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商品売買の記帳と決算手続 : 回顧と展望

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Academic year: 2021

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(1)論. 説. 商品売買の記帳 と決算手続 一一回顧と展望一一 大. 藪. 俊. あ. まえがき. 哉. る. しかし教科書的説明では ,商品の売上. 日きにその仕人原価はすべて. 判明しており , また,. わが国の簿記教育では ,商品売買取引の記帳. 売上取引数も 少ないので,特に 問題はないが ,. 導入し分割商品勘定の 処理. 実務的には,売上時にすべての仕入原価が判明. を単一商品勘定で. を説明する・そして ,これらの記帳処理を受け て ,仕入講掛 ,個別・割戻しを説明するのが 普 通であ る.. 本稿では,統一論題の下に,やや大げさであ るが,商品売買の記帳 と決算手続について 回顧 し 展望する・その 際,簿記理論は簿記教育の ための説明体系であ るという視座に 立ち,商品. 勘定の存在意義,商品勘定の 分割概念,商品石 高帳 の記入,簿記手続における「直接法」と 法 」との区別, をキーワードとして 念頭 に 置く. なお大陸 式 簿記法を前提とし 商品特. 「間接. 殊売買の記帳 は議論の対象から. しているわけではなく , 判っていても. またたとえ仕入原価が. ,売上取引の数が多いと,その都. 度,売価を原価と販売 益 とに分けて記入するの で,非常に手間が掛かる・ このため,わが国の 簿記教育では ,分詞法は ,取引単価が大きく, また取引頻度の 少ない貴金属商,骨董商などの 記帳 にしか適用できないと 説明しその後,商 品売買に関する 記帳 は,代替性のある一般的商. 通常の場合にも 適用できる総記伝へ 移 る・ただし文部省検定商業高等学校用の 教科 書は ,総記法の記帳 を回避している・ 品口を扱. 外す.. う. 総記 法 でも,商品を仕人れたとき. ,その取得. わが国の簿記教育で ,商品売買取引の記帳 は, 公証 法によ る商品勘定で 導入するのが普通であ. 原価で商品勘定に 借 記することは ,分詞法 と異 ならない. しかし売上取引では 売価で同勘定に 貸 記する. よって売上げの 都度, その商品の原 価を調べ,売価を 原価と販売 益 とに分記する 手 数は解消するが ,商品勘定が混合勘定となるた. る・その理由は ,商品勘定を資産勘定として 説 明することからはじめるのが極く 自然であ るこ. めに生ずる欠陥を 手当てする措置が 必要となる. すなわち,総記法によ る商品勘定の 貸方記入は ,. る.すなわち,売上商品の原価は資産の 減少という記入原則によって 商品勘定に 貸 記す. 資産の減少記入であ る売上原価担当分と 利益の. 発生記入であ る販売 益 担当分から成っているか. る方法は,初心者に容易に受け入れられるし. ら,資産と収益の混合勘定になってしまう・. その借方差額は 手許商品の石高を 示すから, 勘 定 記録によって 商品の管理も 可能となるからで. って,貸借差額は商品の石高を 示すわけでもな , また商品勘定の 記録からは,手許商品の 管. 1. 単一商品勘定による 記帳. (1) 趙紀 法の扱い方. とに よ. く. よ.

