は さ きの 拙 著 ⑳ で,前 述 の 定 説 を 少 し援 用 した こ とが あ るの で 補 正 にな れ ば と願 う。 -70(560)一.
(13) GMPの 大 和 製 薬 の ル ー ツ は,1912(明. 法制化 と奈良県製薬業(武 知) 治45)年. 現 在 地(葛 城 村 〈現 御 所 市 〉 東 佐 味)で 現 社 長. の 祖 父 庄 太 郎 が 岡 田快 生 堂 を 創 業 した こ と に始 ま る。1934年 に は,現 在 の 田村 薬 品 工 業 の 創 業 者 ・田村 信 一 の 独 立 に際 し,行 動 を 共 に した よ うで あ り,田 村 の 『社 史 』 に 「佐 味 の 岡 田薬 剤 師(現,製. 薬 業 経 営,御 所 市 在住)と. 『亜 細 亜 薬 品商 行 』 を創 業 した」⑳ と記 され. て い る。 岡 田薬 剤 師 は 「美 教 」 で あ ろ うが,岡. 田快 正 堂 は,戦 時 中の 企 業 整 備 で は彼 が 応. 召 中の た め,事 実 上,一 時 休 業 状 態 で あ っ たか も しれ な い。 復 員 後,1949年 快 生 堂 と して製 造 を再 開 して い た。GMP対. 策 と して,1978年6月. 末頃か ら岡田. に株 式 会 社 に組 織 を 改. めて い る。 同社 の資 料 ㈱ に よ る と,資 本 金800万 円(1株500円,1万6,000株),設. 立発起人 は岡 田. 家 を 中心 とす る 岡 田快 生 堂 の 関 係 者 で,全 株 式 の 約4分 の1を 引 き受 けて 法 人 化 した こ と が わ か る。 そ して,7月. に法 人 化 の た め,医 薬 品 製 造 承 認 承 継 届 書 及 び医 薬 品 製 造 業 許 可. 申請 書 を,そ れ ぞ れ 奈 良 県 知 事 宛,厚 生 大 臣宛 に提 出 して い る。 この 点 は,後 述 の 合 併 を 視 野 に入 れ て の こ とで あ ろ う。 当時GMP対. 策 と して,県 下 で は協 業 化 へ の 動 きが 活 発 で あ り,曲 折 を へ て,㈱ 奈 良 県. 製 薬 の 誕 生 をみ たが,他 方,合 併 を 説 く動 き も あ っ た。 た とえ ば ワキ 製 薬 社 長 の 脇 本 佳 信 は,GMP対. 策 と して,大 和 高 田市 ・北 葛 城 郡 の 「全 製 薬 会 社 が1社. に 合 併 して,GMP. に完 全 に合 っ た立 派 な 工 場 を 設 け,消 費 者 に信 頼 され,安 心 して 使 って 頂 け る薬 を 生 産 す べ き だ。 消 費 者 が いつ 見 学 に来 て も,恥. し くな い工 場 で 薬 を 生 産 して い る と こ ろを お 見 せ. した い」 と主 張 し,各 社 を 説 得 して 回 っ た よ うで あ る。 しか し,各 社 の 足 並 み が 全 然 揃 わ ず,合 併 を断 念 し,1社. でGMP適. 合 工 場 を建 設 した こ とを 明 らか に して い る㊤9。. と こ ろで,法 人 化 に踏 み 切 っ た大 和 製 薬 は,1か 田正 之),仁. 月 余 の ちの1978年7月. 寿 堂(宮 本 公 典),東 洋 薬 品 商 会(東 照 男)か. に 内外 製 薬(米. ら各200万 円 の 出資 を 受 け,合. 併 を具 体 化 させ る。 「出 資 に 関 す る説 明書 」 で,大 和 製 薬 株 式 会 社 取 締 役 社 長 岡 田美 教 は 「上 記 の通 り出資 を受 け ま した」と記 して い る。3社. の 中 に は,㈱ 奈 良 県 製 薬 に誘 わ れ た と. こ ろ も あ っ た ら しい。 表2に 示 す4社 合 併 前 後 の 概 要 に よ る と,合 併 段 階 で は 内外 製 薬, 仁 寿 堂,東 洋 薬 品 商 会 の3社. は代 替 わ り して い た。 前2者 の 「医 薬 品 製 造 承 認 承 継 届 書 」. に よ る と,出 資 理 由 は 「協 業 化 の た め(増 資 加 入 に よ る)」 と記 さ れ て い る。 さ き に 申 請 して い た大 和 製 薬 と して の 医 薬 品 製 造 業 許 可 願 は,1978年9月1日 され た。4社 合 併 に よ り全 額 払 込 み とな っ た大 和 製 薬 の 開 業 は,同 年9月20日 締 役 社 長 に 岡 田 美 教,出 資 者3名 誘 わ れ たの か,モ. に認 可 で あ り,取. は取 締 役 に就 任 して い る。 岡 田美 教 は県 下 の 同業 者 に. ラ ロ ジー を 学 ん で い た。 な お代 替 わ りを した現 在 も,経 営 陣 は,機 関 誌 一71(561)一.