(2) 商品売買の記帳 と決算手続 (大藪. 理 はできない.商業高校用教科書で総記法を扱 わない理由の 1 っ がここにあ ると思われる. し. (.11) 11. 俊哉 ). したり.. (2) 小売 拐卸 法への重点移動. かしこの点については ,商品有 高帳 U を併用す. 総記 法によ る商品勘定の 混合勘定性を 排除す. る措置を説明すれば ,補完される. 商業高校用教科書が 総記法を回避する 最大の. 小売 棚卸法 では,定価販売を前提とし商品を. 理由は,決算手続にあ ると思われる. す な む ち,. 仕人れたとき , その原価を売価に 換算して商品. 混合勘定を単純勘定に 還元するために ,商品勘 定から販売益を 抽出しなければならないが ,そ のためにはまず 販売益を計算しなければならな. 勘定に 借 記し商品販売益. い ・では販売益の 計算を,記録・計算の場所で. 勘定の借方合計から 期末 棚 脚高を控除したもの が売上原価として 算出され, これど商品勘定の 貸方合計であ る売上高との 差額が販売 益 とな る 2). 計算プロセスはこの 通りであ るが,勘定 口座の上では ,借方から控除するときは貸方に 記入する・ このため,期末棚 節高を商品勘定の 貸方に鉛筆記入 (売上原価の計算のための 記入. 手許商品石高を 売価によって 示すことになる. 売価とはいえ ,手許商品の管理は可能となる. 上記のように ,小売 棚却法 では,商品の仕人 時に売価で商品勘定に 借 記するために 生ずる 仕 調帳 上の差額を商品販売 益 として処理する.期 中に仕人れた 商品全部を当該期間中に 売却して しまえば,仕人時に計上した商品販売益も 全額 実現利益となるが ,通常は売却残 が生じ,次期 に繰越される. よって期末に 朱実現利益の 整理. で ,仕訳帳を通した正規の 記入ではない. もち. をしなければならない・. ろん,相手勘定の 記入もない. ) ずれば,その. る仕訳帳 を通した記入,相手勘定 の 記入も存在する・ ) としては, このようにし て算出した販売益を 商品勘定から 控除する記入. する相手勘定の 違いによって ,直接控除法と間 接控除法の区別が 生じる. なお当期末に 控除し た朱実現利益は ,翌期に商品販売益 勘定へ 振戻 す 必要があ る. この 振 戻しを,直接控除法のと きは期首 再 振替手続として 行 い 3), 間接控除法 のときは期末整理手続として 行 う .通常は間接. (借記 ). 控除法が採られ ,. あ る商品勘定口座でどのように. 行 うのか .商品. 貸方差額として 販売益を求めるこどができる と 説明される・. ,. しかし商品勘定の 正規の記入. (万年筆に よ. う. を,期末棚 節高の繰越記入 2. ・決算手続では. 残高振替記入. よ. 0. 先に行. ,整理記入,損益振替記入を. り先に行うからであ る. このた. るために考案されたものに ,小売 棚卸法 があ. という説明. がされることも 多い・いずれにしでも ,簿記の 初心者に,販売益の計算プロセス. ど 商品勘定へ. を計. 上する,売上取引では,総記 法 と同じように , その売価で貸記する ,. よって,その借方差額は. この整理記入で , 貸 記. また当期末末実現利益の 控除. と前期末末実現利益の 振戻しを合併して 行う整 理 記入が説明されることも 多い.. しかし直接控除法,間接控除法という 名称は,. め,販売益を商品勘定の借方に 加えて,借方残 高が期末 棚 節高になるようにする ,. (朱実現利益 ). る. 商品勘定の整理手続にポイントを 置いたもので あ り,商品販売益 勘定における 朱実現利益の 整 理 手続にポイントを 置いて考えれば ,損益の繰. の 正規の記入順序が全く逆になるごとを 理解さ. 延. せるのには時間が掛かる, 商業高校用教科書で. 理法 4)の区別と同じ 性質の整理手続であ ること が判る. 間接控除法における 繰延 商品販売 益 勘 定は,間接整理法における経過勘定 (例えば 前. 総記法を省かざるを 得ない事情がここにあ る. しかし商品売買取引の 記帳 では. 主流であ る・分割という 以上,. 3. 分割法が. ど (7) 勘定が分割. されるのか, 明示する必要があ り, そのために. も,総記法 による商品勘定は 軽視されるべきで はない・. この点については ,後で触れることに. ・. 見越 整理手続における 直接整理法, 間接整. 黄家賃勘定. ). に相当するものであ. り,ただ商品. 勘定の控除的評価勘定としても 利用されるとこ ろが異なるに 過ぎない. よって 朱 実現利益を本 勘定であ る商品販売 益 勘定へ 振 戻す手続は再 振.