(14) 第57巻. 第3号. 『ニ ュ ー モ ラ ル 』,学 習 誌 『れ い ろ う 』 を 購 読 して い る 。. 表2〈 企業体名. 住. 所. 合 併 〉 大 和 製 薬 株 式 会 社(1978年9月20日 代表者名. 管 理 薬剤師名. 企業体名. 住. 開 業) 所. 代表者名. 大 和 製薬役員. 岡 田 快 生 堂 葛城村. 岡田. 美教 岡田 美教 大 和 製 薬 ㈱ 御所市. 岡田 美教. 取締役社長. 内 外 製 薬 ㈱ 御所町. 米田. 正偉 中 山. 貞一. 米 田 正之 (のち米田和子). 取. 締. 役. 宮 本 仁 寿 堂 葛村. 宮本. 政 一 門内. 久子 仁. 宮本. 公典. 取. 締. 役. 東洋薬品商会 吉野郡大淀町. 東. 東. 照男. 取. 締. 役. 佐太郎 東. 内 外 製 薬 ㈱ 御所市 寿. 堂 御所市. 照男 東洋薬品商会 吉野郡大淀町. 出所)奈 良 県 製 薬 協 同 組 合 「 奈 良 県 医薬 品製 造 業(専 業)者 名 簿 」(1952年11月),大 所 蔵 資 料 よ り作 成 。. 和製薬株式会社. 4社 と も,近 促 法 に よ る近 代 化 計 画 策 定 の た めの 配 置 販 売 用 医 薬 品 製 造 業 の 書 面 対 象 事 業 所 に名 を連 ね て い たが,製 造 と い う点 で は 岡 田快 生 堂 が 群 を 抜 いて お り,内 外 製 薬,仁 寿 堂,東 洋 薬 品 商 会 の3社. は製 造 も行 って い たが,ど. ち らか と言 え ば薬 種 商 販 売 業 ・卸 売. 一 般 販 売 業 と い う性 格 が 強 か っ た。 本 社 ・工 場 は御 所 市 東 佐 味 の 旧 岡 田快 生 堂 に置 き,改 めて,(1)医 薬 品 及 医 薬 部 外 品 の 製 造 並 び に販 売 業,(2)前 号 に附 帯 す る一 切 の 業 務 を 事 業 目 的 と した。 開 業 に あ た り不 採 算 品 目な どの 整 理 を して い る。 旧 岡 田快 生 堂 で は10数 品 目の 廃 止 届 を提 出 して お り,合 併 後 は約30品 目程 度 で ス ター トした よ うで あ る。 管 理 薬 剤 師 と して,1962年10月. か ら仁 寿 堂 に勤 務 して い た吉 野 郡 吉 野 町 の 阪 本 八 寿 子 が1978年10月1日. 付 で 移 って き た。 メ ー カ ー と して の 色 彩 が 強 か っ た 岡 田快 生 堂 は合 併 直 前 に法 人 化 し,大 和 製 薬 とな って い たが,管 理 面 な ど を考 え る と1社 で は難 しいGMP対. 応 につ い て,販 売 力 の あ る3社 と. 合 併 して 基 盤 を固 め る道 を 選 ん だ と いえ よ うか 。 製 造 に弱 さの あ った3社 併 出資 に よ ってGMP適. に と って も,合. 合 工 場 を もつ メ リ ッ トは 大 き い と判 断 した の で あ ろ う。 と もか. く形 式 的 に は4社 合 併 に よ って,大 和 製 薬 はGMPを. ク リアで きた 。 配 置 薬 専 業 メー カー. は小 規 模 ・零 細 な と こ ろが 多 く,小 型 の 同志 的 な 吸 収 合 併 で あ り,リ ー ダー は 岡 田美 教 で あ っ た。 医 薬 品 製 造 業 と は別 に卸 売 一 般 販 売 業(小 規 模 卸 ・家 庭 薬)の 免 許 を 得 て いた 岡 田快 生 堂 は,店 舗 と して その 名 を 残 す こ と に した。 合 併 と い う形 式 で あ っ たが,共. 同 して 経 営 す る と い う状 況 で はな く,新 しい もの を つ く. る と い う メ ー カー 意 識 は乏 しか っ た ら しい。 いわ ば大 和 製 薬(工 場)は 製 造 所 で あ り,旧 3社 は こ こで 作 っ た もの を 持 ち帰 り,旧 来 の パ ッケ ー ジで 卸 売 一 般 販 売 業 に徹 す る と い う ス タ イル だ っ た。 販 売 ル ー トも 旧来 の ま まで,囎 奈 良 県 製 薬 と よ く似 て お り,実 態 は 同業 一72(562)一.