(3) 12 (12). 横浜経営研究. 第 XV@ 巻. 替 であ る. ところで,直接整理法では名目勘定の上で 整 理手続を施すから ,整理記入もなければ,. また. 再 振替記入もない. よって直接控除法を 直接 整 理法と同じ手続として 考える場合,期首再 振替 手続の存在を 認めることはできない. この場合, 実現利益を商品販売 益 勘定から損益勘定へ 振替 えた結果生ずる 商品販売 益 勘定の貸方差額は 未 実現利益であ. るから,同勘定で繰越記入する.. ただこの 朱 実現利益は貸借対照表作成上, (商品販売 益 )XXX. (商. ない. 分詞法は適用できる 業種が限られており. ,商. 品売買取引の 記入を導入するときに 利用される だけであ り,総記法 はその適用範囲は 広いとは いえ,売買取引の記帳 法 として主流を 占めるの は 3 分割法であ り, よって総記法は 勘定分割の 元になっている 記帳 法 であ ると極言すれば ,単 一商品勘定で 従来説明されている 分記 法 ,総記. 法の実務的役割は 小さいといわざるを 得ない. 定価販売を前提とする 制約はあ るものの,小売 棚 御法は実務的に 適用範囲の広 い 単一商品勘定 の記帳 法 として見直す 必要があ る. 分割商品勘定による 記帳. 分割法と 3 勘定制の呼称区別 前項で分記 伝 による商品勘定から 3 分割法へ 3. 移行するのは. -. 概金的に問題がふるこ. -ケ. ,. 3. 分割法と. 3. 勘. 定 制 とは区別して 呼称し 畢 った意味をもたせ て使うべきであ ることを主張してきた. わが国 の簿記では, 3 分割法 (3 分法とも いう ) と 3 勘定 制 という呼称は ,相互代替的に使われてい るからであ る.. 周知のとおり ,当座借越契約の存在を前提と して,当座に関する 1 勘定 制と 2 勘定制の記帳 法 が説明されている. 2 勘定制は当座預金勘定 を 分割したものではない 5). 当座の記帳 に関す 勘定制の呼称を ,商品の記帳に関して準用 すれば,外記法 と小売 棚 御法 は ,商品勘定と 商. ,商品を原価で表示するた めに相殺される. この 組 替手続を整理手続と 混 同して帳 簿記入をしてしまう 結果として, 組 替 手続の反対記入を 再振替手続として 行わなけれ ばならなくなっていることに 気がつかねばなら. (1). 上記に関連して 筆者は日頃. る 2. 品 )XXX. の 組 替手続によって. Ⅱ. 第 1 号 (1995). を指摘. 品販売 盗め. 2. であ るから,. つの勘定で売買取引を 記帳 するの 2. 勘定 制と. Ⅱ. 乎称することができる. しかし商品勘定はまだ 分割されていない. 割法,. 3. 分割法は,同時に 2 勘定 制 ,. とも呼称できる・. 3. 2. 分. 勘定利. この ょう に呼称すれば ,「2. 勘定制から 3 勘定 制へ 」というプロセスで「 分 記 法の記帳 から 3 分割法 ( 二 3 勘定利 ) の記帳 へ」移行できる・. 体系的な説明をするためには. 些細な用語にも 留意しなければならない.. (2) 2 分割法・ 3 分割法と直接推理法・ 間接 推理法との関係 3 分割法の場合,現行の簿記手続に従えば ,. 決算整理手続によって. ,前期繰越高を繰越商品. 勘定から仕入勘定へ 振替え,同時に期末 棚 節高 を仕入勘定から 繰越商品勘定へ 振替えて次期 へ 繰越す・ よって繰越商品勘定には 決算記入,開 始記入をするだけで ,商品の増減計算をしてい るわけではない・ 繰越商品勘定は ,決算時の資. 産 (商品石高 ) を示すに過ぎない , このような 意味で,間接整理法による費用の繰 延 手続で設 ける経過勘定 (決算上の資産を 示す 前私 費用勘 レ 仝 ィ 同社皆の鮎中で 六ス す かわ九 %. 申、 1. ,.