(15) GMPの. 法制化 と奈良県製薬業(武 知). 他 社,販 売 業 者 との 企 業 合 同 と い う形 態 の 協 業 化 だ っ た と いえ よ うか 。 メー カー と して の 大 和 製 薬 は 「気 持 ちを 込 めて,使. う人 の 身 にな って 」 を 企 業 理 念 と して きた が,品. 目数 を. 整 理 した と は いえ,多 品 種 少 量 生 産 の た め生 産 効 率 が 悪 く,コ ス ト高 とな って いた 。 また 品 揃 え の た め他 社 製 品 の 仕 入 れ を 行 う結 果,非 効 率 な 原 価 構 成 にな って いた の で あ ろ う。 売 り上 げ も伸 びず,業 績 は振 るわ な か っ た。 製 造 を 担 う 岡 田家 が20年 間 ほ ど単 独 で 補 填 す る状 況 で あ っ た と い う。 な お小 規 模 な 配 置 薬 メー カー の 場 合,製 造 だ けで は採 算 が 取 れ な いの で 薬 種 商 販 売 業 ・卸 売 一 般 販 売 業 を 兼 営 す るの が 一 般 的 で あ った 。 1987年6月. 管 理 薬 剤 師 が 岡 田曙 美 に交 代,新GMP対. ら取 締 役 に就 任(1994年7月,95年 は,許 可 要 件 とな るGMPソ. 応 の 時 期 に は 岡 田守 暗 が 監 査 役 か. 資本 金1,000万 円へ)し た。 身 内で 薬 剤 師 が 増 え た こ と. フ ト(管 理 面 の基 準)や,さ. らな るGMPの. 高 度 化 に対 して. も,人 材 面 で は 同族 で適 応 で き る体 制 を 整 え た と いえ よ う。 一 般 論 と して,GMPハ. ー ド. (製造 所 の 構 造 設 備 面 の 基 準)の 方 は,各 メ ー カ ー の 経 営 戦 略 も絡 ん で,一 定 の設 備 投 資 を必 要 とす る場 合 が 多 く,小 規 模 ・零 細 メー カー ほ ど苦 慮 して いた の で あ る。 こ こ で配 置 薬 業 界 の 構 造 面 に 目を移 す と,PL法(製 ど薬 業 界 の 急 変 の 時 期 に は,2つ. 造 物 責 任 法)制 定,薬 事 法 改 正 な. の 貴 重 な 実 態 調 査 が 行 わ れ た。 奈 良 県 の実 態 調 査 ㈹ は,. 配 置 製 造 業(一 般 用 医 薬 品 メー カー)に つ いて,1994年1月 象 は85事 業 所,回 収 率70.6%(60事 の 代 表 者(薬. 友 会 長)33名. 形 態 は約90%が. ∼2月. に実 施 され た 。 調 査 対. 業 所),配 置販 売 業 の方 は,前 年 の6月 ∼7月. を対 象 と し,回 収 率 は100%で. あ る。 そ の 結 果 を み る と,企 業. 法 人 企 業 で あ り,全 事 業 所 平 均 で は約40%の. 経 営 者 が 薬 剤 師 で あ る。 従 業. 員50人 未 満 で そ の 比 率 が 高 く,従 業 員50人 以 上 で は,薬 剤 師16.7%,そ %,事. 務 系50%と. に各 地 区. の 他 の技 術 系33.3. な って い る点 は興 味 深 い。 経 営 姿 勢 あ る い は経 営 力 の 差 を 示 唆 して い る. の で あ ろ うか 。 引 き続 き 同調 査 結 果 に よ る と,配 置薬 メー カ ー の従 業 員 規 模 を,㈹1∼9人(21事 ⑬10∼24人(19事 した場 合,新GMP対. 業 所),◎25∼49人(14事. 業 所),(D50人. 応 状 況 につ いて,㈹(B)は 旧GMPに. す る事 業 所 が 多 い。 ◎(Dは 旧GMPに. 以 上(6事. 業 所)の4つ. 業 所), に分 類. お いて も若 干 の 不 備 が あ った と. は対 応 で きて お り,「何 の 抵 抗 もな い 」との 回 答 が 多. く,規 模 的 格 差 を読 み 取 れ る。 法 規 制 に よ り 「止 む を 得 ず 対 応 」 との 回 答 は小 規 模 事 業 所 ほ ど多 く,そ こで は製 造 設 備 の 稼 働 率 が 悪 く,大 き い所 ◎ で は 「設 備 の 不 足 」 の 回 答 が 比 較 的 多 か っ た。 区 分(工 程)許 可 の 利 用 につ いて は規 模 が 大 き くな る ほ ど積 極 的 で あ り, ㈲ ⑧ は委 託 側 と して,◎(Dは. 受 託 側 と して 利 用 した い と い う回 答 傾 向 が 出て い る。 新 商 品. の 開 発 に つ い て は,「 内容 的 に魅 力 あ る商 品 を 持 つ こ と」 とい う回 答 が 圧 倒 的 に 多 く,そ 一73(563)一.
(16) 第57巻. 第3号. の 方 法 と して,従 業 員50人 未 満 で は 自社 単 独 開 発,従 業 員50人 以 上 で は共 同開 発 が 多 か っ た。 前 者 で は新 配 合 処 方,新 有 効 成 分 の 医 薬 品,あ. る い は医 薬 品 以 外 で の 開 発 を 考 え て お. り,後 者 で は新 配 合 処 方 の 医 薬 品 開 発 が 圧 倒 的 に多 か っ た。 課 題 と経 営 方 針 につ いて の 回 答 を総 括 す る と,従 業 員50人 未 満 で は 「販 売 の 強 化 」,従 業 員50人 以 上 で は 「製 造 部 門 の 強 化 」 と 「経 営 の 合 理 化 」 が 比 較 的 多 か っ た。 配 置 販 売 業 者 の 調 査 結 果 を み る と,兼 業 の 半 数 を 占 め る農 業 は消 極 的 な 兼 業 で あ るが, それ 以 外 につ いて は積 極 的 な 兼 業 との 見 方 が 目立 つ 。 製 造 業 に お け る兼 業 につ いて は,販 売 業 者 側 は全 般 に積 極 策 との 見 方 が 多 く,製 造 業 者 側 は個 々の 企 業 に よ って 異 な る との 回 答 が 多 か っ た。 