(4) 商品売買の記帳 と決算手続. (大藪. 勘定へ 振 戻す・ この手続は,決算整理手続によ って繰越商品勘定の 前期繰越高を 仕入勘定へ振 替える手続と 全く同じであ り, これも 再 振替手 続であ る.異なるのは, 再 振替手続の時期だけ. であ る. ここで簿記手続の 統一性,一貫性の観 点から,期首再 振替 か 期末 再 振替かという 問題 に 遭遇する.筆者は,営業取引を統一的に把握 するために,期首再 振替手続を主張している 6) 3 分割法を間接整理法の 手続で説明できれば ,. 分割法は直接整理法の 手続で説明できる 筈で あ る.上記と同じ例で説明する. 直接整理法では ,損益振替手続で当期の家賃 2. 費用を損益勘定へ 振替えた後の 支払家賃勘定の. 借方差額が家賃の 前仏 高. となる・. で 次期へ繰越す.同様に,. 2. よって同勘定. 分割法でも,損益. 振替手続で売上原価を 損益勘定へ振替えた の仕入勘定の 借方差額が期末 棚卸高 となる・. 乃後 よ. って仕人勘定で 次期へ繰越す ,. 分割法で開始記入直後に 再振替記入を 行っ た仕人勘定の 記入は, 2 分割法の開始記入直後 3. の仕人勘定の 記入と一致するので 合性が確認できる. Ⅲ. ,両手続の整. (13) 13. 俊哉 ) 人 u00. 000. (買掛金 u00 . 000. @㈲. (仕. 戸@. (支払運賃 ). 1,000. (現. れ. (仕. 人). 1 。 000. (支払運賃 ). ・. 金 ) 1 。 000 1 。 000. と仕訳するのが 正しい・支払運賃勘定は 結果的 には貸借平均するが ,勘定上,運賃の 支払事実 を明示することができ ,. また仕人原価に 算入し. た事実も明らかにすることができるので. ,仕入. 取引に関する 経済回り合理性を 判断するのに 役立 っ .なお,上例のように ,商品の仕人時に仕入 諸 掛の支払取引が 同時に発生することは 稀であ り,むしろ実際上は,商品を物理的に入手する 以前または以後に ,それらの支払取引が発生す るのが普通であ る.仕入諸 潮の支払取引が 商品 0 人手以後に発生した 場合には,借方を「仕 入」として仕訳することも 一応考えられるが ,. 商品の人手以双に 発生した場合には ,借方は 「仕入」ではなく ,当該費目で仕訳することを 考え合わせれば ,仕入諸 潮の支払取引と 原価加 算を統一的に 処理するためには ,上記のように, 外部取引と内部取引を 峻別した記帳 を行. う. とし. ても,直接付加法には盲点があ る・それは商品 石高帳 を設け,価額併記の記入をしているとき ,. 仕入 諸 掛の記帳. その記入が困難もしくは 不可能になるというこ. 商品の原価は ,当該商品を取得するために 要 とであ る.すなわち,関税,保険料など 仕人日 した総原価であ り,運賃,手数料,保険料など以前に発生する 仕入講 掛は ,当該商品を物理自り に人手したときに 仕入勘定に 借 記し したがっ 仕入 諸掛は ,当然原価に付加しなければならな てまた商品石高帳 の単価および 金額も仕入諸掛 い .その方法として,従来,直接付加法が 説明 込みで記入することが 可能であ る, しかし運 されている.例えば,「商品目00,000 円を掛で仕 入れ,運賃1,000 円を現金で支払い ,仕入原価 に加算した」という 取引は, 3 分割法を前提と すれば (以下すべて岡林 ), (仕. 人 U0l,000. (買掛金 )100 , 000 (現. 金). 1,000. 賃,仲介手数料,倉庫料など 仕人日以後にに の間に別の仕人取引が 多く発生するのが 普通で あ る.) 発生することが 多 い 仕入 諸掛は ついて は ,仕人勘定に振替えることはできても ,商品 石高帳 の単価および 金額の訂正記入は 手数が掛 (商品石高帳 には商品を物理由りに 人手したと きに記入しているから ), 実務的に不可能に 近 り. の仕訳をする. この仕訳は,仕入と運賃の支払 つの外部取引 と ,運賃の原価算入とい う内部取引とを 混同したものであ り,運賃の支 払事実を勘定上明示していない・ この場合,発 という 2. 生取引を卒直に. 把握すれば,. ぃ.. これに対処するために 間接付加法が 利用さ. れる. 間接付加法では ,仕人勘定に購入代価のみを. 記入し仕入講 掛 勘定 (仕入講 掛費 勘定,仕人.

(5) 14 (14) ィ. 第 XW 巻. 横浜経営研究. 寸時 費 勘定でも 可 ) を 設け,同勘定の借方に発. 生する仕入 諸 掛を振替えて 集計する. よって例 えば上例㈲の 内部取引の仕訳は , 次のようにな る. け. 1,000. り, (仕入 諸掛 ). (支払運賃 ). 1,000. これには,手数が掛かり,実務的には不可能に 近 い .第2 法は 7 分割法 8)の処理であ るが,分 割商品勘定としては 3 分割法が一般的であ り, 5 分割法, 7 分割法が利用されるケースは 少な い. また上記の方法はいずれも ,例えば,前期 末 直前に売買取引があ. そして決算整理手続で ,仕入諸掛 勘定の借方合 計額を期末 棚 節高に配賦すべき 金額と売上原価. として配賦すべき 金額とに分け ,前者は繰延仕 大詔 掛 勘定へ振替え ,次期へ繰越す・なお貸借 対照表作成上組替手続で. 第 1 号 (1995). ,繰越商品勘定の次期. 繰越高と合算して 商品として表示する・ 後者は 仕入勘定 ( または売上原価勘定 ) へ 振替え ,売 上原価の計算要素とする. 仕入 諸掛 勘定, 繰延 仕入 諸掛 勘定は仕人勘定,. り,当期首直後の営業取. 引で値引があ った場合には ,当期の売買高を訂 正する結果となり ,不合理であ る・ 割戻しの記帳 法 としては,従来, 値 引の記帳 第 1 法と同様に,仕入勘定,売上勘定を 減額訂 正する方法が 説明きれている. 値 引取引は売買取引後上 ヒ較的 短期日のうちに. 同じであ る. よって翌期末に 繰 延 仕入 諸掛 勘定 の 繰越高を仕入講 掛 勘定へ 振 戻すが, これも 再 振替手続であ る. よって 本 勘定の繰越商品勘定. 発生するが, 割 反取引は売買取引後相当期間経 過した後でないと 発生しない. よって仕入 割戻 しほ ついては,商品石高帳 に価額併記している とき,その期間における当該仕人先からの 仕人 商品全部についての 訂正記入を要し 仕入植引 の場合よりも 手数が掛かり ,実務的には不可能 であ る. また割戻しは 前期と当期の 売買取引に ついてまたがって 行われることも 多いので, 割. を 仕入勘定へ 振 戻す 再 振替を期首に 行うとすれ. 戻 全額を仕人勘定,売上帳 から減額するのは ,. ば, これと同調すべき 手続であ ることはい. 不合理な結果を 招き易 い .. 繰越商品勘定の 付加的評価勘定であ. り,決算整. 理手続も仕入勘定,繰越商品勘定の処理と全く. う ま. (2). でもない.. 新しい記帳 法. 減額訂正をする 方法であ り,第 2 法は,仕入植. 上記のように ,売上値引・割戻しの記帳 は特 に問題はないが ,仕入植引 ・割戻しの記帳 は商 昆布高帳 を価額併記で 記入しているとき ,その 訂正記入が困難もしくは 不可能となる・ 商品石 高帳 の減額訂正記人は ,仕入植引 ・割戻しを仕 人勘定に 貸 記するために 必要なのであ る・ よっ て 仕入勘定に記入しない 処理を考えればよい・ この点については ,すでに述べた仕人 諸 潮の記 帳 が参考になる.すなわち ,仕入講掛を仕人勘 定に記入する 代りに,仕入講掛 勘定に 借 記する ことによって ,商品石高帳の増額訂正記入を 省. 利勘定,売上値引勘定をそれぞれ仕入勘定,売. 略 できたように. 上勘定の控除的評価勘定として 利用する方法で あ る, よって第 2 法では,決算時に評価勘定を 本勘定へ振替えることになる.. 盃勘定・仕入 割戻益 勘定に 貸 記するようにすれ ば,商品有 高帳 の減額訂正記入を 省略すること. なお. 2. 分割法の場合には , 繰延 仕入 諸掛 勘定. を設けない.仕入諸掛 勘定で,期末棚 節高に配 賦 すべき仕入 諸 掛を次期へ繰越す. これは. 2. 分. 割法の場合,期末棚卸 高を仕入勘定で 次期へ繰 越すのと全く 同じ処理であ る. Ⅳ. 値引 ・割戻しの記帳. (1) 従来の記帳. 浜. 値引の記帳 法 として従来説明されている 方法 に. 2. 第. つ あ る.第1 法は,仕入勘定,売上勘定に. 1. 法に. ょ. れば,商品石高帳 を価額併記で 記. 入しているとき ,その訂正記入が必要となるが ,. ,仕入植引 ・割戻しを仕入植引. ができる. これと対照的記帳 をするために , 売. 上値引・割戻しは ,売上値引摂勘定・売上 割戻 損 勘定で処理する..