得 意 先 は全 体 と して 減 少 傾 向 に あ り,と くに 「1人 帳 主 」に現 れ て い る が, 実 際 の 販 売 に あ た って の 基 本 は 「誠 実 と ま こ こ ろ」 そ して 「行 動 力 と粘 り強 さ」 で あ る と の 回 答 が 多 い。 将 来 的 に は如 何 に良 き人 材 を 確 保 で き るか にか か って い る こ とを 改 めて 確 認 で き よ う。 後 継 者 問 題 につ いて,製 造 業 の 方 は80%余. りが 子 供 ・親 族 と回 答 して い る。 子 供 が 圧 倒. 的 に多 く,親 族 は限 定 的 で あ る。 小 規 模 の 所 ㈹(Bで は後 継 者 「い な い」 が そ れ ぞ れ14.3%, 5.3%と な っ て い る。 販 売 業 の方 は そ の将 来 性 に問 題 が あ る,労 働 条 件 の 面 で も魅 力 が な い等 の 回 答 が 目立 つ 。 後 継 者 難 を 改 めて 確 認 で き るω。 厚 生 省 薬 務 局 の 実 態 調 査 働 は,1995年12月 96年1月. 中旬 に調 査 票 を 配 布,提. 出期 限 は原 則 と して. 末 日 と され た。 調 査 対 象 者 は全 配 協(任 意 団 体)製 薬 部 会 加 盟 の 配 置 販 売 用 医 薬. 品 製 造 業 者162社 を 対 象 と した もの で,回 収 率 は78.4%(127社)で. あ る。 配 置 薬 業 界 が 近. 促 法 の 指 定 業 種 及 び特 定 業 種 と して 政 令 指 定(1995年9月18日)さ. れ た の に伴 い,厚 生 省. が,中 小 企 業 近 代 化 計 画 を 作 成 す る た め に実 施 した もの で あ る。 この 調 査 か らも,前 述 の 奈 良 県 配 置 薬 業 の 調 査 結 果 と ほ ぼ 同 じ特 徴 を 確 認 で き る。 な お 「近 代 化 に対 す る考 え につ い て」,任 意 記 載 の 方 法 に よ り意 見 を 求 めた 結 果,企 業 側 は(1)多 品 種 少 量 生 産 の 打 開,(2)生 産 効 率 化 の た めの 設 備 投 資,(3)共 同生 産 方 式 に よ る経 費 削 減, (4)物流 機 構 の 改 善,(5)消 費 者 の 要 求 に合 致 した新 製 品 の 共 同研 究,等. 々が 必 要 で あ る との. 意 見 が 上 位 に集 中 して い た。 さ らに別 の 資 料 に よ って,新GMP期. の 県 下 の 医 薬 品 製 造 所 の 推 移 を み て お くと,や は. り配 置 用 医 薬 品 メー カ ー の激 減 が 目立 つ(表3)。. と くに配 置 薬 専 業 メー カ ー の衰 微 が 顕. 著 で あ る。 三 光 丸 本 店 な どの 一 部 を 除 くと,配 置 薬 専 業 で はな く,一 般 用 医 薬 品(配 置 薬 も この 範 疇 に入 るが,い わ ゆ る大 衆 薬 を 想 定)と の 兼 業 あ る い は医 療 用 医 薬 品 及 び一 般 用 医 薬 品 との 兼 業 の 配 置 薬 メー カ ー が 比 較 的 存 在 感 を 保 って い た こ と に な ろ うか,と 考 え 一74(564)一.
(17) GMPの る 。 表 に は な い が,GMP対. 法 制 化 と奈 良 県 製 薬 業(武 知). 象 事 業 所 は96年 か ら97年 に か け て,製. が 上 げ られ た こ と に よ っ て 激 減 して い た 。 す な わ ち,「GMPの 欲 を そ が れ た 。 そ して 平 成8年(1996)末. 造 許 可 要 件 の ハ ー ドル. 改 正 で,零. の 更 新 時 に は,奈. 細 企 業 は経 営 意. 良 県 だ け で12社 が 廃 業 。 製 薬. 協 同 組 合 の 組 合 数 は79社 か ら67社 に 減 っ た 」⑬ の で あ る 。. 表3医 年次. 薬品製造所の推移 一 般用. 医薬品 GMP対 象 医療 用 製造所 事業所 医薬品(専). 医 薬 品(専). 配置用 医薬品. (専). (兼一 般 用). (兼 医 療 用, 一・ 般 用). 1993. 105. 89. (専)1. (専)14. 74. 53. 18. 3. 1996. 101. 85. (専)2. (専)14. 69. 47. 18. 4. 2000. 83. 68. (専)2. (専)9. 57. 34. 19. 4. 出 所)奈. 良 県 薬務 課. 2000年. 事 業 所 数 を み て お く と,次. 事 業 所 で,生. 産 額 は100万 円 未 満 か ら1億. ち5事. で1事. 業 所 で あ っ た 。20∼29人. 以 下 層 が 最 も多 く33事 業 所. 円 未 満 と 幅 が 広 い 。 内 訳 は,500万. 層 は21. 円 未 満 が10事. 円 以 上 が11事 業 所 と 「二 極 化 」 し て い る 。500. 業 所,1,000万. 2,000万 円 以 上 か ら5,000万 円 未 満 が2事. 及 び生産規 模. 円 未 満 が 半 数 近 く を 占 あ る。10∼19人. 業 所 は100万 円 未 満),500万. 万 円 以 上 か ら1,000万 円 未 満 が4事. 平 均 従 業 員 数)別. の よ う で あ る 。9人. 産 額 は 最 高 で も1,000万 円 未 満,100万. 業 所(う. り作 成 。. の 医 薬 品 製 造 所83事 業 所 の 月 平 均 労 働 規 模(月. (生 産 金 額)別 で,生. 「奈 良 県 薬 事 年 報 」VOL。43,46,50よ. 円 以 上 か ら2,000万 円 未 満 が4事. 業 所 で あ り,最. 層 は11事 業 所 で,生. 高 は5,000万 円 以 上 か ら1億. 業 所, 円未満. 産 額 の 大 部 分 は1,000万 円 未 満 か ら1. 億 円 未 満 に 点 在 し て い る 。30∼39人. 層 は4事. 未 満,40∼49人. 産 額 は500万 円 未 満 か ら5,000万 円 未 満 で あ る 。50∼99. 人 層 は6事. 層 は3事. 業 所 で,生. 業 所 で,生 産 額 は3,000万. 事 業 所 と な っ て い た 。100人 5,000万 円 以 上 か ら1億 表4は,新GMP期. 円 未 満 が3事. 業 所 で,生. 業 所,1億. 産 額 は2,000万. 産 額 は1事. 円 以 上 が3事. 円,79億. 業 所,1億. 円. 円 以 上 が3. 業 所 の 例 外 を 除 い て,. 業 所 と な っ て い た ω。. 円 台 で,全. 国 比1%程. 度,う. 円 と推 移 し,県 下 の 医 薬 品 総 生 産 額 の30%台. ち 奈 良 県 で は 生 産 額91億 前 半 を 占 めて いた 。 改 めて. 奈 良 県 は 配 置 薬 に 特 徴 が あ る こ と を 読 み 取 れ る 。 しか し,旧GMP導 全 国 比 は1%程. 円 未 満 か ら1億. の 県 下 の 医 薬 品 総 生 産 額 と 配 置 用 医 薬 品 総 額 の 推 移 を 示 した も の で. あ る 。 配 置 用 の 全 国 生 産 額 は600億 円,100億. 円 未 満 か ら1億. 以 上 層 は5事. 円 未 満 が1事. 業 所 で,生. 度 と 変 わ らな い が,奈. 良 県 の 配 置 薬 の 比 率 は30%台. 減 傾 向 は 否 め な い の で あ っ た ㈲。. 一75(565)一. 入 当 時 は,配. 置用の. 後 半 で あ っ た か ら,低.
(18) 第57巻 表4医. 年次. 第3号. 薬 品 総 生 産 額 と配 置 用 医 薬 品 の 推 移. 総生産額囚. B/A. 配置用⑬. 1993. 280億1,500万. 円. 91億 円. 1996. 290億5,500万. 円. 100億3,800万. 2000. 264億4,600万. 円. 79億3,500万. 32.5% 34.5% 30.0%. 円 円. 出所)同 上 。. 少 し長 い援 用 とな っ たが,新GMPへ. の 移 行,2度. 目の近 促 法 の業 種 指定 な ど,新 た な. 段 階 に入 っ た配 置 薬 業 界 の 全 体 像 を 把 握 して お くこ と は有 効 で あ ろ う。 と くに小 規 模 ・零 細 配 置 薬 メ ー カー の 抱 え る問 題 点 が 浮 き彫 りに され て お り,個 別 企 業 の 動 向 を み る場 合 に も少 な か らぬ 示 唆 を 与 え て くれ る と思 わ れ る。 再 び大 和 製 薬 に 目を 転 じ,医 薬 品 製 造 業 許 可 更 新 申 請 な ど を点 描 しよ う鱒。 前 回 の 許 可 年 月 は1994年1月1日. で あ り,96年9月. に業 更 新 申請 に及 ぶ の で あ るが,こ れ に先 立 って,. 同年3月 医 薬 品 製 造 に係 る医 薬 品 の 高 度 な 理 化 学 試 験 及 び小 分 け製 品 及 び原 料 ・資 材 に係 る試 験 につ いて は,何 れ も 「「奈 良 県 製 薬 協 同 組 合 医 薬 品 開 発 試 験 研 究 所 』を利 用 して行 う」 との 証 明 書 を得 て い る。 同社 で は,製 造 管 理,品 質 管 理,苦 情 処 理 な どの 改 善 計 画 書 を 作 成 し,準 備 中の 個 所 は完 了,計 画 書 の と お り実 施 す る と して い る。6月. に は充 填 室 と試 験. 室 の 変 更,他 の試 験 検 査 機 関 の利 用 な どの 「変 更 届 出書 」を奈 良 県 知 事 宛 に提 出 して い る。 9月 に入 って,「GMP適. 合 性 優 先 確 認 依 頼 書 」を 薬 務 課 へ 提 出 して い る。 更 新 予 定 剤 型 数. 及 び総 品 目数 は,許 可 品 目28品 目 中,11品. 目を 廃 止 し,6剤. 型(7グ. ル ー プ)17品. 目 に整. 理 す る と い う もの で あ っ た。 6剤 型(7グ. ル ー プ)と は,丸 剤 〈大 〉(95年 許 可2品. 目,92年 許 可1品. 目),散 剤(83年. 許 可1品. 目),丸 剤 〈小 〉(81年 許 可1品. 目,88年 許 可2品. 目),軟 膏 剤(78年. 目),カ プ セ ル剤(小 分 け,83年 許 可3品. 目),錠 剤(小 分 け,78年 許 可2品. 1品 目),穎 粒 剤(小 分 け,85年. 目,96年 許 可2品. 許 可1品. 許 可1品. 目,85年 許 可. 目)で あ る。 同 社 の代 表 的 な. け ん しゅ う. 品 目は 丸 剤 〈大 〉 の 黒 玉 龍 謄 丸(胃. 腸 薬),丸 剤 〈小 〉 の度 修六 神 丸(動 悸 ・息 切 れ ・気. つ け)な どで あ り,配 置 員 を通 して 販 売 され て き た。 と くに前 者 は既A評 価 品 目で あ った。 この よ う に,事 前 準 備 し,品 目数 の 整 理 な どを 行 う予 定 に して,業 更 新 申請 書 は96年9 月30日 付 で 知 事 宛 に提 出 され た。97年1月1日 次 に新GMPが. 付 で 更 新 申請 は許 可 され た 。. よ り高度 化 され た2000年 度(10月 ∼3月 実 施)の 通 常 監 視(GMP査. な どの 状 況 につ いて み て お こ う。2000年9月. の 実 施 要 領(薬 務 課)に. 察). よ る と,立 入 日連 絡. → 事 前 調 査 → 査 察 → 指 示 書 発 行 → 報 告 書 → 次 回 立 入 時 の 確 認 ,と い う流 れ て 行 わ れ た こ と が わ か る。10月 に 薬 務 課 は製 薬 セ ミナ ー を 開 催 して い る。 事 前 調 査 の 内容 は,(1)「GMP -76(566)一.