(6) 商品売買の記帳 と決算手続. この ょう な記帳 しているとき ,決算整理では,. 仕入植引盃・ 仕入 割戻益 のうち期末 棚卸高 に見 合う額を繰 延 仕入植利益勘定・ 繰延 仕入 割戻益 勘定 え 振替え,これらを繰越商品勘定の 控除的 評価勘定として 利用する. この振替手続後の 仕 八個引盃勘定・ 仕入 割戻益 勘定の貸方差額は , 当期の売上原価を 計算する要素として 仕入勘定 ( または売上原価勘定 ). へ 振替えることになる ,. 売上値引 損 ・売上 割戻 損は売上勘定へ 振替える のが通常の処理であ ろう. 現行簿記手続に 従えば,翌期末に繰 延 仕入植 繰延 仕入 割戻 益を仕入植引盃勘定・ 仕入 割戻益 勘定へ 振 戻すが, これも 再 振替手続であ る・ よって繰越商品を 仕入勘定へ 振 戻す 再 振替 を 期首に行 う とすれば,これと同調すべき手続 利益・. であ る・そのようにすれば , 整合性が得られる・すなわち. 2 分割法の記帳 と. ,. 2 分割法の場合. は, 繰延 仕入個別盃勘定・ 繰延 仕入 割戻益 勘定 を 設けないで,直接,仕入個別盃勘定・仕入 割 戻益 勘定で期末 棚 節高に見合う 仕入植引盃・ 仕 入 割戻 益を繰越すからであ る. 売上値引・割戻しについては ,仕入植引 ・割 戻しと対照的な 記帳 をすることは ,すでに述べ た. ・. このように記帳 することによって ,売上値. 引・割戻しの 見越 計上の処理に 発展させること ができる・すなわち ,期末に得意先から値 引の 要求があ り,翌期にその申入れを受けることが. (大藪. (15) 15. 俊哉 ). 割戻しを現実に 行ったとき,売上値引損 勘定・ 売上 割戻損 勘定で記帳 しておき,翌期末の精算 手続で,売上値引引当金・ 売上 割戻 引当金と相 殺計算をする. この処理は,貸間引当金を設定 している場合, 貸倒 取引を貸例損失勘定で 記帳 しておき,期末に精算するのと 全く同じであ. V. る. 例示による決算手続の 展望的まとめ - 結びに かえ て. 一. 以上,商品売買の記帳 をめぐる諸問題につい. て述べた.最後に,決算仕訳によって (17頁に 示した ), その要点を示し 結びに代えたい・ なお分割商品勘定の 記帳 を前提とし その資料 は次頁に示すとおりであ る. 試算表はいずれも 精算手続直前のものであ る. が,残高試算表 (1) は,従来の 3 分割法の処 理 (期末 再 振替 ) に合せて,本稿で提唱してい る記帳 法を採った場合のものであ り,残高試算 表 (n) は,新しい分割法の処理 (期首 再 振 替 ) に合わせて,本稿で提唱している 記帳 法を 採った場合のものであ る・後者は, 2 分割法, 直接整理法でも ,. 3. 分割法,間接整理法でも同. じになる. 決算仕訳はいずれも 残高試算表. (n) によっ. ており,決算仕訳 (1) は, 3 分割法,間接整 理法,間接仕訳注9)を採った場合のもの ,決算. 仕訳㎝. 確実であ る場合とか, また期末にその 計算時期. ) は, 2 分割法,直接整理法,直接仕 訳 f去 g) をま采 った 場合のものであ り,両者の違い. が 来ていないために 割戻しを行っていないが ,. を明らかにした ,. 翌期には当期売上商品の 何パーセントかの 割戻. が,決算仕訳 (1) は整理仕訳を 行うので理解. しをしなければならないことが 判っている場合. し 易いが,. に,決算整理手続で,売上値引・ 割戻しの 見越. (D) は記入自体は 簡潔であ り,極めて実務的. 計上をするのが 正しい,. であ るが,慣れるのに若干時間が掛かるであ ろ. この 見越 計上に 2. 0. ,売上値引引当金・ 売上. 割戻 引当金を設定している 場合,翌期に値 弓 l. .. 、つ. いずれも理論的な 処理であ る. 記入に手数が 掛かり, 決算仕訳.