(19) GMPの. 法 制 化 と奈 良 県 製 薬 業(武 知). 査 察 に 係 る 事 前 調 査 票 」,(2)「GMP適 調 査 票ME」,(4)「 課 へ 報 告(必. 関 連 書 類 整 合 性 説 明 書 」 で あ っ た 。(1)∼(3)は 立 入 日 の1週. 着),立. 入 当 日 に6品. 立 入 日 ま で に 準 備 し,当 察,品. 合 状 況 自 己 点 検 表 」,(3)「 バ リ デ ー シ ョ ン 進 捗 状 況. 目 以 下 の 品 目 を 提 示 と して い た 。(4)は 確 認 品 目 に つ い て. 日 提 出 と さ れ た 。 査 察 は 原 則 と して2人1日,主. 目 ご と に バ リデ ー シ ョ ン も 含 め 実 施 と して い た 。 指 示 書(指. と して 立 入 日 の 討 議 及 び 講 評 の 内 容 か ら指 示 事 項 を 選 定 し,後 と して 送 付,報 方 針,中. 告 書 は 指 示 書 送 付 後,1か. 間 報 告 等 を 記 載)と. 間前 に 薬 務. 月 以 内 に 提 出(改. に ソ フ ト面 の 査. 摘 事 項)発. 日,薬. 行 は,原. 則. 事監視員名で指示書. 善 日 数 が か か る 場 合 は,改. さ れ た 。 次 回 立 入 時 の 確 認 は,通. 常 監 視,一. 善. 斉監視を問わず. 実 施 とな って い た。 大 和 製 薬 のGMP査. 察 に 係 る事 前 調 査 票 に よ る と,製. 任 者 は 取 締 役 社 長 の 岡 田 美 教,品 り,従. 業 員 数 は 製 造3名,品. 造 管 理 者 は 岡 田 曙 美,製. 造管理責. 質 管 理 責 任 者 ・バ リ デ ー シ ョ ン責 任 者 は 岡 田 曙 美 で あ. 質1名,他1名. と な っ て い る 。 そ して,GMP実. い て,「 一 貫 製 造 の 丸 剤 で 大 丸 の 実 生 産 規 模 で の 確 認 は3ロ. 施 状 況 につ. ッ ト終 了 。 小 丸 の 六 神 丸 は1. ロ ッ ト終 了 して い る 」 と あ る。 今 後 の 経 営 方 針 と し て,「 一 貫 製 造 は 丸 剤 だ け に し,あ は 小 分 製 造 と す る 。 今 ま で 一 貫 製 造 して い た 散 剤 は3品 た 。 残 り1品. 目 中2品. と. 目 はす で に委 託 製 造 と し. 目 も 委 託 と す る 。 軟 膏 剤 も ワ シ ン トン 条 約 で 原 料 入 手 困 難 の た め 製 造 を 中 止. す る 予 定 」 と 報 告 して い る 。 要 注 意 事 項 に 関 す る 自 己 点 検 表 は,「 設 備 」(4項 (8項. 目),「 シ ス テ ム 」(3項. 目),「 教 育 訓 練 」(1項 か らな り,そ. れぞれ. 目),「 実 製 造 」(3項. 目),「 自 己 点 検 」(1項. 目),「 衛 生 管 理 」(3項 目),「 書 類 」(2項. 目),「 保 管 」(2項. 目),「 試 験 」. 目),「 回 収 」(1項. 目),「 委 受 託 」(1項. 目). 「適 正 」 「要 改 善 」 「非 該 当 」 か を チ ェ ッ ク す る こ と に な っ て い た 。 一. 部 の 「非 該 当 」 を 除 い て,大. 部 分 は 「適 正 」,製 造 設 備 の 校 正,行. 政 官 庁 へ の 報 告 規 定,. 教 育 訓 練 な ど を 「要 改 善 」 と 報 告 し た よ う で あ る 。 バ リ デ ー シ ョ ン に つ い て は,す. で に 「医 薬 品 の 製 造 管 理 及 び 品 質 管 理 規 則 」 及 び 「バ リ. デ ー シ ョ ン基 準 」 に 基 づ き,「 バ リ デ ー シ ョ ン手 順 書 」 を つ く っ て い た 。 内 容 は,(1)目 (2)実施 対 象,(3)組. 織(4)バ. リ デ ー シ ョ ン責 任 者 の 業 務 範 囲 及 び 権 限,(5)実. 標 準 書 へ の 制 定 又 は 改 訂,(7)手. 順 書 の 改 訂,(8)保. 管 か らな る 。(2)∼(5)は,具. 施 手 順,(6)製. 的, 造. 体的かつ詳細. な 内容 とな って い る。 大 和 製 薬 へ の 通 常 監 視(GMP査 結 果,2001年8月20日. 察)は,2000年11月24日. 午 前10時. か ら行 わ れ た 。 そ の. 付 で 県 知 事 宛 に 「指 導 事 項 に 対 す る 改 善 内 容 及 び 改 善 計 画 」 を 提 出. す る こ と に な る 。 対 象 品 目 は 黒 玉 龍 謄 丸 で あ り,品 一77(567)一. 質 管 理 規 則 関 係 な ど につ いて の 改 善 等.
(20) 第57巻. 第3号. を回 答 した。 報 告 洩 れ な どの 事 項 も あ っ た よ うだ が,主 な もの を あ げ る と,(1)保 存 検 体 の 3年 経 過,5年. 経 過,6年3か. 月 経 過 した もの で,長 期 安 定 性 の 試 験 を 行 い,結 果 が 良 け. れ ば配 置 期 限 を6年 に した い と考 え て い ます(2001年9月. まで に実 施 しま す),(2)ニ ン ジ ン. 末 の 原 料 試 験 の 内,残 留 農 薬 試 験 を 大 阪 食 品 衛 生 協 会 食 品 検 査 セ ン ター に依 頼 し,近 日 中 に構 造 設 備(他 の 検 査 機 関 の 利 用)の 変 更 願 を 提 出 い た します(2001年5月23日. に検 査 契. 約 書 済 み 一 引 用 者 注),(3)回 顧 的バ リデ ー シ ョ ンを2001年10月 末 日ま で に実 施 い た します, な どで あ っ た。 こ こで,大 和製 薬 は モ デ ル事 業 に参 加 しな か った が,1997年 度 か ら99年 度 ま で の3年 間, 厚 生 省 の 委 託 事 業 と して 取 り組 ん だ 「GMP実 滋 賀)に つ い て み て お こ う。3年 な 事 項 を検 討 し,4年. 施 助 言 モ デ ル事 業 」(委 託 県 は富 山 ・奈 良 ・. 間 の モ デ ル 事 業 を 通 して,GMP指. 導 体 制 の確 立 に必 要. 後 に は都 道 府 県 の 薬 事 指 導 所 等 が 確 立 され た 指 導 体 制 の も と,製 薬. 企 業 に対 し技 術 支 援 等 を 継 続 して 行 う こ とを 目的 と して い た。 また この 事 業 の 中で 実 施 し た 内容 を広 く他 の 都 道 府 県 の 参 考 に資 す る と と も に,国 民 に供 給 され る医 薬 品 の 一 層 の 品 質 確 保 を め ざす もの で あ っ た。 奈 良 県 へ の 予 算 措 置 は1,000万 円 程 度(97年 度200数10万 円,98年 度 約380万 円,99年 度344 万 円)だ っ た⑳。 まず 業 界 の構 造 を み て お くと,1999年11月1日 数 は88(GMP対. 象製 造 所76),う. 現在の奈良県医薬品製造所. ち配 置 用 医 薬 品 を 製 造 して い る製 造 所 数 は58(65.9%). で あ った。 規 模 別 で は,小 規 模(従 業 者20人 未 満)61(69.3%),う 中規 模(従 業 者20∼49人)16(18.2%),う 11(12.5%),う. ち配 置7(12.1%)で. み に 富 山 県 は 製 造 所 数118(GMP対 (GMP対. 象 製 造 所45),う. ち配 置14(24.1%),大. ち配 置37(63.8%), 規 模(従 業 者50人 以 上). あ り,総 数 ・配 置 と も小 規 模 メー カー が 多 い。 ちな 象 製 造 所106),う. ち 配 置48,滋. 賀 県 は 製 造 所 数56. ち配 置22で あ り,奈 良 県 の配 置 用65.9%に 対 し,富 山 ・滋 賀 両. 県 は40%前 後 で あ る。 規 模 別 で は,奈 良 県 と ほ ぼ 同様 の 状 況 で あ る⑱。 奈 良 県 の 事 業 目標 は,(1)製 造 所 内の 衛 生 状 態 につ いて,現 状 を 確 認 し,効 率 的 管 理 体 制 の 検 討,(2)製 造 工 程 に お け る作 業 要 領 を 把 握 し,現 状 の 問 題 点 を 明 確 にす る と共 に,効 率 的 工 程 管 理 方 法 の 検 討 の2つ. で あ っ た。 薬 務 課 と連 携 して 薬 事 指 導 所(現 薬 事 研 究 セ ン. タ ー)が 調 査 ・試 験 分 析 な どを 担 当 した。 一 丸 の 重 量(一 般 に40mg程. 度)・ ロ ッ トサ イ. ズが 比 較 的 大 き く,主 と して原 料 に植 物 生 薬 が 用 い られ る 胃腸 薬 等 の 丸 剤 を 「大 丸 」,一 丸 の重 量(一 般 に10mg程. 度)・ ロ ッ トサ イ ズ が小 さ く,原 料 に動 物 生 薬 が よ く用 い られ. る五 疽 強 心 薬 等 の 丸 剤 を 「小 丸 」 と して 検 討 が 進 め られ た。 県 下 の 丸 剤 品 目所 有 業 者45社 の う ち過 半 数 の24社 が モデ ル 事 業 に参 加 した。 参 加 企 業 名 は,㈱ 赤 玉 堂,朝 一78(568)一. 日製 薬 ㈱,大.