(7) 16 (16. 第 XW 巻. 横浜経営研究. Ⅰ. (1995). 第 1号. 料 資. 科. 繰 仕. 越. 商. T上 .. 定. 表 算 試. 残高. 勘. 借. 方. 目. 品. 几. 貸. 1. 割戻益. 売上値引摂. 資. 本. 金. 販 管. 売 理. 費 費. -. -% 一 一Ⅰ 章. 収. 科. 目. 入. 345 400. 450. 掛. 10 1 9. 債. 売上 割戻 引当金. 販 管 -一一Ⅰ 辛事. 資. 産. 4. 710. 負. 本. 金. 売 理. 費 費 益. vx. 345 400 11 9. 20. 1,200. 11. 方. 3 8. 摂. 諸. 貸. 420. 割戻益. 売上値引. 資 4. 方. 売上 割戻損 一 Ⅰ ヰ章. 710. 講. 借. 入 上. 仕人個別盃. -. 1 9. 売上 割戻損 売上 割戻 引当金 -Ⅰ-幸茸 資 産 -% -Ⅰ-幸 負 債. 仕. 仕入 2 3 5. 繰延 仕入 割戻益. 定. 仕. 2 8. 仕入植利益. 勘 フ Ⅰ. 420. 繰延 仕入講 掛 仕 入 講 掛 繰延 仕人個別盃 仕入. 方. 110 340. 入 上. 壬申. 残高試算表 (D). 1,200. 9. 益. 20. 1,200. 1,200. く 備考 ノ 不例示に直接関係のない 資産, 負債, X 益はきとめて ,諸資産, 刀. 諸負債,諸収益として 示した. また販売 費 ,管理費も勘定 科 目. として処理している. 整理事項 山 期末 棚 節高 は 100 円であ り,帳簿 棚 節高は実地 棚 節高と一致した (2) 仕人 諸掛 のうち 4 円は期末 棚 節高相当分につき 繰延べる (3) 仕入植利益のうち 2 円は期末 棚 節高相当分につき 繰延べる (4) 仕入 割戻益 のうち 6 円は期末 棚 脚高相当分にっき 繰延べる (5) 売上 割戻 引当金 7 円を設定する (6) 販売 費 の前仏高が 2 円あ る. (7)管理費の末松高が. 6. 円あ る.. ぅ主. 関係に,当該期間に帰属する費用・ 収益を損益. 勘定へ振替え ,その結果生ずる費用・収益勘定 1) この場合の商品 有 高帳 は数量だけの 記入でよい. 財表的簿記で ,商品の管理ができないとの理由 で 総記法を回避するのは 論理矛盾であ る. 2) ここでは戻し・ 戻りもなく,販売益が 算出され るという単純な 場合を前提としている. 3) 商品は帳 簿上原価で繰越記入されているので , 期首 再 振替手続として , この 振戻 記入をしない と. ,商品勘定は仕入取引の記入と 同時に , 再び. 混合勘定となり ,小売棚卸 法を実施した 意味が. の 貸借差額を費用・ 収益の繰延高・ 見 越高とし て ,次期に繰越する方法をい う . よってこの場. 合 ,実在勘定の残高振替仕訳, したがってまた 残高勘定の摘要 欄 に記入する相手勘定科目に 名 目 勘定が出てくる 点に注意を要する. これに対して , 間接整理法は ,費用・収益勘. 定から費用・ 収益の繰延高・ 見 越高を整理手続 で 経過勘定へ振替え , その結果生ずる 費用・ 収. 益 勘定の貸借差額を 当該期間に帰属する 費用・ 収益として損益勘定へ 振替える方法をいう. 4) 直接繰越 法 ,間接繰越法 という場合もあ る. 直 接 整理法は, 費用・収益勘定の 記入金額とは 無. 注意すべきは ,間接整理法では必ず経過勘定 を 設けて整理手続をするから. ,整理記入を単独.

(8) 商品売買の記帳 と決算手続. 4. キ 。貝. 一尺. 圭一口. 上. "; フ ""Ⅰ. 4. 替 振. 損益. な し 在. は字7 る. 訳い 仕て 理ね. がな. 整兼. る訳. 売. 費). 末弘管理費. は理. (販 (. 費). "フモ 亡 ( (仕入 (諸 く. 上 ) 420. 仕入植引盃 ). 割戻益 ). 1 2. 益). 20. 収. 益 ) 393. (t 貝 。. (損. 益). (. (仕. (仕. 入. 諸. 443. 入 ) 350 掛) 6. 売上値引 損 ) (売上 割戻損 ) (売上 割戻 引当金 ). 26. 理. 割戻損. (売上 ) (売上 割戻 別当 損 ) (商品販売損益 ). 2 4. 割戻益 ) 前仏販売 費 ). Ⅰ. 収益の損益振替手続 73. 仕入植引盃 ). ( (仕入 ( (管. 01226. 2 4. 上). あ仕. 入) 掛). 売上値引摂). (. 九 七. 続整. 理訴. 5 3. 諸. 