(21) GMPの. 法制化 と奈良県製薬業(武 知). 峯 山陀 羅 尼 助 製 薬 ㈲,大 峰 堂 薬 品 工 業 ㈱,近 畿 医 薬 品 製 造 ㈱,米. 田薬 品 工 業 ㈱,佐 藤 薬 品. 工 業 ㈱,㈱ 三 光 丸 本 店,至 誠 堂 製 薬 ㈱,全 国 薬 品 工 業 ㈱,大 師 製 薬 ㈱,大 仏 堂 製 薬 ㈱,㈱ 大 毎 代 理 部 薬 品 部,高 市 製 薬 ㈱,天 真 堂 製 薬 ㈱,東 邦 薬 品 工 業 ㈱,中 村 薬 品 工 業 ㈱,㈱ 藤 井 利 三 郎 薬 房,㈱ 松 原 達 磨 堂,三 星 製 薬 ㈱,美 吉 野 製 薬 ㈱,森 本 製 薬 ㈱,大 和 合 同製 薬 ㈱, ワ キ製 薬 ㈱ で あ ったq9。1998年 度 の事 業 計 画 説 明 会(同 年5月28日. 開 催)に. は,22社27人. が 参 加 した⑳。 丸 剤 の製 造 管 理 の 環 境 調 査 は,丸 剤 製 造 業 者 実 体 ア ンケ ー ト調 査(配 布97.11.10,回 97.11.17,参 加 企 業24社 を対 象,回 収率100%)と. 収. 実 地 調 査 が行 わ れ た。 ア ンケ ー ト調 査 は,. 丸 剤 製 造 所 の 製 造 体 制 と製 造 環 境 の 実 態 把 握 を 目的 と した もの で,ま ず 調 査 結 果 を24社 の 平 均 で み る と,総 生 産 金 額 は35品 目で 約4億9,000万 仕 入 れ て 販 売 した金 額)は53品. 円,取. り売 り金 額(製 造 せ ず に製 品 を. 目で約7,000万 円で あ っ た。 全 般 に生 産 金 額 の 低 い製 造 所 ほ. ど取 り売 り金 額 の 割 合 は高 い傾 向 に あ っ た。 そ して 総 従 業 員 は平 均35人 だ が,加 工 製 造 従 事 者(製 造 工 程 の う ちで 包 装 工 程 以 外 の 工 程 に従 事 す る者)に つ いて は平 均6人 で,5人 未 満 の 製 造 所 が16社(67%)で 製 造 所 が15社(63%)で. あ っ た。 ま た試 験 ・検 査 従 事 者 は平 均6人 で,3人. 以下の. あ っ た。 概 して 規 模 が 小 さ く,少 人 数 で 多 品 種 を 製 造 して お り,. 比 較 的 高 齢 者 の 従 事 者 が 多 い こ とか ら,バ リデ ー シ ョ ン等 の 品 質 管 理 が 負 担 に な って い た。 製 造 環 境 は全 社 が 何 らか の 形 で 空 調 シ ス テ ムを 導 入 して いた 。 また ほ とん どの 業 者 が 床 は洗 い流 せ る状 態 で あ り,製 丸 専 用 作 業 室 と して 運 用 して いた 。 集 塵 機 ・換 気 扇 の 設 置 率 は非 常 に高 い。 丸 剤 製 造(秤 量 ・節 過 ・混 合)環 境 実 地 調 査61)(97.12.18∼98.12.16)は,作. 業室 を対象. と し,主 に汚 染 度 が 高 い と考 え られ る上 記3工 程 につ いて 汚 染 傾 向 を 把 握 す る と共 に実 現 可 能 な 対 応 策 を探 る こ とを 目的 に,大 丸 ・小 丸 各8作 業 室(各6社. ・6品 目)に つ いて 環. 境 測 定 を行 って い る。 一 般 に生 薬 を 主 薬 とす る丸 剤 の 製 造 環 境 にお いて は,原 料 自体 に菌 が 付 着 して いて それ が 汚 染 源 にな って い る こ とが 知 られ て お り,現 状 で 製 造 所 へ の 汚 染 源 の 持 ち込 み は 避 けが た い。 調 査 対 象 と した各 社 に つ い て は,「 原 料 生 薬 に よ る汚 染 の 残 留 はみ られ ず,一 般 用 薬 の 製 造 環 境 と して は概 ね 良 好 な 状 態 で あ った 。 しか し作 業 中の 汚 染 指 標 測 定 値 は高 く,交 叉 汚 染 の 防 止 につ いて は十 分 に注 意 を 要 す る状 況 で あ った 」 と され る。 現 段 階 に お け る汚 染 対 策 と して,作 業 室 の 清 掃,使 用 器 具 の 取 り扱 い,衣 服 の 汚 染 さ れ た作 業 員 の 行 動 の3点. に着 目 して 作 業 に お け る環 境 面 で の 注 意 点 を10数 点 あ げて い る。. そ して,「 製 造 環 境 の 整 備 に は,環 境 調 査 デ ー タ に基 づ い た現 状 を認 識 した上 で,各 社 の 実 情 に合 っ た手 順 を 検 討 す る こ とが 重 要 とな る」 と結 ん で い る。 -79(569)一.
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