手が. 整仕 670615. 6 3. (繰延 仕入 割戻益 ) (売上 割戻 引当金 ). 入. (17 17. 2. (仕 人) (仕 入 諸 掛 ) (繰延 仕入植利益 ). (仕 (仕 (. 俊哉 ). 4. f 貝 。. 割戻益. 一 %. 仕入植引盃). ) (仕入 (売上 割戻 別当 損 ) (商品販売損益 ). 口 垂 Ⅱ a. 042679. 0 l. 越 商 品) 仕入 諸掛 ). 上. " フ Ⅰ"" ;. 4. (繰. (繰延 (. (大藪. (販 (管. ). 整理手続. 費) 費). 売 理. 1 5. 7 9. 15. 費用の損益振替手続 423 収 益 ) 20 収益の損益振替手続. (商品販売損益 ). く. 益). t。 貝. (諸. . 。. く才貝. 益 ) 393. (商品販売損益 ) (販 売 費) (管 理 費). 369. 高 ) 816. (残. (仕. 9. (仕. 15. (販. 費用の損益振替手続. く. "者. 入. 諸. 売. 資. 人) 持). 100 4. 費) 2 産 ) 710. 資産の残高振替手続 . 士" 貝. Ⅰ. 益). 50. (資. 本. 金). 50. 純利益の損益振替手続 (祈曳. 高 ) 816. (繰 越 商 (繰延 仕入講. 品 ) 100 4 掛). (前仏販売 費 ) (三者. 資. 2. 産 ) 710. 資産の残高振替手続 (繰延 仕入植引盃 ). 2. (繰延 仕入 割戻益 ). 6 7 6. (売上 割戻 引当金 ) ( ) (諸 負 債) (資 本 金). 末弘管理費. (残. (仕入植引 盃 ). 割戻益 ). 2. (仕入 (売上 割戻. 6. 引当金 ). 7 6. (管. 理. 費). (残. 高). 816. 債 ) 345 金 ) 450 負債・資本の 残高振替手続. (諸. (資. 負. 本. 高 ) 816. 345 450 負債・資本の 残高振替手続. に 示すことができるのに 対して, 直接整理法で. は名目勘定で 整理手続をするから ,損益振替記 入が整理記入を 兼ねるので,整理記入を単独に. は再 振替記入もない. 5) むしろ逆で。 当座預金勘定の 記帳 からはじまり ,. 示すことはできない 点であ る. なお間接整理法. 当座借越契約のあ る場合の記帳 法 として 2 勘定 制 が導入されたのであ る. しかし 2 勘定制は単. では翌期首の 繰越記入の直後に 再振替記入を 要. 一仕訳帳 制を前提としてはじめてて 記帳 可能で,. する. 再 振替記入は整理記入の 反対記入であ る. また当然ながら ,整理記入のな い 直接整理法で. 分割仕訳帳 制 , 少なくとも当座預金出納帳. を特. 殊仕訳帳 として利用するときは 採用できない..

(9) 18 (18). 横浜経営研究. 第 ⅩⅥ巻. よっていずれの 帳 簿組織でも整合性あ る記帳 法 として 1 勘定利が提唱されるに 至った, これを 1 勘定制の当座勘定が 分割されて,当座預金勘 定と当座借越勘定の 2 勘定利が誕生したと 考え るのは誤りであ る. なお詳しくは ,つぎを参照 のこと・ 沼田嘉穂 著 「簿記教科書」 (同文箱 ) 平成 6 年, p. 137.. 大藪俊哉 著 「簿記論の重点詳解」. ( 中央経済. 社 ) 平成 6 年, pp.82-83. 6) 詳しくは,下記を参照のこと. 飯野利夫先生還暦記俳論文集「財務会計研究」 (国元書房 ), 昭和 54 年, pp.255 一 266. 7) 直接仕訳 法 で総額法の場合の 処理で説明してい る.. 筆 ] 号 (1995). 8) 簿記 善 によっては,仕入植引勘定,売上値引勘 定を 5 分割法として 説明している 場合もあ るが, 筆者は仕人戻し 勘定,売上戻り勘定を 5 分割法 として考えているので , 値 引勘定を記帳 する場 合には 7 分割法となる ,. 9) 直接仕訳 法 ・間接仕訳 法は ,費用,収益の 損益 振替手続における 区別を いう .すなわち,一般 に費用勘定・ 収益勘定または 混合勘定から 費 用・収益を損益勘定へ 直接振替える 手続を直接 仕訳 法 という・. これに 2 才して, 同種費用・収益. をまず中間的集計勘定へ 振替え, この勘定から 損益勘定へ振替える 手続を間接仕訳注という. (おおや. ぶ. としや. 横浜国立大学経営学部教授. コ.

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